JP3545144B2 - 内燃機関の給気冷却器取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機付ディーゼル機関に付設される給気冷却器(インタークーラー)の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機付ディーゼル機関では、過給機で温度上昇した給気を冷却して、シリンダの給気通路(給気マニホルド)に送り込むため、給気冷却器(インタークーラー)を配設する。
しかし、従来の給気冷却器は、図6と図7に図示する如く、空気通路の入口・出口を対向側に設けている。これに伴い、従来の冷却器取付構造としては、まず、図6及び図7図示(図6は従来の内燃機関における冷却器取付部分の正面図、図7は同じく側面図であり、図中の一点鎖線矢印は空気の流れを示す。)の如く、給気冷却器AC’における空気通路の入口・出口よりそれぞれ過給機・給気マニホルドに連通する入口・出口ダクト11・12を設け、給気冷却器の取付台10には、給気冷却器AC’をエンジン(ディーゼルエンジン)Eに付設するための取付用部材としての機能しか有していないものが一般的である。
また、実開平5−7935には、取付台を給気冷却器の出口ダクトとして兼用したものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の図6及び図7図示の構造では、給気冷却器を取り付けるに当たっては、取付台とは別に、給気冷却器の入口と出口に、それぞれ過給機・給気マニホルドに連通するエアダクト(入口ダクト11と出口ダクト12)を設けなければならない。
また、実開平5−7935においても、入口ダクトの配管が必要である。
また、これらの配管に当たっては、継手部分に熱膨張緩衝機構(図6及び図7中の熱膨張緩衝機構13)を必要とする。更に、給気冷却器の空気通路の入口・出口が対向側に設けられている場合、フィン等で形成した冷却通路内に入り込まずに入口側から出口側へと直線状に短絡してしまう空気が多く、また、短絡しなくとも、フィン等で形成冷却通路部断面の全体ではなく、一部に空気が偏って通過することが多いため、冷却効率が悪く、その分、大型の給気冷却器を使用する必要があった。更に、機関の冷却に関して、エアダクトや取付台とは別に、冷却水管の配管も必要である。
【0004】
エアダクトの配設に際し、構成部品の点数の多さは免れることができず、それ故、コスト高に繋がる。また、エアダクト内を流れる過給機からの高温空気の熱によって生じる構成部品の熱変形による歪みは、部品の接合部における空気漏れを発生させることから、部品点数と空気漏れ発生部が比例して多くなるという不具合がある。
更に、高温空気により、各構成部品が高温にさらされることから、各部品の材料の耐熱性も問題となる。また、高温となった部材には、直接触れて火傷等を負わないように、防熱カバー等を設ける必要があり、耐熱性材料の採用とともに高コスト化の要因となる。
【0005】
ここで、空気冷却器の入口・出口ダクトの配管を削除することを図って、取付台内に、入口・出口空気通路(エアダクト)を形成することを考える。このことで、部品間の接合部が二箇所となり、空気漏れのおそれが低下し、構成部品の材料・種類数も低減させることができる。しかし、依然、高温空気が流れる取付台は高温となるものであり、高温の取付台に直接触れて火傷を負わないように、防熱用のカバーを設ける等の対策が必要で、結局、高コスト化に繋がってしまう。
【0006】
また、入口・出口の両エアダクトを取付台内に形成するのに伴っては、取付台の一面(上面)に空気入口・出口を並設し、給気冷却器の入口・出口を同一側に形成することとすることで、コンパクト化が実現し、入口・出口が対向状に配設されることによる空気短絡もなくなる。
但し、これは、同一側に形成される入口・出口間が有効に隔離されていることが前提となるものであり、もしもこの部分の隔離が不十分であれば、却って入口・出口間の短絡が余計に生じ、冷却効率を低下させる。
【0007】
例えば、もしもこの隔離を、給気冷却器内の冷却通路を形成するプレートフィンにて形成すれば、構造的に弱いので、流入空気の圧力や熱による歪みが生じ、このような問題が発生する。歪みの生じないような仕切り板を設けようと思えば、給気冷却器の断面全体をカバーするような大きなものになりがちであり、取付ボルトの多数化を招き、仕切り板自体のコストも高くなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関の給気冷却器取付構造に関しての以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
請求項1においては、内燃機関に連設される取付台1に給気冷却器ACを取り付ける構造において、該取付台1の内燃機関に連設される側に給気冷却器ACの空気通路の入口・出口を形成し、該取付台1の内部に前記空気通路の入口・出口に各々連通し、かつ他端が取付台1の上端部1bに取り付ける給気冷却器ACに連通する入口ダクト1dと出口ダクト1eを一体状に内設し、更に、該取付台1に、機関冷却水の通路1gを一体状に内設したものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載の内燃機関の給気冷却器取付構造において、該取付台1内における入口ダクト1dと出口ダクト1eの二経路の空気ダクトの間に隔壁1cを設け、該隔壁1cに連接すべく、該給気冷却器AC内に、空気通路の入口・出口を隔離する仕切板7を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図面より説明する。
図1は本発明に係るディーゼル機関における給気冷却器取付部の正面図、
図2は同じく側面図、
図3は給気冷却器及びこれを取り付ける取付台の正面図、
図4は同じく側面断面図、図5は仕切板7の側面断面図である。
なお、図4中、一点鎖線矢印は空気の流れ、二点鎖線矢印は冷却水の流れを示す。
【0011】
まず、エンジンにおける本発明の給気冷却器(インタークーラー)取付構造の概略構造について、図1及び図2より説明する。
エンジン(ディーゼルエンジン)Eにおいて、一側面に冷却水ポンプPが設けられている。また、該冷却水ポンプPの取付側面には、エンジンE内に形成する過給機からの給気通路の出口と、給気弁への給気通路の入口とを並設して開口させている。
【0012】
そして、該冷却水ポンプP上方におけるエンジンE側面の給気通路の出入口に対して、取付台1の側面フランジ部1aを取り付け、該取付台1の上端部1bに給気冷却器ACを搭載固定しているのである。
【0013】
次に、取付台1内に形成するエアダクト及び冷却水通路の構造について、図1乃至図4より説明する。
取付台1は、後記給気冷却器ACの取付部となる上端部1bが水平状となって開口しており、エンジンEに取り付ける該側面フランジ部1aと該上端部との各開口部間にて、内部に、隔壁1cにて隔離した入口ダクト1dと出口ダクト1eとを形成している。
即ち、側面フランジ部1aと上端部1bとは、入口ダクト1dと出口ダクト1eの入口・出口を形成している。隔壁1cは、取付台1の構成部材と一体状に成形されるものである。
【0014】
更に、取付台1の正面下部には、冷却水入口フランジ部1fを形成しており、前記の側面フランジ部1aにて開口される冷却水出口との間に冷却水通路1gを形成しており、該冷却水入口フランジ部1fと、該取付台1の下方に配設される冷却水ポンプPの吐出口との間には、冷却水管9を介設して、冷却水ポンプPより吐出される機関冷却水を、冷却水通路1gに通して、エンジンE内の冷却水ジャケットに導入するようにしている。
【0015】
図2及び図4の如く、該入口ダクト1dの入口部分(側面フランジ部1a寄り部分)は該出口ダクト1eの出口部分の下方に並設されていて、その直下に冷却水通路1gが近接して通っている。入口ダクト1dは過給機からの高温空気が通過するため、これを冷却しないと、取付台1に熱変形が発生するおそれもある。
そこで、本来、別系統である機関冷却水を取付台1内に引込み、これを利用して入口ダクト1dの冷却を図るべく、このような冷却水通路1gを設けているのである。これに伴って、冷却水ポンプPからの配管は、近接する取付台1への冷却水管9のみですみ、配管長も短縮され、配管構造を容易化する。
【0016】
次に、給気冷却器ACの構成について図1乃至図5より説明する。
内設する後記の冷却水管5を支える前後のチューブシート2a・2aと、その前後に冷却水管5の冷却水出入口を具備する冷却水ヘッダ2・2と、左右側面を形成する側面パネル3・3にて横四方を囲み、上部には空気回行路4aを内部に形成するヘッダ4を取り付けて、筐体を構成している。
底部は開口していて、これを取付台1の上端部1bに取り付けると、図4図示の矢印の如く、該取付台1の上端部1bにおける入口ダクト1dの出口より給気が上方向きに入り込み、ヘッダ4内の空気回行路4aを介してUターンし、下向きになった給気が、取付台1の上端部1bにおける出口ダクト1eの入口へと流れる。このように、給気冷却器AC内には、空気回行路4aを経て、対向状の二経路の空気通路が生じる。
従来は入口・出口が対向位置にあって、直線状で一方向の空気通路を形成していたが、この場合には、充分に冷却されないままに入口から出口まで早く流動する空気も多く、冷却効率があまりよくなかったが、このように空気を回行させることで、この空気経路を辿れば、短絡的に早く流動してしまう空気は殆どなくなり、略全量の空気に冷却作用を施すことができる。
【0017】
給気冷却器ACの内部においては、図4の如く、冷却水管5を配管し、垂直板状のプレートフィン6・6・・・を配設している。空気は、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に導入され、ヘッダ5内を経て、出口ダクト1eへと流動する過程で、プレートフィン6・6間に導かれ、その途中で、冷却水管5及びプレートフィン6に接触して冷却されるのである。
【0018】
しかし、給気冷却器AC内において、図4の矢印に示すように、給気が入口ダクト1dから垂直上方に流動して、空気回行路4aにて回行し、出口ダクト1eへと垂直下方に流動しなければ、前記の冷却効果が有効に得られない。即ち、底部付近(取付台1の上端部1bへの取付部分付近)にて、入口ダクト1dより流入した空気が水平状に流れて、出口ダクト1eへと短絡しては、冷却効果が少なくなる。
これを防ぐには、給気冷却器AC内における空気の、入口ダクト1dからの垂直上方の流れと、出口ダクト1eへの垂直下方への流れとを隔離しなければならない。まず、プレートフィン6・6・・・・部分においては、プレートフィン6がそのまま隔壁の機能をする。
【0019】
問題は、底部の空気出入口付近である。入口ダクト1dから出口ダクト1eへの短絡を隔絶する手段として、まず、中央のプレートフィン6の下端部を、隔壁1c上端に当接するまで延設することが考えられるが、構造上弱いので、歪みを生じるおそれがある。
そこで、別体の仕切板を設けることが考えられるが、できるだけ取付が簡単で小型の構造としたい。
【0020】
図4及び図5図示の仕切板7は、この要望に応えて構成したものである。該仕切板7は、多少熱膨張する部材よりなっており、上下面が精度仕上げされ、またこれに伴って、隔壁1cの上端面も、精度仕上げされている。
該仕切板7は、図4の如く、中央のプレートフィン6下端と、取付台1の隔壁1cの上端との間にて横設され、左右端を、図3の如く、側板プレート3・3に対して、ボルト8・8・・・にて締止されものであり、このように側板プレート3・3間に横設することで、仕切板7自身の取付形態の安定は勿論、側板プレート3・3の支持部材としての機能をも奏する。
【0021】
こうして給気冷却器AC内に仕切板7を配設した状態で、入口ダクト1dからの空気が流入すると、この空気の熱によって、該仕切板7が熱膨張し、その下端面は、該隔壁1cの上端面に一層密着し、その上端面は、プレートフィン6の熱膨張もあって、中央のプレートフィン6の下端部に密着するので、プレートフィン6下端と取付台1の上端部1bとの間における入口ダクト1dから出口ダクト1eへの空気の短絡は確実に防止され、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に流入した空気は、全量(略全量)が垂直上方に流れて、プレートフィン6・6・・・及び冷却水管5の配設部分へと導かれて、冷却効果を得る。
このように、導入した空気が短絡せず、全量(略全量)に冷却作用を施すことができるので、冷却効率がよく、従って、その分、給気冷却器AC自体の小型化をも促すことができるのである。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上のような内燃機関の給気冷却器取付構造としたので、以下のような効果を奏する。
請求項1記載の如く構成したので、取付台が給気冷却器の入口用・出口用空気ダクトを兼用しており、給気冷却器に対して、別途、空気の入口ダクトと出口ダクトを配管する必要がなく、これらの配管に伴う煩雑な熱膨張緩衝機構の取付も不要である。
また、請求項1記載の構成とすることにより、取付台内部に過給機からの高温空気が流動する構造であっても、冷却水通路1gも一体的に構成したので、内設した機関冷却水の通路に機関冷却水を導入することで、この高温空気の流れる空気通路を冷却させることができ、取付台の熱変形を回避させ、複雑な熱変形防止用の構成部材を必要とせず、また、取付台自体の高温化が回避されるため、火傷防止用の防熱カバー等を施す必要もない。
【0023】
更に、請求項1記載の、給気冷却器内の空気通路が回行する構造と相まって、請求項2の如く構成することにより、給気冷却器AC内に仕切板7を配設した状態で、入口ダクト1dからの空気が流入すると、この空気の熱によって、該仕切板7が熱膨張し、その下端面は、該隔壁1cの上端面に一層密着し、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に流入した空気は、全量(略全量)が垂直上方に流れて冷却効果を得る。
故に、給気冷却器内に導入された空気が空気通路出口へと短絡するのが防止され、取付台の空気通路より給気冷却器内に導入される空気の略全量が、本来の冷却作用を得る請求項1記載の空気経路を辿る。
従って、非常に冷却効率の高い給気冷却器となるので、冷却効率がよくなる分、給気冷却器の小型化にも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディーゼル機関における給気冷却器取付部の正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】給気冷却器及びこれを取り付ける取付台の正面図である。
【図4】同じく側面断面図である。
【図5】仕切板7の側面断面図である。
【図6】従来の内燃機関における冷却器取付部分の正面図である。
【図7】同じく側面図である。
【符号の説明】
AC 給気冷却器
E エンジン(ディーゼルエンジン)
P 冷却水ポンプ
1 取付台
1a 側面フランジ部
1b 上端部
1c 隔壁
1d 入口ダクト
1e 出口ダクト
1f 冷却水入口フランジ部
1g 冷却水通路
2 冷却水ヘッダ
2a チューブシート
3 側面パネル
4 ヘッダ
4a 空気回行路
5 冷却水管
6 プレートフィン
7 仕切板
8 ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、過給機付ディーゼル機関に付設される給気冷却器(インタークーラー)の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機付ディーゼル機関では、過給機で温度上昇した給気を冷却して、シリンダの給気通路(給気マニホルド)に送り込むため、給気冷却器(インタークーラー)を配設する。
しかし、従来の給気冷却器は、図6と図7に図示する如く、空気通路の入口・出口を対向側に設けている。これに伴い、従来の冷却器取付構造としては、まず、図6及び図7図示(図6は従来の内燃機関における冷却器取付部分の正面図、図7は同じく側面図であり、図中の一点鎖線矢印は空気の流れを示す。)の如く、給気冷却器AC’における空気通路の入口・出口よりそれぞれ過給機・給気マニホルドに連通する入口・出口ダクト11・12を設け、給気冷却器の取付台10には、給気冷却器AC’をエンジン(ディーゼルエンジン)Eに付設するための取付用部材としての機能しか有していないものが一般的である。
また、実開平5−7935には、取付台を給気冷却器の出口ダクトとして兼用したものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の図6及び図7図示の構造では、給気冷却器を取り付けるに当たっては、取付台とは別に、給気冷却器の入口と出口に、それぞれ過給機・給気マニホルドに連通するエアダクト(入口ダクト11と出口ダクト12)を設けなければならない。
また、実開平5−7935においても、入口ダクトの配管が必要である。
また、これらの配管に当たっては、継手部分に熱膨張緩衝機構(図6及び図7中の熱膨張緩衝機構13)を必要とする。更に、給気冷却器の空気通路の入口・出口が対向側に設けられている場合、フィン等で形成した冷却通路内に入り込まずに入口側から出口側へと直線状に短絡してしまう空気が多く、また、短絡しなくとも、フィン等で形成冷却通路部断面の全体ではなく、一部に空気が偏って通過することが多いため、冷却効率が悪く、その分、大型の給気冷却器を使用する必要があった。更に、機関の冷却に関して、エアダクトや取付台とは別に、冷却水管の配管も必要である。
【0004】
エアダクトの配設に際し、構成部品の点数の多さは免れることができず、それ故、コスト高に繋がる。また、エアダクト内を流れる過給機からの高温空気の熱によって生じる構成部品の熱変形による歪みは、部品の接合部における空気漏れを発生させることから、部品点数と空気漏れ発生部が比例して多くなるという不具合がある。
更に、高温空気により、各構成部品が高温にさらされることから、各部品の材料の耐熱性も問題となる。また、高温となった部材には、直接触れて火傷等を負わないように、防熱カバー等を設ける必要があり、耐熱性材料の採用とともに高コスト化の要因となる。
【0005】
ここで、空気冷却器の入口・出口ダクトの配管を削除することを図って、取付台内に、入口・出口空気通路(エアダクト)を形成することを考える。このことで、部品間の接合部が二箇所となり、空気漏れのおそれが低下し、構成部品の材料・種類数も低減させることができる。しかし、依然、高温空気が流れる取付台は高温となるものであり、高温の取付台に直接触れて火傷を負わないように、防熱用のカバーを設ける等の対策が必要で、結局、高コスト化に繋がってしまう。
【0006】
また、入口・出口の両エアダクトを取付台内に形成するのに伴っては、取付台の一面(上面)に空気入口・出口を並設し、給気冷却器の入口・出口を同一側に形成することとすることで、コンパクト化が実現し、入口・出口が対向状に配設されることによる空気短絡もなくなる。
但し、これは、同一側に形成される入口・出口間が有効に隔離されていることが前提となるものであり、もしもこの部分の隔離が不十分であれば、却って入口・出口間の短絡が余計に生じ、冷却効率を低下させる。
【0007】
例えば、もしもこの隔離を、給気冷却器内の冷却通路を形成するプレートフィンにて形成すれば、構造的に弱いので、流入空気の圧力や熱による歪みが生じ、このような問題が発生する。歪みの生じないような仕切り板を設けようと思えば、給気冷却器の断面全体をカバーするような大きなものになりがちであり、取付ボルトの多数化を招き、仕切り板自体のコストも高くなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関の給気冷却器取付構造に関しての以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
請求項1においては、内燃機関に連設される取付台1に給気冷却器ACを取り付ける構造において、該取付台1の内燃機関に連設される側に給気冷却器ACの空気通路の入口・出口を形成し、該取付台1の内部に前記空気通路の入口・出口に各々連通し、かつ他端が取付台1の上端部1bに取り付ける給気冷却器ACに連通する入口ダクト1dと出口ダクト1eを一体状に内設し、更に、該取付台1に、機関冷却水の通路1gを一体状に内設したものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載の内燃機関の給気冷却器取付構造において、該取付台1内における入口ダクト1dと出口ダクト1eの二経路の空気ダクトの間に隔壁1cを設け、該隔壁1cに連接すべく、該給気冷却器AC内に、空気通路の入口・出口を隔離する仕切板7を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図面より説明する。
図1は本発明に係るディーゼル機関における給気冷却器取付部の正面図、
図2は同じく側面図、
図3は給気冷却器及びこれを取り付ける取付台の正面図、
図4は同じく側面断面図、図5は仕切板7の側面断面図である。
なお、図4中、一点鎖線矢印は空気の流れ、二点鎖線矢印は冷却水の流れを示す。
【0011】
まず、エンジンにおける本発明の給気冷却器(インタークーラー)取付構造の概略構造について、図1及び図2より説明する。
エンジン(ディーゼルエンジン)Eにおいて、一側面に冷却水ポンプPが設けられている。また、該冷却水ポンプPの取付側面には、エンジンE内に形成する過給機からの給気通路の出口と、給気弁への給気通路の入口とを並設して開口させている。
【0012】
そして、該冷却水ポンプP上方におけるエンジンE側面の給気通路の出入口に対して、取付台1の側面フランジ部1aを取り付け、該取付台1の上端部1bに給気冷却器ACを搭載固定しているのである。
【0013】
次に、取付台1内に形成するエアダクト及び冷却水通路の構造について、図1乃至図4より説明する。
取付台1は、後記給気冷却器ACの取付部となる上端部1bが水平状となって開口しており、エンジンEに取り付ける該側面フランジ部1aと該上端部との各開口部間にて、内部に、隔壁1cにて隔離した入口ダクト1dと出口ダクト1eとを形成している。
即ち、側面フランジ部1aと上端部1bとは、入口ダクト1dと出口ダクト1eの入口・出口を形成している。隔壁1cは、取付台1の構成部材と一体状に成形されるものである。
【0014】
更に、取付台1の正面下部には、冷却水入口フランジ部1fを形成しており、前記の側面フランジ部1aにて開口される冷却水出口との間に冷却水通路1gを形成しており、該冷却水入口フランジ部1fと、該取付台1の下方に配設される冷却水ポンプPの吐出口との間には、冷却水管9を介設して、冷却水ポンプPより吐出される機関冷却水を、冷却水通路1gに通して、エンジンE内の冷却水ジャケットに導入するようにしている。
【0015】
図2及び図4の如く、該入口ダクト1dの入口部分(側面フランジ部1a寄り部分)は該出口ダクト1eの出口部分の下方に並設されていて、その直下に冷却水通路1gが近接して通っている。入口ダクト1dは過給機からの高温空気が通過するため、これを冷却しないと、取付台1に熱変形が発生するおそれもある。
そこで、本来、別系統である機関冷却水を取付台1内に引込み、これを利用して入口ダクト1dの冷却を図るべく、このような冷却水通路1gを設けているのである。これに伴って、冷却水ポンプPからの配管は、近接する取付台1への冷却水管9のみですみ、配管長も短縮され、配管構造を容易化する。
【0016】
次に、給気冷却器ACの構成について図1乃至図5より説明する。
内設する後記の冷却水管5を支える前後のチューブシート2a・2aと、その前後に冷却水管5の冷却水出入口を具備する冷却水ヘッダ2・2と、左右側面を形成する側面パネル3・3にて横四方を囲み、上部には空気回行路4aを内部に形成するヘッダ4を取り付けて、筐体を構成している。
底部は開口していて、これを取付台1の上端部1bに取り付けると、図4図示の矢印の如く、該取付台1の上端部1bにおける入口ダクト1dの出口より給気が上方向きに入り込み、ヘッダ4内の空気回行路4aを介してUターンし、下向きになった給気が、取付台1の上端部1bにおける出口ダクト1eの入口へと流れる。このように、給気冷却器AC内には、空気回行路4aを経て、対向状の二経路の空気通路が生じる。
従来は入口・出口が対向位置にあって、直線状で一方向の空気通路を形成していたが、この場合には、充分に冷却されないままに入口から出口まで早く流動する空気も多く、冷却効率があまりよくなかったが、このように空気を回行させることで、この空気経路を辿れば、短絡的に早く流動してしまう空気は殆どなくなり、略全量の空気に冷却作用を施すことができる。
【0017】
給気冷却器ACの内部においては、図4の如く、冷却水管5を配管し、垂直板状のプレートフィン6・6・・・を配設している。空気は、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に導入され、ヘッダ5内を経て、出口ダクト1eへと流動する過程で、プレートフィン6・6間に導かれ、その途中で、冷却水管5及びプレートフィン6に接触して冷却されるのである。
【0018】
しかし、給気冷却器AC内において、図4の矢印に示すように、給気が入口ダクト1dから垂直上方に流動して、空気回行路4aにて回行し、出口ダクト1eへと垂直下方に流動しなければ、前記の冷却効果が有効に得られない。即ち、底部付近(取付台1の上端部1bへの取付部分付近)にて、入口ダクト1dより流入した空気が水平状に流れて、出口ダクト1eへと短絡しては、冷却効果が少なくなる。
これを防ぐには、給気冷却器AC内における空気の、入口ダクト1dからの垂直上方の流れと、出口ダクト1eへの垂直下方への流れとを隔離しなければならない。まず、プレートフィン6・6・・・・部分においては、プレートフィン6がそのまま隔壁の機能をする。
【0019】
問題は、底部の空気出入口付近である。入口ダクト1dから出口ダクト1eへの短絡を隔絶する手段として、まず、中央のプレートフィン6の下端部を、隔壁1c上端に当接するまで延設することが考えられるが、構造上弱いので、歪みを生じるおそれがある。
そこで、別体の仕切板を設けることが考えられるが、できるだけ取付が簡単で小型の構造としたい。
【0020】
図4及び図5図示の仕切板7は、この要望に応えて構成したものである。該仕切板7は、多少熱膨張する部材よりなっており、上下面が精度仕上げされ、またこれに伴って、隔壁1cの上端面も、精度仕上げされている。
該仕切板7は、図4の如く、中央のプレートフィン6下端と、取付台1の隔壁1cの上端との間にて横設され、左右端を、図3の如く、側板プレート3・3に対して、ボルト8・8・・・にて締止されものであり、このように側板プレート3・3間に横設することで、仕切板7自身の取付形態の安定は勿論、側板プレート3・3の支持部材としての機能をも奏する。
【0021】
こうして給気冷却器AC内に仕切板7を配設した状態で、入口ダクト1dからの空気が流入すると、この空気の熱によって、該仕切板7が熱膨張し、その下端面は、該隔壁1cの上端面に一層密着し、その上端面は、プレートフィン6の熱膨張もあって、中央のプレートフィン6の下端部に密着するので、プレートフィン6下端と取付台1の上端部1bとの間における入口ダクト1dから出口ダクト1eへの空気の短絡は確実に防止され、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に流入した空気は、全量(略全量)が垂直上方に流れて、プレートフィン6・6・・・及び冷却水管5の配設部分へと導かれて、冷却効果を得る。
このように、導入した空気が短絡せず、全量(略全量)に冷却作用を施すことができるので、冷却効率がよく、従って、その分、給気冷却器AC自体の小型化をも促すことができるのである。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上のような内燃機関の給気冷却器取付構造としたので、以下のような効果を奏する。
請求項1記載の如く構成したので、取付台が給気冷却器の入口用・出口用空気ダクトを兼用しており、給気冷却器に対して、別途、空気の入口ダクトと出口ダクトを配管する必要がなく、これらの配管に伴う煩雑な熱膨張緩衝機構の取付も不要である。
また、請求項1記載の構成とすることにより、取付台内部に過給機からの高温空気が流動する構造であっても、冷却水通路1gも一体的に構成したので、内設した機関冷却水の通路に機関冷却水を導入することで、この高温空気の流れる空気通路を冷却させることができ、取付台の熱変形を回避させ、複雑な熱変形防止用の構成部材を必要とせず、また、取付台自体の高温化が回避されるため、火傷防止用の防熱カバー等を施す必要もない。
【0023】
更に、請求項1記載の、給気冷却器内の空気通路が回行する構造と相まって、請求項2の如く構成することにより、給気冷却器AC内に仕切板7を配設した状態で、入口ダクト1dからの空気が流入すると、この空気の熱によって、該仕切板7が熱膨張し、その下端面は、該隔壁1cの上端面に一層密着し、入口ダクト1dより給気冷却器AC内に流入した空気は、全量(略全量)が垂直上方に流れて冷却効果を得る。
故に、給気冷却器内に導入された空気が空気通路出口へと短絡するのが防止され、取付台の空気通路より給気冷却器内に導入される空気の略全量が、本来の冷却作用を得る請求項1記載の空気経路を辿る。
従って、非常に冷却効率の高い給気冷却器となるので、冷却効率がよくなる分、給気冷却器の小型化にも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディーゼル機関における給気冷却器取付部の正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】給気冷却器及びこれを取り付ける取付台の正面図である。
【図4】同じく側面断面図である。
【図5】仕切板7の側面断面図である。
【図6】従来の内燃機関における冷却器取付部分の正面図である。
【図7】同じく側面図である。
【符号の説明】
AC 給気冷却器
E エンジン(ディーゼルエンジン)
P 冷却水ポンプ
1 取付台
1a 側面フランジ部
1b 上端部
1c 隔壁
1d 入口ダクト
1e 出口ダクト
1f 冷却水入口フランジ部
1g 冷却水通路
2 冷却水ヘッダ
2a チューブシート
3 側面パネル
4 ヘッダ
4a 空気回行路
5 冷却水管
6 プレートフィン
7 仕切板
8 ボルト
Claims (2)
- 内燃機関に連設される取付台1に給気冷却器ACを取り付ける構造において、該取付台1の内燃機関に連設される側に給気冷却器ACの空気通路の入口・出口を形成し、該取付台1の内部に前記空気通路の入口・出口に各々連通し、かつ他端が取付台1の上端部1bに取り付ける給気冷却器ACに連通する入口ダクト1dと出口ダクト1eを一体状に内設し、更に、該取付台1に、機関冷却水の通路1gを一体状に内設したことを特徴とする内燃機関の給気冷却器取付構造。
- 請求項1記載の内燃機関の給気冷却器取付構造において、該取付台1内における入口ダクト1dと出口ダクト1eの二経路の空気ダクトの間に隔壁1cを設け、該隔壁1cに連接すべく、該給気冷却器AC内に、空気通路の入口・出口を隔離する仕切板7を設けたことを特徴とする内燃機関の給気冷却器取付構造。
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JP31664596A JP3545144B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 内燃機関の給気冷却器取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31664596A JP3545144B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 内燃機関の給気冷却器取付構造 |
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JPH10159571A JPH10159571A (ja) | 1998-06-16 |
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- 1996-11-27 JP JP31664596A patent/JP3545144B2/ja not_active Expired - Fee Related
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