JP3549195B2 - 記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開始位置と終了位置とによって再生個所を特定可能とする映像・音声を提供するマルチメディア媒体や語学学習用媒体等の記録媒体(a)の再生装置、再生方法、及び前記再生装置及び再生方法において使用する記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマルチメディア媒体は一度作成されると、再生個所や再生順、再生方法についての自由度がきわめて低く、以下に示すように、利用者の多様なニーズに変幻自在に対応することが不可能であった。
【0003】
即ち、映像と音声とテキストを提供する記録媒体で、改善点を見つけたり不便や不満を感じても、新しく作り直す以外に内容を変更・編集することができないという欠点が従来の技術にはあった。
【0004】
また、児童語学学習用としてCDやテープ付きのカードやトランプが多数作成されているが、たとえば、かるた取りゲームをするとき、毎回同じ再生順であるが故に、学習効果も、子ども達の興味もそがれてしまう欠点があった。
【0005】
CDやテープ付きの絵本が多数販売されているが、CDやテープで朗読されているところが絵本のどこなのかは、初心者にはわかりづらく、まして、印刷されているどの文が朗読されているのか、あるいは文中のどの部分が発声されているのかわからないので、学習効果も上がらす、すぐに飽きてしまうという欠点があった。
【0006】
CDやテープ付きの語学学習書で、CDやテープを聞きながら、聞き取れなかった部分をもう一度再生するためには巻き戻しするわけだが、正確に頭だしができるわけではなく、ひんぱんに巻き戻しすることにより、無駄が多く、機械の寿命も短くなるという従来の技術の欠点があった。
【0007】
またCDやテープ付きの語学学習書は、利用者が文の朗読につづいて同じ内容を発音するために、CDやテープのなかで、相当の空白を設けたり、あるいは、利用者にプレーヤーのポーズボタンを押させるための警告音を発したりして、きわめて使いづらい面があった。
【0008】
文を聞きながら、ディクテーションするとき、書き取った部分の評価をするのには、印刷物といちいち比較しなければならないという面倒さが従来の技術にはあった。
【0009】
交通機関を利用して移動中などに、記録媒体aを再生していて、聞き取れないなどの理由で、該当個所のテキストを閲覧したくても、テキストを取り出す手間、該当個所のページを開く手間、該当する文を探す手間などを加えているうちに、時間が過ぎ、再生個所がどんどん進み、問題意識が希薄化し、「まぁいいか」と妥協してしまうという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のマルチメディア媒体を自在に活用することができ、学習効果を上げることができるシステムの提供を課題とするものである。即ち、再生個所の分割、再編成、さらには、再生に関連付けて、新たに映像と音声とテキストを提供でき、児童語学学習用である CD やテープ付きのカードやトランプにおいては再生順を毎回変更でき、 CD やテープ付きの絵本については、文の朗読にあわせて、画面に該当個所の絵と文を表示するとともに、再生個所に該当する部分を画面上に動くマークをつけて表示でき、 CD やテープ付きの語学学習書で、 CD やテープを聞きながら、聞き取れなかった朗読中のひとつの句だけをただちにもう一度再生でき、ひんぱんな巻き戻しを防止して無駄を省き、更には利用者が文の朗読につづいて同じ内容を発音するために、 CD やテープのなかで、相当の空白を設けたり、あるいは、利用者にプレーヤーのポーズボタンを押させるための警告音を発したりすることがなく必要なときには、自動的に再生を一時停止でき、また、文を聞きながら、ディクテーションするとき利用者が再生された内容とキーボードなどの入力装置からの入力との一致を自動的に判定し評価するとともに、ディクテーションの結果データを保持でき、交通機関を利用して移動中などに、記録媒体aを再生していて聞き取れない場合でも、該当個所の文字情報を提供できる、記録媒体再生装置の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開始位置と終了位置とによって特定部分を再生可能な記録媒体(a)を再生するための記録媒体再生装置において、システムの制御、処理を行うコンピュータと、該コンピュータに対して夫々接続される表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置を備え、前記コンピュータは、再生出力機能を有するアプリケーションソフトがインストールされており、記録媒体(a)及び記録媒体(b)は、記録媒体制御装置を介してコンピュータに接続され、前記記録媒体(b)は、記録媒体(a)の前記特定部分に対応する句(p1)の開始位置及び終了位置の位置情報と句(p1)に関連づける情報(P)とを有するフレームカードと、制御情報とを保持してなる制御ファイルを備え、前記記録媒体(b)内の制御情報と、記録媒体(a)の特定部分が同一番号を有するひとつ の制御系となる構成とし、前記コンピュータは、前記記録媒体(b)に記録されるフレームカード内の前記位置情報から句(p1)に対応する前記記録媒体(a)の特定部分を、音響装置若しくは表示装置へ再生出力可能とするとともに、音響装置若しくは表示装置への情報(P)の出力を可能としたことを特徴とする記録媒体再生装置等を、課題を解決するための手段とする。
【0012】
本願発明は、記録媒体aを利用目的に応じて句p1に分割する句p1は開始位置と終了位置によって特定される記録媒体aのなかの一部分に相当する。作成された複数の句p1を利用目的に応じて集め(これを仮想トラック61という)、さらに仮想トラック61を集めて1個の集合(これを仮想ディスクという)とする。この仮想ディスクに、タイトル、記録媒体aとの同一性を識別するための番号、各句p1ごとに関連付ける画像、文字などの各種情報とともに制御ファイルa1として記録媒体bに保存する。
制御ファイルa1はひとつのデータベースであり、ヘッダー部と本体部に分かれ、ヘッダー部にはタイトル、識別番号、画像や文字や音声の出力制御情報、仮想トラック情報などの総体的情報が記録され、本体部には開始位置、終了位置などの再生制御情報、関連画像や文字や音声の出力制御情報、ディクテーション情報など各句固有情報を持つフレームカードp2がリスト状に記録される。以上の{句p1、仮想トラック、仮想ディスク、句p1への各種情報の関連付け}は、専用アプリケーションソフト(以下プレーヤーMという)の編集機能を使って、コンピュータを操作して作成する。
【0013】
制御ファイルa1の情報を利用するときには、目的に応じて本体部のリストの中からフレームカードp2を選択収集し、順列にして再生用句リスト(以下再生フレームリストという)を作成する。
【0014】
再生時の記録媒体aと制御ファイルa1との関係には、記録媒体a主導型と制御ファイルa1主導型がある。記録媒体a主導型においては、記録媒体aの再生中にその再生位置に対応した句p1を制御ファイルa1のフレームリストから検索し、その句p1の固有情報を発現させる。制御ファイルa1主導型においては、制御ファイルa1から抽出された再生フレームリストに従ってその句の固有情報を発現させるとともに、記録媒体aを制御する。以上の仮想媒体{句p1、仮想トラック、仮想ディスク}の操作{再生、停止、一時停止、オートポーズ、関連情報Pの発現など}は、プレーヤーMの再生機能を使って、コンピュータを操作して実現する。
【0015】
各句固有情報のなかの関連情報の種類と実現形態は多種多様であって、テキストデータであればそれを画面に表示する。ファイル名であればそのファイルを読み込んだり実行したりする。映像ファイルや音声ファイルであれば再生し、画像ファイルやテキストファイルであれば画面に表示する。また制御データであればそれに応じてプレーヤーの状態を変更する。
【0016】
ディクテーションモードでの再生情報sと利用者の入力情報iとの比較は、再帰的最長一致抽出法により一致度を数値で表示するとともにその結果と日時と回数74を該当フレームカードp2に記入する。最長一致抽出法は、まず比較する対象が図12のように文であれば、スペースやカンマなどの区切り記号により区別される部分(通常は単語)を単位Uとして文を分割し、比較する対象が図13のように単語であれば、1文字を単位として分割する。こうして、再生情報sと入力情報iは単位Uを項目とするリスト(以下それぞれLs、Liとする)となる。次にこのふたつのリスト{Ls,Li}のなかの連続した項目において、一致している長さが最も長い部分(以下それぞれTs,Tiとする)を検出しそれを境にして元のリストを3つに分割する。ここで、Ts,Tiの前にある部分をそれぞれFs,Fi、Ts,Tiの後ろにあるリストをそれぞれRs,Riとすると、Ls=Fs+Ts+Rs、Li=Fi+Ti+Riという関係になるので、TsとTiがそれぞれLs,Liに占める割合を算出して一致度VTとする。続いて、未評価の部分{Fs,Fi}、{Ts,Ti}にたいしてそれぞれ同様の最長一致抽出法を再帰的に用いることによりそれぞれの一致度VF,VRを得るので、これらVT,VF,VRより{Ls,Li}の一致度VLを得る。ところで、リストの単位Usと単位Uiの比較には、これらにたいして再び再帰的に最長一致抽出法を用いて行い、その処理は、比較対象の単位が1文字になるか、空になった時点で判定を返す。
【0017】
本発明を実現するには記録媒体a制御ファイルa1とが同一の制御系の中で同時に開かれなければならないので、記録媒体a制御ファイルa1に同一の識別番号を付与し、制御系で記録媒体aが開かれたときには、それと同一の識別番号を持つ制御ファイルa1を制御系の中から検索して、自動的に開くか、開く準備をする。その逆に制御ファイルa1が選択されたときには、それと同一の識別番号を持つ記録媒体aをシステムのなかから検索し、それを開く。あるいは、記録媒体aと制御ファイルa1の内容を同時に保持する新しい記録媒体cを利用する。
【0018】
【発明の実施形態】
本発明を実施するためのシステムは、図1に示されるように、表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置、記録媒体a、b、c、これらを制御して処理を実行するコンピュータ、そこにインストールされたプレーヤーMにより構成される。あるいは、これらをコンパクトにまとめて一つの製品とした装置(以下プレーヤーXという)によって実現する。利用者はプレーヤーMあるいはプレーヤーXを操作して、記録媒体a、b、cを編集・再生する。
【0019】
【発明の実施例】
プレーヤーMのひとつの実現形態としてのプレーヤーMintを使って、本発明の実施形態を示す。プレーヤーMint(図2)をパソコン上で起動し、ドライブの表示21に示すように、選択されたドライブにある記録媒体aを開くとともに、選択され開かれている制御ファイルa1の表示22に示すように、記録媒体aと同一の識別番号を持つ記録媒体bを開く。これらの記録媒体を一度開くと、履歴に登録され、次回からは連動して自動的に開くようになる。つぎに、プレーボタン23をクリックすると再生フレームリストのフレームカードp2(図7)にしたがって記録媒体aが再生されるとともに、再生がすすむにつれ、再生個所を示すマーク33が再生位置と同調して右へ移動する。再生が終了したとき、オートポーズボタン34が有効であれば再生は一時停止状態になり、利用者からの次の指示を待ち、オートポーズボタン34が無効であれば、再生フレームリストの次のフレームカードp2の再生に進む。
【0020】
シャッフルボタン24を有効にしてからプレーボタン23をクリックすると再生フレームリストにおけるフレームカードの通し番号41の順番が、シャッフルしたあとのフレームカードの通し番号51として図5に示すようにランダムな順列に変更され、再生順が無作為になる。
【0021】
プレーヤーMintの仮想ディスクボタン26を有効とし、仮想ディスクモードで再生開始したときには、図6に示すように仮想ディスクの仮想トラック61の順に記録媒体aを再生する。このとき、プレーヤーMintは常に、記録媒体aの再生位置の変化を監視し、その再生位置を含む時間情報71をもつフレームカードp2を検索し、見つかったら、その情報に基づいて、画面の表示を切り替える。
【0022】
プレーヤーMintのディクテーションボタン25を有効とし、ディクテーションモードで再生開始したときには、ひとつのフレームカードp2にしたがって、記録媒体aの該当部分が再生されるとともに、制御系の画面がテキスト入力を受け付ける状態(図8)になる。そこで、利用者は、記録媒体aの再生から得た所見に基づいて、入力する。入力を受けたプレーヤーMintは、入力内容81と、フレームカードp2のデータとを比較し、成否の判定や、一致度の評価を行い、その結果(即ち、ディクテーションの判定諸データ82)を、画面に表示するとともに、フレームカードp2に結果を書き込む。またすでに一度ディクテーションを実施したファイルのときには、各フレームカードp2が持つディクテーションデータを統計的に処理してもっとも学習効果があがるように、前回の実施からもっとも時間が経過しているものとか、前回の成績が悪かったものとかを優先的に選択して、自動的に提供する。
【0023】
フレームカードp2の時間情報は、タイミング編集ボックス(図9)で、範囲取り込み操作ボタン91を有効にした状態で、目的の個所が再生されている間コントロールボタンを押す(以下範囲取り込み操作という)ことによって、そのタイミングから、開始位置と終了位置の設定窓92における開始位置と終了位置を取得して記録し、関連情報は、メモ編集ボックス(図10)で記録する。これらのフレームカードp2は、範囲取り込み操作を繰り返すことによって、プレーヤーMintのなかにフレームカードリスト111として蓄積されるので、それにタイトル、識別番号115、画像や文字や音声の出力制御情報113、仮想ディスク情報(仮想トラックリスト)114などのヘッダー部112を添付し、制御ファイルa1として記録媒体bに保存する。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る発明、即ち、開始位置と終了位置とによって特定部分を再生可能な記録媒体aを再生するための記録媒体再生装置において、システムの制御、処理を行うコンピュータと、該コンピュータに対して夫々接続される表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置を備え、前記コンピュータは、再生出力機能を有するアプリケーションソフトがインストールされており、記録媒体a及び記録媒体bは、記録媒体制御装置を介してコンピュータに接続され、前記記録媒体bは、記録媒体aの前記特定部分に対応する句p1の開始位置及び終了位置の位置情報と句p1に関連づける情報Pとを有するフレームカードと、制御情報とを保持してなる制御ファイルを備え、前記記録媒体b内の制御情報と、記録媒体aの特定部分が同一番号を有するひとつの制御系となる構成とし、前記コンピュータは、前記記録媒体bに記録されるフレームカード内の前記位置情報から句p1に対応する前記記録媒体aの特定部分を、音響装置若しくは表示装置へ再生出力可能とするとともに、音響装置若しくは表示装置への情報Pの出力を可能としたことを特徴とする記録媒体再生装置によれば、従来、再生個所や再生順、再生方法についての自由度がきわめて低い記録媒体aの内容を、句の開始位置からの特定部分の再生を行なうことができることとなり、利用目的に添ってソフト的に自在に再生でき、コンピュータが、句p1に対応する特定部分の開始位置からの音声装置若しくは表示装置に再生出力を行なうことが可能となるとともに、記録媒体aの再生時に、再生個所に関連した画像や文字などの情報を提供することによって、新しい表現空間を提供することができる。
【0026】
また、請求項2に係る発明、即ち、開始位置と終了位置とによって特定部分を再生可能な記録媒体aを再生するための記録媒体再生装置において、システムの制御、処理を行うコンピュータと、該コンピュータに対して夫々接続される表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置を備え、前記コンピュータは、再生出力機能を有するアプリケーションソフトがインストールされており、記録媒体a及び記録媒体bは、記録媒体制御装置を介してコンピュータに接続され、前記記録媒体bは、記録媒体aの前記特定部分に対応する句p1の開始位置及び終了位置の位置情報と、句pに関連づける情報Pとを有するフレームカードと、制御情報とを保持してなる制御ファイルを備え、前記記録媒体b内の制御情報と、記録媒体aの特定部分が同一番号を有するひとつの制御系となる構成とし、前記コンピュータは、前記記録媒体b内の前記位置情報から前記記録媒体aの特定部分に対応した句p1を、音響装置若しくは表示装置へ再生出力可能とするとともに、音 響装置若しくは表示装置への関連情報Pの再生出力を可能とし、再生情報sと、入力情報iとをコンピュータが比較した結果を記録媒体bに記録するとともに音響装置若しくは表示装置へ再生出力する構成を備えたことを特徴とする記録媒体再生装置においては、利用者が再生された内容から聞き取れた内容をキーボードなどの入力装置から打ち込んだとき、それが再生内容と合致しているかどうかをコンピュータによって、利用者の理解度、習熟度を自動的に判定、評価することができる。
【0027】
更に、請求項3に係る発明のように、表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置が夫々連結され、且つ、再生機能を有するアプリケーションソフトがインストールされるコンピュータにおける前記アプリケーションソフトによって、媒体(a)の特定部分の開始位置と終了位置を再生出力する記録媒体再生方法であって、コンピュータは、特定部分の開始位置及び終了位置の位置情報と句p1に関連づける情報Pをあわせてなるフレームカードをまとめたリストと制御情報とを備える制御ファイルを、記録媒体bに記録し、前記制御ファイルのなかのひとつのフレームカードが示す句p1の開始位置から終了位置にしたがい、記録媒体aの特定部分を音響装置若しくは表示装置へ再生出力するとともに、制御ファイルにある制御情報と、フレームカードpがもつ制御情報にしたがい関連付けられた情報Pを音響装置若しくは表示装置へ再生出力する記録媒体再生方法によれば、従来、再生個所や再生順、再生方法についての自由度がきわめて低い記録媒体aの内容を、句の開始位置からの特定部分の再生を行なうことができることとなり、利用目的に添ってソフト的に自在に再生でき、コンピュータが、句p1に対応する特定部分の開始位置からの音声装置若しくは表示装置に再生出力を行なうことが可能となるとともに、記録媒体aの再生時に、再生個所に関連した画像や文字などの情報を提供することによって、新しい表現空間を提供することができる。
【0028】
また、上記請求項4に係る発明のように、表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置が夫々連結され、且つ、再生機能を有するアプリケーションソフトがインストールされるコンピュータにおける前記アプリケーションソフトによって、媒体aの特定部分の開始位置と終了位置を再生出力する記録媒体再生方法であって、コンピュータは、特定部分の開始位置及び終了位置の位置情報と句p1に関連づける情報Pをあわせてなるフレームカードをまとめたリストと制御情報とを備える制御ファイルを、記録媒体bに記録し、前記制御ファイルのなかのひとつのフレームカードが示す句p1の開始位置から終了位置にしたがい、記録媒体aの特定部分を再生するとともに、前記制御ファイルにある制御情報と、フレームカードpがもつ制御情報にしたがい関連付けられた情報Pを音響装置若しくは表示装置へ再生出力し、入力装置からの入力された入力情報iと、記録媒体内の再生情報sとをコンピュータが比較して、利用者の理解度、習熟度を自動的に判定評価し、該判定評価を記録媒体bに記録して統計的に処理し、判定評価に基づき句p1の反復再生出力を可能とする記録媒体再生方法においては、利用者が再生された内容から聞き取れた内容をキーボードなどの入力装置から打ち込んだとき、それが再生内容と合致しているかどうかをコンピュータによって、利用者の理解度、習熟度を自動的に判定、評価することができ、一致度の悪かったものを優先的に反復練習でき、学習内容を最適化することができる。
【0029】
また、上記請求項4に係る発明の構成に加えて、コンピュータは、再生情報sと、入力情報iとを、いくつかの有意な単位に分割し、その分割した単位の中から取り出した連続した部分でもっとも長いものを最初に検出(以下、最長一致抽出法という)し、残りの部分の単位が一文字となるか若しくは単位がなくなるまで再帰的に最長一致抽出法を用いて比較してその結果を記録媒体bに記録する構成とすることができる。
【0030】
更に、記録媒体aに対して、必要に応じて、画像や文字を関連付けた制御ファイルa1を記録した記録媒体b、c、即ち、請求項6に係る発明として開示する、開始位置と終了 位置とによって再生個所を特定可能な記録媒体aに記録される句p1における当該開始位置情報及び終了位置情報、及び句p1の関連情報Pが記録されたことを特徴とする記録媒体によって、すでに数多く製作されている記録媒体aの資源を引き出し、数倍する価値を生み出すことができる。
【0031】
以上のように、本発明により、記録媒体aの内容を、利用目的に添ってソフト的に自在に再生できるようになるとともに、記録媒体aの再生時に、再生個所に関連した画像や文字などの情報を提供することによって、新しい表現空間を提供することができ、そのもたらす効果には計り知れないものがある。
【0032】
句分割機能の効果:記録媒体aの内容を句として分割し、自由に編集・再生することができるので、利用者の目的に応じて、記録媒体aの内容を活用できる。例えば、英文につづいてその和文が朗読される記録媒体において、その再生順を逆転し、和文の朗読に続いて英文を再生することができる。
【0033】
仮想CD機能の効果:句を複数組み合わせて仮想トラックを作成し、その仮想トラックを並べて、仮想CDとして再生できるので、ひとつの記録媒体aのなかから、必要な部分だけを、必要な順番で編成し、まったく新しい印象をもつ記録媒体をソフト的に実現できる。たとえば、英語と日本語が記録された記録媒体において、英語だけの句を仮想CDとして提供できる。
【0034】
句再生機能の効果:記録媒体aの任意の部分を句として再生できるので、特定の句を何度でも再生できることになり、リスニング、ディクテーション、シャドウスピーキング、歌の練習などで、満足いくまで繰り返すことができる。
【0035】
シャッフル機能の効果:句をランダムにシャッフルして再生できるので、カードを使った学習、かるた取りゲーム、ディクテーションなどで、回ごとに新鮮に取り組むことができる。
【0036】
再生個所連動出力機能の効果:再生個所に関連づけられた画像や文字や音声情報を出力することができるので、聴覚情報と視覚情報と文字情報を一体として提供し、記録媒体aの資源を最大限有効に活用することができる。たとえば、再生中の文章朗読や歌唱の内容を直ちに画面上で確認できたり、再生中の文や単語の意味を画像で印象付けることができる。
【0037】
オートポーズ機能の効果:記録媒体aを再生するときに、句ごとに記録媒体aの再生を自動的に一時停止させることができるので、句の内容を十分把握してから次の句にすすむことができる。また画像や文字や音声情報と組み合わせて、フラッシュカードのように使うことができる。
【0038】
ディクテーション自動判定機能と最適化機能の効果:記録媒体aの句を再生しつつ、聴取し認識した内容をキーボードから打ち込むことにより、利用者の理解度、習熟度を自動的に判定し評価することができる。このとき、句ごとのディクテーションの結果データを保持しておき、理解度、習熟度の悪かったものを優先的に反復練習できるので、学習効率を向上させ、学習内容を最適化することができる。
【0039】
マスキング機能の効果:画面に表示する特定の文字列の一部をマスクする(隠す)ことができるので、クイズや受験勉強に活用できる。
【0040】
検索機能の効果:複数の制御ファイルa1のなかで、特定の文字列を含む句を検索し、リストアップして、それらの句に対応した記録媒体aの部分を再生することができるので、たとえば、ある言葉が、状況などの違いでどのように発せられているのかを比較することができる。
【0041】
フィルター機能の効果:記録媒体aの内容は、制御ファイルa1の句に連結させられているので、ある特定の文字列を含む句を検索することによって、記録媒体aのなかに散在している特定の情報を含む部分だけを収集して再生することができる。
【0042】
本発明の効果の特徴は、以上のすべての機能について、既存の記録媒体aをそのまま活用できることにある。すでに数多く製作されている記録媒体aに対して、必要に応じて、画像や文字を関連付けた制御ファイルa1を作成することで、記録媒体aの資源を引き出し、数倍する価値を生み出すことができ、こうした記録媒体aに対する価値創造的な編集作業を、プレーヤーMを使うことにより、多くのユーザーが実現できることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのシステムである。
【図2】本発明を実施するためのプレーヤーMの例である。この例はプレーヤーMのひとつの実現形態としてのプレーヤーMint(version 4.0.1.4)である。以下の図もすべて同様である。
【図3】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける再生中の画面の例である。
【図4】本発明を実施するためのプレーヤーMにおけるフレームリストの例である。
【図5】本発明を実施するためのプレーヤーMにおけるシャッフルした再生リストの例である。
【図6】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける仮想ディスク中の仮想トラックリストの例である。
【図7】本発明を実施するためのプレーヤーMにおけるフレームカードの例である。
【図8】本発明を実施するためのプレーヤーMにおけるディクテーション画面の例である。
【図9】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける句の時間情報を取得するための操作パネルの例である。
【図10】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける句に文字や画像を関連付けるための操作パネルの例である
【図11】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける制御ファイルの例である。
【図12】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける文を対象とした最長一致抽出法の例である。
【図13】本発明を実施するためのプレーヤーMにおける単語を対象とした最長一致抽出法の例である。
【符号の説明】
21 ドライブの表示
22 選択され開かれている制御ファイルの表示
23 プレーボタン
24 シャッフルボタン
25 ディクテーションボタン
26 仮想ディスクボタン
31 関連テキストの出力
32 関連画像の出力
33 マーク
34 オートポーズボタン
41 フレームカードの通し番号
51 シャッフルしたあとのフレームカードの通し番号
61 仮想トラック
71 フレームの時間情報(開始位置と終了位置)
72 関連テキスト
73 関連画像のファイル名
74 前回のディクテーション日時、一致度、前回までのディクテーション回数
81 入力内容
82 ディクテーションの判定諸データ
91 範囲取り込み操作ボタン
92 開始位置と終了位置の設定窓
111 制御ファイルの本体部(フレームカードリスト)
112 制御ファイルのヘッダー部
113 プレーヤー動作制御情報
114 仮想ディスク情報(仮想トラックリスト)
115 制御ファイルのタイトル、識別番号
記録媒体
a1 制御ファイル
記録媒体
記録媒体
情報
情報
p1
p2 フレームカード
情報
Ls 再生情報sを、単位Uを項目として分割したリスト
Li 入力情報iを、単位Uを項目として分割したリスト
Ts リストLsのうちで、一致している長さが最も長い部分
Ti リストLiのうちで、一致している長さが最も長い部分
Fs リストLsのうちで、Tsの前にある部分
Fi リストLiのうちで、Tiの前にある部分
Rs リストLsのうちで、Tsの後ろにある部分
Ri リストLiのうちで、Tiの後ろにある部分

Claims (6)

  1. 開始位置と終了位置とによって特定部分を再生可能な記録媒体(a)を再生するための記録媒体再生装置において、
    システムの制御、処理を行うコンピュータと、該コンピュータに対して夫々接続される表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置を備え、
    前記コンピュータは、再生出力機能を有するアプリケーションソフトがインストールされており、
    記録媒体(a)及び記録媒体(b)は、記録媒体制御装置を介してコンピュータに接続され、
    前記記録媒体(b)は、記録媒体(a)の前記特定部分に対応する句(p1)の開始位置及び終了位置の位置情報と句(p1)に関連づける情報(P)とを有するフレームカードと、制御情報とを保持してなる制御ファイルを備え、
    前記記録媒体(b)内の制御情報と、記録媒体(a)の特定部分が同一番号を有するひとつの制御系となる構成とし、
    前記コンピュータは、前記記録媒体(b)に記録されるフレームカード内の前記位置情報から句(p1)に対応する前記記録媒体(a)の特定部分を、音響装置若しくは表示装置へ再生出力可能とするとともに、音響装置若しくは表示装置へ情報(P)の出力を可能としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  2. 開始位置と終了位置とによって特定部分を再生可能な記録媒体(a)を再生するための記録媒体再生装置において、
    システムの制御、処理を行うコンピュータと、該コンピュータに対して夫々接続される表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置を備え、
    前記コンピュータは、再生出力機能を有するアプリケーションソフトがインストールされており、
    記録媒体(a)及び記録媒体(b)は、記録媒体制御装置を介してコンピュータに接続され、
    前記記録媒体(b)は、記録媒体(a)の前記特定部分に対応する句(p1)の開始位置及び終了位置の位置情報と、句(p1)に関連づける情報(P)とを有するフレームカードと、制御情報とを保持してなる制御ファイルを備え、
    前記記録媒体(b)内の制御情報と、記録媒体(a)の特定部分が同一番号を有するひとつの制御系となる構成とし、
    前記コンピュータは、前記記録媒体(b)内の前記位置情報から前記記録媒体(a)の特定部分に対応した句(p1)を、音響装置若しくは表示装置へ再生出力可能とするとともに、音響装置若しくは表示装置への関連情報(P)の再生出力を可能とし、
    再生情報(s)と、入力情報(i)とをコンピュータが比較した結果を記録媒体(b)に記録するとともに音響装置若しくは表示装置へ再生出力する構成を備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  3. 表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置が夫々連結され、且つ、再生機能を有するアプリケーションソフトがインストールされるコンピュータにおける前記アプリケーションソフトによって、媒体(a)の特定部分の開始位置と終了位置を再生出力する記録媒体再生方法であって、
    コンピュータは、特定部分の開始位置及び終了位置の位置情報と句(p1)に関連づける情報Pをあわせてなるフレームカードをまとめたリストと制御情報とを備える制御ファイルを、記録媒体(b)に記録し、
    前記制御ファイルのなかのひとつのフレームカードが示す句(p1)の開始位置から終 了位置にしたがい、記録媒体(a)の特定部分を音響装置若しくは表示装置へ再生出力するとともに、制御ファイルにある制御情報と、フレームカード(p)がもつ制御情報にしたがい関連付けられた情報(P)を音響装置若しくは表示装置へ再生出力することを特徴とする記録媒体再生方法。
  4. 表示装置、入力装置、記録媒体制御装置、記憶装置、音響装置が夫々連結され、且つ、再生機能を有するアプリケーションソフトがインストールされるコンピュータにおける前記アプリケーションソフトによって、媒体(a)の特定部分の開始位置と終了位置を再生出力する記録媒体再生方法であって、
    コンピュータは、特定部分の開始位置及び終了位置の位置情報と句(p1)に関連づける情報Pをあわせてなるフレームカードをまとめたリストと制御情報とを備える制御ファイルを、記録媒体(b)に記録し、
    前記制御ファイルのなかのひとつのフレームカードが示す句(p1)の開始位置から終了位置にしたがい、記録媒体(a)の特定部分を音響装置若しくは表示装置へ再生出力するとともに、前記制御ファイルにある制御情報と、フレームカード(p)がもつ制御情報にしたがい関連付けられた情報(P)を音響装置若しくは表示装置へ再生出力し、入力装置からの入力された入力情報(i)と、記録媒体内の再生情報(s)とをコンピュータが比較して、利用者の理解度、習熟度を自動的に判定評価し、該判定評価を記録媒体(b)に記録して統計的に処理し、判定評価に基づき句(p1)の反復再生出力を可能とすることを特徴とする記録媒体再生方法。
  5. コンピュータは、再生情報(s)と、入力情報(i)とを、いくつかの有意な単位に分割し、その分割した単位の中から取り出した連続した部分でもっとも長いものを最初に検出(以下、最長一致抽出法という)し、残りの部分の単位が一文字となるか若しくは単位がなくなるまで再帰的に最長一致抽出法を用いて比較してその結果を記録媒体(b)に記録することを特徴とする請求項4記載の記録媒体再生方法。
  6. 開始位置と終了位置とによって再生個所を特定可能な記録媒体(a)の特定部分に対応する句(p1)における当該開始位置情報及び終了位置情報、及び句の関連情報(P)を記録したことを特徴とする記録媒体(b)(c)。
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