JP3550287B2 - 赤外線体温計 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線体温計、特に耳内から発せられる赤外線を検出して体温を測定する耳式体温計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院等の医療機関や家庭などで体温の測定を行う体温計として、耳腔(外耳道)内にプローブ(検温部)を挿入し、鼓膜から放射される赤外線(熱線)を検出し、その赤外線の強度によって体温を測定する耳式体温計が提案されている。
【0003】
この耳式体温計の検温部は、冷接点および温接点を有する熱電対列で構成される赤外線センサーと、前記熱電対列の冷接点部分の温度(=環境温度)を検出する温度センサーとを備えており、赤外線センサーおよび温度センサーから出力される信号に基づいて体温を測定する。
【0004】
この場合、各冷接点と温度センサーの熱応答性能を同等にするのが理想的であるが、実際には、これらに差が生じる。そのため、測定された体温に誤差が生じ、測定精度が悪くなるという問題がある。特に、環境温度(体温計がおかれている雰囲気の温度)が変動しており、それにより赤外線センサー自身の温度が変化している過渡的な状況においては、温度センサーの温度と冷接点の温度とが相違し、それが原因で体温測定値に誤差が生じる。
【0005】
なお、上記欠点を考慮し、温度補正を行うことも考えられるが、ノイズの影響を受け易く、安定した計測が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、測定精度を向上することができる赤外線体温計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 測定部位の温度に依存する赤外線の強度を検出する検温部を備え、前記検温部で検出される検出信号から得られる検温値を前記検温部のおかれた環境温度の変化に応じて補正し、測定部位の温度値を算出する赤外線体温計において、
前記環境温度の変化の割合が小さい場合には、実質的に前記補正を行わないことを特徴とする赤外線体温計。
【0009】
(2) 測定部位の温度に依存する赤外線の強度を検出する検温部を備え、前記検温部で検出される検出信号から得られる検温値を前記検温部のおかれた環境温度の変化に応じて補正し、測定部位の温度値を算出する赤外線体温計において、
前記補正の大きさに、上限値および/または下限値を設けたことを特徴とする赤外線体温計。
【0010】
(3) 前記検温部は、熱電対列で構成される赤外線センサーと、該熱電対列の冷接点近傍の温度を検出する温度センサーからなり、前記検出信号は前記赤外線センサーおよび前記温度センサーから出力される信号であるところの上記(1)または(2)に記載の赤外線体温計。
【0011】
(4) 前記環境温度は、前記温度センサーから出力される信号に基づいて測定される上記(3)に記載の赤外線体温計。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外線体温計を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1および図2は、それぞれ、本発明の赤外線体温計(以下、単に「体温計」と言う)の正面図および側面図、図3は、本発明の体温計においてプローブにプローブカバーを装着した状態を示す図1中のA−A線断面図、図4は、本発明の体温計の内部構造を模式的に示す断面側面図、図5は、検温部の構造を示す斜視図、図6は、本発明の体温計の回路構成を示すブロック図である。なお、説明の都合上、図1、図2の上側を「上部」、下側を「下部」、図3、図4の上側を「先端」、下側を「基端」と言う。
【0014】
図1〜図4に示すように、本発明の体温計1は、鼓膜から発せられる赤外線の強度を測定することにより体温を検出する耳式体温計であり、ケーシング21を有する体温計本体2と、体温計本体2の正面に設置された電源スイッチ3および表示部5と、体温計本体2の背面上部に設置された測定スイッチ4とを有している。
【0015】
プローブ6は、体温計本体2の上部正面側に、体温計本体2に対し着脱自在に設置されている。図3に示すように、支持台7は、大径部71と、その先端側の小径部72とを有し、大径部71および小径部72の外周には、それぞれ、雄螺子73、74が形成されている。
【0016】
一方、管状のプローブ6の基端には、大径部71の先端面に当接する基部61を有するとともに、プローブ6の基端側内面には、前記雄螺子74と螺合する雌螺子62が形成されている。これらの雄螺子74と雌螺子62を螺合することにより、プローブ6が支持台7に支持、固定される。
【0017】
また、プローブ6は、その外径が先端に向かって漸減する形状をなしており、プローブ6の先端外周部(縁部)63は、耳腔内へ挿入したときの安全性を考慮して、丸みを帯びた形状をなしている。
【0018】
支持台7の中心部には、その先端から導入された赤外線(熱線)を検温部10の赤外線センサー101へ導くライトガイド(導波管)8が立設されている。ライトガイド8は、好ましくは熱伝導性の良い銅などの金属で構成され、その内面には、金メッキが施されている。
【0019】
また、ライトガイド8には、その先端開口を覆うように保護シート81が被覆されている。これにより、ライトガイド8の内部にゴミ、塵等が侵入することが防止される。なお、保護シート81は、赤外線透過性を有するものであり、その構成材料としては、後述するプローブカバー11と同様の樹脂材料が挙げられる。
【0020】
支持台7の大径部71には、リングナット9が螺合される。すなわち、リングナット9の基端側内面には、雌螺子91が形成され、この雌螺子91が大径部71の雄螺子73と螺合することにより、リングナット9が支持台7に支持、固定される。
【0021】
このリングナット9は、雌螺子91の先端付近からその外径が先端方向へ向かって漸減するテーパ部92を有し、テーパ部92の内面には、プローブカバー11の胴部12に係合する係合部93が形成されている。
【0022】
プローブ6にプローブカバー11を被せ、リングナット9を装着し、所定方向に回転操作して螺合すると、プローブカバー11の胴部12がプローブ6の傾斜部64とリングナット9の係合部93とで挟持され、プローブカバー11がプローブ6に対し確実に固定される。
【0023】
なお、本実施例のプローブカバー11の開口端(基端)の周囲にフランジ取り付け基部等を設け、このフランジ等をプローブ6とリングナット9の間で挟持してプローブカバー11を固定することもできる。
【0024】
従って、体温測定中等に、プローブカバー11がプローブ6に対しズレを生じたり、容易に離脱することが防止される。また、プローブカバー11をプローブ6から取り外すには、リングナット9を相当の力で回転操作して大径部71との螺合を解除しなければならないので、乳幼児が誤ってプローブカバー11を取り外し、口に入れる等の不都合も防止される。
【0025】
リングナット9の先端面94は、ほぼ平坦な面を構成している。プローブ6を耳腔に挿入したとき、この先端面94は、耳腔入口付近に当接し、プローブ6の耳腔への挿入深さを一定の深さに規制する。このため、常に適正条件での測定が可能となり、耳腔への挿入深さの変動による測定誤差を防止することができるとともに、プローブ6の耳腔内に深く入り過ぎて耳の奥部を傷つけるといった不都合も生じない。
【0026】
また、リングナット9のテーパ部92の外周面には、リングナット9を締めつける方向または弛める方向に回転操作する際の滑り止め効果を発揮する複数の溝(滑り止め手段)95が円周方向に所定間隔をおいて形成されている。なお、溝95のような凹部に限らず、凸部であっても同様の機能を発揮することができる。また、ゴムのような高摩擦材料を配してもよい。
【0027】
プローブカバー11は、基端が開放し、先端が閉じた形状をなしている。このプローブカバー11は、外径および内径が先端へ向かって漸減する筒状の胴部12と、胴部12の先端部に形成された赤外線を透過し得る膜14と、膜14の外周部に形成され、該膜14より先端側に突出するリング状のリップ部15とで構成されている。
【0028】
そして、胴部12、膜14およびリップ部15は、好ましくは樹脂材料により一体的に形成されている。この樹脂材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。
【0029】
このプローブカバー11では、リップ部15が存在することにより、膜14がプローブカバー11の先端から所定距離だけ基端側へ下がった状態となる。これにより、プローブ6にプローブカバー11を装着し、耳腔内に挿入したとき、膜14が耳腔の内面やその周辺部に触れることや、プローブカバー11のプローブ6への着脱操作時等に指等が触れることが防止され、膜14の表面を清浄に保つことができるので、より高い測定精度を維持することができる。
【0030】
このリップ部15は、その内側がプローブ6の先端部に嵌合する形状をなしている。すなわち、図3に示すように、プローブ6にプローブカバー11を装着した状態では、リップ部15がプローブ6の先端外周部63に嵌合する。これにより、耳腔内への挿入時(測定時)等に、プローブカバー11の先端部がプローブ6に対しズレを生じることが防止されるとともに、膜14が一定の張力で張られ、膜14にしわやたるみが生じることが防止されるので、測定精度の向上に寄与する。
【0031】
また、リップ部15の先端は、丸みを帯びた形状をなしている。これにより、耳腔内への挿入に際し、痛みを感じたり、耳腔内壁を傷つけたりすることがなく、高い安全性が確保される。
【0032】
図4に示すように、ケーシング21内には、回路基板30が設置されており、この回路基板30には、検温部10、マイクロコンピュータよりなる制御手段31、A/D変換器32およびブザー33が搭載されている。また、ケーシング21内には、バッテリーを収納する電源部40が設置され、この電源部40より、回路基板30の各部へ電力が供給される。
【0033】
検温部10は、赤外線センサー101と、温度センサー(温度測定手段)107とで構成されている。
【0034】
制御手段31は、演算部、タイマー(オートパワーオフタイマーを含む)、メモリー(RAM、ROM)を内蔵している。
【0035】
この制御手段31は、無駄な電力消費を抑制するために、オートパワーオフタイマーを備えている。
【0036】
このオートパワーオフタイマーは、電源スイッチ3をオンの状態で放置した場合、タイマーをスタートさせてから所定時間(60秒)後に、自動的に電源をオフにするものである。オートパワーオフタイマーをスタートさせてから60秒以内に、電源スイッチがオフされた場合でも、60秒経過するまでは、タイマーは、そのカウント動作(時間計測)を継続する。
【0037】
図5に示すように、赤外線センサー101は、サーモパイル(熱電対列)102を備えている。そして、熱絶縁帯105を介して中心側に位置する集熱部106にサーモパイル102の温接点103が、熱絶縁帯105の外周側に冷接点104がそれぞれ設置された構成をなしている。
【0038】
また、赤外線センサー101の近傍には、温度センサー107が設置されている。この温度センサー107は、赤外線センサー101の熱絶縁帯105より外周側の温度、すなわち赤外線センサー101のおかれている環境温度を検出し、環境温度が変動していない(安定している)場合には、環境温度と等温状態になっている冷接点104の温度を検出する。
【0039】
このような検温部10では、赤外線センサー101および温度センサー107により、それぞれ耳内からの赤外線照射により暖められた温接点103と耳内からの赤外線が照射されない冷接点104との温度差に相当する信号と、冷接点104近くの雰囲気の温度(環境温度)に相当する信号とを検出し、これらの関数により体温を測定することができる。
【0040】
次に、体温計1の使用方法について説明する。
体温計本体2の支持台7の小径部72に前述したようにしてプローブ6を螺合、装着し、さらに、該プローブ6にプローブカバー11を被せる。次いで、その上から、リングナット9を挿通し、支持台7の大径部71に螺合する。これにより、プローブカバー11の胴部12がプローブ6の傾斜部64とリングナット9の係合部93とで挟持され、プローブカバー11がプローブ6に対し固定される。これにより、プローブカバー11の装着が完了する。
【0041】
次に、電源スイッチ3をONの状態とし、所定時間経過後、体温計本体2を把持し、プローブカバー11で被包されたプローブ6を耳腔内に挿入する。
【0042】
次に、測定スイッチ4を所定時間押圧する。これにより、体温の測定がなされる。すなわち、鼓膜から放射された赤外線(熱線)は、膜14および保護シート81を順次透過し、ライトガイド8内に導入され、その内面で反射を繰り返して検温部10の赤外線センサー101に到達し、集熱部106に照射される。
【0043】
赤外線センサー101からは、温接点103と冷接点104との温度差に対応した出力(アナログ信号)が得られ、この出力は、A/D変換器32によりデジタル信号(以下、「赤外線センサーからのAD値」と言う)に変換されて、制御手段31へ入力される。
【0044】
また、温度センサー107からは、冷接点104近くの雰囲気の温度(環境温度)に対応した出力(アナログ信号)が得られ、この出力は、A/D変換器32によりデジタル信号(以下、「温度センサーからのAD値」と言う)に変換されて、制御手段31へ入力される。
【0045】
制御手段31では、入力された赤外線センサーからのAD値、温度センサーからのAD値に基づいて、所定の演算処理を行い、また、後述する温度補正を行って、体温を求める。求められた体温は、表示部5に表示される。
なお、制御手段31の制御動作については、後に詳述する。
【0046】
表示部5は、液晶表示装置で構成され、測定された体温を数字で表示するとともに、複数のセグメントから構成されるシンボルマーク50を表示することができる。このシンボルマーク50の一例を図7に示す。
【0047】
図7に示すように、シンボルマーク50は、ウサギの顔のキャラクターを示すもので、ウサギの左耳の部分を示す第1セグメント51と、ウサギの右耳の部分を示す第2セグメント52と、ウサギの顔の部分を示す第3セグメント53とで構成されている。各セグメント51〜53は、それぞれ独立して点灯または点滅することができ、その点灯または点滅は、制御手段31により制御される。
【0048】
後述する待機時間中は、例えば、まず、第1セグメント51が所定時間点灯または点滅し(図7(a)参照)、次いで第1セグメント51および第2セグメント52が所定時間点灯または点滅し(図7(b)参照)、次いで全てのセグメント51〜53が点灯または点滅する(図7(c)参照)ような表示形態をとる。待機時間が終了したら、全てのセグメント51〜53が点灯する。
【0049】
このような表示形態では、時間の経過に伴って点灯または点滅するセグメントの個数が増加してゆき、最後に全てのセグメントが点灯または点滅するに至るので、時間の経過を簡単に知ることができ、残り時間も容易に判断することができる。そのため、待機中において、不安感や待機の苦痛を解消または軽減することができる。
【0050】
また、未完成のシンボルマーク50が徐々に完成してゆき、最後に完成したキャラクターが現れるような表示形態であるため、幼児や子供の体温を測定する場合、待機中にこの表示を見せることにより、興味を持たせ、飽きることなくおとなしく待つことが可能となる。そのため、体温測定を円滑に行うことができる。
【0051】
なお、表示部5は、例えば、バッテリー残量を示す表示等の他の表示がなされるような構成であってもよい。
【0052】
本発明の体温計1は、環境温度の変化に応じて測定値を補正する補正手段を有している。この補正手段は、制御手段(マイクロコンピュータ)31に、プログラム(ソフト)として内蔵されている。以下、この補正手段による補正の意義および補正手段の構成について説明する。
【0053】
前記検温部10において、冷接点104と温度センサー107の体温計1のおかれている環境の温度の変動に対する応答性は、同等でない場合がある。そのため、体温計1がおかれている環境の温度が変動しており、それにより赤外線センサー101自身の環境温度が変化している過渡的な状況においては、温度センサー107の検出温度(赤外線センサー101の環境温度)と冷接点104の温度にズレが生じ、それが原因で測定された体温に誤差が生じることがある。
【0054】
図8は、体温計1のおかれている環境の温度の変化と、体温計1での測定温度および、赤外線センサー101の環境温度変化の割合との関係を示すグラフである。同グラフ中の(A)は、補正手段を具備しない体温計を5℃に冷却後、25℃の環境下に移動して32℃の熱源(黒体炉)を測定したときの、25℃環境下に移動してからの経過時間と測定温度との関係を示す。この例では、25℃環境下に移動してから120秒後、温度誤差は+2℃以上あり、600秒経過しても+1℃以上の誤差がある。
【0055】
冷接点104の温度と温度センサー107の検出温度は、共に体温計1のおかれている環境の温度の影響を受けるが、前記の状況において、単位時間当たりの温度センサー107の検出温度変化、すなわち、赤外線センサー101の環境温度変化の割合は、図8中の(B)の通りである。
【0056】
図8中の(A)、(B)より、温度センサー107の検出温度変化の割合(TH1微分値)と測定された温度の温度誤差との間には、相関があることが認められる。体温計の環境温度変化のパターンを種々変えて、温度センサー107の検出温度変化の割合(TH1微分値)と測定された温度の温度誤差との関係を調べた結果、図9に示すように非常に良い相関があることが確認された。
【0057】
そこで、このような相関に基づき、温度センサー107の検出温度変化の割合のそれぞれに対する温度誤差をキャンセルするような補正量Uの検量線を予め作成し、測定された温度(体温)にこの補正量Uに基づく補正を施す。この補正後の温度は、図8中の(C)に示すように、体温計1のおかれている環境の温度の変動直後においても温度誤差が±0.4℃以下に抑えられた。
【0058】
なお、図10に、補正量Uの一例を示す。図10中のX軸は環境温度の温度変化の割合、Y軸は補正をしない場合の温度誤差および補正量を表す。補正量Uは、環境温度変化の割合の比較的大きいFの領域での温度誤差を除き、温度誤差をキャンセルするように設定されている。この場合、環境温度変化の割合が小さい(特に0に近い)領域Dでは、温度変化のノイズ成分を考慮し、補正により得られた温度が不安定となることを避けるために、補正量Uは実質的に0とする。
【0059】
詳述すると、ゆるやかな温度変化がおこる場合(例えば、極端に何回も繰り返して検温を行った場合)、温度センサー107での測定温度は上昇するが、このような場合、微分値には測定温度のゆらぎの成分(ノイズ成分)が増幅して現れる。そして、このゆらぎに対しても補正してしまうと、当然不安定な値になってしまう。従って、この場合には、実質的に補正を行わず、すなわち、補正量Uを実質的にOとする。
【0060】
また、補正量Uには、ノイズ等の影響により誤って極端に大きな補正を行うことを防ぐため、上限値Emax および下限値Emin が設けられている。ここで言うノイズは、例えば、A/D変換器32の誤動作により誤ってAD値が異常になることにより生じる。このため、図10では、温度変化の割合の絶対値の大きい領域で、温度変化の割合と測定温度誤差の相関を考慮した場合の補正の値が、Emax 以上、Emin 以下となる領域での補正量Uは、それぞれ、Emax 、Emin となっている。
【0061】
以上のような体温計1の環境の温度変化に基づく補正を行うために、赤外線センサー101の環境温度の変化の割合を検出する必要があるが、そのために、所定の時間幅(本実施例では4秒)をおいて赤外線センサー101の環境温度を2度測定する必要があり、その間は、待機しなくてはならない。
【0062】
本実施例では、この待機中に、表示部5に前述した表示形態でのシンボルマーク50の表示がなされる。
【0063】
また、体温を測定した後は、体温計1のプローブ6は耳内からの熱伝搬により部分的に暖められており、そのため、プローブカバー11、プローブ6、温度センサー107および冷接点104の間に温度分布が発生する。この温度分布は、温度誤差の発生原因となる。そこで、測定終了後は、この温度分布がある程度緩和されるまで、すなわちプローブ6が冷却されるまで、次回の体温測定を行うことを禁止し、所定時間待機する必要がある。
【0064】
本実施例では、体温測定終了後、次回の体温測定が可能となるまでの待機時間(本実施例では8〜10秒)中に、表示部5に前述した表示形態でのシンボルマーク50の表示がなされる。
【0065】
図11〜図14は、制御手段31の制御動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、制御手段31の制御動作の一例について説明する。
【0066】
電源スイッチ3がオンされると、まずI/O等の制御手段31の動作に必要な初期化を行い(ステップ201)、赤外線センサー101の環境温度の温度変化(以下、単に「温度変化」と言う)を調べるために温度センサー107からのAD値(th1)をメモリーに記憶する(ステップ202)。
【0067】
次に、初回検温(前記オートパワーオフタイマーが作動していない状態)か否かの判断を行い(ステップ203)、初回検温であればオートパワーオフタイマーをリセット・スタートさせる(ステップ204)。このとき、TIM を0とする。
【0068】
現在時刻(タイマーの値TIM )をTIM 1に保存し(ステップ205)、表示部5に待機中表示を開始する(ステップ206)。この待機中表示は、前述した表示形態でのシンボルマーク50の表示である。
【0069】
タイマーの時間が4秒経過したか否かを判断し(ステップ207)、4秒経過するまで、前記待機中表示を行う。4秒経過したら、後述するステップ211へ移行する。なお、この「4秒」は、温度変化を求めるのに必要最小限の待機時間であるが、その設定時間は、任意に変更することができる。
【0070】
ステップ203において、初回検温ではないと判断された場合には、タイマーの時間が8秒経過したか否か、すなわち前回の温度測定終了から8秒経過しているか否かを判断し(ステップ208)、8秒経過している場合には、体温測定が可能であるので、ステップ204へ移行する。なお、この「8秒」は、検温後、プローブ6が冷却され、温度分布がある程度均一となるのに十分な時間であるが、その設定時間は、任意に変更することができる。
【0071】
ステップ208の判断の結果、8秒経過していない場合には、現在時刻(タイマーの値TIM )をTIM 1に保存し(ステップ209)、表示部5に待機中表示を行う(ステップ206’)。
【0072】
次に、TIM −TIM 1と、8−TIM 1と4のうちのいずれか大きい方の値とを比較し、前者が大きいか否かを判断する(ステップ210)。前者が大きい場合には、ステップ211へ進み、そうでない場合には、ステップ206’へ戻り、ステップ210の判断を繰り返す。これにより、所定の待機時間が確保され、プローブ6が十分に冷却され、体温測定が可能となる。
【0073】
以上のような待機時間が経過したら、測定準備完了の表示を行い(ステップ211)、測定スイッチ4の入力待ち状態となる(ステップ212)。測定スイッチ4が押され(オンされ)たら、現在時刻(タイマーの値TIM )をTIM 2に保存し(ステップ213)、温度センサー107からのAD値(th2)をメモリーに記憶する(ステップ214)。
【0074】
次に、測定部位(熱源)の温度を測定するために、赤外線センサー101からのAD値(tp0)をメモリーに記憶し(ステップ215)、温度センサー107からのAD値(th0)をメモリーに記憶する(ステップ216)。
【0075】
演算部にて前記tp0およびth0を予め設定されている熱源温度(補正前)TOBJ(検温値)と、tp0およびth0の関係式TOBJ=f(tp0,th0)に代入し、熱源温度(補正前)を算出する(ステップ217)。
【0076】
また、温度勾配(温度変化の割合)DTH を求めるために、前記th1およびth2の温度換算をそれぞれ行い、TH1[℃]およびTH2[℃]を求め(ステップ218)、TH1、TH2、TIM 1およびTIM 2から、温度勾配DTH の計算を行う(ステップ219)。
【0077】
次に、補正手段により補正量U[℃]を求める(ステップ220〜226)。まず、温度勾配DTH が0より大であるか否かを判断し(ステップ220)、0より大である場合、すなわち、図10中のY軸より右側の場合には、a×DTH +b(ただし、a、bは、予め実験により求められた係数)を補正量U[℃]とする(ステップ221)。さらに、このUが0より大であるか否かを判断し(ステップ222)、0より大である場合、すなわち図10中の領域Dに含まれる場合には、Uを0に変更し(ステップ223)、その他の場合には、前記Uを維持する。
【0078】
また、ステップ220の判断により、温度勾配DTH が0より大でない場合、すなわち、図10中のY軸より左側の場合には、a’×DTH +b’(ただし、a’、b’は、予め実験により求められた係数)を補正量U[℃]とする(ステップ224)。さらに、このUが0より小であるか否かを判断し(ステップ225)、0より小である場合、すなわち図10中の領域Dに含まれる場合には、Uを0に変更し(ステップ226)、その他の場合には、前記Uを維持する。
【0079】
次に、Uが予め設定されている上限値Emax より大であるか否かを判断し(ステップ227)、Emax より大である場合には、UをEmax に変更する(ステップ228)。
【0080】
ステップ227の判断の結果、UがEmax 以下の場合には、さらに、Uが予め設定されている下限値Emin より小であるか否かを判断し(ステップ229)、Emin より小である場合には、UをEmin に変更する(ステップ230)。UがEmax 以上の場合には、そのUを維持する。
【0081】
次に、前記補正を伴った体温TMP [℃]の計算を行う(ステップ231)。すなわち、体温TMP [℃](測定部位の温度値)は、TOBJ+U[℃]として求められる。
【0082】
次に、ステップ231で求めた体温を表示部5に表示し(ステップ232)、測定終了を報知するためにブザー33を鳴らす(ステップ233)。なお、このブザー33の報知により、操作者は、プローブ6を耳腔から抜き取る。これには、通常、約2秒前後の時間を要する。
【0083】
次に、オートパワーオフタイマーをリセット・スタートさせ(ステップ234)、現在時刻(タイマーの値TIM )をTIM 1に保存し(ステップ235)、次回の測定のために、温度センサー107からのAD値(th1)をメモリーに記憶する(ステップ236)。
【0084】
次に、表示部5に待機中表示を開始する(ステップ237)。この待機中表示は、前述した表示形態でのシンボルマーク50の表示である。例えば、まずシンボルマーク50の第1セグメント51が3秒間点滅し(図7(a)参照)、次いで第1セグメント51および第2セグメント52が3秒間点滅し(図7(b)参照)、さらに、全てのセグメント51〜53が2秒間点滅した後(図7(c)参照)、全てのセグメント51〜53が点灯するような表示形態をとる。
【0085】
タイマーの時間が8秒経過したか否かを判断し(ステップ238)、8秒経過するまで、前記待機中表示を行う。8秒経過したら、再びステップ211へ移行する。なお、この「8秒」は、体温で暖まったプローブ6を冷却し、体温計1の環境温度にできるだけ近づけるための時間であるが、その設定時間は、任意に変更することができる。また、この8秒間待機中の間は、測定スイッチ4の割り込みを禁止する。
【0086】
なお、8秒間待機中に、電源スイッチ3がオフされた場合でも、ステップ204、234にてスタートさせたオートパワーオフタイマーは、60秒経過するまでそのカウント動作を継続する。オートパワーオフタイマーが8秒経過する前に、電源スイッチ3が再びオンされた場合には、ステップ210にて8秒間経過するまで待機を継続する。
【0087】
以上、本発明の体温計を添付図面に示す実施例に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。特に、赤外線センサーの環境温度の変化が小さくない領域での補正手段は、赤外線センサーの環境温度の変化(特に温度勾配)に応じて測定値を補正するものであれば、いかなる構成のものでもよい。
【0088】
また、本実施例での補正手段は、赤外線センサーの環境温度の変化、すなわち温度センサー107の検出温度の経過時間に対する1次の微分値を用いているが、さらに、2次微分に基づく補正をすることもでき、この場合には、より測定精度を向上することができる。
【0089】
例えば、図8のグラフBにおいて、経過時間初期の部分(図10のFの部分に対応)を見ると、2次微分値を求めることにより、a領域の判定が可能になり、このa領域に対し、補正量Uを大きくすること、すなわち、より適正な補正量を与えることが可能となる。
【0090】
また、2次微分値をパラメータとして用いて、補正量を直接求めることも可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、環境温度の変化に応じた補正を行うことにより、体温の測定精度を向上することができる。
【0092】
特に、温度測定手段の測定値に基づいて求めた温度勾配に応じて補正量を決定する構成、環境温度の変化が小さいときは補正量を実質的に0とする(補正を実質的に行わない)構成、または、補正量に上限値および/または下限値を設けた構成とすることにより、体温の測定精度をより高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体温計の正面図である。
【図2】本発明の体温計の側面図である。
【図3】本発明の体温計においてプローブにプローブカバーを装着した状態を示す図1中のA−A線断面図である。
【図4】本発明の体温計の内部構造を模式的に示す断面側面図である。
【図5】本発明の体温計における検温部の構成例を示す斜視図である。
【図6】本発明の体温計の回路構成を示すブロック図である。
【図7】表示部に表示されるシンボルマークの一例を示す図である。
【図8】環境温度の経時変化と測定温度との関係を示すグラフである。
【図9】温度センサーでの温度変化の割合と測定された温度の温度誤差との関係を示すグラフである。
【図10】温度誤差と補正量との関係を示す図である。
【図11】制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 体温計
2 体温計本体
21 ケーシング
3 電源スイッチ
4 測定スイッチ
5 表示部
50 シンボルマーク
51 第1セグメント
52 第2セグメント
53 第3セグメント
6 プローブ
61 基部
62 雄螺子
63 先端外周部
64 傾斜部
7 支持台
71 大径部
72 小径部
73、74 雄螺子
8 ライトガイド
81 保護シート
9 リングナット
91 雌螺子
92 テーパ部
93 係合部
94 先端面
95 溝
10 検温部
101 赤外線センサー
102 サーモパイル(熱伝対列)
103 温接点
104 冷接点
105 熱絶縁帯
106 集熱部
107 温度センサー
11 プローブカバー
12 胴部
14 膜
15 リップ部
30 回路基板
31 制御手段
32 A/D変換器
33 ブザー
40 電源部
201〜238 ステップ

Claims (4)

  1. 測定部位の温度に依存する赤外線の強度を検出する検温部を備え、前記検温部で検出される検出信号から得られる検温値を前記検温部のおかれた環境温度の変化に応じて補正し、測定部位の温度値を算出する赤外線体温計において、
    前記環境温度の変化の割合が小さい場合には、実質的に前記補正を行わないことを特徴とする赤外線体温計。
  2. 測定部位の温度に依存する赤外線の強度を検出する検温部を備え、前記検温部で検出される検出信号から得られる検温値を前記検温部のおかれた環境温度の変化に応じて補正し、測定部位の温度値を算出する赤外線体温計において、
    前記補正の大きさに、上限値および/または下限値を設けたことを特徴とする赤外線体温計。
  3. 前記検温部は、熱電対列で構成される赤外線センサーと、該熱電対列の冷接点近傍の温度を検出する温度センサーからなり、前記検出信号は前記赤外線センサーおよび前記温度センサーから出力される信号であるところの請求項1または2に記載の赤外線体温計。
  4. 前記環境温度は、前記温度センサーから出力される信号に基づいて測定される請求項3に記載の赤外線体温計。
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