JP3545058B2 - 冷却装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はフロンを冷媒として使用する冷却装置に係り、特に冷媒を1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下R134aという)又はこのR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒の如く、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒とし、冷凍機油を前記冷媒と相溶性のあるオイルとしてなる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用の冷却装置は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン(R12という)を多く使用していた。このR12はオゾン層の破壊の問題からフロン規制の対象となっている。そして、このR12の代替え冷媒としてR134aが冷凍機用として検討されている(例えば、特開平1−271491号公報参照)。
【0003】
一方、エアコン等の空調機用の冷却装置は従来冷媒としてモノクロロジフルオロメタン(R22)を多く使用していた。しかし、このR22も上記したオゾン層の破壊の問題からR12に次いで規制される方向である。そして、このR22に代替可能な冷媒として候補に挙げられているのは134aを含むHFC系の混合冷媒であり、有力な組み合わせとしてはR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒である(例えば、特開平3−170585号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷媒R134aは現在使われている鉱物油の冷凍機油との相溶性が悪く、圧縮機への油の戻りの悪化や寝込み起動時の分離冷媒の吸い上げなどから圧縮機の潤滑不良に至る問題があった。
【0005】
このため、本発明者らは冷媒R134aと相溶性のある冷凍機油としてポリオールエステル系油を検討した。しかし、このポリオールエステル系油は回転型圧縮機に使用する場合に、特にベーンとローラとの線接触での摺動摩擦熱により加水分解して生成する脂肪酸で摺動部材に腐食を起こさせ、摩耗を生じさせていた。また、摺動部材の摺動摩擦による劣化により、摩耗粉等の金属と反応して金属石鹸(スラッジの一種)を生成し、このスラッジが冷凍サイクル中のキャピラリーチューブを閉塞する原因となって、冷凍能力を低下させるという問題があった。
【0006】
また、冷媒としてR134aを含むHFC系の混合冷媒、例えばR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒を使用した場合も同様なことが言える。
【0007】
一方、上記のように、冷媒やオイルを変更した場合は、冷却装置の温度条件やオイルの相溶性や粘度の違い等によって、圧縮機に戻るオイル量が異なり、オイル量が少ない場合は圧縮機の摺動部で潤滑不良を招くという問題がある。
【0008】
この発明は上記の問題を解決するもので、冷却装置に冷媒をHFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入した場合に、常に、純度の高い十分な量のオイルを摺動部材に供給できるようにして摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制し、金属石鹸の生成を防止して、冷凍能力を向上することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、請求項1に記載した構成により、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を配管接続してなり、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入してなる冷却装置において、前記圧縮機の吐出側に設けた分離器と、この分離器を前記冷媒とオイルの2層分離温度まで冷却する冷却器と、前記分離器のオイルを圧縮機へ戻す油戻し管と、前記冷却器の温度を制御する制御装置と、前記分離器に設けた温度センサーとを備え、前記制御装置は冷却装置に封入された冷媒とオイルの種類、粘度、温度等の条件に応じた2層分離点に関するデータを記憶しており、この記憶データ及び前記温度センサーからの温度データに基づいて分離器の温度制御を行う構成としたものである。
【0010】
【作用】
この発明は請求項1の構成により、制御装置によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器の温度、即ち、分離器の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【0011】
【実施例】
以下この発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は冷却装置の説明図である。図1において、冷却装置は圧縮機A、凝縮器B、減圧装置C、蒸発器Dを配管接続してなり、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入して構成されている。1は密閉容器で、この容器内には上側に電動要素2が、下側にこの電動要素によって駆動される回転圧縮要素3が夫々収納されている。電動要素2は有機系材料で絶縁された巻線4を有する固定子5とこの固定子の内側に設けられた回転子6とで構成されている。
【0013】
回転圧縮要素3はシリンダ7と、回転軸8の偏心部9によってシリンダ7の内壁に沿って回転させるローラ10と、このローラの周面に圧接されてシリンダ7内を吸込側と吐出側とに区画するようにバネ11で押圧されるベーン12と、シリンダ7の開口を封じるとともに、回転軸8を軸支する上部軸受13及び下部軸受14とで構成されている。
【0014】
そして、上部軸受13にはシリンダ7の吐出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、この吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられている。
【0015】
ベーン12は高速度鋼(SKH)或いは炭化珪素ウィスカーの集合プリフォームアルミを含浸させたFRM材料で形成されている。ローラ10は鉄系材料で形成されている。
【0016】
密閉容器1内の底部にはポリオールエステル系油のオイル18が貯溜されている。そして、このオイルは、回転圧縮要素3の摺動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑している。この場合、オイルは、冷媒との関係で相溶性のあるオイルならば良く、アルキルベンゼン系油、例えばHABや、フッ素油でも良い。
【0017】
回転圧縮要素3のシリンダ7内に流入してローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒はポリオールエステル系油のオイル18との相溶性のあるR134aで形成されている。
【0018】
ここで、密閉容器1に封入される冷媒、オイルは、蒸発温度の違い即ち用途によって異なる。例えは、家庭用冷蔵庫等の低温機器は上記の組み合わせで良いが、エアコン等の高温機器は、冷媒としてR134aを含むHFC系の混合冷媒、例えばR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒を使用し、オイルはポリオールエステル系油又はアルキルベンゼン系油を使用することになる。
【0019】
19は密閉容器1に取付けてシリンダ7の吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管である。
【0020】
21は圧縮機Aの吐出側に設けた分離器である。この分離器21には冷媒とオイルの2層分離温度まで冷却する冷却器22が設けられている。この冷却器22は前記圧縮機Aの吸入側配管にて構成されている。更に、23は前記分離器21のオイルを圧縮機Aへ戻す油戻し管である。
【0021】
また、24は前記冷却器22の温度を制御する制御装置である。25は前記分離器21に設けた温度センサーである。26は流量制御弁である。
【0022】
そして、前記制御装置24は冷凍装置に封入される冷媒とオイルの種類、粘度、温度及び圧力等の条件に応じた2層分離点に関するデータを記憶しており、前記温度センサー25で検出される温度が、前記制御装置24に予め記憶されている2層分離点に関するデータの温度に到達するように、流量制御弁26を開度調整して分離器21の温度制御を行う構成である。
【0023】
このように構成された回転型圧縮機において、吸込管19からシリンダ7内の吸込側に流入した冷媒R134aはローラ10とベーン12との協働で圧縮され、吐出孔15を通って吐出弁16を開放して吐出マフラ17内に吐出される。この吐出マフラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管20から密閉容器1外に吐出される。そして、オイル18は回転圧縮要素3のローラ10やベーン12等の摺動部材の摺動面に供給されて潤滑を行っている。また、シリンダ7内で圧縮された冷媒が低圧側にリークしないようにしている。
【0024】
そして、分離器21、冷却器22、制御装置24、温度センサー25、流量制御弁26の構成により、分離器21内で冷媒とオイルを2層分離する温度まで冷却して純度の高いオイルを抽出することができ、常に、純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制し、金属石鹸の生成これに伴うスラッジの発生を防止して、冷凍能力を向上することができる。
【0025】
また、冷却器22冷却装置に必須でしかも既存の部品である吸入側配管にて構成することができ、部品点数や製造コストを高騰させることなく効果的に分離器21を冷却できる。
【0026】
また、制御装置24によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器22の温度、即ち、分離器21の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器21にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【0027】
尚、本発明では回転式の圧縮機を例に説明したが、往復動式の圧縮機にも適用できることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、請求項1の構成により、制御装置によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器の温度、即ち、分離器の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回転型圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
1密閉容器
3回転圧縮要素
10ローラ
12ベーン
18オイル
21分離器
22冷却器
23油戻し管
24制御装置
25温度センサー
26流量制御弁
【産業上の利用分野】
この発明はフロンを冷媒として使用する冷却装置に係り、特に冷媒を1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下R134aという)又はこのR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒の如く、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒とし、冷凍機油を前記冷媒と相溶性のあるオイルとしてなる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用の冷却装置は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン(R12という)を多く使用していた。このR12はオゾン層の破壊の問題からフロン規制の対象となっている。そして、このR12の代替え冷媒としてR134aが冷凍機用として検討されている(例えば、特開平1−271491号公報参照)。
【0003】
一方、エアコン等の空調機用の冷却装置は従来冷媒としてモノクロロジフルオロメタン(R22)を多く使用していた。しかし、このR22も上記したオゾン層の破壊の問題からR12に次いで規制される方向である。そして、このR22に代替可能な冷媒として候補に挙げられているのは134aを含むHFC系の混合冷媒であり、有力な組み合わせとしてはR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒である(例えば、特開平3−170585号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷媒R134aは現在使われている鉱物油の冷凍機油との相溶性が悪く、圧縮機への油の戻りの悪化や寝込み起動時の分離冷媒の吸い上げなどから圧縮機の潤滑不良に至る問題があった。
【0005】
このため、本発明者らは冷媒R134aと相溶性のある冷凍機油としてポリオールエステル系油を検討した。しかし、このポリオールエステル系油は回転型圧縮機に使用する場合に、特にベーンとローラとの線接触での摺動摩擦熱により加水分解して生成する脂肪酸で摺動部材に腐食を起こさせ、摩耗を生じさせていた。また、摺動部材の摺動摩擦による劣化により、摩耗粉等の金属と反応して金属石鹸(スラッジの一種)を生成し、このスラッジが冷凍サイクル中のキャピラリーチューブを閉塞する原因となって、冷凍能力を低下させるという問題があった。
【0006】
また、冷媒としてR134aを含むHFC系の混合冷媒、例えばR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒を使用した場合も同様なことが言える。
【0007】
一方、上記のように、冷媒やオイルを変更した場合は、冷却装置の温度条件やオイルの相溶性や粘度の違い等によって、圧縮機に戻るオイル量が異なり、オイル量が少ない場合は圧縮機の摺動部で潤滑不良を招くという問題がある。
【0008】
この発明は上記の問題を解決するもので、冷却装置に冷媒をHFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入した場合に、常に、純度の高い十分な量のオイルを摺動部材に供給できるようにして摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制し、金属石鹸の生成を防止して、冷凍能力を向上することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、請求項1に記載した構成により、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を配管接続してなり、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入してなる冷却装置において、前記圧縮機の吐出側に設けた分離器と、この分離器を前記冷媒とオイルの2層分離温度まで冷却する冷却器と、前記分離器のオイルを圧縮機へ戻す油戻し管と、前記冷却器の温度を制御する制御装置と、前記分離器に設けた温度センサーとを備え、前記制御装置は冷却装置に封入された冷媒とオイルの種類、粘度、温度等の条件に応じた2層分離点に関するデータを記憶しており、この記憶データ及び前記温度センサーからの温度データに基づいて分離器の温度制御を行う構成としたものである。
【0010】
【作用】
この発明は請求項1の構成により、制御装置によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器の温度、即ち、分離器の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【0011】
【実施例】
以下この発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は冷却装置の説明図である。図1において、冷却装置は圧縮機A、凝縮器B、減圧装置C、蒸発器Dを配管接続してなり、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入して構成されている。1は密閉容器で、この容器内には上側に電動要素2が、下側にこの電動要素によって駆動される回転圧縮要素3が夫々収納されている。電動要素2は有機系材料で絶縁された巻線4を有する固定子5とこの固定子の内側に設けられた回転子6とで構成されている。
【0013】
回転圧縮要素3はシリンダ7と、回転軸8の偏心部9によってシリンダ7の内壁に沿って回転させるローラ10と、このローラの周面に圧接されてシリンダ7内を吸込側と吐出側とに区画するようにバネ11で押圧されるベーン12と、シリンダ7の開口を封じるとともに、回転軸8を軸支する上部軸受13及び下部軸受14とで構成されている。
【0014】
そして、上部軸受13にはシリンダ7の吐出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、この吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられている。
【0015】
ベーン12は高速度鋼(SKH)或いは炭化珪素ウィスカーの集合プリフォームアルミを含浸させたFRM材料で形成されている。ローラ10は鉄系材料で形成されている。
【0016】
密閉容器1内の底部にはポリオールエステル系油のオイル18が貯溜されている。そして、このオイルは、回転圧縮要素3の摺動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑している。この場合、オイルは、冷媒との関係で相溶性のあるオイルならば良く、アルキルベンゼン系油、例えばHABや、フッ素油でも良い。
【0017】
回転圧縮要素3のシリンダ7内に流入してローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒はポリオールエステル系油のオイル18との相溶性のあるR134aで形成されている。
【0018】
ここで、密閉容器1に封入される冷媒、オイルは、蒸発温度の違い即ち用途によって異なる。例えは、家庭用冷蔵庫等の低温機器は上記の組み合わせで良いが、エアコン等の高温機器は、冷媒としてR134aを含むHFC系の混合冷媒、例えばR134aとジフルオロメタン(R32)とペンタフルオロエタン(R125)との混合冷媒を使用し、オイルはポリオールエステル系油又はアルキルベンゼン系油を使用することになる。
【0019】
19は密閉容器1に取付けてシリンダ7の吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管である。
【0020】
21は圧縮機Aの吐出側に設けた分離器である。この分離器21には冷媒とオイルの2層分離温度まで冷却する冷却器22が設けられている。この冷却器22は前記圧縮機Aの吸入側配管にて構成されている。更に、23は前記分離器21のオイルを圧縮機Aへ戻す油戻し管である。
【0021】
また、24は前記冷却器22の温度を制御する制御装置である。25は前記分離器21に設けた温度センサーである。26は流量制御弁である。
【0022】
そして、前記制御装置24は冷凍装置に封入される冷媒とオイルの種類、粘度、温度及び圧力等の条件に応じた2層分離点に関するデータを記憶しており、前記温度センサー25で検出される温度が、前記制御装置24に予め記憶されている2層分離点に関するデータの温度に到達するように、流量制御弁26を開度調整して分離器21の温度制御を行う構成である。
【0023】
このように構成された回転型圧縮機において、吸込管19からシリンダ7内の吸込側に流入した冷媒R134aはローラ10とベーン12との協働で圧縮され、吐出孔15を通って吐出弁16を開放して吐出マフラ17内に吐出される。この吐出マフラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管20から密閉容器1外に吐出される。そして、オイル18は回転圧縮要素3のローラ10やベーン12等の摺動部材の摺動面に供給されて潤滑を行っている。また、シリンダ7内で圧縮された冷媒が低圧側にリークしないようにしている。
【0024】
そして、分離器21、冷却器22、制御装置24、温度センサー25、流量制御弁26の構成により、分離器21内で冷媒とオイルを2層分離する温度まで冷却して純度の高いオイルを抽出することができ、常に、純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制し、金属石鹸の生成これに伴うスラッジの発生を防止して、冷凍能力を向上することができる。
【0025】
また、冷却器22冷却装置に必須でしかも既存の部品である吸入側配管にて構成することができ、部品点数や製造コストを高騰させることなく効果的に分離器21を冷却できる。
【0026】
また、制御装置24によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器22の温度、即ち、分離器21の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器21にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【0027】
尚、本発明では回転式の圧縮機を例に説明したが、往復動式の圧縮機にも適用できることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、請求項1の構成により、制御装置によって冷媒やオイルの種類や条件によって冷却器の温度、即ち、分離器の温度を冷媒とオイルが2層分離する温度に自動的に調整することができ、分離器にて純度の高い十分な量のオイルを圧縮機の摺動部材に供給して摺動部材の冷却を促進させ、摺動摩擦熱による加水分解を抑制するだけでなく、冷却装置の使用者或いは設備業者の手を煩わすことなく簡易に冷媒やオイルの封入、交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回転型圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
1密閉容器
3回転圧縮要素
10ローラ
12ベーン
18オイル
21分離器
22冷却器
23油戻し管
24制御装置
25温度センサー
26流量制御弁
Claims (1)
- 圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を配管接続してなり、HFC系冷媒又はHFC系冷媒を含む混合冷媒と、この冷媒と相溶性のあるオイルとを封入してなる冷凍装置において、前記圧縮機の吐出側に設けた分離器と、この分離器を前記冷媒とオイルの2層分離温度まで冷却する冷却器と、前記分離器のオイルを圧縮機へ戻す油戻し管と、前記冷却器の温度を制御する制御装置と、前記分離器に設けた温度センサーとを備え、前記制御装置は冷却装置に封入された冷媒とオイルの種類、粘度、温度等の条件に応じた2層分離点に関するデータを記憶しており、この記憶データ及び前記温度センサーからの温度データに基づいて分離器の温度制御を行うことを特徴とする冷却装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20760894A JP3545058B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP20760894A JP3545058B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0874770A JPH0874770A (ja) | 1996-03-19 |
JP3545058B2 true JP3545058B2 (ja) | 2004-07-21 |
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ID=16542605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20760894A Expired - Fee Related JP3545058B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 冷却装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3545058B2 (ja) |
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1994
- 1994-08-31 JP JP20760894A patent/JP3545058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0874770A (ja) | 1996-03-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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