JP3545158B2 - 遺伝子検出法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅した遺伝子の検出方法に関するものであり、免疫学、分子生物学、診断学などの広い分野での利用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年の遺伝子工学の進歩に伴い、微量の遺伝子を大幅に増幅する方法が数多く考案されている。これらの方法を使用することにより試料中の微量な遺伝子を増やすことが可能になった。遺伝子増幅法として最も良く知られているのはPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)法である。この方法は目的遺伝子を含む領域の3’側と5’側の遺伝子配列に相補的な遺伝子断片(プライマー)を調製し、それを遺伝子の材料である塩基とともに試料と混合し、DNAポリメラーゼという遺伝子合成酵素を働かせて目的遺伝子を合成する方法である。この方法は、(1)熱変性によるDNA2本鎖の解離、(2)プライマーとのアニーリング、および(3)DNAポリメラーゼによる相補鎖合成、の3反応の繰り返し(通常20〜40サイクル)からなる。このとき2本鎖の遺伝子を熱をかけて1本鎖に解離するのであるが、使用するDNAポリメラーゼを耐熱菌由来のものとすることによって、1サイクルごとに新たにDNAポリメラーゼを補給することなく、温度変化のみによる反応の繰り返しによって遺伝子増幅を行うことが可能となった。この方法を用いることにより目的遺伝子を何十万倍、何百万倍にも増幅することができる。
【0003】
現在ではこの増幅法を自動的に行うサーマルサイクラーという機器も数多く販売されており、医学、診断学、分子生物学等の分野で広く使われている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
上述したように、簡便に遺伝子を増幅する方法は確立しているが、増幅した遺伝子を検出する方法としてはいまだに電気泳動法がその主流となっている。これはポリアクリルアミドなどのゲルに試料を添加し電気泳動を行いその後染色して遺伝子の有無を確認する方法であり、手間も時間もかかる方法である。その為遺伝子の増幅は数時間で終了するにも拘わらず、遺伝子の検出工程に時間がかかるため全体的な遺伝子検出にかかる時間は2、3日になってしまっている。また多検体の処理には向いておらず、臨床診断の分野での遺伝子診断法が普及しない理由の1つとしてこの遺伝子検出法が手間がかかるということがある。近年HPLC(高速液体クロマトグラフィー)やキャピラリー電気泳動で増幅した遺伝子を検出することが試みられているが、多検体を処理しようとするときこれらの方法は有効ではない。
【0005】
また、遺伝子を粒子凝集法によって検出しようとする試みが行われており、その技術が開示されている。例えば米国特許第5,104,791号では、目的遺伝子に相補的な遺伝子断片を2種類用意し、これらを粒子に結合させておき、これを目的遺伝子と結合させて凝集を生じさせ、次いで凝集形成によるシグナルを測定することにより目的遺伝子の存在や量を測定している。
【0006】
しかしながら、米国特許第5,104,791号の方法では、目的遺伝子ごとに異なる2種類の遺伝子断片を粒子に結合しなければならないという問題を抱えている。またこの特許では、目的遺伝子と相補的な関係にある遺伝子断片を使用するということから、目的遺伝子は1本鎖であることが必要である。通常DNAは2本鎖の状態で存在しており、遺伝子増幅法を使用した後も2本鎖遺伝子として試料が得られる。したがって、この特許ではその後に1本鎖にするという操作が必要であり、1本鎖にした後も試料中には相補的な遺伝子が存在しており、粒子上の遺伝子断片と競合的に反応することになる。このことは検出感度の低下を招き、測定法としてはあまり好ましくない。
【0007】
一方、目的遺伝子を認識する抗体を使用して遺伝子を検出することは原理的には可能である。この方法を用いても粒子凝集による遺伝子の検出は可能ではあるが、その実施はかなり困難なものになると予想される。遺伝子は4種類の塩基の配列によってその情報が保存されている。つまり遺伝子の構成成分としては4種類の塩基しかないわけで、特定の塩基配列にしか反応しない抗体を作成するのは困難であり、ある遺伝子配列を認識する抗体はそれと良く似た別の遺伝子配列の部分とも反応してしまう。この現象を交差反応といい、遺伝子を認識する抗体の大きな問題となっている。またこの方法でも、各々の遺伝子に対応した2種類以上の抗体を結合した個々の粒子を用意することが必要であり、簡便な方法とはいいがたい。
【0008】
また遺伝子の中には突然変異が存在する場合があり、その突然変異が疾病と深く関係することがあることは良く知られている。
【0009】
遺伝子の変異が原因で発病する疾病や危険因子となる疾病は数多く知られている。これらの疾病には、古くはサラセミアや血友病があり、近年では家族性筋萎縮性側索硬化症や家族性アルツハイマー病等が知られている。これらの疾患の中には遺伝子のほんの1部、ある場合は塩基配列の中の1塩基が変異したために生じる疾病もあり、このようなものは点突然変異と呼ばれている。このような微小の変異を検出する方法としては現在DGGE法やSSCP法やRFLP法が用いられている。DGGE法は変成剤濃度勾配ケ゛ル電気泳動と呼ばれている方法であり、2本鎖遺伝子の安定性が点突然変異が生じても変化することを利用して、変成剤の濃度勾配を有したケ゛ルで電気泳動を行うことによって変異を検出する方法である。一方SSCP法は1本鎖DNA高次構造多型解析法と呼ばれているもので、1本鎖のDNAはその塩基配列によって特有の高次構造をとることを利用して、増幅した2本鎖遺伝子を1本鎖に解離して非変性のポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけることによって移動度に差が生じることを原理として検出を行うというものである。この方法を用いることにより、数百塩基中の1塩基の変異でも移動度の差として検出できる。
【0010】
また変異の位置が一定している場合はRFLP法を実施することによってその変異を検出することができる場合がある。この方法は制限酵素断片長多型といわれる方法であり、ある変異が一定の場所で起こっており、その変異によってその場所がある制限酵素の切断サイトになったり、正常では切断サイトであったものが変異によって切断されなくなったりすることを利用したものである。変異を含む部位を挟んで遺伝子を増幅し、そのプロダクトにある制限酵素を作用させることで、変異の有無により切断部分が出現したり消失したりする、その変化を電気泳動的に検出する方法である。
【0011】
これらの方法は1塩基の変異をも検出できる巧妙な方法であるが、どの検出法も電気泳動による検出が主体であり、迅速性、簡便性、多検体処理性には優れていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便で迅速に増幅後の遺伝子を検出する方法を提供することを目的とする。
【0013】
またアイソトープを使用しない安全で高感度な検出系を提供することを目的とする。
【0014】
さらに本発明は、簡便で迅速な増幅後の遺伝子に含まれる変異を検出する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意研究の結果、増幅時に用いる遺伝子断片に抗原または抗体を結合し、その抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは抗原または抗体と特異的に結合する物質を表面に結合した粒子を使用することで凝集を生じることを利用して、増幅された遺伝子を検出することのできる方法を見いだした。
【0016】
さらに本発明者は、上述した遺伝子検出法を利用して、増幅した遺伝子が変異を含む遺伝子の場合、増幅後に制限酵素を反応させることによって、遺伝子が切断されたりされなかったりすることが粒子の凝集の大小として検出できることを見いだし、これによって遺伝子の突然変異を検出しうることを見いだした。
【0017】
すなわち、本発明は、抗原または抗体を結合した遺伝子断片を使用して増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは前記抗原または抗体と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させ、粒子の凝集程度を測定することにより目的遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子検出法を提供する。
【0018】
本発明はまた、抗原または抗体を結合した遺伝子断片を使用して増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは前記抗原または抗体と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させ、粒子の凝集程度を測定することにより目的遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子検出法において、
上記増幅に用いる遺伝子上に突然変異部位があるときに、該突然変異部位の存在によって切断様式の変化する制限酵素を作用させて、遺伝子に切断の有無を生じさせ、その結果生じる粒子の凝集程度の変化を検出することによって、遺伝子の突然変異を検出する方法を提供する。
【0019】
本発明による遺伝子検出法の原理
本発明の遺伝子検出法の原理は以下の通りである。なお、本発明の遺伝子検出法の概略を図1に示す。
【0020】
まず遺伝子増幅の原料となる遺伝子断片にあらかじめ抗原または抗体を結合しておき、その遺伝子断片をプライマーとして使用して何らかの遺伝子増幅処理を行う。試料中に目的遺伝子が存在していれば添加した抗原または抗体結合遺伝子断片を原料にして、遺伝子増幅法によって目的遺伝子が大量につくられる。増幅された遺伝子のほとんどは抗原または抗体を結合した遺伝子断片よりつくられているので、その両端には抗原または抗体を結合した形となっている。なお、抗原または抗体の結合位置は遺伝子断片の末端に限らず、いずれかの位置に1分子結合していればよい。末端に結合する場合には、増幅される方向とは反対側に結合する。
【0021】
この抗原または抗体に対して親和性を有する抗体または抗原を結合した粒子を、遺伝子増幅後に試料に添加すれば、増幅された遺伝子と反応して凝集を生じる。生じた凝集は目視、あるいは濁度、吸光度などでも測定は可能であるが、シースフロー中に流し個々の粒子にレーザー光を照射して生じる散乱光の強度を測定することによっても凝集の程度を知ることができる。この方法を用いることにより、増幅された遺伝子をより高感度で検出することができる。また、粒径を適当なものにすれば、電気抵抗法により測定することも可能である。ただし検出器の目づまり等の問題を考慮すると、光学的な方法で測定する方が好ましい。凝集粒子の検出は、全自動免疫凝集測定装置(例えば東亜医用電子株式会社製、PAMIA−30)を用いて凝集ラテックス粒子の大きさを光学的に測定することにより迅速かつ高感度、高精度で行うことができる。
【0022】
突然変異検出への応用
本発明の遺伝子の突然変異を検出する方法では、遺伝子増幅の原料となる遺伝子断片に抗原を結合し、その遺伝子断片を使用して何らかの遺伝子増幅処理を行う。試料中に変異を有する部分を含む目的遺伝子が存在していれば、添加した抗原結合遺伝子断片を原料にして、遺伝子増幅法によって目的遺伝子が大量につくられる。増幅された遺伝子のほとんどは抗原を結合した遺伝子断片よりつくられているので、その両端には抗原を結合した形となっている。また増幅された遺伝子には変異の部分が含まれている。
【0023】
この抗原に対して親和性を有する抗体を結合した粒子を、遺伝子増幅後の試料に添加すれば、増幅された遺伝子と反応して凝集を生じる。生じた凝集は目視、あるいは濁度、吸光度などでも測定は可能であるが、上述したようにシースフロー中に流し、個々の粒子にレーザーをあてて生じる前方散乱光強度を測定することによっても凝集の程度を知ることができる。
【0024】
このとき、増幅した遺伝子中に突然変異が存在することにより、正常な検体であれば切断されることのない遺伝子中に、ある制限酵素の切断部位が出現した場合、その制限酵素を増幅遺伝子に作用することによって切断されれば粒子の凝集は低下するし、切断されなければ粒子の凝集には変化のないことが判る。このように突然変異の存在によって制限酵素の切断部位が新たに生じる場合のみでなく、突然変異の存在によって、正常検体では特定の制限酵素で切断されていた個所が切断されなくなる場合もある。よって遺伝子増幅後の試料に対して制限酵素を作用させたものと作用させていないものとを調製し、その両方に対して凝集反応を調べることによって、その遺伝子内の突然変異の有無を知ることができる。
【0025】
なお、制限酵素の添加は、抗体結合粒子と反応させる前でも後でも構わないが、粒子と反応させる前に添加する方が、市販の粒子凝集測定装置(例えば、東亜医用電子(株)のPAMIAシリーズ)をほぼそのまま使えるので有利である。
【0026】
本発明の方法によって検出できる突然変異としては家族性筋萎縮性側索硬化症、家族性高コレステロール血症、赤血球酵素異常症、血友病等従来RFLP法で調べていたものの多くが含まれる。本発明の方法により、従来の電気泳動法によって検出するRFLP法に比較してはるかに簡便に遺伝子診断を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の態様】
プライマーとして用いる、目的遺伝子を含む領域の3’側および5’側の遺伝子配列と相補的な遺伝子断片に結合する抗原または抗体としては様々なものが利用可能であるが、できるだけ分子量の小さいものの方が遺伝子増幅時に邪魔にならない。その意味では低分子の抗原であるハプテンを結合するのが好ましい。ハプテンの例としては、ビオチン、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)等が挙げられる。
【0028】
以下に抗原を結合した遺伝子断片を使用する場合について述べる。
【0029】
抗原を結合した遺伝子断片は当業界で公知の方法を用いて調製できる。例えば、ビオチン化プライマーを調製するには、ビオチン化ヌクレオチド(BIOTIN dXTM、和光純薬工業(株)から入手可能)および通常のヌクレオチドを用いて、ABI社の自動合成装置により合成することができる。上述したように、ビオチン分子は3’末端と5’末端に結合することが好ましいが、これに限らず次の増幅反応を妨げない限りプライマーの途中に結合することもできる。さらに、オリゴヌクレオチドビオチンラベリングキット(アマシャム社製)などを用いてオリゴヌクレオチドの末端にビオチン1分子を結合することもできる。なお、所望のビオチン化プライマーは、例えば宝酒造(株)に合成を委託することもできる。
【0030】
このようにして調製した抗原を結合した遺伝子断片をプライマーとして用いてPCR法などにより遺伝子を増幅する。遺伝子増幅は当業界で公知の方法を用いて行うことができる。例えば、抗原結合プライマー、ヌクレオチド混合物、DNAポリメラーゼを用いて、パーキンエルマー社のサーマルサイクラーを使用してPCR反応を行って2重鎖遺伝子を得る。
【0031】
別途、前記抗原を認識する抗体または前記抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子を調製する。
【0032】
粒子としては様々なものが使用可能であるが、シースフロー中に流して分析を行う場合、粒径が均一であることが重要であり、その目的のためには粒径の揃ったラテックス粒子が最も有用だと考えられる。粒径については、凝集度合を検出できるものならば、とくに制限されない。例えば、積水化学工業(株)から入手できる粒径0.8μmのソープフリーのポリスチレンラテックスなどを使用できる。
【0033】
粒子表面に結合する抗体としては様々なものが使用可能であるが、本発明の好ましい態様では増幅された遺伝子は両端に同じ抗原を有することから、その抗原に対するモノクローナル抗体を使用することが可能である。通常単一では凝集法に使用できないモノクローナル抗体も、この方法を使用することによって1種類で粒子の凝集を起こすことが可能となる。
【0034】
上述した米国特許第5104791号では、目的遺伝子に相補的な遺伝子断片を2種類使用して目的遺伝子と結合させて凝集を生じさせている。しかしながらこの方法では、目的遺伝子ごとに異なる2種類の遺伝断片を粒子に結合しなければならないという問題を抱えている。本発明では検出に用いる抗体結合粒子は同じ標識抗原を使用する限りは1種類ですむという利点を有している。どのような遺伝子を検出するときも1種類の粒子だけで検出できるというのは大きな利点である。
【0035】
また、本発明で使用する抗体は、目的遺伝子に対するものではなく任意のものが選択できるので、特異性の高いもの、またあるいは測定しようとする試料中には決して入ってこないような抗原を使用することによって目的の反応を確実に、また高感度に行うことのできる測定系を提供することができる。
【0036】
なお、本発明で使用する抗原と特異性に結合するものであれば、抗体に限らず粒子に結合して使用することができる。たとえば、ビオチン−アビジンまたはストレプトアビジン、リガンド−レセプター、糖鎖−レクチンあるいは、酵素−インヒビターの特異性結合を利用し、一方をプライマーに他方を粒子に結合して使用することができる。このとき、抗原を結合したプライマーが遺伝子増幅を妨げないことが必要である。
【0037】
本発明では、上述したように、同じ抗原をプライマーに結合する限りは、検出すべき目的遺伝子が何であっても、検出に用いる抗体結合粒子は1種類ですむという利点を有している。粒子上の抗体は、遺伝子断片に結合した抗原と結合するので、どのような遺伝子を検出するときも1種類の粒子だけで検出できる。なお、3’側と5’側のプライマーごとに結合する抗原を変えても構わない。その場合は、それぞれの抗原に対する抗体を結合した粒子を準備する必要がある。試薬の構成を簡単にするためには、プライマーに結合する抗原は同じにする方が好ましい。
【0038】
粒子に、抗体または抗原と特異的に結合する物質を結合するには、当業界で公知の方法、例えば、物理吸着法、共有結合法等を用いて行うことができる。特に、物理吸着法は簡単な操作で行うことができ、一般的な方法としては、例えば抗体溶液を粒子懸濁液と混合し、4℃で一晩または25℃で数時間反応させて行うことができる。
【0039】
増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原を認識する抗体または前記抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させると、抗原抗体反応によって粒子の凝集が生じ、2量体、3量体、4量体などが得られる。個々の凝集または未凝集粒子の大きさをシースフローセルを通過するときにレーザー光を照射して生じる散乱光強度を測定することにより凝集の程度を知ることができる。これらは例えば上述した全自動免疫測定装置を用いると簡便かつ迅速に測定できる。図2に、このような全自動免疫測定装置を用いて得られた粒度分布を例示する。凝集体の存在は試料中に目的遺伝子が存在することを示す。本発明の方法を用いて、目的遺伝子の存在や量を簡単に測定することができる。
【0040】
本発明の遺伝子検出法を使用できる目的遺伝子としては、DNAのみならずRNAも含む。例えば目的遺伝子がmRNAである場合にはあらかじめ逆転写酵素を用いてcDNAを調製した後、遺伝子増幅を行えばよい。
【0041】
本発明を以下の実施例を用いて詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0042】
【実施例】
実施例1:ビオチン化プライマーを用いたPCR産物を検出することによるヒトゲノムDNAの検出
ビオチン化プライマーの調製
ヒトゲノムDNAのうちβグロビン領域のDNA(Saiki,R.K.ら,(1988) Science, 239, 487-491 参照)を増幅し、その産物をラテックス凝集によって検出した。
【0043】
検出する試料はヒト白血球であり、プライマーとしては宝酒造(株)から発売されているβグロビンプライマーセットのうちの、PC03とKM38というプライマーと同じ塩基配列をもち、その末端にビオチン分子を1分子結合したプライマーを合成しビオチン化プライマーとして用いた。PC03とKM38によって増幅される遺伝子断片の大きさは167bpである。
【0044】
作製したプライマーの塩基配列は以下の通りである。
PC03−Biotin:Biotin−ACACAACTGTGTTCACTAGC
KM38−Biotin:TGGTCTCCTTAAACCTGTCTTG−Biotin
上記ビオチン化プライマーはABI社の自動合成装置を使用して合成した。
【0045】
試料調製
試料としてはヒト血液を使用した。抗凝固剤としてクエン酸3ナトリウムを使用して採取した血液を遠心分離(3000rpm.15分)し、バッフィコート(buffy coat)を採取した。採取したバッフィコートを生理食塩水で希釈して、白血球数が10μ1当たり約100000,10000,1000個の試料を作成した。白血球数の測定には自動血球計数装置F−800(東亜医用電子株式会社)を使用した。血液中のDNAのほとんどは白血球由来であるので、ここからグアニジウムイソチオシアネート法(分子細胞生物学基礎実験法、南江堂)を使用してPCRに使用するDNAサンプルを調製した。
【0046】
遺伝子増幅
PCRはパーキンエルマー社のサーマルサイクラーを使用して行った。
【0047】
PCR反応に用いた液組成は以下の通りである:
緩衝液(200mM Tris buffer,pH8.4,15mM Mg
Cl2,1mg/m1 BSA) :5μl
精製水 :39.5μl
10mM dNTP混液 :1μl
ビオチン化プライマー(各10μM) :各1μl
PC03−Biotin:
KM38−Biotin:
TaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaqTM,宝酒造(株)):0.5μl
抽出DNA溶液 :2μl
PCR反応は、94℃で45秒、55℃で25秒、72℃で3分を20サイクル行った。
【0048】
抗ビオチン抗体結合ラテックスの調製
粒径0.78μmのポリスチレンラテックス(積水化学工業社製)を10mMPBS,pH7.0中に5%(w/v)の濃度に調製し、そこに抗ビオチン抗体(モノクロ−ナル抗体:バイオデザイン社製)をラテックス分散液1ml当たり50μg添加し4℃で24時間反応させた。その後遠心(12000rpm.10分)を行い1mg/ml BSAを含む0.1M PBS緩衝液を最初と同量添加し粒子を分散させた。もう1度遠心処理を行い同じ緩衝液中に分散させて抗ビオチン抗体結合ラテックスとした。
【0049】
凝集反応
PCR後の試料10μlに抗ビオチン抗体結合ラテックス粒子(0.5%)10μlを添加し、1mg/mlのBSAを含む0.1Mリン酸緩衝液80μlを加え45℃で15分間反応させた後ラテックス粒子の凝集率を測定した。この反応及び測定は全自動免疫測定装置PAMIA−30(東亜医用電子株式会社)を用い、前方散乱光強度を測定した。
【0050】
凝集率はトータルの粒子数に対する凝集した粒子数のパーセントで示される。測定結果を以下の表1に示す。表1から明らかなように白血球数が10μl当たり1000個の試料からでも十分な凝集率が得られている。また白血球からのDNAを含まない試料(PCRに用いた液組成で抽出DNA(白血球のDNA)を含まないもの)ではラテックス凝集せず、白血球のDNAを含む試料では凝集がみられたことから、ラテックス試薬はPCR産物のビオチンと反応することによって凝集が生じたことが解る。
白血球数(個/10μl) 100000 10000 1000 0
凝集率(P/T%) 43.2 40.5 35.9 3.4
【0051】
実施例2:ヒトヘモグロビン遺伝子中の突然変異の検出
本発明の方法を用いてヒトヘモグロビン遺伝子の突然変異の検出を行った。
【0052】
ビオチン化プライマーの調製
フ゜ライマーとしては宝酒造(株)から発売されているβク゛ロフ゛リンフ゜ライマーセットの塩基配列と同じものを用いた。これには部位の異なるフ゜ライマーが6種類販売されており、その組み合わせによって9種類の大きさの断片を増幅できる。
【0053】
本実施例ではPC03とPC04というフ゜ライマーと同じ塩基配列のものを合成し、その末端にヒ゛オチン分子を1分子結合したフ゜ライマーを作製しヒ゛オチン化フ゜ライマーとして用いた。PC03とPC04によって増幅される遺伝子断片の大きさは110bpである。
【0054】
作製したフ゜ライマーの塩基配列は以下の通りである:
PC03:Biotin-ACACAACTGTGTTCACTAGC
PC04:CAACTTCATCCACGTTCACC-Biotin
なお、上記ヒ゛オチン化フ゜ライマーは宝酒造に合成を依頼した。
【0055】
試料調製
上述のフ゜ライマーの組合せで検出できる突然変異にはcodon 17 mutant alleleがある。
【0056】
この突然変異ではノンセンス領域でAからTへの突然変異が起こっており、この変異では制限酵素Nhe Iを使用することによりRFLPでの検出が可能である。すなわち正常検体ではこのフ゜ライマーの組合せでできてくるPCRフ゜ロタ゛クトはNhe Iによって切断されないので、酵素反応後に電気泳動を行ってもハ゛ント゛は110bpのところに1本検出されるだけであるが、突然変異の起こった検体では酵素によって切断されるサイトが出現することから、電気泳動的には87bpのハ゛ント゛となる。ヘテロの検体では両方のハ゛ント゛が出現することになる。
【0057】
試料の調製はClin.Biochem,26,497-503,1993の方法に準じて行った。試料としては正常及び上記部位に突然変異を有することがわかっているヒト血液を使用した。ケ゛ノムDNAの抽出にはファルマシア社のRapidPrep Genomic DNA Isolation Kits for Bloodを使用してPCRに使用するサンフ゜ルを調製した。
【0058】
遺伝子増幅
PCRはハ゜ーキンエルマーのサーマルサイクラーを使用して行い、試薬は宝酒造(株)のGeneAmpを使用した。
【0059】
PCR反応の液組成は以下の通りである:
緩衝液(200mM Tris Buffer pH8.4,15mM MgCl2,1mg/ml BSA):5μl
精製水 :39.5μl
10mM dNTP混液 :1μl
ヒ゛オチン化フ゜ライマー(各10μM) :1μl
TaqDNAホ゜リ・堰[セ゛ :0.5μl
PCR反応は、94℃で1分、55℃で2分、68℃で2分のサイクルで35サイクル行った。
【0060】
抗 ヒ゛オチン 抗体結合 ラテックス の調製
粒径0.78μmのホ゜リスチレンラテックスを20mM Tris-buffer, pH7.0中に、5%(w/v)の濃度に調製し、そこに抗ヒ゛オチン抗体(ツmクローナル抗体:ハ゛イオテ゛サ゛イン社製)をラテックス溶液1ml当たり50μg添加し4℃で24時間反応させた。その後遠心(12000rpm,10min.)を行い1mg/mlBSAを含む0.1MPBS溶液を最初と同量添加し粒子を分散させた。もう1度遠心処理を行い同じ溶液中に分散させて抗ヒ゛オチン抗体結合ラテックスとした。
【0061】
凝集反応
まずPCRによる遺伝子増幅が行えたかどうかを確認するために、PCR後のサンフ゜ル10μlに抗ヒ゛オチン抗体結合ラテックス粒子(0.5%)10μlを添加し、1mg/mlのBSAを含む0.1Mリン酸緩衝液80μlを加え45℃で15分間反応させた後ラテックス粒子の凝集率を測定した。測定には東亜医用電子(株)製の全自動免疫測定装置PAMIA-30を用いた。
【0062】
次に、突然変異の検出を行うために、同じくPCR後のサンフ゜ル10μlをとり、緩衝液10μlを添加したものと、Nhe I10ユニットを含む緩衝液10μlを添加したものを各々調製し、その両者を37℃で一晩インキュヘ゛ートしたものについてそれぞれ上記と同様の操作を行って粒子と反応させ、PAMIA-30による測定を行った。
【0063】
凝集率はトータルの粒子数に対する凝集した粒子数のパーセントで示される。
【0064】
測定結果を以下に示すが、正常検体では制限酵素を反応させても凝集率は変化しなかったが、codon 17に突然変異を有する検体では、酵素を反応させないサンフ゜ルの凝集率は正常検体と変わらないが、酵素を反応させることによって凝集率の低下が見られた。このことは突然変異の検体では変異によってNhe Iの切断サイトが出現したため、制限酵素によってPCRフ゜ロタ゛クトが切れたために、ラテックスによる凝集反応が低下したものと考えられる。このことにより、ラテックス凝集反応を利用して点突然変異の検出が可能であることが示された。
【0065】
凝集率(P/T)%:(凝集した粒子のカウント数/全粒子のカウント数)×100
【0066】
【発明の効果】
本発明を使用すると、簡便で迅速にかつ高精度で増幅後の遺伝子を検出することができる。本発明の大きな利点は、抗原を認識する抗体または抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子を調製しておけば、目的遺伝子の種類を問わずに、これを用いて目的遺伝子の存在や量を測定することができる点である。また、本発明の遺伝子検出法はアイソトープを使用しないので安全である。本発明の遺伝子検出法はDNAのみでなく、RNAの検出にも使用できるので、エイズや肝炎などの多くの病気の診断、特に多数の試料の診断を迅速に行うのに極めて有用である。
【0067】
さらに、本発明の遺伝子中の突然変異を検出する方法を用いると、従来RFLP法等で検出していた突然変異をはるかに短時間で簡便に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遺伝子検出法を示す概略図である。
【図2】全自動免疫測定装置を用いて得られた粒度分布の例示である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅した遺伝子の検出方法に関するものであり、免疫学、分子生物学、診断学などの広い分野での利用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年の遺伝子工学の進歩に伴い、微量の遺伝子を大幅に増幅する方法が数多く考案されている。これらの方法を使用することにより試料中の微量な遺伝子を増やすことが可能になった。遺伝子増幅法として最も良く知られているのはPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)法である。この方法は目的遺伝子を含む領域の3’側と5’側の遺伝子配列に相補的な遺伝子断片(プライマー)を調製し、それを遺伝子の材料である塩基とともに試料と混合し、DNAポリメラーゼという遺伝子合成酵素を働かせて目的遺伝子を合成する方法である。この方法は、(1)熱変性によるDNA2本鎖の解離、(2)プライマーとのアニーリング、および(3)DNAポリメラーゼによる相補鎖合成、の3反応の繰り返し(通常20〜40サイクル)からなる。このとき2本鎖の遺伝子を熱をかけて1本鎖に解離するのであるが、使用するDNAポリメラーゼを耐熱菌由来のものとすることによって、1サイクルごとに新たにDNAポリメラーゼを補給することなく、温度変化のみによる反応の繰り返しによって遺伝子増幅を行うことが可能となった。この方法を用いることにより目的遺伝子を何十万倍、何百万倍にも増幅することができる。
【0003】
現在ではこの増幅法を自動的に行うサーマルサイクラーという機器も数多く販売されており、医学、診断学、分子生物学等の分野で広く使われている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
上述したように、簡便に遺伝子を増幅する方法は確立しているが、増幅した遺伝子を検出する方法としてはいまだに電気泳動法がその主流となっている。これはポリアクリルアミドなどのゲルに試料を添加し電気泳動を行いその後染色して遺伝子の有無を確認する方法であり、手間も時間もかかる方法である。その為遺伝子の増幅は数時間で終了するにも拘わらず、遺伝子の検出工程に時間がかかるため全体的な遺伝子検出にかかる時間は2、3日になってしまっている。また多検体の処理には向いておらず、臨床診断の分野での遺伝子診断法が普及しない理由の1つとしてこの遺伝子検出法が手間がかかるということがある。近年HPLC(高速液体クロマトグラフィー)やキャピラリー電気泳動で増幅した遺伝子を検出することが試みられているが、多検体を処理しようとするときこれらの方法は有効ではない。
【0005】
また、遺伝子を粒子凝集法によって検出しようとする試みが行われており、その技術が開示されている。例えば米国特許第5,104,791号では、目的遺伝子に相補的な遺伝子断片を2種類用意し、これらを粒子に結合させておき、これを目的遺伝子と結合させて凝集を生じさせ、次いで凝集形成によるシグナルを測定することにより目的遺伝子の存在や量を測定している。
【0006】
しかしながら、米国特許第5,104,791号の方法では、目的遺伝子ごとに異なる2種類の遺伝子断片を粒子に結合しなければならないという問題を抱えている。またこの特許では、目的遺伝子と相補的な関係にある遺伝子断片を使用するということから、目的遺伝子は1本鎖であることが必要である。通常DNAは2本鎖の状態で存在しており、遺伝子増幅法を使用した後も2本鎖遺伝子として試料が得られる。したがって、この特許ではその後に1本鎖にするという操作が必要であり、1本鎖にした後も試料中には相補的な遺伝子が存在しており、粒子上の遺伝子断片と競合的に反応することになる。このことは検出感度の低下を招き、測定法としてはあまり好ましくない。
【0007】
一方、目的遺伝子を認識する抗体を使用して遺伝子を検出することは原理的には可能である。この方法を用いても粒子凝集による遺伝子の検出は可能ではあるが、その実施はかなり困難なものになると予想される。遺伝子は4種類の塩基の配列によってその情報が保存されている。つまり遺伝子の構成成分としては4種類の塩基しかないわけで、特定の塩基配列にしか反応しない抗体を作成するのは困難であり、ある遺伝子配列を認識する抗体はそれと良く似た別の遺伝子配列の部分とも反応してしまう。この現象を交差反応といい、遺伝子を認識する抗体の大きな問題となっている。またこの方法でも、各々の遺伝子に対応した2種類以上の抗体を結合した個々の粒子を用意することが必要であり、簡便な方法とはいいがたい。
【0008】
また遺伝子の中には突然変異が存在する場合があり、その突然変異が疾病と深く関係することがあることは良く知られている。
【0009】
遺伝子の変異が原因で発病する疾病や危険因子となる疾病は数多く知られている。これらの疾病には、古くはサラセミアや血友病があり、近年では家族性筋萎縮性側索硬化症や家族性アルツハイマー病等が知られている。これらの疾患の中には遺伝子のほんの1部、ある場合は塩基配列の中の1塩基が変異したために生じる疾病もあり、このようなものは点突然変異と呼ばれている。このような微小の変異を検出する方法としては現在DGGE法やSSCP法やRFLP法が用いられている。DGGE法は変成剤濃度勾配ケ゛ル電気泳動と呼ばれている方法であり、2本鎖遺伝子の安定性が点突然変異が生じても変化することを利用して、変成剤の濃度勾配を有したケ゛ルで電気泳動を行うことによって変異を検出する方法である。一方SSCP法は1本鎖DNA高次構造多型解析法と呼ばれているもので、1本鎖のDNAはその塩基配列によって特有の高次構造をとることを利用して、増幅した2本鎖遺伝子を1本鎖に解離して非変性のポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけることによって移動度に差が生じることを原理として検出を行うというものである。この方法を用いることにより、数百塩基中の1塩基の変異でも移動度の差として検出できる。
【0010】
また変異の位置が一定している場合はRFLP法を実施することによってその変異を検出することができる場合がある。この方法は制限酵素断片長多型といわれる方法であり、ある変異が一定の場所で起こっており、その変異によってその場所がある制限酵素の切断サイトになったり、正常では切断サイトであったものが変異によって切断されなくなったりすることを利用したものである。変異を含む部位を挟んで遺伝子を増幅し、そのプロダクトにある制限酵素を作用させることで、変異の有無により切断部分が出現したり消失したりする、その変化を電気泳動的に検出する方法である。
【0011】
これらの方法は1塩基の変異をも検出できる巧妙な方法であるが、どの検出法も電気泳動による検出が主体であり、迅速性、簡便性、多検体処理性には優れていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便で迅速に増幅後の遺伝子を検出する方法を提供することを目的とする。
【0013】
またアイソトープを使用しない安全で高感度な検出系を提供することを目的とする。
【0014】
さらに本発明は、簡便で迅速な増幅後の遺伝子に含まれる変異を検出する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意研究の結果、増幅時に用いる遺伝子断片に抗原または抗体を結合し、その抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは抗原または抗体と特異的に結合する物質を表面に結合した粒子を使用することで凝集を生じることを利用して、増幅された遺伝子を検出することのできる方法を見いだした。
【0016】
さらに本発明者は、上述した遺伝子検出法を利用して、増幅した遺伝子が変異を含む遺伝子の場合、増幅後に制限酵素を反応させることによって、遺伝子が切断されたりされなかったりすることが粒子の凝集の大小として検出できることを見いだし、これによって遺伝子の突然変異を検出しうることを見いだした。
【0017】
すなわち、本発明は、抗原または抗体を結合した遺伝子断片を使用して増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは前記抗原または抗体と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させ、粒子の凝集程度を測定することにより目的遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子検出法を提供する。
【0018】
本発明はまた、抗原または抗体を結合した遺伝子断片を使用して増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは前記抗原または抗体と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させ、粒子の凝集程度を測定することにより目的遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子検出法において、
上記増幅に用いる遺伝子上に突然変異部位があるときに、該突然変異部位の存在によって切断様式の変化する制限酵素を作用させて、遺伝子に切断の有無を生じさせ、その結果生じる粒子の凝集程度の変化を検出することによって、遺伝子の突然変異を検出する方法を提供する。
【0019】
本発明による遺伝子検出法の原理
本発明の遺伝子検出法の原理は以下の通りである。なお、本発明の遺伝子検出法の概略を図1に示す。
【0020】
まず遺伝子増幅の原料となる遺伝子断片にあらかじめ抗原または抗体を結合しておき、その遺伝子断片をプライマーとして使用して何らかの遺伝子増幅処理を行う。試料中に目的遺伝子が存在していれば添加した抗原または抗体結合遺伝子断片を原料にして、遺伝子増幅法によって目的遺伝子が大量につくられる。増幅された遺伝子のほとんどは抗原または抗体を結合した遺伝子断片よりつくられているので、その両端には抗原または抗体を結合した形となっている。なお、抗原または抗体の結合位置は遺伝子断片の末端に限らず、いずれかの位置に1分子結合していればよい。末端に結合する場合には、増幅される方向とは反対側に結合する。
【0021】
この抗原または抗体に対して親和性を有する抗体または抗原を結合した粒子を、遺伝子増幅後に試料に添加すれば、増幅された遺伝子と反応して凝集を生じる。生じた凝集は目視、あるいは濁度、吸光度などでも測定は可能であるが、シースフロー中に流し個々の粒子にレーザー光を照射して生じる散乱光の強度を測定することによっても凝集の程度を知ることができる。この方法を用いることにより、増幅された遺伝子をより高感度で検出することができる。また、粒径を適当なものにすれば、電気抵抗法により測定することも可能である。ただし検出器の目づまり等の問題を考慮すると、光学的な方法で測定する方が好ましい。凝集粒子の検出は、全自動免疫凝集測定装置(例えば東亜医用電子株式会社製、PAMIA−30)を用いて凝集ラテックス粒子の大きさを光学的に測定することにより迅速かつ高感度、高精度で行うことができる。
【0022】
突然変異検出への応用
本発明の遺伝子の突然変異を検出する方法では、遺伝子増幅の原料となる遺伝子断片に抗原を結合し、その遺伝子断片を使用して何らかの遺伝子増幅処理を行う。試料中に変異を有する部分を含む目的遺伝子が存在していれば、添加した抗原結合遺伝子断片を原料にして、遺伝子増幅法によって目的遺伝子が大量につくられる。増幅された遺伝子のほとんどは抗原を結合した遺伝子断片よりつくられているので、その両端には抗原を結合した形となっている。また増幅された遺伝子には変異の部分が含まれている。
【0023】
この抗原に対して親和性を有する抗体を結合した粒子を、遺伝子増幅後の試料に添加すれば、増幅された遺伝子と反応して凝集を生じる。生じた凝集は目視、あるいは濁度、吸光度などでも測定は可能であるが、上述したようにシースフロー中に流し、個々の粒子にレーザーをあてて生じる前方散乱光強度を測定することによっても凝集の程度を知ることができる。
【0024】
このとき、増幅した遺伝子中に突然変異が存在することにより、正常な検体であれば切断されることのない遺伝子中に、ある制限酵素の切断部位が出現した場合、その制限酵素を増幅遺伝子に作用することによって切断されれば粒子の凝集は低下するし、切断されなければ粒子の凝集には変化のないことが判る。このように突然変異の存在によって制限酵素の切断部位が新たに生じる場合のみでなく、突然変異の存在によって、正常検体では特定の制限酵素で切断されていた個所が切断されなくなる場合もある。よって遺伝子増幅後の試料に対して制限酵素を作用させたものと作用させていないものとを調製し、その両方に対して凝集反応を調べることによって、その遺伝子内の突然変異の有無を知ることができる。
【0025】
なお、制限酵素の添加は、抗体結合粒子と反応させる前でも後でも構わないが、粒子と反応させる前に添加する方が、市販の粒子凝集測定装置(例えば、東亜医用電子(株)のPAMIAシリーズ)をほぼそのまま使えるので有利である。
【0026】
本発明の方法によって検出できる突然変異としては家族性筋萎縮性側索硬化症、家族性高コレステロール血症、赤血球酵素異常症、血友病等従来RFLP法で調べていたものの多くが含まれる。本発明の方法により、従来の電気泳動法によって検出するRFLP法に比較してはるかに簡便に遺伝子診断を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の態様】
プライマーとして用いる、目的遺伝子を含む領域の3’側および5’側の遺伝子配列と相補的な遺伝子断片に結合する抗原または抗体としては様々なものが利用可能であるが、できるだけ分子量の小さいものの方が遺伝子増幅時に邪魔にならない。その意味では低分子の抗原であるハプテンを結合するのが好ましい。ハプテンの例としては、ビオチン、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)等が挙げられる。
【0028】
以下に抗原を結合した遺伝子断片を使用する場合について述べる。
【0029】
抗原を結合した遺伝子断片は当業界で公知の方法を用いて調製できる。例えば、ビオチン化プライマーを調製するには、ビオチン化ヌクレオチド(BIOTIN dXTM、和光純薬工業(株)から入手可能)および通常のヌクレオチドを用いて、ABI社の自動合成装置により合成することができる。上述したように、ビオチン分子は3’末端と5’末端に結合することが好ましいが、これに限らず次の増幅反応を妨げない限りプライマーの途中に結合することもできる。さらに、オリゴヌクレオチドビオチンラベリングキット(アマシャム社製)などを用いてオリゴヌクレオチドの末端にビオチン1分子を結合することもできる。なお、所望のビオチン化プライマーは、例えば宝酒造(株)に合成を委託することもできる。
【0030】
このようにして調製した抗原を結合した遺伝子断片をプライマーとして用いてPCR法などにより遺伝子を増幅する。遺伝子増幅は当業界で公知の方法を用いて行うことができる。例えば、抗原結合プライマー、ヌクレオチド混合物、DNAポリメラーゼを用いて、パーキンエルマー社のサーマルサイクラーを使用してPCR反応を行って2重鎖遺伝子を得る。
【0031】
別途、前記抗原を認識する抗体または前記抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子を調製する。
【0032】
粒子としては様々なものが使用可能であるが、シースフロー中に流して分析を行う場合、粒径が均一であることが重要であり、その目的のためには粒径の揃ったラテックス粒子が最も有用だと考えられる。粒径については、凝集度合を検出できるものならば、とくに制限されない。例えば、積水化学工業(株)から入手できる粒径0.8μmのソープフリーのポリスチレンラテックスなどを使用できる。
【0033】
粒子表面に結合する抗体としては様々なものが使用可能であるが、本発明の好ましい態様では増幅された遺伝子は両端に同じ抗原を有することから、その抗原に対するモノクローナル抗体を使用することが可能である。通常単一では凝集法に使用できないモノクローナル抗体も、この方法を使用することによって1種類で粒子の凝集を起こすことが可能となる。
【0034】
上述した米国特許第5104791号では、目的遺伝子に相補的な遺伝子断片を2種類使用して目的遺伝子と結合させて凝集を生じさせている。しかしながらこの方法では、目的遺伝子ごとに異なる2種類の遺伝断片を粒子に結合しなければならないという問題を抱えている。本発明では検出に用いる抗体結合粒子は同じ標識抗原を使用する限りは1種類ですむという利点を有している。どのような遺伝子を検出するときも1種類の粒子だけで検出できるというのは大きな利点である。
【0035】
また、本発明で使用する抗体は、目的遺伝子に対するものではなく任意のものが選択できるので、特異性の高いもの、またあるいは測定しようとする試料中には決して入ってこないような抗原を使用することによって目的の反応を確実に、また高感度に行うことのできる測定系を提供することができる。
【0036】
なお、本発明で使用する抗原と特異性に結合するものであれば、抗体に限らず粒子に結合して使用することができる。たとえば、ビオチン−アビジンまたはストレプトアビジン、リガンド−レセプター、糖鎖−レクチンあるいは、酵素−インヒビターの特異性結合を利用し、一方をプライマーに他方を粒子に結合して使用することができる。このとき、抗原を結合したプライマーが遺伝子増幅を妨げないことが必要である。
【0037】
本発明では、上述したように、同じ抗原をプライマーに結合する限りは、検出すべき目的遺伝子が何であっても、検出に用いる抗体結合粒子は1種類ですむという利点を有している。粒子上の抗体は、遺伝子断片に結合した抗原と結合するので、どのような遺伝子を検出するときも1種類の粒子だけで検出できる。なお、3’側と5’側のプライマーごとに結合する抗原を変えても構わない。その場合は、それぞれの抗原に対する抗体を結合した粒子を準備する必要がある。試薬の構成を簡単にするためには、プライマーに結合する抗原は同じにする方が好ましい。
【0038】
粒子に、抗体または抗原と特異的に結合する物質を結合するには、当業界で公知の方法、例えば、物理吸着法、共有結合法等を用いて行うことができる。特に、物理吸着法は簡単な操作で行うことができ、一般的な方法としては、例えば抗体溶液を粒子懸濁液と混合し、4℃で一晩または25℃で数時間反応させて行うことができる。
【0039】
増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原を認識する抗体または前記抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させると、抗原抗体反応によって粒子の凝集が生じ、2量体、3量体、4量体などが得られる。個々の凝集または未凝集粒子の大きさをシースフローセルを通過するときにレーザー光を照射して生じる散乱光強度を測定することにより凝集の程度を知ることができる。これらは例えば上述した全自動免疫測定装置を用いると簡便かつ迅速に測定できる。図2に、このような全自動免疫測定装置を用いて得られた粒度分布を例示する。凝集体の存在は試料中に目的遺伝子が存在することを示す。本発明の方法を用いて、目的遺伝子の存在や量を簡単に測定することができる。
【0040】
本発明の遺伝子検出法を使用できる目的遺伝子としては、DNAのみならずRNAも含む。例えば目的遺伝子がmRNAである場合にはあらかじめ逆転写酵素を用いてcDNAを調製した後、遺伝子増幅を行えばよい。
【0041】
本発明を以下の実施例を用いて詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0042】
【実施例】
実施例1:ビオチン化プライマーを用いたPCR産物を検出することによるヒトゲノムDNAの検出
ビオチン化プライマーの調製
ヒトゲノムDNAのうちβグロビン領域のDNA(Saiki,R.K.ら,(1988) Science, 239, 487-491 参照)を増幅し、その産物をラテックス凝集によって検出した。
【0043】
検出する試料はヒト白血球であり、プライマーとしては宝酒造(株)から発売されているβグロビンプライマーセットのうちの、PC03とKM38というプライマーと同じ塩基配列をもち、その末端にビオチン分子を1分子結合したプライマーを合成しビオチン化プライマーとして用いた。PC03とKM38によって増幅される遺伝子断片の大きさは167bpである。
【0044】
作製したプライマーの塩基配列は以下の通りである。
PC03−Biotin:Biotin−ACACAACTGTGTTCACTAGC
KM38−Biotin:TGGTCTCCTTAAACCTGTCTTG−Biotin
上記ビオチン化プライマーはABI社の自動合成装置を使用して合成した。
【0045】
試料調製
試料としてはヒト血液を使用した。抗凝固剤としてクエン酸3ナトリウムを使用して採取した血液を遠心分離(3000rpm.15分)し、バッフィコート(buffy coat)を採取した。採取したバッフィコートを生理食塩水で希釈して、白血球数が10μ1当たり約100000,10000,1000個の試料を作成した。白血球数の測定には自動血球計数装置F−800(東亜医用電子株式会社)を使用した。血液中のDNAのほとんどは白血球由来であるので、ここからグアニジウムイソチオシアネート法(分子細胞生物学基礎実験法、南江堂)を使用してPCRに使用するDNAサンプルを調製した。
【0046】
遺伝子増幅
PCRはパーキンエルマー社のサーマルサイクラーを使用して行った。
【0047】
PCR反応に用いた液組成は以下の通りである:
緩衝液(200mM Tris buffer,pH8.4,15mM Mg
Cl2,1mg/m1 BSA) :5μl
精製水 :39.5μl
10mM dNTP混液 :1μl
ビオチン化プライマー(各10μM) :各1μl
PC03−Biotin:
KM38−Biotin:
TaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaqTM,宝酒造(株)):0.5μl
抽出DNA溶液 :2μl
PCR反応は、94℃で45秒、55℃で25秒、72℃で3分を20サイクル行った。
【0048】
抗ビオチン抗体結合ラテックスの調製
粒径0.78μmのポリスチレンラテックス(積水化学工業社製)を10mMPBS,pH7.0中に5%(w/v)の濃度に調製し、そこに抗ビオチン抗体(モノクロ−ナル抗体:バイオデザイン社製)をラテックス分散液1ml当たり50μg添加し4℃で24時間反応させた。その後遠心(12000rpm.10分)を行い1mg/ml BSAを含む0.1M PBS緩衝液を最初と同量添加し粒子を分散させた。もう1度遠心処理を行い同じ緩衝液中に分散させて抗ビオチン抗体結合ラテックスとした。
【0049】
凝集反応
PCR後の試料10μlに抗ビオチン抗体結合ラテックス粒子(0.5%)10μlを添加し、1mg/mlのBSAを含む0.1Mリン酸緩衝液80μlを加え45℃で15分間反応させた後ラテックス粒子の凝集率を測定した。この反応及び測定は全自動免疫測定装置PAMIA−30(東亜医用電子株式会社)を用い、前方散乱光強度を測定した。
【0050】
凝集率はトータルの粒子数に対する凝集した粒子数のパーセントで示される。測定結果を以下の表1に示す。表1から明らかなように白血球数が10μl当たり1000個の試料からでも十分な凝集率が得られている。また白血球からのDNAを含まない試料(PCRに用いた液組成で抽出DNA(白血球のDNA)を含まないもの)ではラテックス凝集せず、白血球のDNAを含む試料では凝集がみられたことから、ラテックス試薬はPCR産物のビオチンと反応することによって凝集が生じたことが解る。
白血球数(個/10μl) 100000 10000 1000 0
凝集率(P/T%) 43.2 40.5 35.9 3.4
【0051】
実施例2:ヒトヘモグロビン遺伝子中の突然変異の検出
本発明の方法を用いてヒトヘモグロビン遺伝子の突然変異の検出を行った。
【0052】
ビオチン化プライマーの調製
フ゜ライマーとしては宝酒造(株)から発売されているβク゛ロフ゛リンフ゜ライマーセットの塩基配列と同じものを用いた。これには部位の異なるフ゜ライマーが6種類販売されており、その組み合わせによって9種類の大きさの断片を増幅できる。
【0053】
本実施例ではPC03とPC04というフ゜ライマーと同じ塩基配列のものを合成し、その末端にヒ゛オチン分子を1分子結合したフ゜ライマーを作製しヒ゛オチン化フ゜ライマーとして用いた。PC03とPC04によって増幅される遺伝子断片の大きさは110bpである。
【0054】
作製したフ゜ライマーの塩基配列は以下の通りである:
PC03:Biotin-ACACAACTGTGTTCACTAGC
PC04:CAACTTCATCCACGTTCACC-Biotin
なお、上記ヒ゛オチン化フ゜ライマーは宝酒造に合成を依頼した。
【0055】
試料調製
上述のフ゜ライマーの組合せで検出できる突然変異にはcodon 17 mutant alleleがある。
【0056】
この突然変異ではノンセンス領域でAからTへの突然変異が起こっており、この変異では制限酵素Nhe Iを使用することによりRFLPでの検出が可能である。すなわち正常検体ではこのフ゜ライマーの組合せでできてくるPCRフ゜ロタ゛クトはNhe Iによって切断されないので、酵素反応後に電気泳動を行ってもハ゛ント゛は110bpのところに1本検出されるだけであるが、突然変異の起こった検体では酵素によって切断されるサイトが出現することから、電気泳動的には87bpのハ゛ント゛となる。ヘテロの検体では両方のハ゛ント゛が出現することになる。
【0057】
試料の調製はClin.Biochem,26,497-503,1993の方法に準じて行った。試料としては正常及び上記部位に突然変異を有することがわかっているヒト血液を使用した。ケ゛ノムDNAの抽出にはファルマシア社のRapidPrep Genomic DNA Isolation Kits for Bloodを使用してPCRに使用するサンフ゜ルを調製した。
【0058】
遺伝子増幅
PCRはハ゜ーキンエルマーのサーマルサイクラーを使用して行い、試薬は宝酒造(株)のGeneAmpを使用した。
【0059】
PCR反応の液組成は以下の通りである:
緩衝液(200mM Tris Buffer pH8.4,15mM MgCl2,1mg/ml BSA):5μl
精製水 :39.5μl
10mM dNTP混液 :1μl
ヒ゛オチン化フ゜ライマー(各10μM) :1μl
TaqDNAホ゜リ・堰[セ゛ :0.5μl
PCR反応は、94℃で1分、55℃で2分、68℃で2分のサイクルで35サイクル行った。
【0060】
抗 ヒ゛オチン 抗体結合 ラテックス の調製
粒径0.78μmのホ゜リスチレンラテックスを20mM Tris-buffer, pH7.0中に、5%(w/v)の濃度に調製し、そこに抗ヒ゛オチン抗体(ツmクローナル抗体:ハ゛イオテ゛サ゛イン社製)をラテックス溶液1ml当たり50μg添加し4℃で24時間反応させた。その後遠心(12000rpm,10min.)を行い1mg/mlBSAを含む0.1MPBS溶液を最初と同量添加し粒子を分散させた。もう1度遠心処理を行い同じ溶液中に分散させて抗ヒ゛オチン抗体結合ラテックスとした。
【0061】
凝集反応
まずPCRによる遺伝子増幅が行えたかどうかを確認するために、PCR後のサンフ゜ル10μlに抗ヒ゛オチン抗体結合ラテックス粒子(0.5%)10μlを添加し、1mg/mlのBSAを含む0.1Mリン酸緩衝液80μlを加え45℃で15分間反応させた後ラテックス粒子の凝集率を測定した。測定には東亜医用電子(株)製の全自動免疫測定装置PAMIA-30を用いた。
【0062】
次に、突然変異の検出を行うために、同じくPCR後のサンフ゜ル10μlをとり、緩衝液10μlを添加したものと、Nhe I10ユニットを含む緩衝液10μlを添加したものを各々調製し、その両者を37℃で一晩インキュヘ゛ートしたものについてそれぞれ上記と同様の操作を行って粒子と反応させ、PAMIA-30による測定を行った。
【0063】
凝集率はトータルの粒子数に対する凝集した粒子数のパーセントで示される。
【0064】
測定結果を以下に示すが、正常検体では制限酵素を反応させても凝集率は変化しなかったが、codon 17に突然変異を有する検体では、酵素を反応させないサンフ゜ルの凝集率は正常検体と変わらないが、酵素を反応させることによって凝集率の低下が見られた。このことは突然変異の検体では変異によってNhe Iの切断サイトが出現したため、制限酵素によってPCRフ゜ロタ゛クトが切れたために、ラテックスによる凝集反応が低下したものと考えられる。このことにより、ラテックス凝集反応を利用して点突然変異の検出が可能であることが示された。
【0065】
凝集率(P/T)%:(凝集した粒子のカウント数/全粒子のカウント数)×100
【0066】
【発明の効果】
本発明を使用すると、簡便で迅速にかつ高精度で増幅後の遺伝子を検出することができる。本発明の大きな利点は、抗原を認識する抗体または抗原と特異的に結合する物質を結合した粒子を調製しておけば、目的遺伝子の種類を問わずに、これを用いて目的遺伝子の存在や量を測定することができる点である。また、本発明の遺伝子検出法はアイソトープを使用しないので安全である。本発明の遺伝子検出法はDNAのみでなく、RNAの検出にも使用できるので、エイズや肝炎などの多くの病気の診断、特に多数の試料の診断を迅速に行うのに極めて有用である。
【0067】
さらに、本発明の遺伝子中の突然変異を検出する方法を用いると、従来RFLP法等で検出していた突然変異をはるかに短時間で簡便に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遺伝子検出法を示す概略図である。
【図2】全自動免疫測定装置を用いて得られた粒度分布の例示である。
Claims (8)
- 抗原または抗体を結合した遺伝子断片を使用して増幅した2重鎖遺伝子を、前記抗原または抗体を認識する抗体または抗原を結合した粒子、あるいは前記抗原または抗体と特異的に結合する物質を結合した粒子と反応させ、粒子の凝集程度を測定することにより目的遺伝子を検出することを特徴とする遺伝子検出法において、
上記増幅に用いる遺伝子上に突然変異部位があるときに、該突然変異部位の存在によって切断様式の変化する制限酵素を作用させて、遺伝子に切断の有無を生じさせ、その結果生じる粒子の凝集程度の変化を検出することによって、遺伝子の突然変異を検出する方法。 - 上記粒子が粒径が均一のラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- シースフローセル中を流れる粒子に光を照射して生じる散乱光の強度から凝集程度を測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 散乱光が前方散乱光である請求項3に記載の方法。
- 遺伝子断片に結合するのが抗原であり、粒子表面に結合するのが前記抗原を認識する抗体である請求項1に記載の方法。
- 抗原がハプテンである請求項5に記載の方法。
- 抗体がモノクローナル抗体である請求項5又は6に記載の方法。
- 遺伝子断片に結合する抗原が1種類であり、且つ粒子表面に結合する抗体が1種類のモノクローナル抗体である請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
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