JP3548785B2 - 定流量制御アンダレース潤滑スピンドル装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はスピンドル軸を支承する軸受内輪にスピンドル軸中心部から潤滑油を供給するアンダレース潤滑スピンドル装置に関し、特に前記スピンドル軸の回転速度を変更した場合にも潤滑油の流量を一定に保つことができる定流量制御アンダレース潤滑スピンドル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタの工具主軸(スピンドル軸)を支承する高速スピンドル装置の潤滑方式としては従来、多量の潤滑油を軸受側方のノズルから軸受内へ向けて噴射するジェット潤滑方式があるが、このジェット潤滑方式では潤滑油の撹拌抵抗が大きくまた軸の冷却が十分でないため、これよりさらに超高速のスピンドル装置においては、軸受の外側からでなくスピンドル軸内を通して軸受内輪へ潤滑油を供給するいわゆるアンダレース潤滑方式が採られる。
【0003】
超高速のマシニングセンタ用スピンドル装置でアンダレース潤滑方式を採用したものとして、例えば実開平4−57355号あるいは特願平4−311034号公報に記載のスピンドル装置がある。これは中空のスピンドル軸の貫通孔内にドローバーと称する工具固定・解放棒を貫挿した潤滑油供給用中間スリーブを軸受に対応する位置に合せて軸中心部に配置し、この中間スリーブの内外面にそれぞれ周方向の油溝を設けるとともにこれらの油溝を連通するように半径方向の油路を設け、さらにスリーブ外面側の周方向油溝と軸受内輪に形成した半径方向の給油孔とを前記スピンドル軸に設けた半径方向の給油路を介して連通せしめ、中間スリーブ内面側の油溝は前記ドローバーの軸方向に延設した給油路に連通させ、スピンドル軸の軸端の回転継手を経て外部の給油ポンプから潤滑油を給送する構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アンダレース潤滑スピンドル装置は、スピンドル軸側から軸受内輪を冷却できる点で高速回転用としてすぐれているが、この場合、潤滑油はスピンドル装置内の潤滑油通路内に充満した状態で供給ポンプから圧送され、しかも上述のように潤滑油は中心のドローバーから中間スリーブおよびスピンドル軸内の半径方向の油路を通って内輪にもたらされるため、スピンドル軸の高速回転による遠心力が軸内の潤滑油に作用し、回転数が上がると潤滑油の管路抵抗が変化し、潤滑油の供給量が変動し、供給ポンプからの流量が増加する。潤滑油量が過多となると逆に軸受の回転抵抗が増加し、スピンドル駆動モータの負荷増大による消費動力の増大をきたし、温度上昇などスピンドル性能に影響を及ぼすという問題があった。
【0005】
本発明は、スピンドル軸の回転数等の状態変化があっても装置内への潤滑油供給量を常に一定に保つことができ、これによって温度上昇や消費動力等スピンドル性能の安定化を図ったアンダレース潤滑スピンドル装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ハウジングに嵌合されたころがり軸受によりスピンドル軸が回転自在に支持され、該スピンドル軸を通して前記ころがり軸受の内輪側から該軸受に潤滑油を供給するアンダレース潤滑スピンドル装置であって、前記スピンドル軸は中空孔を有し、該中空孔に中間スリーブを介して工具脱着用のドローバーが挿通され、該ドローバーの中心に潤滑油供給通路が設けられ、前記ドローバーの後端部には回転継手が設けられて該回転継手を介して冷却ユニットから該ドローバーの潤滑油供給通路へ潤滑油が供給され、さらに該潤滑油供給通路から前記中間スリーブに設けた半径方向の孔を介して前記スピンドル軸に設けた半径方向の潤滑油供給孔より前記ころがり軸受の内輪に潤滑油を供給すべくされており、前記冷却ユニット出口側の潤滑油流路に設けられた流量センサと、該流量センサの検出信号により潤滑油の流量をほぼ一定に制御するコントローラとを有する定流量制御アンダレース潤滑スピンドル装置が得られる。
【0007】
【作用】
潤滑油はスピンドル装置のドローバー内に後端側から供給ポンプで圧送され、遠心力等で装置内の管路抵抗が低下すると冷却ユニットからの潤滑油量が増加するが、本発明においては送油側の冷却ユニット出口側に設けた流量センサで潤滑油量を検出し、この検出信号をコントローラに入力し、スピンドル軸の回転数が変化したときの管路抵抗に変動があっても常に供給油量がスピンドル軸に必要な設定流量になるように制御弁や供給ポンプの駆動モータを制御するので、スピンドル軸の回転数の変動があっても、供給する潤滑油量を一定に保つことができる。
【0008】
【実施例】
次に本発明を実施例について図面を参照して説明する。スピンドル装置側は、筒状のハウジング2内に中空のスピンドル軸1が前後部それぞれ2個のころがり軸受3を介して回転自在に支承され、該スピンドル軸1の前端部に形成されたテーパ孔10に工具24の軸部を挿入,保持するようになっている。スピンドル軸1は各軸受3の対応位置で半径方向に穿けられた潤滑油供給孔13を有し、また各軸受3の内輪には半径方向の給油孔6が形成されている。またスピンドル軸1の中空孔に、前側2個の軸受3および後側2個の軸受3に対応して2体の中間スリーブ7が挿入され、さらにスピンドル軸1の軸芯部に前後動作可能なドローバー8が挿入されている。ドローバー8の後端はスピンドル軸1から突出して回転継手9が連結される。
【0009】
ドローバー8はその軸芯に沿って前端近くで行き止まりとなった潤滑油供給通路11が形成されている。この潤滑油供給通路11はドローバー後端へ抜けて回転継手9の潤滑油導入孔に連通し、またドローバー8内の半径方向の分岐孔12からドローバー外周の軸方向溝および周方向溝へ開口している。ドローバー外周の前記周方向溝はさらに中間スリーブ7の半径方向の孔およびスリーブ外周の周溝4を経てスピンドル軸1に形成された半径方向の潤滑油供給孔13から各軸受内輪の半径方向の給油孔6へ連通し、したがって工具脱着時にドローバー8が軸方向に往復移動しても回転継手9から導入された潤滑油はこれらのドローバー8,中間スリーブ7,スピンドル軸1および軸受内輪の給油孔6を通って各軸受3に供給されるようになっている。各軸受3を潤滑した潤滑油はハウジング2に形成された排出通路14を通って前端の排油口15から排出される。
【0010】
この実施例では一対の中間スリーブ7の間および中間スリーブ7とドローバー後端のフランジ部との間に該ドローバー8を後方へ押圧する皿ばね16が設けられている。ドローバー8の前端は工具後端頸部が挿入されるように凹部17が形成されかつ該工具の頸部末端の膨出部18と係合するボール19が装着されている。ドローバー8が皿ばね16のばね力でスピンドル軸1に対し後方へ押し出されると、ドローバー前端のボール19はドローバー前端部分を囲包する中間スリーブ7の内径部に拘束されて工具の頸部末端の膨出部18を係止し、工具24をスピンドル軸1に固定する。前記中間スリーブ7の内径部の前端は大径となっており、したがってドローバー8を皿ばね16に抗してスピンドル軸1に対し前方へ移動させると、前記ボール19が中間スリーブ7の前端の大径内径部に落下して工具24の頸部末端の膨出部から外れて工具24を解放する。符号20はドローバー後端部に固着されたアンクランプレバーであり、工具解放時に図外駆動装置で該レバーを押動してドローバー8を前方へ移動させる。
【0011】
図1の実施例において、潤滑油はハウジング2の排油口15から戻し配管21を通して帰油ポンプ22により強制吸引されてリザーバタンク23へ戻される。そして該タンク23から送油ポンプ25によって汲み上げられ冷却ユニット26で温度コントロールされた後、該ユニット出口側の制御弁27および流量センサ28を経て送油配管29を通って回転継手9からドローバー8の潤滑油供給通路11へ送られ、循環する。流量センサ28は送油配管29を通る潤滑油の流量を検出して流量信号を出力するセンサであって、該流量信号はコントローラ30に入力される。コントローラ30は送油配管29を流れる潤滑油流量が予め設定された流量値になるように制御弁27の開度をコントロールする。例えばスピンドル軸1の回転数が高くなってスピンドル装置内の潤滑油供給路の遠心ポンプ効果等で見かけ上管路抵抗が小さくなり、軸受内輪を通る潤滑油流量が増加すると、流量センサ28でその変化を検出し、コントローラ30により制御弁27を絞り、ドローバー8内に入る潤滑油量を常に一定値となるようにする。このようにスピンドル装置内の潤滑油量が一定化することにより、消費動力が一定となり、温度上昇などのスピンドル性能が安定する。
【0012】
図2は本発明の他の実施例を示した潤滑油制御系統図であり、潤滑油が帰油ポンプ22からリザーバタンク23,送油ポンプ25,冷却ユニット26および送油配管29の流量センサ28を経て回転継手9へ送られる経路は同じであるが、この実施例では流量センサ28からの検出流量信号によりコントローラ30がインバータ31を介して送油ポンプ25の駆動モータ32をコントロールし、送油配管29を流れる潤滑油量が予め設定された流量となるように制御する。なお図2の実施例でスピンドル装置側の構成各部は図1に示したものと同一であり、同じ符号を付すにとどめて重複した説明は省略する。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スピンドル装置内部のスピンドル軸に送る潤滑油の送油配管に流量センサを設け、該センサの出力信号で潤滑油の流量をコントロールするようにしたので、スピンドル軸の回転数の変更によりスピンドル軸側の見かけ上の管路抵抗の変動による潤滑油流量の変化を小さくすることが可能となり、スピンドル装置の温度上昇や軸受の回転抵抗の増大,モータ類の消費動力の変動等を抑えることができるので、多数の工具を交換して使用するマシニングセンタの性能安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例による定流量制御アンダレース潤滑スピンドル装置の概略図である。
【図2】本発明の他の実施例の図1と類似した概略図である。
【符号の説明】
1 スピンドル軸
3 ころがり軸受
6 内輪給油孔
8 ドローバー
9 回転継手
11 潤滑油供給通路
13 潤滑油供給孔
14 排出通路
15 排油口
21 戻し配管
22 帰油ポンプ
23 リザーバタンク
25 送油ポンプ
26 冷却ユニット
27 制御弁
28 流量センサ
29 送油配管
30 コントローラ
31 インバータ
32 駆動モータ
Claims (1)
- ハウジングに嵌合されたころがり軸受によりスピンドル軸が回転自在に支持され、該スピンドル軸を通して前記ころがり軸受の内輪側から該軸受に潤滑油を供給するアンダレース潤滑スピンドル装置であって、前記スピンドル軸は中空孔を有し、該中空孔に中間スリーブを介して工具脱着用のドローバーが挿通され、該ドローバーの中心に潤滑油供給通路が設けられ、前記ドローバーの後端部には回転継手が設けられて該回転継手を介して冷却ユニットから該ドローバーの潤滑油供給通路へ潤滑油が供給され、さらに該潤滑油供給通路から前記中間スリーブに設けた半径方向の孔を介して前記スピンドル軸に設けた半径方向の潤滑油供給孔より前記ころがり軸受の内輪に潤滑油を供給すべくされており、前記冷却ユニット出口側の潤滑油流路に設けられた流量センサと、該流量センサの検出信号により潤滑油の流量をほぼ一定に制御するコントローラとを有することを特徴とする定流量制御アンダレース潤滑スピンドル装置。
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