JP3545865B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザビームとしてマルチビームを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のマルチビームを使用したものとして、特開平5−260266号公報に記載されたものが知られている。この発明は、複数のレーザビーム発生手段において、レーザビーム発生手段の外部の光量検出手段によって1本のビームの光量調整を行い、ビーム発生手段を内蔵したビーム光量検知手段によって複数のビーム光量を個々に調整するように構成されている。
【0003】
ところで、複写機やプリンタなどの画像形成装置で高速化を図ると、ビデオクロックが高速になり、使用できるICやレーザダイオード(以下、単に「LD」と称する。)ドライバがなくなるという問題があるので、LDアレーが使用される。LDアレー内にn個のLDが内蔵されたものを使用し、1回にnライン同時書き込みを行うと、ビデオクロック周波数を1/nにすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の従来技術のようにLDアレー内の光量検知素子、例えばホトダイオード(以下、「PD」と称する。)でキャリブレーションを行い、かつ、外部の同期検知素子でさらにキャリブレーションを行う方法は公知であり、この従来技術では各LDの光量が等しくなるようにキャリブレーションを行っている。ところが、LDはパッケージの温度が上昇すると、同じ光量を得るためにLDの電流が増加するという特性を持っている。したがって、例えば写真モードで原稿をコピーするときのようにLDの点灯率が高い場合、従来のようにLDアレー内のLDを個別に点灯させるというキャリブレーションの方式では、LD光量が目標値より低下し、画像濃度が薄くなるという問題がある。
【0005】
すなわち、従来のキャリブレーションの方式では、LDを1個ずつ単独に点灯させてLD内のPDのモニタ電流が設定値になるようにLD電流を設定していたが、LDアレーのLDが複数個同時に点灯する場合には、LDアレーのパッケージの温度が上昇するので、従来のようなキャリブレーションの方式では、LD光量が低下してしまうことになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、LDアレーの温度が上昇しても、LD光量が低下して画像濃度が薄くなることがない画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の手段は、複数のレーザダイオードがアレー状に並んだレーザダイオードアレーの第1のキャリブレーションをレーザダイオードアレーに内蔵された光量検出手段で実行し、第2のキャリブレーションを前記レーザダイオードアレー外部に設けた光量検出手段で実行する画像形成装置において、前記第2のキャリブレーションについて、前記複数のレーザダイオードのそれぞれを単独で点灯させて実行する第1のモードと、前記複数のレーザダイオードの全てを点灯させて実行する第2のモードとを設定するとともに、前記レーザダイオードアレーの温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出された温度が規定値より低い場合は前記第1のモードに切り換え、前記規定値より低くない場合は前記第2のモード切り換える切り換え手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の光学系の要部を示す概略構成図である。この光学系は、ポリゴンミラー1と、このポリゴンミラー1に対してレーザビームを入射させるLDアレー2、コリメートレンズ3およびビームコンプレッサ4からなる入射系と、ポリゴンミラー1で反射したレーザビームをfθレンズ5を介して感光体6上にスキャンさせる反射系とから基本的に構成されている。すなわち、LDアレー2はLD制御板7で制御され、LDアレー2から出射されたレーザビーム(レーザ光)8は、コリメートレンス3、ビームコンプレッサ4を通ってポリゴンミラー1に入射し、ポリゴンミラー1で走査され、fθレンズ5を通って感光体6に達する。その際、レーザビーム8は集光レンズ9を通って同時検知素子10を走査した後、感光体6を走査する。
【0011】
図2は図1の光学系の反射系を側面(水平方向)から見た図である。この実施形態では、1個のLDパッケージに3個のLDと1個のPDを収納し、一回の走査で3ビームが走査されるLDアレー2を例示しているが、パッケージ内蔵されるLDの数量が変わっても基本的な考え方は同じである。また、図3は図1の光学系の同期検知素子にレーザビームが入射するときの状態を示しており、LDの3ビームが集光レンズ9で集光された1個の同期検知素子10に入射する。
【0012】
図4は外部同期検知の検知回路を示すブロック図である。
LD光は同期検知素子10に入光すると、同期検知素子10内のPD10aが受光し、この受光に応じて電流Iが流れる。電流Iは抵抗Rを流れるのでコンパレータ11の入力電位は、
V1 =I×R
となる。V1 が比較電流Vref を越えると、コンパレータ出力にパルスが発生する。これが同期検知信号DETPである。V1 電圧は、V−I変換器12によってI4 に変換される。そして、このI4 は後述の図7の回路に入力される。
【0013】
図5はLDドライバ13の構成を示すブロック図である。同図において、LDアレー2内のホトトランジスタ10aのモニタ電流をI1 とすると、コンパレータ13bの一方の端子に入力されるV3 、すなわち、
V3 =I1 ×(RI+VR1 )
の電位が、他方の端子に入力されるレベル入力LVL1 と比較される。アンドゲート13aに入力されるPULSEとCALの信号のうちCALがHのとき、V3 がコンパレータ13bに入力されるレベル入力LVL1 と比較される。CAL信号Hのとき、V3 がLVL1 よりも低ければ、コンパレータ13bの出力はHとなり、コンデンサC1 がチャージされてV−I変換器13cのV2 の電位は上昇する。
【0014】
一方、V3 がLVL1 より高ければ、コンパレータ13bの出力はLとなり、コンデンサC1 はディスチャージされてV2 の電位は下降する。V2 電位はV−I変換器13cで電流I3 に変換され、この電流I3 がレーザダイオード(LD)2aの電流になる。V2 電位が上昇すればLD電流は増加し、下降すればLD電流は減少する。
【0015】
図6は、同期検知素子10による同期検知信号のタイミングを示すタイミングチャートである。同期検知の周期をT1 とし、LD光が同期検知素子10を横切る時間をT2 とすると、パルス幅T2 の同期検知パルスが発生する。
【0016】
図7は前述のLDアレー2とLDドライバ(制御板)7の回路構成を示すブロック図である。
図7において、CAL1a,2a,3aはLDユニット単体で光量を調整するためのキャリブレーション信号である。第1のLDドライバ(制御板)7aで第1のLD1 を制御し、第2のLDドライバ7bで第2のLD2 を制御し、第3のLDドライバ7cで第3のLD3 を制御する。各LDドライバ7a,7b,7cはゲイン調整用のボリュームVR1 ,VR2 ,VR3 を備えている。
【0017】
ここで、第1ないし第3のLD1 ないしLD3 の第1のキャリブレーションについて説明する。図7において、PULSE1 をHにし、CAL1aをH,SW4 をa側にし、SW1 をLVL1aにする。LVL1aを一定電圧(例えば1V)にしてLDアレーユニット2のLD1 の光量を測定し、LD1 の光量が規定光量になるようにVR1 を調整する。この場合、LD1 は点灯され、LD2 およびLD3 は消灯されている。
【0018】
次いで、PULSE2 をHにし、CAL2aをH、SW5 をa側にし、SW2 をLVL2aにする。LVL2aを一定電圧にしてLDアレーユニット2のLD2 の光量を測定し、LD2 の光量が規定光量になるようにVR2 を調整する。この場合LD1 およびLD3 は消灯され、LD2 のみが点灯される。
【0019】
さらに、PULSE3 をHにし、CAL3aをH、SW6 をa側にし、SW3 をLVL3aにする。LVL3aを一定電圧にしてLDアレーユニット2のLD3 の光量を測定し、LD3 の光量が規定光量になるようにVR3 を調整する。この場合、LD1 およびLD2 は消灯され、LD3 のみが点灯される。
【0020】
図8はモード1タイミングと記載されているタイミングでLDを個々単独に点灯させた場合の第2のキャリブレーションのタイミングを示すもので、同期検知素子部(10)の受光光量が設定光量になるようにLVL1b,LVL2b,LVL3bの値を設定する。例えば、同期検知素子部の受光光量が1mWが設定値で、そのときのLDドライバのレベル入力電圧が0.5Vだとすると、LVL1b,LVL2b,LVL3bの値を0.5Vに設定する。このときのタイミングおよび手順は以下のようになる。
【0021】
(1)最初の1ラインでPULSE1 をHにして、LD1 を発光させる。
(2)同期検知信号DETPがHになると、CLA1bをHにしてLDドライバ1(7a)のキャリブレーションを行う。
(3)SW1 をLVL1bに切り替える。
(4)SW4 をC側に切り替えて同期検知素子の電流I4 とLVL1b電圧を比較してLD1 の光量が規定光量になるようにキャリブレーションを行う。
次のライン(2ライン目)LD2 の調整を行う。
(5)PULSE2 をHにしてLD2 を発光させる。
(6)同期検知信号DETPがHになると、CAL2bをHにしてLDドライバ2(7b)のキャリブレーションを行う。
(7)SW2 をLVL2bに切り替える。
(8)SW5 をC側に切り替えて同期検知素子の電流I4 とLVL2b電圧を比較してLD2 の光量が規定光量になるようにキャリブレーションを行う。
次のライン(3ライン目)でLD3 の調整を行う。
(9)PULSE3 をHにしてLD3 を発光させる。
(10)同期検知信号DETPがHになると、CAL3bをHにしてLDドライバ3(7c)のキャリブレーションを行う。
(11)SW3 をLVL3bに切り替える。
(12) SW6 をC側に切り替えて同期検知素子の電流I4 とLCL3b電圧を比較してLD3 の光量が規定光量になるようにキャリブレーションを行う。
このようにしてLD個々に独立して第2のキャリブレーションを行うことができる。
【0022】
第2のキャリブレーションをLD全てを点灯させて行うモードのタイミング(モード2タイミング)を図9のタイミングチャートに示す。
【0023】
このモードでは、LDは温度が上昇すると、同じ光量を得るためにLDに流す電流が増加するという特性を持っていることから、以下のようにしてキャリブレーションが行われる。
【0024】
(1)PULSE1,2,3をHにして、LD1,2,3 を発光させる。
(2)同期検知信号DETPがHになると、CAL1b,2b,3bをHにしてLDドライバ1,2,3 のキャリブレーションを行う。
(3)同期検知素子部(10)の受光光量が設定光量になるようにLVL1b,2b,3bの値を設定する。同期検知素子部(10)の各LDの設定受光光量が1mWとすると、同期検知素子部の受光光量の総和は3mWになる。同期検知素子部(10)の各LD光量を1mWに設定するためのLDドライバのレベル入力電圧が0.5Vだとすると、LVL1b,2b,3bの値を0.5Vに設定する。
(4)CAL1b,2b,3bをHにすると同時にSW1 をLVL1bにセレクトし、SW2 をLVL2bにセレクトし、SW3 をLVL3bにセレクトする。
(5)SW4,5,6 をC側に切り替えて、同期検知素子の各LDドライバSENSE IN入力電流と各LDドライバのLVL電圧を比較してLD1,2,3 の光量が規定光量になるようにキャリブレーションを行う。
【0025】
この第2のキャリブレーションを行う光量検出手段は、レーザビームの走査タイミングを検出するための光検知手段(同期検知素子10)で構成されている。 また、この第2のキャリブレーションにおけるモード1とモード2との切り換えは温度検出素子によって検出される温度に基づいて行われる。この切り換えを行う回路は図10のブロック図に示す構成となっており、このときの処理手順を図11のフローチャートに示す。この構成では、LDアレーのそばに温度検出器21は配置され、この温度検出器21の出力は増幅器22で増幅されてA/Dコンバータ23でデジタル値に変換され、I/Oポート24を介してCPU25に入力される。CPU25は温度によってモード1,2のうちの1個を選択し、I/Oポート26を介して選択信号を出力する。そこでLDアレー2の温度が低温で、規定値T1 より低い場合はモード1が選択され(ステップ1101,1102)、LDを1個ずつ単独で発光させて前述のキャリブレーションを行う。LDアレー2の温度がT1 より高温の場合は、モード2が選択される(ステップ1101、1103)。モード2では、LDアレー2内のLDを全て発光させ、LDアレー2を高温にして前述の図9で示したようにしてキャリブレーションを行う。
【0026】
【発明の効果】
これまでの説明で明かなように、請求項1記載の発明によれば、レーザダイオードアレーの温度が低温のときも高温のときも、均一な濃度の形成画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザビーム走査系の概略構成図である。
【図2】図1のポリゴンミラーから感光体に至る光路の側面図である。
【図3】図1のポリゴンミラーから同期検知素子に至る光路の側面図である。
【図4】外部同期検知素子から同期検知信号を出力する回路構成を示す回路図である。
【図5】LDドライバの回路構成を示す回路図である。
【図6】同期検知信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】LDアレーとLDドライバの回路構成を示す回路図である。
【図8】LDを個々に点灯させてキャリブレーションを行う場合のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】LDを全て点灯させてキャリブレーションを行う場合のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】外部同期素子によって行うキャリブレーションの切り換えを温度検知素子によって行う場合の回路構成を示すブロック図である。
【図11】図10の回路で実行される切り換え手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ポリゴンミラー
2 LDアレー
3 コリメートレンズ
4 ビームコンプレッサ
5 fθレンズ
6 感光体
7 LD制御板
8 レーザビーム(レーザ光)
9 集光レンズ
10 同期検知素子
11 コンパレータ
12 VI変換器
13 LDドライバ

Claims (1)

  1. 複数のレーザダイオードがアレー状に並んだレーザダイオードアレーの第1のキャリブレーションをレーザダイオードアレーに内蔵された光量検出手段で実行し、第2のキャリブレーションを前記レーザダイオードアレー外部に設けた光量検出手段で実行する画像形成装置において、
    前記第2のキャリブレーションについて、前記複数のレーザダイオードのそれぞれを単独で点灯させて実行する第1のモードと、前記複数のレーザダイオードの全てを点灯させて実行する第2のモードとを設定するとともに、
    前記レーザダイオードアレーの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段によって検出された温度が予め設定された規定値より低い場合は前記第1のモードに切り換え、前記規定値より低くない場合は前記第2のモード切り換える切り換え手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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