JP3543562B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小なインク滴を記録シートに向けて飛翔させながら画情報に応じてインク画像を形成するインクジェット記録装置に係り、特に、インクを吐出する記録ヘッドを記録シートの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動させながら記録シートに対して画像形成を行うインクジェット記録装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェット記録装置としては、インク吐出口が開設された記録ヘッドを記録シートの搬送方向と(以下、副走査方向)と直交する方向(以下、主走査方向)へ往復移動させると共に、画情報に応じて上記記録ヘッドから記録シートへ微小なインク滴を飛翔させて該記録シート上にインク画像を形成するように構成された所謂シリアル型のものが広く普及している。
【0003】
この従来の装置において、通常、記録ヘッドの移動領域の一端には該記録ヘッドのホームポジションが設けられており、記録ヘッドはこのホームポジションに設定されて新たな画情報の入力を待つようになっている。すなわち、かかる記録ヘッドは画情報が入力されるとホームポジションより移動して記録シートにインク画像の形成を行う一方、インク画像の形成が終了すると再度ホームポジションに設定されて次の画情報の入力を待つように構成されている。
【0004】
また、上記ホームポジションにおける記録ヘッドの待機状態が長時間継続すると、インク吐出口内のインクが乾燥してしまい、インクの増粘やインク吐出口の目詰まりといった事態が発生してインク滴の飛翔を十分にコントロールできなくなってしまうことから、かかるホームポジションには記録ヘッドのインク吐出口を覆うキャップ部材が設けられるのが通例であり、記録ヘッドが一定時間以上ホームポジションで放置される場合には上記キャップ部材を用いてインク吐出口を覆う格納動作がなされ、インク吐出口の乾燥を防止し得るように構成されている。
【0005】
更に、インクジェット記録装置ではインク滴の吐出に伴ってインクミストが発生し、かかるインクミストがインク吐出口の開口面に付着して徐々にインク吐出口を覆ってしまうことから、インク滴の飛翔を的確にコントロールして高品位なインク画像を形成するためにはインク吐出口の開口面に付着したインクを定期的に除去する必要がある。従って、従来のインクジェット記録装置ではインク吐出口の開口面に撥水処理を施すと共に、かかる開口面に付着したインクを拭き取るべく上記ホームポジションにワイパー部材が設けられており、記録ヘッドが画像形成動作を一定時間行う度毎に該記録ヘッドをホームポジションに設定し、上記ワイパー部材によって記録ヘッドに付着したインクの拭き取りを行うように構成されている。
【0006】
また更に、このように構成された従来のインクジェット記録装置においては、通常、インクを貯留したインクタンクが記録ヘッドに対して着脱自在となっており、インクタンク内のインクの残量が所定量以下になると、ユーザに対してインクタンクの交換を促すように構成されている。特に、特開平9−20017号公報に開示される装置では記録ヘッドによる画像形成領域内にインクタンクを交換するための専用ポジションが設けられており、インクタンクの交換の際には記録ヘッドを前述したホームポジションからタンク交換ポジションへ移動し、かかる交換ポジションでインクタンクの交換がなされるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット記録装置においては、記録ヘッドのインク吐出口と記録シートとの距離が該記録シート上に形成されるインクドット径等に大きな影響を与えるので、高品位な記録画像を形成するためには記録ヘッドのインク吐出口と記録シートとの距離が常に一定であることが重要である。それ故、従来のインクジェット記録装置では、記録ヘッドによる画像形成領域内で該記録ヘッドと僅かな隙間で対向するプラテンプレートを設け、かかるプラテンプレートによって記録シートをその裏面側から支えるようにしている。
【0008】
しかし、インクタンクの交換が必要となり、前述の如くホームポジションに設定されている記録ヘッドをタンク交換ポジションに設定し直す場合に、記録ヘッドのインク吐出口の開口面にインクが付着していると、かかるインクがタンク交換ポジションへ移動する記録ヘッドからプラテンプレートに転移してしまい、インクタンクの交換後に記録シートを挿通させた際に、記録シートの裏面がインクで汚れてしまうといった問題点があった。
【0009】
また、インクタンクと記録ヘッドとの接続部分にはインク漏れを防止するゴムパッキングが形成されていることから、タンク交換ポジションに設定された記録ヘッドに新たなインクタンクを装着しようとすると、かかるゴムパッキングがインクタンクに押されて変形する分だけインクタンク内部の圧力が高まり、記録ヘッドのインク吐出口からインクが押し出され、押し出されたインクがタンク交換ポジションに対向するプラテンプレートに接触してしまうといった問題点があった。また、極端な場合にはインク吐出口からインクが完全に押し出されてプラテンプレートに滴下してしまい、前述の問題点と同様にプラテンプレートを通過した記録シートの裏面がインクで汚れてしまうといった問題点があった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、記録ヘッドに装着されるインクタンクの交換の際に、かかる記録ヘッドと対向して記録シートをその背面側から支えるプラテンプレートにインクが付着するのを防止し、以て常に高品質の記録画像を形成することが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、画情報に応じてインクを吐出すると共に、記録シートの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動しながら記録シートに印字を行う記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して着脱自在なインクタンクと、かかる記録ヘッドの印字領域において該記録ヘッドと対向し、上記記録シートをその裏面側から支えるプラテンプレートと、このプラテンプレートの一端の印字領域外に設けられると共に上記記録ヘッドの格納動作がなされるヘッドホームポジションと、このヘッドホームポジションにから出入りする記録ヘッドに付着したインクを適宜拭い取るワイパー部材と、上記ホームポジションと別個に設けられ、上記インクタンクの交換の際に記録ヘッドが設定されるタンク交換ポジションとを備えたインクジェット記録装置を前提とし、以下に示す2つの技術的手段を提案するものである。
【0012】
すなわち、第1のインクジェット記録装置は、上記インクタンクの交換に伴い記録ヘッドを上記ヘッドホームポジションからタンク交換ポジションに設定する際には、上記ワイパー部材を動作させて記録ヘッドに付着したインクを拭い取ることを特徴とするものである。
【0013】
このような技術的手段によれば、ホームポジションに設定されて待機状態にある記録ヘッドをタンク交換ポジションに設定する際には、上記ワイパー部材を動作させて記録ヘッドに付着したインクを拭き取るように構成しているので、記録ヘッドに付着していたインクが該記録ヘッドの移動に伴ってプラテンプレートに転移することはなく、インクタンクの交換後に挿通された記録シートの背面をインクで汚すのを確実に防止することが可能となる。
【0014】
ここで、上記ワイパー部材は記録ヘッドがホームポジションからタンク交換ポジションに移動する度毎に必ず動作させるようにしても差し支えないが、記録ヘッドのインク吐出口の開口面には前述の如く撥水処理が施されていることから、必要以上にワイパー部材で記録ヘッドを摺擦するのは好ましくない。また、記録ヘッドがホームポジションに設定されている場合であっても、画像形成動作の直後であって次の画情報の入力を待っている状態にあっては、インク吐出口の開設面は既にワイパー部材によって清掃されており、プラテンプレートに転移してしまうようなインクが記録ヘッドに付着している可能性は極めて低い。
【0015】
これに対し、ホームポジションに設定された記録ヘッドのインク吐出口がキャップ部材によって覆われている場合、すなわち記録ヘッドに対して格納動作がなされている場合には、記録ヘッドがホームポジションに設定されてから長時間が経過しており、その間の温度変化等によりインク吐出口からインクが漏れ出している可能性もあることから、キャップ部材によって格納されたインク吐出口の開口面にインクが付着しているかいなかは未知数である。
【0016】
従って、これら観点からすれば、ホームポジションに設定された記録ヘッドに対して格納動作がなされている場合に限り上記ワイパー部材を動作させ、タンク交換ポジションに設定される記録ヘッドからインクを拭き取るのが好ましい。
【0017】
一方、第2のインクジェット記録装置は、上記タンク交換ポジションにおけるプラテンプレートに対し、上記記録ヘッドのインク吐出口に対向して凹所又は透孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
このような技術的手段によれば、上記プラテンプレートにはタンク交換ポジションに設定された記録ヘッドのインク吐出口に対向して凹所または透孔が形成されていることから、かかるタンク交換ポジションに設定された記録ヘッドのインクタンクを交換する際に、インクタンクの内圧が高まってインク吐出口からインクが押し出されても、かかるインクがプラテンプレートの表面に転移してしまうことはなく、インクタンクの交換後に挿通された記録シートの背面をインクで汚すのを確実に防止することが可能となる。
【0019】
また、インクタンクの交換によってインク吐出口からインクがプラテンプレート上に滴下してしまう事態を考慮した場合、上記プラテンプレートに形成した凹所の底部にはインク吸収体を収容し、あるいはプラテンプレートに形成された透孔を介してインク吐出口と対向する位置にはインク吸収体を配置するのが好ましい。
【0020】
更に、上記キャップ部材によって記録ヘッドの格納動作を行っている最中に、ポンプによってインク吐出口内の異物の吸引及び清掃等が行われる場合には、かかる清掃によって生じた廃インクの吸収体が設けられるのが通例であるから、タンク交換ポジションに設けられる前述のインク吸収体はこれら廃インク吸収体と共用することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明のインクジェット記録装置を詳細に説明する。 図1は本発明を適用したカラーインクジェットプリンタの要部を示すものである。同図において符号1は記録シートPの搬入口が開設されたハウジングであり、このプリンタでは図示外の手差し給紙用トレイ及び定形シートカセットに対応した2つのシート搬入口1a,1bがこのハウジング1に開設されている。
【0022】
また、符号2は記録シートPの搬送方向(矢線A方向)と直交する主走査方向(矢線B方向)に沿って上記ハウジング1内を往復移動する記録ヘッドであり、かかる記録ヘッド2には異なる2つのインクタンク3a,3bが装着され、必要に応じてこれらインクタンク3a,3bを適宜交換し得るように構成されている。一方のインクタンク3aはブラック(K)のインクのみを貯留しており、他方のインクタンク3bはイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各インクを夫々貯留している。
【0023】
かかる記録ヘッド2は上記ハウジング1に固定されたガイドシャフト11及びレール12に対してスライド自在に係合しており、駆動モータ13の回転に応じてハウジング1内を所定のポジションに移動し得るように構成されている。記録ヘッド2の移動領域の一端には該記録ヘッド2のホームポジション(ホームP)が設けられており、記録ヘッド2はこのホームポジションから移動して画像形成動作を行う一方、画像形成動作が終了すると次のプリント命令に備えてホームポジションに設定されるようになっている。また、このホームポジションには後述するメインテナンスステーション4が配設されており、かかるメインテナンスステーション4は記録ヘッド2の性能を維持する上で必要な各種の処理を記録ヘッド2に対して行うようになっている。尚、図中において符号14は記録ヘッド2がホームポジションに設定されていることを検出するためのポジションセンサ、符号10は記録ヘッド2に対して画情報で変調された駆動信号を供給するフレキシブル基板である。
【0024】
図2に示すように、上記記録ヘッド2には一対のインク吐出部21a,21bが設けられており、一方のインク吐出部21aにはブラックインク用のインク吐出口22Kが開設されると共に、記録ヘッド2に前述のブラックインク用のインクタンク3aを装着すると、かかるインクタンク3a内のインク室31Kが該インク吐出口22Kと接続されるようになっている。また、他方のインク吐出部21bにはイエローインク、マゼンタインク、シアンインク用の各インク吐出口22Y,22M,22Cが夫々開設されると共に、記録ヘッド2に前述のインクタンク3bを装着すると、かかるインクタンク3b内のイエロー用インク室31Yがインク吐出口22Yと、マゼンタ用インク室31Mがインク吐出口22Mと、シアン用インク室31Cがインク吐出口22Cと夫々接続されるようになっている。尚、各インク吐出口は記録画素密度に応じて複数配列されているが、図中においては便宜上1つのインク吐出口として表現している。
【0025】
一方、図3は上記ハウジング1内における記録シートPの搬送系を示すものである。上記シート搬入口1a,1bからハウジング1内に導かれた記録シートPはシート搬送ロール15及びこれに当接するピンチロール16によって挟みこまれ、記録ヘッド2のインク吐出口との対向位置へ搬送される。上記ピンチロール16は板状のサポート部材17の先端に支承されており、支軸18によって揺動自在なサポート部材17を図示外のバネで付勢することにより、上記シート搬送ロール15に対して所定の力で圧接している。尚、図中に実線で描かれた記録シートPは手差し用トレイから送られてきたものを、一点鎖線で描かれた記録シートPは定形シートカセットから送られてきたものを示している。
【0026】
また、上記記録ヘッド2のインク吐出口22K,22Y,…との対向位置には、かかる記録ヘッド2の移動経路に沿ってプラテンプレート5が配設されており、上記シート搬送ロール15によって搬送されてきた記録シートPをその裏面側から支えるように構成されている。加えて、上記ピンチロール16はシート搬送ロール15の回転中心よりもプラテンプレート5寄りに変位した位置で該シート搬送ロール15に圧接しており、かかるピンチロール16とシート搬送ロール15による記録シートPの搬送方向には上記プラテンプレート5が存在している。従って、シート搬送ロール15及びピンチロール16は記録シートPをプラテンプレート5の表面へ押し付けるようにして搬送するので、かかる記録シートPはその裏面を常にプラテンプレート5に摺接させながらインク吐出口22K,22Y,…の対向位置を通過する結果となり、これによってインク吐出口と記録シートとの間隔を常に一定に保持することがてきるようになっている。また、このようにして記録ヘッド2との対向位置を通過した記録シートは、一対の出口ロール19,20によってハウジング2外へ搬出される。
【0027】
次に、図4は記録ヘッドのホームポジションに配設された上記メインテナンスステーション4を示すものである。このメインテナンスステーション4は、記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bを覆ってインク吐出口の乾燥を防止する一対のキャップ部材41と、記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bに付着したインクを定期的に拭き取るワイパー部材42とを備え、同一のモータ43によって同時に回転する複数のカム44,45の作用によって記録ヘッド2の格納動作及び清掃動作を行い得るように構成されている。
【0028】
図5に示すように、上記キャップ部材41はステーションケース46に対して上下動自在なキャップキャリッジ47に搭載されており、かかるキャップキャリッジ47にはL字状の揺動アーム48の一端が係合し、この揺動アーム48の動きに応じてキャップキャリッジ47がキャップ部材41と共に上下動するようになっている。また、かかる揺動アーム48にはキャップ用駆動カム44のカム面と当接する突起49が形成されており、かかる突起49が常にカム面と当接するよう揺動アーム48はバネ50によって一定方向へ付勢されている。従って、上記キャップ用駆動カム44を回転させると、カム面の形状に応じて上記揺動アーム48がキャップキャリッジ47を昇降させるので、記録ヘッド2が前述のホームポジションに設定されている際にキャップキャリッジ47を上昇させれば、上記キャップ部材41によって記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bが覆われ、記録ヘッド2の格納動作が行われる。
【0029】
また、このキャップ部材41には図示外の吸引ポンプが接続されており、キャップ部材41による記録ヘッド2の格納動作の最中に該吸引ポンプを動作させると、インク吐出口の内部から増粘したインク等を吸い出すことができ、インク吐出口の目詰まりを解消し得るようにも構成されている。尚、図4中において、符号51は上記吸引ポンプによってインク吐出口から吸い出した廃インクを吸収保持しておくためのインク吸収体であり、接続ブラケット52を介して上記吸引ポンプに接続されると共に、図示外の吸収体ケースに収容されてハウジング1の底面側に固定されるようになっている。
【0030】
一方、図6に示すように、上記ワイパー部材42は支軸53によってステーションケース46に対して揺動自在に支持されると共に、上記記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bに付着したインクを拭き取るゴムブレート54を有している。また、かかるワイパー部材42にはワイパー用駆動カム45のカム面と当接する突起55が形成されており、かかる突起55が常にカム面と当接するようワイパー部材42はバネ56によって一定方向へ付勢されている。そして、上記ワイパー用駆動カム45を回転させることにより、かかるワイパー部材42は記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bと干渉する清掃位置、あるいは記録ヘッド2と干渉しない退避位置に設定されるようになっている。
【0031】
図7は上記動作位置に設定されたワイパー部材42と記録ヘッド2との関係を示すものである。この図に示されるように、清掃位置に設定されたワイパー部材42はホームポジションから画像形成領域へ移動する記録ヘッド2と干渉し、その際にインク吐出部21a,21bに付着したインクを拭き取るように構成されている。また、記録ヘッド2には各インク吐出部21a,21bのホームポジション側に隣接してインク吸収体57,58が設けられており、インク吐出部21aから拭き取られてワイパー部材に付着したブラックインクは隣接するインク吸収体57に吸い取られる一方、インク吐出部21bから拭き取られてワイパー部材に付着したイエロー、マゼンタ、シアンの各インクはやはり隣接するインク吸収体に吸い取られ、ブラックインクとその他のインクがインク吐出部21a,21b上で混じり合うのが防止されている。
【0032】
そして、以上のように構成された本実施例のカラーインクジェットプリンタにおいては、前述の如く画情報が未だ送信されて来ずプリント待ちの状態にあるとき、上記記録ヘッドはホームポジションに設定される一方、プリントが開始されるとプラテンブレート5が配設された画像形成領域内に移動し、画情報に応じてインク吐出口22K,22Y,22M,22Cから微小インク滴を吐出すると共に、主走査方向に往復移動しながら記録シートP上にインク画像を形成する。
【0033】
また、画像形成動作中は一定時間毎に記録ヘッド2がホームポジションに設定され、上記ワイパー部材42によってインク吐出口21a,21bに付着したインクの拭き取りがなされる。
【0034】
画像形成動作が終了すると、記録ヘッド2は再びホームポジションに設定され、次の画情報が送信されてくるまでそのままの状態でプリント待ち状態となる。また、プリント待ち状態が所定時間以上継続するとき、あるいはプリンタ電源をオフするときは、インク吐出口内でインクが乾燥してしまう事態を避けるために上記キャップ部材41を上昇させて該インク吐出口を覆い、記録ヘッド2の格納動作を行う。
【0035】
一方、記録ヘッド2に装着されたインクタンク3a,3b内のインク残量が極僅かとなった場合にユーザはインクタンク3a,3bの交換を行う必要があるが、かかる交換作業の容易性を考え、本実施例のプリンタではプラテンプレート5が配設された画像形成領域内にインクタンク3a,3bの交換ポジション(タンク交換P)を設け(図1参照)、ユーザからインクタンク3a,3bの交換が指令された場合には、ホームポジションに設定されていた記録ヘッド2を上記タンク交換ポジションに設定し直してインクタンク3a,3bの交換を行うようにしている。
【0036】
但し、記録シートPがハウジング1内に挿通されていない状態で記録ヘッド2をホームポジションからタンク交換ポジションへ移動させた場合、仮に記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bにインクが付着していると、かかるインクがプラテンプレート5に転移してしまい、次の画像形成動作時に記録シートPを汚してしまう懸念がある。
【0037】
そこで、本実施例のインクジェットプリンタでは、ユーザによるインクタンク3a,3bの交換指令がなされた場合には、ワイパー部材42を清掃位置へ設定した後に記録ヘッド2をホームポジションからタンク交換ポジションへ移動させ、かかる移動時にインク吐出部21a,21bに付着したインクをワイパー部材42で拭き取るように構成した。これにより、タンク交換ポジションへ移動する記録ヘッド2からプラテンプレート5へインクが転移することはなく、インクタンク3a,3bの交換直後の画像形成動作において記録シートPの裏面がインクで汚れるのを防止することがてきるものである。
【0038】
もっとも、ホームポジションに設定されている記録ヘッド2のインク吐出部21a,21bが既にワイパー部材42によって清掃されている場合もあり、記録ヘッド2をタンク交換ポジションに設定する度毎にインク吐出部21a,21bの清掃を行っていたのでは、タンク交換作業に要する時間を短縮することができない。また、インク吐出口が開設されたインク吐出部21a,21bには撥水処理を施すのが通例であるから、インク吐出部21a,21bにインクが付着していないにもかかわらず不必要にワイパー部材42でインク吐出部21a,21bを摺擦したのでは、磨耗によって撥水処理が早期に劣化してしまう懸念もある。
【0039】
例えば、キャップ部材41によって記録ヘッド2の格納動作が成されている場合には、格納中における温度変化やプリンタに対する衝撃等によってインク吐出口から流出したインクがインク吐出部21a,21bに付着している可能性が高いが、プリントの終了直後で未だキャップ部材41による格納動作がなされていない場合には、インク吐出部21a,21bにインクが付着している蓋然性は極めて低いと言える。
【0040】
従って、本実施例のプリンタでは記録ヘッド2をホームポジションからタンク交換ポジションへ設定する場合に、一律にワイパー部材42による清掃動作を行うのではなく、キャップ部材41による記録ヘッド2の格納動作がなされているか否かを基準として、かかる清掃動作の実施の可否を決定するように構成した。
【0041】
図8はインクタンク3a,3bの交換の際における制御手順を示すフローチャートである。先ず、ユーザからインクタンク3a,3bの交換指令があったか否か、すなわちインクタンク3a,3bの交換モードがスタートしたか否かがチェックされた後(ST1)、インクタンク交換モードであると判断される場合にはキャップ部材41による記録ヘッド2の格納動作がなされているか否かがチェックされる(ST2)。そして、格納動作中であると判断された場合にはワイパー部材42を清掃位置へ設定し(ST3)、キャップ部材41による格納動作を解除した後に、記録ヘッド2をホームポジションからタンク交換ポジションへ移動させる(ST4)。また、キャップ部材41による格納動作が行われていないと判断される場合には、ワイパー部材42を退避位置に設定したままの状態で記録ヘッド2をホームポジションからタンク交換ポジションへ移動させる。
【0042】
このように記録ヘッド2の格納状態を基準としてタンク交換時に記録ヘッド2の清掃を行うか否かを判断することにより、インク吐出部21a,21bの撥水処理の劣化を防止しつつ、インク吐出部21a,21bからプラテンプレート5にインクが転移する事態を確実に回避することができるものである。
【0043】
一方、タンク交換ポジションにおいて新たなインクタンク3a,3bを記録ヘッド2に装着する際には、インク漏れを防止するために記録ヘッド2とインクタンク3a,3bとの間に介装されたゴムパッキングが圧縮されて変形することから、かかる変形分だけインクタンク3a,3b内のインク室31K,31Y,…の内圧が上昇し、インク吐出口22K,22Yからプラテンプレート5へ向けてインクが押し出され、極端な場合にはプラテンプレート5にインクが滴下してしまう傾向にある。このため、インクタンク3a,3bの交換を行うと、タンク交換ポジションにおいてインク吐出口22K,22Yと対向する部位のプラテンプレート5にインクが転移してしまい、やはりインクタンク3a,3bの交換直後の画像形成動作の際に記録シートPの裏面がインクによって汚れてしまう懸念がある。
【0044】
このため、本実施例のインクジェットプリンタでは、図1に示すようにタンク交換ポジションにおけるプラテンプレート5に一対の透孔6,6を開設し、これら透孔6がタンク交換ポジションに設定された記録ヘッド2の各インク吐出口22K,22Yと対向するように構成した。また、図9に示すように、プラテンプレート5の下方にはインク吸収体を配置し、インクタンク3a,3bの交換時に上記透孔6を介してインク吐出口から滴下したインクがこのインク吸収体に回収されるように構成した。尚、本実施例におけるプリンタでは廃インクのインク吸収体51が前述の如く既にハウジング1の底面側に配設されていることから、このインク吸収体51をタンク交換ポジションにおけるインク吸収体と共用し、構造の簡素化を図った。
【0045】
そして、このようにタンク交換ポジションにおけるプラテンプレート5に透孔6を形成した本実施例のインクジェットプリンタによれば、インクタンク3a,3bの交換時に記録ヘッド2のインク吐出口22K,22Yからインクが押し出され、記録ヘッド2からプラテンプレート5へ向けて滴下されてしまったとしても、かかるインクは透孔6を介してプラテンプレート5を通り抜け、ハウジング1の底面側に配設されたインク吸収体51に吸収保持されるので、プラテンプレート5にインクが転移してしまうことはなく、インクタンク3a,3bの交換直後におけるプリント時に記録シートPの裏面が汚れてしまうといったトラブルを未然に防止することができるものである。
【0046】
尚、本実施例ではプラテンプレート5に透孔6を形成することによりインクタンク3a,3bの交換時におけるプラテンプレート5のインク汚れを回避したが、図10に示すように、タンク交換ポジションにおけるプラテンプレート5の表面に凹所7を形成すると共に、かかる凹所7内にインク吸収体8を配置し、タンク交換ポジションに設定された記録ヘッド2のインク吐出口22K,22Yが該凹所7に対向するように構成することも可能である。但し、この場合はインクタンク3a,3bの交換時にインク吐出口22K,22Yからインクが滴下すると、かかるインクが凹所7内のインク吸収体8に保持されることから、凹所7の深さを十分に深く設定し、プラテンプレート5上を搬送される記録シートPの背面が凹所7内のインク吸収体8に接触するのを防止する必要がある。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のインクジェット記録装置によれば、記録ヘッドをホームポジションからタンク交換ポジションに設定し直してインクタンクの交換を行う際に、記録シートの搬送をその裏面側から支えているプラテンプレートにインクが付着してしまう事態を回避することができるので、インクタンクの交換後に挿通された記録シートの背面をインクで汚すのを確実に防止することができ、インクタンクの交換作業の簡易化を図りつつ高品質の記録画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したカラーインクジェットプリンタの実施例の概略構成を示す斜視図である。
【図2】実施例に係る記録ヘッドの構成を示す断面図である。
【図3】実施例に係る記録ヘッドと記録シートの搬送系の関係を示す断面図である。
【図4】実施例に係るメインテナンスステーションを示す斜視図である。
【図5】実施例に係るキャップ部材の駆動系を示す概略構成図である。
【図6】実施例に係るワイパー部材の駆動系を示す概略構成図である。
【図7】実施例に係るワイパー部材の清掃位置と記録ヘッドとの関係を示す正面図である。
【図8】記録ヘッドをタンク交換ポジションに設定する際の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】タンク交換ポジションに設定された記録ヘッドとプラテンプレートに開設された透孔との関係を示す断面図である。
【図10】タンク交換ポジションに設定された記録ヘッドとプラテンプレートに開設された凹所との関係を示す断面図である。
【符号の説明】
2…記録ヘッド、3a,3b…インクタンク、4…メインテナンスステーション、5…プラテンプレート、6…透孔、P…記録シート
Claims (6)
- 画情報に応じてインクを吐出すると共に、記録シートの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動しながら記録シートに印字を行う記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して着脱自在なインクタンクと、かかる記録ヘッドの印字領域において該記録ヘッドと対向し、上記記録シートをその裏面側から支えるプラテンプレートと、このプラテンプレートの一端の印字領域外に設けられると共に上記記録ヘッドの格納動作がなされるホームポジションと、このホームポジションに出入りする記録ヘッドに付着したインクを適宜拭い取るワイパー部材と、上記ホームポジションと別個に前記印字領域内に設けられ、上記インクタンクの交換の際に記録ヘッドが設定されるタンク交換ポジションと、を備えたインクジェット記録装置において、
上記インクタンクの交換に伴い記録ヘッドを上記ホームポジションからタンク交換ポジションに設定する際には、上記ワイパー部材を動作させて記録ヘッドに付着したインクを拭い取ることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 上記ホームポジションにある記録ヘッドに対して格納動作がなされている場合に限り上記ワイパー部材を動作させ、上記タンク交換ポジションに設定される記録ヘッドからインクを拭い取ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 上記タンク交換ポジションにおけるプラテンプレートには、上記記録ヘッドのインク吐出口に対向して凹所又は透孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 上記プラテンプレートに形成された凹所の底部にはインク吸収体が収容されていることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
- 上記プラテンプレートに形成された透孔を介して記録ヘッドのインク吐出口と対向する位置にはインク吸収体が配設されていることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
- 上記インク吸収体は、上記ホームポジションにおける格納動作の際に記録ヘッドのインク吐出口から排出された廃インクの吸収体と共用されていることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23869997A JP3543562B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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