JP2006162354A - 慣性素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】慣性可動部の運動を妨げるような異物や減衰力の不要な増加を防止でき、かつ安価に製造することのできる慣性素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板60の一方の面側において、半導体基板60に変位可能に支持されてなる慣性可動部61と、半導体基板60との間で空隙S2を形成し、空隙S2内に慣性可動部61を収容するキャップ部62とを備え、キャップ部62に、空隙S2に連通する貫通穴62a,62bが形成されてなる慣性素子100,101とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部を備える慣性素子およびその製造方法に関する。
半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部を備える慣性素子およびその製造方法が、例えば、特開平11−326365号公報(特許文献1)、特開2000−58866号公報(特許文献2)、特表2003−531017号公報(特許文献3)に開示されている。特許文献1〜3に開示された慣性素子は、いずれも加速度等を検出することのできる半導体力学量センサである。
図5(a),(b)に、特許文献1に開示された半導体力学量センサを示す。図5(a)は、半導体力学量センサ91の平面模式図であり、図5(b)は、図5(a)中におけるA−A断面の模式図である。尚、図5(a)でハッチングされた部位は断面ではなく、実際は平面である。
図5(a),(b)に示す半導体力学量センサ91は、SOI(Silicon On Insulator)基板に対して、半導体製造技術を利用した周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成される。
図5(a)に示すように、可動部12は、アンカー部13と、アンカー部13に支持された矩形枠状のバネ部14と、バネ部14と連結された重錘部15と、重錘部15の両側に櫛歯形状に形成された可動電極16とから構成されている。一方、可動電極16の一方側に対向して櫛歯形状の第1の固定電極17が形成されていると共に、可動電極16の他方側に対向して第2の固定電極18が形成されている。上記可動部12及び各固定電極17,18には、重量軽減のための矩形状の貫通孔31が複数形成されている。
SOI基板のパッド部25〜27には、可動電極16および固定電極17,18から電気信号を取出すための電極パッド28〜30が形成されている。パッド部25〜27は、第2の半導体層20からなる周辺部と電気的に分離することにより目的の電気信号を取出す必要があるため、二重の溝34で物理的及び電気的に分離されている。溝34を二重にして土手部35を形成することで、導電性ゴミによるパッド部24〜27と周辺部の短絡の危険性を低減している。
図5(b)に示すように、半導体力学量センサ91は、第1の半導体層19と第2の半導体層20との間に絶縁層21(支持部に相当)を有するSOI基板によって構成されており、第1の半導体層19及び絶縁層21は、可動部12及び各固定電極17,18が形成される領域において第2の半導体層20が露出するように除去されている。このようにして、半導体力学量センサ91では、可動部12の両端が絶縁層21上に支持されていると共に、各固定電極17,18が絶縁層21上に片持ち支持された形態となっている。
特許文献1に開示された半導体力学量センサ91は、図5(b)に示すように、重錘部15や可動電極16の下部にある半導体基板が除去されている。一方、特許文献2と3に開示された半導体力学量センサでは、重錘部や可動電極の下部に犠牲層エッチングを用いて隙間が設けられ、隙間の下にある半導体基板が除去されずに残されている。
図6に、特許文献3に開示された半導体力学量センサ(マイクロマシーニング構造素子)92の模式的な断面図を示す。
図6において、符号41が半導体力学量センサ92における可動電極であり、符号42a,42bが半導体力学量センサ92における固定電極である。
図6の半導体力学量センサ92においては、可動電極41の下部に犠牲層エッチングを用いて隙間S1が設けられ、隙間S1の下にある半導体基板40が除去されずに残されている。また、半導体力学量センサ92はキャップ層50を備えており、支持構造体43a,43bを介してキャップ層50と半導体基板40の間で気密封止された空隙S0が形成され、この空隙S0内に可動電極41等の慣性可動部が収容されている。
特開平11−326365号公報 特開2000−58866号公報 特表2003−531017号公報
図6に示す慣性素子(半導体力学量センサ)92では、慣性可動部が気密封止された空隙S0内に収容されており、慣性可動部の運動を妨げる異物の進入を防止できる。また、空隙S0内に封入するガスの圧力を任意に設定することで、慣性可動部の運動を適宜調節することができる。しかしながら、気密された微小空間内では空気の逃げ場がないため、慣性可動部の運動に伴う減衰力が不要に大きくなり、慣性可動部の運動を妨げてしまう。この不具合は、大気圧等、特に圧力が高いほどより影響が大きくなる。また、慣性素子92の製造には、支持構造体43a,43bを介したキャップ層50と半導体基板40の間の気密封止された空隙S0を形成するために多くの工程が必要であり、大きな製造コストを要する。
そこで本発明は、慣性可動部の運動を妨げるような異物や減衰力の不要な増加を防止でき、かつ安価に製造することのできる慣性素子およびその製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の慣性素子は、半導体基板の一方の面側において、前記半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部と、前記半導体基板との間で空隙を形成し、当該空隙内に前記慣性可動部を収容するキャップ部とを備え、当該キャップ部に、前記空隙に連通する貫通穴が形成されてなることを特徴としている。
上記慣性素子は、キャップ部を備えており、キャップ部と半導体基板の間に形成された空隙内に慣性可動部を収容している。このため、慣性可動部の運動が、外部影響を受け難い。また、キャップ部には空隙に連通する貫通穴が形成されている。従って、慣性可動部を収容する空隙は、気密状態でない。このため、従来の慣性素子のように空隙を気密にして空隙内にガス等を封入する場合に較べて、慣性可動部の運動に伴う減衰力の不要な増加を抑制することができる。
上記慣性素子の製造においては、キャップ部と半導体基板の間の空隙を気密封止する必要がないため、従来の慣性素子に較べて、製造時の工程数を削減することができる。また後述するように、上記キャップ部における貫通穴は、慣性可動部周りに形成された犠牲層のエッチングに利用することができる。これらにより、上記慣性素子は、製造コストを従来に較べて低減することができる。
請求項2に記載のように、前記貫通穴の直径は、前記半導体基板、前記慣性可動部もしくは前記キャップ部により形成される、前記空隙内における最小隙間幅より小さいことが好ましい。これによれば、上記貫通穴を介して空隙内に微小な異物が進入した場合であっても、これら進入した異物に起因する慣性可動部の運動不具合を抑制することができる。
また請求項3に記載のように、前記貫通穴を、前記半導体基板面にほぼ平行に、異物の衝突確率の低いキャップ部の側面に形成することで、外部から貫通穴を介して異物が空隙内に進入する確率を低減することができる。
請求項4に記載のように、前記貫通穴は、複数本形成されてなることが好ましい。この複数本の貫通穴を介して、運動中の慣性可動部の減衰抑制効果や製造時における犠牲層エッチングを、均等に作用させることができる。
上記慣性素子は、例えば請求項5に記載のように、前記半導体基板が、埋め込み酸化膜を有するSOI基板であり、前記慣性可動部が、前記埋め込み酸化膜上に形成されたSOI層に対して、前記埋め込み酸化膜に達するトレンチ加工を施し、前記埋め込み酸化膜の一部を犠牲層エッチングすることにより形成されてなる慣性素子とすることができる。
また、請求項6に記載のように、上記慣性素子は、前記慣性可動部が、印加される力学量に応じて変位する重錘部と、前記重錘部に一体形成された可動電極と、前記重錘部に連結し、前記力学量の印加による撓みで前記重錘部を力学量に応じて変位させる矩形枠状のばね部とを有してなり、前記可動電極と対向して、前記半導体基板に片持ち支持された固定電極が形成され、前記可動電極と固定電極の対向面で静電容量が形成され、前記印加される力学量に応じて、前記可動電極が前記対向面に対して垂直方向に変位し、前記慣性素子が、前記可動電極と固定電極との間の距離変化に伴う前記静電容量の変化を測定して、前記印加される力学量を検出する慣性素子とすることができる。
これにより、上記慣性素子を静電容量式の半導体力学量センサとして用いることができる。
この場合には請求項7に記載のように、通常、前記半導体基板、前記慣性可動部もしくは前記キャップ部により形成される、前記空隙内における最小隙間幅が、前記可動電極と固定電極の対向面の間隔、または前記ばね部における矩形枠の内幅となる。従って請求項2に記載のように、前記貫通穴の直径は、前記最小隙間幅である、前記可動電極と固定電極の対向面の間隔、または前記ばね部における矩形枠の内幅より小さいことが好ましい。
上記静電容量式の半導体力学量センサは、請求項8に記載のように、前記検出する力学量が加速度または角速度である、加速度センサや角速度センサとして利用することができる。
請求項9〜13に記載の発明は、上記慣性素子の製造方法に関する発明である。
請求項9に記載の発明は、半導体基板の一方の面側において、前記半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部と、前記半導体基板との間で空隙を形成し、当該空隙内に前記慣性可動部を収容するキャップ部とを備え、当該キャップ部に、前記空隙に連通する貫通穴が形成されてなる慣性素子の製造方法であって、前記貫通穴の形成部を介して、前記慣性可動部周りに形成された犠牲層のエッチングを行うことを特徴としている。
上記製造方法によれば、キャップ部に形成する貫通穴を、製造途中において慣性可動部周りに形成された犠牲層エッチングのためのエッチング穴として利用するため、犠牲層エッチングのための新たな穴形成工程を削減することができる。また、上記慣性素子はキャップ部と半導体基板の間の空隙を気密封止する必要がなく、従って、上記犠牲層のエッチングに利用した貫通穴を封止する必要がない。このため、従来の慣性素子に較べて、製造時の工程数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
請求項10と11に記載の製造方法により製造される慣性素子の効果については、上記したとおりであり、その説明は省略する。
請求項12に記載のように、前記貫通穴は、複数本あることが好ましい。これにより、複数本の貫通穴を適宜配置して、製造時における犠牲層エッチングを均等に施すことができる。
上記慣性素子の製造方法は、例えば請求項13に記載のように、前記半導体基板が、埋め込み酸化膜を有するSOI基板であり、前記慣性可動部を、前記埋め込み酸化膜上に形成されたSOI層に対して、前記埋め込み酸化膜に達するトレンチ加工を施し、前記埋め込み酸化膜の一部を犠牲層エッチングすることにより形成する慣性素子の製造方法とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の慣性素子の一例で、図1(a)は慣性素子100の模式的な上面図である。図1(b)は、図1(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。また、図1(c)は、図1(a)において簡略化して示した2点鎖線で囲ったB部の詳細図である。尚、図1(c)でハッチングされた部位は断面ではなく、実際は平面である。
図1(a)〜(c)に示す慣性素子100は、シリコン(Si)基板の貼り合わせ技術を用いて形成された、埋め込み酸化膜を有するSOI(Silicon On Insulator)構造の半導体基板60を用いた慣性素子である。図1(b)に示すように、SOI基板60は、酸化シリコン(SiO)からなる埋め込み酸化膜60bを挟んで、埋め込み酸化膜60上に形成されたSOI層60aと、埋め込み酸化膜下に形成された支持基板60cとからなる。
図1(a)〜(c)に示す慣性素子100も、図5(a),(b)および図6に示した慣性素子91,92と同様に、加速度や角速度の検出に利用される静電容量式の半導体力学量センサ(加速度センサ、角速度センサ)である。
図1(a),(b)に示すように、慣性素子100は、半導体基板60の一方の面側において、半導体基板60に変位可能に支持されてなる慣性可動部61と、キャップ部62とを備えている。慣性可動部61は、後述するように、埋め込み酸化膜60b上に形成されたSOI層60aに対して、埋め込み酸化膜60bに達するトレンチ加工を施し、埋め込み酸化膜60bの一部を犠牲層エッチングすることにより形成される。キャップ部62は、半導体基板60との間で空隙S2を形成し、この空隙S2内に慣性可動部61を収容している。また、キャップ部62には、空隙S2に連通する貫通穴62aが形成されている。
半導体力学量センサである慣性素子100の慣性可動部61は、印加される力学量に応じて変位する重錘部61aと、重錘部61aに一体形成された可動電極61bと、重錘部61aに連結し、力学量の印加による撓みで重錘部61aを力学量に応じて変位させる矩形枠状のばね部61cとを有している。また、図1(c)に示すように、可動電極61bと対向して、半導体基板60に片持ち支持された固定電極60dが形成されており、可動電極61bと固定電極60dの対向面で静電容量が形成されている。尚、符号63は、電気信号を取出すためのアルミニウム(Al)からなる電極パッドである。
このようにして、図1(a)〜(c)に示す慣性素子100においては、印加される力学量に応じて、可動電極61bが固定電極60dと対向する面に対して垂直方向に変位し、可動電極61bと固定電極60dとの間の距離変化に伴う静電容量の変化を測定して、印加される力学量を検出するする。
図1(a)〜(c)に示す慣性素子100は、キャップ部62を備えており、キャップ部62と半導体基板60の間に形成された空隙S2内に慣性可動部61を収容している。このため、慣性可動部61の運動が、外部影響を受け難い。また、キャップ部62には、空隙S2に連通する貫通穴62aが形成されている。従って、慣性可動部61を収容する空隙S2は、気密状態でない。このため、図6に示す従来の慣性素子92のように、空隙を気密にして空隙内にガス等を封入する場合に較べて、慣性可動部61の運動に伴う減衰力の不要な増加を抑制することができる。
キャップ部62に形成する貫通穴62aの直径は、半導体基板60、慣性可動部61もしくはキャップ部62により形成される、空隙S2内における最小隙間幅より小さいことが好ましい。半導体力学量センサである慣性素子100においては、上記最小隙間幅は、例えば、図1(c)に示す可動電極61bと固定電極60dの対向面の間隔W1、または図1(c)に示すばね部61cにおける矩形枠の内幅W2となる。W1,W2は、通常、2μm程度の値に設定される。従って、半導体力学量センサである慣性素子100においては、貫通穴62aの直径を、2μmより小さくすることが好ましい。このように、貫通穴62aの直径を空隙S2内における最小隙間幅W1,W2より小さく設定することで、貫通穴62aを介して空隙S2内に微小な異物が進入した場合であっても、これら進入した異物に起因する慣性可動部61の運動不具合を抑制することができる。
また、図1(a)〜(c)に示す慣性素子100では、貫通穴62aを、半導体基板60面にほぼ平行に、異物の衝突確率の低いキャップ部62の側面に形成している。これにより、外部から貫通穴62aを介して異物が空隙S2内に進入する確率を低減することができる。
後述するように、上記慣性素子100の製造においては、キャップ部62と半導体基板60の間の空隙S2を気密封止する必要がないため、図6に示す従来の慣性素子92に較べて、製造時の工程数を削減することができる。また、上記キャップ部62における貫通穴62aは、慣性可動部周りに形成された犠牲層のエッチングに利用することができる。これらにより、図1(a)〜(c)に示す慣性素子100は、製造コストを従来に較べて低減することができる。
図2は、本発明における別の慣性素子の例で、慣性素子101の模式的な断面図である。図2の慣性素子101において、図1に示す慣性素子100と同様の部分については、同じ符号を付した。
図2に示す慣性素子101では、図1に示す慣性素子100と異なり、キャップ部62の上面に、複数本の微細な貫通穴62bが形成されている。このように複数本の貫通穴62bを形成することで、この複数本の貫通穴62bを介して、運動中の慣性可動部61のガス圧による減衰抑制効果や製造時における犠牲層エッチングを、均等に作用させることができる。
次に、図1(a)〜(c)に示す慣性素子100の製造方法を説明する。
図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)は、慣性素子100の製造方法を示す工程別断面図である。
最初に、図3(a)に示すSOI構造の半導体基板60を準備する。SOI基板60は、シリコン(Si)基板の貼り合わせ技術を用いて形成し、酸化シリコン(SiO)からなる埋め込み酸化膜60bを挟んで、埋め込み酸化膜60上に形成されたSOI層60aと、埋め込み酸化膜下に形成された支持基板60cとからなる。
次に、図3(b)に示すように、埋め込み酸化膜60bに達するトレンチT1をSOI層60aに形成して、重錘部61a、可動電極61bおよびばね部61cからなる慣性可動部61並びに固定電極60dのパターニングを行う。図3(b)では、これらを代表して、ばね部61cと固定電極60dが示されている。
また、SOI層60a上に、アルミニウム(Al)からなる電極パッド63を形成する。
次に、図3(c)に示すように、トレンチT1を埋め込むようにして、半導体基板60上の全面に犠牲層膜G1を形成する。犠牲層膜G1には、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成した酸化シリコン(SiO)膜を用いることができる。
次に、図4(a)に示すように、犠牲層膜G1を図1(b)に示す空隙S2と貫通穴62aの形にパターニングする。
その後、半導体基板60上の全面に、キャップ膜62を形成する。キャップ膜62には、例えば、CVDにより形成した多結晶シリコン(ポリ−Si)膜を用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、貫通穴62a形成部の先端における犠牲層膜G1を露出するようにして、キャップ膜62を図1(b)に示すキャップ部62の形にパターニングする。
次に、図4(c)に示すように、フッ酸ガス等の犠牲層エッチング剤を用いて、貫通穴62a形成部を介して、慣性可動部61(ばね部61c)周りに形成された犠牲層G1をエッチング除去する。
最後に、エッチング剤を用いて、貫通穴62a形成部を介して、慣性可動部61(ばね部61c)周りに形成された埋め込み酸化膜60bの一部をエッチング除去する。尚、犠牲層膜G1と埋め込み酸化膜60bが同じ酸化シリコン膜からなる場合には、犠牲層G1と埋め込み酸化膜60bの一部のエッチングを、一つの工程で行うことができる。
以上で、空隙S2と貫通穴62aが形成され、半導体基板60に変位可能に支持されてなる慣性可動部61が形成されて、図1(a)〜(c)に示す慣性素子100が製造される。
尚、図2に示す慣性素子101の製造においては、図4(b)の工程において、キャップ膜62のパターニング時に、図2に示す貫通穴62bを形成する。この貫通穴62bを介して、図4(c)の工程において、慣性可動部61(ばね部61c)周りに形成された犠牲層G1および埋め込み酸化膜60bの一部をエッチング除去する。これにより、空隙S2と貫通穴62aが形成され、半導体基板60に変位可能に支持されてなる慣性可動部61が形成されて、図2に示す慣性素子101が製造される。
上記製造方法によれば、キャップ部62に形成する貫通穴62a,62bを、製造途中において慣性可動部61周りに形成された犠牲層エッチングのためのエッチング穴として利用する。このため、犠牲層エッチングのための新たな穴形成工程を削減することができる。また、上記慣性素子100,101は、キャップ部62と半導体基板60の間の空隙S2を気密封止する必要がなく、従って、上記犠牲層のエッチングに利用した貫通穴62a,62bを封止する必要がない。このため、図6に示す従来の慣性素子92に較べて、製造時の工程数を削減することができ、製造コストを低減することができる。尚、貫通穴62a,62bは、複数本あることが好ましい。これにより、複数本の貫通穴62a,62bを適宜配置して、製造時における犠牲層エッチングを均等に施すことができる。
以上のようにして、図1と図2に示す慣性素子100,101は、慣性可動部61の運動が外部影響を受け難く、かつ安価に製造することのできる慣性素子となっている。尚、図1と図2に示す慣性素子100,101は、SOI構造の半導体基板60を用いた慣性素子であった。しかしながら、これに限らず、空隙に連通する貫通穴がキャップ部に形成されてなる本発明の慣性素子は、通常のシリコン半導体基板を用いて製造することも可能である。
本発明の慣性素子の一例で、(a)は慣性素子の模式的な上面図である。(b)は、(a)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。また、(c)は、(a)において簡略化して示した破線で囲ったB部の詳細図である。 本発明における別の慣性素子の例で、慣性素子の模式的な断面図である。 (a)〜(c)は、図1の慣性素子の製造方法を示す工程別断面図である。 (a)〜(c)は、図1の慣性素子の製造方法を示す工程別断面図である。 従来の慣性素子(半導体力学量センサ)の一例で、(a)は、半導体力学量センサの平面模式図であり、(b)は、(a)中におけるA−A断面の断面模式図である。 従来の別の慣性素子(半導体力学量センサ)の例で、半導体力学量センサ(マイクロマシーニング構造素子)の模式的な断面図である。
符号の説明
91,92,100,101 慣性素子(半導体力学量センサ)
60 (SOI構造の)半導体基板
60a SOI層
60b 埋め込み酸化膜
60c 支持基板
60d 固定電極
61 慣性可動部
61a 重錘部
61b 可動電極
61c ばね部
62 キャップ部
62a,62b 貫通穴
G1 犠牲層(膜)
S2 空隙

Claims (13)

  1. 半導体基板の一方の面側において、前記半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部と、
    前記半導体基板との間で空隙を形成し、当該空隙内に前記慣性可動部を収容するキャップ部とを備え、
    当該キャップ部に、前記空隙に連通する貫通穴が形成されてなることを特徴とする慣性素子。
  2. 前記貫通穴の直径が、前記半導体基板、前記慣性可動部もしくは前記キャップ部により形成される、前記空隙内における最小隙間幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の慣性素子。
  3. 前記貫通穴が、前記半導体基板面にほぼ平行に形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の慣性素子。
  4. 前記貫通穴が、複数本形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の慣性素子。
  5. 前記半導体基板が、埋め込み酸化膜を有するSOI基板であり、
    前記慣性可動部が、
    前記埋め込み酸化膜上に形成されたSOI層に対して、前記埋め込み酸化膜に達するトレンチ加工を施し、前記埋め込み酸化膜の一部を犠牲層エッチングすることにより形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の慣性素子。
  6. 前記慣性可動部が、
    印加される力学量に応じて変位する重錘部と、前記重錘部に一体形成された可動電極と、前記重錘部に連結し、前記力学量の印加による撓みで前記重錘部を力学量に応じて変位させる矩形枠状のばね部とを有してなり、
    前記可動電極と対向して、前記半導体基板に片持ち支持された固定電極が形成され、
    前記可動電極と固定電極の対向面で静電容量が形成され、
    前記印加される力学量に応じて、前記可動電極が前記対向面に対して垂直方向に変位し、
    前記慣性素子が、前記可動電極と固定電極との間の距離変化に伴う前記静電容量の変化を測定して、前記印加される力学量を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の慣性素子。
  7. 前記最小隙間幅が、前記可動電極と固定電極の対向面の間隔、または前記ばね部における矩形枠の内幅であることを特徴とする請求項6に記載の慣性素子。
  8. 前記力学量が、加速度または角速度であることを特徴とする請求項6または7に記載の慣性素子。
  9. 半導体基板の一方の面側において、前記半導体基板に変位可能に支持されてなる慣性可動部と、前記半導体基板との間で空隙を形成し、当該空隙内に前記慣性可動部を収容するキャップ部とを備え、当該キャップ部に、前記空隙に連通する貫通穴が形成されてなる慣性素子の製造方法であって、
    前記貫通穴の形成部を介して、前記慣性可動部周りに形成された犠牲層のエッチングを行うことを特徴とする慣性素子の製造方法。
  10. 前記貫通穴の直径が、前記半導体基板、前記慣性可動部もしくは前記キャップ部により形成される、前記空隙内における最小隙間幅より小さいことを特徴とする請求項9に記載の慣性素子の製造方法。
  11. 前記貫通穴が、前記半導体基板面にほぼ平行であることを特徴とする請求項9または10に記載の慣性素子の製造方法。
  12. 前記貫通穴が、複数本あることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の慣性素子の製造方法。
  13. 前記半導体基板が、埋め込み酸化膜を有するSOI基板であり、
    前記慣性可動部を、
    前記埋め込み酸化膜上に形成されたSOI層に対して、前記埋め込み酸化膜に達するトレンチ加工を施し、前記埋め込み酸化膜の一部を犠牲層エッチングすることにより形成することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の慣性素子の製造方法。
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JP2012122772A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Rohm Co Ltd Memsセンサおよびその製造方法、ならびにmemsパッケージ
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WO2013073163A1 (ja) * 2011-11-14 2013-05-23 富士電機株式会社 加速度センサ

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