JP3544577B2 - 経路選択装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
道路網上の出発地と目的地とを組み合わせて得られる、複数の推奨経路のうちから、1つの経路を選択し、提供する経路誘導装置に係り、特に、運転者固有の好みを学習して、最も好みにあった経路を推奨経路として提供する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の推奨経路のうちから、1つの経路を選択し提供するシステムに関しては、例えば、特開平4−17098号公報に、その技術開示が行なわれている。
【0003】
このシステムは、道路に設置されたビーコンからの送られてくる情報を受信するシステムである。この受信情報として、出発地から目的地までの複数の推奨経路が提供される。
【0004】
ところで、推奨経路の提供は、運転者が予め設定した判断基準に照らして最も良いと思われる経路を判断し、その経路を経路情報として、運転者に与えることによって行なわれていた。そして、運転者は、提供された経路情報にしたがって、目的地までたどりつくように車両を走行させていた。
【0005】
ところで、従来のシステムにあっては、運転者が予め設定しうる判断基準は、ただ1つである。このような判断基準に用いられるパラメータとしては、例えば、距離、時間、走行費用等が考えられる。
【0006】
例えば、判断基準に用いられるパラメータとして、「距離」を選択した場合には、最短距離で目的地までたどりつくことが、運転者が予め設定した判断基準とされ、複数ある推奨経路のうち、出発地から目的地までの距離が最短になる経路が、システム側から提示されることになる。
【0007】
同様に、判断基準に用いられるパラメータとして、「時間」を選択した場合には、最短時間で目的地までたどりつくことが、運転者が予め設定した判断基準とされ、複数ある推奨経路のうち、出発地から目的地までの走行時間が最短になる経路が、システム側から提示されることになる。
【0008】
このように、従来のシステムによれば、運転者が予め設定した唯一の判断基準を最も良好に満足する経路を最適な経路情報として、運転者に経路提示を行なうものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術では、1つのパラメータを最適化する経路の提供を行なえるのみであった。
【0010】
ところが、通常は、複数のパラメータを可能な限り考慮することによって、経路提供が行なわなければ、ユーザにとっては、満足する経路提示を受けたとはいえない場合が多いことは、経験的事実の示すところである。
【0011】
例えば、判断基準に用いられるパラメータとして、「距離」を選択した場合には、最短距離で目的地までたどりつくことができるものの、その経路は、「走行費用」を全く無視して選択された経路である場合等が考えられる。すなわち、距離の最短化については考慮されているものの、高速道路を含まず料金が安い経路等については、一切考慮さておらず、あるパラメータを最適化するあまり、他のパラメータに関しては、全く考慮されていない経路が選択される場合も、頻繁に発生していた。
【0012】
このことは、距離の最適化、時間の最適化、走行費用の最適化等には、相関関係があるが、従来技術では、このことを全く考慮していなかった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、各種のパラメータの相互関係を考慮し、運転者の好みを学習し、運転者の好みを満足させる経路を提供するシステムを実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、以下の手段が考えられる。
【0015】
すなわち、出発地、目的地の位置情報の送信、2地点を結ぶ複数の経路、各経路が有する特徴を示す複数のパラメータからなる属性情報の受信を、少なくとも行なう通信手段と、前記複数の経路を含む地図を表示するための地図情報を記憶する地図記憶手段と、利用者の識別を行なうための利用者情報を少なくとも入力するための入力手段と、前記複数の経路と各経路に対応する属性情報とを少なくとも表示する表示手段と、複数の経路から1つの経路を選択する経路選択手段と、利用者情報別に、経路選択のための関数を複数種類記憶する記憶手段とを備える。
【0016】
そして、前記経路選択手段は、前記入力手段を介して与えられた、経路選択に反映させる情報であって、前記各パラメータに対する好みの程度を示す情報である第1情報、第2情報と、前記利用者情報とを受け付け、前記記憶手段の記憶内容を参照して、利用者情報および第1情報の種類に応じて、予め定められた第1の関数を用いて、前記各パラメータの値を変換し、さらに、利用者情報および第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を用いて、前記変換した値を変換し、変換した総ての値を加算し、該加算値が最も大きな経路を最適経路として、前記表示手段に表示することを特徴とする装置である。
【0017】
なお、前記記憶手段は、さらに、前記入力手段を介して与えられた、前記第1情報、第2情報と、前記利用者情報とを受け付け、第1項目の種類に応じて、予め定められた第1の関数、および、第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を、利用者情報に対応させて記憶する機能を有する装置も考えられる。
【0018】
さらに、前記経路選択手段は、前記各パラメータに対応して設けた、前記第1の関数を実現するための第1ニューラルネットワークと、各第1ニューラルネットワークからの出力を入力とする、前記第2の関数を実現するための第2ニューラルネットワークと、第2ニューラルネットワークの出力値を加算する加算部と、最も大きな加算値をもつ経路を、最適経路として選択する選択部と、ニューラルネットワークを構成するニューロンの重みづけ係数を与える重みづけ付与手段とを有し、さらに、前記各第1ニューラルネットワークは、パラメータの値を入力するニューロンを1個備える入力層と、複数個のニューロンを備える複数の中間層と、ニューロンを1個備える出力層とを有して構成され、前記第2ニューラルネットワークは、第1ニューラルネットワークの出力層から出力される値を受け付けるニューロンを、パラメータの数だけ備える入力層と、複数個のニューロンを備える出力層とを有して構成され、前記記憶手段は、前記第1情報の種類に対応して予め定められた、第1ニューラルネットワークを構成する総てのニューロンに対する重みづけ係数および前記第2情報に対応して予め定められた、第2ニューラルネットワークを構成する総てのニューロンに対する重みづけ係数を、利用者情報に対応して記憶し、前記重みづけ付与手段は、前記記憶手段の内容を参照して、前記第1、2ニューラルネットワークを構成するニューロンに、入力された利用者情報に対応する重みづけ係数を付与する装置も考えられる。
【0019】
【作用】
通信手段によって、出発地、目的地の位置情報の送信、2地点を結ぶ複数の経路、各経路が有する特徴を示す複数のパラメータからなる属性情報の受信を行なう。
【0020】
また、地図記憶手段には、前記複数の経路を含む地図を表示するための地図情報を記憶し、入力手段を介して、利用者の識別を行なうための利用者情報、前記各パラメータに対する好みの程度を示す情報である第1情報、第2情報を入力する。
【0021】
また、記憶手段は、利用者情報別に、経路選択のための関数を複数種類記憶する。
【0022】
そして、経路選択手段は、入力手段を介して与えられた、第1情報、第2情報と、前記利用者情報とを受け付ける。
【0023】
さらに、経路選択手段は、前記記憶手段の記憶内容を参照して、利用者情報および第1情報の種類に応じて、予め定められた第1の関数を用いて、前記各パラメータの値を変換し、さらに、利用者情報および第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を用いて、前記変換した値を変換し、変換した総ての値を加算し、該加算値が最も大きな経路を最適経路として、前記表示手段に表示する。
【0024】
また、前記記憶手段は、さらに、入力手段を介して与えられた、第1情報の種類に応じて予め定められた第1の関数、および、第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を、利用者情報に対応して記憶し、学習する機能を有する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明にかかる実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1は、本発明の経路誘導装置の構成例を示す構成図である。
【0027】
本実施例にかかる経路誘導装置は、通信手段1と、入力手段2と、道路地図記憶手段3と、本発明の主要部である経路選択手段4と、表示手段5と、運転者モデル記憶手段5とを有して構成される。各手段間の必要な部分には、信号線によって接続されており、該信号線を介して情報の伝送が行なわれる。また、7は、外部信号が入力される信号線であり、後に説明するように、この信号線を介して所定の信号が入力されたときに、経路選択手段4が起動するように構成されている。
【0028】
以下、本実施例の構成要素について説明していくことにする。
【0029】
通信手段1は、図1に図示しない道路上に設置されたビーコンシステム等の対車両通信手段と、経路誘導装置との間で情報の伝送を行なうための手段である
経路誘導装置側が受信する情報としては、複数の推奨経路と、各推奨経路に対する属性情報がある。属性情報としては、出発地から目的地までの距離、走行時間、渋滞の程度を示す情報である渋滞度、走行料金、走り難さ、景観等があげられる。
【0030】
一方、経路誘導装置側が送信する情報としては、推奨経路の提示を受けるために出発地と目的地の位置情報、運転車名、後に述べる運転車固有の好みを示す情報、推奨経路のうちで選択した経路等があげられる。
【0031】
ここで、通信手段1の構成例を図2を参照して説明する。
【0032】
通信手段1は、送信機10と、受信機11とを有して構成する。
【0033】
情報伝送媒体としては、通常、電波が使用され、送信機10は、例えば、送信用アンテナと送信回路とで構成される。また、受信機11は、例えば、受信アンテナと受信回路とで構成される。送信用および受信用アンテナは、例えば、ロッドアンテナやマイクロストリップ型のアンテナを用いて、装置を小型化するのが好ましい。
【0034】
対車両通信手段として、光ビーコンを採用する場合は情報伝送媒体が光であるため、送信機を発光素子を有して構成し、受信機を受光素子を有して構成すればよい。このように情報伝送媒体の種類に応じて、送信機10および受信機11を、適宜、設計変更すれば良い。
【0035】
送信機10は、経路選択手段4側から、送信すべき情報を受けとって、対車両通信手段に、情報を送信する。
【0036】
一方、受信機11は、対車両通信手段から送られてきた情報を受けとって、経路選択装置4に、受けとった情報を送る。
【0037】
次に、入力手段2の構成例を図3を参照して説明する。
【0038】
入力手段2は、運転者から与えらえる各種の指令を受け取り、経路誘導装置に入力するための手段である。
【0039】
入力手段2は、例えば、図3に示すように、ボタンで構成する。これらのボタンは、経路誘導装置に組み込まれていてもよいが、例えば、TVの赤外線リモートコントローラのように、ワイヤレスリモートコントローラとして実現してもよい。
【0040】
図3に示す構成例では、経路誘導装置が有する各種の機能を、表示手段5に表示させるための「メニュー」ボタン、表示された各種の機能の中から、所望の機能を選択するための「カーソル」ボタン、選択された機能を実行するための「決定」ボタン、表示手段5に表示させた道路地図の拡大や縮小を行なうための、「拡大」ボタン、「縮小」ボタンで構成している。
【0041】
なお、「カーソル」ボタンは、ボタンに対応して図示した矢印が示す方向のボタンをおすことによって、表示手段5に表示されたカーソルが移動する。なお、カーソルの形状は、四角形や矢印型等、各種のものが考えられる。
【0042】
次に、道路地図記憶手段3は、いわゆるデジタル道路地図を記憶しておくための手段であり、該手段に記憶された道路地図情報を読み出すことによって、表示手段5に地図表示を行なうことが可能になる。本手段は、デジタル道路地図情報が記憶されたCD−ROMやハードディスク装置で実現できる。
【0043】
ここで、道路地図記憶手段3に記憶する道路地図情報を、図4に示すように、リンクテーブルで表現される、道路(以下「リンク」と呼する)に関係する情報と、ノードテーブルで表現される、道路同士が交差する点(以下「ノード」と呼する)に関係する情報で表現することにする。
【0044】
これ以外にも、建物や公園等の各種施設、鉄道、水系等の、位置情報や名称データ等もあり、これらの情報も道路地図記憶手段3に記憶しておく必要があるが、本発明の本質には関係しないため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0045】
さて、図4に示すように、ノードテーブルは、ノードの番号と、その座標を記憶しており、また、リンクテーブルは、リンク番号と、該リンクの始点および終点ノードを記憶している。そして、ノード番号やリンク番号は、正確に地図を表示するため、互いに重なりが発生しないように定められている。
【0046】
図4に示した地図データベースは、基本的な構成を示したものであり、このデータの他にも、ノードに隣接するノード、右折の可否情報、リンク長、リンク幅等の情報を付加して、各テーブルを構成することが可能であることはいうまでもない。
【0047】
次に、図4に示すノードテーブル、リンクテーブルに記憶されている情報を用いて、実際に、道路地図を表示していく様子を、図5の道路地図を例にとり若干説明する。
【0048】
なお、以下の処理は、表示手段5が行なうように構成しておけば良い。
【0049】
図4に示すノードテーブルに格納されている、ノードの番号「15」と「34」は、それぞれに対応する座標値から、図5中の黒丸「●」で示したノードであることがわかる。
【0050】
また、リンクテーブル中のリンク番号「21」を見ると、ノード15からノード34に向かう道路であることがわかる。この道路が一方通行でなければ、ノード34からノード15に向かう道路も存在し、リンクテーブルを参照すると、その道路には、リンク番号55が付けられているのがわかる。なお、後述する経路誘導においては、経路情報は、リンク番号列で提供されるものとする。例えば、表示手段5が、提供されるリンク番号列を、順番に、特定の色で表示していくことにより、運転車は、表示された経路を考慮して、目的地まで走行することになる。
【0051】
表示手段5は、道路地図記憶手段3の記憶内容を参照して道路地図を表示する機能や、入力手段2が備える「メニュー」ボタン、「決定」ボタン等の操作によって要求された各種メニューを表示する機能を有し、例えば、液晶ディスプレイ等で構成される表示部と、CPU、ROM(予め所定のプログラムが内蔵されている)、RAM等の電子デバイスにて構成される表示制御部とを有して構成される。図6は、道路地図記憶手段3に格納された道路地図データ(ノードテーブル)を読み出して、各ノード座標を接続して表示手段5に表示した表示例である。
【0052】
図6において、白丸「〇」は、車の現在位置を表し、線は、道路を表す。
【0053】
なお、車の現在位置は、GPS装置等を備えたナビゲーションシステムで検出可能である。このナビゲーションシステムは、経路誘導装置に内蔵した構成にしておくことや、または、経路誘導装置に装着するように取り付ける構成にすることが考えられる。
【0054】
図6では簡単化のため、道路を線で表示している。この道路地図表示は、例えば、経路誘導装置の電源が投入されると同時に実行されるように構成しておくのが好ましい。また、入力手段2が備える、「拡大」または「縮小」ボタンが押されると、車の位置を中心に道路地図が拡大または縮小されるように、表示手段5が表示処理を行なう。
【0055】
次に、本発明の主要部となる、運転者モデル記憶手段6、経路選択手段4について説明する。
【0056】
運転者モデル記憶手段6は、経路選択手段4が学習した運転者のモデルを記憶する手段である。
【0057】
以下、運転者のモデルを、ニューラルネットワークを構成するニューロンに対するシナプス重みで表現することにする。したがって、運転車モデル記憶手段6には、運転車固有に、ニューロンに対するシナプス重みの情報が総て記憶される。
【0058】
また、運転者モデル記憶手段6は、複数の運転者に対する運転車モデルを記憶しておき、経路選択手段4が、必要な運転者に対する運転車モデルを選択して、シナプス重みの情報を読み出す。
【0059】
経路選択手段4は、本発明の主要部であり、これについて説明する。
【0060】
まず、経路選択手段4の構成例を、図7を参照して説明する。
【0061】
図7に示すように、経路選択手段4は、CPU40と、RAM41と、ROM42とを有して構成され、各構成要素は、信号線43によって接続されている。
【0062】
ROM42には、経路誘導装置の制御プログラム、および、ニューラルネットワークを実現するためのソフトウエアを格納している。したがって、ニューラルネットワークの構成情報である、層数、各層のニューロン数等の情報も格納している。
【0063】
ニューラルネットワークの入力には、属性情報が用いられ、経路の選択や運転者モデルの学習は、ニューラルネットワークで行ない、運転者モデルは、前述したように、ニューラルネットワークを構成するニューロンに対するシナプス重みで実現する。
【0064】
RAM41は、運転者モデル記憶手段6から読み出したシナプス重みや、制御プログラムが用いる変数等を一時記憶する。
【0065】
CPU40は、予め定められた制御プログラムにしたがって、入力手段2を介して入力される命令、要求に対する処理を行なう。また、図示しないが、通信手段1、入力手段2、道路地図記憶手段3、表示手段5、運転者モデル記憶手段6は、信号線43を介して、CPUに接続され、必要な情報が伝送されている。
【0066】
なお、前述したニューラルネットワークの詳細な構成等については、後に述べる。
【0067】
さて、以下、経路選択手段4の動作について大まかに説明する。
【0068】
まず、入力手段2を介して、運転者名が入力されると、その運転者に対応する運転車モデルを、運転者モデル記憶手段6から読み出す。もし、運転者名が登録されていない場合には、運転者のモデルの学習工程に移行する。
【0069】
次に、入力手段2から目的地(行き先)と好みを指定する。「好み」は、経路を選択するための属性情報を、どのように採用して、運転車にとって最適な経路選択を行なわせるかを決める情報である。具体的には、例えば、目的地までの「距離」が短い経路を好む運転車は、「「距離」が「非常に短い」なら、その経路は「非常に良い」」という、好みを指定することになる。そして、これが運転車の好みをモデル化したことに相当する。
【0070】
なお、このような好みの指定を受けて、ニューラルネットワークが学習を行ない、経路選択する動作については、後に詳しく説明する。
【0071】
次に、経路選択手段4は、目的地を、通信手段1を介して対車両通信手段に送信し、対車両通信手段から推奨経路が送信されてくるのを待つ。そして、複数の推奨経路が送信されてきた場合は、読み出した運転者のモデルを用いて、運転者の好みに適した経路を選択して、選択した経路を表示手段5に表示する。
【0072】
本実施例では、対車両通信手段が送信する推奨経路の情報は、前述した目的地までのリンク列、および、目的地までの距離、旅行時間、渋滞度、料金、走り難さ、景観等の属性情報で構成されるものとする。
【0073】
属性情報が付随して送信されてこない場合には、別途、対車両通信手段が送信する旅行時間、渋滞度等の交通情報と、道路地図記憶手段に記憶されている道路地図情報を用いて、属性情報を作成するように構成することも可能であり、このような処理を行なう処理部は、CPU、ROM(予め定めたプログラムを内蔵しておく)、RAM等で構成し、経路選択手段4内に内蔵しておけば良い。
【0074】
次に、図10に、本発明にかかるニューラルネットワークの構成例を示す。
【0075】
また、ネットワーク網を表現した具体的な構成例を、図21に示している。
【0076】
このニューラルネットワークは、前処理部50と、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と、第2のニューラルネットワーク70と、加算器80とを有して構成される。これらは、ソフトウエアによって実現可能である。
【0077】
前処理部50は、距離、旅行時間、渋滞度、料金、走り難さ、景観の6種類の属性情報と、運転者の好みに対応した、好み設定値とを、乗算して出力する。
【0078】
この、好み設定値は、運転車固有に設定可能であり、設定した値は、運転車モデル記憶手段6に記憶しておけば良い。
【0079】
なお、説明の都度上、属性情報を6種類としたが、属性情報は、複数種類であれば、何種類でも良いことはいうまでもない。
【0080】
第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6は、前処理部50の出力を変換して出力する、1入力1出力のニューラルネットワークである。各属性情報ごとに、6つのニューラルネットワークを備えている。
【0081】
第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6の具体的な構成は、図21に示すように、1つの入力層、2つの中間層、および、1つの出力層からなる、4層のニューラルネットワークである。
【0082】
そして、図21に示すように、入力層は、1つのニューロン、第1および第2の中間層は、それぞれ、3つのニューロン、さらに、出力層は、1つのニューロンを備えて構成されている。入力層と出力層は、1つのニューロンからなるため、学習データを「x」、教師データを「y」として、このニューラルネットワークによる学習を行なうと、任意の関数y=f(x)を、シナプス重み(図21の破線で表現している)として記憶できる。このシナプス重みが、運転者モデル記憶手段6に記憶される。
【0083】
また、第2のニューラルネットワーク70は、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6の出力を入力として経路に対する評価値を決定する、6入力1出力のニューラルネットワークである。
【0084】
具体的な構成を、図21を参照して説明すると、第2のニューラルネットワーク70は、2層のニューラルネットワークであり、入力層は、6つのニューロン、出力層は、41個のニューロンを備えた構成になっている。このニューラルネットワークは、2層であるので、一点鎖線で示したシナプス重みに比例して、入力の値が、出力値として出力される。
【0085】
このシナプス重みとして、後に述べるメンバーシップ関数を記憶させておく。
【0086】
加算器80は、第2のニューラルネットワーク70の出力層が備える41個のニューロンが出力する値を加算し、該加算値を評価値として出力する処理を行なう。
【0087】
また、図21に示すように、加算器80を、シナプス重み「1」である、1個のニューロンで構成してもよい。
【0088】
なお、運転者モデルは、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70の、シナプス重みとして表現され、運転者モデル記憶手段6に記憶される。
【0089】
以下、経路誘導装置の使用法と、対応する動作について説明する。
【0090】
まず、経路誘導装置を使用するためには、メニュー表示を行なわせ、装置を動作される動作項目を決定する必要がある。
【0091】
メニュー表示は、入力手段2が備える「メニュー」ボタンを押すことによって、表示手段5に、一覧表示される。
【0092】
図8は、メニュー表示例を示した図面であり、「運転者設定」と「経路誘導」が選択可能な項目として表示されている。
【0093】
文字色(「運転車名設定」なる文字の色)と背景色が反転した項目が、現在選択されている項目であることを表し、入力手段2が備える「決定」ボタンを押すことによって、その項目に対応した処理が実行されることになる。
【0094】
入力手段2が備える、上下方向に向いた矢印がついているカーソルボタンを押すことにより、文字色と背景色が反転する項目を変えることができる。すなえあち、選択する項目を、カーソルボタンの操作により変更することができる。
【0095】
なお、文字色と背景色を反転させながら項目を選択可能とするのでなく、例えば、矢印等のカーソルを項目の横に表示し、該カーソルを、カーソルボタンの操作により動かして、項目を選択する方法等も考えられる。このような操作により、項目の選択が行なわれる。
【0096】
以下、運転車名設定、または、経路誘導のいずれかの項目が選択されたときの動作を、ニューラルネットワークの動作を中心に説明する。
【0097】
まず、第1に、運転車名設定の項目を選択し、運転車名を決定するための処理について説明する。
【0098】
(1)運転者名の決定処理
項目「運転者設定」を選択し、決定ボタンを押した場合は、次に、図9に示すようなメニューが表示される。図9において、「A」〜「D」は、既に登録されている運転者の名前である。
【0099】
運転者は、入力手段2が備える「カーソル」ボタンを押して、自分の名前を選択し、「決定」ボタンを押す。運転者名が決定すると、CPU40は、その運転者に対する運転モデルを、運転者モデル記憶手段6から読み出して、RAM41に格納する。
【0100】
もし、新たに運転車名を登録する場合、すなわち、「未定義」を選択した場合には、後で述べる、運転者のモデル化を新たに行う。
【0101】
ここでは、運転者名の設定を、入力手段2を介して行なうようにしているが、電子キーのように、運転者名の識別コードが登録できる場合、その電子キーを、車両の所定部に装着し、エンジンを始動したとき、トリガー信号と運転者識別コード(図1中、信号線7で伝送する情報)を、車両に搭載されたエンジンコントローラが受け取り、これを経路選択手段4に送ることも考えられる。これにより、経路選択手段4は、運転車名に対応した情報を、運転車モデル記憶手段6から獲得して、獲得した情報を使用して経路選択を行なうようにすることも好ましい。
【0102】
図1では、トリガー信号と運転者識別コードが、信号線7を介して経路選択手段4に入力されている。これらの情報は、図示していないが、図4に示す信号線43に接続され、CPU40に入力される構成になっている。
【0103】
CPU40は、トリガー信号が入力されると、運転者識別コードと登録されている運転者名とを照合し、一致する運転者のモデルを読み出す。一致しなかった場合には、運転者のモデル化を、新たに行う。
【0104】
次に、運転者のモデル化について説明する。
【0105】
今まで述べてきた「運転者のモデル化」とは、図10に示す、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70とが備える各ニューロンに対する、シナプス重みを決定することである。
【0106】
シナプス重みを決定するため、図11に示すようなモデル決定用画面を表示手段5に表示し、入力手段2によって、「カーソル」を移動する操作を行なって、所望の項目を選択し、「決定」ボタンを押すことによって、ルール文を完成させ、モデル決定の準備を行なう。
【0107】
図11では、一例として、「「渋滞」が「非常に」「激しい」なら、その経路は「非常に悪い。」というルール文が作成されている。
【0108】
距離、旅行時間、料金、走り難さ、景観の、他の属性情報についても、同様にルール文を完成させる。
【0109】
なお、図11では、選択可能な項目が全て表示されているが、例えば、「「距離」が「非常に」「激しい」なら、その経路は「非常に悪い。」」というルール文は、日本語として不適切であるので、「距離」が選択された場合には、「激しい」、「高い」、「良い」等の項目を強制的に表示させないようにするようににしておくことも考えられる。
【0110】
次に、全ての属性情報についてルール文を完成した後、再び、入力手段2が備える「決定」ボタンを押すと、CPU40は、図12に示すような運転者名の登録画面を、表示手段5に表示する。
【0111】
図12の登録画面を用いて、カーソルボタンの操作によって運転者名を平仮名入力しながら、漢字変換した後に「登録」を選択し(運転車名、登録を選択するためのカーソルは、図示せず)、「決定」ボタンを押すと、CPU40は、図10に示した、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70とが備える各ニューロンに対するシナプス重みおよび運転者名を、運転者モデル格納手段6に格納する。
【0112】
逆に、運転者名が設定されると、運転者名に対応して格納されている、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70とが備える各ニューロンに対するシナプス重みが、読み出される。
【0113】
なお、図11、図12における画像表示処理、入力に対応した処理は、CPU40が、ROM42に予め内蔵されているプログラムにしたがって行なうように、装置を構成しておけばよい。
【0114】
さて、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70とが備える各ニューロンに対するシナプス重みは、次のように決定する。
【0115】
まず、第1のニューラルネットワーク60ー1〜60ー6は、1入力1出力のニューラルネットワークであるので、その入出力関係は、例えば、図13に示す関数で表現可能である。
【0116】
図13には、3つの関数例を示しているが、用いる関数例は、これにこだわるものではないのはいうまでもない。
【0117】
第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6に対しては、3つの関数のうちの1つを選択し、対応させて登録しておく。この登録処理は、上述した各属性情報についてのルール文を作成する過程で、「非常に」、「平均的」、「少し」の項目のうち、いずれの項目が選択されたかで決定される。
【0118】
例えば、「非常に」が、選択された場合には「関数1」、「平均的」が、選択された場合には「関数2」、「少し」が、選択された場合には「関数3」を採用することを決めておけばよい。
【0119】
よって、各関数の入出力関係を教師データとして、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6を使用して、予め学習を行ない、そのシナプス重みをROM42に格納しておけば、ユーザの選択操作によって、採用する関数が決定されたとき、ROM42に格納されているシナプス重みを読み出して、運転者モデル格納手段6に、運転車名と対応づけて登録するようにすればよい。
【0120】
なお、ルール文が作成されない属性情報に対しては、自動的に「平均的」が選択されるようにしておけばよい。
【0121】
なお、図13の入力値の取りうる範囲は、0から1.0となっているが、図13に示す関数を採用するためには、各属性情報において、その最大値で、入力値を割算しておけば良い。例えば、複数存在する推奨経路において、「距離」の最大値が「45(Km)」であるとき、例えば、「距離」として、「35(Km)」が与えられたとき、第1のニューラルネットワークに入力される値を「35/45=0.77」としておけばよい。他の属性情報、「旅行時間」等についても同様である。
【0122】
次に、第2のニューラルネットワーク70が備えるニューロンに対するシナプス重みは、ファジー推論の考え方に従って決定する。以下、これについて説明しておく。
【0123】
上述したルール文中の「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、図14に示すように、ファジー推論におけるメンバーシップ関数で表現する。
【0124】
図14では、横軸が入力軸となり、横軸は、図14に示すように、第2のニューラルネットワーク70の出力層が備える各ニューロンに対応しているものとする。
【0125】
また、図15は、第2のニューラルネットワーク70の構成を示しており、6個のニューロンを備える入力層と、出力層ニューロンA1からA41まで、41個のニューロンを備える出力層との、2層で構成されている。
【0126】
この時、メンバーシップ関数と、図15に示す第2のニューラルネットワーク70のシナプス重みとは、次のように対応させる。
【0127】
すなわち、第2のニューラルネットワーク70の出力層ニューロンA1、A2、A3、…、…、A39、A40、A41を、メンバーシップ関数(図14)の入力軸上の「−1.0」の値を出力するニューロン、「−0.95」の値を出力するニューロン、「−0.9」の値を出力するニューロン、…、…、「0.9」の値を出力するニューロン、「0.95」の値を出力するニューロン、「1.0」の値を出力するニューロンとする。
【0128】
仮に、図11の運転者モデルの設定画面で「「距離」が「非常」に「短い」なら、その経路は「非常に良い」」と、ルール文が設定されたとする。
【0129】
図14のメンバーシップ関数の中から、「非常に良い」という関数を抽出して、「距離」に対応する、入力層のニューロンに「1.0」の入力値が入力されたとき、図22に示すように、「非常に良い」という関数が、出力層の各ニューロンから出力される値で生成されるように、シナプス重みを決定する。
【0130】
そして、ルール文で指定された「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」に対応するメンバシップ関数を出力するように、予め学習しておいた、シナプス重みを、ROM42から読み出して、運転車名に対応させて運転者モデル記憶手段6に登録する。
【0131】
なお、図15に示す第2のニューラルネットワーク70の構成例では、出力層ニューロンの数を「41」としているが、これは、入力軸での値の範囲「−1.0〜1.0」を「0.05」毎に、分割したことによるものである。この分割単位を「0.1」にする場合には、出力層ニューロンの数を「21個」に、また、「0.01」にする場合には、出力層ニューロンの数を「201個」にすればよい。
【0132】
次に、第2に、メニューとして、経路誘導を選択した場合の操作と、装置の動作について説明する。
【0133】
(2)経路誘導
図8に示すメニュー画面で、項目「経路誘導」を選択すると、CPU40は、経路誘導に関する処理を、予め定められているプログラムに従って実行する。そして、図16に示すようなメニュー画面を表示する。
【0134】
入力手段2を介して、項目「目的地設定」を選択すると、図17右上に示すように白抜きの矢印が表示され、この矢印を、カーソルボタンを操作して、移動させ、目的地の位置で、「決定」ボタンを押すと、目的地が決定される。
【0135】
そして、さらに「決定」ボタンを押すと、CPU40は、目的地の情報を通信手段1を介して、対車両通信手段に送信する。このとき、運転者の好みを設定できる。
【0136】
すなわち、図16に示す画面において、項目「好み設定」を選択すると、図18に示す画面が表示される。この画面は、経路に対する属性情報のうち、どの情報を重視するかを決定するものであり、「重要」と考えるか、「普通」と考えるか、「非重用」と考えるか、あるいは、全く考慮しない「考慮無」とするかを、カーソルボタン操作して選択し、決定ボタンを操作して決定する。
【0137】
これらの情報は、図10に示す前処理部に入力される「好み設定値」の値を定める。
【0138】
図18では、「距離」は「普通」、「旅行時間」を「重要」とし、「渋滞度」は「普通」、「料金」は「非重要」、「走り難さ」と「景観」に対しては、「考慮無」が選択されている。これらの「重要」、「普通」、「非重要」、「考慮無」に対応した設定値が、図10に示す前処理部に入力されて、経路の属性情報と掛け合わされることになる。
【0139】
設定値としては、例えば、「重要」を「1.0」、「普通」を「0.7」、「非重要」を「0.3」、「考慮無」を「0.0」のように決めればよい。
【0140】
例えば、「距離」は「普通」である場合であって、距離情報が「45km」の場合、「45×0.7」なる値が、第1のニューラルネットワーク60−1の入力層に入力されることになる。
【0141】
さて、目的地までの、複数の推奨経路のうちから、1つの経路を選択する方法についてを述べる。
【0142】
通信手段1が、複数の推奨経路の情報を受信すると、CPU40は、各推奨経路に付随する属性情報を、図10に示す前処理部50に入力する。
【0143】
前処理部50は、属性情報と、設定された「好み設定値」とを掛け合わせた値を、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6へ、それぞれ出力する。
【0144】
第1のニューラルネットワーク60−1〜60ー6は、入力データを、図13に示す関数を用いて変換した後、変換した値を、第2のニューラルネットワーク70へ出力する。
【0145】
第2のニューラルネットワーク70は、メンバシップ関数を参照して、第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6の各出力値に応じた値を出力する。
【0146】
そして、加算器80は、第2のニューラルネットワーク70が出力したメンバシップ関数の値を合計して、評価値として出力する。この評価値が、最も大きな経路が運転車の好みを反映して定めた最適の経路となる。以上の処理を、複数の推奨経路の各々について行なう。
【0147】
最後に、CPU40は、各推奨経路の評価値を比較して、最も評価値の大きい経路を選択して、表示手段5にその経路と、対応する属性情報を表示する。
【0148】
また、このとき通信手段1が受信した他の推奨経路と、その属性情報も同時に表示して、運転者に知らせておく。これにより、装置によって決定され以外の経路を選択するような、心境の変化が生じた場合にも、運転車の経路変更が容易になる。
【0149】
図19に、経路表示を行なっている画面例を示す。
【0150】
図19では、図18において「重要」と設定した「旅行時間」が最も短い「経路1」が選択されている様子を示している。また、他の推奨経路である、経路2についても、その属性情報とともに表示されている。
【0151】
このとき、運転者が、「旅行時間」、「距離」、「渋滞度」が、同程度であり、「料金」の安い、経路2が良いと判断した場合には、入力手段2が備える「カーソル」ボタンを操作して経路2を選択し、「決定」ボタンを押す。これによって、経路選択手段4が推奨した経路と異なった経路を運転者が適宜選択することが可能である。
【0152】
ただし、経路選択手段4が推奨した経路と異なった経路を、運転者が選択した場合、経路選択手段4は、運転者の好みが変化したと判断し、運転者モデルの学習を行なう。
【0153】
運転者モデルの学習は、経路選択手段4が推奨した推奨候補(図19では「経路1」)と、運転者が選択した経路(図19では「経路2」)の評価値を入れ替えて、経路の属性情報を「入力信号」とし、さらに、入れ替えた評価値を「教師信号」として、公知の技術であるニューラルネットワーク学習アルゴリズム、逆誤差伝搬方式により、図10に示す第1のニューラルネットワーク60−1〜60−6と第2のニューラルネットワーク70が備える各ニューロンに対するシナプス重みを変更する処理を行なう。
【0154】
上述した実施例では、目的地だけを対車両通信手段に送信したが、目的地だけでなく、運転者が設定した好みも、通信手段1により伝送し、経路選択を、道路に設置された対車両通信手段、もしくは、対車両通信手段を制御する中央処理装置を設置した中央センタで行なうようにすることも可能である。すなわち、経路選択装置を中央センタに備え、各運転車の好みを考慮して選択した経路を、運転車に提供することができる。これにより、各車両に搭載する装置は、小型化される。
【0155】
この場合、対車両通信手段、もしくは、対車両通信手段を制御する中央処理装置が、運転者の好みに基づいて選択した経路、属性情報および経路の評価値を、通信手段1が受信すると、経路選択手段4は、評価値の最も高い経路を表示手段5に表示すればよい。
【0156】
図20に、本発明にかかる他の装置構成例を示す。
【0157】
図20は、図1に示す経路誘導装置の構成要素である運転者モデル記憶手段6を、図10に示す経路経路誘導装置の経路選択手段4が備えるROM42を書き換え可能なROMとすることで実現する構成である。
【0158】
すなわち、運転者モデル記憶手段6に記憶された運転者のモデルを、書き換え可能なROMに記憶することで、構成を簡単化したものである。このような構成により、装置の一層の小型化が実現できる。
【0159】
以上述べてきたように、本発明によれば、複数の推奨経路の中から、学習した運転者の好みに適した1つの経路を提供する装置を実現することが可能となった。
【0160】
【発明の効果】
本発明によれば、運転者と対話形式によって、経路の選択に関する運転者の好みを学習できる。そして、道路網上の出発地と目的地の組み合わせに対して算出された複数の推奨経路の中から、学習した運転者の好みに適した1つの経路を提供することを可能にする。
【0161】
また、学習した運転者の好みは、記憶手段に記憶しておくことができ、経路誘導装置は、運転者を把握することによって、運転者固有の好みを考慮した経路を、運転者に提供することができる。
【0162】
なお、学習は、ソフトウエアによって実現するニューラルネットワークや、ファジー概念を適宜組み合わせて行なうことにより、装置構成を大型にすることなく、簡易な装置構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる経路誘導装置の構成例を示す構成図である。
【図2】通信手段の構成例を示す構成図である。
【図3】入力手段の構成例を示す構成図である。
【図4】道路地図データベースの構成例の説明図である。
【図5】道路地図例を示す説明図である。
【図6】表示手段での道路地図の表示例の説明図である。
【図7】経路選択手段の構成例を示す構成図である。
【図8】メニュー表示例の説明図である。
【図9】運転者名の設定画面例の説明図である。
【図10】ニューラルネットワークの構成例を示す構成図である。
【図11】運転者モデルの設定画面例の説明図である。
【図12】運転者名登録画面例の説明図である。
【図13】第1のニューラルネットワークの入出力の関係の説明図である。
【図14】第2のニューラルネットワークのシナプス重み例の説明図である。
【図15】第2のニューラルネットワークの構成例を示す構成図である。
【図16】メニュー表示例の説明図である。
【図17】目的地を設定した画面例の説明図である。
【図18】運転者の好み設定用画面例の説明図である。
【図19】経路表示画面例の説明図である。
【図20】本発明にかかる経路誘導装置の他の構成例を示す構成図である。
【図21】ニューラルネットワークの具体的な構成例を示す構成図である。
【図22】メンバーシップ関数を出力するニューラルネットワークの構成例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…通信手段、2…入力手段、3…道路地図記憶手段、4…経路選択手段、5…表示手段、6…運転者モデル記憶手段、50…前処理部、60…第1のニューラルネットワーク、70…第2のニューラルネットワーク、80…加算部
Claims (7)
- 出発地、目的地の位置情報の送信、2地点を結ぶ複数の経路、各経路が有する特徴を示す複数のパラメータからなる属性情報の受信を、少なくとも行なう通信手段と、前記複数の経路を含む地図を表示するための地図情報を記憶する地図記憶手段と、利用者の識別を行なうための利用者情報を少なくとも入力するための入力手段と、前記複数の経路と各経路に対応する属性情報とを少なくとも表示する表示手段と、複数の経路から1つの経路を選択する経路選択手段と、利用者情報別に、経路選択のための関数を複数種類記憶する記憶手段とを備え、
前記経路選択手段は、前記入力手段を介して与えられた、経路選択に反映させる情報であって、前記各パラメータに対する好みの程度を示す情報である第1情報、第2情報と、前記利用者情報とを受け付け、
前記記憶手段の記憶内容を参照して、利用者情報および第1情報の種類に応じて、予め定められた第1の関数を用いて、前記各パラメータの値を変換し、さらに、利用者情報および第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を用いて、前記変換した値を変換し、変換した総ての値を加算し、該加算値が最も大きな経路を最適経路として、前記表示手段に表示することを特徴とする経路選択装置。 - 請求項1において、前記記憶手段は、さらに、前記入力手段を介して与えられた、前記第1情報、第2情報と、前記利用者情報とを受け付け、第1項目の種類に応じて、予め定められた第1の関数、および、第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を、利用者情報に対応させて記憶する機能を有することを特徴とする経路選択装置。
- 請求項1および2のいずれかにおいて、前記経路選択手段は、
前記各パラメータに対応して設けた、前記第1の関数を実現するための第1ニューラルネットワークと、各第1ニューラルネットワークからの出力を入力とする、前記第2の関数を実現するための第2ニューラルネットワークと、第2ニューラルネットワークの出力値を加算する加算部と、最も大きな加算値をもつ経路を、最適経路として選択する選択部と、ニューラルネットワークを構成するニューロンの重みづけ係数を与える重みづけ付与手段とを有し、さらに、
前記各第1ニューラルネットワークは、パラメータの値を入力するニューロンを1個備える入力層と、複数個のニューロンを備える複数の中間層と、ニューロンを1個備える出力層とを有して構成され、
前記第2ニューラルネットワークは、第1ニューラルネットワークの出力層から出力される値を受け付けるニューロンを、パラメータの数だけ備える入力層と、複数個のニューロンを備える出力層とを有して構成され、
前記記憶手段は、前記第1情報の種類に対応して予め定められた、第1ニューラルネットワークを構成する総てのニューロンに対する重みづけ係数および前記第2情報に対応して予め定められた、第2ニューラルネットワークを構成する総てのニューロンに対する重みづけ係数を、利用者情報に対応して記憶し、
前記重みづけ付与手段は、前記記憶手段の内容を参照して、前記第1、2ニューラルネットワークを構成するニューロンに、入力された利用者情報に対応する重みづけ係数を付与することを特徴とする経路選択装置。 - 請求項1、2および3のいずれかにおいて、利用者を識別する識別情報が記憶されている記憶媒体を装着する装着手段と、前記記憶媒体に記憶された識別情報を読み出す手段とを備え、
前記経路選択手段は、さらに、前記利用者情報と前記識別情報とを参照し、利用者が同一であると判断したときに、利用者に対応する情報を前記記憶手段から獲得して、自手段の起動を行なうことを特徴とする経路選択装置。 - 請求項1および2のいずれかにおいて、
前記利用者情報および第2情報の種類に応じて予め定められた関数は、入出力関係を複数の線形パターンで表現したメンバーシップ関数であることを特徴とする経路選択装置。 - 複数の経路のうち1つを選択し、選択した経路の情報を提供する親装置と、該親装置から、経路の情報の提供を受ける子装置とを有して構成される経路選択装置であって、
前記子装置は、
前記経路を含む地図を表示するための地図情報を記憶する地図記憶手段と、目的地、利用者情報、および、経路選択に反映させる情報であって、経路が有する特徴を示す複数のパラメータに対する好みの程度を示す情報である第1情報、第2情報を、少なくとも入力するための入力手段と、選択された経路、該経路が有する特徴を示す複数のパラメータからなる属性情報の受信、および、前記入力手段によって入力された情報の送信を行なう子側通信手段と、前記属性情報、前記経路を含む地図情報を少なくとも表示する表示手段とを有して構成され、
さらに、前記親装置は、
複数の経路から1つの経路を選択する経路選択手段と、前記子側通信手段が送信した情報の受信、選択した経路の送信を行なう親側通信手段と、利用者情報別に、経路選択のための関数を複数種類記憶する記憶手段とを備え、
前記経路選択手段は、前記親側通信手段によって受信した情報である、第1情報、第2情報、利用者情報を受け付け、
前記記憶手段の記憶内容を参照して、利用者情報および第1情報の種類に応じて、予め定められた第1の関数を用いて、前記各パラメータの値を変換し、さらに、利用者情報および第2情報の種類に応じて予め定められた第2の関数を用いて、前記変換した値を変換し、変換した総ての値を加算し、該加算値が最も大きな経路を最適経路として、前記親側通信手段に送ることを特徴とする経路選択装置。 - 請求項1および2のいずれかにおいて、さらに、表示制御手段を備え、
該表示制御手段は、前記第1情報、第2情報を前記表示手段に表示することを特徴とする経路選択装置。
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