JP3547751B6 - 微小粒子含有感圧接着テープならびにそれを使用した物品及び結合方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、微小粒子含有感圧接着テープ、このテープで製造された物品、およびこのテープを使用して、密接に嵌合する部材を接着し合わせる方法に関する。
背景
密接に嵌合する部材を相互に結合すべき、多くの製品および構造物がある。これらは、すべて、1つの部片を部分的または全体的に第2の部片内に嵌合することを含む。たとえば、配管の2つの部片を結合したり、釣り竿、ゴルフクラブ、オートバイ、道具などの多様な型の装置にグリップを取り付けることを含む。
多様な型の装置にグリップを取り付けるために、近頃は通常、感圧接着テープの細片をシャフトの回りに固着し、テープの剥離ライナーを除去して接着剤を露出させ、有機溶剤、たとえばミネラルスピリットまたは関連する石油溜出物またはトリクロロエチレンを適用して、接着剤を一時的に滑り易くして、接着剤の上にグリップを滑らせる。溶剤は、徐々に蒸発して、グリップとシャフトとの間を強力に接着結合する。この工程は、有機溶剤の蒸気を環境に放出し、液体の有機溶剤に人体をさらし、かつ可燃性溶剤が危険をもたらすので、好ましくない。他の方法は、溶剤をベースとする接着剤;二液型接着剤;およびホットメルト型接着剤の使用を含み、これらはシャフトに適用した後に、「湿潤性」または流動性接着剤の上に弾性グリップを滑らせる。なお他の方法として、熱成形性接着剤を使用する。
これらの方法の欠点は、密接嵌合型グリップをシャフトの上に滑らせて配置するときに、接着剤がはみ出すことである。これは、除去するのに手間がかかり、時間を要する。さらに、はみ出した接着剤が無駄になる。その上、不均一な接着線を生じて、接着強度を減少させる。さらに、溶剤をベースとする接着剤を使用するとき、前述のように、可燃性の有機液体および有機蒸気にさらされるので好ましくない。また、ホットメルト型または熱成形性の接着剤を使用するときは、熱の使用が必要である。
2つの部材を相互に結合するために使用するホットメルト型接着剤の例としては、Dellisの米国特許4,785,495およびStobbie等の米国特許5,288,359に開示されたものを含む。Stobbieは、特に密接に嵌合する結合を望む場合に、潤滑剤たとえば水またはヒドロキシ化合物を内方嵌合部材に適用することが有用であることを開示する。オートバイのハンドルグリップに適用するために使用する熱可塑性接着剤は、Dellisの米国特許5,155,878に記載されている。
水活性化系を使用すれば、熱または有機溶剤の使用を回避できるので、好ましい。しかし、典型的な水活性化接着剤は、それ自身の欠点を有する。グリップを滑り着けるとき、水が2つの部材の間に捕捉されて、たとえば24時間以上もの長い間、乾燥しないと、取り扱い強度を達成することができない。たとえば、米国特許第5,281,288を参照。水溶性接着剤を使用する場合は、グリップを滑り着けるときに、接着剤成分の液体が留ったり、集まったりすることが観察される。この液体の滞留は、乾燥を遅らせて、前述のように結合強度にむらを生ずる。
それ故、有機溶媒を適用したり除去する必要なしに、あるいは熱を加えて接着剤を活性化する必要なしに、密接嵌合型部材を接着するために使用可能な接着テープに対する需要がある。
発明の要約
要約すれば、本発明は、1つの面において、感圧接着テープを提供する。これは、吸水性、好ましくは微小多孔質の基材を含み、この基材は第1および第2の反対側の表面を有し、基材の第1の表面は、少なくとも一部分において、第1の微小粒子含有感圧接着剤を有する。第2の表面は、少なくともその一部分において、第2の感圧接着剤を有することができる。第2の感圧剤を使用するときは、第1の微小粒子含有接着剤と同一または相違する組成を有することができる。
微小粒子含有感圧接着剤は、
a)約90〜99.75重量部の微小粒子含有成分;および対応して
b)約10〜約0.25重量部の、水中に分散して、溶媒和しまたは膨潤することができる成分を含む。
本発明は、他の面において、1つの物品を提供する。この物品は、少なくとも部分的に中空の第1部材と、第2部材とを有し、第2部材は第1部材の内方に受け入れられて、本発明の感圧接着テープによってこれに接着される。このテープは吸水性微小多孔質基材の第1の表面の少なくとも一部分において、微小粒子含有感圧接着剤を有する。
本発明は、また他の面において、密接嵌合部材を接着する方法を提供する。この方法は次の工程を含む:
(a)第1の微小粒子含有感圧接着層および吸水性、好ましくは微小多孔質の基材を含むテープを、微小粒子含有接着層が露出するように、第2の部材に固定し;
(b)微小粒子含有接着層を活性化して、滑り易くし;
(c)第2の部材が、少なくとも部分的に第1の部材に受け入れられるように、第1の部材を位置決めし;かつ
(d)微小粒子含有接着剤を乾燥させて、第1および第2の部材を相互に固定するように接着させる。
本発明の実施は、密接嵌合部材を相互に接着するために、特に有用である。たとえば、これは、配管の接着、および物品たとえば道具、自転車またはオートバイのハンドルバー、ゴルフクラブなどを接着するときに有用である。「密接嵌合部材」とは、接着テープが存在しない場合においても、第1および第2の部材を組み立てた場合に、これらの部材の間で何等かの物理的接着が存在することを意味する。
ここで使用する、術語「水分散性」とは、水中に分散して、溶媒和または膨潤することができる部材を意味する。
詳細な説明
本発明のテープは、吸水性基材、第1の微小粒子含有感圧接着層、および任意に第2の感圧接着層を含む。理論によって束縛することは意図しないが、吸水性基材は微小粒子含有感圧接着剤を活性化するために使用する水を、活性化された接着層から除去することができ、これによって接着剤の乾燥を容易にして、剪断保持性の適切な水準を得るのに必要な時間を短縮すると考えられる。
微小粒子含有接着層は、水で活性化されるが、活性化中に溶解することはない。これは活性化に必要な水の量が、層を溶解するには十分でないためである。
吸水性基材
この基材としては、多様な物質が有用である。これらの物質のあるものは、本質的に吸水性でなくてもよいが、多孔性の導入;多様な処理、または添加剤、改質剤などもしくはこれらの組み合わせを含むことによって、吸水性にすることができる。これらの方法は、米国特許4,539,256;4,833,172;4,861,644;4,867,881;4,957,943および国際特許公開92/07899に記載されている。基材は微小孔性マトリックスを含むことが好ましい。
吸水性基材として使用するのに適切な物質の例は、限定するものではないが、(Nonadnock Paper社の)クラフト紙;(DuPont社の)商標Tyvek、および商標Typarのようなスパンボンドポリエチレンおよびポリプロピレン;(PPG Industries社の)商標Teslinおよび(Hoechst−Celanese社の)商標Cellguard;(Akzona社の)商標Accurelのようなポリエチレンおよびポリプロピレンから得られる多孔性フィルムを含む。
本発明において、多様な吸水性基材を使用することができるが、相互に密着させる部材の間を精密許容差とする場合、および/または第1の部材を第2の部材上でかなりの距離を滑らせる必要がある場合には、たとえばポリオレフィンの多孔性フィルムが好ましいことが判明した。特に有用なこの型の基材は、超高分子量のポリオレフィンである。
上述のように、基材物質として有用な物質は、微小多孔性の超高分子量ポリオレフィン物質であり、これは「TESLIN」フィルムとして市販されている。この物質は、米国特許4,861,644に記載のように、可撓性、延伸性を有し、かつ熱および水に耐える。このフィルムは、実質的に超高分子量、高密度のポリエチレンからなる微小多孔性マトリックスであって、マトリックス全体に連通して相互に連結された孔のネットワークを有する。この超高分子量ポリエチレンは密度が0.94g/cm3より大きく、固有の粘度は、少なくとも18dl/g、典型的には18〜39dl/gである(米国特許4,861,644明細書第2欄第46〜54行)。マトリックス内の孔の平均直径は、0.02〜約50μmの範囲である(同第6欄、第54〜59行)。このマトリックスは、けい酸質物質、たとえばシリカ、雲母、モンモリロナイト、カオリン、石綿、滑石、けい酸ナトリウムアルミニウム、けい酸アルミナ、アルミナシリカゲルおよびガラス粒子で充填することができる。
微小粒子含有感圧接着剤
第1の感圧接着層に有用な微小粒子含有感圧接着剤は、微小粒子成分、および好ましくは水拡散性成分を含み、接着剤は任意に1つ以上の改質剤を含んでもよい。
微小粒子含有接着剤で使用に適する水分散性成分は、この接着剤を水分散性にすることができるために十分な親水基を含む物質である。この水分散性成分は、官能基たとえば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホニル基などを含むことが好ましい。これらの型の水分散性成分を使用する微小粒子含有接着剤は、剪断強度が優れていることが判明した。
適切な水拡散性成分の例は、限定するものではないが、表面活性剤、たとえばポリ(エチレンオキシド)ノニルフェニルエーテル、たとえば(Rhone−Poulenc社の)登録商標IGEPAL CO;(ICI Americans社の)登録商標Brijとして市販されるポリ(エチレンオキシド)オクチルフェニルエーテル;ポリ(エチレンオキシド)ラウリル、セチルおよびオレイルのエーテル;(BASF社の)登録商標PLURONICおよびTETRONICとして市販されるポリ(エチレンオキシド)ラウレート;ポリ(エチレンオキシド)オレイト;ソルビタンオレイト;エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体;(Rhone−Poulenc社の)商標Siponate DS−10として市販されるドデシルベンゼンスルホネートの金属塩(たとえばナトリウム塩);(Rohm & Haas社の)商標Tritonとして市販されるアルキルアリールエーテルスルフェート、たとえばアルキルアリールエーテルナトリウムスルフェート;セチルトリメチルアンモニウムブロミド;およびアンモニウムラウリルスルフェートからなる群から選択される物質を含む。
本発明で有用な他の水分散性成分は、米国特許2,838,421、同3,441,430、同4,442,258、同3,890,292、同5,196,504、同4,92,501、同4,518,745、同4,482,675、同4,442,258、同4,413,080およびドイツ特許C 23 1176に開示されているものを含む。このような成分は、限定するものでないが、次の群から選択される物質を含む、すなわち、ポリ(アクリル酸);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(N−ビニルピロリドン);ポリ(ビニルメチルエーテル);ポリ(エチレンイミン);ポリ(アクリルアミド);ポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)、たとえば(SARTOMER社の)2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート;ポリ(ビニルメチルエーテル);(International Specialty Products社の)商標Gantrezとして市販されるポリ(ビニルメチルエーテル:マレイン酸無水物;ポリ(ビニルメチルエーテル);ポリ(エーテルポリオール)、たとえばポリ(プロピレングリコール)など、たとえば(三洋化成工業(株)の)商標Spnnixとして市販されるもの、これらの共重合体などを含む。これらおよびアルキル(メタ)アクリレートエステルまたはビニルエステルの共重合体も適切である。ガムたとえばオクラおよびグアーから誘導されたものも使用することができる。
水分散性成分として使用できる感圧接着性重合体の例は、水分散性ポリ(アルコキシアルキル)アクリレート(好ましくは約50〜98重量部)およびカルボン酸(好ましくは約50〜2重量部)の重合生成物を含む乳濁重合体である。さらに、実質的に水不溶解性のアルキルアクリレートおよび共重合可能な乳濁剤単量体を、重合成分に含んでもよい。アルキルアクリレートは、典型的に重合混合物を0〜40重量部、好ましくは0重量部を含む。乳濁剤単量体は、典型的に重合混合物の0〜6重量部、好ましくは0〜4重量部を含む。
乳濁重合体の調製に有用なポリ(アルコキシアルキル)アクリレートの例は、限定するものではないが、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレートおよびメタクリレートなどから選択されたものを含む。
乳濁重合体の調製に有用なカルボン酸の例は、限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどから選択されるものを含む。
乳濁重合体の調製に有用なアルキルアクリレートの例は、限定するものではないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレートなどから選択されるものを含む。
乳濁重合体の調製に有用な共重合可能な表面活性単量体の例は、限定するものではないが、アニオン性ビニル官能性表面活性剤、たとえばビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アルキレンポリアルコキシスルホネートなどを含む。
本発明において、水分散性成分として使用できる他の感圧接着重合体は、同時係属出願08/093,080に記載されている。この感圧接着重合体は、単量体AA,BBおよびCCの重合体を含む。単量体AAは疎水性単量体であって、炭素原子2〜14個の非三級アルコールのアクリルまたはメタクリルのエステルよりなる基から選択されるものである。単量体AAは、単量体AA+BB+CCの重量の50〜80重量%を含む。単量体BBは、β−カルボキシエチルアクリレート(BCEA)またはその塩、およびBCEAまたはその塩の混合物、および他のビニルカルボン酸またはその塩から選択される。この単量体BBは、単量体AA+BB+CCの約10〜約30重量%を含む。BCEAおよびビニルカルボン酸またはその塩の混合物を使用する場合は、重合体の少なくとも10重量%を含む必要がある。さらに、この重合体のカルボン酸基は、アルカリ金属水酸化物で中和しておく。酸基を中和するために使用する水酸化物の量は、酸基につき約0.5〜2当量の水酸化物とする。単量体CCは、式X−Y−Zを有する水分散性の巨大分子単量体である。この単量体CCにおいて、XはAAおよびBBと共重合可能な成分であり、YはXをZに結合する二価の結合基であり、Zは水分散性基であって、遊離基で開始される共重合体の形成に使用することができる条件の下で、実質的非反応性である少なくとも2つの単位を含む。単量体CCは、単量体AA+BB+CCの10〜30重量%を含む。これら単量体X,YおよびZは、微小粒子の調製に関して、以下さらに詳細に記載する。
この感圧重合体は、2−ブタノン中で27.5℃における固有粘度(IV)が約0.2〜2dl/gを超える。このIVは約0.7〜1.5dl/gの範囲が好ましく、0.9〜1.4dl/gの範囲が最も好ましい。
第1の感圧接着層の接着剤に有用な微小粒子成分は、溶剤に不溶であるが、分散することができる重合エラストマーからなる。この球は、所望であれば本質的に感圧性であってもよいが、必ずしもその必要はない。さらに、所望であれば架橋重合していてもよい。この球は、一般にだ円形をしているが、完全な円形である必要はない。この球は、典型的に平均直径が1〜300μmの範囲(好ましくは1〜50μm)である。本発明で使用する微小粒子は、中実または中空であってもよい。中空の微小粒子は、1つより多い空隙を含むことができる。この空隙または中空部分は、平均直径が典型的に100μmより小さい。
微小粒子は、多様な乳化方法によって調製することができる。たとえば、微小粒子は、懸濁重合たとえば次の「2工程」乳化重合法によって得ることができる。この方法は次の工程を含む:
a)i)油層単量体をアルキル(メタ)アクリレートエステルおよびビニルエステルから選択し、この油層単量体と極性単量体の水性溶液とを混合することによって、油中−水乳濁液を形成し、
ii)この油中−水乳濁液を水相に分散させることによって、水中−油中−水乳濁液を形成し、かつ
b)好ましくは熱または放射線を適用することによって、重合を開始させる。
この方法において、好ましくは、第1工程は、少なくとも1つの(メタ)アクリレートまたはビニルエステル単量体である油相単量に、水性溶液を加え、任意に遊離基で反応する(フリーラジカル反応)オリゴマーおよび/またはポリマーを加えて、低い親水−親油平衡値(HLB)を有する乳化剤を使用して、(少なくとも幾つかは極性単量体である)単量体の、水性溶液の油中−水乳濁液を形成することを含む。適当な乳化剤は、HLB値が約7より低い、好ましくは約2〜約7の範囲である。このような乳化剤の例は、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレートおよびたとえばAtlas Chemical Industries社の商標Brij 93のようなエトキシル化オレイルアルコールを含む。
第1工程の第1相において、油相単量体、乳化剤、遊離基開始剤、ならびに任意に遊離基で反応する親水性オリゴマーおよび/または重合体、ならびに任意に、架橋する単量体、または下記に規定する単量体を組み合わせ、かつ極性単量体のすべてまたは一部分の水溶液を撹拌し、油層混合物中に注入して、油中−水乳濁液を形成する。遊離基で反応する親水性オリゴマーおよび/または重合体は、油層または水層に加えることができる。増粘剤、たとえばメチルセルロースも、油中−水乳濁液の水相に加えることができる。第1工程の第2相において、水中−油中−水乳濁液は第1工程の油中−水乳濁液を、HLB値が約6より高い乳化剤を含む水相中に分散させることによって形成する。この水相は、工程1で加えなかった極性単量体のどの部分を含むこともできる。このような乳化剤は、エトキシル化ソルビタンモノオレエート;エトキシル化ラウリルアルコール;およびアルキルスルフェートを含む。2つの段階において、乳化剤を使用するときには、その濃度を、その臨界ミセル濃度より大きくする必要がある。ここで臨界ミセル濃度とは、ミセルの形成、すなわち乳化剤分子の超顕微鏡的凝集に必要な乳化剤の最小濃度と規定する。臨界ミセル濃度は、各乳化剤ごとに僅かに相違し、使用可能な濃度は約1.0×10-4から約3.0モル/lの範囲である。水中−油中−水乳濁液の調製に関するその他の詳細は、多様な参照文献、たとえばSurfactant Systems:Their Chemistry,Pharmacy & Biology(D.AttwoodおよびA.T.Florence,Chapman & Hall社,ニューヨーク,1983)。水中−油中−水乳濁液が安定であれば、中空または多数の空隙を有する微小粒子が形成される。
この方法の第2、すなわち最終工程は、熱または放射線を適用して、単量体の重合を開始する。有用な開始剤は、アクリレートまたはビニルエステル単量体の遊離基重合に通常適しており、かつ油に溶解し、水中の溶解度が極めて低いものである。しかし、極性単量体がN−ビニルピロリドンである場合は、開始剤として過酸化ベンゾイルの使用を推奨する。このような開始剤の例は、アゾ化合物、ヒドロ過酸化物、過酸化物などであり、光開始剤は、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテルおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどである。
水溶性重合開始剤の使用は、かなりの量のラテックスを形成する。ラテックス粒子の粒径が極めて小さいと、ラテックスのどのような重要な形成も望ましくなくする。開始剤の使用量は、重合すべき組成物全体の約0.01〜約10重量%の範囲であり、好ましくは約5重量%以下である。
微小粒子は、またこれより単純な(「1工程」)の乳化方法によって調整することもできる。すなわちこの方法は、少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートエステル単量体またはビニルエステル単量体、および任意に少なくとも1つの極性単量体を、小滴の内側に乳化および重合中に実質的に安定な油中−水乳濁液を生成することができる少なくとも1つの乳化剤を存在させる水性懸濁重合を含む。この方法において、水性懸濁液は、遊離基で反応する親油性オリゴマーおよび/または重合体を任意に含むことができ、かつ好ましい。
2工程乳化方法におけるのと同様に、乳化剤は、その臨界ミセル濃度より大きい濃度で使用する。このような乳化剤の例は、アルキルアリールエーテルスルフェート、たとえばナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェート、たとえば(Rohm & Haas社の)商標Triton W/30;アルキルアリールポリ(エーテル)スルフェート、たとえばアルキルアリールポリ(エチレンオキシド)スルフェート、好ましくは繰返し単位が約4個以下のもの;およびアルキルスルフェート、たとえばナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェートおよびナトリウムヘキサデシルスルフェート;アルキルエーテルスルフェートたとえばアンモニウムラウリルエーテルスルフェート;およびアルキルポリ(エーテル)スルフェート、たとえばアルキルポリ(エチレンオキシド)スルフェート、好ましくはエポキシ単位が約4以下のものである。アルキルスルフェート;アルキルエーテルスルフェート;アルキルアリールエーテルスルフェート;およびこれらの混合物は、最小量の表面活性剤で、微小粒子について最大容積の空隙を形成するので、好ましい。非イオン性乳化剤、たとえば(Alcolac社の)商標Siponic Y−500−70、エトキシル化オレイルアルコール;および(BASF社の)登録商標PLURONIC P103、ポリ(プロピレンオキシド)とポリ(エチレンオキシド)との共重合体を、単独でまたはアニオン性乳化剤とともに使用することができる。重合安定剤も存在してよいが、必要ではない。
「2工程」および「1工程」の2つの方法は、単量体小滴の水性懸濁液を生成する。重合すると、この小滴は微小粒子となる。大多数の微小粒子は内部に空洞を有し、乾燥すると空隙となる。
微小粒子の調製に使用できる他の方法は、水中−油乳濁液を形成し、次にこの乳濁液を水相に分散させる。この水相は、少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートエステル単量体またはビニルエステル単量体、および任意に遊離基で反応する親水性オリゴマーおよび/または重合体を含む。この方法は、乳化剤ではなく、懸濁安定剤を使用する。その結果、この方法は内部に空洞を有しない単量体小滴を形成する。重合すると、小滴は中実の微小粒子となる。
個別の重合微小粒子は、米国特許3,691,140;同4,166,152;同4,636,432;同4,656,218および同5,045,569に記載する懸濁重合によっても調製することができ、これらすべての特許は、接着剤組成物を記載する。
本発明の微小粒子の調製は、任意に加える遊離基で反応する親水性オリゴマーの全部または一部分、および極性単量体を、油層の重合開始後まで保留するように変更することができるが、これらの成分は、100%変換するより前に、重合混合物に加える必要がある。
微小粒子は、多数の物質から調製することができる。たとえば、アルキルアクリレートおよびメタアクリレート単量体は、球を調製するのに使用できる。これらの単量体は、非三級アルキルアルコールの単官能性の不飽和アクリレートおよびメタアクリレートエステルである。これらのアルコールのアルキル基は、炭素原子4〜14個を含むことが好ましい。これらのアクリレート単量体は親油性であって、乳化可能であって、水溶解度が限定されており、かつホモ重合体として、一般にガラス遷移温度で約−10℃より低い。このような単量体の例は、限定するものではないが、イソオクチルアクリレート;4−メチル−2−ペンチルアクリレート;2−メチルブチルアクリレート;イソアミルアクリレート;sec−ブチルアクリレート;n−ブチルアクリレート;2−エチルヘキシルアクリレート;イソデシルメタアクリレート;イソノニルアクリレート;イソデシルアクリレート、およびこれらの混合物よりなる群から選択される単量体を含む。
好ましいアクリレート単量体は、イソオクチルアクリレート;イソノニルアクリレート;イソアミルアクリレート;イソデシルアクリレート;2−エチルヘキシルアクリレート;n−ブチルアクリレート;sec−ブチルアクリレート、およびこれらの混合物よりなる群から選択される単量体を含む。
生成する重合体のガラス遷移温度が約−10℃より低い場合には、ホモ重合体として、ガラス遷移温度が約−10℃〜0℃のアクリレートまたはメタクリレートまたは他のビニル単量体、たとえばtert−ブチルアクリレート;イソボルニルアクリレート;ブチルメタアクリレート;ビニルアセテート;アクリロニトリルおよびこれらの混合物などは、1つ以上のアクリレート;メタアクリレートおよびビニルエステルの単量体とともに任意に使用することができる。
微小粒子に使用するために適切なビニルエステル単量体は、限定するものではないが、ビニル2−エチルヘキサノエート;ビニルカプレート;ビニルラウレート;ビニルペラルゴネート;ビニルヘキサノエート;ビニルプロピオネート;ビニルデカノエート;ビニルオクタノエート、および炭素原子1〜14個を含む直鎖または分枝鎖のカルボン酸の他の単官能性不飽和ビニルエステルであって、ホモ重合体としてガラス遷移温度が約−10℃より低いものよりなる群から選択されるものを含む。好ましいビニルエステル単量体は、ビニルラウレート;ビニルカプレート;ビニル2−エチルヘキサノエート、およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。
微小粒子の調製に有用な極性単量体は、ある程度の水溶性および油溶性をともに有して、水相および油相の間で極性単量体が分布するものである。適切な極性単量体の代表的な例は、限定するものではないが、アクリル酸;メタアクリル酸;イタコン酸;クロトン酸;マレイン酸;フマール酸;スルホエチルメタクリレート、およびイオン性単量体たとえばナトリウムメタクリレート;アンモニウムアクリレート;ナトリウムアクリレート;トリメチルアミンp−ビニルベンズイミド;N,N−ジメチル−N−(β−メトキシ−エチル)アンモニウムプロピオネートベタイン;トリメチルアミンメタクリルアミド;1,1−ジメチル−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンメタアクリルアミド;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカプロラクタム;アクリルアミド;ジメチルアミノエチルアクリルアミド;N−オクチルアクリルアミド;およびこれらの混合物などよりなる群から選択されるものを含む。好ましい極性単量体は、モノオレフィンモノカルボン酸;モノオレフィンジカルボン酸;アクリルアミド;N−置換アクリルアミド、およびこれらの塩ならびにこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。このような単量体の例は、限定するものではないが、アクリル酸;アクリル酸ナトリウム;N−ビニルピロリドン、およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。
任意に、微小粒子中に、遊離基で反応する親水性オリゴマーおよび/または重合体を含むことができる。これらは、限定するものではないが、ポリ(アルキレンオキシド)、たとえばポリ(エチレンオキシド);ポリ(ビニルメチルエーテル);ポリ(アクリルアミド);ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。
微小粒子において有用な遊離基で反応する親水性オリゴマーおよび重合体は、次の一般式で表わされる巨大単量体よりなる群から選択されるものを含む、すなわち
X−(Y)−Z
(式中、Xが、遊離基で重合できる単量体、および極性単量体と、遊離基で共重合できる基であり;
Yが、2価の結合基であり;
nが、0〜1の整数であり;
Zが、2以上の重合度を有する1価の親水性の重合体またはオリゴマーの部分である。)
このような巨大単量体の例は、限定するものではないが、アクリレートおよびメタクリレートの官能性オリゴマーおよび重合体であって、Xが、H2C=CR1−(式中R1がHまたはCH3を表わす)を表わし;Yが2価のカルボキシル基であり;n=1;かつZが2以上の重合度を有する親水性のオリゴマーまたは重合体の部分である。このような巨大単量体は、限定するものではないが、p−スチリル官能性物質であって、XがH2C=CR1(式中R1がHまたはCH3である)を表わし、Yが
Figure 0003547751
を表わし、かつZが、重合度が2以上である親水性のオリゴマーまたは重合体の部分であるものを含む。2官能性または多官能性のオリゴマーまたは重合体であって、本発明で使用する微小粒子の極性単量体、および遊離基で共重合できる2つ以上のX基を有し、このX基が親水性の重合体またはオリゴマーの部分Zから懸垂しているか、またはこの部分の末端にあるものは、本発明の微小粒子において有用である。
好ましい巨大単量体は、アクリレート末端のポリ(エチレンオキシド);メタアクリレート末端のポリ(エチレンオキシド);メトキシポリ(エチレンオキシド)メタクリレート;ブトキシポリ(エチレンオキシド)メタクリレート;p−ビニルベンジル末端のポリ(エチレンオキシド);アクリレート末端のポリ(エチレングリコール);メタクリレート末端のポリ(エチレングリコール);メトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート;ブトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート;p−ビニルベンジル末端のポリ(エチレングリコール;ポリ(エチレンオキシド)ジアクリレート;ポリ(エチレンオキシド)ジメタクリレート;およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものである。これらの官能化された物質は、周知のイオン重合技術によって容易に調製され、かつ遊離基で重合したアクリレート重合体の骨格に沿って、グラフト重合した親水性部分を設けるためにも極めて有効であるので、好ましい。
好ましい巨大単量体は、p−ビニルベンジル末端のポリ(N−ビニルピロリドン);p−ビニルベンジル末端のポリ(アクリルアミド);メタクリレート末端のポリ(N−ビニルピロリドン)、およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものも含む。これらの巨大単量体は、カルボキシ末端のN−ビニルピロリドンまたはアクリルアミド、β−メルカプトプロピオン酸分子鎖移動剤、およびクロロメチルスチレンまたはメタクリロイル塩化物のエステル化反応によって調製することができ、これはM.Akashiらの〔Angew.Makromol.Chem.,132,81(1985);J.Appl.Polym.Sci.,39,2027(1990);J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.,27,3521(1989)〕の一連の論文に記載されており、すべてをここに参照として引用する。
この組成物は、少なくとも1つの極性単量体を含むことが好ましいが、しかし微小粒子は、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレートおよび/またはビニルエステル単量体を単独で使用するか、または他のビニル遊離基と重合である単量体、たとえばビニルアセテートと組み合わせて調製することもできる。しかし、メタアクリレート単量体を単独で使用する場合は、親水性成分が式1に規定されたラジカル共重合可能な基Xを2つ以上含むのでなければ、下記の架橋剤を含む必要がある。少なくとも約1〜約10重量部の極性単量体は、この比が平衡のとれたPSA性を有する微小粒子を得るので、最も好ましい。
微小粒子を生成する組成物も、多官能性架橋剤を含むことができる。ここで使用する術語「多官能性」は、2つ以上の遊離基で重合できるエチレン不飽和基を有する架橋剤を意味する。有用な多官能性架橋剤は、ジオールのアクリルまたはメタクリルエステルたとえばブタンジオールジアクリレートおよびトリオールたとえばグリセロールおよびテトロールたとえばペンタエリトリトールのアクリルまたはメタクリルエステルよりなる群から選択されるものを含む。他の有用な架橋剤は、重合性多官能性アクリレートおよびメタクリレート、たとえばポリ(エチレンオキシド)ジアクリレートまたはポリ(エチレンオキシド)ジメタクリレート;ポリビニル系架橋剤たとえば置換および未置換ジビニルベンゼン;ならびに二官能性ウレタンアクリレートたとえば(重量平均分子量が1500および5000のアクリレート化されたウレタンであり、ともにRadcure Specialties社の)商標Ebecryl 270および商標Ebecryl 230、およびこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。
本発明で有用な微小粒子は、全重量を100部として、好ましくは、アルキルアクリレートエステル、アルキルメタアクリレートエステル、ビニルエステル、およびこれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1つの遊離基で重合できる単量体100重量部以下;および任意に1つ以上の極性単量体約0〜約30重量部;および任意に少なくとも1つの親水性のオリゴマーまたは重合体の成分約0〜約40重量部を含む。
好ましくは、感圧微小粒子は、全重量を100部として、アルキルアクリレートエステル、アルキルメタクリレートエステル、ビニルエステル、およびこれらの混合物よりなる群から選択される遊離基で重合できる単量体約80〜約98重量部、および任意に少なくとも1つの極性単量体約1〜17重量部、および任意に親水性のオリゴマーまたは重合体の成分約1〜18重量部を含む。最も好ましくは、感圧微小粒子は、全重量を100部として、遊離基で重合できる単量体約87〜約98重量部、および任意に極性単量体約1〜8重量部、および任意に親水性のオリゴマーまたは重合体の成分約1〜5重量部を含む。
架橋剤を使用する場合は、典型的に約10当量重量%までの水準で使用する。重合できる微小粒子組成物全体の約0.15当量重量%より多いと、微小粒子は非粘着性となる。所定の化合物の「当量重量%」は、当量重量で除したグラム数を当量とするとき、(微小粒子の)全組成物の当量の全数で除したこの化合物の当量数と定義する。当量重量は、単量体中の重合可能な基の数で除した分子量と定義する(ただ1つの重合可能な基を有する単量体の場合は、当量重量=分子量)。架橋剤は、前記微小粒子組成物の単量体が100%重合体に変換する前の何時でも加えることができる。重合開始の前に加えることが好ましい。
1つの態様において、親水性成分が微小粒子組成物に存在しないこともできるが、この親水性成分が微小粒子組成物に含まれることが好ましい。理論によって束縛されることを望むものではないが、ペンダント親水性部分を使用するとき、微小粒子の表面またはその近傍に位置すると考えられる。この手法において、親水性部分が存在することは、水と接触するとき、接着剤の「滑り易さ」に貢献して、内方部材と外方部材とを結合し易くする。さらに、微小粒子を含む接着剤の存在が必要な理由は、乾燥した後に力を加えたとき、湿潤または含湿の条件に曝して結合した部材が多少とも滑るような、接着剤が完全に溶解または何らかの状態で劣化しないことを確実にするためである。親水性基を含む微小粒子の存在によって、(湿潤したときに)接着剤混合物の滑り特性を改良する。従って、本発明の方法は、水分散性成分の存在を必要としないが、このような成分の存在は、滑り易さを確実に改良する。この水分散性成分の量を増加すると、滑り易さは増加するが、乾燥時間を長くする必要が生じる。
この成分の相対的な量は、得られる微小粒子の性質にとって重要である。多官能性架橋剤を多量に使用すると、粘着しない微小粒子を生ずる。このような場合に、水溶性または水分散性の重合体成分は粘着性でなければならない。水溶性または水分散性の重合体成分自身が粘着性でない場合は、微小粒子接着剤が粘着性であることが必要である。
微小粒子含有接着剤は、接着剤の調製またはその使用に関して、所望の特性を賦与するかまたは向上させる1つ以上の改質剤を、任意に含むことができる。有用な改質剤の例は、限定するものではないが、たとえば(Union Carbide社の)登録商標UCAR POLYPHOBE;(Alco Chemical社の)商標Alcogum;(Rheox社の)商標Rheolate;(Rohm & Haas社の)商標Acrysol;および(B.F.Goodrich社の)商標Carbopolとして市販されるようなアルカリ膨潤性で会合性の重合体よりなる群から選択される増粘剤を含む。
増粘剤またはカルボン酸官能基を有する重合体とともに使用されることの多い中性化剤も、本発明で使用することができる。このような中性化剤は、限定するものではないが、金属イオン、たとえばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、アルミニウムまたは亜鉛;およびアミン、たとえばアンモニア、n−ヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミンよりなる群から選択されるものを含む。
接着剤混合物の性質を変えるために使用することができる他の改質剤は、限定するものではないが、増粘性樹脂、可塑剤、顔料、充填剤、流動性制御剤および安定剤よりなる群から選択されるものを含む。
本発明の接着剤混合物で使用する水分散性成分は、結合操作を可能にするために適切な必要程度の滑り易さを生ずるのに十分な量を使用する。これは接着剤の全重量100部に基づき、約0.25〜10%、さらに好ましくは約0.25〜5%を含む。これに対応して、接着剤で使用する微小粒子は、接着剤混合物の全重量100部に基づき、約99.75%以下、さらに好ましくは99.75〜95%を含む。
本発明で有用な第2の感圧接着層は、所望であれば微小粒子を含む感圧接着剤とすることができる。第2の感圧接着層が微小粒子を含む場合は、第1の接着層の組成と同一であっても、相違していてもよい。あるいは、第2の感圧接着剤は、他の型の接着剤(すなわち熱活性、感圧性、ペースト、エーロゾル、液体など)であってもよい。
第2の接着層の感圧接着剤として有用な多様な物質および組成物の例は、文献(たとえばHouwinkおよびSalomonのAdhesion and Adhesives,Elsevier Publishing社,アムスデルダム,オランダ1967;Handbook of Pressure−Sensitive Adhesive Technology,Donates Satas編、Van Nostrand Reinhold社,ニューヨーク,1982)に解説されているものを含む。これらの非微小粒子感圧接着剤は、一般にゴム/樹脂混合物、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などを含む。感圧接着配合剤の組成および改良を記載した多様な特許文献のうち、米国特許RE 24,906;同2,652,351;同3,740,366;同3,299,010;同3,770,708;同3,701,758;同3,922,464;同3,931,087;同4,012,560;同4,077,926;同4,387,172;同4,418,120;同4,629,663などがある。これらのゴム/樹脂、アクリル樹脂、シリコーンおよびポリウレタンの感圧接着剤は、他の感圧接着剤と同様に、本発明において、第2の感圧接着層として、一般に使用できる。
第2の感圧接着層として有用な感圧接着剤の特殊な例は、限定するものではないが、ウレタン;ブロック共重合体ゴム;シリコーン;スチレンブロック共重合体;増粘剤を有する天然ゴム;イソオクチルアクリレート/アクリル酸、イソオクチルアクリレート/アクリルアミド、イソオクチルアクリレート/N−ビニルピロリドンの共重合体;イソオクチルアクリレート/アクリル酸/ポリスチレン巨大単量体およびイソオクチルアクリレート/アクリル酸/(メタ)アクリレートエステルの三元共重合体よりなる群から選択されるものを含む。
本発明の性能を、通常の水活性化して柔かくすることができる接着剤の性能、たとえば、米国特許3,865,770;同4,413,080;または同4,442,258またはドイツ特許C 2,311 746に開示するものに、吸水性基材について比べると、本発明は「水溜り」を解消する点で、改良を示す。
本発明の感圧微小粒子含有接着シートは、多様な方法で製造することができる。たとえば接着層を基材に順次被覆し、各被覆工程の間に必要な乾燥および/または冷却を繰り返すことができる。あるいは、接着層を同時に適用し、その後に必要な乾燥または冷却を行ってもよい。接着剤を基材に適用するために多くの被覆技術を使用することができる。これらは、ナイフ被覆、Meyer Bar被覆、カーテン被覆および押し出し被覆を含む。さらに接着組成物は、所望であれば支持材の上に噴霧することもできる。
さて、本発明の方法を、ゴルフクラブへの弾性ハンドグリップの取り付けについて解説する。この解説において、弾性グリップが第1の部材を形成し、クラブのシャフトが第2の部材を形成する。
本発明の好ましい態様において、多孔性の吸水性フィルムと、第1および第2の感圧接着層を有するテープを使用する。このテープは、ゴルフクラブのシャフトに適用して、第2の感圧接着層がテープをシャフトに固定する。これは、テープの細片をシャフトに縦方向に付けることによって行う。あるいは、テープをシャフトの周囲に巻き付けてもよい。この技術を用いると、テープ自身が、重なり合わないで付けることができる。あるいは、このテープをシャフトの回りに、らせん状に巻いて、前に巻いたテープの部分の上に、次に巻くテープが重なるようにしてもよい。どのような方法を用いるにせよ、第1の微小粒子含有感圧接着層を外部に露出させる。
シャフトに取り付けた後に、露出した微小粒子接着層を水で活性化して、滑り易くする。所望であれば、水は表面活性剤または洗剤を含んでもよい。水を適用するには、多くの技術を用いることができる。これの技術は、巻いたシャフトを液体に浸漬してもよく、液体を巻いたテープに吹きかけてもよく、または巻いたシャフトを水を含んだ塗布材で拭ってもよい。
微小粒子含有感圧接着剤を滑り易くした後に、弾性グリップをその最終位置にシャフト上を滑らせる。こうして得られた重合体は、次に乾燥させて、弾性グリップをシャフトに、実質的に永久的に結合する。取り扱い可能な強度に達するまでに要する乾燥時間は、10〜30分である。こうして、洗剤に晒すことを不要にし、「水溜まり」を不要にし、かつ乾燥時間を減少する利益が得られる。本発明の他の利益は、結合操作の前に、外側部分を湿潤させる必要がないことである。さらにその他の利益は、後に、外方部分を内方部分から容易に取り脱すことができることである。これは単に工程を逆にする、すなわち水を2つの部材の間に注入して、外方の接着層を、再び「滑り易く」して、取り脱すことができる。
この方法は、ゴルフクラブに弾性グリップを取り付けることに関して説明したが、これに限るものではない。少なくとも部分的に開放された、中空または管状の第1の部材たとえばさや体、スリーブ、カバーまたはグリップの内部に、第2の部材たとえば芯材、棒、シャフトなどを挿入して結合するために有用である。第2の部材は、中空かまたは中実か、長いか短かいか、また円形、卵形、三角形またはその他の多角形、また断面が非対称的であってもよい。またこの方法は、溝の付いた部材たとえば隙間ふさぎを、扉または窓の縁の上に結合するのにも有用である。これは金属、プラスチック、セラミック、ガラスまたはセルロース材料から製作することができる。同様に第1の部材も、広範囲の形状および構成を、どのような多くの材料からも形成することができる。第1の部材は、第2の部材に補形する形を有することが好ましいが、これは必要でない。必要なことは、第1の部材が、少なくとも部分的に中空であって、その内部に第2の部材を収容できることであるが、第1の部材は周囲が連続していることは必要ではない。
本発明を、次の実施例によって、さらに説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものと見做してはならない。
微小粒子乳濁液
MS−A
4.8gのアクリル酸(AA)、2.4gのポリ(エチレンオキシド)17アクリレート、0.24gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)および1.13gのlucidol−70(70%ベンゾイルペルオキシド)を、232.4gのイソ−オクチルアクリレート(IOA)に溶解した。0.75gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを360gの水に溶解した。次にIOA混合物を表面活性剤溶液に加え、商標Omni混合機を使用して、液滴の大きさが5μmより小さくなるまで乳化させた。次にこの乳濁液を1l目盛の樹脂フラスコに注入し、65℃に加熱し、アルゴンで掃気して、8時間反応させた。微小粒子は、光学顕微鏡で測定して、平均直径が3μmであった。
MS−B
4.2gのアクリル酸(AA)、4.2gの1,6−HDDA、1.13gのlucidol−70(70%ベンゾイルペルオキシド)を、230gのイソ−オクチルアクリレート(IOA)に溶解した。0.75gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを360gの水に溶解した。次にIOA混合物を表面活性剤溶液に加え、次に商標Omni混合機を使用して、液滴の大きさが5μmより小さくなるまで乳化させた。次にこの乳濁液を1l目盛の樹脂フラスコに注入し、65℃に加熱し、アルゴンで掃気して12時間反応させた。微小粒子は、光学顕微鏡で測定して、平均直径が3μmであった。
MS−C
4.8gのアクリル酸(AA)、2.4gのポリ(エチレンオキシド)17アクリレート、0.24gの1,6−HDDAおよび1.13gのlucidol−70(70%ベンゾイルペルオキシド)を、232.4gのイソオクチルアクリレート(IOA)に溶解した。0.75gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを360gの水に溶解した。次にIOA混合物を表面活性剤溶液に溶解し、次に1l−目盛の樹脂フラスコに注入し、400回転/分で撹拌し、65℃に加熱し、アルゴンで掃気し、8時間反応させた。微小粒子は、光学顕微鏡で測定して、平均直径が約45μmであった。
MS−D
光学顕微鏡で測定した平均直径3μmの微小粒子は、次のようにして調製した。
4.8gのアクリル酸(AA)、2.4gのポリ(エチレンオキシド)17アクリレート、0.24gの1,6−HDDAおよび1.13gのlucidol−70(70%ベンゾイルペルオキシド)を、232.4gのイソオクチルアクリレート(IOA)に溶解した。0.75gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを360gの水に溶解した。IOA混合物を表面活性剤溶液に加え、商標Omni混合機を使用して、液滴の大きさが50μmより小さくなるまで乳化させた。次にこの乳濁液を1l目盛の樹脂フラスコに注入し、65℃に加熱し、アルゴンで掃気し、8時間反応させた。2.4gのポリ(アクリル酸)と3.6gの(Union Carbide社の)商標Polyphobe 104を、得られた分散液に加えた。分散液のpHは、NH4OHを加えて7に調節した。微小粒子は、光学顕微鏡で測定して、平均直径が3μmであった。
例1
MS−A溶液の1.5重量%の(Union Carbide社の)商標Polyphobe 104を加えて、MS−A溶液を粘稠化した。次にNH4OHでpHを7の中性にした。次にこの粘稠化した乳濁液に多様な添加剤を加えて、生成した混合物を、分離した「TESLIN」フィルムに被覆した。その湿潤厚さは101.6μm(4mil)であった。被覆したフィルムは80℃で3分間乾燥した。
次にこのフィルムの滑り易さを試験した。フィルムの一部分を、二重被覆テープで、机上に固定し、微小粒子接着面を露出させた。接着面を10gの水で湿らせ、ゴムのゴルフグリップの一部分をこのフィルムを横切って前後に滑らせた。湿ったフィルムの滑り易さの等級を、主観的に5段階に格付けした。0はフィルムが滑らず、5はフィルムが優れた滑り易さを有することを意味する。その結果を表1に示す。
Figure 0003547751
例2
MS−A,BおよびC乳濁液を、商標Polyphobe 104を使用して、例1に記載のように粘稠化した。粘稠化された物質を、次に2重量%のポリ(アクリル酸)、または3重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムと混合した。生成した接着性組成物を、TESLINフィルム上に被覆して、例1に記載のように滑り易さを試験した。試験の結果を表2に示す。
Figure 0003547751
例3
MS−Dを、50.8μm(2mil)のポリエステル上に湿潤状態で、厚さ152.4μm(6mil)に被覆し、次に炉内で80℃において3分間乾燥した。反対側に、アクリル接着剤を湿潤状態で厚さ約101.6μm(4mil)に被覆し、炉内で80℃において3分間乾燥した。
幅5cm(2インチ)、長さ約30.5cm(12インチ)のテープ細片を、ゴルフクラブの端に、縦方向に適用し、微小粒子含有感圧接着剤を外側に露出させた。次にゴルフクラブのテープを付けた端を水中に約10秒間沈めた。10秒間浸漬した後、ゴルフクラブを取り出し、ゴムグリップを付けた。得られた集合体を室温で乾燥した。テープ乾燥時間は60分を超えた。

Claims (3)

  1. 第1および第2の対向する表面を有する、超高分子量のポリオレフィンからなる微小多孔質吸水性基材、および前記基材の第1の表面の少なくとも一部分に第1の微小粒子含有感圧接着剤を含み、第1の微小粒子含有感圧接着剤が、
    a)90〜99.75重量部の微小粒子含有成分;およびこれに対応して
    b)10〜0.25重量部の水分散性成分を含む、微小粒子含有感圧接着テープ。
  2. 少なくとも部分的に中空な第1の部材と、前記第1の部材内に受け入れられ、かつ請求項1に記載の微小粒子含有感圧接着テープによって、前記第1の部材に接着して結合される第2の部材とを含む物品。
  3. 少なくとも部分的に中空な第1の部材を、前記第1の部材の内部に受け入れられる第2の部材に接着して結合する方法であって、
    (a)請求項1に記載の感圧接着テープを、微小粒子含有接着剤が露出するように、第2の部材に固着し;
    (b)微小粒子含有接着剤を水で湿潤させて、滑り易く活性化し;
    (c)第1の部材が第2の部材を、少なくとも部分的に受け入れるように、第1の部材を位置決めし;かつ
    (d)微小粒子含有接着剤を乾燥させて、第1および第2の部材を相互に接着して固着する工程を含む方法。
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