JP3543710B2 - 加速度センサの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスを用いて製造される加速度センサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図7に示す構成のカンチレバー型と称する加速度センサが提案されている(特開平7−159432号公報)。この加速度センサの平面形状は上記公報には記載されていないが、図8のような形状になると考えられる。この加速度センサのセンサ本体10は、半導体からなる支持枠11の内側に加速度を受けるマス部12を配置し、支持枠11の内周縁とマス部12とを、支持枠11の厚み方向に可撓な可撓部13を介して連結した形状を有する。つまり、可撓部13はマス部12を片持ちで支持するカンチレバーを形成している。可撓部13は図8に示す平面においては幅方向に2分割されており、2本のビーム13a,13bによって可撓部13が形成されている。可撓部13を形成する各ビーム13a,13bの表面側(図7における上面側)にはそれぞれ歪センサとしての2個ずつのゲージ抵抗(ピエゾ抵抗効果を有する半導体ゲージ)14が形成される。これらのゲージ抵抗14は拡散抵抗により形成される。各ビーム13a,13bに形成される2つのゲージ抵抗14の一方は主としてビーム13a,13bの延長方向に沿った撓みを検出し、他方は主としてビーム13a,13bの幅方向に沿った撓みを検出するために設けられている。これらの4個のゲージ抵抗14はブリッジ回路を構成する。
【0003】
いま、マス部12の質量がmであって、上述した加速度センサに対してセンサ本体10の厚み方向(図7の上下方向)の加速度αが作用したとすれば、マス部12に作用する力Fは、F=mαになる。この力Fにより可撓部13が撓んで、ゲージ抵抗14の抵抗値に変化が生じるのである。ゲージ抵抗14は上述のようにブリッジ回路を構成するから、ブリッジ回路の対角位置の一方の端子間に適宜の検出用電源を接続するとともに対角位置の他方の端子間の電圧を検出し、適宜の補正を加えれば、マス部12に作用する加速度に比例する電圧を得ることができる。
【0004】
センサ本体10の裏面にはガラスよりなる裏面キャップ15が接合され、センサ本体10の表面にはガラスよりなる表面キャップ16が接合される。上述したマス部12は裏面キャップ15と表面キャップ16と支持枠11とにより囲まれた空間内に配置されている。裏面キャップ15および表面キャップ16にはセンサ本体10を形成する半導体と熱膨張率がほぼ等しい耐熱ガラスを用いる。裏面キャップ15および表面キャップ16においてマス部12との対向面には、マス部12を移動可能とする空間を確保するための凹所15a,16aが形成されている。凹所15a,16aはエッチングやサンドブラスト加工のような技術を用いて形成される。すなわち、マス部12は裏面キャップ15と表面キャップ16とにより囲まれた空間内に配置され、かつ支持枠11とマス部12との間の隙間は比較的狭いから、裏面キャップ15および表面キャップ16とに囲まれた空間内を大気圧としておくことによって、マス部12に比較的大きい加速度が作用してもエアダンピングの効果が得られて、可撓部13に作用する荷重を抑制することができる。つまり、マス部12が裏面キャップ15や表面キャップ16に衝突したり、可撓部13の撓み量が過大になるなどによるセンサ本体10の破損の可能性を低減している。
【0005】
ここで、加速度センサとして所望の周波数特性(つまり、応答特性)が得られるようにエアダンピングの効果による減衰特性を設定すると、裏面キャップ15や表面キャップ16に形成される凹所15a,16aの深さ、形状などが減衰特性によって決定されることになる。したがって、凹所15a,16aが深くなってセンサ本体10に許容された最大加速度がマス部12に作用したときに、マス部12の移動範囲を凹所15a,16aの底面で規制することができなくなる場合がある。そこで、凹所15a,16aの底面に位置規制用のストッパ15b,16bを突設し、センサ本体10に許容された最大加速度がマス部12に作用したときにマス部12がストッパ15b,16bに当接することによって、マス部12の移動範囲を規制することが考えられている。
【0006】
ところで、支持枠11と表面キャップ16とを接合するために、半導体(一般にはシリコン)よりなる支持枠11の表面にはマス部12を囲む全周に亘って膜厚1〜2μmのアルミニウム薄膜17が形成されている。図9に示すように、支持枠11と表面キャップ16とはアルミニウム薄膜17を介して陽極接合により接合される。なお、裏面キャップ15も陽極接合により接合される。
【0007】
一方、支持枠11の表面周部に設けたボンディングパッド18とゲージ抵抗14との間の配線19は、p+ 拡散層により形成されており、この配線19はアルミニウム薄膜17の下側に形成されている。したがって、配線19とアルミニウム薄膜17との間の絶縁を確保するために、図9に示すように、支持枠11において配線19の上には酸化膜20が形成してある。この酸化膜20はp+ 拡散層を形成する際のマスクとして用いた酸化膜の孔部分を埋めた形で形成されるから、酸化膜20の表面は配線19に対応する部位が凹没した凹凸状になる。言い換えると、マスクとして用いた部分は酸化膜20の厚みが大きく、マスクの孔を埋めた部分は酸化膜20の厚みが小さくなる。したがって、酸化膜20の上に形成されたアルミニウム薄膜17の表面も配線19に対応する部位が凹没した凹凸状になる。その結果、表面キャップ16とアルミニウム薄膜17との間には配線19に対応する部位で隙間21が形成されることになる。すなわち、裏面キャップ15と表面キャップ16とに囲まれる内側空間は隙間21を通して外側空間に連通することになる。なお、隙間21においてアルミニウム薄膜17と表面キャップ16との距離は100〜200nm程度になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した加速度センサでは、マス部12の移動をエアダンピング効果によって抑制するものであるから、支持枠11には表面キャップ16を接合するためにマス部12を囲む全周に亘ってアルミニウム薄膜17を形成しなければならず、表面キャップ16とアルミニウム薄膜17との接合面積が比較的大きくなる。すなわち、支持枠11において表面キャップ16との対向面の面積が大きくなり、このことが加速度センサの小型化を阻害する要因になる。逆に言えば、加速度センサに占めるマス部12の体積を大きくとることができず、高感度かつ小型の加速度センサを得ることができないことになる。その結果、高感度の加速度センサは材料コストおよび製造コストが高くなり、安価に提供することができないという問題がある。
【0009】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、エアダンピング効果によってマス部に減衰特性を付与し、さらには、実装面積を従来構成より小さくしながらも体積に占めるマス部の割合を大きくして高感度化することを可能とした加速度センサの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部の前記先端と他方の支持枠との間にマス部の先端縁に沿ったスリットが形成されている半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが配列されるとともに可撓部の延長方向においては互いに分離されているカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、前記スリットの近傍を前記スリットに沿って切断するようにダイシングを行うことを特徴とする。この方法によれば、第1および第2のキャップとマス部の先端部との間が開放された加速度センサを製造することができ、従来構成のようにマス部の全周を囲むように支持枠を形成する場合に比較すると、マス部が同じ大きさであれば実装面積を小さくすることが可能になり、材料コストが低減することによって製造コストを低減することができる。また、従来構成と実装面積が同じであればマス部を大きくして感度を高めることができる。つまり、体積に占めるマス部の割合を大きくして高感度化することが可能になる。しかも、ダイシングの際には隣接するセンサ本体の間に形成されたスリットに沿って切断するから、スリットに沿って正確に切断することができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部と他方の支持枠とが一体に連続した半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが連続して配列された形状のカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体の間であって一方のセンサ本体のマス部が第2のキャップから離間しかつ他方のセンサ本体の支持部が第1のキャップに接合されている部位を切断するようにダイシングを行うことを特徴とする。この方法によれば、第1および第2のキャップとマス部の先端部との間が開放された加速度センサを製造することができ、従来構成のようにマス部の全周を囲むように支持枠を形成する場合に比較すると、マス部が同じ大きさであれば実装面積を小さくすることが可能になり、材料コストが低減することによって製造コストを低減することができる。また、従来構成と実装面積が同じであればマス部を大きくして感度を高めることができる。つまり、体積に占めるマス部の割合を大きくして高感度化することが可能になる。しかも、ダイシングの前にはマス部が第1のキャップに固着された状態であって、外部からの振動や衝撃に対して可撓部が撓むことがないから、製造工程における可撓部の折損を防止することができる。また、ダイシングによってマス部が変位可能になるのであって、マス部の先端面が支持枠の表面に直交する形状になるから、エッチングによってマス部を形成する場合よりもマス部の質量を大きくとることができ、高感度化につながる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2の発明において、第1および第2のキャップにおけるマス部との対向面にはマス部の変位量を規制するストッパが突設されていることを特徴とする。この方法によれば、マス部に大きな加速度が作用してもストッパによってマス部の変位を規制するから、可撓部の折損を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本実施形態において従来構成と共通の機能を有する構成は図に従来構成と同符号を付して説明を省略する。本実施形態は、図1ないし図3に示すように、支持枠11の平面形状をコ字状としたものである。つまり、従来構成の支持枠11は平面形状がロ字状であるのに対して、支持枠11をコ字状に形成していることによって従来構成に対して支持枠11の一部を除去した形になっており、支持枠11を除去した分だけ加速度センサが小型化されている。つまり、支持枠11の中央片11aに可撓部13を介してマス部12が連結され、支持枠11において中央片11aの両端から可撓部13の延長方向に沿った2本の側片11b,11cが延長された形状になっており、支持枠11の一端部が開放されている。マス部12は平面形状が矩形状であって、マス部12の一辺は支持枠11における開放側の端部に臨むことになる。
【0014】
支持枠11の平面形状がコ字状であるから、支持枠11の表面に形成され表面キャップ16と接合されるアルミニウム薄膜17も平面形状はコ字状になる。つまり、アルミニウム薄膜17はマス部12の両側縁に沿って略平行に形成される2本の直線状の側片17b,17cと、両側片17b,17cに直交するとともに両側片17b,17cの一端部間を連結する中央片17aとを有している。このように、アルミニウム薄膜17がコ字状に形成されているから、アルミニウム薄膜17と陽極接合される表面キャップ16は支持枠11の開放側の端部においては支持枠11と結合されず、マス部12の先端縁付近まで延長される。また、裏面キャップ15も支持枠11の開放側の端部においては支持枠11と結合されず、マス部12の先端縁付近まで延長されている。この構造によって、マス部12は裏面キャップ15と表面キャップ16との間に挟まれた形で配置されることになる。
【0015】
裏面キャップ15および表面キャップ16には、従来構成と同様にサンドブラストなどによって凹所15a,16aが形成され、凹所15a,16aの底面にはストッパ15b,16bが形成される。ただし、凹所15a,16aは従来構成のように底面の全周が周壁で囲まれた形状ではなく、支持枠11の開放側の端部に対応する部位は開放される。表面キャップ16の凹所16aの深さは数10μmであり、凹所16aの底面からのストッパ15bの突出寸法は、(凹所16aの深さ−数μm〜10μm)、に設定される。言い換えると、マス部12とストッパ15bの先端面との間のギャップが数μm〜10μmになる。表面キャップ16の凹所16aの深さ寸法およびストッパ15bの突出高さ寸法を適宜に調整すれば、マス部12がセンサ本体10の厚み方向に変位する際に表面キャップ16における開放側の端部で空気が流通しても、マス部12に対して充分なエアダンピング効果を与えることができる。つまり、エアダンピング効果によってマス部12に所要の減衰特性を与えることができる。ここに、ストッパ15b,16bは適宜に配置すればよく、このストッパ15b,16bによってマス部12の移動範囲を規制することができる。つまり、過大な加速度がマス部12に作用してもマス部12がストッパ15b,16bに当接することによって、可撓部13が過剰に撓むことがなく可撓部13の折損などを防止することができる。
【0016】
上述したように、従来構成に比較すると支持枠11においてマス部12の先端縁に対向する部位が除去され、裏面キャップ15および表面キャップ16においてもマス部12の先端縁に対応する部位が除去されているから、実装面積が従来構成と同じであるとすれば、支持枠11の表面を含む面内でのマス部12の面積が大きくなり(つまり、マス部12の占める体積の割合が大きくなり)、マス部12の質量が従来構成よりも大きくなる。しかも、マス部12の重心位置が可撓部13から遠ざかることになる。このことによって、従来構成に比較すると、同じ加速度が作用してもマス部12に作用する力が大きくなるとともに支持枠11と可撓部13との連結部の回りに作用するモーメントが大きくなり、結果的に可撓部13の撓み量が大きくなって感度が高くなるのである。また、従来構成と同じ大きさのマス部12を用いるとすれば、支持枠11、裏面キャップ15、表面キャップ16の平面形状における面積が従来構成よりも小さくなり、実装面積が小さくなるとともに材料コストを従来構成よりも低減することが可能になる。
【0017】
ところで、本実施形態の加速度センサは、以下で説明するように、複数個をまとめて製造した後にダイシングを行って分離する。すなわち、図2に示すように、裏面キャップ15となるように複数個の凹所15aおよびストッパ15bを形成したガラスよりなるベース31を用い、このベース31の上に複数個のセンサ本体10を形成した半導体基板(シリコンウェハよりなる)32を接合する。さらに、半導体基板32の上には半導体基板32の上で図2の平面に直交する方向に並ぶセンサ本体10に対応する個数個の表面キャップ16を連続させた形状のガラスよりなるカバー33をアルミニウム薄膜17を介して接合する。こうして形成された積層物にダイシングを施して各加速度センサを個別に分離するのである。
【0018】
ここに、半導体基板32において可撓部13の延長方向に隣接するセンサ本体10では、支持枠11の中央片11aとマス部12の先端縁との間に所要のスリット34が形成されている。各加速度センサを個々に分離するダイシングの際にはスリット34に沿って切り離す。つまり、可撓部13の延長方向において隣接する加速度センサは、スリット34内から支持枠11の中央片11aの一部に跨る部位を切断することによって互いに分離される。したがって、ダイシングに際してマス部12は切断されることがなく、一方、裏面キャップ15を形成するベース31は分離される。ここに、スリット34の幅寸法は40〜100μmとし、ダイシングの際に用いるダイシングブレードの幅寸法は100〜150μmとする(ダイシングにより切断される部分を符号dで示す)。
【0019】
なお、本実施形態においては、表面キャップ16を支持枠11の中央片11aと両側片11b,11cとの3片に対して接合しているが、両側片11b,11cのみに対して接合する構造としてもよい。
【0020】
(第2の実施の形態)
本実施形態は、第1の実施の形態と同様に、支持枠11の平面形状をコ字状としたものである。したがって、完成品としての加速度センサの基本的な形状は第1の実施の形態とほぼ同様になる。ただし、第1の実施の形態とは製造過程に相違があるから、製造過程の相違に起因する形状の相違はある。
【0021】
以下に、本実施形態の製造過程について説明する。図4ないし図6に示すように、裏面キャップ15となるように複数個の凹所15aおよびストッパ15bを形成したベース31を用い、このベース31の上に複数個のセンサ本体10を形成した半導体基板(シリコンウェハよりなる)32を接合する。ベース31の形状は第1の実施の形態に用いたものとほぼ同様であるが、加速度センサの実装面が第1の実施の形態のものと同形状であるとすれば、可撓部13の延長方向における凹所15aの幅寸法は本実施形態のほうがやや小さくなる。また、本実施形態に用いる半導体基板32にはスリット34を設けておらず、可撓部13の延長方向において隣接するセンサ本体10の支持枠11の中央片11aとマス部12とは均一な厚みで連続している。つまり、半導体基板32において可撓部13に相当する部位のみが薄肉になる。
【0022】
半導体基板32の上には、個数個の表面キャップ16を連続させた形状のカバー33がアルミニウム薄膜17を介して接合される。カバー33は、第1の実施の形態では可撓部13の延長方向においては分離されていたが、本実施形態では可撓部13の延長方向においても連続したものを用いる。つまり、可撓部13の延長方向において隣接するセンサ本体10の支持枠11における中央片11aに跨る形にカバー33が形成され、中央片11aに設けたアルミニウム薄膜17に接合される。こうして形成された積層物にダイシングを施して各加速度センサを個別に分離するのである。
【0023】
各加速度センサを個々に分離するダイシングの際には、半導体基板32と裏面キャップ31とが陽極接合されている部位であって凹所15aの近傍部位を切り離す。このとき、カバー33も同時に切り離される(ダイシングにより切断される部位を符号dで示す)。上述のようにして加速度センサを個々に分離した状態では、カバー33の一部がボンディングパッド18の上を覆っていることになる。そこで、カバー33のうちボンディングパッド18の上を覆っている余剰部分fを切除する(切断する部位を符号eで示す)。つまり、ダイシングによって加速度センサを個々に分離する際に、カバー33の一部を切除することで、ボンディングパッド18を露出させることができるのである。カバー33の切断にはダイシングブレードを用いるが、ダイシングブレードの下端が半導体基板32の表面よりも上方に位置するようにしてカバー33のみを切断する。なお、上述の過程では裏面キャップ15の一部がマス部12に当接しているから、裏面キャップ15の一部も切除する必要がある。
【0024】
上述したように、マス部12はダイシングの前にはベース31に接合されており、ダイシング後に変位可能になるから、ダイシングまでの工程・作業において生じる信号や衝撃で可撓部13が折損するなどの問題が生じるのを防止することができる。ここに、ダイシングまでの工程・作業とは、半導体基板32の加工やベース31およびカバー33の陽極接合の工程・作業であって、搬送、エッチング、洗浄、ハンドリングなどを含む。また、ダイシングの際にはダイシングブレードの回転に伴って振動することになるが、マス部12および支持枠11の表裏にはベース31およびカバー33が接合されており、支持枠11の厚み方向におけるマス部12の変位が制限されているから、マス部12が大きく変位することはない。さらに、可撓部13の厚み寸法は6〜20μmであって強度が小さいが、可撓部13の幅は180〜300μmに設計されており充分に強度が大きいから、ダイシングブレードの回転に伴って可動部13に幅方向の振動が作用しても、これによって可撓部13が折損することはない。
【0025】
ところで、本実施形態では、マス部12の先端面がダイシングによって形成されるから、マス部12の先端面は支持枠11の表面に直交しており、第1の実施の形態におけるマス部12のように傾斜していない(第1の実施の形態においてマス部12の先端面が傾斜しているのはKOHを用いたウェットエッチングを施しているからである)。したがって、ウェットエッチングを施す場合に比較するとマス部12の体積を大きくとることができ、このことによって加速度センサの感度を第1の実施の形態よりもさらに高くすることが可能になる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部の前記先端と他方の支持枠との間にマス部の先端縁に沿ったスリットが形成されている半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが配列されるとともに可撓部の延長方向においては互いに分離されているカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、前記スリットの近傍を前記スリットに沿って切断するようにダイシングを行うことを特徴とし、第1および第2のキャップとマス部の先端部との間が開放された加速度センサを製造することができ、従来構成のようにマス部の全周を囲むように支持枠を形成する場合に比較すると、マス部が同じ大きさであれば実装面積を小さくすることが可能になり、材料コストが低減することによって製造コストを低減することができる。また、従来構成と実装面積が同じであればマス部を大きくして感度を高めることができる。つまり、体積に占めるマス部の割合を大きくして高感度化することが可能になる。しかも、ダイシングの際には隣接するセンサ本体の間に形成されたスリットに沿って切断するから、スリットに沿って正確に切断することができる。
【0027】
請求項2に係る発明は、半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部と他方の支持枠とが一体に連続した半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが連続して配列された形状のカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体の間であって一方のセンサ本体のマス部が第2のキャップから離間しかつ他方のセンサ本体の支持部が第1のキャップに接合されている部位を切断するようにダイシングを行うことを特徴とし、第1および第2のキャップとマス部の先端部との間が開放された加速度センサを製造することができ、従来構成のようにマス部の全周を囲むように支持枠を形成する場合に比較すると、マス部が同じ大きさであれば実装面積を小さくすることが可能になり、材料コストが低減することによって製造コストを低減することができる。また、従来構成と実装面積が同じであればマス部を大きくして感度を高めることができる。つまり、体積に占めるマス部の割合を大きくして高感度化することが可能になる。しかも、ダイシングの前にはマス部が第1のキャップに固着された状態であって、外部からの振動や衝撃に対して可撓部が撓むことがないから、製造工程における可撓部の折損を防止することができる。また、ダイシングによってマス部が変位可能になるのであって、マス部の先端面が支持枠の表面に直交する形状になるから、エッチングによってマス部を形成する場合よりもマス部の質量を大きくとることができ、高感度化につながる。
【0028】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2の発明において、第1および第2のキャップにおけるマス部との対向面にはマス部の変位量を規制するストッパが突設されていることを特徴とし、マス部に大きな加速度が作用してもストッパによってマス部の変位を規制するから、可撓部の折損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す平面図である。
【図5】図4におけるX−X線断面図である。
【図6】図4におけるY−Y線断面図である。
【図7】従来構成を示す断面図である。
【図8】同上の平面図である。
【図9】図8におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
10 センサ本体
11 支持枠
12 マス部
13 可撓部
14 ゲージ抵抗
15 裏面キャップ
15a 凹所
15b ストッパ
16 表面キャップ
16a 凹所
16b ストッパ
31 ベース
32 半導体基板
33 カバー
34 スリット

Claims (3)

  1. 半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部の前記先端と他方の支持枠との間にマス部の先端縁に沿ったスリットが形成されている半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが配列されるとともに可撓部の延長方向においては互いに分離されているカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、前記スリットの近傍を前記スリットに沿って切断するようにダイシングを行うことを特徴とする加速度センサの製造方法。
  2. 半導体よりなる支持枠の内側にマス部を配置し支持枠の一部とマス部とを、支持枠の厚み方向に可撓であって撓み量に応じた出力を発生する歪センサを配置した可撓部を介して一体に連結したセンサ本体と、センサ本体の厚み方向の表裏において少なくとも可撓部の延長方向におけるマス部の先端側を開放した形で支持枠に固着され支持枠の厚み方向におけるマス部の変位を許容する空間を形成するとともにエアダンピング効果によりマス部の変位を抑制する第1および第2のキャップとからなる加速度センサを製造するにあたり、複数個のセンサ本体が連続して配列されるとともに可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体のうちの一方のマス部と他方の支持枠とが一体に連続した半導体基板を形成し、複数個の第1のキャップが連続して配列された形状のベースの上に前記半導体基板の裏面を固着し、さらに複数個の第2のキャップが連続して配列された形状のカバーを前記半導体基板の表面に固着し、その後、可撓部の延長方向において隣接するセンサ本体の間であって一方のセンサ本体のマス部が第2のキャップから離間しかつ他方のセンサ本体の支持部が第1のキャップに接合されている部位を切断するようにダイシングを行うことを特徴とする加速度センサの製造方法。
  3. 第1および第2のキャップにおけるマス部との対向面にはマス部の変位量を規制するストッパが突設されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加速度センサの製造方法。
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