JP3543296B2 - 照明装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明装置、並びに照明装置及び反射型液晶表示素子を備えた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報表示システムやOA機器等に用いられる表示装置の1つである液晶表示装置は、外部から照射された光の透過光量を制御して画像を表示する透過型と、反射光量を制御して画像を表示する反射型とに大別される。
【0003】
透過型液晶表示装置は、一般に、背面にバックライトと呼ばれる照明装置が配置されて使用される。
【0004】
反射型液晶表示装置は、周囲光を利用して表示することが可能であるが、表示輝度が周囲環境に依存する度合いが非常に高く、特に夜間などの暗闇では表示が全く認識できないこともある。そのため、十分な周囲光が得られない場合に備えて、反射型液晶表示素子を前方から照明するフロントライトと呼ばれる照明装置が必要となる。
【0005】
図16は、この反射型液晶表示装置の構成例を示す。
【0006】
この反射型液晶表示装置は、一対のガラス基板902a、902bの間に液晶層903が挟持され、背面側のガラス基板902bに反射電極904が設けられた反射型液晶表示素子900を有し、液晶層903の前面側には偏光板901aとλ/4板901bが配置されている。偏光板901aの透過軸(又は吸収軸)とλ/4板901bの遅相軸(又は進相軸)軸が45°の角度をなすように配置されている。
【0007】
照明光のうち、偏光板901aを透過した直線偏光は、λ/4板901bで円偏光に変換されて液晶層903に入射する。ここで、液晶層903が円偏光を変調しない場合には、反射電極904で反射する際に円偏光の回転方向が逆転し、再びλ/4板901bを透過した後は偏光板901aの透過軸と直交した直線偏光となって吸収されるので、黒色が表示される。
【0008】
反射型液晶表示素子900の液晶層903が、入射した円偏光を保存したまま反射するように変調する場合には、λ/4板901bを透過した後、偏光板901aの透過軸と一致した直線偏光となって出射するので、白色が表示される。
【0009】
偏光板901aの透過軸、及びλ/4板901bの遅相軸の方向は、液晶材料や配向の方向、視野角の特性などを考慮して決定される。さらに、λ/4板901bの光の波長に対する位相遅れの公差を補償するために、偏光板901aとλ/4板901bの間にλ/2板が配置されることもある。一般に、これらの偏光板901a、λ/2板、λ/4板901bはそれぞれ粘着層を介して一体とされ、反射型液晶表示素子900に貼り付けられている。
【0010】
また、液晶層903の背面に配置される反射電極904は、表面に微細構造(MRS)が形成され、偏光板901a、λ/2板、λ/4板901bを介して入射した光を散乱して反射することで広い視角範囲で一様な表示ができるように工夫されている。具体的には、フォトリソグラフィのプロセスによって、下地層としてのMRSが形成され、その上にAlを真空蒸着することで反射電極904が形成される。
【0011】
このようなMRSを備えた反射電極904の散乱特性を標準白色板(MgO)の散乱特性と比較して図3に示す。これによると、MRSを備えた反射電極では、入射角30°以内で入射した光を効率よく正面方向に散乱反射することができることが分かる。
【0012】
上記のように液晶層903による変調を画素毎に制御することによって文字や画像が表示されるが、各画素に配置された赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のカラーフィルタを透過させて着色することでカラー表示を行うことができる。R、G、B画素の配列パターンは種々あるが、代表例として図17に示すデルタ配列やストライプ配列などが挙げられ、画素が水平方向及び垂直方向に繰り返し配置された構成からなる。画素数、画素のサイズについても様々であり、デルタ配列の反射型液晶表示素子の場合は、2.0型では水平画素数×垂直画素数が280×220、画素サイズは水平方向が145.5μm、垂直方向が138.5μmであり、2.5型では画素数が280×220、画素サイズが179.5×168.5μmという仕様が採用されている。また、ストライプ配列では、例えば3.8型QVGAの反射型液晶表示素子の場合、画素数が960×240、画素サイズが81×234.5μmといった仕様が採用されている。
【0013】
ところで、上述したフロントライトは従来から提案されており、例えば、SID(Society for Information Display)’95 Digest p.375(従来例1)には、図18(a)に示す構成のフロントライトが示されている。フロントライト910は、光源911と、光源911からの光が入射する入射面912aと、これにほぼ垂直な出射面912b及び対向面912cを備える導光体912とで構成される。導光体912の対向面912cには、周期的な凹凸913が形成されており、この凹凸913は出射面912bに略平行な伝搬部913aと傾斜した反射部913bとを有する。
【0014】
このフロントライト910では、光源911からの光は、直接又は出射面912b及び対向面912cに形成された周期的な凹凸913の伝搬部913aで全反射され、導光体912の内部を伝搬して対向面912cに形成された周期的な凹凸913の反射部913bに到達し、出射面912bに向かって反射されて出射する。従って、出射面912b、即ちフロントライト910の出射面からの照明光が反射型液晶表示素子920に照射される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフロントライト910と反射型液晶表示素子920とによる表示装置では、導光体912の対向面912cに形成された凹凸913が最表面に現れる構造であるため、凹凸913が傷つき易く、フロントライトの性能の劣化、表示品位、生産性、及び信頼性などの点で大きな問題を有する。
【0016】
また、反射型液晶表示素子920で反射された光は、導光体912を通過する際に、導光体912に形成された凹凸913の伝搬部913aと反射部913bとで別々の方向に屈折されるために、反射型液晶表示素子920の表示が2重に観察されるという問題が生じる。
【0017】
さらに、周期的に形成された凹凸913が原因で、以下に述べるような2種類の明暗縞が発生し、反射型液晶表示素子920の表示品位を低下させるという問題が生じる。
【0018】
まず、第1の明暗縞が発生する理由について説明する。光源911から導光体912の入射面912aを介して入射した光は、導光体912の内部を伝搬して対向面912cに形成された周期的な凹凸913によって出射面912bに向かって反射され、その大部分が導光体912から出射して反射型液晶表示素子920を照明する。しかし、出射面912bにおける約4%の表面反射分は、反射されて対向面912cの周期的な凹凸913を通過して観察者に到達する。従って、観察者は周期的に配置された凹凸913からの光を周期的な凹凸913を通して見ることになるので、第1の明暗縞が観察される。同様に、反射型液晶表示素子920の表面での反射によっても第1の明暗縞は発生する。
【0019】
第2の明暗縞は、周期的な凹凸913での反射による照明光が、反射型液晶表示素子920の画素パターンを通過し、反射されて再び導光体912に形成された周期的な凹凸913を通過するために、3つの周期が干渉を起こして発生する。フロントライト910を点灯せずに、周囲光によって反射型液晶表示素子920を照明する場合にも、照明光は導光体912に形成された周期的な凹凸913、反射型液晶表示素子920の画素パターンを通過し、反射されて再び周期的な凹凸913を通過するために、これらの周期の干渉による第2の明暗縞が発生する。
【0020】
上記第1の明暗縞は、導光体912の出射面912b、及び反射型液晶表示素子920の表面の各々に反射防止層を配置し、表面反射を低減することで発生を抑制することができる。ここで、この反射防止層とは、蒸着やスパッタリングなどの手法で形成した膜厚が約0.1μmのMgF、SiOなどからなる層で、薄膜の干渉作用によって反射エネルギーを低下させるものをいう。従って、例えば、反射防止層が基材となる透明フィルム上に形成された反射防止フィルムを導光体912の出射面912bに貼り合わせることによって簡単に表面反射を低減し、第1の明暗縞の発生を抑制することができる。
【0021】
しかしながら、周囲の温度変化があった場合に、導光体912と反射防止フイルムの熱膨張係数の違いによって反りが発生することになり、信頼性の点で新たな問題が生じる。導光体912の表面に直接上記の反射防止層を形成する方法も考えられるが、蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成は高温環境下でなされるため、導光体912に耐熱のある材質を適用しなければならない上、反射防止層の密着性にも問題があり、信頼性の点で問題が懸念される。
【0022】
こうした問題に対し、上記従来例1には、導光体912に形成された凹凸913を保護し、反射型液晶表示素子920の表示において、2重像、第1の明暗縞、及び第2の明暗縞の発生を防止するために、フロントライトに光学補償板を加える構成についても記載されている。
【0023】
このフロントライトでは、図18(b)に示すように、光学補償板914は、導光体912の対向面912cに形成された凹凸913が転写された形状の補償凹凸915を備え、導光体912と光学補償板914は、両者の凹凸同士が空気層を介して対向している。
【0024】
従って、照明光を受けた反射型液晶表示素子920からの反射光は、導光体912に形成された凹凸913の伝搬部913aと反射部913bを通過する際に別々の方向に屈折するが、光学補償板914の凹凸915を通過する際に再び屈折することで、光は凹凸が無い場合と同様に進行する。このような機能を備える光学補償板914を配置することによって、導光体912の凹凸913を保護することができる。また、周期的に形成された凹凸913に起因する反射型液晶表示素子20の表示における2重像の発生、並びに第1の明暗縞及び第2の明暗縞の発生を防止することができる。
【0025】
しかしながら、光学補償板914を付加することによって別の新たな問題も生じる。例えば、上記のような補償の効果を得るためには、導光体912と光学補償板914の間のギャップをできるだけ小さくしなければならないが、このギャップが不均一であると干渉縞が生じてしまうため、導光体912に対し光学補償板914を非常に高精度で設置する必要がある。また、光学補償板914の新たな界面による反射が加わるため、観察者に向かって反射される光が増加したり、透過率が低下して反射型液晶表示素子920の表示が暗くなることによって表示のコントラスト比が低下するという問題が生じる。さらに、厚さが増すために表示装置の大型化を招くといった問題も生じる。
【0026】
本発明は、こうした従来技術の課題を解決するものであり、2重像や明暗縞の発生を抑制することができ、明るくコントラスト比のよい、高品位の表示を行うことができる照明装置及びそれを備えた表示装置を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明の他の目的は、反射手段における凹凸の傷つきや変質、及び導光体の反りを低減でき、信頼性を向上させることができる照明装置及びそれを備えた表示装置を提供することにある。
【0028】
また、本発明の他の目的は、薄型化、軽量化、低価格化を図ることができる照明装置及びそれを備えた表示装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置は、透明平板と、フィルム状の基材上に複数のプリズムが設けられた反射手段とが、両者の間に導光空間が形成されて該導光空間内に各プリズムが位置するように相互に対向配置されており、該導光空間の端面に光源が配置されて、該光源から該導光空間に入射し該導光空間を伝搬する光が、各プリズムによって反射されて該基材から照明光として出射されると共に、該透明平板および該基材の外部から照射される光を透過するようになった照明装置であって、該反射手段の各プリズムは、該基材の表面に対してそれぞれ等しい傾斜角度βで傾斜した第1および第2の傾斜部をそれぞれ有しており、該傾斜角度βと、第1および第2の傾斜部での全反射角αとの間に、下記(1)式
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係を有しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
好ましくは、前記反射手段が、屈折率の異なる2つの部材の組み合わせで構成されており、2つの部材の界面が凹凸形状をなし、該界面の屈折率差によって光を反射するものである構成とする。
【0033】
好ましくは、前記反射手段における凹凸形状が、プリズム状をなしており、前記導光体の出射面に略平行な伝搬部と傾斜した反射部とを有し、前記光源から該導光体の入射面を介して入射し主として該伝搬部を伝搬する光を、該反射部で反射して照明光を出射する構成とする。
【0034】
好ましくは、前記反射手段における凹凸形状が、プリズム状をなしており、前記透明平板に対して傾斜した屈折部と反射部とを有し、前記光源から該導光空間に入射した光を、該屈折部の界面で屈折し、該反射部で反射して照明光を出射する構成とする。
【0035】
好ましくは、前記反射手段における凹凸形状が、前記反射部の界面での屈折率差による全反射角度をαとしたとき、該反射部が前記導光体の出射面又は前記透明平板に対してなす角度βが、下記(1)式
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係を満たす構成とする。
【0036】
また、本発明の表示装置は、上記のいずれかに記載の照明装置と、該照明装置からの照明光を受け、その反射率を画素毎に制御して画像を表示する反射型液晶表示素子とを備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】
以下に、本発明の作用について説明する。
【0038】
上記構成によれば、導光体は、光源からの光が入射する入射面と、入射面に略垂直な出射面と、出射面に対向する対向面とを有しており、入射面から入射した光を伝搬する。導光体の出射面又は対向面に、導光体とは別に成形又は配置された反射手段は、導光体の内部を伝搬する光を反射して照明光を出射させる。
【0039】
反射手段は、凹凸形状の界面の屈折率差によって光を反射する構成とすることができる。また、反射手段は、屈折率の異なる2つの部材の組み合わせで構成し、2つの部材の界面が凹凸形状をなし、この界面の屈折率差によって光を反射する構成とすることができる。
【0040】
具体的には、凹凸形状を導光体と一体に成形する場合には、その材質にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などに代表される透明樹脂等を用いて、導光体と反射手段を同時に成形することができる。
【0041】
凹凸形状を導光体とは別に成形する場合には、凹凸形状は導光体の出射面又は対向面にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの他に、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等の透明樹脂を用いて成形することができ、材質の選択肢を多くとることができる。即ち、凹凸形状に硬度、対薬品性などの信頼性を有する材質を選ぶことができる。
【0042】
以上の構成によれば、導光体は出射面及び対向面が平面であるため、材質の選択肢を多くとることができ、例えばガラスを選択すれば、透明樹脂に比べ剛性が高いため、反射手段が配置されていない平面に反射防止フイルムなどを貼り合わせ、導光体の透過率を向上させた場合でも、温度変化などによって生じる反りを低減できて信頼性が増す。
【0043】
反射手段が反射シートを利用した構成であった場合は、出射面及び対向面に反射シートと反射防止フィルムを貼り合わせることで、導光体の透過率が向上する他、双方がバランスを取って温度変化などで発生する導光体の反りをより低減することができる。さらには、双方の基材であるフィルムを同一とすることが望ましい。
【0044】
反射手段を、凹凸を有する部材と、凹凸上に屈折率の異なる、好ましくは屈折率の低い屈折率層が形成された構成とする場合には、凹凸の傷つき、変質などによる照明装置の性能の低下を防止することができる。ここで、凹凸は導光体の出射面又は対向面に導光体とは別に形成することができる他、透明フィルム上に凹凸を形成した反射シートであってもよく、屈折率の異なる屈折率層と組み合わせて反射手段とすることができる。さらに、凹凸を導光体の出射面又は対向面に一体に成形し、屈折率の異なる屈折率層と組み合わせて反射手段としてもよい。
【0045】
上記反射手段を導光体の対向面に配置する場合には、低屈折率層の表面に防汚膜(撥水層)、ハードコート層などを形成することによって照明装置の表面の信頼性を向上させることができ、反射防止層を形成することによって表面の反射率を低減させることができる。なお、防汚膜(撥水層)、ハードコート層、反射防止層は、これらが予め形成された保護フィルムを低屈折率層の表面に配置することによって簡単に得ることができる。
【0046】
上記反射手段を導光体の出射面に配置する場合には、凹凸が導光体によって保護されるため、反射手段の信頼性を向上させることができる。また、反射手段の凹凸が形成されていない面に防汚膜(撥水層)、ハードコート層、反射防止層を形成してもよい。
【0047】
反射手段における凹凸形状が、導光体の出射面に略平行な伝搬部と傾斜した反射部とで構成されるプリズム状の形状であれば、光源から導光体内に入射面を介して入射した光は、導光体の出射面、対向面、又は凹凸形状の伝搬部で反射を繰り返しながら導光体内部を伝搬して反射部に到達し、界面での屈折率差によって反射し、照明光として出射する。したがって、反射手段における凹凸が、凹凸よりも屈折率の低い空気層や屈折率層と界面を形成する場合に全反射が発生し、より効率よく照明光を出射することができる。
【0048】
反射手段における凹凸形状が、その反射部の界面での屈折率差による全反射角度をαとしたとき、反射部が導光体の出射面に対してなす角度βが、α−30°≦β≦α+30°・・・(1)式の関係を満たす構成とすることが望ましい。
【0049】
これは、図3に示すように、反射型液晶表示素子において、微細構造が形成された反射電極の反射特性は、反射型液晶表示素子を効率よく照明し、明るい表示を得るためには、入射角30°以内で照明する必要があることに起因する。
【0050】
具体的には、例えば、図6(a)に示すように、凹凸の反射部が導光体の出射面に対してなす角度βを(α−30°)とした場合、反射部界面で全反射した光に出射面に対して出射角30°となる光が存在する。
【0051】
図6(b)に示すように、β=αとした場合は、反射部界面で全反射した光に出射面に対して出射角0°で出射する光が存在し、効率よく反射型液晶表示素子を照明できる。
【0052】
図6(c)に示すように、β=(α+30°)とすると、出射面に対して出射角30°以下となる照明光が生じるが、β>(α+30°)とすると出射面に対して出射角30°以上の照明光が多くなり、反射型液晶表示素子の照明に適さない。
【0053】
一方、照明装置から出射する照明光の光量のみについて考えると、βが0°に近いほど光量が多く、βが大きくなるほど光量が減少していく。
【0054】
従って、照明光の出射角、光量の双方を考慮すると、反射部は導光体の出射面に対して(α−30°)以上、(α+30°)以下の角度をなすように形成されることが望ましい。
【0055】
次に、反射型液晶表示素子の表示の2重像による表示品位の劣化の評価方法を説明する。
【0056】
図8に示すように、導光体31を前面に配置した反射型液晶表示素子32を、蛍光灯等の光源30によって上方から照明して、観察者37が表示を観察し、この時の表示の2重像による表示品位の低下の度合いを評価した。図9に、評価の結果得られた凹凸の反射部と伝搬部の比率(P2/P1)と2重像との関係を示す。図9中の○印は、2重像が観察されず良好な表示品位であることを示し、△印は、2重像がやや発生するものの表示の認識には支障の無いことを示す。×印は2重像が顕著であり、表示品位に悪影響を及ぼすことを示す。図9によれば、凹凸の反射部と伝搬部の比率(P2/P1)が0.2以下であれば、2重像に対して効果があり、さらに0.05以下であれば良好な表示品位を得ることができることが分かる。
【0057】
従って、反射手段である凹凸の伝搬部の長さ(P1)に対する反射部の長さ(P2)の割合(P2/P1)が、0より大きく、0.2以下となるように形成することによって、観察者37は反射型液晶表示素子の表示を凹凸の主に伝搬部を通して見ることになり、反射部を通過して観察者37に到達する光によって発生する2重像を抑制することができる。
【0058】
また、上記のように、照明装置の表面に反射防止層が配置されている構成にすると、照明装置の表面反射が低減でき、透過率が向上するため、これを反射型液晶表示素子の照明装置に適用すると、明るく、コントラスト比がよく、鮮明な画像を表示できる表示装置が提供できる。尚、反射型液晶表示素子の表面にも反射防止層が形成されていることが望ましく、この場合には、さらに明るく、コントラスト比のよい表示装置が実現できる。
【0059】
ところで、上述したように、反射手段である凹凸形状が周期的に形成された場合、これをを備えた照明装置では、点灯時に凹凸で反射された光が照明装置の出射面、及び反射型液晶表示素子の表面で反射して再び凹凸を通過して観察者に到達するため、凹凸の干渉による第1の明暗縞が発生する。
【0060】
しかしながら、上記のように、照明装置の出射面、及び反射型液晶表示素子の表面に反射防止層を形成して表面反射を低減させることによって、第1の明暗縞の発生を抑えることができる。
【0061】
あるいは、反射型液晶表示素子が偏光選択透過手段を透過した偏光を利用して画像を表示する構成であった場合は、導光体の出射面に偏光選択透過手段を貼り合せることによって第1の明暗縞の発生を抑えることができる。
【0062】
なぜならば、上述したように、偏光板の透過軸又は吸収軸とλ/4板の遅相軸又は進相軸が45°の角度をなすように配置された偏光選択透過手段は、透過した円偏光が反射する際に回転方向が逆転するために、再び偏光選択透過手段に到達したときに偏光板で吸収される。従って、偏光選択透過手段を照明装置の出射面に貼り合せることによって、偏光選択透過手段より後方、即ち、偏光選択透過手段と反射型液晶表示素子の表面での反射光を吸収でき、第1の明暗縞の発生を抑えることができる。また、同様の理由で、コントラスト比のよい表示装置を提供できる。
【0063】
さらに、偏光選択透過手段と反射型液晶表示素子の表面に反射防止層を配置することによって反射光を低減することができ、透過光が増加するため、より一層明るい表示が可能となる。
【0064】
反射型液晶表示素子と照明装置による表示装置に、入力装置としてタッチパネルを追加した構成とする場合には、導光体とタッチパネルとを兼用する構成とすることができる。即ち、タッチパネルの反射型液晶表示素子側の面を導光体の出射面、観察者側の面を導光体の対向面とし、いずれかの面に反射手段を配置することによって、光源から導光体の入射面を介して入射した光が反射手段で反射し、照明装置から照明光として出射し、反射型液晶表示素子を照明する。
【0065】
反射手段は、タッチパネルの表面に透明樹脂による凹凸を成形して得ることができる。または、透明なフィルムの表面に透明樹脂による凹凸が成形された反射シートを貼り合わせて構成できる。さらに、凹凸を備える部材の凹凸上に屈折率の異なる、望ましくは屈折率の低い屈折率層を形成して反射手段とし、タッチパネルの表面に配置してもよい。尚、反射手段は、タッチパネルの反射型液晶表示素子側、即ち導光体の出射面に配置される方が望ましい。なぜなら、タッチパネルの観察者側はタッチペンなどによる入力が行われるため、こちらに反射手段である凹凸を設けると凹凸の傷つき、変形によって照明装置の性能が劣化し、表示品位に影響を及ぼすためである。
【0066】
この構成によれば、従来の表示装置のように、導光体とタッチパネルの両方を備えることで生じる装置の大型化を避けることができ、安価で薄型、軽量で携帯性に優れた表示装置を実現することができる。
【0067】
導光空間を有する照明装置では、透明平板と反射手段とは対向して配置されて導光空間を形成し、光源は導光空間の端面に配置される。そして、光源から導光空間に入射し導光空間を伝搬する光は、反射手段で反射され照明光として照明装置から出射する。
【0068】
本照明装置において、反射手段は多数の凹凸によって構成される。したがって、本照明装置を反射型液晶表示素子に対して使用する場合には、反射手段は透明フィルムの表面に配置された多数の凹凸であり、透明フィルムと多数の凹凸による反射シートが反射型液晶表示素子の表面に貼り合わされる。または、多数の凹凸を反射型液晶表示素子の表面に直接形成して反射手段としてもよい。凹凸はアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの透明樹脂、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などで成形して作製できる。これに対向して略平行に配置される透明平板は透明樹脂による平板やガラス板を使用することができる。また、入力装置としてタッチパネルを備えた場合にはタッチパネルを透明平板として適用できる。これらの透明平板には表面に反射防止処理を施すことによって表面反射を低減し、透過率を向上させることが望ましく、本構成によって明るく、コントラスト比のよい表示装置が実現できる。
【0069】
上記構成によれば導光空間を利用することによって照明装置の軽量化を図ることができる。
【0070】
反射手段における凹凸形状が、導光空間を形成する透明平板に対して傾斜した2つの傾斜部、即ち屈折部と反射部を有するプリズム状をなす構成とすれば、光源から導光空間に入射した光は、透明平板と反射手段で反射を繰り返しながら導光空間を伝搬して凹凸に到達し、界面での屈折率差によって屈折部の界面で屈折し、その屈折光が反射部の界面で反射し、この反射光が照明光として出射する。
【0071】
反射手段における凹凸形状が、その反射部の界面での屈折率差による全反射角度をαとしたとき、反射部が反射手段及び反射型液晶表示素子と略平行に配置された透明平板に対してなす角度βが、α−30°≦β≦α+30°・・・(1)式の関係を満たす構成とすることが望ましい。
【0072】
具体的には、例えば、図7(a)に示すように、反射部が透明平板に対してなす角度、即ち反射型液晶表示素子に対してなす角度βを(α−30°)とした場合、反射部界面で全反射した光に透明平板の垂線に対して30°、即ち反射型液晶表示素子に対する入射角が30°をなす光が存在する。
【0073】
図7(b)に示すように、β=αとした場合は、反射部界面で全反射した光に透明平板の垂線に対して又は反射型液晶表示素子に対する入射角が0°の角度をなす光が存在し、効率よく反射型液晶表示素子を照明できる。
【0074】
図7(c)に示すように、β=(α+30°)とした場合は、透明平板の垂線に対する角度及び反射型液晶表示素子に対する入射角が30°以下となる照明光が生じる。しかし、β>(α+30°)とすると、透明平板の垂線に対する角度及び反射型液晶表示素子に対する入射角が30°以上の照明光が多くなり、反射型液晶表示素子の照明に適さない。
【0075】
従って、反射部が透明平板に対してなす角βを上記(1)式に従って設計することで、反射型液晶表示素子を効率よく照明でき、明るい表示を行うことが可能となる。
【0076】
反射手段における凹凸に起因する反射型液晶表示素子の表示の2重像について考慮すると、図9に示す結果から、導光空間による照明装置において、反射手段である凹凸が形成されていない領域(P1’)に対する凹凸が形成されている領域(P2’)の割合(P2’/P1’)が0より大きく、0.2以下にすると、反射型液晶表示素子の表示が2重に観察されることがなく、良好な表示品位を得ることができることが分かる。さらに望ましくは、比率(P2’/P1’)を0.05以下とすることで鮮明な表示を提供することができる。
【0077】
導光空間を備えた照明装置を反射型液晶表示素子の前面に配置し、これを照明する場合、透明平板にはガラス板、透明樹脂による板、又はタッチパネルを適用することができるが、これらの透明平板に反射防止処理を施すことによって照明装置の透過率が向上し、明るく、コントラスト比のよい表示装置が実現できる。
【0078】
以上の構成の照明装置における反射手段の凹凸が周期的に形成される場合には、その筋の方向が、液晶表示素子の画素パターンの繰り返しの水平方向と一致しないように配置することが望ましい。
【0079】
周期的な凹凸が形成された反射手段を備えた照明装置をフロントライトとして反射型液晶表示素子の前方に配置すると、反射手段の凹凸と反射型液晶表示素子の画素パターンとが干渉して第2の明暗縞が発生するが、凹凸が形成された筋の方向と画素パターンの繰り返しの方向とに角度を与えることによって、第2の明暗縞の周期が短くなり、やがて観察されなくなるという現象が生じるからである。
【0080】
具体的に、図4に、2.0型、2.5型のデルタ配列の反射型液晶表示素子の前方に周期的な凹凸が形成された反射手段を備えた照明装置を配置し、凹凸の筋の方向と画素パターンの水平方向とに角度を与えて第2の明暗縞を観察し、第2の明暗縞が観察されない角度範囲を見出した結果を示す。また、図5に、3.8型QVGAのストライプ配列の反射型液晶表示素子についても同様の実験を行った結果を示す。
【0081】
図4及び図5によると、凹凸の周期によって角度範囲にばらつきがあるものの、反射型液晶表示素子がデルタ配列であった場合は10°から25°、及び55°から80°の角度範囲、ストライプ配列であった場合は15°から75°の角度範囲で第2の明暗縞が観察されなくなり、良好な表示品位を得ることができる。
【0082】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0083】
(実施形態1)
図1及び図2に、本発明の実施形態1による照明装置と、それを備えた反射型液晶表示素子による表示装置の構成例を示す。
【0084】
この実施形態1は、図1及び図2に示すように、照明装置100は、光源101、導光体102、反射手段103及び反射防止フイルム104で構成される。また、反射型液晶表示素子110は、偏光選択透過手段111、一対のガラス基板112a、112bと、その間に挟持された液晶層113、及びその背面側に配置された反射電極114で構成される。
【0085】
具体的には、光源101に蛍光管を使用し、導光体102には屈折率1.53のガラス板を適用した。ここで、導光体102において、照明装置100の照明光が出射する側の面を出射面102bとし、これに対向する面を対向面102cとする。導光体102の対向面102cに、導光体102とは別に形成された凹凸による反射手段103は、紫外線硬化樹脂である大日本インキ化学工業(株)製のGRNDICRC−8720を使用した。この紫外線硬化樹脂は、硬化後の屈折率が1.52、剛性率が2.1×1010dyn/cmである。従って、屈折率はガラス板とほぼ等しく、また、剛性率が高いので傷つきにくく、高い信頼性を得ることができる。この紫外線硬化樹脂をガラス板上に塗布し、さらに金型を配置してガラス板側から紫外線を照射することで樹脂を硬化させ、金型の形状を転写することで凹凸による反射手段103を形成できる。
【0086】
反射防止フィルム104には、透明基材であるTACフィルム上に反射防止層が形成された日東電工(株)製のTAC−HC/ARを使用し、導光体102の出射面102bに粘着層を介して貼り合わせた。
【0087】
反射型液晶表示素子110は、2.0型のデルタ配列で、画素数が280×220、画素サイズが145.5×138.5μmである。
【0088】
偏光選択透過手段111は、図2の部分拡大図に示すように、偏光板111a、λ/2板111b、及びλ/4板111cが粘着層を介してこの順で貼り合わされており、λ/4板111cがガラス基板112aに貼り合わされている。この偏光選択透過手段111に入射した光は、偏光板111aで直線偏光のみが選択され、λ/2板111bでλ/4板111cの遅相軸(又は進相軸)と45°の角度をなす直線偏光に旋光され、λ/4板111cは直線偏光を円偏光に変換する。
【0089】
従って、反射型液晶表示素子110は、周囲光又は照明装置100からの照明光のうち、偏光選択透過手段111を通過した円偏光を画素毎に液晶層113で変調しつつ、反射電極114で反射させて再び偏光選択透過手段111を通過する光の光量を制御することで画像を表示する。
【0090】
反射電極114は、入射光を散乱反射させて広い視角範囲で良好な表示品位の画像を提供するために、表面に微細構造(MRS)が形成されており、図3に示すような散乱特性を有している。
【0091】
次に、凹凸による反射手段103について説明する。凹凸は、図1の部分拡大図に示すように、導光体102の出射面102bに略平行な伝搬部103aと、出射面102bに対し傾斜した反射部103bとからなる。従って、光源101からの光は、導光体102に入射面102aを介して内部に入射し、全反射を繰り返しながら伝搬した光は、凹凸の反射部103bに到達し、界面で全反射されて導光体102の出射面102b、即ち照明装置100の出射面100aから出射して反射型液晶表示素子110を照明する。
【0092】
ここで、図3に示した反射型液晶表示素子110における反射電極114の散乱特性によると、入射角30°以内の照明光を効率よく正面方向に散乱反射するため、照明光の入射角は30°以内であることが望ましい。
【0093】
具体的には、凹凸による反射手段103の反射部103bと導光体102の出射面102bとがなす角度βと、凹凸による反射手段103と空気の界面での全反射角αとの間に、下記(1)式、
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係が成り立つように凹凸の形状を設計することによって、上記のような照明光を得ることができる。
【0094】
本実施形態1では、凹凸による反射手段103は、屈折率1.52の透明樹脂からなり、空気と界面を形成しているため、その全反射角αは、下記(2)式、
α=sin−1(1.0/1.52)=41.8°・・・(2)
で与えられる。
【0095】
従って、βをαにほぼ等しい40°とした。
【0096】
導光体102の出射面102b、及びこれにほぼ平行な照明装置100の出射面100aに対する出射角、即ち反射型液晶表示素子110に対する入射角がほぼ0°の照明光を得ることができ、反射型液晶表示素子110を効率よく照明することができる。
【0097】
反射手段103の凹凸周期と、形成される筋の方向は、反射型液晶表示素子110の画素パターンとの干渉によって発生する第2の明暗縞による表示品位の劣化を防止するために、図4に従って決定した。即ち、反射型液晶表示素子110が2.0型のデルタ配列であるので、反射手段103は、図2に示すように、周期Pを390μmで、反射型液晶表示素子110の画素パターンの水平方向と14°の角度をなすように形成した。これにより、周期的に形成された凹凸からなる反射手段103と反射型液晶表示素子110の画素パターンとの干渉による第2の明暗縞の周期が短くなるので、観察者に認識されず、反射型液晶表示素子110の表示品位を損なうことが無い。
【0098】
さらに、反射手段103である凹凸の周期390μmのうち、伝搬部103aの長さP1を平均370μm、反射部103bの長さP2を平均20μmとして、伝搬部103aに対する反射部103bの割合(P2/P1)を0.05程度とした。従って、観察者は反射型液晶表示素子110の表示を主に伝搬部103aを通して見ることになり、反射部103bを通過して観察者に到達する光によって発生する2重像を防止でき、良好な表示品位を得ることができた。
【0099】
また、導光体102の出射面102bに配置された反射防止フィルム104は、導光体102の表面反射を低減し透過率を向上させる効果があるため、周囲光によって反射型液晶表示素子110の表示を観察する場合に、明るくコントラスト比のよい表示を行うことができる。また、照明装置100の点灯時には、導光体102の対向面102cに周期的に形成された凹凸による反射手段103に起因する第1の明暗縞の発生を抑制するため、反射型液晶表示素子110の表示品位を向上させることができる。同様の理由で、反射型液晶表示素子110の表面、即ち、偏光選択透過手段111の表面にも反射防止処理が施されていることが望ましい。
【0100】
また、本実施形態1では、導光体102にガラス板を用いているため、高温及び低温の環境下でも反射手段103を形成する透明樹脂及び反射防止フィルム104の熱膨張によって生じる反りを低減することができ、照明装置100の信頼性が向上する。また、反射手段103を形成する透明樹脂には剛性や高度の高い樹脂を選択することによって、傷付きなどによる性能の劣化を防止することができる。
【0101】
上記構成の照明装置100と反射型液晶表示素子110とにより、明るく、表示品位が良好な画像を提供でき、信頼性の高い表示装置を実現できた。
【0102】
尚、本実施形態1では、光源に蛍光管を使用したが、他にもELやLED、LEDと棒状導光体の組み合わせなど、導光体の入射面に均一に光を照射する光源であればいずれを用いても良い。
【0103】
導光体102の材質は、ガラスの他にも、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂に代表される透明樹脂などを適宜用いることができる。
【0104】
反射手段103の材質は、紫外線硬化樹脂に限らず、熱硬化樹脂やアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂に代表される透明樹脂などを適宜用いることができる。また、反射手段103は、透明基材上に透明樹脂による凹凸を多数形成した反射シートを導光体102に貼り合わせて構成しても良い。
【0105】
導光体102の出射面102bには反射防止フィルム104を貼り合わせるほかに、導光体102に直接反射防止層を形成しても良い。また、本実施形態1における反射型液晶表示素子110のように、偏光選択透過手段111が偏光板111a、λ/4板111cを備えたものであった場合は、反射防止フィルム104の代わりに偏光選択透過手段111を導光体102の出射面102bに貼り合わせても良い。
【0106】
反射手段103の凹凸周期と形成される筋の方向は上記に限ったものではなく、図4及び図5に示すように反射型液晶表示素子の画素パターンによって変化する。即ち、図2に示す反射手段103の形成される凹凸の筋の方向は、その周期によって異なるが、画素パターンがデルタ配列の場合は、図4に示すように、画素パターンの水平方向と10°〜25°、及び55°〜80°の角度を持たせることが望ましく、画素パターンがストライプ配列の場合は、図5に示すように、15°〜75°の角度を持たせることが望ましい。
【0107】
これらの導光体102、反射手段103、反射防止処理104、及び偏光選択透過手段111の種類の選択は、照明装置の性能、信頼性を考慮して適宜決定される。
【0108】
反射型液晶表示素子110は、偏光選択透過手段111を備え、円偏光を変調して画像を表示するものに限らず、さまざまな液晶分子のモードを利用した反射型液晶表示素子を適用することができる。
【0109】
(実施形態2)
図10及び図11に、本発明の実施形態2による照明装置と、それを備えた反射型液晶表示素子による表示装置の構成例を示す。
【0110】
この実施形態2は、図10及び図11に示すように、照明装置200は、光源201、導光体202、低屈折率層204、保護フィルム205及び偏光選択透過手段211で構成されており、ここで、導光体202において、照明装置200の照明光が出射する側の面を出射面202bとし、これに対向する面を対向面202cとする。照明装置200において、反射手段203は、導光体202の出射面202bに一体に形成された多数の凹凸の表面に、屈折率が導光体202よりも小さい低屈折率層204を形成して構成されており、この低屈折率層204上には更に保護フィルム205が貼り合わされている。また、反射型液晶表示素子210は、一対のガラス基板212a、212bと、その間に挟持された液晶層213、及びその背面側に配置された反射電極214で構成される。
【0111】
具体的には、光源201に蛍光管を使用し、導光体202には屈折率が1.58のポリカーボネートを射出成形して対向面202cに反射手段203となる凹凸を一体に形成した。
【0112】
低屈折率層204には、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂DEFENSA7702Aを適用した。この紫外線硬化樹脂は硬化後の屈折率が1.38であり、導光体202の材質であるポリカーボネートより低屈折率である。
【0113】
保護フィルム205には、基材としてPETフィルム205aを適用し、図10の部分拡大図に示すように、片面にハードコート層、反射防止層及び防汚層である層205bを形成した。
【0114】
導光体202の対向面202cに形成された反射手段203となる凹凸上に上記紫外線硬化樹脂を塗布し、さらに保護フイルム205を配置して、この保護フィルム205側から紫外線を照射することによって低屈折率層204を形成し、導光体202、保護フィルム205を一体とした。ここで、保護フィルム205は、ハードコート層、反射防止層及び防汚層である層205bが外側となるように配置している。
【0115】
偏光選択透過手段211は、図11の部分拡大図に示すように、偏光板211a、λ/2板211b、及びλ/4板211cが粘着層を介してこの順で貼り合わされており、偏光板211aが粘着層を介して導光体202の出射面202bに貼り合わされている。この偏光選択透過手段211に入射した光は、偏光板211aで直線偏光のみが選択され、λ/2板211bで旋光され、λ/4板211cは直線偏光を円偏光に変換する。
【0116】
反射型液晶表示素子210は、2.5型のデルタ配列で、画素数が280×220、画素サイズが179.5×168.5μmである。
【0117】
従って、偏光選択透過手段211を通過した周囲光又は照明装置200からの照明光を受け、反射電極214で反射して再び偏光選択透過手段211を通過する光の光量を画素毎に制御することで画像を表示する。尚、反射電極214は、図3に示すような散乱特性を有している。
【0118】
次に、導光体202の対向面202cに一体に成形された凹凸と、低屈折率層204による反射手段203について説明する。凹凸は、図10の部分拡大図に示すように、導光体202の出射面202bに略平行な伝搬部203aと、出射面202bに対し傾斜した反射部203bとからなる。従って、光源201からの光は、導光体202に入射面202aを介して内部に入射し、反射部203bに到達した光は、低屈折率層204との界面で全反射されて導光体202の出射面202b、及び照明装置200の出射面200aから出射して反射型液晶表示素子210を照明する。
【0119】
反射型液晶表示素子210の反射電極214は、入射角30°以内の照明光を効率よく正面方向に散乱反射する。従って、反射手段203の凹凸の反射部203bと導光体202の出射面202bとがなす角度βと、対向面202cに形成された凹凸と低屈折率層204とで構成される反射手段203の凹凸の界面での全反射角αとの間に、下記(1)式、
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係が成り立つように凹凸の形状を設計して、反射型液晶表示素子210に対する照明光の入射角を30°以内とすることが望ましい。
【0120】
本実施形態2では、反射手段203の凹凸は、屈折率1.58のポリカーボネートからなり、低屈折率層204の屈折率は1.38であるので、その全反射角αは、下記(3)式、
α=sin−1(1.38/1.58)=60.9°・・・(3)
で与えられる。
【0121】
従って、βをαにほぼ等しい60°とした。
【0122】
この場合、導光体202の出射面202b、及びこれにほぼ平行な照明装置200の出射面200aに対する出射角、即ち反射型液晶表示素子210に対する入射角がほぼ0°の照明光を得ることができ、反射型液晶表示素子210を効率よく照明することができる。
【0123】
反射手段203の凹凸周期と、形成される筋の方向は、図4に従って反射型液晶表示素子210の仕様である2.5型のデルタ配列に適したものとした。具体的には、図11に示すように、周期Pを390μmで、反射型液晶表示素子210の画素パターンの水平方向と14°の角度をなすように形成した。これにより、導光体202の対向面202cに周期的に形成された凹凸からなる反射手段203と反射型液晶表示素子210の画素パターンとの干渉による第2の明暗縞の周期が短くなるので、観察者に認識されず、反射型液晶表示素子210の表示品位を損なうことが無い。
【0124】
さらに、反射手段203である凹凸周期390μmのうち、伝搬部203aの長さP1を平均370μm、反射部203bの長さP2を平均20μmとして、伝搬部203aに対する反射部203bの割合(P2/P1)を0.05程度とした。従って、反射型液晶表示素子210の画像が2重像として観察されることが無く、良好な表示品位を得ることができた。
【0125】
反射手段203は、導光体202の対向面202cに一体に形成された多数の凹凸の表面に、低屈折率層204を形成して構成されており、この低屈折率層204上には更に保護フィルム205が貼り合わされているので、反射手段203における凹凸の傷つきや変質を防止することができる。また、保護フィルム205の表面には、ハードコート層、防汚層が形成されているので、保護フィルム205の傷つき、汚れなども防止することができる。従って、照明装置200の性能の維持に非常に効果的である。また、反射防止層によって、周囲からの光が照明手段200で反射する光量を低減でき、反射型液晶表示素子210に入射する光の量が多くなるため、明るくコントラスト比のよい表示を行うことができる。
【0126】
導光体202の出射面202bに貼り合わされた偏光選択透過手段211は、上記のように偏光板211a、λ/2板211b、及びλ/4板211cによって構成されている。従って、偏光選択透過手段211を透過した円偏光は、偏光選択透過手段211と反射型液晶表示素子210におけるガラス基板212aの表面で反射される際に回転方向が逆転し、再び偏光選択透過手段211に入射して吸収される。即ち、偏光選択透過手段211とガラス基板212aの表面反射による反射型液晶表示素子210の表示のコントラストの低下が解決される。さらに、偏光選択透過手段211とガラス基板212aの表面に反射防止層を配置してもよく、この場合にはそれぞれの表面反射が少なくなる分、反射型液晶表示素子210に入射する光が多くなり、明るい表示を行うことが可能となる。
【0127】
上記構成の照明装置と反射型液晶表示素子とにより、明るく、表示品位が良好な画像を提供でき、信頼性の高い表示装置を実現できた。
【0128】
尚、本実施形態2では、光源201に蛍光管を使用したが、他にもELやLED、LEDと棒状導光体の組み合せなど、導光体202の入射面202aに均一に光を照射する光源であればいずれを用いても良い。
【0129】
導光体202の材質としては、ガラスの他にも、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂に代表される透明樹脂などを適宜用いることができる。
【0130】
反射手段203における凹凸は導光体202と一体に形成する他に、透明樹脂などによって導光体202とは別に形成しても良い。また、透明基材上に透明樹脂による凹凸を多数形成した反射シートを導光体202に貼り合わせて構成しても良い。
【0131】
導光体202の出射面202bには偏光選択透過手段211を貼り合わせる他に、反射防止層を配置しても良い。この場合、反射型液晶表示素子210の表面にも反射防止層が配置されることが望ましい。
【0132】
反射手段203の凹凸周期と形成される筋の方向は上記に限ったものではなく、図4及び図5に示すように反射型液晶表示素子210の画素パターンによって変化する。
【0133】
反射型液晶表示素子210は、偏光選択透過手段211を用いて、円偏光を変調して画像を表示するものに限らず、さまざまな液晶分子のモードを利用した反射型液晶表示素子を適用することができる。
【0134】
照明装置200及び反射型液晶表示素子210を構成する各手段の種類の選択は、いずれも、表示装置の性能、信頼性を考慮して決定される。
【0135】
(実施形態3)
図12及び図13に、本発明の実施形態3による照明装置と、それを備えた反射型液晶表示素子による表示装置の構成例を示す。
【0136】
この実施形態3は、図12及び図13に示すように、照明装置300は、光源301、導光体302及び反射シート303によって構成されている。反射型液晶表示素子310は、偏光選択透過手段311、一対のガラス基板312a、312bと、その間に挟持された液晶層313、及びその背面側に配置された反射電極314て構成される。
【0137】
具体的には、光源301に蛍光管を使用し、導光体302をタッチパネルとした。タッチパネルは面内をタッチペン320等で圧迫すると、その位置を検出する入力システムで、携帯情報端末などに搭載されている。ここで、導光体302において、照明装置300の照明光が出射する側の面を出射面302bとし、これに対向する面を対向面302cとする。
【0138】
反射シート303は、図12の部分拡大図に示すように、反射手段となる凹凸を形成した部材306の凹凸上に低屈折率層307が形成されており、それらを基材304と基材305で挟んだ構造をなしており、この基材305がタッチパネルの裏面である導光体302の出射面302bに粘着層を介して貼り合わされている。
【0139】
具体的には、基材であるPETフィルム304a上に、屈折率が1.58のポリカーボネートを成形することによって、多数の凹凸を有する部材306を配置する。さらに、低屈折率層307には、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂DEFENSA7702Aを適用し、これを部材306の凹凸上に塗布し、再び基材であるPETフィルム305を配置し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる。ここで、紫外線硬化樹脂は硬化後の屈折率は1.38である。尚、基材304は、PETフィルム304aの部材306が形成されていない面に、予め反射防止層304bが形成されている。
【0140】
反射型液晶表示素子310は、3.8型のQVGA、即ち、ストライプ配列で画素数が960×240、画素サイズが81×234.5μmである。
【0141】
反射型液晶表示素子310に備えられた偏光選択透過手段311は、図13の部分拡大図に示すように、偏光板311a、λ/2板311b、及びλ/4板311cが粘着層を介してこの順序で貼り合わされ、λ/4板311cがガラス基板312aに貼り合わされている。
【0142】
従って、反射型液晶表示素子310は、周囲光又は照明装置300からの照明光のうち、偏光選択透過手段311を通過した円偏光を受け、反射電極314で反射して再び偏光選択透過手段311を通過する光の光量を画素毎に制御することで画像を表示する。反射電極314は図3に示すような散乱特性を有している。
【0143】
次に、反射シート303に形成された反射手段である部材306の凹凸形状について説明する。凹凸は、導光体302の出射面302bに略平行な伝搬部306aと、出射面302bに対し傾斜した反射部306bとからなる。上述したように、反射シート303は導光体302の出射面302bに貼り合わされているため、光源301からの光は、導光体302の内部に入射面302aを介して入射して凹凸306の反射部306bに到達し、低屈折率層307との界面で全反射されて照明装置300の出射面300aから出射して反射型液晶表示素子310を照明する。
【0144】
反射型液晶表示素子310の反射電極314は、入射角30°以内の照明光を効率よく正面方向に散乱反射する。従って、部材306の凹凸の反射部306bと導光体302の出射面302bとがなす角度βと、部材306の凹凸と低屈折率層307の界面での全反射角αとの間に、下記(1)式、
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係が成り立つように凹凸の形状を設計して、反射型液晶表示素子310に対する照明光の入射角を30°以内とすることが望ましい。
【0145】
本実施形態3では、部材306の凹凸は屈折率1.58のポリカーボネートからなり、低屈折率層307の屈折率が1.38であるので、その全反射角αは、下記(4)式、
α=sin−1(1.38/1.58)=60.9°・・・(4)
で与えられる。
【0146】
従って、βをαにほぼ等しい60°とした。
【0147】
この場合、導光体302の出射面302b、又はこれにほぼ平行な照明装置300の出射面300aに対する出射角、即ち反射型液晶表示素子310に対する入射角がほぼ0°の照明光を得ることができ、反射型液晶表示素子310を効率よく照明することができる。
【0148】
部材306の凹凸周期と、形成される筋の方向は、図5に従って反射型液晶表示素子310の仕様である3.8型QVGAに適したものとした。具体的には、図13に示すように、周期Pを390μmで、反射型液晶表示素子310の画素パターンの水平方向と23°の角度をなすように形成した。これにより、周期的に形成された多数の凹凸からなる反射手段と反射型液晶表示素子310の画素パターンとの干渉による第2の明暗縞の周期が短くなるので、観察者に認識されず、反射型液晶表示素子310の表示品位を損なうことが無い。
【0149】
さらに、反射手段である部材306の凹凸の周期390μmのうち、伝搬部306aの長さP1を平均370μm、反射部306bの長さP2を平均20μmとし、反射部306bの長さP2を、光源に近いほど短く、遠ざかるほど長く設定することで反射型液晶表示素子310を均一に照明できるよう設計した。このとき、伝搬部306aに対する反射部306bの割合(P2/P1)は0.05程度であるので、反射型液晶表示素子310の画像が2重像として観察されることが無く、良好な表示品位を得ることができた。
【0150】
反射シート303の基材であるPETフイルム304aに形成された反射防止層304bは、照明装置300の表面反射を低減し、透過率を向上させるため、反射型液晶表示素子310の表示を明るくコントラスト比のよいものとすることができる。同様の理由で、導光体302の対向面302c、及び反射型液晶表示素子310の表面、即ち、偏光選択透過手段311の表面にも反射防止処理が施されていることが望ましい。
【0151】
本実施形態3では、導光体とタッチパネルとが兼用であるため、それぞれが別部材からなるの従来の構成に比べて界面が少なくなるために、表面反射が低減し、反射型液晶表示装置に入射する光の光量が増加するため、非常に明るくコントラスト比のよい表示を行うことができる。また、低価格で薄型、軽量の表示装置、及び携帯情報端末等の情報表示システムを実現できる。
【0152】
尚、本実施形態3では、光源に蛍光管を使用したが、他にもELやLED、LEDと棒状導光体の組み合せなどを用いても良い。
【0153】
導光体としては、タッチパネルに限らず、ガラスや、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂に代表される透明樹脂などを適宜用いることができる。
【0154】
反射シート303を構成する基材304、305、反射手段となる凹凸を有する部材306及び低屈折率層307も、種々の組み合わせが可能である。また、基材上に形成された反射手段を低屈折率層307を介して直接導光体302の出射面302bに配置しても良い。
【0155】
反射シート303の反射型液晶表示素子310に対向する面に、反射防止層304bを設ける他に、本実施形態3の反射型液晶表示素子310のように、偏光選択透過手段311が偏光板、λ/4を備えたものである場合には、偏光選択透過手段を貼り合わせても良い。
【0156】
反射手段である凹凸の周期と形成される筋の方向は上記に限ったものではなく、図4及び図5のように反射型液晶表示素子の画素パターンによって変化する。
【0157】
反射型液晶表示素子310は、偏光選択透過手段311を備え、円偏光を変調して画像を表示するものに限らず、さまざまな液晶分子のモードを利用した反射型液晶表示素子を適用することができる。
【0158】
照明装置300及び反射型液晶表示素子310を構成する各手段の種類の選択は、いずれも、表示装置の性能、信頼性を考慮して決定される。
【0159】
(実施形態4)
図14及び図15に、本発明の実施形態4による照明装置と、それを備えた反射型液晶表示素子による表示装置の構成例を示す。
【0160】
この実施形態4は、図14及び図15に示すように、照明装置400は、光源401a、401bと、反射手段403、透明平板406によって構成され、反射手段403と透明平板406とは対向して略平行に配置されて導光空間402を形成する。尚、透明平板406はタッチパネルである。反射型液晶表示素子410は、偏光選択透過手段411、一対のガラス基板412a、412bと、その間に挟持された液晶層413、及びその背面側に配置された反射電極414で構成される。
【0161】
具体的には、光源401a及び401bに蛍光管を使用し、両者は向かい合うように配置されている。
【0162】
反射手段403は、図14の部分拡大図に示すように、基材であるPETフィルム405上に、屈折率が1.58のポリカーボネートからなるプリズム404を多数配置して凹凸を形成し、PETフィルム405の反対面が反射型液晶表示素子410に粘着層を介して貼り合わされている。
【0163】
反射手段403の上方にはタッチパネル406が配置され、両者に挟まれて形成された空間が導光空間402となる。
【0164】
反射型液晶表示素子410は、3.8型のQVGAである。
【0165】
反射型液晶表示素子410に備えられた偏光選択透過手段411は、図14の部分拡大図に示すように、偏光板411a、λ/2板411b、及びλ/4板411cが粘着層を介してこの順で貼り合わされており、λ/4板411cがガラス基板412aに貼り合わされている。
【0166】
従って、反射型液晶表示素子410は、周囲光又は照明装置400からの照明光のうち、偏光選択透過手段411を通過した円偏光を受け、画素毎の反射光の光量を制御することで画像を表示する。
【0167】
尚、反射電極414は、図3に示すような散乱特性を有している。
【0168】
次に、反射手段403の凹凸形状について説明する。凹凸は、基材であるPETフィルム405上に、プリズム404を多数配置することにより形成されており、各プリズム404は、透明平板406又はこれにほぼ平行な照明装置400の照明光が出射する出射面400aに対して傾斜した第1の傾斜部404aと第2の傾斜部404bを有する。
【0169】
光源401aから導光空間402に入射した光は、導光空間402を伝搬してプリズム404に到達し、第1の傾斜部404aと導光空間402の界面で屈折され、第2の傾斜部404bと導光空間402との界面で全反射されて反射型液晶表示素子410を照明する。同様に、光源401bから導光空間402に入射した光は、プリズム404に到達し、第2の傾斜部404bで屈折され、第1の傾斜部404aで全反射されて反射型液晶表示素子410を照明する。
【0170】
反射型液晶表示素子410の反射電極414は、入射角30°以内の照明光を効率よく正面方向に散乱反射する。従って、プリズム404の第1の傾斜部404a及び第2の傾斜部404bが照明装置の出射面400aとなす角度βは、プリズム404と導光空間402の界面での全反射角αとの間に、下記(1)式、
α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
の関係が成り立つように設計して、照明光の入射角を30°以内とすることが望ましい。
【0171】
本実施形態4では、プリズム404は、屈折率1.58のポリカーボネートからなり、導光空間403の屈折率が1.0であるため、その全反射角αは、下記(5)式、
α=asin(1.0/1.58)=39.2°・・・(5)
で与えられる。
【0172】
従って、βをαにほぼ等しい40°とした。
【0173】
この場合、照明装置400の出射面400aに対する出射角、即ち反射型液晶表示素子410に対する入射角がほぼ0°の照明光を得ることができ、反射型液晶表示素子410を効率よく照明することができる。
【0174】
反射手段403における凹凸周期と、形成される筋の方向は、図5に従って反射型液晶表示素子310の仕様である3.8型QVGAに適したものとした。具体的には、図15に示すように、周期Pを500μmで、反射型液晶表示素子310の画素パターンの水平方向と20°の角度をなすように形成した。これにより、周期的に形成された多数の凹凸と反射型液晶表示素子410の画素パターンとの干渉による第2の明暗縞の周期が短くなるので、観察者に認識されず、反射型液晶表示素子410の表示品位を損なうことが無い。
【0175】
さらに、反射手段403の凹凸の周期500μmのうち、凹凸の形成されていない領域の長さP1’を平均475μm、凹凸が形成されている領域の長さP2’を平均25μmとし、凹凸が形成されている領域の長さP2’を、光源に近いほど短く、遠ざかるほど長く設定することで反射型液晶表示素子410を均一に照明できるよう設計した。このとき、凹凸の形成されていない領域の長さに対する凹凸が形成されている領域の長さの割合(P2’/P1’)は0.05程度であるので、反射型液晶表示素子410の画像が2重像として観察されることが無く、良好な表示品位を得ることができた。
【0176】
本実施形態4では、反射手段403とタッチパネル406によって形成された導光空間402を利用しているため、導光体を利用する構成に比べて低価格で軽量の表示装置、及び携帯情報端末等の情報表示システムを実現できる。
【0177】
尚、本実施形態4では、光源に蛍光管を使用したが、他にもELやLED、LEDと棒状導光体の組み合せなどを用いても良い。
【0178】
反射手段403は基材上に凹凸形状を成形する方法以外にも、例えば、反射型液晶表示素子410の表面に直接多数の凹凸を形成して反射手段を構成しても良い。
【0179】
反射手段403の凹凸周期と形成される筋の方向は上記に限ったものではなく、図4及び図5のように反射型液晶表示素子の画素パターンによって変化する。
【0180】
反射型液晶表示素子410は、偏光選択透過手段411を備え、円偏光を変調して画像を表示するものに限らず、さまざまな液晶分子のモードを利用した反射型液晶表示素子を適用することができる。
【0181】
照明装置400及び反射型液晶表示素子410を構成する各手段の種類の選択は、いずれも、表示装置の性能、信頼性を考慮して決定される。
【0182】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の照明装置によれば、反射手段における凹凸の傷つきや変質及び導光体の反りを低減でき、信頼性を向上させることができる。本発明の照明装置を備えた表示装置によれば、2重像や明暗縞の発生を抑制することができ、明るくコントラスト比のよい、高品位の表示を行うことができる。加えて、照明装置及び表示装置の薄型化、軽量化、低価格化を図ることができる。
【0183】
より詳しくは、導光体は出射面及び対向面が平面であるため、材質の選択肢を多くとることができ、例えばガラスを選択すれば、透明樹脂に比べ剛性が高いため、反射手段が配置されていない平面に反射防止フイルムなどを貼り合わせ、導光体の透過率を向上させた場合でも、温度変化などによって生じる反りを低減できて信頼性が増す。
【0184】
具体的には、凹凸形状を導光体と一体に成形する場合には、その材質にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などに代表される透明樹脂等を用いて、導光体と反射手段を同時に成形することができる。
【0185】
凹凸形状を導光体とは別に成形する場合には、凹凸形状は導光体の出射面又は対向面にアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの他に、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等の透明樹脂を用いて成形することができ、材質の選択肢を多くとることができる。即ち、凹凸形状に硬度、対薬品性などの信頼性を有する材質を選ぶことができる。
【0186】
反射手段を、凹凸を有する部材と、凹凸上に屈折率の異なる、好ましくは屈折率の低い屈折率層が形成された構成とする場合には、凹凸の傷つき、変質などによる照明装置の性能の低下を防止することができる。
【0187】
反射手段を、反射シートを利用する構成とする場合には、出射面及び対向面に反射シートと反射防止フィルムを貼り合わせることで、導光体の透過率を向上させることができる他、双方がバランスを取って温度変化などで発生する導光体の反りをより低減することができる。
【0188】
反射手段を導光体の対向面に配置する場合には、低屈折率層の表面に防汚膜(撥水層)、ハードコート層などを形成することによって、照明装置の表面の信頼性を向上させることができ、反射防止層を形成することによって表面の反射率を低減させることができる。
【0189】
反射手段を導光体の出射面に配置する場合には、凹凸が導光体によって保護されるため、反射手段の信頼性を向上させることができる。
【0190】
反射手段と透明平板とで構成された導光空間を利用した照明装置では、表示装置のより一層の軽量化を図ることができる。
【0191】
反射型液晶表示素子と照明装置による表示装置に、入力装置としてタッチパネルを追加した構成とする場合には、導光体とタッチパネルとを兼用する構成とすることができる。この場合には、表示装置、携帯情報端末等の薄型化、軽量化及び低価格化を実現することができる。
【0192】
反射手段における凹凸形状が、導光体の出射面に略平行な伝搬部と傾斜した反射部とで構成されるプリズム状の形状であれば、凹凸よりも屈折率の低い空気層や屈折率層と界面を形成する場合に全反射が発生し、より効率よく照明光を出射することができる。
【0193】
反射手段における凹凸形状が、反射部の界面での屈折率差による全反射角度をαとしたとき、反射部が導光体の出射面又は透明平板に対してなす角度βが、上記(1)式の関係を満たすようにすると、効率よく反射型液晶表示素子を照明することができるので、明るく、コントラスト比のよい、高品位の表示を行うことができる表示装置が得られる。
【0194】
また、反射手段である凹凸の伝搬部の長さに対する反射部の長さの割合(P2/P1)、又は凹凸の形成されている領域と形成されていない領域の割合(P2’/P1’)が所定の関係を満たすようにすることで、反射型液晶表示素子の2重像や明暗縞の発生を抑制することができる。
【0195】
加えて、照明装置の出射面に反射型液晶表示素子の偏光選択手段を配置することによって、明暗縞が発生せず、明るく、コントラスト比のよい、高品位の表示を行うことができる表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態1による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す斜視図である。
【図3】反射型液晶表示素子に用いられる反射電極の散乱反射特性を示す図である。
【図4】第2の明暗縞が発生しない照明装置とデルタ配列の反射型液晶表示素子との関係を説明する図である。
【図5】第2の明暗縞が発生しない照明装置とストライプ配列の反射型液晶表示素子との関係を説明する図である。
【図6】本発明の照明装置における反射手段の最適な形状について説明する第1の図である。
【図7】本発明の照明装置における反射手段の最適な形状について説明する第2の図である。
【図8】本発明の照明装置による反射型液晶表示素子の表示における2重像を評価する手法について説明する図である。
【図9】本発明の照明装置と反射型液晶表示素子の表示における2重像の程度を、凹凸の反射部と伝搬部の割合(P2/P1)及び凹凸の形成されている領域と形成されていない領域の割合(P2’/P1’)の関係で示す図である。
【図10】本発明の実施形態2による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態2による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態3による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態3による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態4による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す断面図である。
【図15】本発明の実施形態4による照明装置と反射型液晶表示素子による表示装置を示す斜視図である。
【図16】反射型液晶表示素子の構成例を示す図である。
【図17】反射型液晶表示素子の画素の配列パターンを示す図であって、(a)にデルタ配列の場合を、(b)にストライプ配列の場合を示す。
【図18】従来の照明装置であるフロントライトの構成例を示す図である。
【符号の説明】
30、101、201、301、401a、401b、911 光源
31、102、202、302、912 導光体
32、110、210、310、410、920 反射型液晶表示素子
33、111、211、311、411、921 偏光選択透過手段
34a、34b、112a、112b、212a、212b、312a、312b、412a、412b、922a、922b ガラス基板
35、113、213、313、413、923 液晶層
36、114、214、314、414、924 反射電極
37 観察者
100、910 照明装置(フロントライト)
102a、202a、302a、912a 入射面
100a、102b、200a、202b、302b、912b 出射面
102c、202c、302c、912c 対向面
103、203、913 反射手段(凹凸)
103a、203a、306a、913a 伝搬部
103b、203b、306b、913b 反射部
104 反射防止フィルム
111a、211a、311a、411a 偏光板
111b、211b、311b、411b λ/4板
111c、211c、311c、411c λ/2板
200、300、400 照明装置
204、307 低屈折率層
205 保護フィルム
205a 保護フィルムの基材
205b ハードコート層、反射防止層、防汚層
303、403 反射シート(反射手段)
304、305 反射シートの基材
304a PETフィルム
304b 反射防止層
306 凹凸を有する部材
402 導光空間
404 プリズム
404a 第1の傾斜部
404b 第2の傾斜部
405 反射シートの基材
406 透明平板(タッチパネル)
914 光学補償板
915 補償凹凸

Claims (1)

  1. 透明平板と、フィルム状の基材上に複数のプリズムが設けられた反射手段とが、両者の間に導光空間が形成されて該導光空間内に各プリズムが位置するように相互に対向配置されており、該導光空間の端面に光源が配置されて、該光源から該導光空間に入射し該導光空間を伝搬する光が、各プリズムによって反射されて該基材から照明光として出射されると共に、該透明平板および該基材の外部から照射される光を透過するようになった照明装置であって、
    該反射手段の各プリズムは、該基材の表面に対してそれぞれ等しい傾斜角度βで傾斜した第1および第2の傾斜部をそれぞれ有しており、該傾斜角度βと、第1および第2の傾斜部での全反射角αとの間に、下記(1)式
    α−30°≦β≦α+30°・・・(1)
    の関係を有する、照明装置
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