JP3075135B2 - Lsiテスタ - Google Patents

Lsiテスタ

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JP3075135B2
JP3075135B2 JP07089017A JP8901795A JP3075135B2 JP 3075135 B2 JP3075135 B2 JP 3075135B2 JP 07089017 A JP07089017 A JP 07089017A JP 8901795 A JP8901795 A JP 8901795A JP 3075135 B2 JP3075135 B2 JP 3075135B2
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榮二 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検査素子に測定信号
を入力して当該被検査素子を検査するLSIテスタに掛
り、特に多チャンネルの信号線間でのクロストークや被
検査素子からの漏れ電流が測定精度に悪影響を及ぼさな
いような改良したスイッチ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIテスタは、例えば本出願人の提案
にかかる特開平3−170884号公報に開示されてい
るように、所謂二重シールド線構造を用いて、被検査素
子DUTとの間を接続している。このような装置では、
被検査素子の複数の端子に接続をして、各端子を同時に
検査できるように、多チャンネルの出力線を有する。各
出力線には切替えスイッチが装着されており、所定の順
序で被検査素子に対して大電流を注入して、被検査素子
の異常/正常を判別している。ところで、大電流(例え
ば10A)を流すことから、検査素子の定格電流がμA
レベルの場合には、大電流を流す信号線にとってのクロ
ストークが微量であっても(例えばmAレベル)、μA
レベルの信号を測定する検査端子にとっては大きな誤差
となる。
【0003】図4はクロストークの説明図である。出力
アンプ10は6出力構成となっており、各出力線にはス
イッチが設けられている。被検査素子20は、例えば2
個になっており、各素子には3出力線が接続されてい
る。ここでは第1スイッチがオンされて、出力アンプ1
0から出力電圧Voの駆動電流IFが被検査素子ST1
に送られているが、他の5個のスイッチは全てオフ状態
となっている。クロクトーク電流ic2〜6は、この各
オフ状態のスイッチに接続された出力線に流れる電流を
言い、駆動電流IFに起因して浮遊容量等の影響で流れ
るものである。このクロクトーク電流icは小さいほど
測定の精度がよいことになり、例えば50nADC以下に
する。
【0004】図5は被検査素子からの漏れ電流の説明図
である。二個の被検査素子20には動作用電源Esが接
続されており、出力アンプ10と各出力線とを接続する
スイッチは全てオフ状態になっている。漏れ電流is1
〜6は、被検査素子20から各信号線に流れる電流を言
い、駆動電流IFに起因して浮遊容量等の影響で流れる
ものである。この漏れ電流isは小さいほど測定の精度
がよいことになり、例えば50nADC以下にする。な
お、出力アンプ10の出力電圧Voは0Vとオフ状態に
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のスイッ
チにはトランジスタ等の電子式スイッチが用いられてき
たが、クロストークや被検査素子からの漏れ電流は10
〜100μAと目標仕様値に比較して3桁程度大きく、
そのままでは利用できないという課題があった。また、
水銀リレー等の機械式リレースイッチも用いられている
が、クロストークや被検査素子からの漏れ電流は小さく
なるものの、応答時間が数mS程度かかり、検査時間が
長時間化するという課題があった。本発明はこのような
課題を解決したもので、スイッチングの応答が早く、し
かもクロストークや被検査素子からの漏れ電流が僅少な
スイッチ回路を有するLSIテスタを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、出力アンプ10から電流注入線HFを介して被
検査素子20の端子に電流を注入するLSIテスタにお
いて、当該電流注入線の前記出力アンプ側に一端が接続
された第1のスイッチSW1と、この第1のスイッチの
他端に一端が接続され、他端が前記被検査素子側に接続
された第2のスイッチSW2と、この第1及び第2のス
イッチの共通接続点に一端が接続され、他端が接地抵抗
Rsと接続された第3のスイッチSW3と、この第2の
スイッチの前記被検査素子側の電位を入力し、これと同
電圧の出力信号をこの第3のスイッチの接地抵抗側に出
力する補償アンプ40とを有し、この電流注入線を用い
て電流を注入するときは第1及び第2のスイッチを閉じ
ると共に、第3のスイッチを開き、この電流注入線を電
流注入に使用しないときは第1及び第2のスイッチを開
くと共に、第3のスイッチを閉じることを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】本発明の構成によれば、この電流注入線を用い
て出力アンプから被検査素子に電流を注入するときは第
1及び第2のスイッチを閉じると共に、第3のスイッチ
を開くので、出力アンプから被検査素子に円滑に電流を
注入できる。次に、電流注入線を電流注入に使用しない
ときは第1及び第2のスイッチを開くと共に、第3のス
イッチを閉じると共に、補償アンプにより第2のスイッ
チの被検査素子側の電位と第1のスイッチ側の電位を等
しくしているので、他の電流注入線からのクロストーク
や、被検査素子からの漏れ電流が出力アンプ側からみて
低下する。
【0008】
【実施例】以下図面を用いて、本発明を説明する。図1
は本発明の一実施例を示す回路図である。図において、
LSIテスタと被検査素子20との間は、例えば二重シ
ールド線を用いた二芯の信号線で接続されており、接地
された外シールド線と、内部シールド線HGと、電流注
入線HFと、この電流注入線HFの被検査素子20側電
位をLSIテスタ側に帰還する電圧検出用芯線HSを有
している。内部シールド線HGは、バッファアンプによ
り電流注入線HFの電位Voに維持されている。電流注
入線HFの電位Voは抵抗RBを介してバッファアンプ
に入力されている。
【0009】出力アンプ10の出力電圧Voは、電流注
入線HFにより被検査素子20の端子に送られるが、こ
こではスイッチSW1,2が二個直列に挿入されてい
る。このスイッチSW1,2は双方向光MOSリレーと
呼ばれる素子を用いており、スイッチSW1は直列に接
続されたFETQ11,12を有し、Q11,12のソース・
ドレイン間には光起電力素子PVが接続されている。そ
して、光起電力素子PVにオンオフ制御信号を送ること
で、FETQ11,12のオンオフ制御をしている。スイ
ッチSW2についても同様に、直列に接続されたFET
21,22を有し、Q21,22のソース・ドレイン間には
光起電力素子PVが接続されている。
【0010】スイッチSW1,2の共通接続点Pは、ス
イッチSW3を介して接地抵抗Rsと接続されている。
また、電圧検出用芯線HSには直列にスイッチSW4,
5が挿入されているが、このスイッチSW4,5の共通
接続点QとスイッチSW1,2の共通接続点Pは、抵抗
R1で接続されている。更に内部シールド線HGとには
スイッチSW6が挿入されていると共に、内部シールド
線HGのバッファアンプ側には接地抵抗R2が接続され
ている。
【0011】補償アンプ40は、電流注入線HFの被検
査素子20側電位を抵抗R41を介して入力し、スイッ
チSW3の接地抵抗Rs側に出力するもので、入力端子
のプラス側とマイナス側は漏れ電流の少ないFET接合
ダイオードD41,D42で接続されているもので、例
えばLF441と呼ばれる汎用のOPアンプを用いる。
マイナス端子と出力端子の間は直結されているので、プ
ラス端子に入力される電流注入線HFの被検査素子20
側電位とはFET接合ダイオードD41,D42の順方
向電圧降下(例えば0.6V)の範囲で出力電圧が一致
する。
【0012】アンプ用電源部30は、補償アンプ40の
動作用電圧を供給するものである。OPアンプの電源電
圧は±15V程度であるにも拘らず、電流注入線HFの
被検査素子20側電位は0〜±64V程度の範囲内で変
動するので、そのまま補償アンプ40に入力してもOP
アンプは動作しえない。そこで、アンプ用電源部30
は、電流注入線HFの被検査素子20側電位に基準電位
Vprefが連動して変動し、この基準電位Vprefに対して
±15V程度の電源電圧を供給するもので、エレベーシ
ョン型OPアンプとも呼ばれている。
【0013】アンプ用電源部30は、外部電源より90
V程度の正電源電圧Vp+と、−90V程度の負電源電圧
Vp-とを直列接続された4個のコンデンサC31,C32,C
33,C34で接続すると共に、コンデンサC31,C32の接続
点電圧Vp++はアンプ用電源部30の正電源電圧、コン
デンサC33,C34の接続点電圧Vp--はアンプ用電源部3
0の負電源電圧、コンデンサC32,C33の接続点電圧Vp
refは正電源電圧Vp++と負電源電圧Vp--の基準電圧と
なっている。トランジスタQ31は、ベース端子が基準電
位Vprefと接続され、コレクタ端子が負電源電圧Vp-と
接続され、エミッタ端子がゼナーダイオードD31を介し
てコンデンサC31,C32の接続点電圧Vp++と接続されて
いる。またトランジスタQ32は、ベース端子が基準電位
Vprefと接続され、コレクタ端子が正電源電圧Vp+と接
続され、エミッタ端子がゼナーダイオードD32を介して
コンデンサC33,C34の接続点電圧Vp--と接続されてい
る。コンデンサC31と並列に定電流ダイオードD33,D3
4が二個直列に接続されており、コンデンサC34と並列
に定電流ダイオードD35,D36が二個直列に接続されて
いる。これら定電流ダイオードD33,D34,D35,D36に
は、例えば耐電圧100V、2mAのものを用いる。更
に、連結抵抗R42により補償アンプ40の出力端子と
基準電位Vprefとが接続されている。
【0014】このように構成された装置の動作を次に説
明する。まず、出力アンプ10がオンとなり、電流注入
線HFを通じて被検査素子20に注入電流を供給すると
きは、第3のスイッチSW3はオフとなるが、他の全て
のスイッチSW1,2,4,5,6はオン状態になっている。他
方、出力アンプ10がオフとなり、この電流注入線HF
を通じて被検査素子20に注入電流を供給しないとき
は、第3のスイッチSW3はオンとなるが、他の全ての
スイッチSW1,2,4,5,6はオフ状態になっている。通
常、他の電流注入線HFを通じて被検査素子20の他の
端子に注入電流を供給するので、この電流注入線HFに
ついてはスイッチSW3をオンして接地するのである。
【0015】図2はクロストークが低減されることの説
明図である。出力アンプ10の出力電圧Vo(≒0)に
対して、スイッチSW1,2の共通接続点Pの電圧をv
o、スイッチSW2の被検査素子20側の電位をvo'と
する。スイッチSW3がオンなので接地抵抗Rsの電位
はvoとなる。ここでスイッチSW1の漏れ電流iw
(例えば10μA程度)は接地抵抗Rsに向かって流れ
るから次式が成立する。 vo=Rs・iw (1) 更に、スイッチSW2の動作抵抗をRwとし、補償アン
プの利得をGとすると、スイッチSW2を流れる見かけ
のクロストークicは次式で表せる。 ic=(vo/Rw)・G (2) すると見かけのクロストークicは±100nA程度と
かなり小さな値になる。補償アンプ40は、電位vo'と
電位voとの相違に基づく電流を供給しており、典型的
なバイアス電流ibの値は5pA程度となる。この補償
アンプ40により給電されるので、スイッチSW2の両
端に電位差があっても見かけのクロストークicは小さ
な値になっている。
【0016】図3は被検査素子からの漏れ電流の低減を
説明する図である。出力アンプ10の出力電圧Vo(≒
0)に対して、被検査素子20の電位をEoとすると、
補償アンプ40により接地抵抗Rsの電位はEoとな
り、スイッチSW3がオンしているので、スイッチSW
1,2の共通接続点Pの電圧もEoになる。従って、被
検査素子20からの電圧Eoによる漏れ電流isは、次
式で与えられる。 is=(Eo/Rw)・G (2) すると、被検査素子からの漏れ電流isは±100nA
程度とかなり小さな値になる。
【0017】最後に、図1のアンプ用電源部30の動作
を説明する。図3のように被検査素子20の電位がEo
であるとすれば、抵抗R41を介して補償アンプ40の
プラス端子の電位もEoとなる。すると、出力電位もE
oとなるが、連結抵抗R42を介して基準電位Vprefに
反映される。この基準電位Vprefに対して、トランジス
タQ31とゼナーダイオードD31のオンオフにより、ゼナ
ー電圧(例えば15V)から定まる正電源電圧Vp++が
生成される。同様にして、基準電位Vprefに対して、ト
ランジスタQ32とゼナーダイオードD32のオンオフによ
り、ゼナー電圧(例えば15V)から定まる負電源電圧
Vp--が生成される。コンデンサC31は、外部の正電源
電圧Vp+と補助アンプ用の正電源電圧Vp++の直流電圧
の差を吸収する。またコンデンサC32は、外部の負電源
電圧Vp-と補助アンプ用の負電源電圧Vp--の直流電圧
の差を吸収する。このようにして、電源注入線HFの電
位Eoに連動した正負の補助アンプ用の電源電圧が供給
できる。
【0018】なお上記実施例によれば、補償アンプに汎
用のOPアンプを用いて、電流注入線HFの電位との相
違をアンプ用電源部30で対処して、動作を確保してい
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、高耐電
圧のOPアンプに電流注入線HFの電位程度の外部電源
電圧を用いて動作させてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば電
流注入線を電流注入に使用しないときは第1及び第2の
スイッチを開くと共に、第3のスイッチを閉じると共
に、補償アンプにより第2のスイッチの被検査素子側の
電位と第1のスイッチ側の電位を等しくしているので、
他の電流注入線からのクロストークや、被検査素子から
の漏れ電流が出力アンプ側からみて低下するという効果
がある。また補償アンプ40のスイッチング周波数に応
じたスイッチング速度が得られるので、例えばDC〜2
0kHz程度まで追従が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】クロストークが低減されることの説明図であ
る。
【図3】被検査素子からの漏れ電流の低減を説明する図
である。
【図4】クロストークの説明図である。
【図5】被検査素子からの漏れ電流の説明図である。
【符号の説明】
10 出力アンプ 20 被検査素子 30 アンプ用電源部 40 補償アンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−170884(JP,A) 特開 平5−72266(JP,A) 実開 平5−69690(JP,U) 実開 平5−59354(JP,U) 実公 平4−38303(JP,Y2) 実公 平6−44193(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/26,31/28 H01L 21/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力アンプ(10)から電流注入線(H
    F)を介して被検査素子(20)の端子に電流を注入す
    るLSIテスタにおいて、 当該電流注入線の前記出力アンプ側に一端が接続された
    第1のスイッチ(SW1)と、 この第1のスイッチの他端に一端が接続され、他端が前
    記被検査素子側に接続された第2のスイッチ(SW2)
    と、 この第1及び第2のスイッチの共通接続点に一端が接続
    され、他端が接地抵抗(Rs)と接続された第3のスイ
    ッチ(SW3)と、 この第2のスイッチの前記被検査素子側の電位を入力
    し、これと同電圧の出力信号をこの第3のスイッチの接
    地抵抗側に出力する補償アンプ(40)と、 を有し、この電流注入線を用いて電流を注入するときは
    第1及び第2のスイッチを閉じると共に、第3のスイッ
    チを開き、この電流注入線を電流注入に使用しないとき
    は第1及び第2のスイッチを開くと共に、第3のスイッ
    チを閉じることを特徴とするLSIテスタ。
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