JP3545544B2 - 鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法 - Google Patents

鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば海洋構造物において用いられ、高耐食性が求められる、鋼管または鋼管杭に耐食性金属薄板を被覆する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば海洋構造物においては、杭を海中に打ち込んで基礎を構築することが多い。この杭としては、一般には強度確保の観点から鋼管杭が用いられているが、この鋼管杭は、特に海水の飛沫帯での腐食の進行が大きく、耐用性に乏しいものになる。
このため、この海水飛沫帯に接する部分には、樹脂塗装またはポリエチレン、ウレタン系の重防食を施して用いられるようになってきている。
しかし、これらの塗装、重防食を施した鋼管杭においては、長期にわたって高耐食性を維持する点において限界があり、その寿命は塗装の場合で15〜20年、重防食の場合で40年と言われている。
【0003】
一方、杭の耐食性を高めるために、杭本体をステンレス鋼またはステンレス鋼等の耐食材と普通鋼によるクラッド鋼で形成することが提案されているが、このクラッド鋼による杭は、初期コストが高く高価なものになることから、あまり実用されていない。
このような不利を解消するために、特開平2−256713号公報には、防食処理を施した鋼管杭が提案されている。この鋼管杭は外表面に通常の塗装下地を施し、その上に耐食性および弾力性を有する接着性樹脂を被覆し、さらにエンボス状凹凸を形成した耐食性金属薄板を締め付けながら巻き付け、この薄板端部を折り込みまたはかしめて締結した防食鋼管杭である。
すなわち、塗装下地処理、樹脂被覆処理を必要とし、さらに鋼管杭の管径および被覆長さに対応した幅や長さを有するエンボス状凹凸を形成した耐食性金属薄板を被覆・締結しなければならず、高い生産性を確保することは難しい。また、被覆する耐食性金属薄板の鋼管円周方向に顕著な継ぎ目部が発生し、形状性に優れた被覆が難しくなる。
【0004】
他方、実開昭62−44948号公報には、被覆する金属金属薄板として耐食性に優れた耐食性金属薄板を用い防食処理を施した鋼管杭が提案されている。 この鋼管杭は、図8(a)に示すように、樹脂jcをコーティングした鋼管杭spの外周面に、チタン製のL型鋼sを溶接wにより取り付け、図8(b)に示すように、チタン板ts両端部を、前記L型鋼sにチタン製ボルト・ナットbnにより締め付け、鋼管杭sp表面を覆い防食する構成を有している。
しかしながら、この鋼管杭を形成する場合、鋼管杭にチタン製のL型鋼sを溶接して取り付ける必要があり製造コストが高く、鋼管杭の外表面に例えば樹脂被膜がある場合には、鋼管杭にL型鋼を接する際に溶接熱により被膜の有機溶剤が吐沸して溶接性が損なわれる懸念がある。
また、チタン板tsの鋼管杭spへの取り付けは、L型鋼sを介在させたボルト・ナットbnによる締め付け構造を採用しているため、この鋼管杭を海中に打ち込む場合には、このチタン板tsの取り付けをダイバーによる海中作業で行う必要があり作業性が悪く、取り付けコストも高くなるという問題がある。
【0005】
これらの他には、鋼管杭に耐食性金属板をスパイラル状に巻き付けて、その端縁同士を溶接する方法も提案されている。しかし、この場合は鋼管杭を回転させながら、耐食性金属板の端縁同士の重なり部を溶接するために、過不足が生じない精度で巻き付けるのはかなり難しく溶接不良を生じやすい。
このように、鋼管杭に耐食金属薄板を巻き付ける方法にあっては、その加工に問題があり、特に耐食性金属板の端縁同士の接合部形成には改善すべき点が残されている。
また、鋼管杭の外表面に、例えば樹脂被膜がある場合には、スパイラル状に巻き付けた耐食金属板の端縁同士を溶接する際には、溶接熱により塗料の有機溶剤が吐沸して溶接性が損なわれる懸念がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、例えば海洋構造物の基礎として用いられ高耐食性が要求される鋼管(杭)に、耐食性金属薄板を被覆する場合、鋼管(杭)に被膜を有している場合でも被膜の有機溶剤が溶接熱により吐沸して溶接性を阻害する等の問題もなく、確実、かつ効率よく溶接することを可能にする鋼管(杭)への耐食性金属薄板の被覆方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、並列配置した複数の定尺耐食性金属コイルから巻き戻される定尺耐食性金属薄板の側端部間に重ね部を形成し、該重ね部をインダイレクト抵抗溶接して所定幅の広幅耐食性金属薄板としながら、この広幅耐食性金属薄板の先端を鋼管または鋼管杭の外周面に溶接して直巻きで巻き付け、一回巻きしてから巻き付け開始端と所定幅で重なる重なり部を形成し、この重なり部でインダイレクト抵抗溶接を行うとともにこの重なり部の端部を切断することを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
【0008】
第二の発明は、並列配置した複数の定尺耐食性金属コイルから巻き戻される定尺耐食性金属薄板の側端部間に重ね部を形成し、該重ね部をインダイレクト抵抗溶接して所定幅の広幅耐食性金属薄板としながら、この広幅耐食性金属薄板の先端を被覆鋼管または被覆鋼管杭の外周面に固定して直巻きで巻き付け、一回巻きしてから巻き付け開始端と所定幅で重なる重なり部を形成し、この重なり部で裏当て金を当接したインダイレクト抵抗溶接を行うとともにこの重なり部の端部を切断することを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
【0009】
第三の発明は、第二の発明において、広幅の耐食性金属薄板を巻き付ける前に、被覆鋼管または被覆鋼管杭の裏当て金の当接領域を決め、この領域の被膜を加熱して軟化させ、この軟化領域に裏当て金を当接し加圧して埋め込んでおき、広幅の耐食性金属薄板の先端をこの裏当て金に溶接して直巻きで巻き付けることを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
【0010】
第四の発明は、第二または第三の発明において、広幅の耐食性金属薄板を被覆鋼管または被覆鋼管杭に巻き付ける際に、巻き付けられる該広幅耐食性金属薄板の両側端部が位置する被覆鋼管または被覆鋼管杭の被膜領域を加熱して被膜を軟化させ、この軟化領域に該広幅耐食性金属薄板の両側端部を埋め込みながら直巻きで巻き付けることを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、例えば海洋構造物の基礎として用いられ高耐食性が要求される被覆鋼管杭を回転させながら、その外周面に耐食性金属薄板を被覆する場合に、複数の定尺耐食性金属薄板を溶接して所定幅の広幅耐食性金属薄板としながら、鋼管または鋼管杭の外周面に直巻きで巻き付け、巻き付け開始端と巻き付け終端間の重なり部でインダイレクト抵抗溶接し、この重なり部の端部で切断することによって、鋼管または鋼管杭へ耐食性金属薄板を被覆するようにしたものである。
【0012】
このような方法で、定尺の耐食性金属薄板から所定幅の広幅の耐食性金属薄板を容易にかつ精度よく得ながら、被覆鋼管杭の外周面に1回巻きプラスα(重ね部形成)の直巻きによって被覆することができ、巻き付け精度を確保して被覆を確実化し、被覆の歩留まり、生産性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明では、被覆鋼管または被覆鋼管杭の外周面に広幅の耐食性金属薄板を巻き付けた後の溶接を、インダイレクト抵抗溶接とし、裏当て金を用いているので、被覆鋼管または被覆鋼管杭の被膜が溶接熱により吐沸して絶縁不良を起こすことを防止でき、溶接性を損なうことなく広幅の耐食性金属薄板を被覆することが可能である。
【0014】
本発明における耐食性金属薄板の被覆対象は、主として鋼管または鋼管杭であり、被覆を有していないもの、被覆を有するものでも、第一の発明〜第四の発明を使い分けることにより適用が可能である。
なお、本発明の技術思想は、断面形状が単純な棒(丸鋼)を被覆対象としても適用が可能である。
【0015】
被覆鋼管または被覆鋼管杭を耐食性金属薄板の被覆対象とする第二の発明においては、インダイレクト抵抗溶接の際、被膜保護のため裏当て金を配置するが、この場合、裏当て金配置部は盛り上がりが大きく、この周辺部において被覆鋼管または被覆鋼管杭の外表面と耐食性金属薄板の内面間に大きな間隙を生じてしまい、煩雑な側端部密閉の対策が別途必要になる。
【0016】
そこで、第三の発明では、裏当て金を配置する場合、極力前記の間隙を小さくして側端部密閉のための別途の対策を必要としないような配慮をしている。
すなわち、被覆鋼管または被覆鋼管杭に耐食性金属薄板を巻き付ける前に、耐食性金属薄板を巻き付けた場合に耐食性金属薄板の側端部が位置する被覆鋼管または被覆鋼管杭の被膜領域を加熱して被膜を軟化させ、この被膜の軟化領域に裏当て金を加圧し埋め込み、裏当て金による段差を小さくしている。
【0017】
また、第四の発明では、広幅の耐食性金属薄板を被覆鋼管または被覆鋼管杭に巻き付ける際に、巻き付けられる該広幅耐食性金属薄板の両側端部が位置する被覆鋼管または被覆鋼管杭被膜領域を加熱して被膜を軟化させ、この軟化領域に該広幅耐食性金属薄板の両側端部を埋め込みながら直巻きで巻き付けて、該広幅耐食性金属薄板の両側端部と被膜間の密着性を高め、密閉性を高めるようにしている。しかし、重なり部(溶接部)においては段差を生じ、間隙を生じるのは避けられないので、この間隙には必要に応じて樹脂、その他を充填して密閉性を確保することが好ましい。
【0018】
以下本発明を図に基づいて詳細に説明する。
図1、図2の例は、鋼管を被覆対象として第一の発明を実施するためのものである。
図において、1は鋼管で、3個の回転ローラ2a,2b,2cからなる回転装置2により回転可能である。
3〜6は鋼管1の長さ方向に並列配置された耐食性金属コイルで、この4つの耐食性金属コイルから定尺耐食性金属薄板3s〜6sが同時的に巻き戻され隣接する耐食性金属薄板の側端部間に、インダイレクト抵抗溶接するための重ね部dbが形成された状態でピンチローラー7により鋼管1側に搬送過程で、架台8に昇降装置を兼ねた加圧装置9を介して支持された3台のインダイレクト抵抗溶接機10a,10b,10cにより溶接され、広幅の耐食性金属薄板11に形成される。
【0019】
この広幅の耐食性金属薄板は支持ローラー12を経て鋼管1の外周面に供給され、その先端は、ストッパーStにより鋼管1の外周面の所定位置に停止させ、架台13に昇降装置を兼ねた加圧装置14を介して支持されたインダイレクト抵抗溶接機15により加圧状態で鋼管1の外周面に溶接される。
【0020】
このインダイレクト抵抗溶接機15は、軌道16上に載置され、鋼管1の長さ方向に移動自在であり、回動する電極18,19を間隔をあけ広幅耐食性金属薄板11の重なり部tbと非重なり部に位置し、重なり部を鋼管1の長さ方向に抵抗溶接することができる。
【0021】
広幅耐食性金属薄板11の先端を鋼管1の外周面に溶接した後、鋼管1を回転装置2により回転させることにより、広幅耐食性金属薄板11を直巻きで鋼管1に巻き付け1回巻きした後、巻き付け開始端部と巻き付け終端部間に所定の重なり部tbを形成したことを確認して、回転装置2による巻き付けを停止し、インダイレクト抵抗溶接機15で重なり部tbを鋼管1の長さ方向に溶接しながら、これに追従して移動する切断機17により鋼管1の長さ方向に切断することにより、広幅耐食性金属薄板11を鋼管1に被覆する。
【0022】
重なり部tbの形成の確認は、目視判断によってもよいし、例えば巻き付け角度計などの測定器(図示省略)を用い、この測定器で所定の巻き付け角度になったとき、回転装置2を停止させるようにしてもよい。
【0023】
定尺の耐食性金属薄板3s,4s,5s,6sをその幅方向に溶接して広幅耐食性金属薄板11を形成するためのインダイレクト抵抗溶接機10、および鋼管1に広幅耐食性金属薄板11を巻き付けた後に巻き付け開始端部と巻き付け終端部間の重なり部tbを溶接するために用いられるインダイレクト抵抗溶接機15は、使用場所がことなるため、構造は一部異なっているが、原理的には同じものである。
【0024】
ここでは、インダイレクト抵抗溶接機15について図3により概念的に説明しておく。
インダイレクト抵抗溶接機15は、図3に示すように、加圧装置14aを備えた溶接側ローラー電極18と、加圧装置9bを備えた非溶接側(アース側)広幅ローラー電極19とを備えており、溶接側ローラー電極18は、鋼管1に対する広幅耐食性金属薄板11の巻き付け開始端と巻き付け終端間に形成された重なり部tbの上面に加圧・当接され、非溶接側(アース側)広幅ローラー電極19は、溶接側ローラー電極18から距離x離れた広幅耐食性金属薄板11の非重なり部に加圧・当接されている。
【0025】
この2つのローラー電極は、電源20を介して接続されており、各ローラー電極18,19と電源20間の電源回路には、電気抵抗測定器21a,21bが配設されており、溶接中に各電極における電気抵抗を測定して、各電極における電気抵抗が所定領域に維持されるように、演算制御装置22を介して電源を制御することができる。
【0026】
また、各ローラー電極の加圧装置14a,14bには、加圧力測定器24a,24bが配設されており、溶接中に各電極における加圧力を測定して、各電極における加圧力が所定領域に維持されるように、演算制御装置22を介して加圧装置14a,14bによる加圧力を制御することができる。
【0027】
図中、Mはインダイレクト抵抗溶接機15を移動する駆動装置で、広幅耐食性金属薄板11の先端が鋼管1の巻き付け開始端に到達してストッパーStで停止した時点および広幅耐食性金属薄板11の巻き付けが終了して重なり部tbが形成されたところで駆動し、インダイレクト抵抗溶接機15を鋼管1の長さ方向に移動させ、この移動過程でインダイレクト抵抗溶接機15により、重なり部tbを溶接して広幅耐食性金属薄板11を鋼管1に被覆・固定することができる。
【0028】
インダイレクト抵抗溶接機15で重なり部tbを溶接した後、これに追従して移動する切断機(図2の17・・ここでは図示省略)により巻き付け端部を鋼管1の長さ方向に切断する。この切断機は、演算制御装置20を介してインダイレクト抵抗溶接機15と連動して制御できるようにしているが、ここでは図示を省略する。
なお、鋼管1とその外周面に被覆した広幅耐食性金属薄板11の側端間には樹脂、その他を介在させて水密性を確保することが有効である。
【0029】
図4は、被覆鋼管杭1kを被覆対象として第二の発明を実施する場合の例であり、第一の発明とは被覆対象を被覆鋼管杭とし、この被覆鋼管杭に広幅の耐食性金属薄板11を直巻きで巻き付け、インダイレクト抵抗溶接する場合に、被覆鋼管杭1kの被膜1cと広幅の耐食性金属薄板11間に裏当て金25を当接して、被膜1cが溶接熱により吐沸して絶縁不良が起こるのを防止して、十分な溶接性を確保するようにしている。
【0030】
すなわち、この際、裏当て金25は、被覆鋼管杭1kに広幅耐食性金属薄板11を巻き付ける際に挟み込むようにしてもよいが、この例では、第三の発明を併用し、図5に示すように、広幅の耐食性金属薄板11の巻き付け開始端と巻き付け終端部間の重なり部tbが位置する被覆鋼管杭1kの被膜1c領域に埋め込み、裏当て金25の当接による段差を小さくして、ここに生じる間隙aoを極力小さくするようにしている。
【0031】
裏当て金25を被覆鋼管杭1kの被膜1cに埋め込む方法としては、図6に示すように、広幅の耐食性金属薄板11を被覆鋼管杭1kに直巻きで巻き付ける前に、広幅の耐食性金属薄板11の巻き付け開始端と巻き付け終端間の重なり部が形成される被覆鋼管杭1kの被膜領域Aを、例えばバーナー26で100〜300℃に加熱して被膜1cを軟化(溶融)させ、ここに裏当て金25を当接して加圧ローラー27で加圧・固定する方法が好ましい。
【0032】
この場合、被覆鋼管杭1kの鋼管1に裏当て金25をスポット溶接して強固に固定してもよい。このように裏当て金25を被覆鋼管杭1kに強固に固定すれば、広幅耐食性金属薄板11の先端を、この裏当て金25に溶接して容易に固定することができる。
【0033】
図7は、第二の発明または第三の発明において、第四の発明を適用する場合のものである。
この例では、広幅の耐食性金属薄板11を被覆鋼管杭1kに巻き付ける際に、巻き付けられる広幅耐食性金属薄板11の両側端部が位置する被覆鋼管杭1kの被膜領域Ba,Bbをバーナー28a,28bで100〜300℃に加熱して被膜1cを軟化させ、この軟化領域に広幅耐食性金属薄板11の両側端部を埋め込みながら、直巻きで巻き付けることにより、被覆鋼管杭1kの被膜1cと、ここに巻き付けられた広幅の耐食性金属薄板11の両側端間の密着性を高めるとともに、溶接部の段差による間隙ao(図4,図5参照)を被膜1cによって遮蔽するようにしている。
なお、本発明を実施するための設備は、上記の例に限定されるものではない。例えば溶接装置の電極形状、当接・配置の位置、加圧装置、各種の測定および制御機構、ストッパー、それらの配置等については、被覆対象、被覆条件等に応じて変更されるものである。
また、耐食性金属としては、チタン、チタン合金、ステンレス、アルミニウム、亜鉛溶融メッキ鋼板、アルミニウム溶融メッキ鋼板などを用いることができる。
【0034】
【実施例】
図1〜図7に示されるような本発明を実施する被覆装置例を選択的に用いて、耐食性金属薄板として、4つのチタンコイルから定尺チタン薄板3s,4s,5s,6sを同時的に巻き戻し、隣接する定尺チタン薄板の側端部を重ねて溶接して広幅チタン薄板11として、これをポリエチレン系樹脂被膜を有する鋼管杭1kのの外周面に直巻きで巻き付け被覆する実験を行った。実験条件と評価結果について以下に説明する。
実験条件
・鋼 管:JIS A 5525
材 質:SKK400
厚 み:12mm
被 膜
材 質:ポリエチレン樹脂
厚 み:5mm
・定尺チタン薄板
材 質:JIS H4600の1種TP270C
板 幅:1219mm
厚 み:0.7mm
・広幅チタン薄板
板 幅:5000mm
・インダイレクト溶接機(10)
溶接電流:7970A
加圧力 :500〜1000kg
ローラー電極
溶接側
径 :150mm
接触幅:3mm
加圧力:100〜300kg/mm
非溶接側(アース側)
径 :150mm
接触幅:16mm
加圧力:480kg/mm一定
・インダイレクト溶接機(15)
溶接電流:10520A
加圧力 :90〜480kg/mm
ローラー電極
溶接側
径 :150mm
接触幅:3mm
加圧力:100〜300kg/mm
非溶接側(アース側)
径 :150mm
接触幅:16mm
加圧力:480kg/mm一定
溶接速度:2500m/min
裏当て金
材 質:JIS G3101 SS400
板 幅:150mm
厚 み:6mm
【0035】
第一の発明、第二の発明、第三の発明、第四の発明の各発明について、それぞれ被覆実験を行い、得られた溶接部における強度、水密性被膜への影響状況等について検査を行った。その結果、第一の発明による場合には、十分な溶接強度を確保することができ、従来のスパイラル巻きによる場合に比して、被覆形成作業は極めて容易であり、被覆の歩留まり、生産性を向上することができた。
【0036】
第二の発明による場合には、被覆鋼管杭の被膜の有機溶剤の吐沸に起因する絶縁不良の発生もなく、十分な溶接強度を確保することができ、第一の発明と同様、スパイラル巻きによる場合に比し、被覆形成作業は極めて容易であり、被覆の歩留まり、生産性を向上することができた。
【0037】
第二の発明に第三の発明を併用した場合には、第二の発明の場合の効果に加え、溶接部の段差を小さくして段差に生じる間隙を小さくすることができ、この間隙遮蔽のための樹脂充填作業が軽微で、広幅チタン薄板と被覆鋼管杭の被膜との密着性を改善できた。
【0038】
第二の発明または第三の発明に第四の発明を併用した場合には、第二の発明または第三の発明の効果に加え、溶接部の段差を被覆鋼管の被膜により遮蔽することができ、広幅チタン薄板と被覆鋼管杭の被膜との密着性を改善して、間隙遮蔽のための樹脂充填作業を省略し、被覆の生産性をさらに向上することができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明においては、複数の耐食性金属コイルから耐食性金属薄板を同時的に巻き戻し、隣接する耐食性金属薄板の側端部を重ねた状態で溶接して広幅の耐食性金属薄板とし、これを鋼管(杭)に1回プラスα(重ね部形成)の直巻きによって被覆することができ、巻き付け精度を確保して被覆を確実化し、被覆の歩留まり、生産性を向上させることができる。
【0040】
また、被覆鋼管(杭)の外周面に広幅耐食性金属薄板を巻き付けた後の溶接を、インダイレクト抵抗溶接とし、裏当て金を用いているので、被覆鋼管(杭)外周面の被膜による介在物の影響がなく、溶接性を損なうことなく被覆することが可能である。
【0041】
さらに、裏当て金を用いる場合において、裏当て金、広幅耐食性金属薄板の側端を被覆鋼管(杭)の被膜に埋め込むようにすることにより、広幅耐食性金属薄板の側端と被覆鋼管(杭)の被膜との密着性を改善し、溶接部の段差に生じる間隙に対する樹脂等の充填作業を軽微乃至省略することができ、被覆の生産性をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する耐食性金属薄板の被覆設備の配置例を示す側面概念説明図。
【図2】図1の一部断面平面概念説明図。
【図3】本発明のにおける溶接部例と、この溶接部を得るためのインダイレクト抵抗溶接装置例を示す部分側面概念説明図。
【図4】本発明における他の溶接部例を示す部分側面概念説明図。
【図5】本発明における他の溶接部例を示す部分側面概念説明図。
【図6】(a)図は本発明における裏当て金の埋め込み方法例を示す部分側面概念説明図、(b)図は(a)図の側断面概念説明図。
【図7】図4または図5における広幅耐食性金属薄板の側端の埋め込み方法例を示す部分側面概念説明図。
【図8】従来の鋼管杭へのチタン薄板の被覆例を示す立体概念説明図で、(a)図は鋼管杭へのL型鋼の取り付け状態を示し、(b)図は鋼管杭への耐食性金属板の取り付け状態を示す。
【符号の説明】
1 鋼管
1k 被覆鋼管杭
1c 被膜
2 回転装置
2a,2b,2c 回転ローラー
3,4,5,6 耐食性金属薄板コイル
3s,4s,5s,6s 定尺耐食性金属薄板
7 ピンチローラー
8 架台
9,9a,9b 加圧装置
10,10a,10b,10c インダイレクト抵抗溶接機
11 広幅耐食性金属薄板
12 支持ローラー
13 架台
14a,14b 加圧装置
15 インダイレクト抵抗溶接機
M 駆動装置
16 軌道
db 重ね部
17 切断機
18 溶接側ローラー電極
19 非溶接側(広幅)ローラー電極
x ローラー電極間距離
20 電源
21a,21b 電気抵抗測定器
22 演算器
24a,24b 加圧力測定器
St ストッパー
tb 重なり部
ao 間隙
25 裏当て金
26 バーナー
A 加熱領域
27 加圧ローラー
28a,28b バーナー
Ba,Bb 加熱領域
sp 鋼管
tb 重なり部
s L型鋼
Jc 樹脂
ts チタン板
bn チタン製ボルト・ナット
tb 重なり部

Claims (4)

  1. 並列配置した複数の定尺耐食性金属コイルから巻き戻される定尺耐食性金属薄板の側端部間に重ね部を形成し、該重ね部をインダイレクト抵抗溶接して所定幅の広幅耐食性金属薄板としながら、この広幅耐食性金属薄板の先端を鋼管または鋼管杭の外周面に固定して直巻きで巻き付け、一回巻きしてから巻き付け開始端と所定幅で重なる重なり部を形成し、この重なり部でインダイレクト抵抗溶接を行うとともにこの重なり部の端部を切断することを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
  2. 並列配置した複数の定尺耐食性金属コイルから巻き戻される定尺耐食性金属薄板の側端部間に重ね部を形成し、該重ね部をインダイレクト抵抗溶接して所定幅の広幅耐食性金属薄板としながら、この広幅耐食性金属薄板の先端を被覆鋼管または被覆鋼管杭の外周面に固定して直巻きで巻き付け、一回巻きしてから巻き付け開始端と所定幅で重なる重なり部を形成し、この重なり部で裏当て金を当接したインダイレクト抵抗溶接を行うとともにこの重なり部の端部を切断することを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
  3. 請求項2において、広幅の耐食性金属薄板を巻き付ける前に、被覆鋼管または被覆鋼管杭の裏当て金の当接領域を決め、この領域の被膜を加熱して軟化させ、この軟化領域に裏当て金を当接し加圧して埋め込んでおき、広幅の耐食性金属薄板の先端をこの裏当て金に溶接して直巻きで巻き付けることを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
  4. 請求項2または請求項3において、広幅の耐食性金属薄板を被覆鋼管または被覆鋼管杭に巻き付ける際に、巻き付けられる該広幅耐食性金属薄板の両側端部が位置する被覆鋼管または被覆鋼管杭の被膜領域を加熱して被膜を軟化させ、この軟化領域に該広幅耐食性金属薄板の両側端部を埋め込みながら直巻きで巻き付けることを特徴とする鋼管または鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法。
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