JP3548947B2 - 一本化cmビデオテープの収録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン放送局におけるコマーシャルメッセージ(以下CMと言う)放送にあたり、放送順に一本化されたビデオテープ(オンエア・ビデオテープ)をCMバンク装置を用いて編集・収録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一本化CMビデオテープ(オンエア・ビデオテープ)の収録にはCMバンク装置が使用されている。特開平03−248390号に記載されているように、CMバンク装置は、予め広告代理店などから持ち込まれた光磁気ディスクに記録されたCM素材を光磁気ディスク記録再生機(ビデオファイルレコーダ)に収録し、放送順の1日分のビデオテープに編集する装置である。
【0003】
CMバンク装置は、数十枚の光磁気ディスクを格納するストッカー部と、複数の光磁気ディスク記録再生機(ビデオファイルレコーダ)と、ストッカー部から光磁気ディスク記録再生機にディスクを搬送するオートチェンジャーと、光磁気ディスク記録再生機の出力信号を切り替える映像・音声スイッチャー部と、ビデオテープレコーダ(VTR)で構成されている。
このオートチェンジャーを使用したCMバンク装置は、1台の光磁気ディスク記録再生機が一本化収録を終えた後、他の光磁気ディスク記録再生機が一本化収録を行っている間に、ディスクの交換を終了し、連続収録を可能とすることを図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状では、1枚の光磁気ディスクの交換に約60秒を要するので、1CM当たりの放映時間を15秒として収録時間を計算すると、光磁気ディスク記録再生機が4台の場合には、
15秒(1CM)×3台=45秒(ディスク交換の許容時間) < 約60秒(ディスク交換時間)
その結果、待ち時間は、60秒−45秒=15秒となり、1CM収録ごとにディスク交換待ち時間が発生し、一本化収録に時間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、CMバンク装置を用いて一本化CMビデオテープを収録するにあたり、ディスク交換の回数を最小限にし、処理時間を短縮することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CMバンク装置を用いて一本化CMビデオテープを収録するにあたり、複数の光磁気ディスク記録再生機のうちの1台を重複CM専用機として選定し、一本化ビデオテープ内の重複するCMについては最初の一回に限り該CMを前記重複CM専用機に収録し、その後の重複CMは前記重複CM専用機から直接に一本化ビデオテープに収録することを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、一本化データ内に重複CMが存在する場合には、この重複CMを最初に一本化収録するときに、同時に重複CM専用機にも収録を行い、その後の重複CMの一本化収録作業はディスク交換無しで重複CM専用機から行う。従って、ディスク交換の回数を最小限にし、一本化CMビデオテープの収録時間を短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1を参照するに、CMバンク装置は、CM素材が記録された数十枚の光磁気ディスクを格納することの可能な光磁気ディスクカートと呼ばれるストッカー部10と、互いに同一の複数の光磁気ディスク記録再生機(ビデオファイルレコーダ。VF機ともいう)からなる光磁気ディスク記録再生機列(VF機列)12と、光磁気ディスクをストッカー部10から取り出して光磁気ディスク記録再生機にセットするアーム付きのオートチェンジャー14と、光磁気ディスク記録再生機列12の出力信号を切り替える映像・音声スイッチャー部16と、放送順に一本化されたビデオテープ(オンエア・ビデオテープ)を編集・収録するVTR18を備えている。
【0009】
図示した実施例では、光磁気ディスク記録再生機列12は、3台の非重複CM用の光磁気ディスク記録再生機20(#1〜#3VF機)と、重複CMのみを収録するための重複CM専用機(重複CM専用VF機)22に区分されている。
【0010】
図2に示したように、映像・音声スイッチャー部16は、重複CMが初めて存在したときにのみ、VTR18への収録のスタートタイミングと同時にVTR18と重複CM専用機22への同時収録を行うようになっている。
【0011】
次に、図3のタイムチャートと図4および図5のフローチャートを参照にしながら本発明の一本化CMビデオテープの編集・収録方法を説明する。
【0012】
本発明によれば、CMバンク装置により一本化ビデオテープを作成するにあたり、重複CMが存在したときに、CM素材をVTR18と重複CM専用機22に同時収録することにより作業時間が短縮される。
図3において、VTR18は前のCM素材を収録中のためステータスは収録(REC)状態にある。
次のCM素材が重複CMであり、かつ、初めて収録するCMである場合には、いづれかの光磁気ディスク記録再生機20と重複CM専用機22のキューアップを同時に行い、−3秒スタートにより光磁気ディスク記録再生機20の再生と重複CM専用機22の収録を同時に行う。
【0013】
より詳しくは、図4のフローチャートを参照するに、先ず、一本化ビデオテープ収録の事前処理として、VTR収録を一本化データ順に行うための制御ファイルに、重複CM識別フラグ(F)を予め付加する。
このため、一本化収録処理プログラムが起動され(ステップS1)、制御ファイルの作成が開始されると(ステップS2)、先ず、全てのCMについて制御ファイルのフラグを「0」にする(ステップS3)。
そして、制御ファイルを最後から検索し、重複CMが存在するか否かをチェックし(ステップS4)、重複CMが存在した場合には、フラグを「1」にする(ステップS5)。
これを全てのCMについて行う(ステップS6)。
【0014】
次に、制御ファイルを先頭から検索し、フラグが「0」と数字以外のCMを検出する(ステップS7)。フラグが「0」と数字以外のCMデータが存在したならば、そのCM以降の重複CMのフラグを「*」にする(ステップS8)。以上の処理を最終CMまで行う(ステップS8)。
【0015】
これにより、制御ファイルの重複CM識別フラグは以下のように分別される。
フラグ = 0 : 重複CMが存在しないCM
フラグ = * : 重複CM(重複CM専用VF機に収録済み)
フラグ = 上記以外 : 重複CM(重複CM専用VF機とVTRに同時収録するCM)
【0016】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、一本化ビデオテープの収録を説明する。
一本化収録は、図4のフローチャートに基づいて前述した制御ファイルに従って実行される。概略的に述べるに、一本化収録は、CM素材の収録前に制御ファイルの重複CM識別フラグをサーチし、フラグに応じて光磁気ディスク記録再生機20および22やVTR18を制御することにより行われる。
【0017】
より詳しくは、一本化収録が開始されると、収録するCMが存在するかどうかをチェックし(図5のフローチャートのステップS11)、収録するCMが存在する場合には1CMの収録を開始し(ステップS12)、先ず、その制御ファイルについて重複CMが存在するか否かをフラグ(F)に基づいてチェックする(ステップS13)。
【0018】
重複CMが存在する場合(F≠0)には、更に重複CMが収録済みかどうかをチェックする(ステップS14)。重複CMが収録済みでない場合(F≠*)には、光磁気ディスク記録再生機20(#1〜#3VF機)からVTR18および重複CM専用機(重複CM専用VF機)22への同時収録を行うため、該当光磁気ディスク記録再生機20と重複CM専用機22とVTR18のスタンバイを夫々行い(ステップS15)、図3のタイムチャートに従い同時収録を行う。
【0019】
最初の重複CMの同時収録が終わると(ステップS16)、ステップS12に戻って次のCMの収録を開始し、次のCMが重複CMか否かをチェックする(ステップS13)。次のCMが重複CMでなければ(F=0)、該当する光磁気ディスク記録再生機20からVTR18への収録を行い(ステップS17)、ステップ12へ戻る。
【0020】
その後のCMが重複CMであり、この重複CMが既に重複CM専用機22へ収録済み(F=*)であるならば(ステップS14)、CM素材を収録済みの重複CM専用機22からVTR18への収録を行う(ステップS18)。
以上の処理は制御ファイル内のすべてのCMがVTR18に収録されるまで行われる。
【0021】
このようにして収録された一本化ビデオテープの一例を図6に示す。
図6の例においては、CM1が重複CMであり、この重複CM1に関しては、最初の一回のみディスク交換を行い、その際、一本化ビデオテープへの収録と重複CM専用機22への同時収録が行われる。CM1に関するその後の一本化ビデオテープへの収録(図6の例において重複2回目〜重複5回目)はディスク交換なしで行われる。
【0022】
本発明によれば、例えば、一本化データ内に重複CMが10CMある場合には、ディスク交換の回数を9回分削減することができる。従って、従来は、60(秒)×10=600(秒)を要していたのに対して、本発明では、60(秒)×1=60(秒)で足り、540秒(ディスク交換を9回分)を削減することができる。
また、このようなCM素材が一本化データ内に10CM存在すると、
540(秒)×10(CM)=5400(秒)=90(分)
となり、90分収録時間が短縮されることになる。
本発明によれば、重複CMの数が増えれば増えるほど、従来の方法との収録時間の差が大きくなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のCMバンク装置のハードウェアの基本構成を変更することなく、ディスク交換の回数を減らす事が可能となり、一本化収録作業をより迅速に行うことが可能となる。また、本発明の効果は、重複CMの数が増えれば増えるほど顕著となる。
更に、ディスクの交換回数が大幅に削減されるので、ストッカー部、オートチェンジャー部、光磁気ディスク記録再生機等の劣化が大幅に回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に使用するCMバンク装置のブロック図である。
【図2】図1に示したCMバンク装置の一部のブロック図である。
【図3】本発明の一本化ビデオテープ収録方法における同時収録のタイミングチャートである。
【図4】本発明の一本化ビデオテープ収録の事前処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一本化ビデオテープ収録方法のフローチャートである。
【図6】本発明の方法により収録された一本化ビデオテープの一例を示す。
【符号の説明】
14: オートチェンジャー
20: 光磁気ディスク記録再生機
22: 重複CM専用機

Claims (1)

  1. 複数枚の光磁気ディスクを格納するストッカーと、このストッカーから光磁気ディスクを取り出し機構と、とりだされた光磁気ディスクを記録再生する複数の光磁気ディスク記録再生機とを備えたコマーシャルメッセージ・バンク装置を用いて、コマーシャルメッセージ素材が記録された複数の光磁気ディスクから、一本化されたコマーシャルメッセージ・ビデオテープを収録するにあたり、
    前記複数の光磁気ディスク記録再生機のうちの1台を重複コマーシャルメッセージ専用機として選定し、
    一本化ビデオテープ内の重複するコマーシャルメッセージについては最初の一回に限り該コマーシャルメッセージを前記重複コマーシャルメッセージ専用機に収録し、その後の重複コマーシャルメッセージは前記重複コマーシャルメッセージ専用機から直接に一本化ビデオテープに収録することを特徴とする一本化コマーシャルメッセージ・ビデオテープを収録する方法。
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