JP3543652B2 - ラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造 - Google Patents

ラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用のラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を図13に示す。図において、ラック軸31は断面円形状に設けられるとともに、図示しない側の端部側にラック歯が設けられ、図示しないステアリングギヤハウジング内において、ステアリングシャフトに連結されたピニオンが噛合されている。図13に示されているラック軸31の端部側にはボールソケット32が固定されている。ボールソケット32にはステアリングロッド33のボール部が揺動自在に嵌合されている。ラックチューブ34は前記ラック軸31が貫通されており、端部に止着されたラックブッシュ35を介して前記ラック軸31を支持している。ラックブーツ36は、その一端がステアリングロッド33の一端に外嵌固定され、他端が前記ラックチューブ34の端部に外嵌固定されている。
【0003】
前記ラックブッシュ35は、筒状に形成されている。そして、ラックブッシュ35の内周面には周方向に複数の支持突部35aが互いに離間して突設され、同支持突部35aにて前記ラック軸31を軸心方向に摺動可能に支持している。
【0004】
従来においては、ラック軸31を支持する構造として、一対のラックブッシュ35でラック軸31の両端を支持する構造と、1個のラックブッシュ35でラック軸31の一端側(ラック軸31のラックが設けられていない側)にのみ支持する構造とが提案されている。
【0005】
図14は、一対のラックブッシュ35がラック軸31の両端に設けられている場合の、ラック軸31の支持構造の模式図であり、白色の□、及びハッチング入りの□はそれぞれ一対のラックブッシュ35の各支持突部の配置位相(配置位置)を示している。すなわち、ラック軸31のラックが設けられていない側の端部(以下、ラックエンド側端部という)を支持するラックブッシュ35は、その支持突部35aが、3個設けられて、ラック軸31の軸心Oを中心として互いに所定角度離間して配置されている。又、ラック軸31のラック歯31aが設けられている側の端部(以下、ピニオン側端部という)を支持するラックブッシュ35は、その支持突部35bが、180°位相がずれて2個設けられており、そのうち1個の支持突部35bは、前記一方のラックブッシュ35の支持突部35aと同位相になるように配置されている。一方のラックブッシュ35の支持突部35bをこのように配置しているのは、ラック軸31のピニオン側端部は、ラック歯31a側は支持できないため、ラック歯31aが設けられていない、周面を支持するようにしている。
【0006】
又、図15は、1個のラックブッシュ35がラック軸31のラックエンド側端部を支持する場合の、ラック軸31の支持構造の模式図であり、白色の□はラックブッシュ35の各支持突部の配置位置を示している。すなわち、ラックエンド側端部を支持するラックブッシュ35は、その支持突部35aが、3個設けられて、ラック軸31の軸心Oを中心として互いに所定角度離間して配置されている。
【0007】
図16は、1個のラックブッシュ35がラック軸31のラックエンド側端部を支持する場合の、ラック軸31の支持構造の模式図であり、白色の□はラックブッシュ35の各支持突部の配置位置を示している。すなわち、ラックエンド側端部を支持するラックブッシュ35は、その支持突部35aが、4個設けられて、ラック軸31の軸心Oを中心として互いに90°離間して配置されている。
【0008】
上記図15、及び図16の場合、ラックブッシュ35をラックエンド側にのみ設けているのは、ラック軸31のピニオン側端部は、ラック歯31a側は支持できないため、ラック歯31aが設けられていない、周面を支持するように、ラックエンド側のみを支持するようにしたものである。
【0009】
なお、図14乃至図16では、横方向をX軸、縦方向をY軸にて示している。従来のラックブッシュ35は、合成樹脂にて構成されており、タイヤ側からの外乱入力があった場合、ラック軸31の揺動を抑制するようにし、ラック軸31のラック歯31aとピニオンとの歯打ち音の発生を防止するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のラック軸31のラックブッシュ35の支持構造によると、外乱の入力があった場合、図14の支持構造では、X軸方向をまったく支持していないため、外乱の入力方向によっては、ラック軸の揺動が発生し、異音の発生、すなわち、ラック歯31aピニオンとの衝突による歯打ち音が発生する場合があった。
【0011】
又、図15及び図16では、もともとピニオン側端部はラックブッシュでは支持していないため、ラック歯31aピニオンとの歯打ち音が依然として発生する問題があった。
【0012】
本発明の目的は、外乱の入力があった場合においても、ラック軸のラック歯とピニオンとの歯打ち音の発生を防止することができるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ラック軸をラック支持体の貫通孔に対して貫通するとともに、ラックブッシュを介してラック支持体に対して軸心方向に移動可能に支持するラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造において、前記ラックブッシュは、前記ラック軸の両端部のうち、ピニオンと噛合するラック歯が設けられた一方の端部を支持する第1ブッシュと、他方の端部を支持する第2ブッシュを含み、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各内周面には、前記ラック軸を支持する3つの支持部を設け、 前記ラック軸周面の周方向における任意位置を位相の基準位置としたとき、第1ブッシュの位相の基準位置に基づく該第1ブッシュの支持部の位相位置と、第2ブッシュの位相の基準位置に基づく該第2ブッシュの支持部の位相位置とは前記ラック軸の軸心方向において一致しないように第1ブッシュの支持部と第2ブッシュの支持部とを互いにずらして配置し、前記第1ブッシュの支持部は、ラック軸のラック歯が設けられた側の周面とは非対応位置に設けられたものであるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を要旨とするものである。
【0016】
請求項の発明は、請求項1において、各ブッシュは、樹脂製であるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を要旨とするものである。
【0017】
請求項の発明は、請求項1又は請求項2において、第2ブッシュの支持部は、第2ブッシュの軸心を中心として互いに120°離間して配置されているラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を要旨とするものである。
【0018】
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のうちいずれか1項において、第1ブッシュの支持部は、ラック軸の背面を支持する箇所と、同箇所から互いに反対方向にそれぞれ90°離間した一対の箇所に設けたものであるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造を要旨とするものである。なお、背面とは、ラック軸において、反ピニオン側の面をいう。
【0019】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、第1ブッシュの支持部の配置位相と、第2ブッシュの支持部の配置位相とは一致しないように、各ブッシュの支持部は互いにずらして配置される。この結果、ラック軸の全周に亘って、各ブッシュの支持部が配置されて、ラック軸を支持することになり、外乱によってラック軸の揺動が発生した場合、ラック軸のラック歯とピニオンの歯との衝突による歯打ち音の発生防止を図ることができる。
【0020】
また、第1ブッシュの支持部は、ラック軸のラック歯が設けられた側の周面とは非対応位置に設けられる。すなわち、ラック軸のラック歯が設けられている箇所では、支持できないため、ラック歯と相対していない箇所にて第1ブッシュの支持部は支持する。
【0021】
さらに、各ブッシュの支持部を3個とすることにより、ラック軸の両端をそれぞれ3点支持することになり、最も安定して支持することができる。その結果、外乱によるラック軸の揺動を抑制することができる。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、樹脂製のブッシュとすることにより、ラック軸の摺動抵抗を少なくできるとともに、金属製のラックブッシュに比較してラック歯と、ピニオンとの歯打ち音を効果的に低減できる。なお、合成樹脂は弾性を備えていてもよい。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、第2ブッシュの支持部は、第2ブッシュの軸心を中心として互いに120°離間して配置されていることにより、少なくともラック軸を3点支持することができる。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、第1ブッシュの支持部は、ラック軸の背面の中央位置を支持する箇所と、同箇所から互いに反対方向に90°離間した一対の箇所に位置することにより、少なくともラック軸を3点支持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造の一実施形態を図1〜図12を参照して説明する。
【0026】
図1は、マニュアルステアリングギヤのラックアンドピニオン式操向装置の断面図を示している。
図1において、ラック軸1はピニオン側端部側にラック歯1aが設けられ、ステアリングギヤハウジング2内において、図示しないステアリングシャフトに連結されたピニオン3が噛合されている。図1に示すようにラック軸1のピニオン側端部は、ステアリングギヤハウジング2の挿通孔2aに貫通され、同挿通孔2aの内周面に嵌合された第1ブッシュとしてのラックブッシュ5を介してラック軸1の軸心方向に沿って摺動可能に支持されている。
【0027】
なお、前記ラックブッシュ5の詳細な構成については後述する。
ラック軸1のピニオン側端部には、ボールソケット6が固定されている。ボールソケット6にはステアリングロッド7のボール部が揺動自在に嵌合されている。ラックブーツ9は、その一端がステアリングロッド7の一端に外嵌固定され、他端が前記ステアリングギヤハウジング2の一端部に外嵌固定されている。
【0028】
又、ラックチューブ8の挿通孔8a内には前記ラック軸1が貫通されており、その一端がステアリングギヤハウジング2の他端部に対して内嵌固定されている。ラックチューブ8の他端には、筒状の端末部材10が外嵌固定されている。端末部材10内に透設された挿通孔10a内には、第2ブッシュとしてのラックブッシュ11が内嵌固定され、同ラックブッシュ11は、ラック軸1をその軸心方向に摺動可能に支持している。
【0029】
前記ステアリングギヤハウジング2、ラックチューブ8、端末部材10とにより本発明のラック支持体を構成している。又、挿通孔2a,8a,10aは貫通孔を構成している。
【0030】
なお、ラックブッシュ11の詳細な構成は、後述する。
前記ラック軸1のラックエンド側端部には、ボールソケット12が固定されている。ボールソケット12にはステアリングロッド13のボール部が揺動自在に嵌合されている。ラックブーツ14は、その一端がステアリングロッド13の一端に外嵌固定され、他端が前記端末部材10の一端部に外嵌固定されている。
【0031】
次に、前記ラックブッシュ5の構成を図9〜図11を参照して説明する。
図10に示すようにラックブッシュ5は、合成樹脂にて略筒状に形成され、弾性を備えている。ラックブッシュ5の周壁には、その軸心方向に沿って斜状にスリット51が形成されている。同スリット51は、両端が開口されており、同スリット51により、ラックブッシュ5は縮径可能とされている。
【0032】
同ラックブッシュ5の一端部外周面は、係止フランジ52が突設されるとともに、同係止フランジ52からは位置決め突起53が外方に突設されている。
図2に示すようにラックブッシュ5は、ステアリングハウジング2の内周面の挿通孔2aに対して、前記スリット51が許容する範囲でその弾性に抗して圧入嵌合されている。さらに、ラックブッシュ5の係止フランジ52は、ステアリングハウジング2の挿通孔2a内周面に設けられた周溝2bに嵌入されている。前記周溝2bは挿通孔2aの内径よりも若干内径が大きくされている。又、図9に示すように位置決め突起53は周溝2b内周面に設けられた位置決め凹部2cに嵌合されている。前記位置決め突起53と位置決め凹部2cの嵌合により、ラックブッシュ5は、ラックブッシュ5自身の軸心の回りでのステアリングギヤハウジング2に対する相対回動が阻止され、後記する隆起部54,55のラック軸1に対する位相位置を決定する。
【0033】
前記ラックブッシュ5の内周面には、図9に示すように、Y軸心方向にはラックブッシュ5の軸心O1を中心として、互いに180°反対位置に位置するように一対の隆起部54が内方に突設されている。又、反ピニオン方向側のラックブッシュ5の内周面には隆起部55が内方に突設されている。前記隆起部55は、前記隆起部54に対して、90°離間して配置されている。各隆起部54,55の内面は、ラック軸1の周面に対して面接触するように断面円弧状をなす摺接面54a,55aとされ、同摺接面54a,55aにて、ラック軸1のピニオン側端部の軸心方向に沿って移動自在に支持する。
【0034】
そして、上記のようにして、ラックブッシュ5がステアリングギヤハウジング2の挿通孔2aに嵌合取着された状態では、ラックブッシュ5の隆起部54,55の配置関係は、図12に示す通りとされている。又、ラックブッシュ5がステアリングギヤハウジング2の挿通孔2aに嵌合取着された状態では、ラックブッシュ5の隆起部54,55にて形成される内径は、ラック軸1の外径よりも若干大きい値から若干小さい値の範囲に収まるようにされている。
【0035】
前記隆起部54,55は支持部を構成している。
次に、前記ラックブッシュ11の構成を図3〜図8を参照して説明する。
図8に示すようにラックブッシュ11は、合成樹脂にて略筒状に形成され、弾性を備えている。ラックブッシュ11の周壁には、その軸心方向に沿って線状に3本のスリット61が互いに等間隔をおいて、すなわち、ラックブッシュ11の軸心を中心とした所定角度θ2(この実施形態では120°)間隔で切込み形成されている。同スリット61は、一端が開口されており、同スリット61により、ラックブッシュ11はスリット61の切込み口側において縮径可能とされている。
【0036】
同ラックブッシュ11の一端部側(前記スリット61の切込み口側の端部)外周面には、前記スリット61に対向するように等間隔に3個の抜け止め突部62が突設されるとともに、位置決め突起63が外方に突設されている。図1及び図3に示すようにラックブッシュ11は、端末部材10の内周面の挿通孔10aに対して、前記スリット61が許容する範囲でその弾性に抗して圧入嵌合されている。又、抜け止め突部62は、端末部材10の挿通孔10a内周面に設けられた周溝10bに嵌入されている。同周溝10bは前記挿通孔10aの内径よりもその内径が大きくされている。図3に示すように位置決め突起63は周溝10b内周面に設けられるとともに、反ピニオン方向側に配置され位置決め凹部10cに嵌合されている。
【0037】
前記位置決め突起63と位置決め凹部10cの嵌合により、ラックブッシュ11は、ラックブッシュ11自身の軸心の回りでの端末部材10に対する相対回動が阻止され、後記する隆起部64の、ラック軸1に対する位相位置を決定する。
【0038】
前記ラックブッシュ11の内周面には、図4に示すように、前記抜け止め突部62に対応して、その軸心方向に沿って3個の隆起部64が互いに等間隔をおいて、すなわち、ラックブッシュ11の軸心を中心とした所定角度θ1(この実施形態では120°)間隔で形成されている。各隆起部64の内面は、ラック軸1の周面に対して線接触するように平面をなす摺接面64aとされ、同摺接面64aにて、ラック軸1のラックエンド側端部を軸心方向に沿って移動自在に支持する。又、ラックブッシュ11の外周面には、軸心O2方向に沿ってひだ部66が複数個形成され、端末部材10の挿通孔10a内周面と密接されている。
【0039】
前記隆起部64は支持部を構成している。
そして、上記のようにして、ラックブッシュ11が端末部材10の挿通孔10aに嵌合取着された状態では、ラックブッシュ11の隆起部64の配置は、図4に示すように、ピニオン方向側に1つの隆起部64が配置されている。又、ラックブッシュ11が端末部材10の挿通孔10aに嵌合取着された状態では、ラックブッシュ11の隆起部64にて形成される内径は、ラック軸1の外径よりも若干大きい値から若干小さい値の範囲に収まるようにされている。
【0040】
そして、上記のようにして、両ラックブッシュ5,11がそれぞれステアリングギヤハウジング2、端末部材10の挿通孔2a,10aに嵌合取着された状態では、各ラックブッシュ5,11の隆起部54,55,64の配置関係は、図12に示す通りとされている。すなわち、各ラックブッシュ5,11の隆起部54,55,64は、ラック軸1の周面に対して、互いに異なる位相位置にて配置され、すなわち、ずらして配置され、ラック軸1のほぼ全周方向から支持されている。又、ラック軸1のピニオン側端部のラックブッシュ5の隆起部54,55は、ラック歯1a側に位置しないように配置されている。
【0041】
次に、上記のように構成されたラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造の作用を説明する。
ラックブッシュ5の隆起部54,55のラック軸1に対する位相位置と、ラックブッシュ11の隆起部64のラック軸1に対する位相位置とは一致しないように、各ラックブッシュ5,11の隆起部54,55,64は互いにずらして配置し、ラック軸1のほぼ全周方向から支持するようにした。この結果、ラック軸1の全周に亘って、各ラックブッシュ5,11の隆起部54,55,64が配置されて、ラック軸1を支持することになる。このため、外乱の入力があっても、ラック軸1に揺動の発生する方向がないため、ラック軸1のラック歯1aとピニオン3の歯との衝突による歯打ち音の発生防止が図られる。
【0042】
次に、本実施形態の特徴を以下に記載する。
(1) 本実施形態においては、ラックブッシュ5の隆起部54,55は、ラック軸1のラック歯1aが設けられた側の周面とは非対応位置に設けた。すなわち、ラック歯1aが設けられていないラック軸1の反ピニオン方向側の箇所の隆起部55、及び反ピニオン側の周面とは90°離間した箇所の隆起部54により支持した。従って、この隆起部54,55において、ラック軸1を支持しているため、外乱によってラック軸1の揺動が発生しようとした場合にあっても、ラック軸1のラック歯1aとピニオン3の歯との衝突による歯打ち音の発生防止ができる。
【0043】
(2) 本実施形態では、各ラックブッシュ5,11の隆起部54,55,64を3個とすることにより、ラック軸1の両端をそれぞれ3点支持することになり、最も安定して支持することができる。その結果、外乱によるラックの揺動を抑制することができる。
【0044】
(3) 本実施形態では、合成樹脂製のラックブッシュ5,11とした。この結果、ラック軸1の摺動抵抗を少なくできる。又、本実施形態では、弾性を有する合成樹脂としたため、各挿通孔2a,10aに対して圧入嵌合できる。
【0045】
(4) 本実施形態では、ラックブッシュ11の隆起部64は、ラックブッシュ11の軸心を中心として互いに120°離間して配置されていることにより、ラック軸を3点支持することができる。
【0046】
(5) 本実施形態では、ラックブッシュ5の隆起部54,55は、ラック軸1の背面(反ピニオン方向側の面)を支持する箇所と、同箇所から互いに反対方向に90°離間した一対の箇所に配置した。この結果、ラック軸1を好適な位置にて3点支持することができる。
【0047】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
(1) 前記実施形態では、各ラックブッシュ5,11は、ラック軸1に対して3点支持するように設けたが、4点或いは5点支持であってもよい、この場合、ラックブッシュ5においては、ラック軸1のピニオン方向側には、隆起部を設けないようにし、又、他のラックブッシュ1の隆起部64とは、互いに位相をずらして配置し、ラック軸1の全周に亘って支持するものとする。
【0048】
(2) 前記実施形態では、ラックブッシュ5に設けた隆起部54,55は、互いに90°間隔で設けたが、90°に限定されるものではない。他の角度であってもよい。
【0049】
(3) 前記実施形態では、ラックブッシュ11に設けた隆起部64は互いに120°間隔で設けたが、120°に限定されるものではなく、他の角度であってもよい。
【0050】
(4) 前記実施形態では、合成樹脂製のラックブッシュ5,11としたが、金属製(例えば、焼結金属)のラックブッシュとしても、上記実施形態のように、隆起部の位相を互いにずらして配置することにより、外乱によるラック歯1aとピニオン3との歯打ち音の発生を防止することができる。
【0051】
(5) 前記実施形態では、マニュアルステアリングギヤのラックアンドピニオン式操向装置に具体化したが、パワーステアリングのラックアンドピニオン式操向装置に具体化してもよい。
【0052】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(1) ラックブッシュと貫通孔内面とには、凹凸の関係でラックブッシュの貫通孔内面に対して位置決めするようにしたラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。こうすることにより、ラックブッシュは、ラック支持体の貫通孔に取着されるときに、位置決めされ、ラックブッシュに設けられた支持部の配置位置を的確にすることができる。
【0053】
(2) 上記(1)の技術的思想において、凹凸の関係は、ラックブッシュに設けられた位置決め突起、貫通孔内面に設けられ、前記位置決め突起に係合する位置決め凹部であるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。こうすることにより、ラックブッシュは、ラック支持体の貫通孔に取着されるときに、位置決めされ、ラックブッシュに設けられた支持部の配置位置を的確にすることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項によれば、ラック軸のラック歯とピニオンとの歯打ち音の発生を防止することができる。
【0055】
また、第1ブッシュの支持部はラック軸のラック歯が設けられた側の周面とは非対応位置に設けられることにより、同支持部において、ラック軸を支持できるため、外乱によってラック軸の揺動が発生しようとした場合にあっても、ラック軸のラック歯とピニオンの歯との衝突による歯打ち音の発生防止ができる。
【0056】
さらに、第1ブッシュ、第2ブッシュの支持部を3個とすることにより、ラック軸の両端をそれぞれ3点支持することになり、最も安定して支持することができ、外乱によるラックの揺動を抑制することができる。
【0057】
請求項の発明によれば、本実施形態では、合成樹脂製の第1ブッシュ、第2ブッシュとしたため、ラック軸の摺動抵抗を少なくできる。
請求項の発明によれば、第2ブッシュの支持部は、その軸心を中心として互いに120°離間して配置されてしたため、ラック軸を安定して3点支持することができる。
【0058】
請求項の発明によれば、第1ブッシュの支持は、ラック軸の背面(反ピニオン方向側の面)を支持する箇所と、同箇所から互いに反対方向に90°離間した一対の箇所に配置した結果、ラック軸を好適な位置にて3点支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるラックアンドピニオン式操向装置の断面図。
【図2】同じくラックブッシュの要部断面図。
【図3】同じくラックブッシュの要部断面図。
【図4】ラックブッシュの正面図。
【図5】ラックブッシュの平面図。
【図6】ラックブッシュの半断面図。
【図7】要部拡大図。
【図8】ラックブッシュの斜視図。
【図9】他のラックブッシュの正面図。
【図10】他のラックブッシュの斜視図。
【図11】他のラックブッシュの要部拡大図。
【図12】隆起部の配置位相を示す模式図。
【図13】従来のラックアンドピニオン式操向装置の要部断面図。
【図14】従来の支持部の配置位相を示す模式図。
【図15】他の従来例の支持部の配置位相を示す模式図。
【図16】他の従来例の支持部の配置位相を示す模式図。
【符号の説明】
1…ラック軸、2…ステアリングギヤハウジング、2a…挿通孔、
2b…周溝、2c…位置決め凹部、
5…ラックブッシュ(第1ブッシュを構成する。)、
8…ラックチューブ、
8a…挿通孔(挿通孔2a,8aとともに貫通孔を構成する。)、
10…端末部材(ステアリングギヤハウジング2、ラックチューブ8とともにラック支持体を構成する。)、10a…挿通孔、10b…周溝、
10c…位置決め凹部、11…ラックブッシュ(第2ブッシュを構成する。)、52…係止フランジ、 53…位置決め突起、
53,54…隆起部(支持部を構成する。)、
54a,55a…摺接面、61…スリット、62…抜け止め突部、
63…位置決め突起、64…隆起部(支持部を構成する。)。

Claims (4)

  1. ラック軸をラック支持体の貫通孔に対して貫通するとともに、ラックブッシュを介してラック支持体に対して軸心方向に移動可能に支持するラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造において、
    前記ラックブッシュは、前記ラック軸の両端部のうち、ピニオンと噛合するラック歯が設けられた一方の端部を支持する第1ブッシュと、他方の端部を支持する第2ブッシュを含み、
    前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各内周面には、前記ラック軸を支持する3つの支持部を設け、
    前記ラック軸周面の周方向における任意位置を位相の基準位置としたとき、
    第1ブッシュの位相の基準位置に基づく該第1ブッシュの支持部の位相位置と、第2ブッシュの位相の基準位置に基づく該第2ブッシュの支持部の位相位置とは前記ラック軸の軸心方向において一致しないように第1ブッシュの支持部と第2ブッシュの支持部とを互いにずらして配置し
    前記第1ブッシュの支持部は、ラック軸のラック歯が設けられた側の周面とは非対応位置に設けられたものであるラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。
  2. 前記各ブッシュは、樹脂製である請求項1に記載のラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。
  3. 前記第2ブッシュの支持部は、該第2ブッシュの軸心を中心として互いに120°離間して配置されている請求項1又は請求項2に記載のラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。
  4. 前記第1ブッシュの支持部は、ラック軸の背面を支持する箇所と、同箇所から互いに反対方向にそれぞれ90°離間した一対の箇所に設けたものである請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のラックアンドピニオン式操向装置のラック軸支持構造。
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