JPS6036745Y2 - 温度の異なる２種類の冷却水を得るようにした内燃機関用ラジエ−タ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 過給機付水冷内燃機関においては、過給機に吸入された
空気は、加圧される高温となり、そのままでは、空気の
密度は、圧力の割には増大しないので、熱交換器におい
て冷却した後、エンジンに供給する必要がある。

しかして、前記熱交換器に使用される冷却水の温度は、
エンジンの冷却水の温度より低温であることが望ましく
、そのため従来は、エンジン用冷却水と、過給機用冷却
水の冷却のために、それぞれ、専用の独立した２系統の
熱交換器を設けていた。

従って、内燃機関全体が大型となり、その機構が複雑に
なるという欠点があった。

本考案は、過給機のための冷却水の温度は、エンジン用
冷却水より低温であることを必要とするが、その交換熱
量は、エンジン用冷却水に比して著しく少ないことに着
目し、通常のエンジン用循環水のラジェーターと大差の
ない１個のラジェーターより、エンジン用と過給機用の
温度の異なる冷却水を得るようにし、もって上述の欠点
を解消したラジェーターに関するもので、以下、添付の
図面に基づいて具体的に説明する。

第１図は、本考案に係るラジェーターＡに示すもので、
上方タンク１と下方タンク２とは、左方より、上下方向
の多数のチューブ３ａ、 ３ｂ、 ３Ｃ，３ｄｖ ３
ｅ・・・・・・をもって接続されている。

各チューブ３ａ、３ｂ・・・・・・には、多数のフィン
４が止着されている。

上方タンク１の右端部には、循環水流入口５が設けられ
、下方タンク２の左端部におけるほぼチューブ３ｄｔ３
ｅ間の下方には、第１冷却水流出口６が設けられ、同じ
くそれより左方におけるチユーブ３ａ、３ｂの下方には
、第２冷却水流出ロアが設けられている。

上方タンク１の内部におけるチューブ３ｄ、３ｅ間の上
方には、仕切板８が嵌着され、下方タンク２の内部にお
けるチューブ３ｂ、３ｃ間の下方には、仕切板９が嵌着
されている。

なお、１０は給水口である。

第２図は、上述構成のラジェーターＡを使用した過給機
付水冷内燃機関を略示するもので、エンジン１１と、過
給機１２に接続された熱交換器１３において高温となっ
た循環水は、それぞれ、送水管１４と１５を経て、循環
ポンプ１６に吸引され、さらに送水管１７を経て、ラジ
ェーターＡ内に流入口５より送入される。

ラジェーターＡ内の循環水は、エンジン１１により回転
させられるファン１８により冷却されつつ、上方タンク
１における仕切板８より右方の循環水は、下方タンク２
における仕切板９の右方に流下し、その大部分は、第１
流出口６より送水管１９を経て、エンジン１１に供給さ
れる。

しかして、残りの循環水は、さらにチューブ３ｃ、３ｄ
を上昇して、上方タンク１における仕切板８の左方に達
し、さらにチューブ３ａ、３ｂを下降して、下方タンク
２における仕切板９の左方に達する。

このように、下方タンク２における仕切板９の左方に集
まる冷却水は、一旦冷却されたエンジン１１用冷却水が
、さらに２回チューブ３ｃ、３ｄと３ａ、３ｂを通過す
ることにより、十分に冷却されて低温となったものであ
る。

この冷却水が、送水管２０を経て、過給機１２用の熱交
換器１３に供給される。

なお、図中の２１は、過給機１２において圧縮され、熱
交換器１３において冷却された空気を、エンジン１１に
供給する送気管である。

上述のように、本考案のラジェーターＡによれば、第１
流出口６と第２流出ロアより、それぞれ、エンジン１１
用と、過給機１２の熱交換器１３用との温度の異なる冷
却水を得ることができる。

また、ラジェーターＡの構成は、上述のように簡単であ
り、かつ熱交換器１３用の冷却水の量は、エンジン１１
用の冷却水に比して少量でよいので、ラジェーターＡの
大きさは、従来のエンジン専用のラジェーターに比して
、若干大型となるだけである。

さらに、放熱系統は１系統でよいので、循環ポンプ１６
は１基あればよく、かつ機関全体の構成が簡素化され、
小型にまとめることができる。

″なお、上述実施例においては、本考案のラジェーター
を過給機付水冷内燃機関に使用した場合について記載し
たが、本考案のラジェーターは、温度の異なる２種類の
冷却水を必要とするすべての内燃機関に、効果的に使用
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るラジェーターの一部破断正面図
、第２図は本考案に係るラジェーターを適用した内燃機
関を略示する平面配置図である。 Ａ・・・・・・ラジェーター、１・・・・・・上方タン
ク、２・・・・・・下方タンク、３ａ、３ｂ・・・・・
・チューブ、４・・・・・・フィン、５・・・・・・流
入口、６，７・・・・・・流出口、８゜９・・・・・・
仕切板、１０・・・・・・給水口、１１・・・・・・エ
ンジン、１２・・・・・・過給機、１３・・・・・・熱
交換器、１４゜１５・・・・・・送水管、１６・・・・
・・循環ポンプ、１７・・・・・・送水管、１８・・・
・・・ファン、１９．２０・・・・・・送水管、２１・
・・・・・送気管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方タンクと下方タンクを、多数の冷却用チューブをも
   って接続したラジェーターにおいて、上方タンクの一端
   部に循環水流入口を設けるとともに、下方タンクの他端
   部に第２冷却水流出口を、さらにその若干中央寄りに第
   １冷却水流出口を設け、かつ第１冷却水流出口の直上に
   おいて、上方タンクを、仕切板をもって左右に区劃する
   とともに、第１、第２両冷却水流出口の間において、下
   方タンクを、仕切板をもって左右に区劃し、もって、流
   入口より上方タンクに流入した循環水の大部分が、冷却
   用チューブにより冷却されて、第１冷却水流出口より流
   出腰かつ残りの循環水が、両流出口の間に位置する冷却
   用チューブにより、さらに冷却されて、第２冷却用チユ
   ーブより流出するようにしてなる温度の異なる２種類の
   冷却水を得るようにした内燃機関用ラジェーター。