JP3543792B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転電機のステータを通過する最大磁束鎖交数を増やすことで出力効率が高められる。最大磁束鎖交数はステータのヨーク部の軸方向断面積、すなわちヨーク部の体積を大きくすることで増加させられることが知られている。しかし、小型化が要求される回転電機にあっては、ヨーク部の径方向長さを大きくしてその体積を大きくするのには限度がある。
【0003】
IEEE-Trans.on IA,VOL.36,NO.4,p1077-1084により、図9、図10にも示すように、ステータ21をパウダー状の金属で一体的成型し、ヨーク部22がティース部23よりも回転軸方向に長くなるようにし、ティース部23の周囲に巻回すコイル24の両端をヨーク部22の軸方向の両端とほぼ一致させることが提案されている。
【0004】
このようにして、もともとティース部23へのコイル27の巻き付けにより生じる、ヨーク部22の軸方向両端部の空きスペースを利用することで、径方向にはコンパクトでありながら、実質的な軸方向の全長を延ばすことなく、ヨーク部体積を増大することが提案されている。なお、図中、24はロータ、25はロータ24に埋め込んだ永久磁石である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転電機では電磁鋼板をステータ軸方向に積層してステータを構成するのが普通で、これにより透磁率及び飽和磁束密度を低下させることなく渦電流を主体とする鉄損を低減させ、回転電機の出力効率を向上させている。
【0006】
しかしながら、図9に示す回転電機において、ステータをパウダー状金属ではなく、電磁鋼板を積層して実現しようとすると、例えば、図11に示すように、ステータ21を構成する電磁鋼板26としては、単純な薄板鋼板とはならず、その形状が複雑となり、しかも同一のものでもないため、断面形状の異なる多種類の電磁鋼板が必要となるなど、部品点数の増加によるコストアップが免れられないと言う問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題に着目し、形状の複雑化を回避しつつ出力効率のよい回転電機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、コイルが巻装されるステータと、ステータと同軸的に回転自由に配置されるロータと備えた回転電機において、前記ステータを、ヨーク部及びコイルが巻装されるティース部とを別体にして構成し、ヨーク部の軸方向長さをティース部の軸方向長さよりも大きくし、前記ヨーク部を構成する軸方向に積層した電磁鋼板の厚さを、前記ティース部を構成する軸方向に積層した電磁鋼板の厚さよりも大きくする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記ヨーク部の軸方向の長さは、前記コイルを含むティース部の軸方向の長さとほぼ一致させる。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ヨーク部とティース部との間には磁性リングを介在させて磁気的に結合する。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、前記ロータが、前記ステータの内側で回転するインナーロータと、同じく外側で回転するアウターロータとで構成され、前記ステータはコイルを巻装するティース部のみを備え、アウターロータまたはインナーロータをヨーク部として機能させ、アウターロータまたはインナーロータの軸方向長さを前記ティース部の軸方向長さよりも大きくする。
【0014】
【作用・効果】
第1の発明では、ヨーク部の軸方向長さを大きくすることにより、ヨーク断面積を大きくでき、これにより最大磁束鎖交数を増やし、回転電機の出力効率を高めることができるが、このとき、ヨーク部とティース部とを別部材により構成するので、それぞれの形状が単純化でき、生産コストの低減が図れる。
また、ヨーク部とティース部とを互いに積層電磁鋼板で構成するので、パウダー状の金属でステータを構成するの比較して、単位体積当たりの出力密度を高められ、その分だけ出力効率が向上する。また、各電磁鋼板の形状はそれぞれ同一のものを用いることができ、部品点数の削減とコストの低減が可能となる。
【0015】
第2の発明では、コイルを巻装した状態でのティース部の軸方向長さがヨーク部とほぼ一致するので、ステータの空きスペースを最大限に利用することができ、回転電機の軸方向の長さを同一としたときの、出力効率を最大にできる。
【0017】
第3の発明では、ヨーク部とティース部との間に磁性リングを介在させることにより、これらの間の磁気抵抗を上げることなく磁界を形成することができ、分割による磁気抵抗を抑制し、磁束鎖交数の低下を防止できる。
【0018】
第4の発明では、一つのステータに対して2つのロータをもつ同軸三層構造の回転電機においても、アウターロータまたはインナーロータを実質的にステータヨーク部として機能させ、これらをステータよりも軸方向に長くすることにより、回転電機の軸方向の長さを増大させずに、磁束鎖交数を増やして出力効率を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1、図2において、1はロータ、2はロータ1に埋め込んだ永久磁石、3はステータで、ステータ3はヨーク部4とティース部5と磁性リング8とから構成されている。
【0021】
ヨーク部4はティース部5よりもロータ軸方向の長さが大きくとってあり、ティース部5の軸方向両端よりもそれぞれ外側に延びだしている。そして、ティース部5には各スロットにコイル9が巻回されるが、このコイル9の軸方向の両端の位置が、ヨーク部4の両端の位置とほぼ同じ位置になるようにしてある。
【0022】
ヨーク部4とティース部5の構成部材は互いに分離されており、いずれも薄板状の電磁鋼板6と7を軸方向に積層して構成されるもので、図3の場合は、ヨーク部4の電磁鋼板6の方がティース部5の電磁鋼板7よりも積層枚数が多く、ヨーク部4の軸方向長さがティース部5の軸方向長さよりも大きくなっている。
【0023】
これに対して、図4の場合は、同数の積層枚数であるが、ヨーク部4の電磁鋼板6の厚さがティース部5の電磁鋼板7の厚さよりも大きく、このため同一枚数でもヨーク部4の軸方向の長さが大きくなる。
【0024】
そして、ヨーク部4の内側とティース部5の外側との間には円筒状の磁性リング8が介装してあり、この磁性リング8がヨーク部4とティース部5との間の磁気抵抗の増加を抑制すると共に、図3、図4にも示すように、ティース部5からヨーク部4への磁束の流れを適正配分する。
【0025】
ステータ3のヨーク部分を通過する最大磁束鎖交数は、ヨークの飽和磁束密度と軸方向を通るヨーク断面でのヨーク断面積から決まり、したがって飽和磁束密度が一定ならば、ヨーク断面積を大きくすることにより、最大磁束鎖交数を増やすことができる。前記ヨーク断面積は、ヨーク断面の軸方向の長さと径方向の長さから決まり、したがって、図3や図4のようにヨーク部4の軸方向長さを大きくすることにより、径方向の大きさは同じであっても、ヨーク断面積を大きくすることが可能となり、回転電機の出力効率を高められる。
【0026】
そしてヨーク部4とティース部5を構成する積層電磁鋼板6と7は、互いに分離されていて、その形状は単純な薄板鋼板であり、互いにはそれぞれ同一の形状のため、製造コストについては複雑でかつ異なる形状のものを準備するのに比較して、はるかに低価格にできる。
【0027】
また、電磁鋼板のヨークは、パウダー状の金属でステータを構成するのと比較して、単位体積当たりの出力密度が高く、その分だけ出力効率が向上する。
【0028】
次に図5、図6により他の実施形態について説明する。
【0029】
これはロータとしてステータ3を境にして、これと同軸的に回転自在な、その内側のインナーロータ1aと、外側のアウターロータ1bを備えるもので、この同軸三層構造の回転電機についての基本的な構成は、本出願人よる特開平11−275826号に詳しく開示されている。
【0030】
インナーロータ1aには永久磁石2aが、またアウターロータ1bにも磁極数に対応して永久磁石2bが配設される。そして、アウターロータ1bはステータ3に対して、コイル9の分だけ、軸方向に長く形成される。ステータ3については、コイル9が巻装されるティース部5のみが構成され、ヨーク部についてはアウターロータ1bがその役目を兼用する。なお、ステータ3の電磁鋼板7と同じように、アウターロータ1bも電磁鋼板12を軸方向に積層して構成される。
【0031】
アウターロータ1bとステータ3とは、その間に介在する環状のエアギャップ10を介して、ステータ3のティース部5とアウターロータ1bとが磁気的に結合される。このため、図7の磁束密度概念図にも示すように、磁気密度に関しては、軸方向の両端部に比較して中央部の磁束密度が高くなり、中央部が飽和する順に端部の磁束密度が高まっていく。
【0032】
この同軸三層構造の回転電機においては、アウターロータ1bの軸方向長さを大きくすることは、インナーロータ1aにとってヨーク断面積を大きくしたの同じことになる。これによりインナーロータ1aに関する出力効率を向上させられる。
【0033】
なお、このことは、逆にインナーロータ1aの軸方向長さを大きくすることにより、アウターロータ1bの出力向上につなげることも可能である。
【0034】
図6ではステータ3の電磁鋼板7に比べてアウターロータ1bの電磁鋼板12の枚数を多く積層しているが、図8のように、同一の積層枚数として、その軸方向の厚さを、アウターロータ1bの電磁鋼板12が大きくなるようにしても、同じ効果を奏することができる。
【0035】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す要部の正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2に対応する一部拡大断面図である。
【図4】同じくその変形例である図2に対応する一部拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態の要部の正面図である。
【図6】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図7】磁束密度の概念図である。
【図8】同じくその変形例である図6に対応する断面図である。
【図9】従来例の正面図である。
【図10】図9のC−C線に沿う断面図である。
【図11】同じくその変形例である図10に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 永久磁石
3 ステータ
4 ヨーク部
5 ティース部
6 電磁鋼板
7 電磁鋼板
8 磁性リング
10 エアギャップ
Claims (4)
- コイルが巻装されるステータと、
ステータと同軸的に回転自由に配置されるロータと備えた回転電機において、
前記ステータを、ヨーク部及びコイルが巻装されるティース部とを別体にして構成し、ヨーク部の軸方向長さをティース部の軸方向長さよりも大きくし、前記ヨーク部を構成する軸方向に積層した電磁鋼板の厚さを、前記ティース部を構成する軸方向に積層した電磁鋼板の厚さよりも大きくしたことを特徴とする回転電機。 - 前記ヨーク部の軸方向の長さは、前記コイルを含むティース部の軸方向の長さとほぼ一致させてある請求項1に記載の回転電機。
- 前記ヨーク部とティース部との間には磁性リングを介在させて磁気的に結合した請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記ロータが、前記ステータの内側で回転するインナーロータと、同じく外側で回転するアウターロータとで構成され、前記ステータはコイルを巻装するティース部のみを備え、アウターロータまたはインナーロータをヨーク部として機能させ、アウターロータまたはインナーロータの軸方向長さを前記ティース部の軸方向長さよりも大きくした請求項1に記載の回転電機。
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