JP3549289B2 - Crtフォーカス電圧調整回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、CRT3管式プロジェクションテレビ受信機などにおけるCRTフォーカス電圧調整回路に関し、詳しくは、CRTのフォーカス調整のばらつきに起因するCRTドライブ電流と輝度特性のばらつきを抑え、画質の性能向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、CRT3管式プロジェクションテレビ受信機などにおいて、CRTのフォーカス調整は、所定の評価パターン信号を受信し、目視評価によって画面中央が最もフォーカスが良くなるように調整する方法が一般的である。
【0003】
上記調整方法の一例としては、特開昭62−188568号公報に記載されているように、蛍光面上の電子ビームスポットの面積を所要の大きさに設定することにより、静電レンズの焦点距離を調整し、静電フォーカスの設定を行う方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の方法では、赤と緑のCRTのフォーカス調整においては特に問題はないが、青のCRTにおいては、フォーカス調整点によりCRTドライブ電流と輝度の特性が大きく異なるため、フォーカス調整ばらつきによるホハイトバランストラッキングの性能劣化およびセット間ばらつきが発生する。
また、赤と緑のCRTのCRTドライブ電流と輝度の特性に近似した特性を青のCRTで求める場合、CRTの種類により、赤と緑のCRTと同様な方法で評価パターン信号で目視評価によりフォーカスを最適点に調整したフォーカス電圧よりも、少しブルーミング側(電圧値が高い側)に設定した方が良い場合がある。
【0005】
本発明は、青のCRTのフォーカスを、CRTに応じて、セット間でばらつきなく、最適点に調整することにより、ホワイトバランスのトラッキング性能向上と、セット間のばらつきを防ぐことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のCRTフォーカス電圧調整回路は、赤と緑と青の3本のCRTからの映像をスクリーンに投写して画像表示するプロジェクションテレビにおいて、Hパラボラ波とVパラボラ波との合成波信号を出力する信号源と、前記信号源からの出力を適度な大きさに増幅する第1のモードと前記信号源からの出力を反転してから適度な大きさに増幅する第2のモードとを切り替え可能に構成されたプリアンプと、前記プリアンプからの出力を前記赤と緑と青の3本のCRTの各フォーカス電極に入力するレベルまでそれぞれ増幅する増幅回路と、前記増幅回路からの出力レベルを前記CRTに対して最適点に調整するフォーカス電圧調整手段と、前記プリアンプのモードを設定する設定手段とを備え、セット調整時に前記設定手段により前記プリアンプを前記第2のモードに切り替えて、前記青のCRTのフォーカス電極に前記信号源からの出力を反転した合成波信号が入力されるように設定してから前記青のCRTのフォーカス電圧を調整し、前記フォーカス電圧の調整後に前記プリアンプを前記第1のモードに切り替え、通常状態において前記青のCRTのフォーカス電圧最適点に調整したフォーカス電圧よりもDC的に高く設定されるようにしたことを特徴とするものであり、前記青のCRTのフォーカス電圧調整に対する前記青のCRTのCRTドライブ電流と輝度の特性が前記赤と緑のCRTのCRTドライブ電流と輝度の特性に近似するようにしたものである。
【0007】
【作用】
上記手段により本発明では、セット調整時において、プリアンプの出力部のテストポイントとGNDをショートし、プリアンプからの出力を0Vとし、増幅回路の出力をDC成分のみに設定し、画面左端にCRTに流れるビーム電流が8mA以上のウインドウ信号を映し出し、その部分の輝度が最低値になるように可変抵抗器を調整することにより、フォーカス電圧の通常状態での最適点のDCレベルよりも、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけ高いレベルにDCレベルを設定することが可能となる。
従って、プリアンプの出力部のテストポイントとGNDのショートを戻せば、増幅回路からの出力をセット間でばらつきなく、通常状態での最適点よりもダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけDC的に高い値に設定できる。
また、ウインドウ信号を映し出して調整するポイントを選択することにより、フォーカス電圧値をダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値の範囲内で、任意の値だけDC的に高い値に設定できる。
このことより、ホワイトバランスのトラッキング性能向上と、セット間のばらつきを抑えることが可能となる。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路を図面を参照して説明する。
【0009】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の回路図を示す。本発明のCRTフォーカス電圧調整回路は図1に示すように、Hパラボラ波とVパラボラ波の合成波を出力する信号源1と、信号源1からの出力を適度な大きさに増幅するプリアンプ2と、プリアンプ2からの出力をCRTのフォーカス電極に入力するレベルまで増幅する増幅回路3と、増幅回路3からの出力レベルをCRTに対して最適点に調整する可変抵抗器4と、プリアンプ2の出力部のテストポイント5で構成される。
【0010】
信号源1からの出力を水平レートで観察すると、図2に示すHパラボラ波形が観察される。信号源1からの出力は、プリアンプ2で適当な大きさに増幅され、増幅回路3でCRTのフォーカス電極を制御するレベルまで増幅される。増幅回路3の出力を観察すると、図3に示すHパラボラ波形が観察される。
【0011】
以後、実施例1の動作説明をする。なお、図3の波形は、通常状態でのCRTのフォーカス調整の最適状態の波形である。セット調整時において、プリアンプ2の出力部のテストポイント5とGNDをショートし、プリアンプ2からの出力を0Vとし、増幅回路3の出力を図4(a)に示すようにDC成分のみに設定し、図5に示すように画面左端にCRTに流れるビーム電流が8mm以上のウインドウ信号を映し出し、その部分の輝度が最低値になるように可変抵抗器4を調整することにより、図5に示される画面左端の最適フォーカス電圧はDCレベルに設定される。DC成分にプリアンプ2から出力されるダイナミックフォーカス波形のAC成分が重畳された電圧で調整する通常状態では、最適フォーカス電圧がAC成分のピーク値で設定されるので、DCレベルはAC成分のピーク値からダイナミックフォーカス波形のAC成分の略2分の1の値だけ低いレベルになっている。従って、最適フォーカス電圧をDCレベルに設定した場合のDCレベルは、図3に示すように、AC成分のピーク値で最適点が設定される通常状態でのDCレベルよりも、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけ高いレベルにDCレベルが設定される。従って、プリアンプ2出力部のテストポイント5とGNDのショートを戻せば、図4(b)のように調整することが可能となり、増幅回路3からの出力をセット間でばらつきなく、通常状態での最適点よりもダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけDC的に高い値に設定できる。また、図5で示す調整ポイントを選択することにより、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の範囲内で、任意の値だけDC的に高い値を設定できる。
【0012】
(実施例2)
図6は本発明の第2の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の構成図を示す。
図6に示すように、図1に示す回路構成と、スクリーン枠上に設置された輝度センサー6と、輝度センサー6からの出力に応じて可変抵抗器4の設定を制御するマイコン7で構成される。以下にその動作を説明する。
【0013】
セット調整時において、プリアンプ2の出力部のテストポイント5とGND(グランド)をショートし、プリアンプ2からの出力を0Vとし、増幅回路3の出力を図4のようにDC成分のみに設定し、図6に示すようにスクリーン枠の輝度センサーの設置してある場所にCRTに流れるビーム電流が8mA以上のウインドウ信号を映し出し、その部分の輝度を輝度センサー6が検出し、検出値が最低値になるようにマイコン7により可変抵抗器4の設定をを制御する。
これにより、図3に示す通常状態での最適点のDCレベルよりも、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけ高いレベルにDCレベルを設定することが可能となる。
従って、プリアンプ2の出力部のテストポイント5とGNDのショートを戻せば、増幅回路3からの出力をセット間でばらつきなく、通常状態での最適点よりもダイナミックフォーカス波形のAC成分の2分の1の値だけDC的に高い値に設定できる。
【0014】
(実施例3)
図7は本発明の第3の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の構成図を示す。図7に示すように、図1に示す回路構成内のプリアンプ2を、信号源1からの出力を適度な大きさに増幅する機能と、モード切り替えにより信号源1からの出力を反転し、適度な大きさに増幅する機能とを兼ね備えて持つプリアンプ8に変更した構成である。以下にその動作を説明する。セット調整時において、プリアンプ8の動作モードを反転アンプに切り替え、増幅回路3の出力を図8のように図3のAC成分を反転した波形に設定し、図5に示すように画面左端にCRTに流れるビーム電流が8mA以上のウインドウ信号を映し出し、その部分の輝度が最低値になるように可変抵抗器4を調整することにより、図3に示す通常状態での最適点のDCレベルよりも、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の値だけ高いレベルにDCレベルを設定することが可能となる。従って、プリアンプ8の動作モードを反転から通常状態に戻せば、増幅回路3からの出力をセット間でばらつきなく、通常状態での最適点よりもダイナミックフォーカス波形のAC成分の値だけDC的に高い値に設定できる。また、図5で示す調整ポイントを選択することにより、ダイナミックフォーカス波形のAC成分の値の範囲内で、任意の値だけDC的に高い値を設定できる。
【0015】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、青のCRTのフォーカスを、CRTに応じて、セット間でばらつきなく、最適点に調整することにより、ホワイトバランスのトラッキング性能向上と、セット間のばらつきを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の回路図
【図2】図1における信号源1の出力波形図
【図3】図1における増幅器3の出力波形図
【図4】図1における調整時の増幅器3の出力波形図
【図5】本発明の実施例における調整ポイントを示す説明図
【図6】本発明の第2の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の回路図
【図7】本発明の第3の実施例におけるCRTフォーカス電圧調整回路の回路図
【図8】図7における調整時の増幅器3の出力波形図
【符号の説明】
1 信号源
2 プリアンプ
3 増幅回路
4 可変抵抗器
5 テストポイント
6 輝度センサー
7 マイコン
8 プリアンプ

Claims (1)

  1. 赤と緑と青の3本のCRTからの映像をスクリーンに投写して画像表示するプロジェクションテレビにおいて、Hパラボラ波とVパラボラ波との合成波信号を出力する信号源と、前記信号源からの出力を適度な大きさに増幅する第1のモードと前記信号源からの出力を反転してから適度な大きさに増幅する第2のモードとを切り替え可能に構成されたプリアンプと、前記プリアンプからの出力を前記赤と緑と青の3本のCRTの各フォーカス電極に入力するレベルまでそれぞれ増幅する増幅回路と、前記増幅回路からの出力レベルを前記CRTに対して最適点に調整するフォーカス電圧調整手段と、前記プリアンプのモードを設定する設定手段とを備え、
    セット調整時に前記設定手段により前記プリアンプを前記第2のモードに切り替えて、前記青のCRTのフォーカス電極に前記信号源からの出力を反転した合成波信号が入力されるように設定してから前記青のCRTのフォーカス電圧を調整し、前記フォーカス電圧の調整後に前記プリアンプを前記第1のモードに切り替え、通常状態において前記青のCRTのフォーカス電圧最適点に調整したフォーカス電圧よりもDC的に高く設定されるようにしたことを特徴とするCRTフォーカス電圧調整回路。
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