JP3543767B2 - ファクシミリシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部ネットワークに接続されたファクシミリ装置によりインターネットなどの外部ネットワークを用いてリアルタイムでファクシミリ通信を行うファクシミリシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットを利用して画像の送受信を行うインターネットファクシミリ通信が行われるようになってきている。その一つの方法として、電子メールなどの形式で画像を転送する方法が用いられている。しかしこの方法では、リアルタイムに通信を行うことはできない。
【0003】
インターネットを利用してリアルタイムで通信を行う方法も開発されているが、ファクシミリ装置では、受信時には他のファクシミリ装置からの接続要求を受け付ける必要がある。そのためには、ファクシミリ装置がサーバとしての機能を有し、インターネットから装置を特定できるようにグローバルIPアドレスを取得しておかなければならない。
【0004】
しかし、企業などにおけるシステムでは、企業内のローカルシステムとインターネットとの接続をゲートウェイ装置によって一括して行い、企業内のネットワーク機器はすべてローカルシステムに接続するといった構成を取ることが多くなってきている。このようなシステム構成においては、ファクシミリ装置についてもローカルシステムに接続可能であることが要求される。
【0005】
図4は、ローカルシステムにファクシミリ装置を接続したシステムの一例を示す説明図である。図中、1,2はローカルシステム、3はインターネット、11,21は端末、12,22はファクシミリ装置、13,23はゲートウェイ、14,24はLANである。ローカルシステム1は、端末11、ファクシミリ装置12、ゲートウェイ13などがLAN14などの内部ネットワークにより接続されて構成されている。ゲートウェイ13は、LAN14とともにインターネット3に接続されており、ローカルシステム1内のプライベートなIPアドレスとインターネット3におけるグローバルIPアドレスとの変換を行う。これによってLAN14上の端末11やファクシミリ装置12など、各種のネットワーク機器からインターネットの利用を可能にしている。またローカルシステム2も同様であり、端末21、ファクシミリ装置22、ゲートウェイ23などがLAN24により接続されて構成されている。ゲートウェイ23は、LAN24とともにインターネット3に接続されており、ローカルシステム2内のプライベートなIPアドレスとインターネット3におけるグローバルIPアドレスとの変換を行う。これによってLAN24上の端末21やファクシミリ装置22など、各種のネットワーク機器からインターネットの利用を可能にしている。もちろん、それぞれのローカルシステム1,2において、他の様々な機器がLAN14,24により接続される。
【0006】
このようなシステムにおいて、通常はローカルシステム1,2に対してはグローバルIPアドレスは1ないし複数個が割り当てられるが、ローカルシステム1,2内のそれぞれのネットワーク機器にグローバルIPアドレスが割り当てられるわけではない。それぞれのローカルシステム1,2内の各ネットワーク機器にはプライベートなIPアドレスが割り振られており、ゲートウェイ13,23によってNATやIPマスカレードなどの機能を用いてプライベートなIPアドレスをグローバルなIPアドレスに変換している。このようなIPアドレスの変換機能を有するゲートウェイ13,23を用い、例えばローカルシステム1では端末11やファクシミリ装置12はゲートウェイ13を介してインターネット3を利用することになる。またローカルシステム2においても、端末21やファクシミリ装置22はゲートウェイ23を介してインターネット3を利用することになる。
【0007】
またゲートウェイ13,23あるいは別のネットワーク装置等においてはファイアウォールやプロキシサーバなどの機能を有し、これらの装置を介して各端末がインターネット3を利用するような構成も利用されており、システムの安全性を向上させている。
【0008】
ここで、例えばインターネット3からローカルシステム1内のファクシミリ装置12に対して画像を送信しようとすると、ゲートウェイ13のグローバルIPアドレスを知ることはできるものの、ファクシミリ装置12のプライベートなIPアドレスを知ることはできない。従って、通常の接続方法ではローカルシステム1の外部からファクシミリ装置12をアクセスすることはできない。すなわち、ファクシミリ装置12は、インターネット3を経由して送られてくる画像を受信することができない。
【0009】
またゲートウェイ13のファイアウォールの機能などによって、アクセスを受け付けるサイトが制限されている場合もあり、このような機能によってもファクシミリ装置12の画像の受信は制限を受ける。もちろん、ローカルシステム2内のファクシミリ装置22についても同様である。
【0010】
このように、インターネットを利用してファクシミリ通信を行うファクシミリ装置がローカルシステム内に接続されてしまうと、他のファクシミリ装置からインターネットを介して受信することができないという問題があった。また、ローカルシステム内のファクシミリ装置に送信しようとしても、相手先のIPアドレスが分からないため、そのような相手先には送信することができなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ローカルシステムの安全性を確保しながら、ローカルシステムにファクシミリ装置を接続した場合でもインターネットを利用したリアルタイムのファクシミリ通信が可能なファクシミリシステムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ファクシミリシステムにおいて、内部ネットワークに接続されたファクシミリ装置と、内部ネットワークと外部ネットワークを接続するゲートウェイ装置と、外部ネットワークに接続され前記ゲートウェイ装置間を中継する中継サーバを有し、前記ファクシミリ装置は、前記ゲートウェイ装置を介して予め前記中継サーバに接続しておいて画像を送受信することを特徴とするものである。
【0013】
また本発明はファクシミリシステムにおいて、内部ネットワークに接続されたファクシミリ装置と、内部ネットワークと外部ネットワークを接続するゲートウェイ装置と、外部ネットワークに接続された複数の中継サーバを有し、前記中継サーバは、1ないし複数の前記ゲートウェイ装置および1ないし複数の他の中継サーバと通信を行って前記ゲートウェイ装置間を中継するものであり、前記ファクシミリ装置は、前記ゲートウェイ装置を介して予めいずれかの前記中継サーバに接続しておいて画像を送受信することを特徴とするものである。
【0014】
このように、ファクシミリ装置がゲートウェイ装置を介して予め中継サーバに接続しておくことによって、中継サーバとファクシミリ装置間の双方向の通信が可能になる。そのため、他のファクシミリ装置などから画像を受信する場合でも、中継サーバによって画像を中継することによって、支障なく受信することが可能になる。もちろん画像を送信する場合も、支障なく送信することができる。
【0015】
また、中継サーバは、接続されるファクシミリ装置をそれぞれのファクシミリ装置に固有の識別情報に従って管理することができる。上述のようにIPアドレスでは受信側のファクシミリ装置を特定できないため、識別情報を用いることによって、送信側のファクシミリ装置から受信側のファクシミリ装置の特定することが可能となる。また、この識別情報を予め登録しておくことによって、登録されていない不正な送信側装置の接続を排除するなど、ローカルシステムにおける安全性も確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のファクシミリシステムの第1の実施の形態を示す構成図である。図中、図4と同様の部分には同じ符号を付して重複する説明を省略する。4は中継サーバ、41は通信部、42は接続情報保持部である。中継サーバ4は、インターネット3に接続されており、グローバルIPアドレスを有している。このグローバルIPアドレスに対するファクシミリ装置からのログイン要求を受け付け、そのファクシミリ装置との接続を維持して通信路を確保しておく。このような接続を複数のファクシミリ装置との間で維持しておく。そして、第1のファクシミリ装置から第2のファクシミリ装置へのファクシミリ送信時には、第1のファクシミリ装置と中継サーバ4との通信路を用いて中継サーバ4が画像を受信し、さらに中継サーバ4と第2のファクシミリ装置との通信路を用いて中継サーバ4は画像を送信する。このようにして第1のファクシミリ装置と第2のファクシミリ装置との間の通信を中継することによって、第1のファクシミリ装置と第2のファクシミリ装置との間の通信を実現する。
【0017】
例えば中継サーバ4からローカルシステム1内のゲートウェイ13に対しては接続可能であるが、端末11やファクシミリ装置12については接続することができない。しかし、中継サーバ4のグローバルIPアドレスを使用すれば、端末11やファクシミリ装置12からゲートウェイ13を介して中継サーバ4に接続することは可能である。従って、ファクシミリ装置12から中継サーバ4に対してログイン要求を行うことによって、中継サーバ4とログイン要求を行ったファクシミリ装置12との間の双方向の通信が可能になる。同様に、中継サーバ4からローカルシステム2内のゲートウェイ23に対しては接続可能であるが、端末21やファクシミリ装置22に対しては接続することができない。しかし、中継サーバ4のグローバルIPアドレスを使用すれば、端末21やファクシミリ装置22からゲートウェイ23を介して中継サーバ4に接続することは可能である。従って、ファクシミリ装置22から中継サーバ4に対してログイン要求を行うことによって、中継サーバ4とログイン要求を行ったファクシミリ装置22との間の双方向の通信が可能になる。なお、図4を用いて説明したように、ファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間の直接的な通信を行うことはできない。
【0018】
例えばローカルシステム1内のファクシミリ装置12とローカルシステム2内のファクシミリ装置22とが中継サーバ4にログイン要求を行い、通信路が確立している場合、中継サーバ4はファクシミリ装置12との間の双方向の通信、および、ファクシミリ装置22との間の双方向の通信が可能である。中間サーバ4は、ファクシミリ装置12からファクシミリ装置22への通信要求を受けると、ファクシミリ装置12から送られてきた画像を受信し、受信した画像をファクシミリ装置22へ送信する。これによって、ファクシミリ装置12からファクシミリ装置22へのファクシミリ通信を行う。また逆に、ファクシミリ装置22から送られてきた画像を受信し、受信した画像をファクシミリ装置12へ送信することもできる。このようにしてファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間のファクシミリ通信を実現する。
【0019】
中継サーバ4は、例えば通信部41および接続情報保持部42を含んで構成することができる。通信部41は、インターネット3を介して複数のファクシミリ装置と通信可能である。そして通信部41は、通信可能に接続されているファクシミリ装置から接続要求情報を受け取ると、その接続要求情報に従って、通信可能に接続されているファクシミリ装置と接続を要求したファクシミリ装置との間での画像の転送を中継する。例えばファクシミリ装置12とファクシミリ装置22がそれぞれ通信部41により通信可能に接続されており、ファクシミリ装置12からファクシミリ装置22との接続要求情報を受け取ると、ファクシミリ装置12と通信部41との間で画像の転送を行うとともに、通信部41とファクシミリ装置22との間で画像の転送を行い、実質的にファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間での通信を実現する。もちろん、1台のファクシミリ装置と複数の接続を確保することも可能であり、複数の接続を用いて複数台のファクシミリ装置との通信を行うことが可能である。
【0020】
接続情報保持部42は、通信部41により通信可能なファクシミリ装置の接続情報を保持しており、通信部41がファクシミリ装置と接続して通信を行う際の認証や、接続状態のチェックに利用することができる。接続情報は、例えばユーザIDおよびパスワードなどの識別情報を含んでおり、ファクシミリ装置から接続を受けた際にユーザIDおよびパスワードなどの識別情報を受け取って認証を行い、通信の可否を決定することができる。また接続情報には、通信時の各種設定情報なども含めておくことができる。さらに、登録されているファクシミリ装置がログインして通信路が確保されているか否かや、他のファクシミリ装置との間で通信中か否かなどの情報を接続状態として保持することが可能である。
【0021】
図2は、本発明のファクシミリシステムの第1の実施の形態における通信手順の一例を示すシーケンス図である。図2に示す通信手順は、TCP/IPを利用して実行され、中継サーバ4との接続、接続の維持、ファクシミリ装置への接続要求、ファクシミリ装置へのデータ転送、ファクシミリ装置との接続終了、中継サーバとの接続終了等を行うものである。ここでは一例として、図1におけるローカルシステム1内のファクシミリ装置12とローカルシステム2内のファクシミリ装置22との間で通信を行う場合について示している。予め、中継サーバ4に対して、ファクシミリ装置12およびファクシミリ装置22をユーザとして登録しておく。登録の情報としては、識別情報としてユーザID、パスワードなどがある。これらの識別情報は、接続情報の一部として接続情報保持部42に保持させておく。
【0022】
ファクシミリ装置12は、例えば起動後あるいはオペレータによって指示されると、(1)において、ゲートウェイ13を介して中継サーバ4に接続し、ログインして中継サーバ4とのTCP/IPコネクション(接続1)を確立する。ファクシミリ装置12はローカルシステム1内のネットワーク装置であるため、中継サーバ4から直接アクセスすることはできないが、ファクシミリ装置12からのログインにより中継サーバ4への接続は可能である。TCP/IPコネクションは双方向型のデータ通信が可能であるので、ファクシミリ装置12と中継サーバ4が接続されれば、ファクシミリ装置12から中継サーバ4へ、また中継サーバ4からファクシミリ装置12への通信を行うことができる。
【0023】
接続1が確立した後、(2)においてファクシミリ装置12はユーザID、パスワード等の識別情報を中継サーバ4に送る。中継サーバ4は、受け取ったユーザIDおよびパスワード等の識別情報が接続情報保持部42に接続情報として保持されているかを調べ、ファクシミリ装置12の認証を行う。この認証によって、不特定の第3者との接続を回避し、ローカルシステムの安全性を確保することができる。もし識別情報が接続情報として登録されていなかったり、パスワードが違っているなど、認証に失敗した場合には、中継サーバ4はファクシミリ装置12に対して否定応答を行うか、あるいはそのまま接続1を切断する。認証が成功したら、(3)において、肯定応答を行い、以後、接続1が切断されるまで、接続1を維持するように制御する。
【0024】
中継サーバ4とのTCP/IPコネクションが確立し、認証が得られたら、その接続(接続1)を保持しておくために、(4)においてファクシミリ装置12は定期的に中継サーバ4に対し接続保持のコマンドを送出し、(5)において中継サーバ4からの確認の応答を得る。これによって接続を保持しておくとともに、中継サーバが正常に稼働していることの確認を行う。
【0025】
同様にファクシミリ装置22は、(1’)において、ゲートウェイ23を介して中継サーバ4に接続し、ログインして中継サーバ4とのTCP/IPコネクション(接続2)を確立する。ファクシミリ装置22もローカルシステム2内のネットワーク装置であるため、中継サーバ4から直接アクセスすることはできないが、ファクシミリ装置22からのログインにより中継サーバ4への接続は可能である。接続2によって、ファクシミリ装置22から中継サーバ4へ、また中継サーバ4からファクシミリ装置22への通信を行うことができる。
【0026】
接続2が確立した後、(2’)においてファクシミリ装置22はユーザID、パスワード等の識別情報を中継サーバ4に送る。中継サーバ4は、受け取ったユーザIDおよびパスワード等の識別情報が接続情報保持部42に接続情報として保持されているか否かを調べ、ファクシミリ装置22の認証を行う。もし識別情報が接続情報として登録されていなかったり、パスワードが違っているなど、認証に失敗した場合には、中継サーバ4はファクシミリ装置22に対して否定応答を行うか、あるいはそのまま接続2を切断する。認証が成功したら、(3’)において、肯定応答を行い、以後、接続2が切断されるまで、接続2を維持するように制御する。
【0027】
中継サーバ4とのTCP/IPコネクションが確立し、認証が得られたら、その接続(接続2)を保持しておくために、(4’)においてファクシミリ装置22は定期的に中継サーバ4に対し接続保持のコマンドを送出し、(5’)において中継サーバ4からの確認の応答を得る。これによって接続を保持しておくとともに、中継サーバが正常に稼働していることの確認を行う。
【0028】
なお、ファクシミリ装置12と中継サーバ4との接続と、ファクシミリ装置22と中継サーバ4との接続は、両者のファクシミリ通信前であればいつ行ってもよい。また、両者のファクシミリ通信時まで中継サーバ4との接続が維持されいている必要がある。
【0029】
ファクシミリ装置12からファクシミリ装置22に接続したいという要求が発生すると、(6)において、ファクシミリ装置12は中継サーバ4に対して接続したいファクシミリ装置22のユーザIDを指定して接続要求を行う。ファクシミリ装置22はローカルシステム2内のネットワーク装置であるため、IPアドレスは取得できない。従ってIPアドレスでファクシミリ装置22を指定することはできないが、このユーザIDを用いることによって指定が可能になる。なお、接続先となるファクシミリ装置22のユーザIDは、予め取得しておくか、あるいは中継サーバ4からログイン中のユーザの一覧などによって確認して指定するなど、任意の方法で指定することができる。中継サーバ4は、指定されたユーザIDに対応するファクシミリ装置22がログイン状態でないならエラーをファクシミリ装置12に返す。また、ファクシミリ装置22がログイン状態にあり、接続が空いているならば、(7)において、ファクシミリ装置22に対して接続要求がある旨の情報と接続を要求しているファクシミリ装置12のユーザIDを含む接続要求通知を送信する。
【0030】
ファクシミリ装置22は、接続要求通知の送信に用いられた接続がファクシミリ装置12との接続に使用されていることを記憶して、(8)において受け入れ可能の応答を返す。なお、接続を拒否する場合はエラーを返す。中継サーバ4は、(9)において、ファクシミリ装置12に対してファクシミリ装置22からの応答を返す。この時、ファクシミリ装置22からの応答が受け入れ可能である場合には、接続1と接続2をファクシミリ装置12及びファクシミリ装置22の通信用に用いることを記憶する。また、ファクシミリ装置22からの応答を受け取ったファクシミリ装置12では、受け入れ可能の応答を受け取った場合には、使用している接続(接続1)をファクシミリ装置22との通信に使用するものとして記憶する。
【0031】
このようにしてファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間で通信を行うことを確認した後、(15)以降において実際に画像を送信することになる。なお、図2に示す例では、ファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間の通信を行うことが決定された後に、その他のファクシミリ装置からの接続要求を受けたり、他のファクシミリ装置への接続要求を行うために、それぞれ、新しいTCP/IPコネクションを中継サーバ4に確立する。すなわち、ファクシミリ装置12は(10)において中継サーバ4にログインして中継サーバ4とのTCP/IPコネクション(接続3)を確立し、(11)においてファクシミリ装置12はユーザID、パスワード等の識別情報を中継サーバ4に送る。中継サーバ4は、受け取ったユーザIDおよびパスワード等の識別情報によりファクシミリ装置12の認証を行い、(12)において応答を返す。そしてこの接続3を維持するため、定期的に(13)においてファクシミリ装置12から中継サーバ4へ接続保持コマンドを送信し、中継サーバ4は(14)において応答をファクシミリ装置12に返す。同様にファクシミリ装置22は(10’)において中継サーバ4にログインして中継サーバ4とのTCP/IPコネクション(接続4)を確立し、(11’)においてファクシミリ装置22はユーザID、パスワード等の識別情報を中継サーバ4に送る。中継サーバ4は、受け取ったユーザIDおよびパスワード等の識別情報によりファクシミリ装置22の認証を行い、(12’)において応答を返す。そしてこの接続4を維持するため、定期的に(13’)においてファクシミリ装置22から中継サーバ4へ接続保持コマンドを送信し、中継サーバ4は(14’)において応答をファクシミリ装置22に返す。なお、このような空きの接続を確保しておく必要がなければ、(10)〜(14)あるいは(10’)〜(14’)の手順は必要ない。また、既に複数の接続を確保している場合も、これらの手順を行わなくてもよい。
【0032】
上述の(6)〜(9)によってファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間で通信を行うことを確認したら、(15)において、ファクシミリ装置12は中継サーバ4に対して接続1を用いてファクシミリ装置22への画像を送信する。中継サーバ4は、ファクシミリ装置12からの画像を受け取り、受け取った画像を、(16)において接続2を用いてファクシミリ装置22へ送信する。ファクシミリ装置22は、中継サーバ4から接続2を用いて送られてきたファクシミリ装置12からの画像を受け取り、(17)においてファクシミリ装置12に対する応答を中継サーバ4に対して送信する。中継サーバ4は、ファクシミリ装置22からファクシミリ装置12に対する応答を受け取り、受け取った応答を、(18)において接続1を用いてファクシミリ装置12へ送信する。
【0033】
このようにして、ファクシミリ装置12と中継サーバ4との間の接続1と、ファクシミリ装置22と中継サーバ4との間の接続2とを用い、中継サーバ4によってデータを中継することによって、ファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間の通信を行うことができる。なお、(15)〜(18)によるファクシミリ装置12からファクシミリ装置22への画像の送信は、複数回繰り返されてもよい。また、ファクシミリ装置22からファクシミリ装置12への画像の送信が行われてもよい。
【0034】
ファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間のデータ転送が終了したら、ファクシミリ装置12あるいはファクシミリ装置22から終了通知を行う。ここではファクシミリ装置12から行うものとし、(19)においてファクシミリ装置12はファクシミリ装置22に対する終了通知を、接続1を使用して中継サーバ4に対して送信する。中継サーバ4は、ファクシミリ装置12から受け取ったファクシミリ装置22への終了通知を、(20)において接続2を使用してファクシミリ装置22へ送信する。
【0035】
なお、ファクシミリ装置12とファクシミリ装置22とが接続された後、終了通知までの通信手順については任意であり、例えば一般的なリアルタイムインターネットファクシミリ装置における手順を適用することが可能である。
【0036】
終了通知を送信したファクシミリ装置12は、(21)において、接続1が空きになったことを示す開放通知を中継サーバ4へ送信する。また終了通知を受け取ったファクシミリ装置22も、(21’)において、接続2が空きになったことを示す開放通知を中継サーバ4へ送信する。これによって中継サーバ4は、接続1と接続2がファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間の通信用ではなくなり、空きになったことを記憶する。なお、この例では終了通知に対する応答を行っていないが、応答を返信するようにしてもよい。
【0037】
このようにして開放された接続1および接続2は、(4)、(5)または(4’)、(5’)で示したように接続保持コマンドとその応答を定期的に行って、ファクシミリ装置12と中継サーバ4との間、および、ファクシミリ装置22と中継サーバ4との間の接続を保つ。
【0038】
なお、この時点ではファクシミリ装置12と中継サーバ4との間では接続1と接続3が確保されている。同様に、ファクシミリ装置22と中継サーバ4との間では接続2と接続4が確保されている。そのままでもよいし、接続1および接続2の解放時にこれらの接続については切断してもよい。もちろん、接続1および接続2を存続させ、接続3および接続4を切断してもよい。
【0039】
ファクシミリ装置12が電源を切断する場合や、中継サーバ4への接続をやめる場合には、(22)において、ファクシミリ装置12は中継サーバ4に対してログアウトを通知する。このとき、複数の接続が確保されている場合には、いずれの接続を用いて行ってもよい。そして、ファクシミリ装置12は1ないし複数の接続を切断する。ここではファクシミリ装置12は接続1と接続3の2つの接続が確保されているので、(23)において接続1を、(24)において接続3を切断して終了する。中継サーバ4は、ファクシミリ装置12からのログアウトの通知を受け、ファクシミリ装置12のログアウトを認識して接続1,3を切断する。なお、ファクシミリ装置22においても同様である。
【0040】
上述のような手順を実行することによって、それぞれあるいは一方がローカルシステム内のファクシミリ装置である場合でも、通信を行うことが可能になる。なお、上述のような中継サーバ4との接続、接続の維持、ファクシミリ装置への接続要求、ファクシミリ装置へのデータ送信、ファクシミリ装置との接続終了、中継サーバとの接続終了を行うための手順は、上位で動作するアプリケーションプロトコルがやりとりするコマンドやデータに対しては透過性を保ち何の影響も与えないように構成することが可能であり、既存のアプリケーションプロトコルをそのまま用いて通信を行うことが可能である。
【0041】
図3は、本発明のファクシミリシステムの第2の実施の形態を示す構成図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して重複する説明を省略する。5は中継サーバである。上述の例では、ファクシミリ通信を行うファクシミリ装置が同じ中継サーバと接続している例を示した。しかしこれに限らず、中継サーバ間においてもデータ転送を行うことによって、異なる中継サーバに接続されているファクシミリ装置間においてファクシミリ通信を行うことができる。図3では、中継サーバ4と中継サーバ5が通信を行う例を示している。もちろん、さらに多くの中継サーバが存在し、それぞれの間で通信を行うような構成でよい。また、3台以上の中継サーバにより順次中継を行う構成であってもよい。
【0042】
中継サーバ5は中継サーバ4と同様の構成であり、インターネット3に接続されており、それぞれグローバルIPアドレスを有している。また、中継サーバ4と中継サーバ5との間も通信路が確保されているものとする。ネットワーク機器はいずれの中継サーバに対して接続していてもよい。図3に示す例では、ローカルシステム1内のファクシミリ装置12がゲートウェイ13を介して中継サーバ4に、また、ローカルシステム2内のファクシミリ装置22が中継サーバ5に、それぞれ通信路が確保されている例を示している。なお中継サーバ4,5は、それぞれ、複数のネットワーク機器との間で接続を維持しておくことができる。
【0043】
このようにファクシミリ装置12と中継サーバ4が接続されて双方向の通信が可能になり、またファクシミリ装置22と中継サーバ5が接続されて双方向の通信が可能になると、中継サーバ4と中継サーバ5の通信を用いてファクシミリ装置12とファクシミリ装置22との間の通信が可能である。すなわち、例えばファクシミリ装置12からファクシミリ装置22に画像を送信しようとする場合、まずファクシミリ装置12から中継サーバ4へ画像を送信する。中継サーバ4は、ファクシミリ装置12から受け取った画像を中継サーバ5へ転送する。画像の転送を受けた中継サーバ5は、ファクシミリ装置22へ画像を送信する。このようにして、ファクシミリ装置12からファクシミリ装置22へ画像を送信することができる。
【0044】
なお、このようなファクシミリ通信を行う際の通信手順は、ほぼ上述の図2に示したものと同様に行うことができる。図3に示す例においてファクシミリ装置12からファクシミリ装置22へ画像を送信する場合、中継サーバ4がファクシミリ装置22へデータを転送する際にはそのデータを中継サーバ5に送り、中継サーバ5がファクシミリ装置22に転送すればよい。また、ファクシミリ装置22から送信されるデータは、中継サーバ5を経由して中継サーバ4に送られ、ファクシミリ装置12へと送信されることになる。それ以外の手順についてはほぼ同様である。
【0045】
このような手順でファクシミリ通信を行う場合、中継サーバが多数存在するシステムでは、送信元のファクシミリ装置が接続されている中継サーバは、通信相手先のファクシミリ装置がどの中継サーバに接続されているかを知る必要がある。例えば、送信元のファクシミリ装置から各中継サーバを指定することによって、それぞれの中継サーバが画像を中継することができる。
【0046】
しかし、送信元のファクシミリ装置から中継サーバを指定するには、どのファクシミリ装置がどの中継サーバに接続されているか、および中継サーバ間の接続についてもユーザが知っている必要がある。このようなユーザの負担を軽減し、通信相手先のファクシミリ装置のIDを特定するだけで通信できるようにするための方法として、中継サーバがルーティングを行うことが考えられる。例えば、各中継サーバは、それぞれの中継サーバに接続されているファクシミリ装置の情報(接続情報)を保持しておき、接続情報に変更が生じる度に他の中継サーバに対して更新された接続情報を配信するように構成することができる。これによって、それぞれの中継サーバにどのようなファクシミリ装置が接続されているかを常に把握することができるので、接続要求を受けた際に相手先のファクシミリ装置が接続されている中継サーバを容易に割り出すことができる。また、異なる中継サーバに接続されているファクシミリ装置でも、その接続状況を知ることができ、例えば接続要求時に他の中継サーバに問い合わせなくても接続の可否を判断することができる。さらに、すべての中継サーバにおいて通信可能なファクシミリ装置のリストを提供するなど、各種のサービスを提供することができる。
【0047】
また、例えばそれぞれの中継サーバにおいて保持していた接続情報を一括してデータベースサーバによって管理するように構成してもよい。この場合、中継サーバはデータベースサーバへの問い合わせを行ってファクシミリ装置のログイン時の認証を行ったり、通信相手先の中継サーバを割り出せばよい。また、接続されているファクシミリ装置の接続情報に変更が生じたときには、データベースサーバに対して接続情報の更新を依頼すればよい。これによって、接続情報をすべての中継サーバで共有し、利用することができる。この場合も、いずれの中継サーバに接続されているファクシミリ装置でも、その接続状況を知ることができ、例えば接続要求時に他の中継サーバに問い合わせなくても接続の可否を判断することができる。また、すべての中継サーバにおいて通信可能なファクシミリ装置のリストを提供するなど、各種のサービスを提供することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ローカルシステム内のファクシミリ装置から中継サーバへ予め接続して通信路を確保しておいて、この通信路を用いてデータの中継を行うので、ローカルシステムにファクシミリ装置を接続した構成においても、リアルタイムで外部からのファクシミリ受信を行うことが可能になる。また、中継サーバへの接続時に認証を行うことによって、ローカルシステムの安全性も確保することができる。さらに、複数の中継サーバが存在する場合に、中継サーバ間で通信を行うことによって、異なる中継サーバに接続されているファクシミリ装置間でもファクシミリ通信を行うことが可能になる。本発明によれば、このほかにも、上述したように各種の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファクシミリシステムの第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明のファクシミリシステムの第1の実施の形態における通信手順の一例を示すシーケンス図である。
【図3】本発明のファクシミリシステムの第2の実施の形態を示す構成図である。
【図4】ローカルシステムにファクシミリ装置を接続したシステムの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2…ローカルシステム、3…インターネット、4,5…中継サーバ、11,12,21,22…端末、13,23…ゲートウェイ、14,24…LAN、41…通信部、42…接続情報保持部。
Claims (3)
- 内部ネットワークに接続されたファクシミリ装置と、内部ネットワークと外部ネットワークを接続するゲートウェイ装置と、外部ネットワークに接続され前記ゲートウェイ装置間を中継する中継サーバを有し、前記ファクシミリ装置は、前記ゲートウェイ装置を介して予め前記中継サーバに接続しておいて画像を送受信することを特徴とするファクシミリシステム。
- 内部ネットワークに接続されたファクシミリ装置と、内部ネットワークと外部ネットワークを接続するゲートウェイ装置と、外部ネットワークに接続された複数の中継サーバを有し、前記中継サーバは、1ないし複数の前記ゲートウェイ装置および1ないし複数の他の中継サーバと通信を行って前記ゲートウェイ装置間を中継するものであり、前記ファクシミリ装置は、前記ゲートウェイ装置を介して予めいずれかの前記中継サーバに接続しておいて画像を送受信することを特徴とするファクシミリシステム。
- 前記中継サーバは、接続されるファクシミリ装置をそれぞれのファクシミリ装置に固有の識別情報に従って管理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のファクシミリシステム。
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