JP3548778B2 - 部品供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多数のチップ部品を一列に整列させて供給する部品供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の部品供給装置としては、バルクフィーダや振動式ボウルフィーダが知られている。バルクフィーダは、エアーによるブリッジブレークと、突き上げピンによるブリッジブレークとに大別される。しかし、エアー式の場合、エアー量や方向の調整が難しいという欠点があり、突き上げピン方式では、毎回部品にピンが当たるため、部品に傷が付きやすいという欠点がある。また、いずれの場合も、漏斗状の出口に向かってチップ部品が一斉に集中する方式であるので、一回ブリッジブレークを行なっても、直ぐにブリッジが再生されてしまい、供給効率が悪い。一方、振動式ボウルフィーダの場合には、ブリッジは形成されにくいが、装置が高価であるし、振動が他の装置に伝わりやすく、しかも大きなスペースを必要とするという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解消するため、本願出願人は、構造が簡単で、整列・排出効率が良好な部品供給装置を提案した(特願平9−180348号)。この供給装置では、固定ドラムと回転ドラムの間にチップ部品を収納する部品収納室を形成し、固定ドラムの内面にチップ部品を所定の向きに整列させて下方へ滑らせる整列溝を形成し、整列溝の下端に整列溝に沿って所定の姿勢で滑り下りるチップ部品を1個ずつ通過させるゲートを設け、このゲートを通過したチップ部品を一列に整列させて排出する排出通路を設けてある。そして、回転ドラムの内面には、ゲートで停止している不正常な姿勢のチップ部品を排出方向とは逆方向に付勢する爪部が設けられ、詰まりを解除するようになっている。
【0004】
この供給装置の場合、チップ部品を整列溝に落ち込ませて所定の向きに整列させるとともに、ゲートを通過させることで所定の姿勢に整列させるようになっており、しかも回転ドラムの爪部で詰まりを解除するので、整列・排出能率が高い。しかしながら、部品収納室にチップ部品を直接投入する構造となっているので、チップ部品の整列・排出効率を考慮すると、大量のチップ部品を投入することは好ましくない。また、部品収納室を大きくして大量の部品を投入すると、チップ部品を攪拌する時間が長くなり、部品にダメージを与える可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、チップ部品に与えるダメージが少なく、一列に整列させて効率よく供給できる部品供給装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、供給装置本体と、本体に対し、水平軸を軸心として回転する回転ドラムと、本体と回転ドラムとの間に形成され、チップ部品を貯留するための部品貯留室とを備えた部品供給装置であって、上記回転ドラムに設けられ、上記部品貯留室を内側室と外側室とに仕切る円周壁と、上記回転ドラムの回転に伴って所定数ずつチップ部品を内側室から外側室へ送り込む供給手段と、上記外側室に設けられ、チップ部品を一列に整列させて排出する整列排出部と、上記外側室から内側室へチップ部品を戻すための戻し通路と、上記外側室に沿って回転し、外側室内の過剰なチップ部品をかき上げて戻し通路から内側室へ戻すためのかき上げ手段と、を備えたことを特徴とする部品供給装置を提供する。
【0007】
部品貯留室の内側室に供給されたチップ部品は、回転ドラムの回転に伴って、供給手段によって所定数ずつ内側室から外側室へ送り込まれる。外側室に入ったチップ部品は、整列排出部によって一列に整列されて排出される。このとき、外側室内のチップ部品の数が多過ぎると、ブリッジが発生しやすく、整列効率が低下するとともに、噛み込みによって部品へダメージを与える恐れがある。しかし、外側室内の過剰な部品はかき上げ手段によってかき上げられ、戻し通路を介して内側室へ戻されるので、外側室内のチップ部品は比較的少数となり、整列効率を高めることができるとともに、部品へのダメージも少なくできる。
【0008】
上記供給手段としては、請求項2のように、円周壁に設けられ、回転ドラムの回転に伴って内側室内の所定数のチップ部品をすくい上げるポケットと、本体の内側室に面する部位に設けられ、ポケットによってすくい上げられた部品を受ける受け口と、本体に設けられ、受け口で受けられた部品を外側室へ導く導入通路とで構成してもよいし、請求項3のように、円周壁の内周側と外周側とに連通するように形成され、回転ドラムの回転に伴って内側室から外側室へチップ部品を移動させる連通路としてもよい。
【0009】
上記かき上げ手段は、回転ドラムと別体で構成してもよいが、請求項4のように回転ドラムに一体に形成した場合には、かき上げ手段が回転ドラムと一体に回転し、別の駆動源を必要としないので、構造が簡単となる。かき上げ手段としては、外側室の断面とほぼ一致する形状の部材を用いるのが望ましい。
【0010】
かき上げ手段で戻し通路へチップ部品を投入する場合、回転ドラムの回転速度が高くなると、チップ部品が弾かれて戻し通路に入りにくくなる。そのため、外側室内に過剰な部品が溜まり、整列効率が低下してしまう。そこで、請求項5のように、かき上げ手段を上記円周壁の外周面に突設された戻し爪部とし、戻し通路を、戻し爪部の回転方向直前位置から円周壁を貫通して円周壁の内周側へ連通し、かつ回転ドラムの回転方向に向かって外径側へ傾斜した連通路とするのが望ましい。すなわち、戻し爪部に当たったチップ部品は、その直前位置に開口している戻し通路へ容易に入り込み、さらに戻し通路が回転ドラムの回転方向に向かって外径側へ傾斜しているので、戻し通路が回転ドラムの上部へ回転すると、その傾斜角が急峻になり、戻し通路内のチップ部品は内側室に容易に落下する。逆に、戻し通路が回転ドラムの下部へ回転すると、その傾斜角が緩く、かつ戻し通路の内側室側開口部上をチップ部品が素通りするので、内側室から外側室へチップ部品が逆流するのを防止できる。
【0011】
請求項6のように、内側室の上方に外部貯留室を設け、外部貯留室から内側室に向かって下方へ傾斜し、チップ部品を外部貯留室から内側室へ供給する供給通路を設けるのが望ましい。この場合には、チップ部品を外部貯留室から内側室へ、さらに外側室へと2段階にカスケード移動させた後で整列させるので、大量の部品を外部貯留室へ投入しても、チップ部品を攪拌している時間は短くて済み、整列効率が高い。また、チップ部品が供給通路を自重で滑落するので、外部貯留室から内側室へ至る通路の間、チップ部品には攪拌力などの外力が作用せず、ダメージを少なくできる。
【0012】
請求項7のように、外部貯留室の上部に部品投入口を設け、この部品投入口に、所定数のチップ部品を収納するバルクケースをその開口部を下方に向けて着脱可能とすれば、重力を利用してバルクケース内のチップ部品を外部貯留室へ自動的に投入できるので、作業を自動化できる。
【0013】
請求項8のように、外側室に設けられる整列排出部を、外側室を構成する本体の内面に形成され、チップ部品を所定の向きに整列させて下方へ滑らせる整列溝と、この整列溝の下端に形成され、整列溝に沿って所定の姿勢で滑り下りるチップ部品を1個ずつ通過させるゲートと、ゲートの下方に接続され、下方へ傾斜した排出通路とで構成し、回転ドラムに、ゲートで停止している不正常な姿勢のチップ部品を排出方向と反対方向に付勢して詰まりを解除する爪部を設けるのが望ましい。この場合には、チップ部品が整列溝に落ち込むとともに、所定の向きに整列される。例えばチップ部品が幅および高さに比べて長さが長い直方体形状の場合、整列溝の幅をチップ部品の幅および高さより大きく、長さより小さく設定すれば、整列溝でチップ部品を縦列方向に整列させることができる。整列溝の中に落ち込んだチップ部品は重力により下方へ滑り、ゲートに至る。ここで、正常な姿勢(例えば横倒姿勢)のチップ部品はそのままゲートを通過し、排出通路へと排出される。しかし、不正常な姿勢(例えば起立姿勢)のチップ部品がゲートに到達すると、チップ部品がゲートで詰まることになる。そこで、回転ドラムの爪部がゲートで停止しているチップ部品を排出方向と反対方向に押し、このチップ部品をゲートから取り除くか、あるいは正常姿勢に倒す。これによって詰まりが解除され、後続のチップ部品がゲートから排出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明にかかる部品供給装置の第1実施例を示す。
この実施例では、図7に示すように、高さおよび幅がそれぞれH,W(但し、H≒W)で、長さがL(L>H,L>W)の直方体形状のチップ部品Cを用いたが、図8のように、直径がd(d≒W,H)で、長さがL(L>d)の円柱形状のチップ部品Cや、図9のように幅Wと高さHとの間に寸法差のある直方体形状(L>W>H)のチップ部品Cでもよい。なお、Ca,Cbはチップ部品Cの長さ方向両端に形成された電極である。図2〜図6では理解を容易にするため、チップ部品Cを実際より大形に描いてある。
【0015】
供給装置本体1は縦向きに設置された略板状部材で構成されており、その後端部の上部には外部貯留室2が形成されている。外部貯留室2の上部には部品投入口3が設けられ、部品投入口3には所定数のチップ部品Cを収納するバルクケース4がその開口部4aを下方に向けて着脱可能となっている。すなわち、部品投入口3の口縁には脱着部5が形成され、バルクケース4の下端部を脱着部5に側方からスライド係合させることで、バルクケース4は着脱可能である。なお、バルクケース4には公知のシャッタが装着され、バルクケース4を部品投入口3に装着した状態でシャッタを開くことにより、バルクケース4内のチップ部品Cが外部貯留室2へ投入される。このように、部品投入口3にバルクケース4を装着すれば、外部貯留室2の容積を実質的に拡張することができる。
【0016】
外部貯留室2の底面2aは傾斜状に形成されており、底面2aの最下部には、外部貯留室2から後述する部品貯留室20の内側室21へチップ部品Cを供給する供給通路6の入口6aが設けられている。この供給通路6は、チップ部品Cが自重で滑落できるように外部貯留室2から内側室21に向かって下方へ傾斜している。
【0017】
本体1の中央部表面側には円形の凹部7が形成され、この凹部7に回転ドラム10が水平軸を軸心として回転自在に嵌合されている。回転ドラム10は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転駆動される。なお、回転方式は連続回転でも、間欠回転でもよい。本体1と回転ドラム10との間には、図2〜図5に示すように、部品貯留室20が設けられている。部品貯留室20は、回転ドラム10に形成された円周壁12によって内側室21と外側室22とに仕切られている。
【0018】
供給通路6の出口である内側室21への開口部6bは、内側室21の上下方向中間位置、望ましくは内側室21の中心よりやや下方位置に形成されている。そのため、供給通路6を滑り落ちたチップ部品Cが必要以上に内側室21へ入り込むのを防止できる。なお、内側室21の容積は、外部貯留室2の容積より小さい。
【0019】
円周壁12の内周には、回転ドラム10の回転に伴って内側室21内の所定数のチップ部品Cをすくい上げるポケット13が複数個(この実施例では90°間隔で4個)設けられ、本体1の内側室21に面する部位には、ポケット13によってすくい上げられたチップ部品Cを受ける受け口23が設けられている。この受け口23は回転ドラム10の回転中心より上部に位置している。そして、受け口23で受けられたチップ部品Cを自重によって外側室22へ導く導入通路24が本体1に形成されている。
【0020】
本体1の凹部7の内側には、回転ドラム10の円周壁12と対向して接近する環状リブ8が一体に形成されており、この環状リブ8の上部が回転方向に向かって一定範囲に切り欠かれ、この切欠部が外側室22から内側室21へチップ部品Cを戻すための戻し通路9となっている。一方、回転ドラム10の円周壁12の外周にはかき上げ部16が一体に形成されている。かき上げ部16は外側室22の横断面(整列溝30を除く)と略同一の断面形状を有しており、外側室22内の過剰な部品をかき上げて、上記戻し通路9から内側室21へ戻す機能を有する。
【0021】
外側室22にはチップ部品を一列に整列させて排出する整列排出部が設けられている。この整列排出部は、整列溝30とゲート32と排出通路33と爪部14とで構成されている。
この実施例の整列溝30は、本体1の凹部7の内周面に、チップ部品Cの幅寸法Wに一定のクリアランスを見込んだ幅で、かつチップ部品Cの高さ寸法Hに一定のクリアランスを見込んだ深さで形成された半円弧状の溝である。また、凹部7の内周面には、整列溝30の断面方向にテーパ状のガイド面31が形成されている。このガイド面31は整列溝30に向かって傾斜しており、チップ部品Cを整列溝30に導く機能を有する。また、回転ドラム10の内面には、本体1のガイド面31と対向するガイド面15が形成されている。なお、ガイド面31,15はテーパ状に限られるものではなく、チップ部品Cを整列溝30へ滑り込ませる形状であればよい。
【0022】
上記整列溝30の下端には、チップ部品Cが1個ずつ縦列方向でかつ横倒姿勢で通過しうる大きさのゲート32が形成されている。つまり、ゲート32の高さおよび幅がHおよびWよりやや大きく、かつLより小さく形成されている。ゲート32の幅は整列溝30の幅と等しい。さらに、ゲート32の下方には、排出通路33が本体1に形成されている。
【0023】
上記回転ドラム10の外周部側縁には、複数の爪部14が周方向に等間隔で突設されている。図4,図5では4個の爪部14が90°間隔で描かれているが、これより多くの爪部14を設けてもよい。爪部14はゲート32および整列溝30の上を通過するように回転し、ゲート32でのチップ部品Cの詰まりを解除する機能と、外側室22内のチップ部品Cを整列溝30へ送り込む機能を有する。つまり、整列溝30にそってチップ部品Cが起立状態で滑り下りた場合には、ゲート32に当たって停止し、後続のチップ部品Cの通過を阻害することになる。この時、回転ドラム10が矢印方向に回転すると、図6のように爪部14がゲート32で停止しているチップ部品Cを排出通路33とは逆方向に付勢し、チップ部品Cを横倒させるか、または整列溝30方向へ押し戻す。これによって、ゲート32の詰まりが解消される。
【0024】
排出通路33は、円弧状の整列溝30に対してほぼ接線方向に形成された第1通路34と、第1通路34に対して交差する第2通路35とで構成されており、第1通路34の傾斜角αは第2通路35の傾斜角βより大きく、チップ部品Cが第1通路34内を確実に滑り下りるように、望ましくはαは35°以上に設定されている。なお、第2通路35の傾斜角βは35°以下でもよい。
【0025】
第2通路35の底部には、薄肉な金属板よりなるブレード40が前後移動自在に配置されている。ブレード40の前後部には長孔41が設けられ、これら長孔41に本体1に突設されたピン42を挿通することで、ブレード40は第2通路35と平行に往復移動自在である。ブレード40のストロークはチップ部品Cの長さより短く設定されている。上記ブレード40を図示しない駆動手段によって前後に往復移動させることで、第2通路35内のチップ部品Cとブレード40との間の摩擦を切り、傾斜角βが小さくても、チップ部品Cを滞留なく滑落させることができる。
なお、第2通路35の下端部は図示しない取出部に連通している。
【0026】
ここで、上記構成よりなる部品供給装置の動作を説明する。
まず、部品投入口3にバルクケース4を装着し、外部貯留室2へチップ部品Cを投入すると、外部貯留室2の底面2aおよび供給通路6の傾斜によってチップ部品Cは内側室21へ送られる。内側室21内に溜められるチップ部品Cの数は、供給通路6の出口6bの位置によって制限される。内側室21へ入ったチップ部品Cは、回転ドラム10の回転に伴って少数ずつポケット13ですくい上げられ、受け口23へ投入される。そして、導入通路24を介して外側室22へ導入される。
【0027】
外側室22に入ったチップ部品Cは整列溝30に落ち込んで所定の向きに整列される。そして、整列溝30に沿って下方へ滑り、ゲート32を通過して排出通路33へと至る。つまり、整列溝30でチップ部品Cの高さおよび幅方向(H,W方向)の選別を行い、ゲート32で長さ方向(L方向)の選別を行なうので、整列・排出効率が従来のバルクフィーダに比べて格段に向上する。整列溝30内で起立したチップ部品Cはゲート32で停止するが、爪部14が定期的にゲート32の上を排出方向と逆方向に通過するので、ゲート32で停止したチップ部品Cは横倒しにされる。そのため、詰まりが即座に解消され、排出効率が低下することがない。
【0028】
内側室21から外側室22への単位時間当たりの部品供給数は、ポケット13の数や回転ドラム10の回転速度、受け口23の大きさなどによって決定される。一方、ゲート32を通じて外側室22から排出される単位時間当たりの部品排出数は、整列溝30の整列効率、爪14の数、回転ドラム10の回転速度などによって左右される。そのため、外側室22内に溜まるチップ部品Cの数が適切な数量を越えると、整列溝30でのチップ部品Cの整列効率が低下することがある。ところが、本発明では回転ドラム10と一体に回転するかき上げ部16によって過剰なチップ部品Cを外側室22から戻し通路9を介して内側室21へ戻すので、外側室22内のチップ部品Cを適切な数量に制限できる。その結果、チップ部品Cを整列溝30に効率よく滑り込ませることができ、良好な整列・排出効率を維持できる。また、長時間に亘って攪拌されずに排出通路33へと排出されるので、チップ部品Cの損傷も少ない。
【0029】
排出通路33へ入ったチップ部品Cは、傾斜角αが大きい第1通路34を滑り落ち、第2通路35へ至る。第2通路35の傾斜角βは比較的小さいので、ブレード40との摩擦によってチップ部品Cに滞留が生じる可能性があるが、ブレード40は前後に往復移動されるので、チップ部品Cは円滑に滑落できる。
【0030】
なお、第2通路35の傾斜角βを小さくすれば、水平な取出部へ取り出す場合に交差角を小さくでき、第2通路35と取出部との間の部品移動を円滑に行なうことができる。取出部でチップ部品Cは1個ずつチップマウンタなどの取出装置によって取り出される。
【0031】
図10,図11は本発明の第2実施例を示す。なお、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
この実施例は、回転ドラム10の回転に伴ってチップ部品Cを内側室21から外側室22へ送り込む供給手段として、円周壁12に連通路17を形成したものである。この連通路17は、回転ドラム10の回転方向に向かって内径側へ傾斜しているので、内側室21内のチップ部品Cをすくい上げて外側室22へ効率よく送り込むことができるとともに、送り込まれたチップ部品Cが外側室22内のチップ部品Cと噛み込むのを防止できる。なお、連通路17は1本に限らず、複数本設けてもよい。
【0032】
また、回転ドラム10には45°間隔で爪部14が設けられ、そのうちの1個の爪部の箇所にかき上げ部16が形成されている。かき上げ部16によってかき上げられたチップ部品Cを外側室22から内側室21へ戻すための戻し通路9が本体1の上部に形成されている。
【0033】
この実施例の場合には、内側室21内のチップ部品Cが、回転ドラム10の回転に伴って少量ずつ連通路17を通って外側室22へ入り込む。そして、整列溝30,ゲート口32を介して排出通路33より一列に整列されて排出される。外側室22内のチップ部品Cのうち、整列溝30に落ち込まなかったチップ部品Cは、かき上げ部16によってかき上げられ、戻し通路9を介して内側室21へ戻される。そのため、外側室22内のチップ部品数は少数に制限され、整列・排出効率を高く維持できる。
【0034】
図12は本発明の第3実施例を示す。なお、第1,第2実施例と同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
この実施例は、回転ドラム10の円周壁12にチップ部品Cを外側室22から内側室21へ戻すための戻し通路18を形成し、外側室22内のチップ部品Cを戻し通路18へ供給するかき上げ手段として、第1,第2実施例と同様に円周壁12の外周面に戻し爪部16を突設したものである。上記戻し通路18は、戻し爪部16の回転方向直前位置から円周壁12を貫通して円周壁12の内周側へ連通し、かつ回転ドラム10の回転方向に向かって外径側へ傾斜している。つまり、供給用連通路17と逆向きに傾斜している。
【0035】
かき上げ手段で戻し通路へチップ部品Cを投入する場合、回転ドラム10の回転速度が高くなると、チップ部品Cが弾かれて戻し通路に入りにくくなる。そのため、外側室内に過剰な部品が溜まり、整列効率が低下してしまう。これに対し、戻し通路18を戻し爪部16の回転方向直前位置に開口させることで、戻し爪部16に当たったチップ部品Cは戻し通路18へ容易に入り込むことができる。そして、戻し通路18が回転ドラム10の回転方向に向かって外径側へ傾斜しているので、戻し通路18が回転ドラム10の上部へ回転した時には、その傾斜角が急峻になり、戻し通路18内のチップ部品Cを内側室21へ容易に落下させることができる。逆に、戻し通路18が回転ドラム10の下部へ回転した時には、その傾斜角が緩く、しかも戻し通路18の内側室側開口部上をチップ部品Cが素通りするので、内側室21から外側室22へチップ部品Cが逆流するのを防止できる。
なお、戻し爪部16および戻し通路18はそれぞれ1個ずつに限らず、複数個設けてもよい。
【0036】
本発明の部品供給装置は上記実施例の構造に限定されるものではない。
第1実施例では、回転ドラム10の円周壁12の内周面に凹状のポケット13を形成したが、ポケットはこれに限定されるものではなく、例えば円周壁の内面に適宜間隔でかき上げ板を固定することでポケットを構成してもよい。
また、上記実施例では、円弧状の整列溝30とゲート32と排出通路33と爪部14とで整列排出部を構成したが、これに限るものではない。例えば、円周壁12の外周側に別の円周壁を設け、この円周壁に連通路を形成することにより、整列排出部を構成してもよい。この場合には、ゲートや爪部が不要となる。
第1実施例では、排出通路33を傾斜角αの大きな第1通路34とブレード40を有する傾斜角βの小さな第2通路35とで構成したが、第2実施例のように、1本の通路のみで構成してもよい。
また、上記実施例では、外部貯留室2の上部にバルクケース4を着脱するようにしたが、バルクケース4を用いずに外部貯留室2にチップ部品Cを直接投入するようにしてもよい。
なお、本発明において外部貯留室2は必須ではなく、例えば内側室21にチップ部品を直接投入するようにしてもよい。
さらに、本発明の第1〜第3実施例の各構成部分を相互に組み合わせることで、新たな実施例を得ることも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、外側室内の過剰な部品をかき上げ手段によってかき上げ、戻し通路を介して内側室へ戻すようにしたので、外側室内に過剰なチップ部品が溜まらず、チップ部品は整列排出部によって一列に整列されて排出される。そのため、外側室内でのチップ部品のブリッジ発生をなくすことができ、整列排出部による整列効率を常に高く維持できるとともに、噛み込みによる部品へのダメージも少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる部品供給装置の一例の正面である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】ゲート部分の拡大断面図である。
【図7】チップ部品の一例の斜視図である。
【図8】チップ部品の他の例の斜視図である。
【図9】チップ部品のさらに他の例の斜視図である。
【図10】本発明にかかる部品供給装置の第2実施例の断面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】本発明にかかる部品供給装置の第3実施例の断面図である。
【符号の説明】
C チップ部品
1 本体
2 外部貯留室
4 バルクケース
6 供給通路
9 戻し通路
10 回転ドラム
12 円周壁
13 ポケット
14 爪部
16 かき上げ部(戻し爪部)
18 戻し通路
20 部品貯留室
21 内側室
22 外側室
23 受け口
24 導入通路
30 整列溝
32 ゲート
33 排出通路

Claims (8)

  1. 供給装置本体と、本体に対し、水平軸を軸心として回転する回転ドラムと、本体と回転ドラムとの間に形成され、チップ部品を貯留するための部品貯留室とを備えた部品供給装置であって、
    上記回転ドラムに設けられ、上記部品貯留室を内側室と外側室とに仕切る円周壁と、
    上記回転ドラムの回転に伴って所定数ずつチップ部品を内側室から外側室へ送り込む供給手段と、
    上記外側室に設けられ、チップ部品を一列に整列させて排出する整列排出部と、
    上記外側室から内側室へチップ部品を戻すための戻し通路と、
    上記外側室に沿って回転し、外側室内の過剰なチップ部品をかき上げて戻し通路から内側室へ戻すためのかき上げ手段と、を備えたことを特徴とする部品供給装置。
  2. 上記供給手段は、
    上記円周壁に設けられ、回転ドラムの回転に伴って内側室内の所定数のチップ部品をすくい上げるポケットと、
    上記本体の内側室に面する部位に設けられ、ポケットによってすくい上げられた部品を受ける受け口と、
    上記本体に設けられ、受け口で受けられた部品を外側室へ導く導入通路とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
  3. 上記供給手段は、上記円周壁の内周側と外周側とに連通するように形成され、回転ドラムの回転に伴って内側室から外側室へチップ部品を移動させる連通路であることを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
  4. 上記かき上げ手段は、回転ドラムに一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の部品供給装置。
  5. 上記かき上げ手段は上記円周壁の外周面に突設された戻し爪部であり、
    上記戻し通路は、上記戻し爪部の回転方向直前位置から円周壁を貫通して円周壁の内周側へ連通し、かつ回転ドラムの回転方向に向かって外径側へ傾斜した連通路であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部品供給装置。
  6. 上記内側室の上方に外部貯留室が設けられ、
    外部貯留室から内側室に向かって下方へ傾斜し、チップ部品を外部貯留室から内側室へ供給する供給通路が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の部品供給装置。
  7. 上記外部貯留室の上部に部品投入口が設けられ、この部品投入口に、所定数のチップ部品を収納するバルクケースがその開口部を下方に向けて着脱可能であることを特徴とする請求項6に記載の部品供給装置。
  8. 上記整列排出部は、
    上記外側室を構成する本体の内面に形成され、チップ部品を所定の向きに整列させて下方へ滑らせる整列溝と、
    上記整列溝の下端に形成され、整列溝に沿って所定の姿勢で滑り下りるチップ部品を1個ずつ通過させるゲートと、
    上記ゲートの下方に接続され、下方へ傾斜した排出通路とで構成され、
    上記回転ドラムには、ゲートで停止している不正常な姿勢のチップ部品を排出方向と反対方向に付勢して詰まりを解除する爪部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の部品供給装置。
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