JP3543308B2 - 車両用ガラスアンテナ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えばバン等のようなリアガラスが特殊な車両のためのガラスアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用アンテナとして、そのボディにポール(ロッド)を絶縁状態で突設してこれに給電するようにしたポールアンテナが広く知られているが、このポールアンテナは、ポールの折れ曲がりや破線を招き易く、しかも走行時に風切り音が発生するという問題があることから、これに代わるアンテナとしてガラスアンテナが実用化されている。このガラスアンテナは、外観を考慮して、後部ウインドガラスに設けられるのが普通である。
【0003】
ところが、バンや所謂ハッチバック車では、広い後部ガラス面積が確保することが困難なことが多い。また、後部ドアが開閉するために、アンテナのフィーダ線などに折れ曲がりやすくなるような工夫が必要となるために、コストアップの要因ともなる。
面積が小さいウインドガラスにアンテナを設けると、例えば、
▲1▼:そのアンテナがFMアンテナの場合であれば、必要なアンテナ長が取れない、
▲2▼:そのアンテナがFMアンテナの場合であれば、大きなインピーダンスをとることができない、
▲3▼:そのアンテナがAMアンテナの場合であれば、受信感度が低くなる、
▲4▼:車両ハーネスの近傍に敷設さざるを得ないために、ハーネスからのノイズを受け易い、
という問題がある。アンテナ感度が低い場合には、増幅機を付加して信号レベルを上げることも考えられるが、ノイズ成分の上昇してしまうので意味がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
受信感度を上げたりあるいは調整するために、従来から様々な提案がなされている。
例えば、特開平1−292902号では、窓ガラスの上辺の中央部を給電点として下方に延びる主アンテナと、この給電点近傍の主アンテナに接続されるインピーダンス調整用のアンテナシステムを開示する。
【0005】
この従来技術では、インピーダンス調整用をアンテナはアンテナであっても実際に機能するのは、インピーダンス調整のためであって、そのアンテナ自体が受信に寄与して受信感度を上げることはない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、受信感度の向上に直接的に寄与しないパーツを不要とするとともに、高性能の車両用ガラスアンテナを提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明の車両用ガラスアンテナは、第1の周波数帯の電波と前記第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯の電波を受ける車両用ガラスアンテナであって、前記第1の周波数帯の電波を受信するために、この車両の側面ガラス上の幅方向の略中央位置に於て下方に延設され、前記側面ガラス上の上側周縁部に給電点を設けられた第1のアンテナ線と、前記第1のアンテナ線と共に一筆書き状に形成されて前記第2の周波数帯の電波を受信するために、前記給電点近傍において前記第1のアンテナ線にコイルを介さずに直接接続されると共に、前記側面ガラスの周縁に沿ってループ状に、前記第1のアンテナ線の前記第1の周波数帯の電波の受信に影響を与えないインピーダンスを示し、且つ前記第2の周波数帯の電波の受信感度を充分高めるだけの長さ延設された第2のアンテナ線とを具備したことを特徴とする。
【0007】
このような構成によると、第2のアンテナ線は第2の周波数の電波を受けるためのアンテナ線であると同時に、第1のアンテナ線のためのスタブとしても機能する。このスタブ構造により、FM受信に対するAM受信アンテナ線の影響をなくすことができ、結果として高性能のガラスアンテナシステムを提供することができる。そして、従来は必要であったコイルや調整用のアンテナ線を不要とすることができる。又、前記第1のアンテナ線を、前記ガラス面の幅方向の略中央位置に於て下方に延設してモノポール型アンテナとすることにより、ロッドアンテナに近い性能のFMアンテナを得ることができる。又、前記アンテナ線は前記ガラスの周縁に沿って一筆書き状に形成されている。
【0008】
又、前記第1の周波数帯はFM周波数帯であり、前記第2の周波数帯はAM周波数帯である。又、前記第2のアンテナ線は、その終端部近傍において枝線を有することを特徴とする。ガラス面における空き領域を積極的に利用することにより、感度を上昇させることができる。又、前記第1のアンテナ線は、ループ状の略一定距離離間した2本のアンテナ線からなるので、アンテナ線の破断による受信への影響を少なくすることができる。
【0011】
【実施例】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を2つ挙げて説明する。両実施例は、FM電波とAM電波を共に高感度で受信するという点では共通し、第1実施例は自動車の1枚の側面ガラスにFM用ガラスアンテナとAM用のガラスアンテナを設けたものであり、第2実施例は1枚の側面ガラス上にFM用ガラスアンテナとAM用のガラスアンテナを設け、相対向する側面ガラス上に付加のAMアンテナを設けたものである。自動車の側面ガラス(リアガラスも)は、フロントガラスに比して直立させるがゆえに上下方向の長さを大きくとれない。両実施例は、側面ガラスのこの問題を解消する。
【0012】
<第1実施例>
第1実施例の構成図1は、本発明のガラスアンテナを自動車の左側面ガラスに適用した実施例を説明する。同図において、10Lは自動車(その車両の本体自体の図示は省略する)の左側面ガラスである。ここで、図1の右方向が車両の後方であり、左方向が車両の前方である。また、乗員が乗車したときに前方にむいて右側にあるガラスが右側面ガラス(10R、図1では不図示)、左側にあるガラスが左側面ガラス(10L)である。
【0013】
図1において、20(20-1,20-2)は主にFM電波受信用のアンテナ線であり、20-1は主アンテナ線であり、20-2はこの自動車が受信すべきFM電波の周波数帯域を感度よく受信するようにアンテナ線20の長さを適合する為に付加された付加部分である。アンテナ線20は、この実施例では所謂モノポール型アンテナであり、図1に示すように、給電点16から下方向に伸びている。付加アンテナ線20-2が主アンテナ線20-1に対して折れ曲がっているのは、アンテナ線20に必要な長さが図1のガラス10Lの上下方向の長さを超えているためである。
【0014】
図1において、給電点16には同軸ケーブル12の信号線13が接続されている。ケーブル12は不図示のTV装置やFMチューナやAMチューナに接続されている。
ガラス10L上にはアンテナ線30が更に延設されている。このアンテナ線30は、給電点16においてアンテナ線20に接続され、この給電点16を起点にしてガラス10Lの周縁部に沿って延設されている。アンテナ線20は主にFM電波を受信するが、アンテナ線30は、アンテナ線20と共にAM電波を受信するように機能する。即ち、アンテナ線30の主アンテナ部分を30-1とすると、この主アンテナ線30-1は車両後方に向けて延設され、さらに付加アンテナ線30-2が、主アンテナ線30-1の終端に接続され、さらにこの終端から略下方に向けて延設され、さらに付加アンテナ線30-3が付加アンテナ線30-2の終端に接続されこの終端から略前方に向け延設され、さらに付加アンテナ線30-4が付加アンテナ線30-3の終端に接続されこの終端から略上方に向けて延設され、さらに付加アンテナ線30-5が付加アンテナ線30-4の終端に接続されこの終端から略後方に向けて延設されている。
【0015】
図1の例で、ガラスの上側の横方向の長さを約920mmとし、下側の横方向の長さを約880mmとすると、FM受信用のアンテナ線20-1の長さは約370mmに、枝アンテナ線30-4の長さは約370mmに、枝線30-5の長さは約450mmに設定した。このようにすると、アンテナ線30の全長は2300mmとなった。また、アンテナ線30-1,30-5はガラス周縁の端部から約50mmに、アンテナ線30-2はガラス周縁の端部から約35mmに、アンテナ線30-3はガラス周縁の端部から約30mmに設定した。さらに、アンテナ枝線20-2はアンテナ線30-3から10mmの距離だけ離間されている。尚、種々の実験によると、外周に設けられたアンテナ線30はガラスの周縁(即ち車体配面から約10mm〜30mmの範囲内にあると好結果が得られた。
【0016】
第1実施例の原理
第1実施例において、アンテナ線20は主にFM受信用に用いられる。一方、AM周波数帯域に対しては、アンテナ線20とアンテナ線30とがアンテナ導体として作用する。即ち、アンテナ線20-1,20-2がFMアンテナを構成し、アンテナ線20-1,20-2とアンテナ線30-1,30-2,30-3,30-4,30-5の双方がAMアンテナを構成する。
【0017】
第1実施例のAM/FMアンテナシステムの原理は、窓ガラスの周縁部に給電点を有し、この起点からアンテナ線20が上下方向にモノポール型アンテナとして設けられ、アンテナ線20の主アンテナ部分20-1から更にAMアンテナ線20,30がガラス10Lの周縁に沿って且つ周縁部からなるべく離間しないように、順に目的の長さが得られるまで延設することにある。
【0018】
高い周波数であるFM電波を受信するためのアンテナ線20は、AM用アンテナ線20,30に比して短く設定できるために、モノポール型アンテナによって構成できる。アンテナ線20とアンテナ線30によって高性能のアンテナシステムを構成するためには、AMアンテナ線20,30がFMアンテナ線20のFM電波の受信に影響しないことが望ましい。しかしながら、モノポール型アンテナであるアンテナ線20は自動車の側面ガラスに設けられているがゆえに比較的に短い。従って、アンテナ線20自体のインピーダンスは低く(10Ω程度)ならざるを得ず、AMアンテナ線20,30の影響を受け易い。そこで、第1実施例では、AMアンテナ線の一部30をガラスの周縁部に沿って延設されることによってインピーダンスを上げている。
【0019】
図2〜図6は、アンテナ線30の長さを長くしていったときの図である。図2のように、アンテナ線20のみのときの、AM電波の受信感度の基準(0dB)とすると、AM線30-1を付加する(図3参照)ことにより3dBアップし、AM線30-2,30-3を付加する(図4参照)ことにより1.9dBアップし、AM線30-4を付加する(図5参照)ことにより2.2dBアップし、AM線30-5を付加する(図6参照)ことにより1.5dBアップすることが分かった。即ち、図1の構成のアンテナ線により、図2のアンテナシステムに比して合計で8.6dB受信感度がアップした。
【0020】
AM受信感度の向上
図7は、AM電波の受信感度のさらなる上昇を目的とした付加線の増加を示す図である。即ち、枝線30-5はさらに延ばすとアンテナ線20に近接しFMアンテナの感度に影響を与える。そこで、アンテナ線20に平行に図7に示すように、AMアンテナ線の枝線30-6を追加する。アンテナ線30の枝線は本来はガラスの周縁に沿って延設されるべきであるが、枝線は図7に示すようにガラス面の周縁からはなれるので、枝線を設けたことによる受信感度の上昇率は低減する。ちなみに、図7の例では、枝線30-6を追加すると、0.6dB感度が上昇した。尚、さらなるAM受信感度の上昇を見込むためには、枝線30-6に平行な枝線を追加すればよい。
【0021】
また、AMアンテナ枝線30-6の位置は、乗員の視界の邪魔にならず、且つアンテナ枝線30-4とアンテナ線20-1の中間(中央である必要はない)に設置されればよい。
尚、AM用の枝線30-6を追加することによりAM受信感度を上昇させることは、次に説明する第2実施例のアンテナシステムにも適用できる。
【0022】
アンテナ線の破断対策
自動車の側面ガラスは、そのアンテナ線が延設された面を清掃などによって乗員などが擦ることが多い。そのために、FM受信アンテナとして重要なアンテナ線20は断線する確率が高くなる。図8は断線対策を示す。
図8において、FMアンテナ線20-2に、さらに、枝線20-3、枝線20-4、枝線20-5を追加し、枝線20-5の終端を給電点16に接続させる。こうすることにより、FMアンテナ線20-1と枝線20-2、枝線20-3、枝線20-4、枝線20-5は1つのループを形成する。換言すれば、FMアンテナ線は二重化されたことになる。このために、いずれかの場所で断線があっても、切れた後のFMアンテナ線は2つのモノポール型アンテナとして機能し、FM受信機能は維持される。
【0023】
尚、二重化されたFMアンテナ線が同様の機能を有するように、図8に示す各種離間距離は、d1=d2=d3=10mmとした。
図9は枝線20-5に破断が発生した場合(即ち、アンテナ線の途中に破断が発生)を示し、図10は枝線20-3に破断が発生した場合(即ち、アンテナ線の先端部に破断が発生)を示す。
【0024】
図11,図12における実線Iは、夫々、破断がない場合の、水平偏波の受信感度、垂直偏波の受信感度を示す。そして、図11,図12における破線IIは、夫々、図9のような破断が発生した場合における、水平偏波の受信感度、垂直偏波の受信感度を示す。破断が発生しても、聴感上の差異に現われるような感度劣化が発生していないことが分かる。図13,図14における実線Iは、夫々、破断がない場合の、水平偏波、垂直偏波に対する指向特性を示す。そして、図13,図14における破線IIは、夫々、図9のような破断が発生した場合における、水平偏波、垂直偏波に対する指向特性を示す。破断が発生しても、指向性の劣化は発生していないことが分かる。
【0025】
図15,図16における実線Iは、夫々、破断がない場合の、水平偏波の受信感度、垂直偏波の受信感度を示す。そして、図15,図16における破線IIは、夫々、図10のような破断が先端に発生した場合における、水平偏波の受信感度、垂直偏波の受信感度を示す。破断が発生しても、聴感上の差異に現われるような感度劣化が発生していないことが分かる。図17,図18における実線Iは、夫々、破断がない場合の、水平偏波、垂直偏波に対する指向特性を示す。そして、図17,図18における破線IIは、夫々、図10のような破断が発生した場合における、水平偏波、垂直偏波に対する指向特性を示す。破断が発生しても、指向性の劣化は発生していないことが分かる。
【0026】
尚、上述のアンテナ線の破断対策は次に説明する第2の実施例のアンテナシステムにも適用できる。
〈第1実施例の効果〉
以上説明した第1実施例のアンテナシステムによれば:
▲1▼:面積を大きくとれないという側面ガラスの制限にもかかわらず、アンテナ線を次々と折り返すことによって(例えば、アンテナ線20-1と20-2、またはアンテナ線30-1〜30-5)必要なFM用アンテナ線の長さを確保している。
▲2▼:面積を大きくとれないという側面ガラスの制限、即ちFMアンテナ線のインピーダンスが小さくなってしまうという制限にもかかわらず、FM受信用のアンテナ線20に対して、アンテナ線30-1は開放スタブとして機能するので、AM用アンテナ枝線30はアンテナ線20に対して影響を与えない。即ち、夫々が他方の受信性能に影響を与えないアンテナシステムが構成できる。
▲3▼:アンテナ線30はガラス周縁に沿って延設されているために、AM受信に対して十分な受信感度を確保できる。
▲4▼:AM受信用には長いアンテナ線を確保しなければならず、従来では、面積の大きなリアガラスにアンテナ線を設けることしか可能ではなく、感度の上昇を計るにはそのリアガラス上のデフォッガを積極的に利用するしかなかった。しかし、前述したように、側面ガラスは面積も少なくデフォッガに配線が設けられることもない。本発明の第1実施例では、窓ガラスの周縁にAM用のアンテナ線を配設し、これで十分な受信感度が得られるので、デフォッガを必要としなくなり(さらにデフォッガを利用する場合に必要であったチョークコイルも併せて必要としなくなる)、全体構成を簡素化することができた。
【0027】
〈第2実施例〉
次に説明する第2実施例は、AM受信感度をさらに向上させた実施例である。この第2実施例は、AMアンテナ線を、2つのガラス面に亘って延設させる点に特徴がある。
構成
図19は、第2実施例のアンテナシステムの構成を説明する。同図において、ガラス10Lは第1実施例と同じように左側面ガラスを表し、10Rは、左側面ガラス10Lに相対抗して設けられている右側面ガラスを表す。図示の便宜上、ガラス10L,10Rの形状は図19において矩形を示しているが、実際は図20のような第1実施例と同じように平行四辺形をしており、または、任意の形状をしていてもよい。
【0028】
図19の右側面ガラス10Rの面上には、AM受信用の付加アンテナ線31-1,付加アンテナ線31-2,付加アンテナ線31-3,付加アンテナ線31-4,付加アンテナ線31-5が延設されている。左側面ガラス10Lに設けられたAMアンテナ線30と右側面ガラス10Rに設けられたAMアンテナ線31は、接続線14によって接続されている。接続線14は、左側面ガラス10Lに設けられたAMアンテナ線30とは接続点15Lにおいて、右側面ガラス10Rに設けられたAMアンテナ線31とは接続点15Rにおいて接続されている。即ち、第2実施例において、アンテナ線20は主にFM受信用に用いられ、AM周波数帯域に対しては、アンテナ線20とアンテナ線30,31とがアンテナ導体として作用する。即ち、アンテナ線20-1,20-2がFMアンテナを構成し、アンテナ線20-1,20-2とアンテナ線30-1,30-2,30-3,30-4,30-5とアンテナ線31-1,31-2,31-3,31-4,31-5の3組のアンテナ線がAMアンテナを構成する。
【0029】
図19において、ケーブル11L,11Rは、夫々、ガラス10L,10Rの下部に配置された通常は車体によって隠されているケーブルハーネスである。
図20に、図19の左側面ガラス10Lの延設されたアンテナ線20とアンテナ線30の配置を示す。図21に、図19の右側面ガラス10Rの延設されたAMアンテナ線31の配置を示す。第2実施例の図20と第1実施例の図1を比較してみると、接続線14が接続点15Lに於て接続されていることが大きな相違であることが分かる。
【0030】
開放スタブ構造
前述の第1実施例と同じように、AM用のアンテナ線の増設がFM電波の受信に悪影響があってはならない。一方、第1実施例と同じように、左側面ガラス上の面積は小さいので、アンテナ線20のインピーダンスは小さいものとならざるを得ない。
【0031】
図19,図20において、AMアンテナ線30-1の給電点16と接続点15Lとの間のラインはアンテナ線とフィーダ線13とのインピーダンス整合をとるためのスタブ(stub)として作用する。スタブは、通常、アンテナ線とフィーダ線のインピーダンスの整合をとるために、そのスタブ部分の分布定数がアンテナ線のインピーダンスを変化させるので、その長さを適当にとれば、アンテナ線とフィーダ線のインピーダンスが整合されて反射波が発生しないようになる。
【0032】
この第2実施例では、左ガラスと右ガラスとを接続するための接続線を同軸ケーブルなどではなく、通常のAV線を用いることにより、そして、接続点15Lの位置を適当に設定することにより、通常のスタブとして機能させると共に、アンテナ線20から見て、左ガラス10L上のAM用アンテナ線30と右ガラス10R上のAM用アンテナ線31が大きなインピーダンスを持つようにならしめる点に特徴がある。アンテナ線30,31がFMアンテナ線20から見て大きなインピーダンスを持ては、AM用アンテナ線30,31はFMアンテナ線20にとって恰も存在しないものとなり、そのアンテナ線20に対する影響は無視できるものとなる。
【0033】
図22〜図33は、右側ガラスのアンテナ線31との接続を行なうための接続線14との接続点15Lの位置を、左側ガラス面上に於て色々と変えたときの、各FM周波数に対するインピーダンス特性(VSWR)を示す。各図において、1は接続点15Lの給電点16からの距離を示し、l=20cm(図22)は、接続点15Lが図20に示した位置にある場合を示す。図34〜図44は、夫々、図23〜図33に示されたVSWR図の接続点15Lの位置を示す。
【0034】
図45は、右側ガラスが存在しない場合のVSWR図を示す。図22〜図33から分かるように、接続点15Lを給電点16から適当な距離だけ離間させ、且つその接続点15Lをガラス面の周縁上にとれば広い周波数範囲で良好なVSWR特性が得られることが分かる。さらに、図45のから、左ガラスと右ガラス上にAMアンテナ線が存在すると、右ガラス上にAMアンテナ線が存在しない場合に比して良好なVSWR特性が得られることが分かる。
【0035】
このように、第2実施例によれば、右側ガラス10RにAM用アンテナ線31が存在しても、このアンテナ線31はアンテナ線20に対して大きなインピーダンスを有するものとなり、その存在がFMの受信特性に影響を与えないものとなる。
図46は、水平偏波されたFM電波を、第2実施例の開放スタブ構造(AM線30を有する構造)を有したアンテナシステム(図19のアンテナシステム)で受信した場合の受信感度(実線)と、ピラーに設けられたアンテナシステム(不図示)で受信した場合の受信感度(破線)とを示す。同じく、図47は、水平偏波されたFM電波を、第2実施例のアンテナシステムで受信した場合の指向性(実線)と、ピラーアンテナシステムで受信した場合の指向性(破線)とを示す。同じく、図48は、垂直偏波されたFM電波を、第2実施例のアンテナシステムで受信した場合の受信感度(実線)と、ピラーアンテナシステムで受信した場合の受信感度(破線)とを示す。図46〜図48は、第2実施例のスタブ構造を有するアンテナシステムのFM電波の受信性能がピラーアンテナに比して遜色のないものであることを物語っている。
【0036】
図49は、水平偏波されたFM電波(76MHz〜90MHz)を、第2実施例のスタブ構造(AM用枝線30を有する構造)を有するアンテナシステムで受信した場合の受信感度特性(実線)と、上記スタブ構造を有さないアンテナシステム(不図示であるが、図20において、AM用アンテナ線30を有さず、アンテナ線20のみアンテナシステム)で受信した場合の受信感度(破線)とを示す。図50は、同電波に対する指向特性について、第2実施例のアンテナシステム(実線)とスタブ構造を有さないアンテナシステム(破線)とを比較した図である。図51は、水平偏波されたFM電波(88MHz〜108MHz)を、第2実施例のスタブ構造を有するアンテナシステムで受信した場合の受信感度特性(実線)と、上記スタブ構造を有さないアンテナシステムで受信した場合の受信感度(破線)とを示す。図52は、同電波に対する指向特性について、第2実施例のアンテナシステム(実線)とスタブ構造を有さないアンテナシステム(破線)とを比較したズである。図53は、垂直偏波されたFM電波(76MHz〜90MHz)を、第2実施例のスタブ構造を有するアンテナシステムで受信した場合の受信感度特性(実線)と、上記スタブ構造を有さないアンテナシステムで受信した場合の受信感度(破線)とを示す。図54は、同電波に対する指向特性について、第2実施例のアンテナシステム(実線)とスタブ構造を有さないアンテナシステム(破線)とを比較した図である。
【0037】
図49〜図54は、同スタブ構造のためのAMアンテナ線が、FM電波の受信性能(受信感度と指向性)に影響を与えていないことを物語っている。
第1実施例との比較
図55は、水平偏波されたFM電波(76MHz〜90MHz)を、第2実施例のアンテナシステムで受信したときの受信感度(実線)と、第1実施例のアンテナシステムで受信したときの受信感度(破線)を示す。図56は、同FM電波を、第2実施例のアンテナシステムで受信したときの指向性(実線)と、第1実施例のアンテナシステムで受信したときの指向性(破線)を示す。
【0038】
図55,図56は、第2実施例の開放スタブ構造が、右ガラス上のアンテナ線31の影響を無視できるものとすることにより、AMアンテナ線に影響されないFM受信性能を得ることができることを物語っている。このことは、第2実施例の開放スタブ構造を有するアンテナシステムは、右側ガラスに敷設するアンテナ線は図21のようなアンテナ線でも勿論良く、あるいは例えば、モノポール型アンテナ線やループアンテナ線によって置き換え可能であることを示している。さらに、AMアンテナ線にFM受信性能に影響させないと言う上記開放スタブ構造を採用することにより、AM用アンテナ線31が受信したFM電波の受信信号が接続線14を介して給電点16に流れなくなり、従来では必要であったFM信号をカットするための例えばコイル等を不要とすることができる。
【0039】
AM受信性能
以下は、第2実施例のアンテナシステム(さらには第1実施例のアンテナシステム)のAM電波に対する受信感度を従来のピラーアンテナと比較したものである。特に、表1,表2は、接続線14としてAV線を用いた例であり、表3は接続線の線種を色々と変えたときのAM受信感度をまとめたものである。
【0040】
表1はアンテナからチューナまでに75Ωの1.5Cケーブルを用いて第1実施例,第2実施例のアンテナシステムを構成したものである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
上記の2つの表から見て、左ガラス面上のアンテナ線30とAV線14を介して接続された右ガラス面上のAM用のアンテナ線31はAM感度補正用として機能することがわかる。特に、1.5Cケーブルを用いた表1によれば平均で約4dB、低容量ケーブルを用いた表2の例では平均で3dB、感度が向上している。右ガラス上のAMアンテナ線31のAM感度向上に対する寄与の大きさが分かる。
【0043】
【表3】
表3から明らかなように、接続線としてAV線を用いるほうが、同軸ケーブルを用いることに比して平均で約2dB感度が上昇することが分かる。同軸ケーブルを使用すると、ケーブル中の浮遊容量が無効容量として作用し感度のロスとなって現れるからである。
【0044】
ここで、従来の特開平4−77005号のガラスアンテナシステムと第2実施例のガラスアンテナシステムとの違いについて説明する。特開平4−77005号のアンテナシステムでは、2つのガラスのうちの第1のガラス面上に、FMアンテナパターンと位相調整用の導体素子とが設けられ、これらはその第1のガラス面上の給電点に接続されている。一方、他方の第2のガラス面上に於ては同じFM受信用のアンテナパターンが形成され、そのアンテナパターンはその第2のガラス面上に設けられた給電点に接続されている。これら2つの給電点は、同軸の接続線によってガラス外に導かれて合流されている。即ち、2つのガラス面上のアンテナパターンによって受信された信号が合成され、合成された信号がチューナに導かれる。
【0045】
従って、第2実施例のAM受信アンテナシステム(特に、AM受信用の左ガラス上のアンテナ線30と右ガラス上のアンテナ線31)と特開平4−77005号のFM受信用のアンテナシステムとを比較すると、
▲1▼:第2実施例の右ガラス上のアンテナ線31は接続線14を介してアンテナ線30に接続されて合流し、さらに1つの給電点16に接続されているために、2つのアンテナ線30,31は、全体として見れば直列接続システムである。一方、特開平4−77005号では2つのガラス面上の夫々のアンテナ線は各々の給電点を有している。従って、特開平4−77005号のアンテナシステムは全体としてみれば並列システムである。
▲2▼:並列構成が特徴である特開平4−77005号では広域カット用のコイルが必要となるが、前述の開放スタブ構造を有する第2実施例のアンテナシステムではAMアンテナ線がFM受信に影響を与えないために、そのようなコイルは不要となる。
▲3▼:同軸ケーブルを使わざるを得ない特開平4−77005号ではその同軸ケーブルの浮遊容量が無効容量として作用するが、AV線を使用しても構わない本願発明の第2実施例では同軸ケーブルを使わずに安価で浮遊容量の少ないAV線を使うことにより高感度を維持することができる。
【0046】
ノイズの減少化
アンテナ線を側面ガラスを取付けるときに発生する問題として、車体側面には多くの信号線が走っており、その信号線のケーブルがガラス面上のアンテナ線に近いとノイズ源となるということである。
図19において、第2実施例のアンテナシステムは、AM受信については、左右の側面ガラスの夫々のAM受信用のアンテナ線を延設することにより、AM受信感度を分散させている。このことは、個々のガラス上のアンテナ線30,31の受信感度を低く抑えることとなる。それ故に、感度を低減させられたAM受信用のアンテナ線はノイズの受信についても感度が低くなるというメリットを得ることができる。
【0047】
特に、フラッシャ等は左右が同時に作動することは少ないので、ある時点では右あるいは左のみのフラッシャが点滅している。従って、AM受信信号は合成されることにより感度は向上するが、左右同時には作動しないような機器からのノイズは半分であるのでノイズの絶対量は少なくなる。
さらに、第2実施例に採用されている第2のノイズ低減手法の原理について説明する。図20,図21において、左ガラス10L上のアンテナ線30-3のガラス周縁からの距離は30mmであるのに対して、右ガラス10R上のアンテナ線31-3,31ー4,31ー5の各々の最下位端部からガラス周縁までの距離は80mmである。即ち、右ガラス10R上におけるアンテナ線をノイズ源からの距離を、左ガラスにおけるノイズ源からの距離よりも大きくとっている。換言すれば、右ガラスにおいてはノイズの対する受信感度を相対的に低減させている。さらに、左ガラス上に於いては、水平公報のアンテナ線30ー3が設けられているのに対し、右ガラスではガラス下部に於て水平方向に延びるAMアンテナ線は設けられていない。この不設置によっても右ガラスにおけるノイズ受信感度の低減に役立っている。
【0048】
図57は、AM用アンテナ線30,31の分散配置とノイズ源からの離間という手法を採用する本発明の第2実施例と従来例1〜3とを比較した結果である。
図57の従来例1では、通所の感度のAMアンテナをノイズ源であるハーネスから離してアンテナシステムを構成した場合には、ハーネスから受ける離調ノイズの大きさは6dBであり、そのときのAM受信感度は12dBであった。離調ノイズの大きさが6dBであれば許容範囲内である。また、受信感度が12dBであれば聴感上問題はない。ところが、従来例1のAMアンテナ線をハーネス近傍に設置したときは図57の従来例2に示すように、AM受信感度は12dBを維持したものの、離聴ノイズの大きさは12dBに上昇してしまい、聴感上の問題は大きかった。
【0049】
ところが第2実施例では、低感度の左側アンテナ線30(−5dB)をハーネス近傍に設け(図20に示すようにガラス周縁から30mm)、同じく低感度の右側アンテナ線31(−8dB)をハーネスから大きく離間して(図21に示すようにガラス周縁から80mm)設けている。このために、左アンテナ線30によるAM受信感度は7dBであり、右アンテナ線31による受信感度は4dBであるので、全システムで11dBの受信感度が選られ実用上全く問題がない。そして、左アンテナ線30の受けた離聴ノイズの大きさは7dBであり、右アンテナ線31の受けた離聴ノイズの大きさは0dBであるので、合計で7dBであり、この値は実用上許容範囲内であった。
【0050】
<第2実施例の効果>
前述の第1実施例の効果(1)〜(3)に加えて、さらに:
(4):開放スタブ構成を採用したために、右ガラス上のアンテナ線31がアンテナ線20に影響しないようになり、高性能のガラスアンテナシステムの設計が容易になる。
(5):左右のガラス面上に配設されたアンテナ線30,31は直列接続となり、結果として、ガラス面積の増大の効果が従来の特開平4−77005号における並列接続方式に比べて大きくなる。従って、FM受信についても従来のピラーアンテナと同等の感度を得ることができ、AM受信についてもピラーアンテナと同等のものが得られる。
(6):左右のガラス面上に夫々AM受信用のアンテナ線30とアンテナ線31を延設することにより、各々アンテナ線の受信感度を下げることができる。このために、各々のアンテナ線がノイズを拾う量が低くなる。
(7):右側ガラス上だけのアンテナ線31をハーネスから大きく離間させることにより、ノイズ受信レベルを低下させることができ、他方の左側ガラス10L上におけるアンテナ線30をガラスの周縁に沿って大きくとることによりAMアンテナ線として機能を確保できる。換言すれば、ノイズの低減とAM感度の確保の両立がはかれる。
(8):右ガラス10R上のアンテナ線のうち、最低辺のアンテナ線をカットすることによりハーネスからのノイズを低減できる。これは右ガラス上のアンテナ線はAM受信については左ガラスのアンテナ線30に対して補助として作用するので、最低辺のアンテナ線をカットすることが許されるからである。
【0051】
〈第1,第2実施例に共通な効果〉
前述の第1実施例と第2実施例とにおいて共通に奏される効果として、上記▲1▼〜▲3▼以外に以下の効果が得られる。
I:図8に示すように、FM用のアンテナ線20を二重化することにより万一一本が切れても受信機能を継続することができる。
II:ガラス周縁に延節されたAM用アンテナ線に対して枝線として、モノポール型アンテナ導線を図8の30-6または図21の31-4のように延設することにより、AM受信感度を向上させることができる。
III:AM線をハーネスから離間させることによってノイズからの影響を低減できる。
【0052】
〈変形〉
なお、本発明が摘要されるべき車両は、バンやワゴン等の自動車に限られない、凡そ、ガラスが装着されている車両であればすべての車両に適用される。
また、本発明が適用されるべきガラスの位置は後部座席の側面ガラスに限定されない。本発明の原理から言って、1台の車両中のいかなるガラス面に対しても適用可能である。例えば、第1実施例のガラスアンテナは、後部座席のガラスに限定されず、全部座席のガラス面に、あるいは場合によってはリアガラス面に適用可能である。また、第2実施例については、本発明のガラスアンテナが適用されるべきガラスの組み合わせは、2枚以上であってもよい。また、その2枚以上のガラスは、例えば、同じ側面ガラス同士でも、前部座席に近い1枚の右側(あるいは左側)ガラスと後部座席に近い1枚の左側(あるいは左側)ガラス等のようにバリエーションに富む。要は、第2実施例にあっては、低周波帯域(AM)用の付加アンテナ線31は、その帯域用の主アンテナ線30と異なるガラスであれば原理的にはどこであってもよい。
【0053】
本発明は、上記AM受信とFM受信に限定されない。高域と中域(あるいは低域)の2つの電波の受信にも適用できる。
第2実施例のAV線を用いたアンテナ線の直列接続は原理的には3枚以上のガラス面に延設されたアンテナ線にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両用ガラスアンテナによれば、受信感度の向上に直接的に寄与しないインピーダンス調整専用のアンテナやコイルなどのパーツを不要とすることができるので、コストダウンに寄与する。また、第2のアンテナ線がスタブとして機能するので、第1の周波数帯に対して第1のアンテナ線のインピーダンスが高くなり、高性能の車両用ガラスアンテナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるアンテナシステムの構成を示す図である。
【図2】第1実施例において、AM用のアンテナ線の長さを延ばしていったときに、その長さが受信感度に与える影響を示す図である。
【図3】第1実施例において、AM用のアンテナ線の長さを延ばしていったときに、その長さが受信感度に与える影響を示す図である。
【図4】第1実施例において、AM用のアンテナ線の長さを延ばしていったときに、その長さが受信感度に与える影響を示す図である。
【図5】第1実施例において、AM用のアンテナ線の長さを延ばしていったときに、その長さが受信感度に与える影響を示す図である。
【図6】第1実施例において、AM用のアンテナ線の長さを延ばしていったときに、その長さが受信感度に与える影響を示す図である。
【図7】第1実施例(あるいは第2実施例)のAM受信用のアンテナ線30に枝線30ー6を設けた変形例を示す図である。
【図8】第1実施例(あるいは第2実施例)のアンテナ線20を二重化したときの構成を示す図である。
【図9】FMのアンテナ線の二重化の効果を説明する図である。
【図10】FMのアンテナ線の二重化の効果を説明する図である。
【図11】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図12】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図13】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図14】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図15】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図16】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図17】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図18】FMのアンテナ線の二重化の効果の実験結果を説明する図である。
【図19】本発明の第2実施例の構成を説明する図である。
【図20】第2実施例の左側ガラス上のアンテナシステムを説明する図である。
【図21】第2実施例の右側ガラス上のアンテナシステムを説明する図である。
【図22】第2実施例においてl=20cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図23】第2実施例においてl=40cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図24】第2実施例においてl=60cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図25】第2実施例においてl=80cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図26】第2実施例においてl=100cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図27】第2実施例においてl=120cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図28】第2実施例においてl=140cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図29】第2実施例においてl=160cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図30】第2実施例においてl=180cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図31】第2実施例においてl=200cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図32】第2実施例においてl=220cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図33】第2実施例においてl=235cmとしたときのVSWR特性を説明する図である。
【図34】第2実施例においてl=40cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図35】第2実施例においてl=60cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図36】第2実施例においてl=80cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図37】第2実施例においてl=100cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図38】第2実施例においてl=120cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図39】第2実施例においてl=140cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図40】第2実施例においてl=160cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図41】第2実施例においてl=180cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図42】第2実施例においてl=200cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図43】第2実施例においてl=220cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図44】第2実施例においてl=235cmとしたときの左側アンテナ線30と右側アンテナ線31との接続位置を示す図である。
【図45】第1実施例のVSWR特性を説明する図である。
【図46】第2実施例と従来のピラーアンテナとの水平偏波FM電波受信についての受信感度を示す図である。
【図47】第2実施例と従来のピラーアンテナとの水平偏波FM電波受信についての指向性能を示す図である。
【図48】第2実施例と従来のピラーアンテナとの垂直偏波FM電波受信についての受信感度を示す図である。
【図49】第2実施例においてスタブのFM電波(76〜88MHz帯の水平偏波)受信に対する影響を説明する図である。
【図50】第2実施例においてスタブのFM電波(76〜88MHz帯の水平偏波)受信に対する指向性についての影響を説明する図である。
【図51】第2実施例においてスタブのFM電波(88〜108MHz帯の水平偏波)受信に対する影響を説明する図である。
【図52】第2実施例においてスタブのFM電波(88〜108MHz帯の水平偏波)受信に対する指向性についての影響を説明する図である。
【図53】第2実施例においてスタブのFM電波(76〜88MHz帯の垂直偏波)受信に対する影響を説明する図である。
【図54】第2実施例においてスタブのFM電波(76〜88MHz帯の垂直偏波)受信に対する指向性についての影響を説明する図である。
【図55】第2実施例において、右側ガラスアンテナを設けたときと設けなかったときの性能比較を示す図である。
【図56】第2実施例において、右側ガラスアンテナを設けたときと設けなかったときの性能比較を示す図である。
【図57】第2実施例においてノイズ減少結果を説明する図である。
Claims (4)
- 第1の周波数帯の電波と前記第1の周波数帯よりも低い第2の周波数帯の電波を受ける車両用ガラスアンテナであって、
前記第1の周波数帯の電波を受信するために、この車両の側面ガラス上の幅方向の略中央位置に於て下方に延設され、前記側面ガラス上の上側周縁部に給電点を設けられた第1のアンテナ線と、
前記第1のアンテナ線と共に一筆書き状に形成されて前記第2の周波数帯の電波を受信するために、前記給電点近傍において前記第1のアンテナ線にコイルを介さずに直接接続されると共に、前記側面ガラスの周縁に沿ってループ状に、前記第1のアンテナ線の前記第1の周波数帯の電波の受信に影響を与えないインピーダンスを示し、且つ前記第2の周波数帯の電波の受信感度を充分高めるだけの長さ延設された第2のアンテナ線とを具備したことを特徴とする車両用ガラスアンテナ。 - 前記第1の周波数帯はFM周波数帯であり、前記第2の周波数帯はAM周波数帯であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
- 前記第2のアンテナ線は、その終端部近傍において枝線を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
- 前記第1のアンテナ線は、ループ状の略一定距離離間した2本のアンテナ線からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
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