JP3545260B2 - 半導体集積回路試験装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子の動作時電流や微少電流の電気的特性を測定する半導体集積回路試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高周波増幅器等の半導体集積回路の直流特性および高周波特性を同時に測定する試験装置としては、図7に示すものが用いられている。同図において、高周波信号電力増幅器等の半導体集積回路1の入力側には高周波信号源4が接続され、出力側には高周波特性測定器5が接続される。また、電源端子に接続された電源ラインには直流電源2と電流測定器3が接続され、さらにバイパスコンデンサ6が接続されている。
【0003】
高周波信号電力増幅器等の半導体集積回路1は、通常大きな利得を有しているために、直流電源2から電源電圧を集積回路の電源端子、例えばコレクタ端子に単に加えるだけでは半導体集積回路1が発振し、本来の増幅器としての特性を測定できなくなるという問題がある。そこで、バイパスコンデンサ6を図7に示すように接続することによって、半導体集積回路(増幅器)内部で発生した発振の原因となる雑音信号をグラウンドに落とすことによってこの発振を抑制するようにしている。接続されるバイパスコンデンサ6の容量値としては、数nFから数μF程度である。
【0004】
ところで、半導体集積回路の電気的特性試験モードの1つに、電流遮断時のリーク電流等を測定する微少電流測定モードがある。この微少電流は、例えば、コレクタ端子電流を遮断するようなモードで集積回路を動作させている時の漏れ電流で、数nA〜数10nA程度の微少な値である。ところが、このような微少電流測定モードを実施する場合、直流電源2の試験電圧を印加した直後にバイパスコンデンサ6に対して集積回路のリーク電流値に比べて非常に大きな過渡電流(例えば、数μA程度)が流れ込み、見かけ上このリーク電流が検出されてしまい、試験結果に大きな誤差を生じることになる。この場合、バイパスコンデンサ6に流れ込む過渡電流が0となるまでに数秒を要するので、実際の試験では、測定プログラムに電圧印加から数秒の待機時間を取った後、電流値を測定するという手順を取る必要があり、試験速度を遅くする原因となって、試験に係るコスト増大を招来する問題がある。
【0005】
そこで、上記問題を解決するために、特公平6−95130号公報に示されているように、バイパスコンデンサ6と電源端子間に外部から制御可能なスイッチを挿入し、上記微少電流測定時にはこのスイッチをオフすることによって上記の問題を解決するようにしたものがある。この方法を適用した例を図8に示す。図7と対比して、図8に示す構成ではバイパスコンデンサ6に直列にスイッチ7が追加されている。リーク電流を測定する微少電流測定モードでは、回路電流が非常に小さいために被測定回路である半導体集積回路1の利得は極めて小さく発振の問題は生じない。そこで、この測定モードにおいてスイッチ7をオフしてバイパスコンデンサ6を無効としてから測定動作を開始する。また、大きな電流値を流して利得の大きくなるモードでの測定の場合にはこのスイッチ7をオンしてバイパスコンデンサ6を有効にして発振抑制を行う。これによって、高周波電力増幅器等の半導体集積回路の電気的特性試験の時間を極めて短くして効率的な試験を可能にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来の装置において、スイッチ7には、電磁スイッチ、PINダイオード、FETスイッチ等の部品の使用が考えられる。ところが、これらの部品の使用には以下のような問題がある。
【0007】
電磁スイッチ:バイパスコンデンサ7は被測定素子のできるだけ近くに設置されていないと発振抑制の効果が小さいが、電磁スイッチの場合にはそのサイズが大型化してしまうために、被測定素子のすぐそばに設置することは困難となってしまう。また、接点部が不安定となる欠点もある。
【0008】
PINダイオード:電磁スイッチのようなサイズの問題を生じることがないが、オンさせるために端子の両端にバイアス印加が必要であるために、この印加電圧によってバイパスコンデンサにやはり電流が流れてしまい、微少電流測定値(リーク電流測定値)の精度が悪くなったり、または回路構成に工夫が必要となって構成が複雑となる欠点がある。
【0009】
FETスイッチ:サイズの問題や電流による悪影響の問題をある程度なくすことができるが、オン時の直流抵抗が数オームあるために、動作電流測定モードにおいてバイパスコンデンサの効果を半減させる欠点がある。
【0010】
この発明は、簡易な構成で微少電流測定モードとそれ以外の動作電流測定モード等の電気的特性試験の時間を極めて短くして効率的な試験を可能にした半導体集積回路試験装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下のように構成される。
【0012】
(1)電流測定のための第1の直流電源と、これに直列に接続される電流計と、被測定半導体素子に接続される電源ラインに一端が接続されたバイパスコンデンサと、該バイパスコンデンサの他端に接続される第2の直流電源と、被測定半導体素子の微少電流測定以外の電流測定時には第2の直流電源を0Vに制御するとともに前記バイパスコンデンサの第2の直流電源側を接地し、被測定半導体素子の微少電流測定時には第1の直流電源と第2の直流電源のバイパスコンデンサ両端にかかる電圧値および印加タイミングを略一致させる制御部と、を備えている(請求項1)。
【0013】
この発明では、バイパスコンデンサの電源側にスイッチを設けていないために、接点上の問題、スイッチオンオフにともなう電流や抵抗による問題を生じることがない。また、微少電流測定時にはバイパスコンデンサへの充電電流が生じないために測定開始時までの待ち時間が不要であり、また、動作電流測定時など微少電流測定以外の電流測定時においては従来と同様にバイパスコンデンサによって発振電流の抑制をすることができる。なお、バイパスコンデンサ両端に印加される電圧や印加タイミングは完全に一致させなければならないものではなく、ある程度の誤差は許容される。ここでいう略一致とは、この誤差の許容を含んでいる。
【0014】
(2)第2の直流電源に並列に接続した可変抵抗を備え、前記制御部は、該可変抵抗の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項2)。
【0015】
第1の電源と第2の電源のバイパスコンデンサ両端にかかる電圧値および印加タイミングを完全に一致させるのは困難な場合があるが、この発明のように第2の直流電源に並列に可変抵抗を接続して、この値を変化させて上記印加タイミングを調整することで、測定精度を向上することができる。
【0016】
(3)第2の直流電源に並列に接続した可変容量を備え、前記制御部は、該可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項3)。
【0017】
可変抵抗に代えて可変容量を使っても同様に測定精度の向上を図ることができる。
【0018】
(4)第2の直流電源に各々並列に接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項4)。
【0019】
さらに、可変抵抗と可変容量をそれぞれ第2の直流電源に並列接続することによっても同様な効果を期待できる。
【0020】
(5)第2の直流電源に並列に直列接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項5)。
【0021】
また、第2の直流電源に並列に可変抵抗と可変容量を直列接続しても同じような効果を期待できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態である半導体集積回路試験装置について図面を参照して説明する。この実施形態の半導体集積回路試験装置は、半導体集積回路の一例である高周波電力増幅回路を試験するもので、以下、この部分の基本的な構成について説明する。
【0023】
図1は、第1の実施例の構成図である。
【0024】
高周波電力増幅回路からなる被測定半導体集積回路1の入力側には高周波信号源4、出力側には高周波特性測定器5が接続され、電源ラインにはバイパスコンデンサ6の一端が接続され、該バイパスコンデンサの他端には第2の直流電源7が接続されている。また、上記電源ラインには、従来の装置と同様に電流計3と第1の直流電源2が接続されている。
【0025】
第1の直流電源2と第2の直流電源7は、それらの電圧印加時に各電圧値と印加タイミングが一致するように制御部10によって制御される。この実施例では、第1の直流電源2と第2の直流電源7は同じ電源電圧であって、微小電流測定モードにおいては、制御部10はこれらの2つの直流電源の印加タイミングを一致させる。また、動作電流測定モードにおいては、第2の直流電源7を0Vに制御し、バイパスコンデンサ6の第2の直流電源側をグラウンドに接地して、従来の図7と同様な発振防止動作を行わせる。
【0026】
上記微少電流測定モードにおいては、バイパスコンデンサ6の過渡電流は、その容量値をC、両端に係る電圧差をVc、過渡電流値をIcとした時、過渡電流Icは以下の式によって表される。
【0027】
Ic=C・(dVc/dt)
すなわち、(dVc/dt)=0またはVc=0であれば、過渡電流Icは0となって流れない。過渡電流Icが流れないことによって、図8のスイッチ7をオフした時と同様の動作を行わせることができる。そこで、制御部10は、リーク電流を測定する時など微少電流測定モードにおいては、直流電源2と7の電圧印加時にその電圧値と印加タイミングを一致させる制御を行う。なお、制御部10は、直流電源2および7による電圧印加を開始するためのスイッチ手段を備えているが、このスイッチ手段はバイパスコンデンサ6の回路に対して何ら影響を与えるものでない。
【0028】
図1に示す構成によって、理想的にはバイパスコンデンサ6の両端には時間的に常に同じ電圧、すなわち端子間が常に0Vとなるために、従来問題となっていたバイパスコンデンサ6への過渡電流流れ込みがなくなって、測定のための電圧印加から測定までの待機時間をおかずとも微少電流測定を行うことが可能となる。しかし、実際には、両直流電源2および7につながる配線の容量値/抵抗値のちがいや前回測定値の残留電荷の影響等によって印加タイミングがずれることがある。このずれについては制御部10の制御プログラムの中で電圧印加順や微少な待機時間を設定することによって解消できる。ずれの調整は、被測定半導体集積回路1を接続しない状態で電圧印加を行い、電流計3の指示値が0となるようにすることによって行う。以下、このずれの調整を行える実施例について説明する。
【0029】
図2は、第2の実施例であって、図1で生じるタイミングのずれを解消することができる。構成において、図1に示す実施例と相違する点は、バイパスコンデンサ6とグラウンド間に可変抵抗8を接続し、この値を調整することによって配線のCR時定数を変更して、より細かな調整を可能にしている。ずれの調整は、前述のように被測定半導体集積回路1を接続しない状態で直流電源2および7の電圧印加を行って電流計3の指示値が電源オン直後から0となるように行う。
【0030】
図3は、第3の実施例である。この実施例では、図2の第2の実施例の可変抵抗8に代えて可変容量9を接続している。この回路構成においても、可変容量9の値を調整することによって配線のCR時定数を変更することができ、より細かな調整が可能になる。
【0031】
さらに、図4は第4の実施例を示している。この回路においては、可変抵抗8と可変容量9を、それぞれ第2の直流電源7に並列に接続している。また、図5は第5の実施例である。この実施例では、第2の直流電源7に対して、可変抵抗8と可変容量9の直列回路を並列に接続している。以上の第4および第5の実施例においても、配線のCR時定数を変更することによってより細かな調整が可能になる。
【0032】
なお、可変抵抗8は、チップトリマポテンショメータなど、可変容量9はチップトリマコンデンサなどによって構成することができる。
【0033】
以上各実施例で示した回路をパッケージング後、半導体集積回路の試験装置に適用する場合には、コンデンサ、可変抵抗、可変容量などの各素子をプリント基板上に配置し、上記被測定半導体集積回路配置部とこのプリント基板を接続する。また、ウェハ状態で被測定半導体集積回路の測定を行うことが出来る。この場合は、直流プローブカードに上記各素子の配置と必要な配線をする。
【0034】
上記の各実施例では、回路により印加タイミングを調整するものであるが、制御部10の試験プログラムによって2つの直流電源2および7の印加タイミングを一致させるための調整をすることも可能である。図6は、プログラムによって上記印加タイミングを調整する手法(第6の実施例)を示している。
【0035】
すなわち、第1の直流電源2をオンした後、ウエイト時間Tを設定し、この時間Tが経過するまで待って第2の直流電源7をオンする。この後測定処理に移る。ウエイト時間Tはユーザが任意に入力可能である。また、回路の状況によっては、最初に第2の直流電源7をオンして、所定時間経過してから第1の直流電源2をオンする場合もある。さらに、両方の直流電源2および7を同時にオンして、第2の直流電源7の電圧値の初期値を変え、所定の時間内に第1の直流電源2の電源電圧に移行させたりする、などのプログラムにすることもできる。
【0036】
【発明の効果】
この発明によれば、微少電流測定モードと、それ以外の動作電流測定モードなどの電流測定モードの両立を簡便に実現することができ、且つ、両方の測定モードにおいて測定精度を良くすることができ、また、測定時間を短縮化でき、試験効率を向上してコスト低減を可能にする。また、半導体集積回路がパッケージングされた後の試験だけではなく、ウェハ状態での試験時にも適用でき適用範囲が非常に広くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である半導体集積回路試験装置の第1の実施例の基本構成図を示す。
【図2】第2の実施例の構成図を示す。
【図3】第3の実施例の構成図を示す。
【図4】第4の実施例の構成図を示す。
【図5】第5の実施例の構成図を示す。
【図6】第6の実施例の構成図を示す。
【図7】半導体集積回路試験装置の従来の構成を示す図
【図8】従来の他の構成を示す図
【符号の説明】
1−半導体集積回路
2−第1の直流電源
3−電流計
4−高周波信号源
5−高周波特性測定器
6−バイパスコンデンサ
7−第2の直流電源
10−制御部
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子の動作時電流や微少電流の電気的特性を測定する半導体集積回路試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高周波増幅器等の半導体集積回路の直流特性および高周波特性を同時に測定する試験装置としては、図7に示すものが用いられている。同図において、高周波信号電力増幅器等の半導体集積回路1の入力側には高周波信号源4が接続され、出力側には高周波特性測定器5が接続される。また、電源端子に接続された電源ラインには直流電源2と電流測定器3が接続され、さらにバイパスコンデンサ6が接続されている。
【0003】
高周波信号電力増幅器等の半導体集積回路1は、通常大きな利得を有しているために、直流電源2から電源電圧を集積回路の電源端子、例えばコレクタ端子に単に加えるだけでは半導体集積回路1が発振し、本来の増幅器としての特性を測定できなくなるという問題がある。そこで、バイパスコンデンサ6を図7に示すように接続することによって、半導体集積回路(増幅器)内部で発生した発振の原因となる雑音信号をグラウンドに落とすことによってこの発振を抑制するようにしている。接続されるバイパスコンデンサ6の容量値としては、数nFから数μF程度である。
【0004】
ところで、半導体集積回路の電気的特性試験モードの1つに、電流遮断時のリーク電流等を測定する微少電流測定モードがある。この微少電流は、例えば、コレクタ端子電流を遮断するようなモードで集積回路を動作させている時の漏れ電流で、数nA〜数10nA程度の微少な値である。ところが、このような微少電流測定モードを実施する場合、直流電源2の試験電圧を印加した直後にバイパスコンデンサ6に対して集積回路のリーク電流値に比べて非常に大きな過渡電流(例えば、数μA程度)が流れ込み、見かけ上このリーク電流が検出されてしまい、試験結果に大きな誤差を生じることになる。この場合、バイパスコンデンサ6に流れ込む過渡電流が0となるまでに数秒を要するので、実際の試験では、測定プログラムに電圧印加から数秒の待機時間を取った後、電流値を測定するという手順を取る必要があり、試験速度を遅くする原因となって、試験に係るコスト増大を招来する問題がある。
【0005】
そこで、上記問題を解決するために、特公平6−95130号公報に示されているように、バイパスコンデンサ6と電源端子間に外部から制御可能なスイッチを挿入し、上記微少電流測定時にはこのスイッチをオフすることによって上記の問題を解決するようにしたものがある。この方法を適用した例を図8に示す。図7と対比して、図8に示す構成ではバイパスコンデンサ6に直列にスイッチ7が追加されている。リーク電流を測定する微少電流測定モードでは、回路電流が非常に小さいために被測定回路である半導体集積回路1の利得は極めて小さく発振の問題は生じない。そこで、この測定モードにおいてスイッチ7をオフしてバイパスコンデンサ6を無効としてから測定動作を開始する。また、大きな電流値を流して利得の大きくなるモードでの測定の場合にはこのスイッチ7をオンしてバイパスコンデンサ6を有効にして発振抑制を行う。これによって、高周波電力増幅器等の半導体集積回路の電気的特性試験の時間を極めて短くして効率的な試験を可能にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来の装置において、スイッチ7には、電磁スイッチ、PINダイオード、FETスイッチ等の部品の使用が考えられる。ところが、これらの部品の使用には以下のような問題がある。
【0007】
電磁スイッチ:バイパスコンデンサ7は被測定素子のできるだけ近くに設置されていないと発振抑制の効果が小さいが、電磁スイッチの場合にはそのサイズが大型化してしまうために、被測定素子のすぐそばに設置することは困難となってしまう。また、接点部が不安定となる欠点もある。
【0008】
PINダイオード:電磁スイッチのようなサイズの問題を生じることがないが、オンさせるために端子の両端にバイアス印加が必要であるために、この印加電圧によってバイパスコンデンサにやはり電流が流れてしまい、微少電流測定値(リーク電流測定値)の精度が悪くなったり、または回路構成に工夫が必要となって構成が複雑となる欠点がある。
【0009】
FETスイッチ:サイズの問題や電流による悪影響の問題をある程度なくすことができるが、オン時の直流抵抗が数オームあるために、動作電流測定モードにおいてバイパスコンデンサの効果を半減させる欠点がある。
【0010】
この発明は、簡易な構成で微少電流測定モードとそれ以外の動作電流測定モード等の電気的特性試験の時間を極めて短くして効率的な試験を可能にした半導体集積回路試験装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下のように構成される。
【0012】
(1)電流測定のための第1の直流電源と、これに直列に接続される電流計と、被測定半導体素子に接続される電源ラインに一端が接続されたバイパスコンデンサと、該バイパスコンデンサの他端に接続される第2の直流電源と、被測定半導体素子の微少電流測定以外の電流測定時には第2の直流電源を0Vに制御するとともに前記バイパスコンデンサの第2の直流電源側を接地し、被測定半導体素子の微少電流測定時には第1の直流電源と第2の直流電源のバイパスコンデンサ両端にかかる電圧値および印加タイミングを略一致させる制御部と、を備えている(請求項1)。
【0013】
この発明では、バイパスコンデンサの電源側にスイッチを設けていないために、接点上の問題、スイッチオンオフにともなう電流や抵抗による問題を生じることがない。また、微少電流測定時にはバイパスコンデンサへの充電電流が生じないために測定開始時までの待ち時間が不要であり、また、動作電流測定時など微少電流測定以外の電流測定時においては従来と同様にバイパスコンデンサによって発振電流の抑制をすることができる。なお、バイパスコンデンサ両端に印加される電圧や印加タイミングは完全に一致させなければならないものではなく、ある程度の誤差は許容される。ここでいう略一致とは、この誤差の許容を含んでいる。
【0014】
(2)第2の直流電源に並列に接続した可変抵抗を備え、前記制御部は、該可変抵抗の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項2)。
【0015】
第1の電源と第2の電源のバイパスコンデンサ両端にかかる電圧値および印加タイミングを完全に一致させるのは困難な場合があるが、この発明のように第2の直流電源に並列に可変抵抗を接続して、この値を変化させて上記印加タイミングを調整することで、測定精度を向上することができる。
【0016】
(3)第2の直流電源に並列に接続した可変容量を備え、前記制御部は、該可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項3)。
【0017】
可変抵抗に代えて可変容量を使っても同様に測定精度の向上を図ることができる。
【0018】
(4)第2の直流電源に各々並列に接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項4)。
【0019】
さらに、可変抵抗と可変容量をそれぞれ第2の直流電源に並列接続することによっても同様な効果を期待できる。
【0020】
(5)第2の直流電源に並列に直列接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる(請求項5)。
【0021】
また、第2の直流電源に並列に可変抵抗と可変容量を直列接続しても同じような効果を期待できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態である半導体集積回路試験装置について図面を参照して説明する。この実施形態の半導体集積回路試験装置は、半導体集積回路の一例である高周波電力増幅回路を試験するもので、以下、この部分の基本的な構成について説明する。
【0023】
図1は、第1の実施例の構成図である。
【0024】
高周波電力増幅回路からなる被測定半導体集積回路1の入力側には高周波信号源4、出力側には高周波特性測定器5が接続され、電源ラインにはバイパスコンデンサ6の一端が接続され、該バイパスコンデンサの他端には第2の直流電源7が接続されている。また、上記電源ラインには、従来の装置と同様に電流計3と第1の直流電源2が接続されている。
【0025】
第1の直流電源2と第2の直流電源7は、それらの電圧印加時に各電圧値と印加タイミングが一致するように制御部10によって制御される。この実施例では、第1の直流電源2と第2の直流電源7は同じ電源電圧であって、微小電流測定モードにおいては、制御部10はこれらの2つの直流電源の印加タイミングを一致させる。また、動作電流測定モードにおいては、第2の直流電源7を0Vに制御し、バイパスコンデンサ6の第2の直流電源側をグラウンドに接地して、従来の図7と同様な発振防止動作を行わせる。
【0026】
上記微少電流測定モードにおいては、バイパスコンデンサ6の過渡電流は、その容量値をC、両端に係る電圧差をVc、過渡電流値をIcとした時、過渡電流Icは以下の式によって表される。
【0027】
Ic=C・(dVc/dt)
すなわち、(dVc/dt)=0またはVc=0であれば、過渡電流Icは0となって流れない。過渡電流Icが流れないことによって、図8のスイッチ7をオフした時と同様の動作を行わせることができる。そこで、制御部10は、リーク電流を測定する時など微少電流測定モードにおいては、直流電源2と7の電圧印加時にその電圧値と印加タイミングを一致させる制御を行う。なお、制御部10は、直流電源2および7による電圧印加を開始するためのスイッチ手段を備えているが、このスイッチ手段はバイパスコンデンサ6の回路に対して何ら影響を与えるものでない。
【0028】
図1に示す構成によって、理想的にはバイパスコンデンサ6の両端には時間的に常に同じ電圧、すなわち端子間が常に0Vとなるために、従来問題となっていたバイパスコンデンサ6への過渡電流流れ込みがなくなって、測定のための電圧印加から測定までの待機時間をおかずとも微少電流測定を行うことが可能となる。しかし、実際には、両直流電源2および7につながる配線の容量値/抵抗値のちがいや前回測定値の残留電荷の影響等によって印加タイミングがずれることがある。このずれについては制御部10の制御プログラムの中で電圧印加順や微少な待機時間を設定することによって解消できる。ずれの調整は、被測定半導体集積回路1を接続しない状態で電圧印加を行い、電流計3の指示値が0となるようにすることによって行う。以下、このずれの調整を行える実施例について説明する。
【0029】
図2は、第2の実施例であって、図1で生じるタイミングのずれを解消することができる。構成において、図1に示す実施例と相違する点は、バイパスコンデンサ6とグラウンド間に可変抵抗8を接続し、この値を調整することによって配線のCR時定数を変更して、より細かな調整を可能にしている。ずれの調整は、前述のように被測定半導体集積回路1を接続しない状態で直流電源2および7の電圧印加を行って電流計3の指示値が電源オン直後から0となるように行う。
【0030】
図3は、第3の実施例である。この実施例では、図2の第2の実施例の可変抵抗8に代えて可変容量9を接続している。この回路構成においても、可変容量9の値を調整することによって配線のCR時定数を変更することができ、より細かな調整が可能になる。
【0031】
さらに、図4は第4の実施例を示している。この回路においては、可変抵抗8と可変容量9を、それぞれ第2の直流電源7に並列に接続している。また、図5は第5の実施例である。この実施例では、第2の直流電源7に対して、可変抵抗8と可変容量9の直列回路を並列に接続している。以上の第4および第5の実施例においても、配線のCR時定数を変更することによってより細かな調整が可能になる。
【0032】
なお、可変抵抗8は、チップトリマポテンショメータなど、可変容量9はチップトリマコンデンサなどによって構成することができる。
【0033】
以上各実施例で示した回路をパッケージング後、半導体集積回路の試験装置に適用する場合には、コンデンサ、可変抵抗、可変容量などの各素子をプリント基板上に配置し、上記被測定半導体集積回路配置部とこのプリント基板を接続する。また、ウェハ状態で被測定半導体集積回路の測定を行うことが出来る。この場合は、直流プローブカードに上記各素子の配置と必要な配線をする。
【0034】
上記の各実施例では、回路により印加タイミングを調整するものであるが、制御部10の試験プログラムによって2つの直流電源2および7の印加タイミングを一致させるための調整をすることも可能である。図6は、プログラムによって上記印加タイミングを調整する手法(第6の実施例)を示している。
【0035】
すなわち、第1の直流電源2をオンした後、ウエイト時間Tを設定し、この時間Tが経過するまで待って第2の直流電源7をオンする。この後測定処理に移る。ウエイト時間Tはユーザが任意に入力可能である。また、回路の状況によっては、最初に第2の直流電源7をオンして、所定時間経過してから第1の直流電源2をオンする場合もある。さらに、両方の直流電源2および7を同時にオンして、第2の直流電源7の電圧値の初期値を変え、所定の時間内に第1の直流電源2の電源電圧に移行させたりする、などのプログラムにすることもできる。
【0036】
【発明の効果】
この発明によれば、微少電流測定モードと、それ以外の動作電流測定モードなどの電流測定モードの両立を簡便に実現することができ、且つ、両方の測定モードにおいて測定精度を良くすることができ、また、測定時間を短縮化でき、試験効率を向上してコスト低減を可能にする。また、半導体集積回路がパッケージングされた後の試験だけではなく、ウェハ状態での試験時にも適用でき適用範囲が非常に広くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である半導体集積回路試験装置の第1の実施例の基本構成図を示す。
【図2】第2の実施例の構成図を示す。
【図3】第3の実施例の構成図を示す。
【図4】第4の実施例の構成図を示す。
【図5】第5の実施例の構成図を示す。
【図6】第6の実施例の構成図を示す。
【図7】半導体集積回路試験装置の従来の構成を示す図
【図8】従来の他の構成を示す図
【符号の説明】
1−半導体集積回路
2−第1の直流電源
3−電流計
4−高周波信号源
5−高周波特性測定器
6−バイパスコンデンサ
7−第2の直流電源
10−制御部
Claims (5)
- 電流測定のための第1の直流電源と、これに直列に接続される電流計と、被測定半導体素子に接続される電源ラインに一端が接続されたバイパスコンデンサと、該バイパスコンデンサの他端に接続される第2の直流電源と、被測定半導体素子の微少電流測定以外の電流測定時には第2の直流電源を0Vに制御するとともに前記バイパスコンデンサの第2の直流電源側を接地し、被測定半導体素子の微少電流測定時には第1の直流電源と第2の直流電源のバイパスコンデンサ両端にかかる電圧値および印加タイミングを略一致させる制御部と、を備えた半導体集積回路試験装置。
- 第2の直流電源に並列に接続した可変抵抗を備え、前記制御部は、該可変抵抗の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる、請求項1記載の半導体集積回路試験装置。
- 第2の直流電源に並列に接続した可変容量を備え、前記制御部は、該可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる、請求項1記載の半導体集積回路試験装置。
- 第2の直流電源に各々並列に接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる、請求項1記載の半導体集積回路試験装置。
- 第2の直流電源に並列に直列接続した可変抵抗と可変容量を備え、前記制御部は、該可変抵抗及び可変容量の値を変化させて前記印加タイミングを略一致させる、請求項1記載の半導体集積回路試験装置。
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