JP3546756B2 - 空間座標入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間座標入力装置にかかり、特に、仮想立体空間内に仮想物体を表示する立体画像表示装置に用いて好適な、空間内の座標を入力するための空間座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の車体の形状や部品等を設計や評価する場合、設計値による部材(設計値と同一の値である実物)を作成して評価や検討そして再設計という処理を繰り返し行っていた。ところが、実物を作成して検討や再設計を繰り返すことは、膨大な時間を必要とする。このため、実物である部材を製作することなく、評価や検討することを可能とする装置の必要性が叫ばれている。
【0003】
このような装置として、設計値により形成されるべき実物に相当する仮想物体を仮想空間上に表示させる、コンピュータグラフィック(CG)の立体画像により再現して検討を行うことや再設計の情報を得ることが注目されている。すなわち、最近では、設計段階からCADを用いたコンピュータ設計が行われており、このCADデータを用いて立体画像用のデータを生成し、立体画像を表示させることが可能となってきている。一例としては、立体視眼鏡を用いて、3次元空間を生成し、その仮想空間内の仮想物体を操作することにより、CADの操作性を向上させる立体表示装置が知られている(特開平6−131442号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実物である部材を仮想的に表示する場合には、実物と同一サイズの表示や予め定めた一定尺度による表示を行わなければならないが、従来の立体表示装置では、表示精度について十分な検討がなされておらず、実物と同一サイズの表示や予め定めた一定尺度による表示をすることが困難であった。このため、仮想的に表示された仮想物体の位置を指示したり、位置や形状を変更したりするときには、オペレータの意図と異なる表示がなされ、所望の位置や形状を実現することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、入力した空間座標を反映して仮想立体空間内に忠実に再現された仮想物体を表示することができる空間座標入力装置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の空間座標入力装置は、実空間内の予め定めた所定空間に仮想物体を表示する表示手段と、前記所定空間を少なくとも含む実空間内位置としてオペレータの視点位置及びオペレータによる指示位置の各々の空間座標を検出する検出手段と、前記所定空間内に前記オペレータの視点位置の移動許容範囲を少なくとも含む視点空間を含む複数の小領域を設定する設定手段と、前記視点空間を含む小領域をのぞく小領域の各々について、前記所定空間内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係を予め求め記憶しかつ、前記検出手段により検出された空間座標から、該空間座標の位置を含む小領域に属する対応関係を用いて前記指示位置の実座標を求めると共に、前記視点空間を含む小領域について前記所定空間内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係を前記視点空間を含む小領域をのぞく小領域に比べて詳細に予め求め記憶しかつ前記検出手段により検出された空間座標から該空間座標の位置を含む小領域に属する対応関係を用いて前記視点位置の実座標を求める演算手段と、前記演算手段により求めた前記視点位置及び前記指示位置の各々座標値を実座標値として入力する入力手段と、を備えている。
【0007】
本発明の空間座標入力装置は、表示手段により、実空間内の予め定めた所定空間に仮想物体が表示される。この所定空間を少なくとも含む実空間内位置の空間座標は、検出手段により検出される。所定空間には、設定手段により複数の小領域が設定される。これらの小領域の各々には、所定空間内の実座標と検出手段により検出される空間座標との対応関係が予め求め記憶される。演算手段は、検出手段により検出された空間座標から、該空間座標の位置を含む小領域に属する(記憶されている)対応関係を用いて指示位置の実座標を求める。入力手段は、演算手段により求めた座標値を実座標値として入力する。このように、小領域に属する対応関係を用いて実座標を求めることができるので、実座標と検出座標に違いがあっても、対応関係により補正され、正確な座標を求めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空間座標入力装置において、前記表示手段は、左眼用画像及び右眼用画像を切り換えて仮想物体を表示することを特徴とする。
【0009】
物体を立体的に表示するためには、左眼用画像及び右眼用画像を用意して、切り換えて表示することにより、容易に仮想物体を表示することができる。そこで、表示手段において、左眼用画像及び右眼用画像を切り換えて仮想物体を表示すれば、実空間内の予め定めた所定空間に仮想物体を表示することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の空間座標入力装置において、前記表示手段は、各々入力された信号に基づいて光の透過及び非透過を切り換え可能な左眼用光学素子及び右眼用光学素子を備えた立体視眼鏡を含むことを特徴とする。
【0011】
左眼用画像及び右眼用画像を切り換えて仮想物体を表示するためには、入力された信号に基づいて光の透過及び非透過を切り換え可能な左眼用光学素子及び右眼用光学素子を備えた立体視眼鏡を用いることが好ましい。これによって、立体視眼鏡では、左眼用光学素子及び右眼用光学素子の各々が、光の透過及び未透過に切り換えられ、実空間内の予め定めた所定空間内に表示された実際の物体に相当する仮想物体をオペレータに容易に認知させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空間座標入力装置において、前記検出手段は、オペレータの頭部位置を検出しかつ検出結果から前記視点位置を求めることを特徴とする。
【0013】
検出手段によって、オペレータの頭部位置及びオペレータによる指示位置を検出することにより、オペレータの位置を正確に特定したり、オペレータが指示した指示位置を正確に特定したりすることができ、正確に位置入力をすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空間座標入力装置において、前記設定された複数の小領域の一部が重複する場合、該重複部分に属する小領域の対応関係の各々に基づいて、重複部分内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することを特徴とする。
【0015】
所定空間に、複数の小領域を設定したときに小領域の少なくとも一部が重複場合には、その重複部分において、実座標と空間座標との対応関係が複数存在することになる。そこで、複数の小領域の一部が重複する場合、重複部分に属する小領域の対応関係の各々に基づいて、重複部分内の実座標と検出手段により検出される空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することによって、重複部分内にあっても実座標と空間座標との対応関係が一意に対応され、円滑に対応関係を構成することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空間座標入力装置において、前記設定手段は、前記所定空間を分割することにより複数の小領域を設定することを特徴とする。
【0017】
所定空間に、複数の小領域を設定するときに、小領域が離間して設定された場合には、実座標と空間座標との対応関係が存在しない領域が存在する場合がある。そこで、設定手段により、所定空間を分割することにより複数の小領域を設定するにより、所定空間内の全域に渡って実座標と空間座標とを対応させることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空間座標入力装置において、前記隣接する複数の小領域について、予め定めた大きさの緩衝領域をさらに設定し、隣接する小領域の対応関係の各々に基づいて、緩衝領域内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することを特徴とする。
【0019】
所定空間を分割して、複数の小領域を設定したときには、その境界部分において、実座標と空間座標との対応関係が不連続になる場合がある。そこで、その境界付近を含むように、予め定めた大きさの緩衝領域をさらに設定し、緩衝領域に属する小領域すなわち隣接する小領域の対応関係の各々に基づいて、緩衝領域内の実座標と空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することによって、隣り合う小領域に渡って実座標と空間座標との対応関係が不連続になることなく、円滑に対応関係を構成ことができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の空間座標入力装置において、前記実空間内に通常指示領域及び特定指示領域を予め定め、前記入力手段は、前記検出手段により検出された実空間内位置が通常指示領域内に含まれる場合に前記演算手段により求めた座標値を実座標値として入力すると共に、特定指示領域内に含まれる場合に予め定めた制御情報を入力することを特徴とする。
【0021】
空間座標を入力しているとき、その入力に対するコマンドを入力したり、他のコマンドを入力したり仕様を変更したりする場合がある。このときには、新規の入力装置を追加することで対処可能であるが、操作が煩雑であったり装置が複雑であったりする。そこで、実空間内に通常指示領域及び特定指示領域を予め定めておき、入力手段による入力を、検出手段により検出された実空間内位置が通常指示領域内に含まれる場合に演算手段により求めた座標値を実座標値として入力すると共に、特定指示領域内に含まれる場合に予め定めた制御情報を入力するようにする。これにより、空間座標の入力と制御情報の入力とを容易に切り替えることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の空間座標入力装置において、前記制御情報は、予め定めた複数の機能を選択指示することを表す指示情報であることを特徴とする。
【0023】
仮想物体を表示して空間座標を入力する装置では、予め定めた複数の機能を有していることがある。例えば、前記制御情報の入力には、コマンドの入力、画面仕様の変更、及び処理の実行や、目次やメニュー選択する機能入力等がある。そこで、予め定めた複数の機能を選択指示することを表す指示情報を入力するようにすれば、予め定めた複数の機能を容易に選択することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0025】
〔第1実施の形態〕
第1実施の形態は、オペレータ(観察者)に対して立体画像を提示しながら空間座標入力する場合に本発明を適用したものである。
【0026】
図2に示すように、本実施の形態の立体画像表示装置10は、暗室60内に、本発明の表示手段としてのスクリーン16に画像を投影するプロジェクタ12を備えている。プロジェクタ12は、台座13上に取り付けられている。なお、プロジェクタ12は、立体表示のための画像を生成する制御装置14に接続されている。プロジェクタ12とスクリーン16との間で、プロジェクタ12により投影するときの光線を遮光しない位置には、スクリーン16側へ赤外線を照射する赤外線発信機15が設けられている。
【0027】
プロジェクタ12の投影側でスクリーン16より下流側にはオペレータOPが着座するためのシート24が位置している。シート24は台座26上に設けられ、この台座26は蛇腹28Aを介してモータ28に連結されている。モータ28は床上を移動可能な台車28Bに固定されており、モータ28の駆動によって、蛇腹28Aが伸縮する。この蛇腹28Aの伸縮により、台座26が上下方向(図2の矢印UD方向)に移動され、シート24に着座したオペレータOPが昇降する。このシート24に着座したオペレータOPの昇降は、車種に応じた車高の調整に用いられるものである。なお、オペレータOPの昇降では、スクリーン16に対してオペレータOPの位置が上下変動するため、台座26の昇降量を考慮することが好ましい。この場合、台座26の昇降量を検出する測定装置を設けることや、数値入力により昇降量を特定できる。
【0028】
上記台車28Bは、床上を所定方向(前後方向として図2の矢印FR方向、及び左右方向として図2の矢印RL方向)に移動可能である。この台車28Bの移動により、スクリーン16に対してオペレータOPの位置が変動するため、台車28Bの移動量を考慮することが好ましい。この場合、台車28Bの移動量を検出する測定装置を設けることや、数値入力により移動量を特定できる。
【0029】
オペレータOPは、位置座標等を入力するための位置入力装置18(詳細は後述)を所持している。この位置入力装置は、本発明の検出手段に相当する。また、オペレータOPの頭部には、本発明の立体視眼鏡としての液晶シャッタ眼鏡20が取り付けられており、この液晶シャッタ眼鏡20には位置センサ22が設けられている。位置センサ22は、磁界検出センサであり、オペレータOPの後方に設けられた磁界発生装置30から発生された磁界を検出して、位置センサ22が位置する3次元座標及び方向を検出するためのものである。
【0030】
なお、台座26には、磁界発生装置31が設けられている。この磁界発生装置31は、高精度で空間座標を検出することが必要な空間、例えばオペレータOPが操作可能な空間である操作空間の磁気座標を検出するために用いられる。この磁界発生装置31は、必要に応じて設ければよく、必須のものではない。
【0031】
オペレータOPの周囲で離間した位置には、光学測定装置17が設けられている。光学測定装置17は、TVカメラ17A,17B,17Cを備えており、TVカメラ17A〜17Cは市中7D及び台座17Eを介して床に固定されている。
【0032】
図3に示すように、制御装置14は、単数または複数のCPU34,RAM36,ROM38、及び入出力ポート40を含んだマイクロコンピュータで構成され、各々コマンドやデータ授受が可能なようにバス42によって接続されている。この入出力ポート40には、ドライバ55を介して赤外線発信機15が接続され、ドライバ57を介して光学測定装置17が接続されている。また、入出力ポート40にはドライバ44を介して位置入力装置18が接続され、ドライバ46を介して液晶シャッタ眼鏡20が接続され、ドライバ48を介して位置センサ22が接続されている。また、プロジェクタ12は、ドライバ50を介して入出力ポート40に接続されている。さらに、入出力ポート40には、ドライバ52を介してモータ28が接続され、ドライバ54を介して磁界発生装置30が接続されている。また、入出力ポート40にはドライバ56を介してキーボード32が接続されている。また、ROM38には、後述する処理ルーチンが記憶されている。
【0033】
また、入出力ポート40には、記録媒体としてのフロッピーディスク37が挿抜可能なフロッピーデュスクユニット(FDU)35が接続されている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDU35を用いてフロッピーディスク37に対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、ROM38に記憶することなく、予めフロッピーディスク37に記録しておき、FDU35を介してフロッピーディスク37に記録された処理プログラムを実行してもよい。また、制御装置14にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、フロッピーディスク37に記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDU35に代えてまたはさらにCD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
【0034】
図4に示すように、位置入力装置18は、ペン型形状のボデー62を有しており、先端部に磁界を検出する検出部64が取り付けられると共に、検出するタイミングを指示するための指示部66が取り付けられている。位置入力装置18は制御装置14に接続されている。検出部64の先端には、オペレータOPによる座標指示を容易とするために、針状の突起64Aが設けられている。
【0035】
なお、本実施の形態では、3次元の座標入力及び表示を正確にするため、詳細は後述するが、実座標と空間座標(磁界を検出することにより特定する位置)との対応を求めている。この場合、位置入力装置18として、図5に示すポインタ19を用いて光学測定装置17による光学的な計測により対応を求めている。
【0036】
図5(A)に示すポインタ19は、長尺上で後端から先端に向かい徐々に幅が狭くされ空間位置の指示が容易な形状とされている。このポインタ19には、先端付近及び後端付近に画像検出のためのマーク19Mが設けられている。これらのマーク19Mを検出することにより、ポインタ19により指示した空間位置及び方向を特定することができる。なお、図5(A)に示すポインタ19も位置入力装置18と同様に、その先端に、オペレータOPによる座標指示を容易とするために、針状の突起19Aが設けられている。図5(B)に示すポインタ19は、T字形状をしており、各々の端部付近にマーク19Mが設けられている(合計3個)。なお、これらのマーク19Mは上記個数に限定されるものではなく、少なくとも2つ以上すなわち複数あればよい。
【0037】
次に、本実施の形態の作用を説明する。立体画像を表示させる場合、オペレータOPが目視するときの視点が移動したり、立体画像上に描画等を行うためにオペレータOPの例えば手による操作が移動したりする。これらの移動はその許容範囲内において大きさ及びその移動量や精度が異なるものとなる。このため、実空間と、磁界検出による検出位置とを一義的に対応させたのでは、誤差が多いことがある。そこで、本実施の形態では、実空間における実際の空間位置と位置センサで検出した仮想空間となり得べき空間位置との対応について、複数の空間を設定しその空間毎に補正している。
【0038】
立体画像表示装置10に電源が投入されると、制御装置14において、図1の処理ルーチンが実行される。まず、ステップ100では立体画像表示ためにスクリーン位置設定やオペレータOPの視点位置設定を含む初期設定がなされる。次のステップ102では実空間内全てにおける実際の空間位置と位置センサで検出した仮想空間となり得べき空間位置との誤差を補正するための全体空間補正処理による全体補正行列が求められ、次のステップ104ではオペレータOPの視点空間内における実際の空間位置と位置センサで検出した空間位置との誤差を補正するための視点空間補正処理による視点補正行列が求められ、次のステップ106ではオペレータOPの操作空間内における実際の空間位置と位置センサで検出した空間位置との誤差を補正するための操作空間補正処理による操作補正行列が求められる。次に、ステップ108では全体空間内に含まれる視点空間および操作空間に対する緩衝領域(ブレンド領域)を設定して緩衝領域内における実際の空間位置と位置センサで検出した空間位置との誤差を補正するための緩衝領域補正処理による緩衝補正行列が求められる。そして、次のステップ110では、上記求められた各行列を基にして実際の空間位置と位置センサで検出した空間位置との誤差が補正(空間補正)された仮想空間上に立体画像表示がなされる。
【0039】
なお、上記ステップ102乃至ステップ110の処理は、本発明の演算手段の処理に相当する。
【0040】
上記ステップ100ではスクリーン16上に表示する画像の3次元位置を正確に把握するためのスクリーン位置設定及びオペレータOPの実際の視点位置を定めるための視点位置設定を含む初期設定がなされる。この初期設定は、スクリーン16の実空間上の位置を設定する。例えば、スクリーン16は固定されているため、スクリーン16を実空間の基準位置とするように座標系を設定する。オペレータOPの位置は、上記のように、台車の移動や昇降により変動するため、標準的なオペレータOPが着座したことを想定して設定する。
【0041】
次に、ステップ102(図1)の詳細を説明する。このステップ102では、実空間内の全体空間補正処理をする。全体空間とは、磁界発生装置30(及び31)による位置検出可能な空間を少なくとも含むオペレータOP周辺の領域をいう。
【0042】
図1のステップ102では、図6の空間補正処理が実行される。まず、図6のステップ112において、図示しない格子プレートを実空間内に設置する。この格子プレートは、透明板に一定間隔の目盛が付与されており、光学測定装置17で計測が可能に構成されている。例えば、透明板に直交する方向にすなわち格子状に所定間隔dで打点する。そして、スクリーン16とオペレータOPとの間の距離が計測できる方向に設置する。
【0043】
次にステップ114ではポインタ19を用いて、格子プレート上で複数の点を指示する。これと共に、ペン型の位置入力装置18の先端部の検出部64をポインタ19のマーク19Mに位置させて、指示部66により検出を指示する。次のステップ116では光学測定装置17のTVカメラ17A〜17Cによりポインタを撮像することにより、光学的位置検出を行う。次のステップ118では、TVカメラ17A〜17Cにより撮像した画像を画像処理してポインタ19のマーク19Mから空間座標値(光学座標値)を求める。次のステップ120では、位置入力装置18の指示部66による指示で磁界を検出することにより、指示したポインタ19のマーク19Mの座標値を入力する。これにより、磁界検出による座標値を算出することができる。
【0044】
上記ステップ112乃至ステップ120の処理は、全体空間である3次元空間の全てを網羅するように、格子プレートを設置して繰り返すことが望ましい。なお、光学的な検出は、複数のTVカメラによって画像処理により求めることができる場合には、省略が可能である。
【0045】
上記光学的に実空間の座標導出と、磁界検出により座標導出とが終了すると、次のステップ122において、実空間の座標値(光学座標値)と、磁界検出の座標値(磁気座標値)とを用いて、これらの対応関係を求める。すなわち、磁気座標値を光学座標値に変換する4×4行列を求める。この4×4行列は、複数の対応関係から最小二乗法によって求めることができる。4×4行列を求めた後には、各行列成分を正規化し、また直交化し、補正行列とする。なお、行列成分の正規化や直交化は省略することもできる。
【0046】
上記のようにして求めた補正行列を全体補正行列とする。これによって、磁界の検出により入力された座標値は、補正行列を用いて実際の光学座標値に変換することができる。
【0047】
なお、上記空間補正処理では、格子プレートを用いることなく、空間フレーム座標データを予め用意し、そのデータによりフレームを表示することによっても可能である。例えば、空間フレーム座標データは、3次元空間上にて所定間隔dの座標値をXYZの各方向に所定個(例えばm個)有する座標データとして、各座標点を直線で結ぶことにより、辺の長さdの所定の大きさの小立方体が積み重ねられた辺の長さmdの立方体を構成することができる。この空間フレーム座標データによるフレーム表示は、長さdの間隔で糸やレーザ光線(図示省略)をXYZの各方向に直交するように配置することにより形成することができる。
【0048】
この場合、表示されたフレームの交点座標を入力する、すなわち、位置入力装置18の先端部の検出部64を表示されたフレームの複数の交点に位置させて、各々で指示部66により検出を指示して磁界を検出することにより、表示されたフレームの交点座標を入力することができる。
【0049】
次に、ステップ104(図1)の詳細を説明する。このステップ104では、実空間内の視点空間補正処理をする。視点空間とは、オペレータOPの視点位置の移動許容範囲を少なくとも含む領域をいう。
【0050】
図1のステップ104では、上記全体空間補正処理と同様に、図6の空間補正処理が実行される。なお、本処理は図6の処理と同様のため、同一符号を用いて略説する。まず、視点空間を計測可能なように、図示しない格子プレートを実空間内に設置する(図6のステップ112)。なお、視点空間は、全体空間に比べ高精度で検出する必要があるため、格子プレートは、全体空間計測に比べてより細かな目盛を付与する。
【0051】
次に、格子プレート上の複数の点でポインタ19のマーク19Mを位置させ、ポインタ19のマーク19Mに位置入力装置18の検出部64を位置させて指示し(ステップ114)、TVカメラ17A〜17Cにより撮像した画像を画像処理して空間座標値(光学座標値)を求めかつ磁界を検出して磁気座標値を入力する(ステップ116〜120)。この処理を、視点空間を網羅するように、行う。
【0052】
これらの実空間の座標値(光学座標値)と、磁界検出の座標値(磁気座標値)とを用いて対応関係、すなわち、磁気座標値を光学座標値に変換する4×4行列を求め、行列成分の正規化や直交化して求めた補正行列を視点補正行列とする(ステップ122)。これによって、視点空間内で磁界検出により入力された座標値は、補正行列を用いて実際の光学座標値に変換することができる。
【0053】
次に、ステップ106(図1)の詳細を説明する。このステップ106では、実空間内の操作空間補正処理をする。操作空間とは、オペレータOPの操作が可能な空間すなわちオペレータOPの手が移動可能な移動許容範囲を少なくとも含む領域をいう。
【0054】
図1のステップ106では、上記全体空間補正処理と同様に、図6の空間補正処理が実行される。なお、本処理は図6の処理と同様であるため、異なる部分を略説する。まず、操作空間を計測可能なように、図示しない格子プレートを実空間内に設置する(図6のステップ112)。なお、操作空間も上記視点空間と同様に、全体空間に比べ高精度で検出する必要があるため、格子プレートは、全体空間計測に比べてより細かな目盛を付与する。
【0055】
そして、ポインタ19及び位置入力装置18の指示により、空間座標値(光学座標値)及び磁界検出による磁気座標値を入力する(ステップ114〜120)。この処理を、操作空間を網羅するように行い、実空間の座標値(光学座標値)と、磁界検出の座標値(磁気座標値)とを用いて対応関係である磁気座標値を光学座標値に変換する4×4行列を求めて行列成分の正規化及び直交化した補正行列を視点補正行列とする(ステップ122)。これによって、操作空間内で磁界検出により入力された座標値は、補正行列を用いて実際の光学座標値に変換することができる。
【0056】
次に、ステップ108(図1)の詳細を説明する。このステップ108では、緩衝空間補正処理をする。全体空間内において複数の空間が重複したり隣り合ったりするときに、座標変換による座標値が不連続になることがある。緩衝空間とは、このような不連続を解消するための領域であり、座標変換が全域に渡って滑らかに変換できるようにした領域をいう。
【0057】
図9に示すように、全体空間80内には、視点空間84及び操作空間82が含まれている。視点空間84は視点の移動範囲すなわち頭部の移動範囲を網羅した空間であり、操作空間82はオペレータOPの操作が可能な範囲すなわち腕の旋回や上下移動範囲を網羅した空間である。
【0058】
なお、図9の例では全体空間80内に視点空間84及び操作空間82が含まれているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、全体空間80に視点空間84及び操作空間82の2つの空間が存在する場合を説明したが、2つの空間に限定されるものではなく、1つの空間のみであってもよくまた3つ以上の空間が存在してもよい。この空間の分類には、次の包含関係にある分類と、分割関係にある分類がある。
【0059】
図7には、包含関係にある分類として、全体空間80内に、小空間80A,80B.80Cが含まれた概念を示した。図8には、分割関係にある分類として、全体空間80を、分割空間81A,81B.81C,81D,81E,81F,81G,81Hに分割した概念を示した。
【0060】
上記空間の分類は、磁界検出による空間(磁気座標により定まる空間)で分類してもよく、また、実空間において分類してもよい。また、分類する空間の計上は、平面や曲面を有する空間であってもよく、球体や断面楕円形状となる空間であってもよい。
【0061】
なお、上記空間の分類は、本発明の小領域を設定することに相当し、本実施の形態では、全体空間、視点空間及び操作空間を一例にしている。
【0062】
次に、図1のステップ108の詳細を説明する。図1のステップ108では、図10の緩衝補正処理が実行される。なお、以下、説明を簡単にするため、視点空間84及び操作空間82の2つの空間について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の空間について行っても良い。また、操作空間82に視点空間84が包含されるものとして説明する。
【0063】
まず、図10のステップ130において空間を1つ選択する。次のステップ、132では、上記選択した空間(視点空間84)に隣合う空間(包含される空間及び包含する空間を含む)が存在するか否かを判断し、隣合う空間が存在するまで、空間選択を繰り返す。ステップ132で肯定されると、次のステップ134で隣合う空間を1つ選択する。ここでは、ステップ130で選択する空間として視点空間84を選択し、隣合う空間として操作空間82(または全体空間80)を選択する。次のステップ136では、緩衝領域を設定し、次のステップ138では双方の補正行列を読み取り、次のステップ140で補正値を求める。次のステップ142では隣合う空間(包含される空間及び包含する空間を含む)に対する上記処理が全て終了したか否かを判断し、全て終了のときに本ルーチンを終了する。
【0064】
次に、上記緩衝領域処理の作動を具体的に説明する。ここでは、視点空間84が、操作空間82(全体空間80でもよい。)の内側に存在する、2つの空間に関する緩衝領域処理について説明する。なお、以下の説明では、視点空間84と操作空間82とについて説明する。
【0065】
図11に示すように、視点空間84の外側には操作空間82が位置している。視点空間84と、操作空間82とは、境界Kをもって接していることを想定する。この操作空間82で視点空間84と接する側に緩衝領域83を設定する。図11の例では、緩衝領域83は、視点空間84から所定幅(長さL)の領域となるように設定している。まず、視点空間84の中心を基準点Aとして実空間の座標を決定し、視点空間84の補正行列をM1として、磁気座標上における位置Bを求める(B=M1−1・A)。次に、位置入力装置18により磁気座標上における位置Cを検出し、位置Bと位置Cとの間の距離dを求める(d=|B−C|)。この距離dが緩衝領域83内に存在するとき(0<e≦L:e=d−r)、位置Cは緩衝領域83内に存在するので、補正を実施する。
【0066】
上記の補正について詳細に説明する。図12(A)に示すように、オペレータOPは、視点空間84と操作空間82の境界付近に位置している場合を説明する。これらの視点空間84と操作空間82に、図12(B)に示すように、緩衝領域83が設定される。ここで、視点空間84の補正行列をM1、操作空間82の補正行列をM2、位置入力装置18により得られる座標値をXとし、変換座標値をYとする。
【0067】
視点空間84の補正行列による座標変換(磁気座標から実座標への変換)では、 Y=M1・X、であり、
操作空間82の補正行列による座標変換(磁気座標から実座標への変換)では、 Y=M2・X、である。
【0068】
このため、変換結果に差異が生じることがあるので、視点空間84と操作空間82の境界付近の緩衝領域83では、これら補正行列に重みを付与(重み係数a,bを付与)して合成(ブレンド)する。すなわち、
Y=a・M1・X+b・M2・X、とする。
【0069】
上記重み係数a,bは次式で求めることができる。
【0070】
a=(1+cos(d・π/L))/2
b=(1−cos(d・π/L))/2
すなわち、図13に示すように、重み係数a,bは、視点空間84から離間するに従って徐々に小さくなる関数となる。この重み付けは、区分線形関数、ガウス関数、ガンマ関数、シグモイド関数、三角関数の何れか及びその組み合わせを用い、空間の基準点からの距離でブレンドする(本実施の形態では三角関数と区分線形関数の組み合わせを用いた)。ブレンド幅も位置により変更が可能である(本実施の形態ではL=100mmを採用)。ブレンド幅は境界線のその形状を異ならせても良い。ブレンドは、複数の空間補正をブレンドしてもよい。
【0071】
このように、本実施の形態では、複数の空間を設定し、空間毎の補正行列に重みを付与している。例えば位置検出精度に応じて領域を設定して領域毎に補正行列を求める。そして、空間の間で滑らかに座標変換が可能となるように緩衝領域を設けて補正値を求めている。この補正値を緩衝領域による補正行列として記憶してもよく、関数のみを記憶して求めるようにしてもよい。
【0072】
なお、上記では、複数空間が隣接する場合に一方の空間側に緩衝領域を設定した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数空間に渡り緩衝領域を設けても良く、また重複する空間に緩衝領域を設けても良い。例えば、図14に示すように、複数空間に渡り緩衝領域を設ける場合、双方の領域(空間)に幅L1,L2(L1=L2でもよい)を設定する。この緩衝領域に上記のようにして重みを付すことにより、座標変換特性を補間でき、補間特性によって、座標変換特性を滑らかにできる。また、図15に示すように、重複する空間に緩衝領域を設ける場合、重複空間K1の外側にそれぞれ緩衝領域を設定する。なお、この緩衝領域は、重複空間K1に設定してもよい。この緩衝領域に上記のようにして重みを付すことにより、座標変換特性を補間でき、補間特性によって、座標変換特性を滑らかにできる。
【0073】
次に、ステップ110(図1)の詳細を説明する。このステップ110では、上記で求めた補正行列を用いて座標変換を行い、立体画像を表示する。
【0074】
まず、立体画像の表示について図16を参照して簡単に説明する。瞳孔間距離PDのオペレータOPは、左眼の視点L、及び右眼の視点Rからスクリーン16を目視する。このスクリーン16上には、画像データによる画像が表示される。この画像データから瞳孔間距離PD及びスクリーン16までの距離が考慮されて、視差を含んだ左眼用画像GL及び右眼用画像GRが生成され、左眼用画像GL及び右眼用画像GRが交互に表示される。瞳孔間距離PDは、予め計測してもよく、また、標準的な数値を用いても良い。
【0075】
上記の左眼用画像GL及び右眼用画像GRの表示の切り換えに同期して、液晶シャッタ眼鏡20の左眼部と右眼部との光の透過が切り換えられる。これによって、左眼により目視される左眼用画像GLまでの領域と、右眼により目視される右眼用画像GRまでの領域との重複領域が仮想物体を表示できる仮想空間Vrとなり、左眼用画像GL及び右眼用画像GRの表示による仮想物体が立体表示される。
【0076】
なお、立体画像の表示は、スクリーン16上に表示する左眼用画像GL及び右眼用画像GRの重複領域を変化させることで、左眼により目視される左眼用画像GLまでの領域と、右眼により目視される右眼用画像GRまでの領域との重複領域を変化させることができ、仮想物体を表示できる仮想空間Vrの大きさを変更することができる。
【0077】
図1のステップ110の処理では、図17に示す立体画像表示処理ルーチンが実行される。なお、本ルーチンは、仮想立体空間内に立体画像を表示させると共に位置入力装置18により線画等の描画を行うものである。まず、ステップ200において仮想空間上に仮想物体を表示するための画像データを読み取り、次のステップ202において位置センサ22を読み取ってオペレータOPの位置を読み取る。次のステップ204では、読み取った位置センサ22の座標値(磁気座標値)を実空間の座標値に変換し、変換された座標値を元にして次のステップ206において画像データを補正して、補正された画像データによって次のステップ206で立体画像を表示する。
【0078】
次に、ステップ210において位置入力装置18により線画等の描画指示がなされたか否かを判断し、否定判断のときは、ステップ202へ戻り、立体画像表示を繰り返す。一方、ステップ210で肯定判断のときは、ステップ212へ進み、位置入力装置18により指示された磁気座標を読み取り、次のステップ214で位置入力装置18の座標値(磁気座標値)を実空間の座標値に変換する。この座標変換では、上記で説明したように、空間毎に補正行列を用いて実座標を導出すると共に、緩衝領域では、重みを付して補正行列による演算結果が求められる。
【0079】
次のステップ216では、変換された座標値を元にして画像データに描画する線が等の画像データを合成して、合成された画像データによって次のステップ2018立体画像を表示する。上記処理は、表示終了の指示されるまで(ステップ220で否定)繰り返し実行する。
【0080】
このように、本実施の形態では、全体空間内に複数の部分空間を定め、各空間について磁気座標値から実座標値へ変換する補正行列を求め、複数の空間が重複したり隣り合ったりする場合に、補正行列に重みを付与して補間している。これによって、磁気検出により座標値を正確かつ高速に求めることができる。また、空間中の位置に関係なく座標変換による座標値が不連続になることもない。従って、高精度な位置検出が必要とされる空間(領域)を必要に応じて設定することができ、精度向上と速度向上の双方の要求を満たすことができる。
【0081】
〔第2実施の形態〕
次に、第2実施の形態を説明する。なお、本実施の形態は、上記実施の形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
立体画像を表示し線画等を描画する場合、線の種類や太さ等の仕様を決定したり変更したりすることがある。また、点画や線画の変更や色の選択等のコマンド入力が必要な場合がある。このような入力には、別個のスイッチを設けることが考えられるが、装置が複雑化すると共に、操作が煩雑になる。そこで、本実施の形態では、コマンドン入力のための領域を予め定めたものである。
【0083】
図18に示すように、本実施の形態では、視点空間の中心付近を基準点としてその基準点を通過しスクリーンと平行な平面KPにより、全体空間80を座標入力空間86と、コマンド入力空間88とを分離している。従って、図18(A)に示すように、座標入力空間86内において位置入力装置18を操作する場合には、検出する磁気座標値は座標入力のための値として用いられる。一方、図18(B)に示すように、コマンド入力空間88において位置入力装置18を操作する場合には、その検出がコマンド入力として用いられる。
【0084】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態では、図1の処理と略同様であり、図1のステップ110が実行されると、図19の処理ルーチンが実行される。図19のステップ230では、位置入力装置18による指示でその位置検出がなされ、実空間座標が演算される。次のステップ232では、上記ステップ230で求めた座標値がコマンド空間88内に含まれるか否かを判断する。ステップ232で否定されたときは、位置入力装置18が座標入力空間86内に存在する場合であるため、ステップ236へ進み、上記実施の形態で説明した処理(図17)が実行される。
【0085】
一方、ステップ232で肯定されたときは、位置入力装置18がコマンド入力空間86内に存在する場合であるため、ステップ234へ進み、コマンド入力処理が実行される。このコマンド入力処理には、モード変更やメニュー表示及び選択の処理がある。モード変更には、線画入力モードと点画入力モードの切り替え指示があり、座標入力による線画入力及び点画入力の入力モードを切り替えることができる。
【0086】
従って、位置入力装置18が座標入力空間86内に存在するときには、線画の描画や点画の描画を行うことができ、位置入力装置18がコマンド入力空間86内に存在するときには、メニューを表示させたり、線画入力モードと点画入力モードの切り替えを指示したりすることができる。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態では、座標入力空間86と、コマンド入力空間88とを設定し、コマンド入力空間では、座標入力指示ではなく、コマンド入力を行うようにしたので、新規のスイッチを設けることなく、画像表示に関連する処理の実行や切換を容易に実行することができる。
【0088】
なお、上記実施の形態では、1つの磁界発生装置により発生された磁界を検出して磁気座標を求めた場合を説明したが、複数の磁界発生装置により発生された磁界についても本発明は適用が可能である。この場合、磁界毎に空間を定めて各空間について補正行列を求めればよい。また、磁界発生は、検出と同期して切り替えて使用することが好ましい。このように複数の磁界を用いるものとして、車両の室内立体表示が好適であり、立体画像としてインパネ表示を行い、インパネ上に設けられたスイッチの押圧検出が可能となる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、所定空間に設定された複数の小領域に、所定空間内の実座標と検出手段により検出される空間座標との対応関係が予め求め記憶され、検出された空間座標から、該空間座標の位置を含む小領域に属する対応関係を用いて指示位置の実座標を求める、すなわち、小領域に属する対応関係を用いて実座標を求めることができるので、実座標と検出座標に違いがあっても、対応関係により補正され、正確な座標を求めることができる、という効果がある。
【0090】
請求項2に記載の発明によれば、物体を立体的に表示するためには、左眼用画像及び右眼用画像を切り換えて表示するので、容易に実空間内の予め定めた所定空間に仮想物体を表示することができる、という効果がある。
【0091】
請求項3に記載の発明によれば、入力信号に基づいて光の透過及び非透過を切り換え可能な左眼用光学素子及び右眼用光学素子を備えた立体視眼鏡を用いるので、この立体視眼鏡により、左眼用画像及び右眼用画像に切り換え可能となり、実空間内の予め定めた所定空間内に表示された実際の物体に相当する仮想物体をオペレータに容易に認知させることができる、という効果がある。
【0092】
請求項4に記載の発明によれば、オペレータの位置を正確に特定したり、オペレータが指示した指示位置を正確に特定したりすることができ、正確に位置入力をすることができる、という効果がある。
【0093】
請求項5に記載の発明によれば、複数の小領域の一部が重複する重複部分に属する小領域の各対応関係に基づいて、重複部分内の実座標と検出手段により検出される空間座標との対応関係が記憶されるので、重複部分内にあっても実座標と空間座標との対応関係が一意に対応され、円滑に対応関係を構成ことができる、という効果がある。
【0094】
請求項6に記載の発明によれば、所定空間を分割して複数の小領域を設定するので、所定空間内の全域に渡って実座標と空間座標とを対応させることができる、という効果がある。
【0095】
請求項7に記載の発明によれば、隣り合う小領域の境界付近を含むように、予め定めた大きさの緩衝領域をさらに設定し、緩衝領域に属する小領域すなわち隣接する小領域の対応関係の各々に基づいて、緩衝領域内の実座標と空間座標との対応関係をさらに求めて記憶するので、隣り合う小領域に渡って実座標と空間座標との対応関係が不連続になることなく、円滑に対応関係を構成ことができる、という効果がある。
【0096】
請求項8に記載の発明によれば、実空間内に通常指示領域及び特定指示領域を定め、検出された実空間内位置が通常指示領域内に含まれる場合に求めた座標値を実座標値として入力しかつ、特定指示領域内に含まれる場合に制御情報を入力するようにするので、空間座標の入力と制御情報の入力とを容易に切り替えることができる、という効果がある。
【0097】
請求項9に記載の発明によれば、予め定めた複数の機能を選択指示することを表す指示情報を入力することができるので、複数の機能から任意の機能を容易に選択することが可能となる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる立体画像表示装置で立体画像を表示させる処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1実施の形態にかかる立体画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施の形態にかかる立体画像表示装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】位置入力装置の概略構成を示すイメージ図である。
【図5】ポインタの概略構成を示すイメージ図である。
【図6】立体画像表示処理における補正行列演算処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実空間を分類するものとして、包含関係にある分類を説明するための説明図である。
【図8】実空間を分類するものとして、分割関係にある分類を説明するための説明図である。
【図9】全体空間内に含まれる、視点空間及び操作空間を示すイメージ図である。
【図10】緩衝補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】視点空間と操作空間とについて緩衝領域を設定することを説明するための説明図である。
【図12】緩衝領域における補正の説明図であり、(A)はオペレータと視点空間と操作空間との関係を示し、(B)はさらに緩衝領域を示したものである。
【図13】補正行列の重みを説明するための説明図である。
【図14】複数空間にまたがる緩衝領域の補正行列の重みを説明するための説明図である。
【図15】複数空間が重複するときの補正行列の重みを説明するための説明図である。
【図16】立体画像表示の過程を説明するためのイメージ図である。
【図17】立体画像表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】座標入力空間とコマンド入力空間を示す線図であり、(A)は座標入力空間における入力状態を示し、(B)はコマンド入力空間における入力状態を示している。
【図19】第2実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 立体画像表示装置
12 プロジェクタ
14 制御装置
16 スクリーン
18 位置入力装置
20 液晶シャッタ眼鏡
22 位置センサ
30 磁界発生装置

Claims (9)

  1. 実空間内の予め定めた所定空間に仮想物体を表示する表示手段と、
    前記所定空間を少なくとも含む実空間内位置としてオペレータの視点位置及びオペレータによる指示位置の各々の空間座標を検出する検出手段と、
    前記所定空間内に前記オペレータの視点位置の移動許容範囲を少なくとも含む視点空間を含む複数の小領域を設定する設定手段と、
    前記視点空間を含む小領域をのぞく小領域の各々について、前記所定空間内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係を予め求め記憶しかつ、前記検出手段により検出された空間座標から、該空間座標の位置を含む小領域に属する対応関係を用いて前記指示位置の実座標を求めると共に、前記視点空間を含む小領域について前記所定空間内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係を前記視点空間を含む小領域をのぞく小領域に比べて詳細に予め求め記憶しかつ前記検出手段により検出された空間座標から該空間座標の位置を含む小領域に属する対応関係を用いて前記視点位置の実座標を求める演算手段と、
    前記演算手段により求めた前記視点位置及び前記指示位置の各々座標値を実座標値として入力する入力手段と、
    を備えた空間座標入力装置。
  2. 前記表示手段は、左眼用画像及び右眼用画像を切り換えて仮想物体を表示することを特徴とする請求項1に記載の空間座標入力装置。
  3. 前記表示手段は、各々入力された信号に基づいて光の透過及び非透過を切り換え可能な左眼用光学素子及び右眼用光学素子を備えた立体視眼鏡を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の空間座標入力装置。
  4. 前記検出手段は、オペレータの頭部位置を検出しかつ検出結果から前記視点位置を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空間座標入力装置。
  5. 前記設定された複数の小領域の一部が重複する場合、該重複部分に属する小領域の対応関係の各々に基づいて、重複部分内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空間座標入力装置。
  6. 前記設定手段は、前記所定空間を分割することにより複数の小領域を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空間座標入力装置。
  7. 前記隣接する複数の小領域について、予め定めた大きさの緩衝領域をさらに設定し、隣接する小領域の対応関係の各々に基づいて、緩衝領域内の実座標と前記検出手段により検出される空間座標との対応関係をさらに求めて記憶することを特徴とする請求項6に記載の空間座標入力装置。
  8. 前記実空間内に通常指示領域及び特定指示領域を予め定め、前記入力手段は、前記検出手段により検出された実空間内位置が通常指示領域内に含まれる場合に前記演算手段により求めた座標値を実座標値として入力すると共に、特定指示領域内に含まれる場合に予め定めた制御情報を入力することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の空間座標入力装置。
  9. 前記制御情報は、予め定めた複数の機能を選択指示することを表す指示情報であることを特徴とする請求項8に記載の空間座標入力装置。
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