JP3549952B2 - トグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法 - Google Patents

トグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トグル機構やクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進させ、ムービングプラテンに取り付けられた可動側金型とステーショナリープラテンに取り付けられた固定側金型との接触によるムービングプラテンの前進停止によって型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出し、該金型タッチ位置と設定型締力およびリアプラテンの現在位置とに基いて設定型締力を実現するためのリアプラテン位置を求め、固定側金型と可動側金型との接触を維持したまま、前記求めた位置にリアプラテンを移動させるようにした自動型厚調整方法が既に公知である。
【0003】
この種の自動型厚調整方法のうちトグル式型締装置に関する自動型厚調整方法の従来例を図9に示すが、基本的な作用原理に関してはトグル式型締装置もクランク式型締装置も同様である。
【0004】
図9に示す通り、トグル式型締装置1は、射出成形機上に固設されたステーショナリープラテン2、タイバー3を介してステーショナリープラテン2に締結されたリアプラテン4、タイバー3に沿って移動自在に取り付けられたムービングプラテン5、ステーショナリープラテン2に対してムービングプラテン5を接離移動させるためのトグル機構6により構成される。
【0005】
トグル機構6は、リアプラテン4に枢着されたターナリーリンク7とムービングプラテン5に枢着されたバイナリーリンク8、および、ターナリーリンク7とバイナリーリンク8との枢着点をクロスヘッド9に接続するクロスヘッドリンク10と、クロスヘッドリンク10に直線送りをかけるボールネジ11、更に、ボールネジ11を回転駆動するためにリアプラテン4の側に取り付けられた型締用サーボモータ(図示せず)とで構成され、型締用サーボモータの駆動によりターナリーリンク7とバイナリーリンク8とで構成されるトグルリンク12を屈伸させることにより、ムービングプラテン2から離間する方向もしくは接近する方向にムービングプラテン5を移動させ、所定の型開きおよび型締動作を行わせるようになっている。
【0006】
トグル式型締装置1の場合ではトグルリンク12を構成するターナリーリンク7とバイナリーリンク8とが一直線上に並んだロックアップ状態でトグル機構6における最大の力の増幅率が発揮されるように構成されており、この時のクロスヘッド9の位置をリアプラテン4を基準とする座標系においてクロスヘッド9の原点位置O、すなわち、トグル機構(クランク機構)の原点位置Oとして規定している。図9に示す通り、クロスヘッド9がリアプラテン4に向かう移動、要するに、型開き方向への移動がクロスヘッド9の正方向移動である。図3に示す通り、クロスヘッド9が原点位置Oの近傍にある場合ではトグル機構6の増幅率が極めて大きく、クロスヘッド9が原点位置Oから正方向に僅かでも移動すればトグル機構6の増幅率は急激に減少し、更に、クロスヘッド9が原点位置Oからある程度以上離れてしまうとトグル機構6の増幅率は概ねフラットな状態となって、クロスヘッド9の位置に殆ど関わりなくトグル機構6の増幅率が一定の値に保たれるようになっている。
【0007】
可動側金型13を固定側金型14に圧接した後タイバー3を引き伸ばして型締作業を行うためには、増幅率が大きな区間でトグル機構6を作動させなければならないが、この区間は図3に示す通り相当に狭い範囲に限られるので、型厚つまり可動側金型13と固定側金型14との厚みの和に応じ、リアプラテン4をステーショナリープラテン2に対して全体的に接近または離間させ、トグル機構6の増幅率が大きくなる位置で可動側金型13と固定側金型14との接触、つまり、タイバー3の引き伸ばしが開始されるようにリアプラテン4の位置を決めなければならない。これが型厚調整である。
【0008】
リアプラテン4をステーショナリープラテン2に対して接離移動させるための手段としては、タイバー3の端部に刻設されたネジ部15、および、これらに螺合するタイバーナット16がリアプラテン4の四隅に回転自在かつ軸方向移動不能に取り付けられており、これら4つのタイバーナット16をリアプラテン4の側に取り付けられた型厚調整用インダクションモータ(図示せず)により同期回転させることで、リアプラテン4をステーショナリープラテン2に向けて接離移動させられるようになっている。
【0009】
従来の自動型厚調整のシーケンスは、概略において、以下に示す通りである。
【0010】
まず、リアプラテン4を現在位置に保持して型締用サーボモータを低速で駆動してクロスヘッド9を前進させ、トグル機構6を型締方向に作動させてムービングプラテン5をステーショナリープラテン2に向けて徐々に移動させて行き、可動側金型13のパーティングラインM1が固定側金型14のパーティングラインM2に接触するか否かを判断する。
【0011】
このとき、パーティングラインM1がパーティングラインM2に接触すればトグル機構6の作動が強制的に止められるので、型締用サーボモータの駆動トルクや位置偏差の増大等を監視することにより、リアプラテン4の現在位置に対応した金型タッチ位置、つまり、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を、原点位置Oを基準とするクロスヘッド9の停止位置として検出することができる。この際、金型タッチ状態となってからもトグル機構6が作動してタイバー3に伸びが生じるようでは正確な金型タッチ位置を求めることはできないので、型締用サーボモータの駆動トルクは極めて低い値に制限されるようになっている。また、型締用サーボモータの駆動トルクが如何に低い値に制限されていようとも、トグル機構6の増幅率が大きな区間で金型タッチが発生してしまうとタイバー3に伸びが生じる可能性があるので、クロスヘッド9の繰出し量は、トグル機構6の増幅率が小さな区間、例えば、図9および図3に示すようなP1−P2の区間に制限されるようになっている。
【0012】
しかし、リアプラテン4の現在位置によっては、クロスヘッド9をP2の位置まで繰出してムービングプラテン5をステーショナリープラテン2に接近させたとしてもムービングプラテン5の繰出し量が足りず、可動側金型13のパーティングラインM1が固定側金型14のパーティングラインM2に接触しないといった場合もある。そこで、1回の動作で型厚調整の基準となる金型タッチ位置が検出されないような場合では、クロスヘッド9を一旦P1の位置にまで戻してリアプラテン4を所定量ステーショナリープラテン2に接近させた後、再び、前記と同じクロスヘッド9の繰出し動作を行わせることになる。
【0013】
以下、リアプラテン4の現在位置に対応した金型タッチ位置が検出されるまでの間、クロスヘッド9の繰出しとP1への復帰およびリアプラテン4の前進とによって構成される一連のシーケンス動作が繰り返し実行され、いずれはリアプラテン4の現在位置に対応した金型タッチ位置が検出されることになる。
【0014】
そして、射出成形機の制御装置は、リアプラテン4の現在位置に対応した金型タッチ位置、つまり、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出した後、設定型締力に対応するタイバー3の伸びとリアプラテン4の現在位置および前述の金型タッチ位置とに基いて、設定型締力を実現するためのリアプラテン位置と設定型締力を実現するための金型タッチ位置とを求め、インダクションモータと型締用サーボモータとを同時に駆動して各々の位置にリアプラテン4およびクロスヘッド9を移動させることになる。
【0015】
設定型締力を実現するためのリアプラテン位置とは、「リアプラテン4の現在位置」に「リアプラテン4の現在位置に対応した金型タッチ位置から原点位置Oまでのクロスヘッド9の移動に相当するムービングプラテン5の移動量」を加え、「設定型締力に対応するタイバー3の伸び」を減じたリアプラテン位置であり、また、設定型締力を実現するための金型タッチ位置とは、「ムービングプラテン5をロックアップ位置から設定型締力に対応するタイバー3の伸びの分だけ後退させるに必要とされるクロスヘッド9の移動量」だけクロスヘッド9を原点位置Oから正方向に移動させた位置である。
【0016】
クロスヘッド9の移動量とムービングプラテン5の移動量とを相互変換するための演算式については特開昭62−220314号公報等により既に公知であり、結局のところ、リアプラテン4を適当な位置に移動させて可動側金型13と固定側金型14とを接触させることさえできれば、そのときのリアプラテン4の現在位置およびこれに対応する金型タッチ位置の検出値と設定型締力に対応するタイバー3の伸びの既知データとに基いて、設定型締力を実現するためのリアプラテン位置と設定型締力を実現するための金型タッチ位置とを求めることができるのである。
【0017】
しかし、図1に示すようなバネ入り金型を装着して型厚の調整を行うような場合では、可動側金型13′のパーティングラインM1と固定側金型14′のパーティングラインM2との接触を検出しても、そのときのクロスヘッド9の位置を型厚調整の基準となる金型タッチ位置とすることはできない。既に述べた通り、設定型締力を発揮するためには金型を完全に圧接した状態から設定型締力に対応する分だけタイバー3を引き伸ばす必要があり、そのためには、可動側金型13′のパーティングラインM1と固定側金型14′のパーティングラインM2とを接触させた後、更に、ムービングプラテン5を前進させてバネ17を圧縮し、ストリッパープレート14a等のパーティングラインM3とキャビティプレート14b等のパーティングラインM4とを完全に密着させ、このときのクロスヘッド9の位置を型厚調整の基準となる金型タッチ位置として検出する必要があるからである。
【0018】
しかし、前述した従来技術においては型締用サーボモータの駆動トルクが極めて低い値に制限されているため、バネ17が圧縮されてストリッパープレート14a等のパーティングラインM3とキャビティプレート14b等のパーティングラインM4とが密着する前の段階でムービングプラテン5の前進が停止してしまうことが多く、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出できないという問題がある。
【0019】
もし、このような状態で検出された金型タッチ位置に基いて設定型締力を実現するためのリアプラテン位置を求めると、その位置は真にリアプラテン4があるべき位置に比べて相当に後方寄りとなり、トグル機構6をロックアップ状態にしても設定型締力を得ることはできず、また、バネ17の全長が長いような場合では、ストリッパープレート14a等のパーティングラインM3とキャビティプレート14b等のパーティングラインM4との接触さえ確保できなくなるといった場合さえある。
【0020】
また、バネ17を圧縮するために型締用サーボモータの駆動トルクを全く制限せずに自動型厚調整を行うとすれば、既に述べた通り、金型タッチ状態となってからもトグル機構6が作動してタイバー3に伸びが生じるという問題があり、このような状態で検出された金型タッチ位置に基いて設定型締力を実現するためのリアプラテン位置を求めると、その位置は真にリアプラテン4があるべき位置に比べて相当に前方寄りとなり、設定型締力よりも強い力で金型が締め付けられたり、また、場合によってはタイバーの反力が強くなり過ぎてロックアップ動作自体が不能となることもある。
【0021】
そこで、従来は、バネ入り金型に対する型厚の調整を自動で行うことはせず、手動操作による低速送りでムービングプラテン5を前進させ、ストリッパープレート14a等のパーティングラインM3とキャビティプレート14b等のパーティングラインM4との接触を目視確認して型厚調整の基準となる金型タッチ位置を求めるようにしていた。
【0022】
また、既に述べた通り、設定型締力を実現するためのリアプラテン位置と設定型締力を実現するための金型タッチ位置とを求めた後は、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出したときと同じ状態のまま、つまり、固定側金型13(13′)と可動側金型14(14′)とを密着させた状態のままでインダクションモータと型締用サーボモータとを同時に駆動して各々の位置にリアプラテン4およびクロスヘッド9を移動させることが望ましいが、インダクションモータで駆動されるリアプラテン4と型締用サーボモータで駆動されるムービングプラテン5の同期をとることは容易でない。この結果、可動側金型13(13′)と固定側金型14(14′)とを接触させたままの状態で設定型締力を実現するためのリアプラテン位置および金型タッチ位置にリアプラテン4やムービングプラテン5を移動させようとすると、両者の動きに差動が生じ、特に、クロスヘッド9が増幅率の高い位置に差し掛かったような場合など、この差動によって生じるリアプラテン4の後退速度とムービングプラテン5の前進速度とのずれによって、タイバーナット16とタイバー3のネジ部15との間、または、タイバーナット16とリアプラテン4との間で強い摩擦力が作用し、インダクションモータによるタイバーナット16の回転駆動自体に支障を来たすような場合もあった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、バネ入り金型を装着した場合であっても型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出することができ、しかも、金型タッチ位置検出後、リアプラテンの駆動手段に過大な負荷を与えることなく、可動側金型と固定側金型との接触を維持したまま設定型締力を実現するための位置にリアプラテンを移動させることのできる自動型厚調整方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動型厚調整方法は、バネ入り金型が閉じたとき発生する反力を予め求めておき、可動側金型が取り付けられたムービングプラテンの推力がタイバーを引き伸ばさない程度に前記反力より上回るようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進させてムービングプラテンが停止するトグル機構もしくはクランク機構の位置を求め、該位置に基いて自動型厚調整を行うようにしたことを特徴とする構成により、バネ入り金型を射出成形機に装着した場合であっても型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出できるようにした。
【0025】
バネ入り金型が閉じたときに発生する反力より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回るようにムービングプラテンの推力を調整するようにしているので、バネの反力に抗して金型を完全に閉じた状態で型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出することができる。しかも、ムービングプラテンの推力はタイバー自体を引き伸ばすほど強力ではないので、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出することができる(以上、請求項1)。
【0026】
更に、トグル機構もしくはクランク機構の力の増幅率の変化が小さい領域においてムービングプラテンを前進させて型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するようにしているので、トグル機構もしくはクランク機構による力の増幅作用によってタイバーに不用意な伸びが生じることはなく、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を一層正確に検出することができる(以上、請求項2)。
【0027】
また、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率でバネ反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進させるようにすることにより、トグル機構やクランク機構の位置によって変化する力の増幅率に関わりなく、ムービングプラテンの推力を略一定に保てるようにした。
【0028】
この構成によれば、トグル機構やクランク機構の力の増幅率の変化が小さい領域を選んでムービングプラテンを前進させてタイバーの伸びを防止する必要がなくなり、金型タッチ位置を検出するために利用できるムービングプラテンの前進ストロークを大きくとることができる。従って、ムービングプラテンの前進と後退およびリアプラテンの前進とによって構成される一連のシーケンス動作を繰り返して型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するような場合、その繰り返し動作回数を少なくすることができる(以上、請求項3)。
【0029】
また、ムービングプラテンが停止した後、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率でバネ反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進駆動させながらリアプラテンを後退させるようにしたので、ムービングプラテンの前進速度とリアプラテンの後退速度との間に差動が生じた場合であっても、リアプラテンの駆動手段に過大な負荷を与えることなく、可動側金型と固定側金型との接触を維持したまま設定型締力を実現するための位置にリアプラテンを移動させることができる(以上、請求項4および請求項7)。
【0030】
また、バネ入り金型の反力が未知である場合には、トグル機構もしくはクランク機構の増幅率の変化が小さい領域にまでムービングプラテンを後退させた状態で金型タッチの寸前までリアプラテンを前進させ、リアプラテンを固定してトグル機構もしくはクランク機構を駆動し、ムービングプラテンを前進させて強制的に金型タッチを行わせた後、トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させてトグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を求め、該出力にトグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する増幅率を乗じることによってバネ入り金型が閉じたときに発生する反力を求めるようにした。
【0031】
この構成では、金型タッチの寸前までリアプラテンを前進させ、トグル機構やクランク機構の増幅率の変化が小さい領域、つまり、ロックアップで使用される領域から外れた領域でトグル機構やクランク機構を作動させて強制的に金型タッチを行わせるようにしているので、駆動源の出力が相当に大きくてもトグル機構やクランク機構がロックアップすることはない。従って、トグル機構やクランク機構の駆動力さえ取り除けば、ムービングプラテンは型開き方向に作用する金型のバネ反力を受けて容易に後退することができる。
【0032】
そこで、本発明においてはこの特性を利用し、強制的に金型タッチを行わせた後、トグル機構やクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させ、トグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を求め、その時の駆動源の出力にトグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する増幅率を乗じてバネ入り金型が開く直前に発生している反力と釣り合う力を求め、この値をバネ入り金型に作用するバネ反力として検出するようにしている。
【0033】
駆動源を強力に駆動して強制的に金型タッチを行わせた場合には、前述したようにロックアップで使用される領域から外れた領域でこの操作を行ったとしてもタイバーに或る程度の伸びが生じる可能性があるが、金型に取り付けられたバネを圧縮するため必要とされる力は最大でもせいぜい数十キログラムの単位、また、タイバーを数ミリ引き伸ばすために必要とされる力は少なくとも数トンの単位であり、オーダーにして10以上の差がある。
【0034】
いま、トグル機構やクランク機構によりムービングプラテンが相当に大きな推力Fで駆動されてバネが完全に圧縮された状態で金型タッチが完了し、更に、タイバー自体に図4に示すような伸びが生じているものとする。なお、図4の縦軸はムービングプラテンの推力を示し、また、横軸はバネの圧縮量とタイバーの伸び量を示しており、横軸のPx点はバネの圧縮完了時点、つまり、金型タッチの状態に対応している。
【0035】
図4のようにタイバー自体に伸びが生じた状態からムービングプラテンの推力FをΔFchの刻みで徐々に減少させて行くとすると、まず、バネが完全に圧縮されたままタイバーのみが縮む過程、つまり、図4に示すPxよりも右側の過程では、ΔFchの推力減少に伴うムービングプラテンの後退量はPt =ΔFch/(タイバーのバネ定数)の極めて小さな値である。しかし、タイバーが自然長に復帰し、ΔFchを刻みとする推力Fの減少がバネの伸びに直に影響するようになると、ΔFchの推力減少に伴うムービングプラテンの後退量はPs =ΔFch/(バネのバネ定数)の極めて大きな値となる。タイバーのバネ定数>>バネのバネ定数の関係があるからである。
【0036】
より厳密にいえば、Pxから左側の過程では非常にオーダーの小さなタイバーの縮みとオーダーの大きなバネの伸びとが並行して発生するのであるが、推力Fの減少によってバネの伸びが始まった正にその時点で、一定の推力減少ΔFchに伴うバネの著しい伸び、要するに、設定値を越えたムービングプラテンの後退が始まるので、Pxに対応するFの力、つまり、バネ反力を正確に検出することができるのである。
【0037】
また、実際には、ムービングプラテンの推力を徐々に減少させる代わりにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させ、ムービングプラテンの後退量やムービングプラテンの推力を直接検出する代わりにトグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量や駆動源の出力を求め、駆動源の出力にトグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する増幅率を乗じてPxに対応するバネ反力Fを求めるようにしているが、トグル機構もしくはクランク機構の増幅率の変化が小さい領域でムービングプラテンを作動させるようにしているので、ムービングプラテンの推力減少の刻み幅は略一定である(以上、請求項5)。
【0038】
更に、バネ入り金型が開く直前に発生しているバネ反力を求めるための前述の構成をそのまま利用して、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出することが可能である。つまり、前述の構成で求められる「トグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の出力」に対応する「トグル機構もしくはクランク機構の位置」が、正しく型厚調整の基準となる金型タッチ位置そのものなのである。従って、トグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の位置を求めることにより、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出することができる(以上、請求項6)。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1は本発明の自動型厚調整方法を適用した射出成形機のトグル式型締装置1の要部を概略で示す側面図、また、図2はこの射出成形機の各部を駆動制御する制御装置としての数値制御装置100の要部を示すブロック図である。トグル式型締装置1の構造自体に関しては、図9に示した従来のトグル式型締装置1と全く同様である。
【0040】
数値制御装置100は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用CPU115、プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMC用CPU108、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU110、および、A/D変換器106を介して射出成形機本体側の圧力検出器から射出圧力やスクリュー背圧を検出してサンプリング処理を行うための圧力モニタ用CPU107を有し、バス112を介して相互の入出力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0041】
PMC用CPU108には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラムや自動型厚調整のための制御プログラム等を記憶したROM103および演算データの一時記憶等に用いられるRAM104が接続され、CNC用CPU115には、射出成形機を全体的に制御する自動運転プログラム等を記憶したROM117および演算データの一時記憶等に用いられるRAM118が接続されている。
【0042】
また、サーボCPU110および圧力モニタ用CPU107の各々には、サーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM111やデータの一時記憶に用いられるRAM109、および、射出圧力やスクリュー背圧のサンプリング処理等に関する制御プログラムを格納したROM101やデータの一時記憶に用いられるRAM102が接続されている。更に、サーボCPU110には、該CPU110からの指令に基いて型締め用,射出用,スクリュー回転用,エジェクタ用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボアンプが接続され、各軸のサーボモータに取付けられたパルスコーダからの出力がサーボCPU110に帰還されるようになっている。各軸の現在位置はパルスコーダからのフィードバックパルスに基いてサーボCPU110により算出され、各軸の現在位置記憶レジスタに更新記憶される。図2においては1軸分のサーボアンプ105とボールネジ11を駆動する型締用サーボモータM1およびこれに対応するパルスコーダP1についてのみ示しているが、射出用,エジェクタ用等の各軸の構成は皆これと同様である。但し、スクリュー回転用のものに関しては現在位置を検出する必要はなく、速度のみを検出すればよい。また、タイミングベルトや歯車等を介して4つのタイバーナット16を同期回転させる型厚調整用モータ(図示略)は通常のインダクションモータではあるが、その回転位置を検出するためのパルスコーダは備わっている。
【0043】
インターフェイス113は前記型厚調整用モータを駆動するアンプ及びその回転位置を検出するパルスコーダに接続されると共に、射出成形機本体の各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達したりするための入出力インターフェイスである。
【0044】
ディスプレイ付手動データ入力装置119はCRT表示回路116を介してバス112に接続され、グラフ表示画面や機能メニューの選択および各種データの入力操作等が行えるようになっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設けられている。
【0045】
不揮発性メモリ114は射出成形作業に関する成形条件と各種設定値,パラメータ,マクロ変数等を記憶する成形データ保存用のメモリである。
【0046】
以上の構成により、PMC用CPU108が射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNC用CPU115がROM117の運転プログラムや不揮発性メモリ114の成形条件等に基いて各軸のサーボモータに対してパルス分配を行い、サーボCPU110は各軸に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダ等の検出器で検出された位置および速度のフィードバック信号に基いて、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行する。
【0047】
図5は本発明の自動型厚調整方法を実施するための最も簡単な自動型厚調整処理の概略を示すフローチャートである。自動型厚調整処理のための制御プログラムは既に述べた通りROM103内に格納されており、ディスプレイ付手動データ入力装置119のファンクションキーにより“バネ入り金型の自動型厚調整”の項目が選択された時点で、PMC用CPU108によって開始される。当然、オペレータは、“バネ入り金型の自動型厚調整”の項目を選択する前の段階で、型厚調整の対象となる金型、つまり、固定側金型14′と可動側金型13′とをステーショナリープラテン2およびムービングプラテン5に装着しておかなければならない。
【0048】
“バネ入り金型の自動型厚調整”の項目を選択したオペレータは、まず、型厚調整の対象となる金型に取り付けられたバネ17のバネ定数kとその自然長L0、および、金型が成形可能状態に閉じられたときのバネ17の長さLとバネ17の本数Nをディスプレイ付手動データ入力装置119を介して入力し(ステップA1)、バネ入り金型が閉じたときに総合的に作用するバネ反力の値FmvをPMC用CPU108によりFmv=N・k・(L0−L)の式に基いて演算させる(ステップA2)。
【0049】
実際問題として、金型を組み上げた状態でバネ17の自然長L0や金型が閉じられたときのバネ長Lを測定することは困難であるから、Fmvに関しては金型設計時のデータに基いて金型設計者または射出成形機のオペレータ等が予め計算しておき、ステップA1およびステップA2の処理を省略して直接ディスプレイ付手動データ入力装置119を介してテンキー入力するといった方法が一般的である。バネ定数や長さの異なる複数種のバネを金型に取り付けて使用する場合もあるが、各バネの自然長や金型を閉じたときの長さおよびバネ定数やその本数等に関しては設計上周知の事項であるから、必要に応じて金型設計者や射出成形機のオペレータが単純な計算を行うことにより、Fmvの値を容易に求めることができる。
【0050】
なお、ここでいう金型を閉じた状態とは単に固定側金型14′と可動側金型13′とが合わさった状態を指すものではなく、例えば、バネ付勢されたストリッパープレート14a等を備えたスリープレート金型等においては、ストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等とが完全に圧接された状態、つまり、実質的な型締状態に対応するものである。
【0051】
バネ入り金型が閉じたときに総合的に作用するバネ反力の値Fmvを求め、または、Fmvの値を入力されたPMC用CPU108は、トグル機構6における力の増幅率の最小値Gmin.でFmvの値を除し、この値を僅かに上回るように所定量αを加えた値を型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値Fchとして記憶し(ステップA3)、この値を型締用サーボモータM1のトルクリミット値として設定する(ステップA4)。
【0052】
増幅率の最小値Gmin.はトグル機構6の構造によって決まる固有値、例えば、図3の例でいえばクロスヘッド9がP0に位置するときの増幅率である。この値Gmin.は予め不揮発性メモリ114等に登録されており、前述のステップA3の処理においては不揮発性メモリ114等からこの値を読み出して演算処理が行われる。図3から明らかなようにP0以外のクロスヘッド位置における増幅率の値はGmin.と同等またはそれよりは大きいので、ステップA3で求めたFchを駆動トルクの制限値として型締用サーボモータM1を駆動することにより、クロスヘッド9の位置に関わりなく、常に、バネ17が発生させる反力Fmvに打ち勝ってムービングプラテン5を前進させることが可能である。
【0053】
従って、型締用サーボモータM1の駆動トルクを極力小さな値に制限してムービングプラテン5を前進させて型厚調整を行っていた従来の型締装置とは相違し、ストリッパープレート14a等がキャビティプレート14b等に接触する前の段階でバネ入り金型のバネ反力に疎外されてムービングプラテン5の前進動作が停止するといったことはない。
【0054】
しかし、この実施形態においてはステップA3の処理で求めた型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値Fchが型厚調整の完了時点まで固定的に保持されるようになっているので、トグル機構6における力の増幅率が著しく高くなる領域、つまり、ロックアップ動作を行うときにクロスヘッド9が位置する領域を使用して金型タッチ位置検出のためのムービングプラテン5の前進動作を行わせるべきではない。ムービングプラテン5が真の金型タッチ位置を越えて前進してタイバー3に不用意な伸びが生じ、型厚調整の基準となる正確な金型タッチ位置が検出できなくなるからである。
【0055】
従って、駆動トルクの制限値Fchを型厚調整の完了時点まで固定的に保持する場合においては、使用するクロスヘッド9の移動領域を、トグル機構6における力の増幅率がGmin.と略一致してフラットになる区間、例えば、図3におけるP1−P2の区間に制限するべきである。
【0056】
そこで、PMC用CPU108は、まず、型厚調整用モータを駆動してリアプラテン4を後退限度位置にまで後退させ(ステップA5)、更に、型締用サーボモータM1を駆動してクロスヘッド9をP1の位置にまで移動させ、ムービングプラテン5をクロスヘッド9のP1対応位置まで移動させる(ステップA6)。
【0057】
なお、ここでは取り敢えずステップA5の処理においてリアプラテン4を後退限度位置にまで後退させるようにしているが、これは、クロスヘッド9をP1位置よりも後退させた状態でリアプラテン4を極端に前進させる等の操作によって金型の装着作業が行われる可能性があり、その際、そのまま型厚の自動調整作業に移行してクロスヘッド9をP1位置に移動(前進)させると、クロスヘッド9が不適当な位置にある状態、つまり、クロスヘッド9がP1位置よりも後退した位置にある状態で金型タッチが発生してしまう可能性があるからである。従って、リアプラテン4を現在位置に保持したままの状態でクロスヘッド9をP1位置にまで移動させても金型タッチが発生しないことが自明な場合であれば、リアプラテン4をわざわざ後退限度位置に移動させる必要はなく、ステップA5の処理を省略してリアプラテン4を現在位置に保持したまま次の処理を開始しても差し支えはない。
【0058】
次いで、PMC用CPU108は、駆動トルクをFchに制限した状態で型締用サーボモータM1を低速駆動し、クロスヘッド9をP2位置に向けて前進させてムービングプラテン5の前進動作を開始させ(ステップA7)、パルスコーダP1からの位置帰還信号があるか否か、つまり、ムービングプラテン5の前進動作が許容されているか否かを判別する(ステップA8)。パルスコーダP1からの位置帰還信号があれば、ムービングプラテン5の前進動作が許容されている状態、つまり、金型タッチ発生前の状態を意味するので、PMC用CPU108は、更に、クロスヘッド9の現在位置Pchが金型タッチ位置検出のために設定された移動制限位置P2の位置に到達しているか否かを判別する(ステップA9)。
【0059】
クロスヘッド9がP2位置に達していなければ、金型タッチ位置検出のために設定されたP1−P2区間をクロスヘッド9が前進しており、かつ、現段階においては未だに金型タッチが発生していないことを意味するので、PMC用CPU108は、パルスコーダP1からの位置帰還信号の途絶によりムービングプラテン5の前進停止状態が検出されるまで、または、移動制限位置P2にクロスヘッド9が到達するまで、そのままムービングプラテン5を前進させてステップA8およびステップA9の判別処理を繰り返し実行する。
【0060】
この間にステップA9の判別結果が偽となった場合、つまり、クロスヘッド9が移動制限位置P2に到達した場合は、リアプラテン4を現在位置に保持して増幅率がフラットな範囲でムービングプラテン5を前進させるだけでは金型タッチを実現することができないことを意味する。従って、PMC用CPU108は、型締用サーボモータM1を駆動してクロスヘッド9を再びP1の位置にまで戻してムービングプラテン5をステーショナリープラテン2から大きく離間させ(ステップA10)、型厚調整用モータを駆動してリアプラテン4を所定量前進させた後(ステップA11)、再び、前記と同様にして、ステップA7以降の処理を繰り返し実行することになる。なお、ステップA11におけるリアプラテン4の前進量は、クロスヘッド9のP1−P2区間の移動に相当するムービングプラテン5の移動量と同等、または、それよりも小さな値に制限されている。
【0061】
そして、このような処理操作を繰り返し実行する間にパルスコーダP1からの位置帰還信号が途絶え、駆動トルクをFchに制限した状態で型締用サーボモータM1を駆動してもムービングプラテン5が前進し得ない状態、つまり、バネ17が型閉じの状態にまで圧縮されて可動側金型13′のストリッパープレート14a等がキャビティプレート14b等に完全に密着したことがステップA8の判別処理で検出されると、PMC用CPU108はクロスヘッド9を前進させる型締用サーボモータM1の駆動を停止させ(ステップA12)、型厚調整の基準となる金型タッチ位置に対応するクロスヘッド位置が検出された時点におけるクロスヘッド9の現在位置Pchと、リアプラテン4の現在位置および設定型締力に対応するタイバー3の伸びとに基いて、設定型締力を実現するためのリアプラテン4の位置Prならびに設定型締力の金型タッチ位置に対応するクロスヘッド9の位置Pcを従来と同様にして求め(ステップA13)、型厚調整用モータおよび型締用サーボモータM1を駆動してPrおよびPcの位置にリアプラテン4およびクロスヘッド9を移動させ(ステップA14)、自動型厚調整処理を終了する。
【0062】
既に述べた通り、型厚調整の基準となる金型タッチ位置の検出に際しては、トグル機構6における力の増幅率がその最小値Gmin.と略一致するP1−P2区間においてのみクロスヘッド9が駆動され、しかも、クロスヘッド9を駆動する型締用サーボモータM1の駆動トルクがFmv/Gmin.を僅かに上回る値に制限されているので、結果的に、ムービングプラテン5の前進推力はFmvを僅かに上回る程度に安定的に保持されることになる。従って、可動側金型13′のバネ17を圧縮する過程でムービングプラテン5の推力がバネ17の反力に負けて金型タッチ位置の前でムービングプラテン5が停止することも、また、金型タッチの後ムービングプラテン5が必要以上の力で推進されてタイバー3に不用意な伸びが生じることもなく、型厚調整のための金型タッチ位置(ステップA13におけるPch)を正確に検出することができる。
【0063】
以上が、本発明の自動型厚調整を実施するための最も簡単な自動型厚調整処理、つまり、請求項1および請求項2に記載した構成に対応する処理である。
【0064】
しかし、前述の実施形態では一旦求めた型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値Fchを型厚調整の完了時点まで固定的に保持するようにしているため、ムービングプラテン5の前進推力を安定的に保持する必要上、クロスヘッド9の最大移動ストロークのうちトグル機構6における力の増幅率がフラットになるP1−P2区間でしかクロスヘッド9を移動させられないという問題が残る。クロスヘッド9の移動ストロークの制限は結果的にムービングプラテン5の移動ストロークの制限に繋がるので、型厚が全くの未知数であって、図5の処理で説明したようなクロスヘッド9の繰出しとP1位置への復帰およびリアプラテン4の前進とによって構成される一連のシーケンス動作を繰り返し実行して金型タッチ位置を検出しなければならないような場合、このような処理動作を相当数繰り返さないと金型タッチ位置を検出できないといった場合もある。特に、金型タッチ位置をより正確に検出するためにP1−P2区間の幅に大きな制限を加え、トグル機構6における力の増幅率の変化をよりフラットな状態に維持する必要があるような場合では、この問題が顕著になる。
【0065】
図6に処理の概略を示したもう1つの実施形態はこの種の問題を解消するためのもので、この実施形態においては、クロスヘッド9の現在位置Pchに応じて型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値Fch自体を変化させることにより、クロスヘッド9の位置に関わりなく、ムービングプラテン5の前進推力が常にバネ反力Fmvを僅かに上回るような値となるようにムービングプラテン5の前進推力を制御するようにしている。従って、この実施形態においてはムービングプラテン5の移動量のフルストロークを利用して金型タッチ位置を検出することができ、また、ムービングプラテン5の前進推力に変動が生じないことから、型厚調整の基準となる金型タッチ位置をより正確に検出することができる。
【0066】
この実施形態の自動型厚調整処理においても、関連データの入力操作(ステップB1)、バネ反力の演算処理(ステップB2)、リアプラテン4の後退限度位置への移動(ステップB3)、クロスヘッド9のP1位置への移動(ステップB4)等の処理に関しては前述した図5の実施形態と全く同様である。但し、本実施形態においてはP1位置に関する制限事項はない。つまり、ここでいうP1位置とはトグル機構6の構造上の特性で決まるクロスヘッド9の後退限度位置である。
【0067】
リアプラテン4およびクロスヘッド9を後退限度位置まで後退させたPMC用CPU108は、まず、クロスヘッド9の現在位置P1に対応するトグル機構6の力の増幅率G(P1)でFmvの値を除し、この値を僅かに上回るように所定量αを加えた値を型締用サーボモータM1の駆動トルクの最初の制限値Fchとして記憶し(ステップB5)、この値を型締用サーボモータM1のトルクリミット値として設定する(ステップB6)。
【0068】
なお、クロスヘッド9の現在位置Pch(ステップB5ではP1)に対応するトグル機構6の力の増幅率G(Pch)(ステップB5ではG(P1))を求めるための方法としては、大まかにいって、以下に示す2種のものがある。
【0069】
まず、その1つは、クロスヘッド9の移動可能領域を適当な幅で分割し、各分割区間毎に対応する増幅率を記憶させたファイルを予め作成して不揮発性メモリ114等に記憶させておき、クロスヘッド9の現在位置Pchがどの分割区間に含まれているかを判別して、ファイルからクロスヘッド9の現在位置Pchに対応する増幅率G(Pch)の値を読み出す方法である。また、もう1つの方法は、クロスヘッド9の現在位置Pchに基いて増幅率G(Pch)を求めるための関数式をプログラム上に設定しておき、位置検出手段からクロスヘッド9の現在位置Pchをその都度読み込んで前述の関数式に代入することによりクロスヘッド9の現在位置Pchに対応する増幅率G(Pch)を算出する方法である。前述したステップB5の演算処理、および、後述するステップB11の演算処理ではいずれの方法を用いてこれを実施しても差し支えない。
【0070】
次いで、PMC用CPU108は、駆動トルクをFchに制限した状態で型締用サーボモータM1を低速駆動し、クロスヘッド9をP2位置に向けて前進させてムービングプラテン5の前進動作を開始させ(ステップB7)、所定時間を計時するタイマTをスタートさせる(ステップB8)。但し、本実施形態においてはP1位置と同様、P2位置に関する制限事項もない。つまり、ここでいうP2位置とはトグル機構6の構造上の特性で決まるクロスヘッド9の前進限度位置(一般にロックアップ位置)である。また、タイマTはクロスヘッド9移動中の所定周期毎にクロスヘッド現在位置Pchに対応したトグル機構6の力の増幅率G(Pch)を用いて新たなトルク制限値Fchを更新設定するために用いているに過ぎないので、当然、時間以外の別の刺激、例えば、クロスヘッド9が所定量移動する毎にクロスヘッド現在位置Pchに対応したトグル機構6の力の増幅率G(Pch)を用いて新たなトルク制限値Fchを更新設定するようにしたとしても何ら問題はない。
【0071】
そして、ムービングプラテン5の前進動作を開始させたPMC用CPU108は、前記実施形態の場合と同様、パルスコーダP1からの位置帰還信号があるか否か、つまり、ムービングプラテン5の前進動作が許容されているか否かを判別する(ステップB9)。既に述べた通り、パルスコーダP1からの位置帰還信号があれば金型タッチ発生前の状態を意味し、また、位置帰還信号がなければ金型タッチの完了を意味する。
【0072】
金型タッチの完了が検出されなければ、PMC用CPU108は、更に、タイマTによる設定所定時間の計時が完了しているか否か、つまり、クロスヘッド現在位置Pchに対応した新たなトルク制限値Fchを改めて算出する必要があるか否かを判別する(ステップB10)。そして、タイマTの作動が完了していなければ、現時点で設定されているトルク制限値Fchをそのまま適用して型締用サーボモータM1を駆動し、また、タイマTの作動が完了していれば、クロスヘッド現在位置Pchに対応するトグル機構6の力の増幅率G(Pch)をファイルから読み込み、または、演算によって求め、ステップB5と同様の処理操作によってムービングプラテン5の前進推力を一定に保つためのトルク制限値Fchを改めて算出し(ステップB11)、この値を型締用サーボモータM1のトルクリミット値として再設定した後(ステップB12)、改めて、タイマTを再起動させる(ステップB13)。
【0073】
つまり、クロスヘッド9が前進駆動され続ける限り、所定周期毎にクロスヘッド現在位置Pchに対応したトグル機構6の力の増幅率G(Pch)に応じて型締用サーボモータM1のトルク制限値Fchが自動的に更新設定され、ムービングプラテン5の前進推力は常に一定の値、つまり、バネ反力Fmvを僅かに上回る値に保持されることになる。
【0074】
ステップB10の判別処理(但し、ステップB10の判別結果が偽の場合)もしくはステップB13の処理(但し、ステップB10の判別結果が真の場合)を実施したPMC用CPU108は、次いで、クロスヘッド9の現在位置Pchがクロスヘッド9の前進限度位置P2に到達しているか否かを判別する(ステップB14)。
【0075】
クロスヘッド9がP2位置に達していなければ、ムービングプラテン5を更に前進させることが可能であって、かつ、現段階においては未だに金型タッチが発生していないことを意味するので、PMC用CPU108は、所定周期毎にクロスヘッド現在位置Pchに対応して型締用サーボモータM1のトルク制限値Fchを更新設定しながら(ステップB10〜ステップB13)、パルスコーダP1からの位置帰還信号の途絶によりムービングプラテン5の前進停止状態が検出されるまで(ステップB9)、または、前進限度位置P2にクロスヘッド9が到達するまで(ステップB14)、そのままムービングプラテン5を前進させて待機することになる。
【0076】
この間にステップB14の判別結果が偽となった場合、つまり、クロスヘッド9がP2位置に到達した場合には、リアプラテン4を現在位置に保持してムービングプラテン5を最大限前進させても金型タッチを実現することができないことを意味するので、PMC用CPU108は、ステップB15およびステップB16の処理を実施した後、再び、前記と同様にして、ステップB5以降の処理を繰り返し実行することになる。ステップB15およびステップB16の処理は前述した図5の実施形態におけるステップA10およびステップA11の処理と同じであるが、既に述べた通り、この実施形態におけるP1はクロスヘッド9の後退限度位置である。
【0077】
そして、このような処理操作を繰り返し実行する間にパルスコーダP1からの位置帰還信号が途絶え、ムービングプラテン5の前進推力がFmvを僅かに上回るようになる力で型締用サーボモータM1を駆動してもムービングプラテン5が前進し得ない状態、つまり、金型タッチの状態がステップB9の判別処理で検出されると、PMC用CPU108はクロスヘッド9を前進させる型締用サーボモータM1の駆動を停止させ(ステップB17)、ステップB18およびステップB19の処理を実施して自動型厚調整処理を終了する。ステップB18およびステップB19の処理は前述した図5の実施形態におけるステップA13およびステップA14の処理と同じである。
【0078】
以上が、ムービングプラテン5の移動可能範囲のフルストロークを利用して型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するための処理、つまり、請求項3に記載した構成に対応する処理である。
【0079】
前述した2つの実施形態においては、ステップA14またはステップB19の処理により型厚調整用モータおよび型締用サーボモータM1を同時に駆動して、その直前の処理ステップA13またはB18で求めたPcおよびPrの位置にクロスヘッド9およびリアプラテン4を移動させるようにしているが、前述した2つの実施形態においても、従来と同様、型厚調整用モータは単なるインダクションモータであってサーボモータではないので、ムービングプラテン5およびリアプラテン4を完全に同期移動させることは困難である。また、トグル機構6の増幅率(減速比)がクロスヘッド9の位置によって変化することもムービングプラテン5およびリアプラテン4の同期移動を困難とする原因の1つである。従って、ステップA14またはステップB19の処理でムービングプラテン5の移動(前進)とリアプラテン4の移動(後退)を同時に行う際に、リアプラテン4の移動に対してムービングプラテン5の移動が先行してしまうと、可動側金型13′が固定側金型14′に必要以上の力で圧着される可能性がある。特に、このときのムービングプラテン5およびリアプラテン4の移動は設定型締力を実現するためのリアプラテン位置Prおよび金型タッチ位置Pcへの移動であるから、少なくとも、移動の最終段階においてはクロスヘッド9が極めて増幅率の高い位置、または、その近傍に接近することになり、このような状況下でムービングプラテン5の移動が先行すると、可動側金型13′が固定側金型14′に極めて強い力で圧着され、タイバー3のネジ部15とタイバーナット16との間、または、タイバーナット16とリアプラテン4との間に作用する強力な圧接力により型厚調整モータによるタイバーナット16の回転駆動自体が困難となるといった問題が生じる場合がある。
【0080】
そこで、次に、リアプラテン4の駆動手段となる型厚調整用モータに過大な負荷を与えることなく、可動側金型13′と固定側金型14′との接触を維持したままの状態(ステップA12またはステップB17の状態)で、設定型締力を実現するための位置Prにリアプラテン4を移動させるようにした実施形態について説明する。
【0081】
図7に示すのがその処理の概略であり、図5に示すステップA14の処理および図6に示すステップB19の処理に代えてこの処理を実施するようにすれば、タイバー3のネジ部15とタイバーナット16との間、または、タイバーナット16とリアプラテン4との間の摺接面の磨耗や齧りおよび型厚調整用モータの過負荷を容易に解消することができる。
【0082】
図7に示す同期移動時の処理の技術思想は図6に示したステップB5〜ステップB12の処理と全く同様であり、ムービングプラテン5の前進推力がバネ反力Fmvの値を僅かに上回るように型締用サーボモータM1の駆動トルクを制限することにある。以下、図7の同期移動時の処理について簡単に説明する。
【0083】
ステップD1における現在位置PchはステップA13またはステップB18で検出されたクロスヘッド位置Pch、つまり、型厚調整の基準となる金型タッチ位置検出完了時点におけるクロスヘッド9の位置である。PMC用CPU108は、まず、このクロスヘッド現在位置Pchに基いてムービングプラテン5の前進推力がバネ反力Fmvを僅かに上回るように型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値Fchを求め(ステップD1)、この値を型締用サーボモータM1のトルクリミット値として設定した後(ステップD2)、型厚調整用モータおよび型締用サーボモータM1を駆動し、ステップA13またはB18で求めたPcおよびPrの位置に向けてクロスヘッド9およびリアプラテン4の移動を開始させる(ステップD3)。
【0084】
以下、PMC用CPU108は、タイマTによって決まる所定周期毎にクロスヘッド現在位置Pchに対応して型締用サーボモータM1のトルク制限値Fchを更新設定し、ムービングプラテン5の前進推力がバネ反力Fmvを僅かに上回るようにしながら、クロスヘッド9およびリアプラテン4がPcおよびPrの位置に到達するのを待つ(ステップD4〜ステップD8)。
【0085】
この間、リアプラテン4に作用する反力、つまり、タイバー3のネジ部15とタイバーナット16との間、または、タイバーナット16とリアプラテン4との間に作用する圧接力は最大でもムービングプラテン5の前進推力と同一であって、バネ反力Fmvを僅かに上回る力の範囲内に制限されるので、リアプラテン4を駆動する型厚調整用モータに過大な負荷が作用することはない。
【0086】
以上が、リアプラテン4の駆動手段となる型厚調整用モータに過大な負荷を与えることなく、可動側金型13′と固定側金型14′との接触を維持したままの状態で、設定型締力を実現するための位置にリアプラテン4を移動させるための処理、つまり、請求項4および請求項7に記載した構成に対応する処理である。
【0087】
以上の実施形態においては、いずれの場合においても、バネ17に関連するデータが明らかであってバネ入り金型が閉じたときに総合的に作用するバネ反力の値Fmvが計算により容易に求められることを前提にしているが、必ずしもバネ17に関連したデータが既知であるとは限らない。そこで、次に、型締装置1を利用して総合的なバネ反力の値Fmvを簡単に求めるための実施形態について、図8の自動型厚調整処理を参照して説明する。当然、この処理は射出成形機に金型を実装してから開始しなければならない。
【0088】
図8の自動型厚調整処理を開始したPMC用CPU108は、まず、型締用サーボモータM1を駆動してクロスヘッド9を後退限度位置P1にまで移動させてムービングプラテン5を後退させた後(ステップC1)、型厚調整用モータを駆動してリアプラテン4の微速前進を開始させ(ステップC2)、型厚調整用モータのパルスコーダからの位置帰還信号が検出されなくなるまで待機する(ステップC3)。この動作により、結果的に、可動側プラテン13′が固定側金型14′に圧接され、更に、バネ17が圧縮されてストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等とが完全に密着することになる。従って、このときの型厚調整用モータの駆動力としては少なくともバネ17の圧縮に必要とされる程度の大きさの力が必要である。バネ17による反力が明らかなわけではないので、実際には、型厚調整用モータを相当に大きな力で駆動する必要があるが、この際にタイバー3に多少の伸びが発生したとしても問題はなく、金型を確実に閉じ合わせることが先決である。
【0089】
そして、型厚調整用モータのパルスコーダからの位置帰還信号が途絶えて金型が完全に閉じ合わされたことがステップC3の判別処理で検出されると、PMC用CPU108は、型厚調整用モータを駆動してリアプラテン4およびムービングプラテン5を所定量後退させ(ステップC4)、ストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等との間に或る程度の間隙を形成させる。ステップC2およびステップC3における型厚調整用モータの駆動によりタイバー3に著しい伸びが生じることはないので、リアプラテン4の後退量は、例えば、数センチ程度の僅かな量でよい。
【0090】
なお、以上はトグル機構6の増幅率の変化が小さい領域にまでムービングプラテン5を後退させた状態で金型タッチの寸前までリアプラテン4を前進させた状況を射出成形機側の処理によって自動的に作り出すためのものに過ぎない。従って、これらの操作を手動で行うのであれば、ステップC1〜ステップC4の処理をPMC用CPU108に行わせる必要はない。
【0091】
次いで、PMC用CPU108は、リアプラテン4を現在位置に保持したまま型締用サーボモータM1を駆動してクロスヘッド9を移動させ、ムービングプラテン5を微速で前進させ(ステップC5)、パルスコーダP1からの位置帰還信号が検出されなくなるまで待機する(ステップC6)。前記と同様、バネ17を圧縮してストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等とを完全に密着させる必要があるので、型締用サーボモータM1の駆動トルクは制限せず、タイバー3の伸びも問題にしない。既に述べた通り、クロスヘッド9を後退限度位置P1にまで後退させた状態でリアプラテン4を前進させてストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等とを完全に密着させた後、僅かにリアプラテン4を後退させ、その位置からクロスヘッド9の前進を開始させるようにしているので、ステップC6でストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等とが再び完全に密着した段階では、クロスヘッド9は、必ず、トグル機構6の増幅率がフラットになる位置(増幅率の低い位置)にあり、従って、ステップC5の処理で型締用サーボモータM1を最大トルクで駆動していたとしても、トグル機構6がロックアップ状態となることは有り得ない(但し、一般に、タイバー3にはこの段階で或る程度の伸びが発生している)。
【0092】
次いで、PMC用CPU108は、現時点で型締用サーボモータM1に流れている駆動電流、つまり、型締用サーボモータM1の駆動トルクを検出し、この値にクロスヘッド9の現在位置Pchに対応するトグル機構6の力の増幅率G(Pch)を乗じ、こうして得た値をバネ反力の仮の値としてレジスタFmvに記憶する(ステップC7)。当然、この段階では真のバネ反力に比べて相当に大きな力がムービングプラテン5の前進推力として与えられており、バネ17の完全圧縮とタイバー3の伸びが同時に発生しているので、バネ反力の仮の値Fmvは真のバネ反力に比べて相当に大きな値となっている。
【0093】
そこで、PMC用CPU108は、パルスコーダP1からの位置帰還信号を計数するカウンタPの値を0に初期化した後(ステップC8)、設定所定時間を計時するタイマTをスタートさせて(ステップC9)、型締用サーボモータM1の駆動トルクを一段落とし(ステップC10)、タイマTの作動が完了するまでの間にパルスコーダP1から帰還される位置帰還信号の数をカウンタPに計数する(ステップC11、C12)。
【0094】
図4に関しては課題を解決するための手段の項で請求項5に対応する作用原理として既に説明しているが、要するに、駆動トルクを一段落とした時のムービングプラテン5の推力の減少量が図4のΔFchの値である。従って、カウンタPに計数された位置帰還信号の数が小さければ、つまり、型締用サーボモータM1の駆動トルクを一段落としたときのムービングプラテン5の後退量が小さければ、タイバー3の縮み(弾性復帰)のみが発生していることを意味し、また、型締用サーボモータM1の駆動トルクを一段落としたときのムービングプラテン5の後退量が大きければ、タイバー3の縮みと並行してバネ17の伸びが発生していることを意味する。
【0095】
そこで、この実施形態においてはPt =ΔFch/(タイバー3の総合的なバネ定数)の長さに対応する位置帰還信号数に比べて僅かに大きな値εを予め比較値として数値制御装置100に設定しておき、型締用サーボモータM1の駆動トルクを一段落としたときに計数された位置帰還信号の数Pがεを越えているか否かにより、タイバー3の縮みとバネ17の伸びが並行して発生しているのか、または、タイバー3の縮みのみが発生しているのかを判別するようにしている(ステップC13)。
【0096】
位置帰還信号の数Pがεを越えていなければ、バネ17に伸びが発生していない状態、つまり、ムービングプラテン5の前進推力Fmvが真のバネ反力よりも大きな状態を意味するので、PMC用CPU108は、ステップC7以降の処理を再び前記と同様にして繰り返し実行し、P≧εとなるまで、型締用サーボモータM1の駆動トルクを一段ずつ落として行く。
【0097】
図4に示す通り、タイバー3のバネ定数はタイバー3の実用的な伸長許容範囲内においては常に一定であるので、型締用サーボモータM1の駆動トルクの減少によってタイバー3の縮みのみが発生している間は、Pt の長さに対応する位置帰還信号数Pが連続的に検出されることになる。しかし、図4に示すPxに対応する位置にまでムービングプラテン5が後退し、タイバー3の縮みに加えてバネ17の伸びが発生するようになると、ムービングプラテン5の後退量は一挙に増大して、位置帰還信号数Pの値がεを掛け離れて大きな値となる。これはバネ17のバネ定数がタイバー3のバネ定数に比べて極端に小さいため、所定量の駆動トルクの減少に対するムービングプラテン5の後退量が著しく増大するためである。
【0098】
レジスタFmvに最終的に記憶される値は、P≧εとなる直前のムービングプラテン5の前進推力の値であり、この値は、タイバー3の縮みに加えてバネ17の伸びが発生する直前のムービングプラテン5の前進推力の値であって、実質的には、金型が閉じられた状態でバネ17が発生させる反力に一致する。
【0099】
以上が、バネ17のデータが明らかでないときにバネ17の反力Fmvを検出するための処理、つまり、請求項5に記載した構成に対応する処理である。
【0100】
一旦バネ反力Fmvの値を求めてしまえば、図5におけるステップA3以降の処理、または、図6におけるステップB3以降の処理を継続して行うことにより、既に説明したのと全く同様の処理手続きにより型厚の自動調整を行うことができる。
【0101】
このように、図8の処理によってバネ17の反力Fmvを検出した場合では、ステップC13の判別処理によって、図4に示すPxに対応するタイミング、つまり、ストリッパープレート14a等がキャビティプレート14b等から離間し始めるタイミングを検出することができる。従って、図8に示した処理を前提とするのであれば、これに加えて更に金型タッチ位置検出のための処理、つまり、ステップA3〜ステップA12またはステップB3〜ステップB17の処理を行う必要は必ずしもない。つまり、図8に示す処理においてストリッパープレート14a等がキャビティプレート14b等から離間し始めるタイミングに相当するクロスヘッド9の位置を求めておくようにし、この値を型厚調整の基準となる金型タッチ位置としてそのまま利用すれば、ステップA3〜ステップA12またはステップB3〜ステップ17の処理を飛ばし、直ちに、ステップA13以降の処理またはステップB18以降の処理を開始することができるのである。ストリッパープレート14a等がキャビティプレート14b等から離間し始めるタイミングに相当するクロスヘッド9の位置を記憶するためには、ムービングプラテンの前進推力を仮のバネ反力Fmvとして記憶するステップC7の処理に代え、クロスヘッド9の現在位置Pchを仮の金型タッチ位置Rとして記憶するステップC7′の処理を行うようにすればよい。当然、このときにステップA13またはステップB18で用いるクロスヘッド位置Pchは、レジスタRに記憶されたクロスヘッド位置の最終値である。
【0102】
これが、請求項6に記載した構成に対応する処理の概要である。
【0103】
また、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するための更に別の方法として、ストリッパープレート14a等とキャビティプレート14b等との間にタッチセンサ等を設け、ステップC6〜ステップC14の処理に代え、このタッチセンサが反応したときのクロスヘッド9の現在位置Pchを検出して型厚調整の基準となる金型タッチ位置としたり、または、ステップC6〜ステップC13の処理に代えて型締用サーボモータM1の駆動トルクの急激な立上りを検出し、そのときのクロスヘッド9の現在位置Pchを検出して型厚調整の基準となる金型タッチ位置とする方法がある。いずれの場合も、ステップA3〜ステップA12またはステップB3〜ステップ17の処理を飛ばし、直ちに、ステップA13以降の処理またはステップB18以降の処理を開始することが可能である。
【0104】
以上、トグル式型締装置1を用いて自動型厚調整を行う場合について説明したが、クランク式の型締装置の場合も、クロスヘッド位置がクランク板の回転角度となる点を除き、その作用原理に関してはトグル式型締装置1と殆ど変わるところがないので、前述した各実施形態の処理をそのまま利用して自動型厚調整を行うことが可能である。
【0105】
なお、本発明においては、リアプラテンを基準とする座標系におけるクロスヘッドの位置をトグル機構の位置、クランク板の回転角度をクランク機構の位置としている。
【0106】
但し、クランク式の型締装置の場合は型締機構における力の増幅率が小さくなるクランク板の回転角度の範囲が極めて限定されるため、図6等に示した実施形態のように、型締用サーボモータM1の駆動トルクの制限値を変化させ、ムービングプラテン5を大きなストロークで移動させて型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出させるようにした方が効果的である。
【0107】
【発明の効果】
本発明の自動型厚調整方法は、バネ入り金型が閉じたとき発生する反力を予め求めておき、可動側金型が取り付けられたムービングプラテンの推力がバネ反力より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回るようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進させ、ムービングプラテンが停止するトグル機構もしくはクランク機構の位置を検出して金型タッチ位置を求めるようにしているので、バネの反力に抗して金型を完全に閉じた状態で型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出することができる。しかも、ムービングプラテンの推力はタイバー自体を引き伸ばすほど強力ではないので、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を正確に検出することができる。
【0108】
更に、トグル機構もしくはクランク機構の力の増幅率の変化が小さい領域においてムービングプラテンを前進させて型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するようにしているので、トグル機構もしくはクランク機構による力の増幅作用によってタイバーに不用意な伸びが生じることがなく、型厚調整の基準となる金型タッチ位置を一層正確に検出することができる。
【0109】
また、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率でバネ反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進させるようにしているので、トグル機構やクランク機構の位置によって変化する力の増幅率に関わりなくムービングプラテンの推力を略一定に保つことができる。従って、この場合、トグル機構やクランク機構の力の増幅率の変化が小さい領域を選んでムービングプラテンを前進させてタイバーの伸びを防止する必要がなくなり、金型タッチ位置を検出するために利用できるムービングプラテンの前進ストロークを大きくとることができる。この結果、ムービングプラテンの前進と後退およびリアプラテンの前進とによって構成される一連のシーケンス動作を繰り返して型厚調整の基準となる金型タッチ位置を検出するような場合、その繰り返し動作回数を少なくすることができる。
【0110】
また、ムービングプラテンが停止した後、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率でバネ反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限してムービングプラテンを前進駆動させながらリアプラテンを後退させるようにしたので、ムービングプラテンの前進速度とリアプラテンの後退速度との間に差動が生じた場合であっても、リアプラテンの駆動手段に過大な負荷を与えることなく、可動側金型と固定側金型との接触を維持したまま設定型締力を実現するための位置にリアプラテンを移動させることができる。
【0111】
また、バネ入り金型の反力が未知である場合には、トグル機構もしくはクランク機構の増幅率の変化が小さい領域にまでムービングプラテンを後退させた状態で金型タッチの寸前までリアプラテンを前進させ、ムービングプラテンを強制的に前進させて金型タッチを行わせた後、トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させてトグル機構もしくはクランク機構がバネ反力で後退を開始する直前の駆動源の出力を求め、この出力にトグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する増幅率を乗じることにでバネ入り金型が閉じたときに発生する反力を求めるようにしているので、バネのバネ定数や自然長および圧縮時の長さ等に関するデータが不明な場合であっても、容易にバネ反力を求めて型厚の自動調整作業を行うことができる。
【0112】
更に、トグル機構もしくはクランク機構がバネ反力で後退を開始する直前のトグル機構もしくはクランク機構の位置を型厚調整の基準となる金型タッチ位置として直に検出することにより、リアプラテンやムービングプラテンの移動動作を最小にして短時間の内に型厚調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動型厚調整方法を適用した射出成形機のトグル式型締装置の要部を示す概念図である。
【図2】同射出成形機を駆動制御する数値制御装置の要部を示すブロック図である。
【図3】クロスヘッド位置に対応してトグル機構の増幅率を示した概念図である。
【図4】ムービングプラテンの推力とバネの圧縮およびタイバーの伸びとの関係を定性的に示す概念図である。
【図5】本発明の自動型厚調整方法を実施するための最も簡単な自動型厚調整処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】クロスヘッドの現在位置に応じて型締用サーボモータの駆動トルクの制限値を変化させることにより、クロスヘッドの位置に関わりなくムービングプラテンの前進推力が常にバネ反力を僅かに上回るような値となるようにムービングプラテンの前進推力を制御して自動型厚調整処理を行う場合の概略を示すフローチャートである。
【図7】可動側金型と固定側金型との接触を維持したままの状態で設定型締力を実現するための位置にリアプラテンを移動させるための処理の概略を示すフローチャートである。
【図8】金型が閉じられたときに作用するバネ反力の大きさを検出するための処理の概略を示すフローチャートである。
【図9】トグル式型締装置に関する自動型厚調整方法の従来例を示した概念図である。
【符号の説明】
1 トグル式型締装置
2 ステーショナリープラテン
3 タイバー
4 リアプラテン
5 ムービングプラテン
6 トグル機構
7 ターナリーリンク
8 バイナリーリンク
9 クロスヘッド
10 クロスヘッドリンク
11 ボールネジ
12 トグルリンク
13,13′ 可動側金型
14,14′ 固定側金型
14a ストリッパープレート等(型閉じ中もバネ付勢されている構成要素)
14b キャビティプレート等
15 ネジ部
16 タイバーナット
17 バネ
100 数値制御装置
101 ROM
102 RAM
103 ROM
104 RAM
105 サーボアンプ
106 A/D変換器
107 圧力モニタ用CPU
108 PMC用CPU
109 RAM
110 サーボCPU
111 ROM
112 バス
113 インターフェイス
114 不揮発性メモリ
115 CNC用CPU
116 CRT表示回路
117 ROM
118 RAM
119 ディスプレイ付手動データ入力装置
M1 型締用サーボモータ
P1 パルスコーダ

Claims (7)

  1. トグル式もしくはクランク式型締装置におけるバネ入り金型の自動型厚調整方法であって、
    バネ入り金型が閉じたとき発生する反力を予め求めておき、可動側金型が取り付けられたムービングプラテンの推力がタイバーを引き伸ばさない程度に前記反力より上回るようにトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を制限して前記ムービングプラテンを前進させて該ムービングプラテンが停止するトグル機構もしくはクランク機構の位置を求め、該位置に基いて自動型厚調整を行うようにしたことを特徴とするトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  2. トグル機構もしくはクランク機構の力の増幅率の変化が小さい領域においてムービングプラテンを前進させて該ムービングプラテンが停止するトグル機構もしくはクランク機構の位置を求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載のトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  3. トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率で前記反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるように前記トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を前記現在位置に応じて制限して、ムービングプラテンを前進させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  4. ムービングプラテンが停止した後、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率で前記反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるように、前記トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を前記現在位置に応じて制限してムービングプラテンを前進駆動させながらトグル機構もしくはクランク機構の位置が設定型締力に対応する位置になるまで、リアプラテンを後退させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  5. トグル機構もしくはクランク機構の増幅率の変化が小さい領域にまでムービングプラテンを後退させた状態で金型タッチの寸前までリアプラテンを前進させ、リアプラテンを固定しトグル機構もしくはクランク機構を駆動し、ムービングプラテンを前進させて強制的に金型タッチを行わせた後、トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させてトグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を求め、該出力にトグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する増幅率を乗じることによってバネ入り金型が閉じたとき発生する反力を求めるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  6. トグル機構もしくはクランク機構の増幅率の変化が小さい領域にまでムービングプラテンを後退させた状態で金型タッチの寸前までリアプラテンを前進させ、リアプラテンを固定しトグル機構もしくはクランク機構を駆動し、ムービングプラテンを前進させて強制的に金型タッチを行わせた後、トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を徐々に減少させてトグル機構もしくはクランク機構の位置の変化量が設定値以上に達したときの直前のトグル機構もしくはクランク機構の位置を求め、該位置を金型タッチ位置として、該位置に基いて自動型厚調整を行うようにしたことを特徴とするトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
  7. 前記金型タッチ位置を検出した後、トグル機構もしくはクランク機構の現在位置に対応する力の増幅率で前記反力を除した値より、タイバーを引き伸ばさない程度に上回る力となるように、前記トグル機構もしくはクランク機構の駆動源の出力を前記現在位置に応じて制限してムービングプラテンを前進駆動させながらトグル機構もしくはクランク機構の位置が設定型締力に対応する位置になるまで、リアプラテンを後退させるようにしたことを特徴とする請求項6記載のトグル式およびクランク式型締装置の自動型厚調整方法。
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