JP3548902B2 - 薄型面状光源装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、看板や各種表示装置等の背面照明手段に用いる薄型の面状光源装置に関するものであり、特に、液晶表示装置の背面照明手段として用いられる薄型面状光源装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ等の表示装置として、軽量かつコンパクト化のニーズに応えるべく薄型で見やすい背面光源機構を有する液晶表示装置が用いられている。このような背面光源機構を実現する手段として、図7に示すように、断面形状がほぼ矩形状で透光性の高い材料で形成される樹脂基板51の一側端面52に、直線状光源としての冷陰極管(CCFL)または熱陰極管(HCFL)等の光源ランプ53を配置するサイドライト方式(導光板方式)の面状光源装置が用いられている。
【0003】
このようなサイドライト方式の面状光源装置は、公知技術であるスクリーン印刷方式で、樹脂基板51の裏面54全面に渡って、光拡散反射物質を含んだ媒体を塗布して、散乱パターン55を形成している。散乱パターンとしては、ドット状、ストライプ状等がある。図8に示す散乱パターン55は、光源ランプ53の位置する側端面52から、側端面52に対向する側端面56に向かうにつれてピッチを変えずにドットの径が徐々に大きくなるように印刷されており、これによって裏面54において光源ランプ53より遠くなるにしたがって単位面積当たりの光拡散反射物質を含んだ媒体の占める割合が多くなる。
このように、樹脂基板51の裏面54に形成した光拡散反射物質を含んだ媒体による散乱パターン55の密度を変えることにより、光源ランプ53からの発光光線の拡散および反射が画面上の位置において、光源ランプ53に近い部分のみが明るく発光することがないようにしてある。
【0004】
そして、光源ランプ53の周面において側端面52と対向しない周面は、銀等を蒸着した反射フィルム57で覆われており、一方、光源ランプ53の位置する側端面52に対向する側端面56には、反射テープ等の反射材58が付加されている。そして、スクリーン印刷方式によって散乱パターン55を施した樹脂基板51の裏面54の後方全面には、反射板59が設けられている。
これら反射材58や反射板59を設けることにより、画面に放出する以外の光線、すなわち側端面56や裏面54に進行する光線を樹脂基板51内に反射させ、画面以外から光が放出することを防止し、さらに、樹脂基板51の表面60全面を覆うように拡散板61を設け、裏面54に施した散乱パターン55のみが輝いて見えるような、いわゆるドットパターンイメージを除去し、樹脂基板51の表面60において面状の均一発光を行うようにしている。
【0005】
図9は、このように構成されたサイドライト方式の面状光源装置における光線の進行状態を説明するための模式的な断面図である。
これを説明すると、光源ランプ53からの発光光線は、反射フィルム57で反射されることにより、その発光光線の多くが樹脂基板51の側端面52に到達し、樹脂基板51の内部に進入する。
【0006】
この光線のうち、樹脂基板51の裏面54に施されている散乱パターン55に到達した光線62は拡散され、反射する光線63、64、65となる。
光線63は、樹脂基板51の表面60へ向かい、拡散板61を透過し画面上へ放出される。このとき、拡散板61を透過する光線は拡散され、符号66に示すように広がりのある光線となり画面に放出される。
拡散板61で反射される光線64、65は散乱パターン55、反射板59にそれぞれ到達し、表面60の方へ反射する。
【0007】
光源ランプ53から発光して樹脂基板51の裏面54の散乱パターン55に当たらない光線67、および、樹脂基板51の表面60に当たる光線68は、散乱パターン55に到達するまで樹脂基板51内部を全反射を繰り返して進む。
上述したように全画面上で均一な発光強度になるように散乱パターン55に密度分布を与えていることにより、比較的高輝度でしかも均一な薄型な面状光源装置が実現可能となっている。
【0008】
ところで、図8に示す樹脂基板51の裏面54に施されている各散乱パターン55は、各中心間の間隔を等しくして(等間隔ピッチで)パターンが施されている。このようなドット状の散乱パターン55において、一つのドットの中心から隣接するドットの中心までの距離をパターンピッチ69という。パターンピッチがドット状でない場合も、一つのパターンの中心と、隣接するパターンの中心との距離をパターンピッチという。従来の面状光源装置のパターンピッチ69の多くは1mm程度である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特に近時、コンピュータ等の表示装置として、より一層の薄型化、軽量化が望まれており、これに伴い面状光源装置において、樹脂基板51の厚さをより薄くすることにより、薄型化、軽量化を行うことが検討されている。しかし、樹脂基板51の厚さをより薄くすると、樹脂基板51内に進入して散乱パターン55に当たり反射され拡散される光線の拡散による広がりが小さくなる。このため、光線同士の重なりが少なくなるので、ドットパターンイメージを除去するために、大きな拡散率を持つ拡散板61を面状光源装置の表面60側に設け、光が表面から放出する時に光を拡散させ、光を重ね合わせることにより、ドットパターンイメージを除去する手段を用いている。拡散率を大きくするためには、ヘーズ(曇価)が高い拡散板61の使用や、拡散板61を何枚か重ね合わせる手段がある。
ヘーズ(曇価)とはJIS−K7105に規格されており、光の拡散の度合いを示す値であり、ヘーズ(曇価)が高いと拡散する度合いが高いことを意味する。
【0010】
しかし、拡散率を大きくするために、ヘーズ(曇価)が高い拡散板61を使用する場合には、樹脂基板51の表面60に放出する光線66を十分に拡散しドットパターンイメージを除去する課題は達成できるが、光線66が拡散されるために正面方向(観測側)が明るくならないという問題点があった。また、拡散板61の枚数を増加させる場合には、拡散ビーズをコートした拡散板61とすると、散乱ビーズのレンズ効果により光線63が集光し、正面方向(観測側)は明るくなるが、面状光源装置自体が拡散板61の構成枚数の増加により厚くなるので、面状光源装置の薄型化、軽量化の達成が図られなかった。
このような手段を用いて拡散板61を設ける結果、光が拡散することによる輝度の減少、光透過性の低下による効率の減少、さらに、部品点数の増加による高コスト化のみならず、組立時の取扱性が悪化する事による不良の増加等の問題があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、ドットパターンイメージを除去しつつ、より薄型化、軽量化された薄型面状光源装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1の発明では、透光性材料からなる樹脂基板の少なくとも一つ以上の側端面付近に沿って一本または複数本の光源ランプを配置し、該樹脂基板の一面に光拡散反射物質を含んだ媒体で形成される散乱パターンを形成してなるサイドライト方式の面状光源装置において、前記樹脂基板の板厚を薄くし、前記樹脂基板の散乱パターンを形成する面に対向する全面を覆って、ヘーズ(曇価)90〜94%である一枚の拡散板を配置し、前記樹脂基板の板厚と前記拡散板のヘーズに対応して前記散乱パターンのパターンピッチを、Y=ae bx (a、bは樹脂基板の板厚による定数、Xは、拡散板のヘーズ(曇価)(%)、Yは、光拡散反射物質を含んだ媒体のパターンピッチ(mm))の式から求められる間隔に設定し、ドットパターンイメージを除去したことを特徴とする薄型面状光源装置である。
【0013】
請求項2の発明では、前記樹脂基板の厚さは1mm以上3mm以下の範囲にあることを特徴とする薄型面状光源装置である。
【0015】
請求項の発明では、前記パターンピッチは、拡散板のヘーズの関連において、約0.1mm以上0.75mm以下の範囲にあることを特徴とする薄型面状光源装置である。
【0016】
請求項の発明では、前記散乱パターンを施す方法は、スクリーン印刷方式で行うことを特徴とする薄型面状光源装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の薄型面状光源装置は、図1に示される。1は、直線状の光源である光源ランプで、断面形状がほぼ矩形の樹脂基板2の一側端面3に沿って、所定の距離をおいて配置されている。樹脂基板2は、透光性の高いアクリル樹脂等で形成されている。樹脂基板2の側端面3に対向する以外の光源ランプ1の周面は、銀等を蒸着した反射フィルム4で覆われている。この様に反射フィルム4を設けることにより、光源ランプ1の表面から発した光線は、反射フィルム4で反射されるので、光線の多くが樹脂基板2の側端面3に到達する。
【0018】
樹脂基板2の裏面5(図1の下側)には、光拡散反射物質を含んだ媒体により形成される散乱パターン6が施されている。本実施の形態においても、散乱パターンの形状は、従来例と同様にドット状の散乱パターン6とする。この散乱パターン6は、図2に示すように、光源ランプ1に近い側端面3から、側端面3と対向する側端面7に向かってドットの径が徐々に大きくなるように変化させて、密度が変化するように光拡散反射物質を含む媒体を塗液としてスクリーン印刷を行う。この時、各々のドットの中心から隣接するドットの中心までの距離をパターンピッチ8とする。
本発明においては、後に詳述する理由によりパターンピッチ8を従来と比較し細かくし、それに伴いドットの径を小さくした細かい散乱パターン6となるようにした。
【0019】
光拡散反射物質を含んだ媒体で形成される散乱パターン6を樹脂基板2に施す方法は、光拡散反射物質(例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム)等を、透光性物質(例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等)に分散させた塗料、印刷インク等の媒体を塗液としてスクリーン印刷等の方法で行うことができる。
そして、さらに樹脂基板2の裏面5の後方に、裏面5全面を覆う反射板9が配置されている。
【0020】
樹脂基板2の光源ランプ1の配置する側端面3に対向する側端面7には、反射テープ等の反射材10が付着されている。
また、樹脂基板2の表面11側(図1の上側)には、上述した光拡散反射物質を含む媒体による散乱パターン6のみが浮いて見えるドットパターンイメージの除去のために拡散板12が配置されている。この拡散板12は、後述する理由により、ヘーズ(曇価)が90〜94(%)であるものを使用する。
【0021】この時、拡散板12のヘーズ(曇価)の値と樹脂基板2の板の厚さ(以下、板厚という)により、散乱パターン6のパターンピッチ8を、後述する式1から算出している。算出されたパターンピッチ8の規定値により、スクリーン印刷を樹脂基板2の裏面5に行い散乱パターン6としている。
【0022】
上述した構成からなる面状光源装置における光線の進行状態が図3に示されている。光源ランプ1の符号13で示す位置から発光する発光光線14、15、16を選出して、これらの光線の進行状態を説明する。
まず、発光光線14は、樹脂基板2内に進入し、樹脂基板2の裏面5に施された散乱パターン6に当たる光線である。発行光線14は、散乱パターン6に当たると、散乱パターン6が光拡散反射物質を含む媒体で形成されているので、光線の大部分が光拡散反射物質に当たるため表面11の方向に反射され拡散する。
【0023】
散乱パターン6に当たって反射する光線のうち、一定の入射角で拡散板12に進入する光線17は、符号18を付す光線のように拡散板12を透過中に拡散され、一定の幅に広がりながら表面上に放射される。拡散板12の拡散の度合いは、ヘーズ(曇価)に依存し、ヘーズ(曇価)が高いほど拡散する度合いが高くなる。
また、発光光線14として散乱パターン6に当たる光線のうち、拡散板12で反射され樹脂基板2へ再び進入する光線19、20は、散乱パターン6、反射板9にそれぞれ当たる。
【0024】
光源ランプの符号13で示す所定位置からの発光光線15は、側端面3から樹脂基板2内に進入して、裏面5側へ向かい、散乱パターン6の施されてない部分に当たり、樹脂基板2の裏面5と空気との境界面で全反射して表面11側へと進む。
また、発光光線16は、樹脂基板2内に進入後、表面11へと向かい空気との境界面で全反射し、裏面5側へと向かう。
両発光光線15、16は、樹脂基板2内を反射しながら、図3の左側へと向かうが、裏面5の散乱パターン6に当たると、拡散されるので光線17、18と同様に拡散板12を透過して表面上へ放射される。
以上樹脂基板2の内部に進入した光線全ては、この動作を繰り返す。
【0025】
本発明の薄型面状光源装置において、拡散板12のヘーズ(曇価)と樹脂基板2の板厚により決定される式1から算出したパターンピッチ8は、従来の面状光源装置のパターンピッチ69と比較すると小さいので、隣り合うパターン一つ一つの間隔が小さくなっている。したがって、散乱パターン6を構成する一つのパターンに当たり拡散板12に進入する光線17と、前記パターンに隣接するパターンに当たり拡散板12に進入する光線17との間隔が狭くなる。さらに、光線17は、拡散板12を透過中に、拡散され広がりを持つ(図3の光線18)ので光線は重なり合う。このように、光線が重なり合うことによって、散乱パターン6の施されていない部分からも発光しているように見えるので、ドットパターンイメージを除去でき、均一な面状光源を実現できる。
【0026】
本発明を実施する場合において、樹脂基板2は光を効率よく通過させる物質であれば良く、その透明性、加工性からアクリル樹脂が最も適している。しかしながら、本発明の実施としては、特にこれに限定されるものではなく、これに変えて、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂等の各種熱可塑性の透明樹脂等が使用可能である。また、アリルジグリコールカーボネイト樹脂等の熱硬化性透明樹脂や各種ガラス材料等の無機透明材料も場合によっては適用可能である。
【0027】
【実施例】
まず、樹脂基板2の裏面5に施す、表面上に均一に光を放出させるための拡散反射物質を含む媒体による散乱パターン6のパターンピッチ8の大きさを決定するために、図1に示すような構成の面状光源装置のパターンピッチ8と拡散板12のヘーズ(曇価)との関係を実験によって調べ、図4に示す表Aを得た。
表A(図4)において、縦軸はパターンピッチ(mm)であり、横軸はヘーズ(曇価)(%)である。表Aに示されるように、樹脂基板の板厚1mm、2mm、3mm、4mmの四種の樹脂基板について、それぞれパターンピッチ8と拡散板12のヘーズ(曇価)を変化させてグラフにした。
【0028】
この表Aの表中の曲線において、その曲線より下側の値のパターンピッチを施すと、拡散板12により十分に光が拡散されて光同士が重なり合うために散乱パターン6が人間の目で視認不可能となる。(例えば、板厚3mmの樹脂基板2において、ヘーズ96%の拡散板12を使用する時、パターンピッチ8を0.5mmとすると曲線の下方に位置しているので、散乱パターン6を視認できないこととなり、一方、1mmとすると曲線より上方に位置するので、散乱パターン6が視認できることとなる。)
このように、人間の目で視認不可能となることは、散乱パターン6だけが浮いて見えるドットパターンイメージが除去されるということを意味する。
【0029】
この表Aから、パターンピッチ8を導き出す式1を求めた。
【式1】
Y=aebX
ここで、a、bは樹脂基板の板厚による定数
Xは、拡散板のヘーズ(曇価) (%)
Yは、散乱パターンのパターンピッチ (mm)
以下、この式1を用いて、散乱パターン6のパターンピッチ8を算出する。
【0030】
次に実施例−1、及び、比較例−1から比較例−6について以下に説明する。
本発明の実施例−1は、図1に示す構成の薄型面状光源装置である。
樹脂基板2は厚さ3mmのアクリル板(210mm×145mm:住友化学株式会社製 スミペックスE)を用い、その樹脂基板2の長辺の一側端面3に沿って所定間隔をおいてほぼ当接するように、直線状の光源ランプ1が発光源として配置される。光源ランプ1は管外径φ2.6mmの冷陰極管(ハリソン電機株式会社製)を使用する。光源ランプ1の周囲を覆う反射フィルム4は、PETフィルムに銀を蒸着させて製造したフィルム(きもと株式会社製 GR38W)を使用しており、光源ランプ1の発光光線の多くを、樹脂基板2の側端面3に入射させるように作用する。
【0031】
光源ランプ1が置かれている側端面3以外の側端面7にも、樹脂基板2内に進入して反射を繰り返す光線が、画面上以外から放出することを防ぐため反射材10を配置している。この反射材10も、反射フィルム4と同様に、PETフィルムに銀を蒸着させて製造したフィルム(きもと株式会社製 GR38W)を用いている。
樹脂基板2の表面11の全面を覆う拡散板12は、厚さ110μmのPETフィルムに散乱ビーズをコートしたフィルム(きもと株式会社製 100s)を使用する。この拡散板12のヘーズ(曇価)は、JIS−K7105に準じて測定した結果92%であった。
【0032】
樹脂基板2の板厚3mmであるから、樹脂基板2に板厚により決定する定数a、bは、a=0.0000244、b=0.1097503であり、式1は、
Y=0.0000244e0.1097503X
となり、パターンピッチ8(Y)を計算すると、0.6mmである。したがって、0.6mm以下のパターンピッチ8であればドットパターンイメージは除去されることになる。
【0033】
そこで光拡散反射物質としての二酸化チタンと、透光性物質としてのアクリル・ビニル樹脂を含むインク(株式会社セイコーアドバンス製 #2500−超遅乾−120)を塗液として、図2に示すような径を徐々に変化させたドット状の散乱パターン6を、パターンピッチ8を0.5mmとして、樹脂基板2の裏面5全面にスクリーン印刷をした。前記インクに含まれる溶剤は乾燥し除去した。
【0034】
さらに、樹脂基板2の裏面5には、厚さ188μmの白色PET樹脂性反射材(東レ株式会社製 188E60L)からなる反射板9が全面を覆うように設けられている。 樹脂基板2の表面11には、厚さ110μmでPETフィルムに散乱ビーズをコートした光拡散部材(きもと株式会社製 100s)を拡散板12として、表面11全面を覆うように設けられている。
【0035】
比較例−1から比較例−6は、図7に示される従来技術の欄で説明した比較的大きなパターンピッチからなる構成の面状光源装置である。その面状光源装置の構成を以下に説明する。
【0036】
比較例−1を以下に、図7に示す構成の面状光源装置を用いて説明する。
樹脂基板51は厚さ3mmのアクリル板(210mm×145mm:住友化学株式会社製 スミペックスE)を用い、その樹脂基板51の長辺の一側端面52に沿って所定間隔をおいてほぼ当接するように、直線状の光源ランプ53が発光源として配置される。光源ランプ53は、管外径φ2.6mmの冷陰極管(ハリソン電機株式会社製)を使用する。光源ランプ53の周囲を覆う反射フィルム57は、PETフィルムに銀を蒸着させて製造したフィルム(きもと株式会社製 GR38W)を使用しており、光源ランプ53の発光光線の多くを、樹脂基板51の側端面52に入射させるようにする。
【0037】
光源ランプ53が置かれている以外の側端面56にも、樹脂基板51内に進入して反射を繰り返す光線が、画面上以外から放射することを防ぐために反射材58を配置している。この反射材58も、反射フィルム57と同様に、PETフィルムに銀を蒸着させて製造したフィルム(きもと株式会社製 GR38W)を用いている。
【0038】
また、樹脂基板51の裏面54には、光拡散反射物質としての二酸化チタンと透光性物質としてのアクリル・ビニル樹脂を含むインクを塗液としてドット状の散乱パターン55を、全画面上で均一な発光強度になるように密度分布を与え、かつパターンピッチ69を1mmとして、スクリーン印刷を行った。このインク(株式会社セイコーアドバンス製 #2500−超遅乾−120)に含まれる溶剤は乾燥させ除去した。
樹脂基板51の裏面54には、厚さ188μmの白色PET樹脂製の反射材(東レ株式会社製 188E60L)からなる反射板59が裏面54の全面を覆うように設けられている。
樹脂基板51の表面60には、厚さ110μmでPETフィルムに散乱ビーズをコートした光拡散部材(きもと株式会社製 100S)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。
この拡散板61のヘーズ(曇価)をJIS−K7105に準じて測定すると92%であった。
【0039】
比較例−2として作成される面状光源装置では、樹脂基板51の表面60に、厚さ100μmでPETフィルムに不定形散乱材をコートした光拡散部材(きもと株式会社製 75PBA)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。他の構成については比較例−1と同様である。
この拡散板61をJIS−K7105に準じて測定した際のヘーズ(曇価)は95%であった。
【0040】
比較例−3として作成される面状光源装置では、樹脂基板51の表面60に、厚さ125μmでPETフィルムに不定形散乱材をコートした光拡散部材(きもと株式会社製 100PBU)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。他の構成については比較例−1と同様である。
この拡散板61をJIS−K7105に準じて測定した際のヘーズ(曇価)は98%であった。
【0041】
比較例−4として作成される面状光源装置では、樹脂基板51の表面60に、厚さ115μmでPETフィルムに散乱ビーズをコートした光拡散部材(きもと株式会社製 100LS)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。他の構成については比較例−1と同様である。
この拡散板61をJIS−K7105に準じて測定した際のヘーズ(曇価)は88%であった。
【0042】
比較例−5として作成される面状光源装置では、樹脂基板51の表面60に、厚さ100μmでPETフィルムに不定形散乱材をコートした光拡散部材(きもと株式会社製 75PBA)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。
この拡散板61をJIS−K7105に準じて測定した際のヘーズ(曇価)は95%であった。
【0043】
また、比較例−5では樹脂基板51の板厚3mmであるから、樹脂基板の板厚で決定する定数a、bは、a=0.0000244、b=0.1097503であり、実施例−1と同様に図4に示す表Aから導き出した式1は、
Y=0.0000244e0.1097503X
となり、パターンピッチ69(Y)を計算すると、0.8mmとなる。したがって、0.8mmより細かいパターンピッチ69にすればドットパターンイメージを除去できる。ゆえに、樹脂基板51の裏面54には、光拡散反射物質としての二酸化チタンと、透光性物質としてのアクリル・ビニル樹脂を含むインクを塗液としてドット状の散乱パターン55を、パターンピッチ69を0.7mmでスクリーン印刷をした。このインク(株式会社セイコーアドバンス製 #2500−超遅乾−120)に含まれる溶剤は乾燥し除去した。
樹脂基板51の裏面54に施した散乱パターン55のパターンピッチ69の大きさを変えた以外は、比較例−2と同様の構成である。
【0044】
比較例−6として作成される面状光源装置では、樹脂基板51の表面60に、厚さ115μmでPETフィルムに散乱ビーズをコートした光拡散部材(きもと株式会社製 100LS)を拡散板61として、表面60全面を覆うように設けられている。
この拡散板61をJIS−K7105に準じて測定した際のヘーズ(曇価)は88%であった。
【0045】
また、比較例−6では、樹脂基板51の板厚3mmであるから、樹脂基板51の板厚により決定する定数a、bは、a=0.0000244、b=0.1097503であり、実施例−1と同様に図4に示す表Aから導き出した式1は、
Y=0.0000244e0.1097503X
となり、パターンピッチ69(Y)は0.4mmとなる。したがって、0.4mmより細かいパターンピッチ69にすればドットパターンイメージを除去できる。ゆえに、樹脂基板51の裏面54には、光拡散反射物質としての二酸化チタンと透光性物質としてのアクリル・ビニル樹脂を含むインクを塗液としてドット状の散乱パターン55を、パターンピッチ69を0.3mmでスクリーン印刷した。このインク(株式会社セイコーアドバンス製 #2500−超遅乾−120)に含まれる溶剤は乾燥し除去した。
樹脂基板51の裏面54に施した散乱パターン55のパターンピッチ69の大きさを変えた以外は比較例−4と同様の構成である。
【0046】
このような条件により制作された実施例−1、および比較例−1から比較例−6の合計7点の面状光源装置について、表面上の光の出射分布を測定した。
光源ランプ1(53)としての冷陰極蛍光管には、インバータを用いて、管電流5mA、点灯周波数60KHzの正弦波で点灯させる。
測定は、輝度測定装置Kとして輝度計(トプコン社製輝度計 BM−7)を使用する。図5(a)に示すように、面状光源装置のを縦横各それぞれ等分し、その二等分線の交点を基準点Oとする。基準点Oの法線上に輝度装置Kが位置する場所を0度として、図5(b)のA−A’矢視図に示すように、光源ランプ1(53)の位置する側とその反対側に各々70度まで移動させ、出射光の輝度を測定し出射分布を観測した。
【0047】
図6(a)の表Bに実施例−1の出射分布を、(b)の表Cに比較例−2、比較例−3および比較例−4の出射分布を示す。表B、表C共に縦軸が輝度(%)であり、横軸は視野角度(deg)である。表B、表Cから明らかなように、実施例−1が、正面方向に光線が集まることにより、高輝度になる。
【0048】
実施例−1及び比較例−1から実施例−6の測定結果を表Dに示す。正面輝度は比較例−1の面状光源装置の正面輝度を100(%)としたときの相対輝度で示す。
【表D】
Figure 0003548902
【0049】
実施例−1と比較例−1については、正面方向(観測側)が高輝度になる拡散板を使用しているが、樹脂基板の表面を全面覆うように設けている拡散板のへーズ(曇価)と樹脂基板の板厚により、散乱パターンのパターンピッチが式1で算出する値よりも比較例−1では大きいため、ドットパターンイメージが視認されてしまう。
拡散板のヘーズ(曇価)と樹脂基板の板厚が判れば、式1に代入することによりパターンピッチを算出してドットパターンイメージをすべて除去することが可能である。しかし、拡散板のへーズ(曇価)がおよそ92(%)程度であれば、高輝度を有する薄型面状光源装置が得られることがわかった。
【0050】
また、式1を導くために行った図4に示す表Aの実験において、パターンピッチを施すにあたっては、すでに述べたようにスクリーン印刷方式により樹脂基板の裏面にインクを塗布して行っている。
このスクリーン印刷方式では、パターンピッチ0.1mm未満で樹脂基板に散乱パターンを施すことは技術的に不可能であるため、特許請求の範囲の欄の請求項4のパターンピッチの間隔の限定を行っている。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、構成されているので、以下に記載されているような効果を奏する。
【0052】
請求項1の発明では、拡散板のヘーズ(曇価)を90〜94%としたことで、正面輝度が高輝度になり、また一枚の拡散板を用いたことで困難になるドットパターンイメージの除去を、パターンピッチを細かくして、光線を重なり合わせることによって行っている。また、拡散板を一枚のみ使用して構成しているので、構成部材が低減し、面状光源装置の製造が簡単であり不良の率が減少し、取扱性が良く、かつ低コストである。そして、一枚の拡散板を設けることから、面状光源装置全体としての厚さを薄くすることができ、薄型面状光源装置の薄型化、軽量化の目的を達成することができる。また、パターンピッチを、樹脂基板の板厚による定数、拡散板のヘーズ(曇価)を代入するY=ae bX の式から算出することで、樹脂基板内および拡散板で光が十分重なり合うことによって、ドットパターンイメージを除去できるパターンピッチの範囲が容易に判るので、本発明の薄型面状光源装置を作成することが簡単であり、実施例の輝度測定実験から明らかなように正面輝度も高輝度であり、効率が良い。
【0053】
請求項2の発明では、樹脂基板の厚さをより薄くすることで、薄型面状光源装置の薄型化、軽量化が実現できる。その他請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0055】
請求項の発明では、散乱パターンを構成する光拡散反射物質の密度を変化することで面状の均一な発光を行うので、均一発光を行うための規定の散乱パターンを確実に施せるパターンの大きさを限定することで、薄型面状光源装置の性能を向上させ、不良を減少することができる。その他請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0056】
請求項の発明では、通常用いられているスクリーン印刷方式で散乱パターンの作成を行うことで、新たに設備投資を行って新しい技術を導入する必要はないので、低コストで本発明の薄型面状光源装置を製造することができる。その他請求項1の発明と同様の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄型面状光源装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例の薄型面状光源装置を構成する散乱パターンを示す図である。
【図3】本発明に係わる薄型面状光源装置内の光線の経路を示す光路図である。
【図4】拡散板のヘーズとパターンピッチの関係を示す図表である。
【図5】測定方法を説明するための薄型面状光源装置の模式図である。
【図6】本発明に係る薄型面状光源装置と比較例に関して視野角度を測定した結果を示す図表である。
【図7】従来の面状光源装置の構造を示す断面図である。
【図8】従来の面状光源装置を構成する散乱パターンを示す図である。
【図9】従来の面状光源装置の光線の経路を示す光路図である。
【符号の説明】
2 樹脂基板
6 散乱パターン
8 パターンピッチ
12 拡散板

Claims (4)

  1. 透光性材料からなる樹脂基板の少なくとも一つ以上の側端面付近に沿って一本または複数本の光源ランプを配置し、該樹脂基板の一面に光拡散反射物質を含んだ媒体で形成される散乱パターンを形成してなるサイドライト方式の面状光源装置において、
    前記樹脂基板の板厚を薄くし、前記樹脂基板の散乱パターンを形成する面に対向する全面を覆って、ヘーズ(曇価)90〜94%である一枚の拡散板を配置し、前記樹脂基板の板厚と前記拡散板のヘーズに対応して前記散乱パターンのパターンピッチを
    Y=ae bx
    a、bは樹脂基板の板厚による定数
    Xは、拡散板のヘーズ(曇価) (%)
    Yは、光拡散反射物質を含んだ媒体のパターンピッチ (mm)
    の式から求められる間隔に設定し、ドットパターンイメージを除去したことを特徴とする薄型面状光源装置。
  2. 前記樹脂基板の板厚は、1mm以上3mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の薄型面状光源装置。
  3. 前記パターンピッチは、拡散板のヘーズの関連において、約0.1mm以上0.75mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜2記載の薄型面状光源装置。
  4. 前記散乱パターンを施す方法は、スクリーン印刷方式で行うことを特徴とする請求項1〜3記載の薄型面状光源装置。
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