JP3571190B2 - 照明装置およびこれを備えた反射型液晶表示装置 - Google Patents

照明装置およびこれを備えた反射型液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被照明物と観察者との間に配置されて使用され、被照明物に光を照射するとともに、被照明物からの反射光を観察者が視認できるように該反射光を透過させるべく構成された照射手段と、この照明手段を備える反射型液晶表示装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、反射型液晶表示装置は、周囲光を光源として利用するため、低消費電力であるとともに、透過型液晶表示装置など他の表示装置と比較して薄型化が可能であるというメリットを有している。しかしながら、反面、光源として周囲光を利用しているため、その表示品位は、周辺環境に対して大きな依存性を有している。特に、周囲が暗く周囲光を十分に取り入れることができないような状態では、表示の確認さえもできないという不都合を生じている。
【0003】
上記の不都合を解消するために、たとえば、腕時計などに対しては、近年様々な手法が採用されて、実用化されている。このような手法としては、具体的には、補助光源などを設ける手法が知られている。たとえば、図26に示すように、補助光源として、腕時計の液晶表示部101の側面に電球102が設置されている。このような補助光源を設ける手法は、上記の不都合を解決するには、最も簡便かつ低コストな手法である。
【0004】
また、上記補助光源を用いる手法以外に、液晶表示装置に対して、くさび型状の断面を有する導光体を備える照明手段を設ける手法(たとえば、特開昭57−144581号公報や、USP4,453,200号公報など)も考案されている。この手法では、上記導光体によって、光源からの光を液晶パネルに導くことにより、該液晶パネルの表示面全体に対して、従来よりも均一に照明を行うことが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現在、携帯情報端末などに用いられている高精細の反射型の液晶表示装置に対して、上記補助光源を設ける手法を採用すると、以下の問題点を招来することになる。
【0006】
(1)液晶表示装置の表示面が大きくなるために、該表示面全体を均一に照明することが困難である。
(2)液晶表示装置における液晶パネル前面の透光性基板内に入射した光により、表示面上の画素を横断して進行する迷光が発生する。この迷光の発生は、上記表示面において、中間調の表示特性を著しく劣化させる。
【0007】
さらに、光源を液晶パネル上部に設置することにより、液晶パネル前面の透光性基板内への光を入射を防止して上記(2)の問題点を回避することは可能である。しかしながら、光源を液晶パネルの上部に設置しても、表示面全体を均一に照明することは困難であり、(2)の問題点を解消することはできても、上記(1)の問題点を回避することはできない。
【0008】
一方、上記特開昭57−144581号公報やUSP4,453,200号公報などのくさび型状の断面を有する導光体を用いる照明手段の場合は、表示面全体に均一な照明を行うことは可能ではあるが、該照明手段を製造するために、非常に複雑な光学設計や非常に精密な製造工程が要求されることになる。それゆえ、製造工程の煩雑化と製造コストの上昇とを招来することになる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、反射型の液晶表示装置など、光を照射してその反射光を観察する表示体に対して、その表示面全体に、均一で、かつ、表示特性の劣化を回避し得る照明をより簡素な構成によって行うことのできる照明手段を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体の前面に、該表示体の表示面に対して傾斜した状態で設けられており、屈折率が1より大きい透光性基板からなる屈折率体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源とを備えており、上記屈折率体と、光源と、表示体の表示面とで囲まれることにより、一方の側面から他方の側面に向かって厚さが連続的に変化する断面を有する空間部が形成されていることを特徴としている。
【0011】
上記の請求項1記載の構成によれば、光源からの光は、まず、上記空間部に達し、その後、屈折率体と空間部との界面にまで達する。この界面では、上記屈折率体の屈折率が1より大きく、かつ、該屈折率体よりも空間部である空気層の屈折率の方が小さいことから、照射された光が反射する成分(以下、反射光とする)と透過する成分(以下、透過光とする)とに分解される。
【0012】
ここで、上記空間部は、一方の側面から他方の側面に向かって厚さが連続的に変化する断面、すなわち、くさび型状や台形状の断面を有している。そのため、上記反射光は、断面の厚さが連続的に小さくなっていく側の表示体の表示面に照射される。
【0013】
また、この反射光は、表示体の表示面上で反射され、その後、再び上記界面まで達し、反射光と透過光とに分解される。このような過程を繰り返すことによって、表示体の表示面全体に光源からの光が均一に照射されることになる。すなわち、上記照明手段では、光源から直接照射される光に加えて、上記反射光によって表示体を照射することになる。しかも、上記透過光は、空間部における断面の厚さが連続的に小さくなっていく側に向かって直進するため、表示体の表示に影響を及ぼすことがない。
【0014】
そのため、周囲光の反射を利用して表示を行う表示体、たとえば、紙面や反射型液晶表示装置などに上記照明手段を備えることによって、該表示体への周囲光が不足している場合に、表示に悪影響を及ぼすことなく、光源からの光を表示体上に導くことができる。
【0015】
しかも、上記空間部には、従来の照明手段のように、特別な媒質を充填する必要がない。また、上記空間部である空気層は、特別な媒質を充填する場合と比較して、屈折率体との屈折率差を最も大きくすることができ、光の利用効率をより向上させることができる。
【0016】
その結果、上記照明手段を用いれば、周辺環境による依存性の少ない明るい表示を行うことのできる表示体を得ることができるとともに、照明手段の製造工程を簡素化して、製造コストを低減することができる。
【0017】
本発明の請求項2記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1記載の構成に加えて、上記屈折率体は、その表面が平滑であることを特徴としている。
【0018】
上記の請求項2記載の構成によれば、上記屈折率体の表面は平滑となっているため、従来の照明手段において用いられている屈折率体のような特別な表面加工を施す必要がない。それゆえ、製造方法を簡素化することができるとともに、製造コストを低減することができる。また、上記屈折率体においては、表示体側の界面が照明に重要な役割を果たしているため、観察者側表面が平滑であれば、表示体の表示を損なうことがない限り様々な機能を付加することもできる。
【0019】
本発明の請求項3記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1または2記載の構成に加えて、上記屈折率体が入力手段を備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の請求項3記載の構成によれば、屈折率体が入力手段を備えているため、入力手段を上記照明手段に備える際に、部品点数の増加を防止し、かつ製造コストを低減させることができる。
【0021】
本発明の請求項4記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1、2または3記載の構成に加えて、上記屈折率体が上記表示体を保護する保護手段を備えていることを特徴としている。
【0022】
上記の請求項4記載の構成によれば、上記屈折率体が保護手段を備えているため、保護手段を上記照明手段に備える際に、部品点数の増加を防止し、かつ製造コストを低減させることができる。また、上記屈折率体として、従来用いられている保護板を用いることもできるため、より部材点数の増加を防止することができる。さらに、屈折率体の観察者側の表面に反射防止機能を付加することもできる。
【0023】
本発明の請求項5記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から4の何れか1項に記載の構成に加えて、上記屈折率体の屈折率が1.4以上1.6以下の範囲内であることを特徴としている。
【0024】
上記請求項5記載の構成によれば、屈折率体の屈折率が上記の範囲内であれば、光源からの光における可視光領域の吸収を少なくすることができるとともに、屈折率体における光の吸収の波長依存性を小さくすることができる。
【0025】
本発明の請求項6記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から5の何れか1項記載の構成に加えて、上記空間部は、上記光源の周囲を覆うように配置される反射板によって形成される領域を含んでいることを特徴としている。
【0026】
上記請求項6の構成によれば、上記空間部と上記反射板により形成される光源の周囲の領域との間には屈折率差がない、すなわち界面が生じない。そのため、界面における光の反射などによる光のロスを抑制し、光源からの光の利用効率を上昇させることができる。
【0027】
本発明の請求項7記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から6の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源が、表示体上の、表示面全体を見渡す位置に設置されていることを特徴としている。
【0028】
上記請求項7記載の構成によれば、光源を上記位置に設置することによって、光源からの光が表示体の表示面全体に行き渡ることになる。そのため、上記表示体上において、照射される光にムラが生じることをより効果的に抑制することができるとともに、表示体の表示をより明るくすることができる。
【0029】
本発明の請求項8記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から7の何れか1項に記載の構成に加えて、上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が50°以下であることを特徴としている。
【0030】
上記請求項8記載の構成によれば、上記屈折率体の傾斜角は、くさび型状の断面を有する上記空間部において、該くさび型の頂角となる。あるいは、上記断面が台形状である場合でも、台形の上底で止まっている側辺を延長してくさび型状とした際に、上記傾斜角は、該くさび型の頂角となる。
【0031】
そのため、上記光源からの光の広がりの角度をδとし、上記頂角(傾斜角)をαとすると、上記界面へ入射する光の入射角θは、次式によって表される。
【0032】
θ=90°−α±δ
上記界面では、入射角θが約40°から反射光が増加する。その結果、上記頂角αは50°以下であれば、光源からの光をより多く反射することができる。
【0033】
本発明の請求項9記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項8記載の構成に加えて、上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が、10°未満であることを特徴としている。
【0034】
上記請求項9記載の構成によれば、上記界面では、上記入射角を表す式における入射角θが80°付近から、50%以上の高い反射率を示すことになる。その結果、上記頂角αは10°未満であれば、光源からの光をより一層多く反射することができる。
【0035】
本発明の請求項10記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項8または9記載の構成に加えて、上記空間部の断面において、傾斜している上記屈折率体の表示体側表面と一致する第1線と、上記屈折率体の上方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と垂直に交差する第2線と、上記屈折率体の下方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と平行となる第3線とで形成される3角形に対して、次式、
h=L・tan α≦3mm
L:第3線の長さ
h:第2線の長さ
α:屈折率体の傾斜角(第1線と第3線とで形成される角度)
が成立することを特徴としている。
【0036】
上記請求項10記載の構成によれば、たとえば、上記表示体として反射型液晶表示装置を用いるとすると、通常、反射型液晶表示装置ではバックライトを用いないため、透過型液晶表示装置よりも薄型化が可能であるという利点を有している。
【0037】
ここで、上記バックライトは約3mm程度の厚さを有している。そのため、上記空間部の断面における厚さの大きい側の側面の厚さである、上記第2線の長さhを3mm以下とすることによって、上記照明手段を反射型液晶表示装置に備える場合に、反射型液晶表示装置の薄型化を抑制することを回避できる。したがって、光源からの光をより一層多く反射するとともに、より薄型が可能である照明手段を実現することができる。
【0038】
本発明の請求項11記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から10の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源からの光が表示体の側面から直接入射することを防止する遮光手段を備えていることを特徴としている。
【0039】
上記請求項11記載の構成によれば、たとえば、上記表示体として反射型液晶表示装置を用いるとすると、通常、反射型液晶表示装置では、液晶層を挟持している透光性基板に直接光源からの光が入射した場合、表示面上の複数の画素を横切って進行する迷光が発生する。この迷光は、液晶表示装置の表示品位を著しく低下させる。
【0040】
しかしながら、上記遮光手段によって、光源からの光が上記透光性基板の側面から入射することを防止できるため、全ての光源からの光を上記空間部に入射させることができる。そのため、上記迷光の発生を防止できるとともに、光源からの光の利用効率を上昇させることができる。
【0041】
本発明の請求項12記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から11の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源は、表示体の外側となり、かつ、該光源の上端が上記屈折率体における観察者側の表面よりも下方となる位置に配置されていることを特徴としている。
【0042】
上記請求項12記載の構成によれば、光源を上記の位置に設けることによって、上記照明手段を備える表示体の厚さを薄型化することができる。また、上記光源が屈折率体における観察者側の表面よりも上方にある場合、光源から直接表示体を照明する光は、表示体の光源近傍領域のみを極端に明るく照明することになるが、上記のような位置に光源を設けることによって、光源からの光を表示体全体により均一に照明することができる。
【0043】
本発明の請求項13記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項12記載の構成に加えて、上記光源の上端が上記表示体の表示面よりも下方となることを特徴としている。
【0044】
上記請求項13記載の構成によれば、光源を上記の位置に設けることによって、光源からの光が屈折率体に達した際に、該屈折率体内を伝搬する光を大幅に減少させることができる。そのため、照明をより均一な明るさとすることができるとともに、光源からの光の利用効率をより一層向上することができる。
【0045】
本発明の請求項14記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源と、上記表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなる第1屈折率部と、上記光源近傍に位置し、光源からの光を反射して第1屈折率部および表示体側に照射する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっている屈折率体と、上記光源近傍に位置し、上記第2屈折率部における接続部とは反対側となる辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えていることを特徴としている。
【0046】
上記請求項14記載の構成によれば、屈折率体の接続部により、第1屈折率部を可動させて傾斜させることによって、表示体の表示面と第1屈折率部との間に前記請求項1における空間部と同様の断面を有する空間部が形成される。また、上記第2屈折率部も同様に可動させて傾斜させることによって、光源からの光を反射して第1屈折率部および表示体側に照射することができる。さらに、第1屈折率部の傾斜状態は上記支持手段によって支持されるため、上記空間部を安定した状態で維持することができる。
【0047】
その結果、上記構成の照明手段は、前記請求項1の照明手段と同様の照明を表示体に対して行うことができる。しかも、表示体を使用しない場合は、第1屈折率部を傾斜状態からもとの状態へ戻すことによって、上記屈折率体は、平板状のまま表示体の前面に設置しておくことができる。また、上記屈折率体は、上記接続手段により光源近傍で装置本体と接続されているため、表示体を使用する際に照明手段が必要ない場合、屈折率体そのものを接続手段の可動によって表示体前面からはね上げるなどして移動させ、直接表示体を観察することができる。
【0048】
したがって、上記構成では、必要に応じて、照明手段における空間部を適宜形成することが可能であるとともに、照明手段そのものが必要ない場合は、該照明手段を表示体の前面から移動させることができる。そのため、上記照明手段を備える表示体では、表示体を照明することに加えて、上記空間部による表示体の厚さの増大を抑制することができる。
【0049】
本発明の請求項15記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項14記載の構成に加えて、上記接続手段により屈折率体と同様に装置本体と可動できる状態で接続され、かつ、屈折率体とは互いに独立して可動できるとともに、上記屈折率体および表示体を覆う位置に配置されている蓋部を備えていることを特徴としている。
【0050】
上記請求項15記載の構成によれば、表示体を観察しないときには、上記蓋部により、表示体および屈折率体を覆ってこれらを保護することができる。また、表示体を観察するときに照明手段を用いる場合は、蓋部のみを表示体上から移動させることができる。さらに、照明手段を用いない場合は、接続部により平板状とした屈折率体の背面に蓋部を隣接させ、蓋部と屈折率体とを一体として表示体の前面から移動させることが可能となる。それゆえ、上記蓋部は、表示体の観察の妨げになることなしに、表示体および屈折率体を保護することができる。
【0051】
本発明の請求項16記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源と、上記表示体の前面に設けられている、屈折率が1より大きい透光性基板からなる屈折率体と、上記光源とは表示体を挟んで対向する位置に配置され、上記屈折率体の一辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、上記光源からの光を、反射によって表示体および屈折率体側へ照射する反射手段と、上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えていることを特徴としている。
【0052】
上記請求項16記載の構成によれば、接続手段によって屈折率体を傾斜させることにより、表示体の表示面と屈折率体との間に前記請求項1における空間部と同様の断面を有する空間部が形成される。また、この屈折率体の傾斜状態は支持手段によって支持される。さらに、反射手段によって、光源からの光を反射して形成された空間部に対して照射することができる。
【0053】
その結果、上記構成の照明手段は、前記請求項1の照明手段と同様の照明を表示体に対して行うことができる。しかも、表示体を使用しない場合は、屈折率体を傾斜状態からもとの状態へ戻すことによって、平板状のまま表示体の前面に設置しておくことができる。したがって、上記構成では、必要に応じて、照明手段における空間部を適宜形成することができる。そのため、上記照明手段を備える表示体では、表示体を照明することに加えて、上記空間部による表示体の厚さの増大を抑制することができる。
【0054】
本発明の請求項17記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項16記載の構成に加えて、上記屈折率体が、表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなっている第1屈折率部と、上記光源近傍に位置する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっているとともに、上記第2屈折率部が、光源からの光を反射して、第1屈折率部および表示体側へ照射する反射手段であり、かつ、該第2屈折率部が傾斜することにより、第1屈折率部を傾斜した状態で支持する支持手段であることを特徴としている。
【0055】
上記請求項17記載の構成によれば、上記第2屈折率部が支持手段および反射手段として機能するため、上記空間部を形成するための構成は、屈折率体1つのみでよい。それゆえ、照明手段の構成を簡素化することができるとともに、照明手段全体をコンパクトなものにすることができる。
【0056】
本発明の請求項18記載の照明手段は、上記の課題を解決するために、上記請求項17記載の構成に加えて、上記第2屈折率部を所定の傾斜状態に固定する固定手段を備えていることを特徴としている。
【0057】
上記請求項18記載の構成によれば、上記固定手段により、上記第2屈折率部によって第1屈折率部の傾斜が支持される際に、上記接続部が、光源の中心部と表示体における光源側の端部との中間点よりも表示体側となる位置とすることができる。そのため、光源から観察者へ直接照射される光の発生を抑制することができる。したがって、光源からの光の利用効率を上昇させるとともに、液晶表示素子の表示品位を向上させることができる。
【0058】
また、第1屈折率部を傾斜させて空間部を形成した際に、該空間部における光源側から連続的に厚さが減少していく側の方向を第1方向とすると、第1屈折率部が傾斜しているために、表示体の第1方向の長さに対して第1屈折率部の第1方向の長さが不足するおそれがある。しかしながら、上記固定手段は、第2屈折率部の傾斜状態を適宜変化させることも可能であるため、固定手段の位置を変化させることによって、上記長さの不足を補うことができる。
【0059】
さらに、必要であれば、固定手段の固定位置を移動させることにより、第2屈折率部の傾斜状態を変化させて、第1屈折率部の傾斜角、すなわち、上記空間部の頂角を十分大きくすることもできる。
【0060】
本発明の請求項19記載の液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記請求項1から18の何れか1項に記載の照明手段と、反射型液晶表示素子とを備えていることを特徴としている。
【0061】
上記請求項19記載の構成によれば、上記照明手段を備えることにより、反射型液晶表示素子は、周囲光が少ない場合でも明るい表示が可能となる。そのため、周辺環境にほとんど依存することがない反射型液晶表示装置を得ることができる。
【0062】
本発明の請求項20記載の液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上記請求項19記載の構成に加えて、上記反射型液晶表示素子が、上記空間部に接する側の表面上に偏光板を1枚のみ備えていることを特徴としている。
【0063】
上記請求項20記載の構成によれば、通常、偏光板を利用する反射型液晶表示装置では、視差の影響を回避する点、および表示を明るくする点から、反射板を1枚のみ使用した表示方式が有効である。この場合、偏光板を液晶表示素子上の屈折率体の上に配置すると、周囲光を用いる場合は問題ないが、照明手段における光源からの光を偏光する手段がなく、液晶層によるスイッチングが原理上不可能となる。
【0064】
そこで、光源からの光を偏光させる手段が必要となるが、仮に、光源を配置する位置に偏光板を配置すると、新たに、光源からの光の反射による偏光解消や該光の入射角による偏光状態の変化などの問題が生じる。
【0065】
しかしながら、反射型液晶表示素子における表示面上に偏光板を配置することによって、周囲光を利用した場合と同様のスイッチングを行うことができる。また、上記偏光板を配置するために余分な部材を必要としないため、製造コストの上昇や製造方法の煩雑化を抑制することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0067】
本実施の形態においては、周囲光を利用した表示体の例として、反射型液晶表示装置について言及し、本発明にかかる照明手段は、この反射型液晶表示装置に備えられているものであるとする。
【0068】
つまり、本実施の形態における反射型液晶表示装置1は、図2に示すように、反射型液晶表示素子(以下、特に限定のない限り、反射型液晶表示素子は、単に液晶表示素子と略する)2と、照明装置(照明手段)3を備えている。
【0069】
まず、上記反射型液晶表示装置1の構成について説明する。
上記液晶表示素子2は、対向する一対の透光性基板11a・11bの間に液晶層14を封入してなっている。上記透光性基板11a・11bにおけるそれぞれの対向面には、少なくとも透明電極層12および配向膜13が、この順で形成されている。
【0070】
さらに、上記液晶表示素子2における照明装置3に接する側の透光性基板11aと該照明装置3との間に偏光板16が介在している。一方、照明装置3と接しない側の透光性基板11bにおいて、該透光性基板11bにおける透光性基板11aとの対向面の反対側となる面、すなわち、反射型液晶表示装置1において、表示体である液晶表示素子2の表示面とは反対側となる面には、偏光板16と同一の図示しない偏光板をその表面に備えている反射板15が備えられている。
【0071】
なお、以下の発明の実施の形態における表示体の説明においては、該表示体の前面である表示面の形成されている側の面、すなわち、照明手段が配置されている側の面を表示面と称する。同様に、表示体において、該表示体の表示面とは反対側となる面、すなわち、照明手段が配置されていない側の面を背面と称する。
【0072】
つまり、上記液晶表示素子2においては、照明装置3と接する側である表示面には、偏光板16が備えられており、照明装置3と接しない側である背面には、図示しない偏光板を備える反射板15が備えられている。したがって、液晶層14は、一対の偏光板の間に存在していることになる。
【0073】
上記透光性基板11a・11bとしては、たとえば、ガラス基板(コーニング社製:商品番号7059)が用いられる。上記透明電極層12としては、たとえば、ITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。上記配向膜13としては、たとえば、高分子膜(日本合成ゴム社製:商品名AL−4552)が用いられ、スピンコーターにより透明電極層12上に形成される。
【0074】
上記透光性基板11a・11bの間には、図示しないスペーサが予め散布されており、このスペーサの散布の後に、液晶層14が封入される。上記スペーサは、対向する上記透光性基板11a・11bの間に形成される空隙部(セル)の間隙を均一にするために用いられている。このスペーサとしては、たとえば、粒径4.5μmのガラスビーズが用いられる。
【0075】
上記液晶層14は、透光性基板11a・11bの間に上記スペーサが散布され、図示しない接着剤にて該透光性基板11a・11bが貼り合わせられて、空隙部が形成された後に、真空脱気によって液晶材が導入されて形成される。上記液晶材としては、たとえば、メルク社製:商品名ZLI−3926(複屈折Δn=0.2030)が用いられる。
【0076】
上記反射板15は、液晶層14が形成された後に、透光性基板11bの背面にエポキシ系の接着剤により接着される。この反射板15としては、たとえば、ヘアーライン加工を施したアルミニウム製の反射板が用いられる。また、上記偏光板16は、図示しないが、液晶層14の液晶分子における配向方向と45°の角度をなすように偏光軸を設定しており、透光性基板11aの表示面側に備えられている。
【0077】
ここで、本実施の形態において、液晶表示素子2の反射板15の設置位置については、図2に示すように、透光性基板11bの背面に限定されるものではない。たとえば、図3に示すように、上記反射板15に相当する反射電極15aと液晶層14とを隣接させる、すなわち、液晶層14の背面側に反射電極15aが配置されるような構成を有する液晶表示素子2aであってもよい。
【0078】
この液晶表示素子2aの構成について詳しく説明すると、上記液晶表示素子2と同様に、対向する一対の透光性基板11a・11bの間に液晶層14を封入してなっている。上記透光性基板11aは、照明装置3側に配置されている。この透光性基板11aの透光性基板11bへの対向面には、少なくとも透明電極層12および配向膜13が、この順で形成されている。また、この透光性基板11aには、該照明装置3と透光性基板11aとの間に偏光板16が1枚のみ介在している。
【0079】
一方、照明装置3と接しない側の透光性基板11bにおける透光性基板11aへの対抗面には、上記透明電極層12と反射板15との機能を兼ねる反射電極15aが形成され、その上層に配向膜13が形成されている。
【0080】
上記構成の液晶表示素子2aでは、後述する空間部22に接する側の表面上に偏光板16を1枚のみ備えていることから、次のような利点がある。
【0081】
通常、偏光板を利用する反射型液晶表示装置では、視差の影響を回避する点、および表示を明るくする点から、偏光板を1枚のみ使用した表示方式が有効である。ところが、上記の構成では、偏光板を液晶表示素子上の屈折率体の上に配置すると、周囲光を用いる場合は問題ないが、照明手段における光源からの光を偏光する手段がなく、液晶層による光のスイッチングが原理上不可能となる。
【0082】
そこで、上記のような液晶表示素子では、光源からの光を偏光させる手段が必要となる。しかしながら、仮に、光源を配置する位置に偏光板を配置すると、新たに、光源からの光の反射による偏光解消や、光源からの光の入射角による偏光状態の変化などが発生するという不都合が生じる。
【0083】
しかしながら、上記液晶表示素子2aのように、光源からの光が入射する側の面(液晶表示素子2aの表示面)上に偏光板16を配置することによって、周囲光を利用した場合と同様のスイッチングを行うことができる。また、液晶表示素子2aは、偏光板16を配置するために余分な部材を必要としないため、製造コストの上昇や製造方法の煩雑化を抑制することができる。
【0084】
なお、反射板(あるいは反射電極)と液晶層とを隣接して形成する手法については、特開平6−27481号公報に詳細に記載されているため、本実施の形態ではその説明を省略する。
【0085】
上記照明装置3は、屈折率体21、光源23および反射板としてのリフレクタ24を備えている。この照明装置3には、屈折率体21、光源23、および表示体(液晶表示素子2)とで囲まれた空間部22が形成されている。上記光源23としては、筒状のライトが用いられている。上記リフレクタ24は、この光源23からの光を反射して一方向に照射できるように、該光源23を覆うようにして形成されている。なお、この光源23を覆う領域を領域24aとする。
【0086】
上記屈折率体21は、液晶表示素子2の表示面に対して傾斜した状態で配置されている。具体的には、図2に示すような構造では、透光性基板である屈折率体21は、長方形または正方形状の形状を有しており、一方の辺が、リフレクタ24の上端に接している。そして、この辺に対向する側の辺は、液晶表示素子2の表示面に接している。
【0087】
また、上記リフレクタ24は、その上端が屈折率体21の一方の辺と接しているとともに、下端が液晶表示素子2の表示面と接している。それゆえ、屈折率体21、液晶表示素子2、およびリフレクタ24に覆われている光源23によって、断面積が略3角形状となった空間部22が形成される。
【0088】
上記屈折率体21は、空間部22との接触面(以下、界面とする)において、光が界面反射できるように屈折率が1よりも大きい材質からなっている必要がある。ここで、上記屈折率体21の屈折率は1.4以上1.6以下の範囲内であることが好ましい。これは、屈折率体21の屈折率がこの範囲内であれば、光源23からの光における可視光領域の吸収を少なくすることができるとともに、屈折率体21における光の吸収の波長依存性を小さくすることができるためである。
【0089】
この屈折率体21としては、たとえば、透光性基板11a・11bと同様にガラス基板(コーニング社製:商品番号7059)が用いられる。なお、屈折率体21の材質は、透光性を有しており、かつ屈折率が1より大きい材質であればよく、上記ガラス基板のみに限定されるものではない。たとえば、屈折率体21としては、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル樹脂などの材質からなる透光性基板を用いてもよい。
【0090】
上記空間部22は、屈折率体21、光源23、および表示体である液晶表示素子2とによって囲まれた領域である。そして、屈折率体21は、上述したように、光源23側(リフレクタ24側)の辺を上方となるように、液晶表示素子2の表示面に対して傾斜している。それゆえ、空間部22の断面の形状は、略3角形状の断面、換言すれば、一方の側面から他方の側面に向かって厚さが連続的に変化する断面となっている。
【0091】
図2に示すような場合では、空間部22は、光源23側の側面から、その厚さが連続的に減少するような略3角形のくさび型状の断面となっている。なお、空間部22の断面は、上記くさび型状に限定されるものではなく、一方の側面から他方の側面に向かって厚さが連続的に変化していればよい。たとえば、光源23側の側面を下底とし、光源23とは反対側の側面を上底とするような台形状の断面であってもよい。
【0092】
上記空間部22は、屈折率体21、光源23、および液晶表示素子2とによって囲まれた領域であるため、光源23を覆うリフレクタ24によって囲まれた領域24aと隣接している。このとき、この領域24aと空間部22とは、連続した一つの空間部となっていることが好ましい。つまり、空間部22は、上記領域24aを含んでいることが好ましい。
【0093】
これは、上記空間部22と領域24aとの間に屈折率差がない、すなわち界面が生じないことが好ましいためである。この界面が生じなければ、該界面における光の反射などによる光源23からの光のロスを抑制し、光の利用効率を上昇することができる。
【0094】
また、上記領域24aを含む空間部22は空気層であるため、該空間部22に特別な媒体を充填する従来の照明手段よりも、上記屈折率体21と空間部22との屈折率差を最も大きくすることができる。また、上記空間部22と領域24aとに特別な媒質を充填する必要がないということは、照明装置3の製造工程を簡素化することができるとともに、製造コストも低減することができる。
【0095】
上記光源23は、空間部22を介して表示体(液晶表示素子2)の表示面全体が見渡される位置に設置されていることが好ましい。これは、光源23からの光を表示面全体に行き渡らせ、表示体上に照射される光が不均一となることをより効果的に抑制するためである。また、上記の位置に光源23が配置されていれば、光源23からの光が直接液晶表示素子2の表示面全体に照射されるため、後述するように、より表示体の表示を明るくすることもできる。
【0096】
次に、上記反射型液晶表示装置1の備える照明装置3が表示体である液晶表示素子2を照明する方法について説明する。
上記反射型液晶表示装置1では、図1に示すように、リフレクタ24で覆われている領域24a中に配置されている光源23から空間部22に入射光31が入射する。この入射光31は、空気層である空間部22を透過して、該空間部22とガラス基板である屈折率体21との界面30に達する。
【0097】
この界面30では、屈折率体21の屈折率が1より大きく、かつ、該屈折率体21よりも空間部22の屈折率の方が小さくなっている。そのため、図4(a)に示すように、入射光31が、界面30によって反射する成分(以下、反射光とする)32と界面30を透過する成分(以下、透過光とする)33とに分解される。
【0098】
ここで、空間部22は、上述したように、くさび型状や台形状の断面を有している。そのため、反射光32は、図1に示すように、断面の厚さが連続的に小さくなっていく側の液晶表示素子2の表示面に照射される。したがって、反射光32は、液晶表示素子2の表示面(本実施の形態では、偏光板16)と、屈折率体21の界面30との間で反射を繰り返して、光源23とは反対側の側面に向かって空間部22中を伝搬する(図1では、伝搬光34として示す)。
【0099】
また、空間部22中を伝搬している伝搬光34が、液晶表示素子2の表示面にて反射される際に、該液晶表示素子2の表示面から液晶層14に入射する成分である液晶入射光35が発生する。
【0100】
この液晶入射光35は、液晶表示素子2における反射板15で反射されて液晶層14を透過した後、出力光36となる。この出力光36は、液晶表示素子2の表示面を透過した後、照明装置3も透過して観察者37に達する。すなわち、出力光36は反射型液晶表示装置1の表示に用いられる光として機能する。
【0101】
さらに、光源23は、液晶表示素子2の表示面全体を見渡すことのできる位置に配置されているため、光源23からの光は、屈折率体21および空間部22全体に照射することが可能である。したがって、本実施の形態の照明装置3では、伝搬光34による照明と光源23からの入射光31による直接の照明とによって、液晶表示素子2の表示面に対する二重の照明がなされている。それゆえ、液晶表示素子2に対してより均一かつより明るい照明が可能となる。
【0102】
加えて、上記界面30を透過した透過光33は、そのまま液晶表示素子2の表示面と略平行の方向に直進するため、観察者37へ到達することがない。それゆえ、透過光33によって、反射型液晶表示装置1の表示に悪影響が及ぼされることはなく、表示品位の劣化が生じることがない。
【0103】
ところで、通常、空気とガラスとの界面などといった、異なる屈折率を有する媒体間の界面に入射する入射光において、その透過率Tおよび反射率Rは、次の式(1)ないし式(4)で表される。なお、入射光は屈折率nの媒質Aから屈折率nの媒質Bへ入射するものとし、上記媒質A・B間の界面における入射角をθ、界面からの出射角をθとする。また、添字のp、sは、反射光または透過光の偏光を示し、pは、入射面(光の入射する界面の法線と光の進行方向とにより決定される面)に平行な成分についてであり、sは垂直な成分についてである。
【0104】
まず、θ≠0°のときは、
=sin2θ・sin2θ/{sin(θ+θ)・cos(θ−θ)}
=sin2θ・sin2θ/sin(θ+θ
T=(T+T)/2 …(1)
={tan(θ−θ)}/{tan(θ+θ)}
={sin(θ−θ)}/{sin(θ+θ)}
R=(R+R)/2 …(2)
となる。
【0105】
一方、θ=0°のときは、
R={(n−1)/(n+1)} …(3)
T=4n/(n+1) …(4)
ここで、n=n/n
となる。
【0106】
上記の式(1)ないし式(4)を図4(a)に示すような、本実施の形態の照明装置3における界面30での入射光31に当てはめて、透過率Tと反射率Rとをシュミレートする。その結果、図4(b)に示すように、入射光31がどの入射角であっても、上記界面30では、入射光31は反射され、界面反射成分としての反射光32が発生している。なお、図4(a)において、pは、上述した通り、入射面に平行な成分についてであり、sは垂直な成分についてである。また、iは上記入射面を示し、nは、入射光31が界面30に達した点における法線を示す。
【0107】
特に、入射光31の入射角が40°以上となる場合は、図4(b)に示すように、反射光32の発生は急激に上昇している。たとえば、入射角が80°の場合では、60%の入射光31が反射することになる。それゆえ、本実施の形態の照明装置3では、上記界面30において、入射光31を反射光32と透過光33とに分離する際に、反射光32の光量を多くすることができる。
【0108】
このように、上記照明装置3では、上記界面30において、光源23からの入射光31の大部分を反射光32とすることによって、最終的に表示に用いられる出力光36の光量を増大させることができる。しかも、光源23は、上述したように、空間部22を介して液晶表示素子2の表示面全体が見渡される位置に設置されているため、光源23からの入射光31は、液晶表示素子2の表示面に対して直接照射される。
【0109】
したがって、上記照明装置3では、光源23から直接液晶表示素子2の表示面に到達する入射光31と、該入射光31のうち界面30に到達して反射された反射光32から生ずる伝搬光34とによって、2重に表示面が照明されることになる。それゆえ、照明装置3は、高い利用効率で、光源23からの光を表示体である液晶表示素子2の表示面全体に照明することができる。
【0110】
そのため、本実施の形態の反射型液晶表示装置1では、液晶表示素子2への周囲光が不足している場合に、液晶表示素子2の表示に悪影響を及ぼすことなく、光源23からの光を液晶表示素子2上に導くことができる。したがって、上記照明手段3を用いれば、周辺環境による依存性の少ない明るい表示を行うことのできる反射型液晶表示装置1を得ることができる。
【0111】
ここで、上記空間部22の断面は、くさび型状または台形状となっているが、このくさび型状の断面における頂角、または、台形状の断面を該台形の上底で止まっている側辺を延長してくさび型状とした際の頂角は、上記屈折率体21における液晶表示素子2の表示面に対する傾斜角と同じ大きさとなる。このとき、上記空間部22の頂角、すなわち屈折率体21の傾斜角の範囲としては、50°以下であることが好ましく、10°未満であることがより好ましい。
【0112】
これは、次の理由による。つまり、上記照明装置3において、光源23から空間部22へ入射する光が、屈折率体21の界面30に達したとする。このときに、図5に示すように、上記光源23からの光の広がりの角度をδとし、上記頂角(傾斜角)をαとすると、界面30への入射光31の入射角θは、次式(5)によって表される。
【0113】
θ=90°−α±δ …(5)
上記界面30では、入射角θが約40°から反射光32が増加する。その結果、上記頂角αは50°以下であれば、光源23からの入射光31をより多く反射することができる。また、図4(b)に示すように、上記界面30では、上記式(5)における入射角θが80°付近から、50%以上の高い反射率を示すことになる。その結果、上記頂角αは10°未満であれば、光源23からの入射光31をより一層多く反射することができる。
【0114】
さらに、上記屈折率体21の傾斜角αは、次式(6)で表される範囲内であることが好ましい。つまり、上記空間部22の断面において、図5に示すように、傾斜している屈折率体21の表示体(液晶表示素子2)側表面(界面30)と一致する第1線と、屈折率体21の上方側となる辺と一致する点Aを通り、液晶表示素子2の表示面と垂直に交差する第2線と、屈折率体21の下方側となる辺と一致する点Bを通り、液晶表示素子2の表示面と平行となる第3線とで形成される3角形ABCに対して、次式、
h=L・tan α≦3mm …(6)
L:第3線BCの長さ
h:第2線ACの長さ
α:屈折率体21の傾斜角(第1線と第3線とで形成される角度)
が成立することが好ましい。なお、上記点Cは第2線と第3線との交点である。
【0115】
上記式(6)について説明する。本実施の形態では、表示体として液晶表示素子2を用いて、反射型液晶表示装置1を構成している。通常、反射型液晶表示装置ではバックライトを用いないため、透過型液晶表示装置よりも薄型化が可能であるという利点を有している。
【0116】
ここで、上記バックライトは約3mm程度の厚さを有している。そのため、上記空間部22の断面における厚さの大きい側の側面(光源23側の側面)の厚さである上記第2線の長さhを3mm以下とする。すなわち、上記空間部22が、上記3角形ABCとなる断面を有する場合、上記第3線は底辺となり、第1線は斜辺となる。このとき傾斜角αは、上記式(6)が成立する範囲内、つまり、第2線である光源23側の側面の長さが3mm以下となるような範囲内であればよい。
【0117】
これによって、上記照明装置3を反射型液晶表示装置1に備える場合に、反射型液晶表示装置1の薄型化を抑制することがない。したがって、光源23からの光をより一層多く反射するとともに、より薄型化が可能である照明装置3を実現することができる。
【0118】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置1は、上記構成を有する照明装置3を備えているため、周囲光が不足しているような状態であっても、液晶表示素子2の表示に悪影響を及ぼすことなく、光源23からの光を液晶表示素子2上に導くことができる。しかも、上記反射型液晶表示装置1では、通常の透過型液晶表示装置と比較しても、次のような利点を有する。
【0119】
つまり、図6(a)に示すように、通常の透過型液晶表示装置やCRT(Cathode Ray Tube)表示装置、プラズマ表示装置(PDP)などの自発光型の表示装置におけるディスプレイ41からの出力光42は、周辺環境からの周囲光43と進行方向が逆になる。それゆえ、上記各表示装置においては、最終的に観察者37に到達する到達光44は、上記出力光42と周囲光43との差分となる。
【0120】
これに対して、図6(b)に示すように、本実施の形態の反射型液晶表示装置1では、上記照明装置3を備えているため、該照明装置3からの出力光52と周囲光53とが、液晶表示素子2の表示面によって反射される。それゆえ、観察者37に到達する到達光54は、出力光52と周囲光53との和となる。したがって、上記照明装置3を備える反射型液晶表示装置1では、周囲が暗い場所だけでなく、周囲が明るい場所であっても、明るい表示面を実現することが可能となっている。
【0121】
なお、本実施の形態では、反射型液晶表示装置1に用いられる液晶表示素子2としては特に限定されるものではなく、最も単純な構成である1ドットの液晶表示素子や、単純マトリクス型の液晶表示素子、アクティブマトリクス型の液晶表示素子などであってもよい。すなわち、反射型液晶表示素子であれば、上記照明装置3を設置することによって、周囲の光量に左右されない明るい表示面を実現できる高表示品位の反射型液晶表示装置を提供することができる。
【0122】
また、液晶表示素子2の表示モードについても特に限定されるものではなく、本実施の形態のように、液晶層14を挟持するように一対の偏光板が配置されている(偏光板16および反射板15に備えられている偏光板)ツイステッドネマティック(TN)表示モードであってもよく、2色性色素を用いるゲスト・ホスト(GH)表示モードや、偏光板を1枚のみ使用した複屈折(ECB)表示モード(単偏光板モード)であってもよい。
【0123】
さらに、上記照明装置3は、反射型液晶表示装置1から取外し可能となっていてもよい。また、取外した照明装置3は、他の表示体、たとえば、照明手段を備えていない従来の反射型液晶表示装置に適用することもできる。
【0124】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について、図7ないし図11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態1において説明した構成と同様の機能を有する構成については、説明の便宜上、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、これによって本発明が限定されるものではない。
【0125】
本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様に、周囲光を利用した表示体の例として、反射型液晶表示装置について言及する。本発明にかかる照明手段は、この反射型液晶表示装置に備えられている。さらに、本実施の形態では、上記照明手段が、反射型液晶表示装置を薄型化する構成と、光の利用効率を向上させる構成とを備えているものとなっている。
【0126】
本実施の形態における反射型液晶表示装置1aでは、図7および図8に示すように、表示体として、前記実施の形態1における液晶表示素子2aを用いている。この反射型液晶表示装置1aでは、照明装置3aが備えているリフレクタ(反射板)24を含む光源23が、空間部22の断面における厚さの大きい側の側面、すなわち、光源23が接している側の側面の厚さよりも大きいとする。
【0127】
この場合、図8に示すように、上記照明装置3aにおいて、光源23を、表示体である液晶表示素子2aの外側となる位置に配置する。すなわち、光源23は、空間部22の側面と液晶表示素子2aの側面とで形成される一つの側面に接して配置される。リフレクタ24を含む光源23の上端は、屈折率体21に接している。一方、光源23の下端は、液晶表示素子2aの透光性基板11bの側面に接している。光源23をこの位置に配置することによって、照明装置3aを備える反射型液晶表示装置1aの厚さが増大することは回避できる。
【0128】
ところが、この図8に示すような構成を有する照明装置3aでは、光源23からの光が液晶表示素子2aの側面から直接入射する。この液晶表示素子2aの側面へ直接入射した側面入射光38は、表示面上の複数の画素を横切って進行する迷光39aとなり、液晶表示装置の表示品位を著しく低下させる。
【0129】
特に、上記液晶表示素子2aのような偏光板16を1枚のみしか備えていない単偏光板型の液晶表示素子や偏光板16を使用しない液晶表示素子では、上記の迷光39aの発生が顕著であることを、本発明者らは実験的に確認している。
【0130】
さらに、図8に示す液晶表示素子2aでは、反射板15の背面に透光性基板11bが配置されているので、この透光性基板11bを伝搬する基板伝搬光39bは、液晶表示素子2aを照明することに全く用いられることがない。したがって、照明装置3aの光の利用効率を低下させることにもなる。
【0131】
そこで、照明装置3aにおいて、液晶表示素子2aの側面部と接する面に、図7に示すように、遮光手段としての遮光部28を形成する。この遮光部28は、光源23からの光が液晶表示素子2aの側面から入射することを防止する。そのため、上記迷光39aおよび基板伝搬光39bの発生を防止し、光源23からの全ての光を空間部22に入射させることができる。このとき、遮光部28が光反射機能を有していることが好ましい。これによって、光源23から遮光部28に照射された光が反射されて、リフレクタ24内からリフレクタ24で囲まれる領域24aを介して、空間部22へと照射することができる。
【0132】
光源23から空間部22へ入射した入射光31は、屈折率体21と空間部22の界面30において、前記実施の形態1で説明したように、反射光32と透過光33とに分解される。この反射光32が伝搬光となって、液晶入射光35として、液晶表示素子2aに入射する。そして、液晶入射光35は、反射電極15aで反射されて、出力光36となり観察者37に達することになる。
【0133】
このように、照明装置3aに対して、液晶表示素子2aの側面と接する部分に遮光部28を形成することで、液晶表示素子2aにおける上記迷光39aの発生を防止できるとともに、光源23からの光の利用効率を上昇させることができる。
【0134】
さらに、上記照明装置3aでは、反射型液晶表示装置1aにおいて、液晶表示素子2aの外側となる領域に、リフレクタ24を含む光源23が形成されている。そのため、リフレクタ24を含む光源23が、空間部22の側面よりも大きい場合でも、反射型液晶表示装置1aの厚さを増大させることがなく、より薄型化された反射型液晶表示装置1aを実現することができる。
【0135】
また、上記遮光手段を備える照明装置としては、図9(a)または図10(a)に示すように、筒状となって光源23を覆うリフレクタ24bを備える照明装置3bであってもよい。この場合、リフレクタ24bが遮光手段となる。このリフレクタ24bは、空間部22の側面に接する領域のみに光を照射するための間隙を設けている。そのため、光源23からの光はこのリフレクタ24bによって、空間部22にのみ入射することになる。
【0136】
なお、照明装置3bが上記のような構成を有している場合、筒状のリフレクタ24bで囲まれる領域24a内において、光源23の配置される位置としては、図9(a)に示すような、その上端が屈折率体21の観察者側表面よりも上方となっている構成よりも、図10(a)に示すように、その上端が屈折率体21の観察者側表面よりも下方となっている構成のほうが好ましい。
【0137】
つまり、光源23を図9(a)に示すような位置に設けることによって、照明装置3bを備える反射型液晶表示装置1aの厚さを薄型化することができるとともに、液晶表示素子2aへ照明される光が全体的に均一にすることができる。
【0138】
たとえば、図9(a)に示すように、光源23の上端が屈折率体21の観察者側表面よりも上方にある場合、光源23から直接、液晶表示素子2aを照明する光は、図9(b)に示すように、液晶表示素子2aの光源23近傍領域を極端に明るく(図9(b)において矢印Aで示す領域)照明することになる。一方、光源23から離れた領域(図9(b)において矢印Bで示す領域)は暗く照明されることになる。このため、反射型液晶表示装置1として、表示面全体に均一に光を照明することができなくなる。
【0139】
これに対して、図10(a)に示すように、光源23の上端が屈折率体21の観察者側表面よりも下方となる位置にあると、図10(b)に示すように、光源23からの光を反射型液晶表示装置1aの表示面全体により均一に照明することができる。
【0140】
しかも、リフレクタ24bを含む光源23が、図10(a)に示すような位置に形成されておれば、リフレクタ24bの上端が屈折率体21の観察者側表面よりも下方となる。そのため、反射型液晶表示装置1aとしての厚さを増大させることを回避することができる。したがって、より反射型液晶表示装置1aを薄型化することができる。
【0141】
さらに、照明装置3bにおいて、上記領域24a内において、リフレクタ24bを含む光源23の配置される位置としては、図11に示すように、光源23の上端が、表示体である液晶表示素子2aの表示面よりも下方となることが好ましい。
【0142】
上記光源23の上端が液晶表示素子2aの表示面よりも上方となっていると、屈折率体21の光源23側の側面から入射する入射光31によって、透光性基板である屈折率体21中を伝搬する基板伝搬光39cの発生が顕著になる(図11に例示)。この基板伝搬光39cは、表示面の照明に関与しないうえに、表示面における表示に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0143】
これに対して、上記光源23が図11に示すような位置に配置されることによって、入射光31が屈折率体21の光源23側の側面に入射することを抑制することができる。そのため、図11に示されている基板伝搬光39cの発生を大幅に減少させることができる。それゆえ、液晶表示素子2aの表示面をより均一に照明することができるとともに、光源23からの光の利用効率をより一層向上することができる。
【0144】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置1aは、光源23からの光の利用効率を向上させるとともに、反射型液晶表示装置1aを薄型化する構成を備えている。そのため、周囲光が不足しているような状態であっても、液晶表示素子2aの表示に悪影響を及ぼすことなく、光源23からの光を液晶表示素子2a上に導くことができ、かつ、反射型液晶表示装置1aをより薄型化して携帯し易くするなどの効果を得ることができる。
【0145】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の他の形態について、図12ないし図15に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態1において説明した構成と同様の機能を有する構成については、説明の便宜上、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、これによって本発明が限定されるものではない。
【0146】
本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様に、周囲光を利用した表示体の例として、反射型液晶表示装置について言及する。本発明にかかる照明手段は、この反射型液晶表示装置に備えられている。本実施の形態では、さらに、上記構成に加えて、照明手段に対して様々の機能を別途付加している構成である。
【0147】
前記実施の形態1における照明装置3や、実施の形態2における照明装置3a・3bでは、屈折率体21であるガラス基板において、空間部22側との接触面、すなわち、界面30で生ずる光の反射を照明に利用している。これに対して、観察者側の表面は照明に関与していない。それゆえ、この観察者側の表面には、様々な機能を付加することが可能である。なお、この場合、付加される機能は、反射型液晶表示装置1または反射型液晶表示装置1aの表示面に極端な悪影響を与えないことが前提である。
【0148】
まず、照明手段に対して、入力機能を入力手段として付加する場合について説明する。
本実施の形態における入力機能を付加した反射型液晶表示装置4aは、前記実施の形態1における反射型液晶表示装置1aと同様に、表示体である液晶表示素子2aの前面に、照明手段としての照明装置3cが配置されている構成であり、さらに、入力手段としてペン入力装置5を別途付加している構成である。
【0149】
なお、入力手段としては、上記ペン入力装置5に限定されるものではない。しかしながら、一般に、携帯情報端末においては、操作性および携帯性の観点から入力手段としてペン入力が用いられることが多いため、本実施の形態ではペン入力装置5を備える反射型液晶表示装置4aについて説明する。
【0150】
上記反射型液晶表示装置4aは、図12に示すように、その基本構成については、前記実施の形態1において、反射電極15aと液晶層14とが隣接している液晶表示素子2aを備えている反射型液晶表示装置1aと同一である。すなわち、反射型液晶表示装置4aは、液晶表示素子2aと、照明装置(照明手段)3cとを備えている構成を有している。
【0151】
このような基本構成に対して、図13に示すように、照明装置3cにおける屈折率体25上に、ペン入力装置5(タッチパネル機能を有する入力装置)を形成する。このペン入力装置5は、屈折率体25とこれに対向するプラスティック板55からなっている。上記プラスティック板55上には、図15(a)に示すように、複数の信号検出用配線56…が形成されている。一方、上記屈折率体25における上記プラスティック板55の対抗面上には、上記信号検出用配線56…と互いに直交してマトリクスを形成するような位置に、複数の信号検出用配線57…が形成されている。
【0152】
上記信号検出用配線56・57は透明な導電膜、たとえば、ITOからなっている。また、上記プラスティック板55も透明なプラスティックからなっており、本実施の形態では厚さが約0.5mmとなっている。このプラスティック板55を屈折率体25上に貼り合わせる際には、プラスティック板55と屈折率体25との間に、図13に示すように、一定の空隙55aを設け、それぞれの対抗面上に形成されている信号検出用配線56・57が接触しないようにする。上記空隙55aの間隔は、たとえば、約50μm程度である。
【0153】
このような構成を有するペン入力装置5に対して、その表面をペンなどで押さえると、図15(b)に示すように、プラスティック板55上に形成されている信号検出用配線56と屈折率体25上に形成されている信号検出用配線57とが互いに接触し接触点58となる。
【0154】
したがって、プラスティック板55の観察者側表面上でペンを動かすことにより、プラスティック板55と屈折率体25との対抗面上にそれぞれ形成されている信号検出用配線56・57が互いに接触して上記接触点58が次々と形成されていく。このとき、たとえば、図15(b)に示すように、信号検出用配線56をY軸座標検出用の配線とし、信号検出用配線57をX軸座標検出用の配線とすると、上記信号検出用配線56・57をそれぞれ信号走査することにより、接触点58のX座標およびY座標を検出することが可能となる。
【0155】
ここで、上記ペン入力装置5では、上述したように、座標検出用の配線である信号検出用配線56・57が透明電極からなっているとともに、屈折率体25上に貼り合わせられているプラスティック板55が透明な素材からなっている。それゆえ、上記ペン入力装置5を照明装置3c上に設けても、該照明装置3cの動作を妨げることなく、また液晶表示素子2aの表示面に悪影響を与えることなく入力機能を付加することが可能となる。
【0156】
なお、上記ペン入力装置5は、タッチパネル方式であるが、このタッチパネルの手法については、上述した手法に限定されるものではない。たとえば、上記座標の検出方法としては、容量を検出する方法などを用いてもよい。
【0157】
次に、照明手段に対して、表示体(本実施の形態の場合、液晶表示素子2a)の保護機能を付加する場合について説明する。
本実施の形態における表示体の保護機能を付加した反射型液晶表示装置4bは、上記反射型液晶表示装置4aと同様に、表示体である液晶表示素子2aの前面に、照明手段としての照明装置3dが配置されている構成であり、さらに、照明装置3dに表示体の保護機能として保護板が備えられている構成である。
【0158】
上記反射型液晶表示装置4bは、上記反射型液晶表示装置4aと同様に、その基本構成については、図12に示すように、前記反射型液晶表示装置1aと同一である。加えて、上記反射型液晶表示装置4bは、図14に示すように、前記実施の形態1では、照明装置3において屈折率体21として用いられているガラス基板に代えて、液晶表示素子2aを保護するために通常用いられている保護板26を屈折率体として用いている構成である。
【0159】
上記保護板26は、たとえば、自動車に搭載されている液晶表示装置やSSF−LC(Surface Stabilized Ferroelectoric−Liquid Crystal)のように、液晶表示装置のパネルの汚れを防止したり、液晶表示装置に対する衝撃を防止したりする目的で液晶表示装置に対して設けられているものである。この保護板26を屈折率体として用いられているガラス基板の代わりに用いる。
【0160】
この保護板26は、反射型液晶表示装置4bの表示面上に通常設けられているものであるため、表示面の表示に悪影響を及ぼすことがない。また、この保護板26の屈折率が1よりも大きければ屈折率体の代わりに用いることが十分可能である。このとき、上記反射型液晶表示装置4bでは、保護板26は前記屈折率体としての機能を兼ねているが、保護板26と屈折率体とをそれぞれ別の部材として設けてもかまわない。
【0161】
なお、この保護板26の観察者側表面に対して、図14に示すように、反射防止膜27を形成してもよい。これは、保護板26の観察者側表面、すなわち、保護板26と周囲の空気との界面にて発生する観察者側における光の表面反射を防止するためである。
【0162】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置4a・4bは、照明手段(照明装置3c・3d)の屈折率体(屈折率体25・保護板26)に対して、ペン入力装置5などの入力機能や、表示体である液晶表示素子2aの保護機能などを付加することによって、周辺環境に依存しない表示を可能とする反射型液晶表示装置4a・4bを実現するとともに、該反射型液晶表示装置4a・4bをさらに使いやすくすることができる。
【0163】
なお、本実施の形態では、付加される機能として、入力手段や液晶表示装置の保護手段などについて説明を行ったが、上記機能としては、反射型液晶表示装置の表示面や照明手段の照明効率などを著しく低下させることなしに付加できる機能であれば、特に限定されるものではない。また、付加される機能は、上述したように1つのみとは限らず、たとえば、入力機能と保護機能との両方を付加してもよい。
【0164】
〔実施の形態4〕
本発明の実施の他の形態について、図16ないし図19に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0165】
本実施の形態では、前記実施の形態1と同様に、周囲光を利用した表示体の例として、反射型液晶表示装置について言及する。ここで、本発明の照明手段は上記表示体に対する補助的な照明手段であるため、周辺環境が暗い場合には有効であるけれども、周辺環境が十分に明るい場合には必要ないだけでなく、上記反射型液晶表示装置の薄型化を損なうことになる。
【0166】
そこで、本実施の形態では、上記照明手段は、周辺環境が十分に明るい場合には、上記反射型液晶表示装置における薄型化の利点を損なうことがないような構成を有している。
【0167】
本実施の形態における反射型液晶表示装置6は、図16に示すように、装置本体61に、表示体である液晶表示素子62と照明手段としての照明装置63とが組み込まれ、さらに、反射型液晶表示装置6を覆う蓋部64が備えられている構成である。
【0168】
より詳しく説明すると、上記照明装置63は、光源68と、リフレクタ69と、表示体(液晶表示素子62)上の第1屈折率部67aおよび光源68上の第2屈折率部67bからなる屈折率体67と、拡散板60とを備えている。上記屈折率体67は、第1屈折率部67aと第2屈折率部67bとの間に接続部67cを備えている。また、屈折率体67における第2屈折率部67bと装置本体61とは、接続手段である可動/固定部65により接続されている。
【0169】
上記蓋部64は、屈折率体67と同様に可動/固定部65により装置本体61と接続されている。この蓋部64と屈折率体67とは、可動/固定部65により同様の軌跡を描くことができるとともに、それぞれ独立した動きをとることも可能となっている。この蓋部64は、液晶表示素子62や屈折率体67を保護する機能を有している。
【0170】
つまり、上記蓋部64は、可動/固定部65で屈折率体67と同様に装置本体61と可動できる状態で接続され、かつ、屈折率体67とは互いに独立して可動できるとともに、上記屈折率体67および液晶表示素子62を覆う位置に配置されていることになる。
【0171】
上記のような構成を有する反射型液晶表示装置6では、周辺環境が十分に明るく照明装置63を必要としない場合は、図17に示すように、蓋部64と屈折率体67とを一体として動かし、液晶表示素子62の前面から照明装置63をはね上げて移動させることができる。それゆえ、反射型液晶表示装置6における薄型化の阻害を回避することができる。
【0172】
これに対して、周辺環境が暗く、照明装置63による照明を必要とする場合には、図19に示すように、まず、屈折率体67と蓋部64とを別々にはね上げて移動させる。そして、図18に示すように、屈折率体67における接続部67cを可動させて、屈折率体67を次のように変形させる。
【0173】
上記接続部67cは当初は拡散板60の表面に密接した状態となっている。この接続部67cを可動させて、第1屈折率部67aと第2屈折率部67bとの接続部67c側の辺が拡散板60から離れた上方の位置となるように移動させる。この状態では、第1屈折率部67aおよび第2屈折率部67bの接続部67c側の辺は、他方の辺よりも上方となる位置に設定される。すなわち、第1屈折率部67aは、接続部67c側の辺が上方となり、反対側の辺が装置本体61に接するように傾斜する。一方、第2屈折率部67bも、接続部67c側の辺が可動/固定部65側の辺よりも上方となるように傾斜する。
【0174】
第1屈折率部67aが上述するように傾斜すると、該第1屈折率部67aと液晶表示素子62(図18では、拡散板60の表面も含む)との間にくさび型状の空間部66が形成される。また、拡散板60の上方で傾斜している第2屈折率部67bと拡散板60との間には、略3角形状の領域60aが形成されている。
【0175】
この第1屈折率部67aの傾斜状態は、上記可動/固定部65による固定と、第2屈折率部67bの傾斜状態とによって支持される。すなわち、上記可動/固定部65と第2屈折率部67bとは支持手段として機能する。なお、本実施の形態の照明装置63では、支持手段として別の構成が備えられていてもよい。
【0176】
上記第2屈折率部67bは、拡散板60により拡散される光源68からの光を空間部66側に照射できるように、光反射機能を備えている。それゆえ、リフレクタ69を含む光源68からの光は、拡散板60にて拡散されて第2屈折率部67bに到達し、この第2屈折率部67bの表面で反射され、空間部66側に入射する。したがって、上記領域60aと光源68を含むリフレクタ69に覆われた領域とは、前記実施の形態1の反射型液晶表示装置1における領域24aに相当することになる。
【0177】
そのため、本実施の形態における照明装置63は、この上記領域60aから空間部66に対して光が入射することによって、前記実施の形態1における照明装置3と同様の照明を液晶表示素子62に対して行うことができる。
【0178】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置6では、表示体を観察する際に、照明装置63が必要ない場合は、表示体である液晶表示素子62の前面から照明装置63をはね上げて移動させることにより、反射型液晶表示装置6としての厚さの増大を抑制することができる。
【0179】
また、照明装置63が必要な場合は、屈折率体67を変形させることによって、前記実施の形態1の空間部22のような空間部66を適宜形成することができる。さらに、反射型液晶表示装置6を使用しない場合には、蓋部64で液晶表示素子62前面を覆うことにより、液晶表示素子62を保護することができる。
【0180】
なお、拡散板60は、空間部66と光源68の周辺領域との間に形成されているが、これは光学的な界面として機能するものではない。また、この拡散板60は、照明装置63において絶対必要な構成ではなく、特になくてもかまわないが、光源68からの光の利用効率を上昇させるためには、設置することが好ましい。
【0181】
また、反射型液晶表示装置6の構成については、上述してきた構成に限定されるものではなく、たとえば、光源68を装置本体61に埋め込むか否かなどについては、反射型液晶表示装置6の使用状況に応じて適宜選択することができる。さらに、蓋部64自身が透光性を有し、かつ表示体(液晶表示素子62)の表示を損なわない限り、蓋部64と屈折率体67とを一体化しても構わない。
【0182】
〔実施の形態5〕
本発明の実施の他の形態について、図20ないし図23に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態4において説明した構成と同様の機能を有する構成については、説明の便宜上、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、これによって本発明が限定されるものではない。
【0183】
本実施の形態では、前記実施の形態4と同様に、表示体の例として、反射型液晶表示装置について言及する。また、本発明の照明手段は、周辺環境が十分に明るい場合には上記反射型液晶表示装置における薄型化の利点を損なうことのない構成を有しているものである。
【0184】
本実施の形態における反射型液晶表示装置7は、図20に示すように、装置本体71に、表示体である液晶表示素子62と照明手段としての照明装置73とが組み込まれている構成である。
【0185】
より詳しく説明すると、上記照明装置73は、光源68と、リフレクタ69と、表示体(液晶表示素子62)上の第1屈折率部77aおよび光源68上の第2屈折率部77bからなる屈折率体77と、拡散板70とを備えている。上記屈折率体77は、第1屈折率部77aと第2屈折率部77bとの間に接続部77cを備えている。加えて、上記第2屈折率部77bの接続部77cとは反対側の辺には、後述する固定手段としての固定部77dが備えられている。また、屈折率体77における屈折率部77aと装置本体71とは、接続手段である可動/固定部75により接続されている。
【0186】
上記のような構成を有する反射型液晶表示装置7では、前記実施の形態4の反射型液晶表示装置6とは異なり、屈折率体77は、常に液晶表示素子62の前面に存在する構成となっている。
【0187】
すなわち、上記反射型液晶表示装置7では、前記実施の形態4における反射型液晶表示装置6とは異なり、照明装置73をはね上げて液晶表示素子62前面から移動させる構成とはなっていない。反射型液晶表示装置7では、照明装置73が必要ない場合は、屈折率体77における接続部77cを可動させて、該屈折率体77を変形させて液晶表示素子62に密接した平板状にする構成となっている。
【0188】
上記のような構成の反射型液晶表示装置7では、周辺環境が十分に明るく照明装置73を必要としない場合や携帯時には、図20に示すように、屈折率体77と液晶表示素子62とが接した状態とすることによって、反射型液晶表示装置7における不必要な厚さの招来を回避することができる。このとき、屈折率体77は、液晶表示素子62の表示に悪影響を及ぼしたりすることのない透明性・透光性を有している。
【0189】
これに対して、周辺環境が暗く、照明装置73による照明を必要とする場合には、図21に示すように、接続部77cを可動させ、第1屈折率部77aと第2屈折率部77bとの接続部77c側の辺を表示体法線方向、すなわち表示面から見て上方向へ可動させる。
【0190】
このように、接続部77cを可動させた後、固定部77dで固定することによって、第1屈折率部77aの接続部77c側の辺を適当な高さに設定する。これによって、第1屈折率部77aは、可動/固定部75側の辺よりも接続部77c側の辺の方が上方となるように傾斜する。同時に、第2屈折率部77bも、接続部77c側の辺が上方となり、光源68側の辺が下方となるように傾斜する。
【0191】
第1屈折率部77aが上述するように傾斜すると、該第1屈折率部77aと液晶表示素子62(図20では、拡散板70の表面も含む)との間にくさび型状の空間部76が形成される。また、拡散板70の上方で傾斜している第2屈折率部77bと拡散板70との間には、略3角形状の領域70aが形成されている。
【0192】
この第1屈折率部77aの傾斜状態は、上記可動/固定部75による固定と、第2屈折率部77bの傾斜状態と、接続部77cの固定とによって支持される。すなわち、上記可動/固定部75、第2屈折率部77b、および接続部77cとは支持手段として機能する。なお、本実施の形態の照明装置73では、支持手段として別の構成が備えられていてもよい。
【0193】
上記第2屈折率部77bは、拡散板70により拡散される光源68からの光を空間部76側に照射できるように、光反射機能を備えている。すなわち、第2屈折率部77bは反射手段として機能することになる。それゆえ、リフレクタ69を含む光源68からの光は、拡散板70にて拡散されて第2屈折率部77bに到達し、この第2屈折率部77bの表面で反射され、空間部76側に入射する。したがって、上記領域70aと光源68を含むリフレクタ69に覆われた領域とは、前記実施の形態1の反射型液晶表示装置1における領域24aに相当することになる。
【0194】
そのため、本実施の形態における照明装置73は、この上記領域70aから空間部76に対して光が入射することによって、前記実施の形態1における照明装置3と同様の照明を液晶表示素子62に対して行うことができる。
【0195】
ここで、上記第2屈折率部77bでは、光源68側の辺、すなわち、接続部77c側とは反対側となる辺が、前記実施の形態4における反射型液晶表示装置6の場合のように装置本体71に固定されていない。それゆえ、図21に示すように、第2屈折率部77bの光源68側の辺は、光源68上の拡散板70上に固定されて、固定部77dを形成することになる。その結果、上記第2屈折率部77bの傾斜した状態が安定して維持されることになる。
【0196】
なお、上記第2屈折率部77bによって第1屈折率部77aの傾斜が支持されている状態では、上記接続部77cは、光源68の中心部と液晶表示素子62における光源68側の端部との中間点よりも液晶表示素子62側に位置していることが好ましい。
【0197】
たとえば、図22(a)に示すように、接続部77cが、光源68の中心部と液晶表示素子62における光源68側の端部との中間点50よりも、光源68側となる位置にある場合、光源68から空間部76に照射されずに直接観察者37に到達する出射光78aが発生することになる。そのため、光源68からの光の利用効率を低下させるうえに、上記出射光78aが直接観察者37の目に入ることになるため、液晶表示素子62の表示を阻害することにもなる。
【0198】
そこで、第2屈折率部77bの接続部77cとは反対側となる辺に備えられている固定部77dを用いて、図22(b)に示すように、第2屈折率部77bの傾斜状態を固定する。これによって、接続部77cは、光源の68の中心部と液晶表示素子62における光源68側の端部との中間点50よりも、液晶表示素子62側となる位置に設定される。それゆえ、上記出射光78aの発生を抑制することができるとともに、光源68からの光の大部分を空間部76に入射する入射光78b(前記実施の形態1における入射光31と同じ)とすることができる。そのため、光源68からの光の利用効率を上昇させるとともに、液晶表示素子62の表示品位を向上させることができる。
【0199】
上記固定部77dとしては、具体的には、図23(a)に示すように、第2屈折率部77bの接続部77cとは反対側となる辺を挟持する一対のレール部79a・79aを備えている構成を挙げることができる。この固定部77dにおけるレール部79a・79aは、装置本体71に固定されている。なお、図23(a)では、固定部77dを説明するために、第1屈折率部77aの大部分を省略している。
【0200】
1つのレール部79aには、図23(b)に示すように、中央部の長手方向に沿って溝部79bが形成されている。一方、レール部79aに対応する第2屈折率部77bの辺の端部には、上記溝部79bに嵌合する凸部79cが形成されている。すなわち、第2屈折率部77bは、接続部77cとは反対側となる辺の両端部に形成されている凸部79c・79cが溝部79b・79bに嵌合した状態で該レール部79a・79aにより挟持されて、固定されている。
【0201】
上記第2屈折率部77bにおける凸部79cの形成されている辺は、図23(c)に示すように、溝部79bに嵌合した状態でレール部79aの長手方向に沿ってスライドさせることができる。さらに、上記凸部79cの形成されている辺は、スライドさせた位置で適宜固定することができる。このように、上記辺をスライドさせることにより、第2屈折率部77bの傾斜角は適宜変化することになり、その状態で上記辺を固定することで、第2屈折率部77bの傾斜状態を固定することができる。
【0202】
この固定部77dの構成としては上記の構成に限定されるものではない。また、この固定手段が備えられる位置としても、第2屈折率部77bの接続部77cとは反対側となる辺に限定されるものではない。この固定部77dは、拡散板70上で、第2屈折率部77bの傾斜状態を固定できる構成であればよい。また、図20ないし図22においては、上記図23(a)ないし図23(c)に示したレール部79a、溝部79b、凸部79cからなる固定部77dは、大幅に省略して、3角形状に簡素化して記載している。
【0203】
ところで、第1屈折率部77aを傾斜させて空間部76を形成した際に、該空間部76における光源68側から連続的に厚さが減少していく側の方向を第1方向とすると、図21に示すように、液晶表示素子62の第1方向の長さLに対して第1屈折率部77aの第1方向の長さLが不足するおそれがある。これは、第1屈折率部77aが、液晶表示素子62の表示面に対して傾斜しているためである。
【0204】
しかしながら、上記第2屈折率部77bにおける光源68側の辺は、上述したように、装置本体71に固定されておらず、第2屈折率部77bの傾斜状態を所定の傾斜となるように適宜変化させて固定することが可能な固定部77dとなっている。そのため、上記固定部77dの固定位置を液晶表示素子62側へスライドさせることによって、上記長さの不足を補うことができる。
【0205】
このように第1屈折率部77aを傾斜させると、この第1屈折率部77aと液晶表示素子62との間に、前記実施の形態1における空間部22と同様の空間部76が形成される。また、光源68からの光は、拡散板70により拡散され、第2屈折率部77bにおいて空間部76側に反射される。したがって、本実施の形態の照明装置73は、前記実施の形態1における照明装置3と同様の照明を液晶表示素子62に対して行うことができる。
【0206】
しかも、本実施の形態の照明装置73では、必要であれば、上記固定部77dの固定位置を変化させて第2屈折率部77bの傾斜状態を変化させることにより、第1屈折率部77aの傾斜角、すなわち、くさび型状の断面を有する空間部76の頂角を十分大きくすることも可能である。
【0207】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置7では、照明装置73が必要ない場合は、屈折率体77を変形させることによって、液晶表示素子62前面に平板状にして厚さの増大を抑制することができる。また、照明装置73を必要とする場合は、屈折率体77を変形させることによって、前記実施の形態1のような空間部76を適宜形成することができる。なお、屈折率体77としては、前記実施の形態3のように、保護機能を有する透光性基板を用いてもよい。これによって、液晶表示素子62を保護することもできる。
【0208】
〔実施の形態6〕
本発明の実施の他の形態について、図24および図25に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0209】
本実施の形態では、表示体の例として、通常用いられている書籍や書類などの紙面について言及する。すなわち、本実施の形態における照明手段としての照明装置80は、図24に示すように、屈折率体81と、リフレクタ付きの光源83とを備えている。
【0210】
この照明装置80を、たとえば書籍84の紙面84a上に設置すると、上記屈折率体81と光源83と紙面84aとによって、前記実施の形態1における空間部22に相当するくさび型状の断面を有する空間部82が形成される。このような空間部82が形成されることによって、光源83からの光は、屈折率体81と空間部82との界面において、透過光と反射光とに分解される。そして、これら光は、前記実施の形態1と同様に紙面84aを照明することになり、観察者37が紙面84aを観察し易くすることができる。
【0211】
本実施の形態の照明装置80は、書籍84の上部に配置した場合、図25に示すように、該照明装置80の直下の紙面84aのみを照明することになる。それゆえ、たとえば、寝室などにおいて読書をする際に、書籍84を照明する光が周囲に漏れて、周囲で就寝している人に迷惑をかけることがない。
【0212】
ここで、上記屈折率体81としては、たとえば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)や、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、またはポリエステルなどからなる透光性基板を好適に用いることができる。このような樹脂製の透光性基板を屈折率体81として用いると、照明装置80が軽量なものとなるため、携帯性が向上することになる。
【0213】
また、上記屈折率体81として、前記実施の形態1などのようにガラス製の透光性基板を用いる場合、照明装置80全体の重量は増加する。しかしながら、上記樹脂製の透光性基板に比べて観察者37側の表面に傷が付きにくいため、耐久性に優れた照明装置80を実現することができる。したがって、屈折率体81の材質は、照明装置80が使用される状況に応じて適宜選択することが可能であり、表示体の表示に悪影響を及ぼさない限り、上記樹脂やガラスなどに限定されるものではない。
【0214】
さらに、上記屈折率体81に対しては、前記実施の形態3のように、表示に悪影響を及ぼさない限り、入力機能などの様々な機能を付加することができる。加えて、このように、表示体に対して取外しが可能な照明装置80は、照明手段を備えていない既存の反射型液晶表示装置に対しても好適に用いることができるものとなっている。
【0215】
以上のように、本実施の形態の照明装置80では、反射型液晶表示装置に限らず、書籍84など、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体に対して好適に用いることができるものとなっている。しかも、照明装置80として表示体からの取外しが可能であり、携帯性にも優れたものとすることも可能であるため、周囲光が少ない状況において、表示体の表示面を観察する場合に好適に用いることができる。
【0216】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の照明手段は、以上のように、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体の前面に、該表示体表示面に対して傾斜した状態で設けられており、屈折率が1より大きい透光性基板からなる屈折率体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源とを備えており、上記屈折率体と、光源と、表示体の表示面とで囲まれることにより、一方の側面から他方の側面に向かって厚さが連続的に変化する断面を有する空間部が形成されている構成である。
【0217】
それゆえ、上記構成では、光源から直接照射される光に加えて、上記反射光によって表示体を照射することになる。そのため、周囲光の反射を利用して表示を行う表示体、たとえば、紙面や反射型液晶表示装置などに上記照明手段を備えることによって、該表示体への周囲光が不足している場合に、表示に悪影響を及ぼすことなく、光源からの光を表示体上に導くことができる。
【0218】
しかも、空間部には、従来の照明手段のように、特別な媒質を充填する必要がない。また、上記空間部である空気層は、特別な媒質を充填する場合と比較して、屈折率体との屈折率差を最も大きくすることができ、光の利用効率をより向上させることができる。
【0219】
その結果、上記照明手段を用いれば、周辺環境による依存性の少ない明るい表示を行うことのできる表示体を得ることができるとともに、照明手段の製造工程を簡素化して、製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0220】
本発明の請求項2記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1記載の構成に加えて、上記屈折率体は、その表面が平滑である構成である。
【0221】
それゆえ、上記構成では、従来の照明手段において用いられている屈折率体のような特別な表面加工を施す必要がない。そのため、製造方法を簡素化することができるとともに、製造コストを低減することができるとともに、観察者側表面に、表示体の表示を損なうことがない限り様々な機能を付加することもできるという効果を奏する。
【0222】
本発明の請求項3記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1または2記載の構成に加えて、上記屈折率体が入力手段を備えている構成である。
【0223】
それゆえ、上記構成では、屈折率体が入力手段を備えているため、入力手段を上記照明手段に備える際に、部品点数の増加を防止し、かつ製造コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0224】
本発明の請求項4記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1、2または3記載の構成に加えて、上記屈折率体が上記表示体を保護する保護手段を備えている構成である。
【0225】
それゆえ、上記構成では、保護手段を上記照明手段に備える際に、部品点数の増加を防止し、かつ製造コストを低減させることができる。また、上記屈折率体として、従来用いられている保護板を用いることもできるため、より部材点数の増加を防止し、さらに、屈折率体の観察者側の表面に反射防止機能を付加することもできるという効果を奏する。
【0226】
本発明の請求項5記載の照明手段は、以上のように、記請求項1から4の何れか1項に記載の構成に加えて、上記屈折率体の屈折率が1.4以上1.6以下の範囲内である構成である。
【0227】
それゆえ、上記構成では、光源からの光における可視光領域の吸収を少なくすることができるとともに、屈折率体における光の吸収の波長依存性を小さくすることができるという効果を奏する。
【0228】
本発明の請求項6記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1から5の何れか1項記載の構成に加えて、上記空間部は、上記光源の周囲を覆うように配置される反射板によって形成される領域を含んでいる構成である。
【0229】
それゆえ、上記構成では、上記空間部と上記反射板により形成される光源の周囲の領域との間に屈折率差がない、すなわち界面が生じない。そのため、界面における光の反射などによる光のロスを抑制し、光源からの光の利用効率を上昇することができるという効果を奏する。
【0230】
本発明の請求項7記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1から6の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源が、表示体上の、表示面全体を見渡す位置に設置されている構成である。
【0231】
それゆえ、上記構成では、光源からの光が表示体の表示面全体に行き渡ることになる。そのため、上記表示体上において、照射される光にムラが生じることをより効果的に抑制することができるとともに、表示体の表示をより明るくすることができるという効果を奏する。
【0232】
本発明の請求項8記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1から7の何れか1項に記載の構成に加えて、上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が50°以下である構成である。
【0233】
上記光源からの光の広がりの角度をδとし、屈折率体の傾斜角をαすると、上記界面へ入射する光の入射角θは、次式によって表される。
【0234】
θ=90°−α±δ
上記界面では、入射角θが約40°から反射光が増加する。それゆえ、上記頂角αは50°以下であれば、光源からの光をより多く反射することができるという効果を奏する。
【0235】
本発明の請求項9記載の照明手段は、以上のように、上記請求項8記載の構成に加えて、上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が、10°未満である構成である。
【0236】
上記界面では、上記入射角を表す式における入射角θが80°付近から、50%以上の高い反射率を示すことになる。それゆえ、上記傾斜角αは10°未満であれば、光源からの光をより一層多く反射することができるという効果を奏する。
【0237】
本発明の請求項10記載の照明手段は、以上のように、上記請求項8または9記載の構成に加えて、上記空間部の断面において、傾斜している上記屈折率体の表示体側表面と一致する第1線と、上記屈折率体の上方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と垂直に交差する第2線と、上記屈折率体の下方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と平行となる第3線とで形成される3角形に対して、次式、
h=L・tan α≦3mm
L:第3線の長さ
h:第2線の長さ
α:屈折率体の傾斜角(第1線と第3線とで形成される角度)
が成立する構成である。
【0238】
たとえば、上記表示体としてバックライトを用いない反射型液晶表示装置を用いる場合、該バックライトは約3mm程度の厚さを有している。それゆえ、上記空間部の断面における厚さの大きい側の側面の厚さである、上記第2線の長さhを3mm以下とすることによって、上記照明手段を備える反射型液晶表示装置の薄型化を抑制することを回避できる。したがって、光源からの光をより一層多く反射するとともに、より薄型が可能である照明手段を実現することができるという効果を奏する。
【0239】
本発明の請求項11記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1から10の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源からの光が表示体の側面から直接入射することを防止する遮光手段を備えている構成である。
【0240】
それゆえ、上記構成では、全ての光源からの光を上記空間部に入射させることができる。そのため、光源からの光が空間部以外に照射されることによる表示体の表示の阻害を防止できるとともに、光源からの光の利用効率を上昇させることができるという効果を奏する。
【0241】
本発明の請求項12記載の照明手段は、以上のように、上記請求項1から11の何れか1項に記載の構成に加えて、上記光源は、表示体の外側となり、かつ、該光源の上端が上記屈折率体における観察者側の表面よりも下方となる位置に配置されている構成である。
【0242】
それゆえ、上記構成では、上記照明手段を備える表示体の厚さを薄型化することができるとともに、光源からの光を表示体全体により均一に照明することができるという効果を奏する。
【0243】
本発明の請求項13記載の照明手段は、以上のように、上記請求項12記載の構成に加えて、上記光源の上端が上記表示体の表示面よりも下方となる構成である。
【0244】
それゆえ、上記構成では、光源からの光が屈折率体に達した際に、該屈折率体内を伝搬する光を大幅に減少させることができる。そのため、照明をより均一な明るさとすることができるとともに、光源からの光の利用効率をより一層向上することができるという効果を奏する。
【0245】
本発明の請求項14記載の照明手段は、以上のように、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源と、上記表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなる第1屈折率部と、上記光源近傍に位置し、光源からの光を反射して第1屈折率部および表示体側に照射する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっている屈折率体と、上記光源近傍に位置し、上記第2屈折率部における接続部とは反対側となる辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えている構成である。
【0246】
それゆえ、上記構成では、請求項1の照明手段と同様の空間部が形成できるため、上記請求項1の照明手段と同様の照明を表示体に対して行うことができる。しかも、表示体を使用しない場合、上記屈折率体は、平板状のまま表示体の前面に設置しておくことができる。また、上記屈折率体は、上記接続手段により光源近傍で装置本体と接続されているため、表示体を使用する際に照明手段が必要ない場合、屈折率体そのものを接続手段の可動によって表示体前面からはね上げるなどして移動させ、直接表示体を観察することができるという効果を奏する。
【0247】
さらに、上記構成では、必要に応じて上記空間部を形成することが可能であるとともに、照明手段そのものが必要ない場合は、該照明手段を表示体の前面から移動させることができる。そのため、上記照明手段を備える表示体では、表示体を照明することに加えて、上記空間部による表示体の厚さの増大を抑制することができるという効果も奏する。
【0248】
本発明の請求項15記載の照明手段は、以上のように、上記請求項14記載の構成に加えて、上記接続手段により屈折率体と同様に装置本体と可動できる状態で接続され、かつ、屈折率体とは互いに独立して可動できるとともに、上記屈折率体および表示体を覆う位置に配置されている蓋部を備えている構成である。
【0249】
それゆえ、上記構成では、表示体を観察しないときには、上記蓋部により、表示体および屈折率体を覆ってこれらを保護することができる。また、表示体を観察するときに照明手段を用いる場合は、蓋部のみを表示体上から移動させることができる。さらに、照明手段を用いない場合は、接続部により平板状とした屈折率体の背面に蓋部を隣接させ、蓋部と屈折率体とを一体として表示体上から外すことが可能となる。その結果、上記蓋部は、表示体の観察の妨げになることなしに、表示体および屈折率体を保護することができるという効果を奏する。
【0250】
本発明の請求項16記載の照明手段は、以上のように、周囲光の反射を用いて表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、上記表示体近傍となる位置に配置される光源と、上記表示体の前面に設けられている、屈折率が1より大きい透光性基板からなる屈折率体と、上記光源とは表示体を挟んで対向する位置に配置され、上記屈折率体の一辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、上記光源からの光を、反射によって表示体および屈折率体側へ照射する反射手段と、上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えている構成である。
【0251】
それゆえ、上記構成では、請求項1の照明手段と同様の空間部が形成できるため、上記請求項1の照明手段と同様の照明を表示体に対して行うことができる。しかも、必要に応じて、照明手段における空間部を適宜形成することができるため、上記照明手段を備える表示体では、表示体を照明することに加えて、上記空間部による表示体の厚さの増大を抑制することができるという効果を奏する。
【0252】
本発明の請求項17記載の照明手段は、以上のように、上記請求項16記載の構成に加えて、上記屈折率体が、表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなっている第1屈折率部と、上記光源近傍に位置する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっているとともに、上記第2屈折率部が、光源からの光を反射して、第1屈折率部および表示体側へ照射する反射手段であり、かつ、該第2屈折率部が傾斜することにより、第1屈折率部を傾斜した状態で支持する支持手段である構成である。
【0253】
それゆえ、上記構成では、上記第2屈折率部が支持手段および反射手段として機能するため、空間部を形成するための構成は、屈折率体1つのみでよい。それゆえ、照明手段の構成を簡素化することができるとともに、照明手段全体をコンパクトなものにすることができるという効果を奏する。
【0254】
本発明の請求項18記載の照明手段は、以上のように、上記請求項17記載の構成に加えて、上記第2屈折率部を所定の傾斜状態に固定する固定手段を備えている構成である。
【0255】
それゆえ、上記構成では、光源から観察者へ直接照射される光の発生を抑制することができる。そのため、光源からの光の利用効率を上昇させるとともに、液晶表示素子の表示品位を向上させることができる。
【0256】
また、第1屈折率部を傾斜させて空間部を形成した際に、該空間部における光源側から連続的に厚さが減少していく側の方向を第1方向とすると、第1屈折率部が傾斜しているために、表示体の第1方向の長さに対して第1屈折率部の第1方向の長さが不足するおそれがある。しかしながら、上記固定手段は、第2屈折率部の傾斜状態を適宜変化させることが可能であるため、固定手段の位置を変化させることによって、上記長さの不足を補うことができる。
【0257】
さらに、必要であれば、固定手段の固定位置を移動させることにより、第2屈折率部の傾斜状態を変化させて、第1屈折率部の傾斜角、すなわち、上記空間部の頂角を十分大きくこともできるという効果を奏する。
【0258】
本発明の請求項19記載の液晶表示装置は、以上のように、上記請求項1から18の何れか1項に記載の照明手段と、反射型液晶表示素子とを備えていることを特徴としている。
【0259】
それゆえ、上記構成では、上記照明手段を備えることにより、反射型液晶表示素子は、周囲光が少ない場合でも明るい表示が可能となる。そのため、周辺環境にほとんど依存することがない反射型液晶表示装置を得ることができるという効果を奏する。
【0260】
本発明の請求項20記載の液晶表示装置は、以上のように、上記請求項19記載の構成に加えて、上記反射型液晶表示素子が、上記空間部に接する側の表面上に偏光板を1枚のみ備えている構成である。
【0261】
それゆえ、上記構成では、反射型液晶表示素子における表示面上に偏光板を配置することによって、通常の反射型液晶表示装置と同様に、周囲光を利用した場合と同様のスイッチングを行うことができる。また、上記偏光板を配置するために余分な部材を必要としないため、製造コストの上昇や製造方法の煩雑化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る照明手段を反射型液晶表示装置に適応した場合の表示面を照明する動作を示す説明図である。
【図2】図1の反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図3】図2の反射型液晶表示装置の他の構成を示す断面図である。
【図4】(a)は、図1の照明手段における屈折率体と空間部との界面において生ずる光の反射および透過の状態を示す模式図であり、(b)は、上記界面における光の反射/透過率と入射角との関係を示すグラフである。
【図5】図1の照明手段において、光源から屈折率体と空間部との界面に入射する光の入射角と、上記屈折率体の傾斜角との関係を示す説明図である。
【図6】(a)は、発光型表示装置のディスプレイからの出射光と周囲光との関係を示す説明図であり、(b)は、図2の反射型液晶表示装置からの出射光と周囲光との関係を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の他の形態に係る照明手段を備える反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図8】図7の反射型液晶表示装置において、遮光手段を備えていない場合の光源からの光の挙動を示す説明図である。
【図9】(a)は、図7の反射型液晶表示装置の他の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の反射型液晶表示装置において表示面が照明される状態を示す説明図である。
【図10】(a)は、図7の反射型液晶表示装置のさらに他の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の反射型液晶表示装置において表示面が照明される状態を示す説明図である。
【図11】図7の反射型液晶表示装置のさらに他の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態に係る照明手段を備える反射型液晶表示装置の基本構成を示す断面図である。
【図13】図12の反射型液晶表示装置が入力手段を備えている場合の構成を示す断面図である。
【図14】図12の反射型液晶表示装置が表示面の保護機能を有している場合の構成を示す断面図である。
【図15】(a)は、図13の反射型液晶表示装置が備えている入力手段に設けられている信号検出用配線の配置を示す斜視図であり、(b)は、(a)の入力手段において、信号検出用配線が接触する接触点を検出するための構成を示す平面図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態に係る照明手段を備える反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図17】図16の反射型液晶表示装置において、照明手段を用いない際の動作を示す説明図である。
【図18】図16の反射型液晶表示装置において、照明手段を用いる際の動作を示す説明図である。
【図19】図16の反射型液晶表示装置において、照明手段を用いる際の動作を示す説明図である。
【図20】本発明の実施のさらに他の形態に係る照明手段を備える反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図21】図20の反射型液晶表示装置において、照明手段を用いる際の動作を示す説明図である。
【図22】(a)は、図20の反射型液晶表示装置において、第1屈折率部と第2屈折率部との接続部の位置が光源側であるときの光源からの光の状態を示す説明図であり、(b)は、図20の反射型液晶表示装置において、上記接続部の位置が液晶表示素子側であるときの光源からの光の状態を示す説明図である。
【図23】(a)は、図20の反射型液晶表示装置における第2屈折率部を固定する固定部の構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)の固定部における溝部と凸部との嵌合状態を示す説明図であり、(c)は、(a)の固定部における溝部のスライド状態を示す説明図である。
【図24】本発明の実施のさらに他の形態に係る照明手段の使用例を示す斜視図である。
【図25】図23の照明手段の使用例を示す平面図である。
【図26】従来の補助照明手段を備える反射型液晶表示装置において表示面が照明される状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射型液晶表示装置
2 液晶表示素子(表示体)
2a 液晶表示素子(表示体)
3 照明装置(照明手段)
4a 反射型液晶表示装置
4b 反射型液晶表示装置
5 ペン入力装置(入力手段)
6 反射型液晶表示装置
7 反射型液晶表示装置
16 偏光板
21 屈折率体
22 空間部
23 光源
24a 領域
25 屈折率体
26 保護板(屈折率体/保護手段)
28 遮光部(遮光手段)
63 照明装置(照明手段)
66 空間部
67 屈折率体
67a 第1屈折率部
67b 第2屈折率部
67c 接続部
68 光源
73 照明装置(照明手段)
76 空間部
77 屈折率体
77a 第1屈折率部
77b 第2屈折率部
77c 接続部
77d 固定部(固定手段)

Claims (20)

  1. 紙面や反射型液晶表示装置に代表される周囲光の反射を利用して表示を行う表示体の表示面側から光を照射する光源と、
    上記表示体の表示面に対して傾斜した状態で設けられ、屈折率が1よりも大きい透光性基板からなる屈折率体とを備え
    上記光源は、上記表示体の外側となる位置で、且つ、上記屈折率体と上記表示体の表示面との間に形成される空間部の厚さが連続的に小さくなる方向に向かって光を照射することが可能な位置に配置されていることを特徴とする照明装置
  2. 上記屈折率体は、その表面が平滑であることを特徴とする請求項1記載の照明装置
  3. 上記屈折率体が入力手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置
  4. 上記屈折率体が上記表示体を保護する保護手段を備えていることを特徴とする請求項1、2または3記載の照明装置
  5. 上記屈折率体の屈折率が1.4以上1.6以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明装置
  6. 上記空間部は、上記光源の周囲を覆うように配置される反射板によって形成される領域を含んでいることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明装置
  7. 上記光源が、表示体上の、表示面全体を見渡す位置に設置されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の照明装置
  8. 上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が50°以下であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の照明装置
  9. 上記屈折率体における表示体の表示面に対する傾斜角が、10°未満であることを特徴とする請求項8記載の照明装置
  10. 上記空間部の断面において、傾斜している上記屈折率体の表示体側表面と一致する第1線と、
    上記屈折率体の上方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と垂直に交差する第2線と、
    上記屈折率体の下方側となる辺と一致する点を通り、表示体の表示面と平行となる第3線とで形成される3角形に対して、次式、
    h=L・tan α≦3mm
    L:第3線の長さ
    h:第2線の長さ
    α:屈折率体の傾斜角(第1線と第3線とで形成される角度)
    が成立することを特徴とする請求項8または9記載の照明装置
  11. 上記光源からの光が表示体の側面から直接入射することを防止する遮光手段を備えていることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の照明装置
  12. 上記光源は、該光源の上端が上記屈折率体における観察者側の表面よりも下方となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の照明装置
  13. 上記光源は、該光源の上端が上記表示体の表示面よりも下方となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の照明装置
  14. 紙面や反射型液晶表示装置に代表される周囲光の反射を利用して表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、
    上記表示体の外側になる位置に配置され、且つ、該表示体の表示面側から光を照射する光源と、
    上記表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなる第1屈折率部と、上記光源近傍に位置し、光源からの光を反射して第1屈折率部および表示体側に照射する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっている屈折率体と、
    上記光源近傍に位置し、上記第2屈折率部における接続部とは反対側となる辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、
    上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えていることを特徴とする照明装置
  15. 上記接続手段により屈折率体と同様に装置本体と可動できる状態で接続され、かつ、屈折率体とは互いに独立して可動できるとともに、上記屈折率体および表示体を覆う位置に配置されている蓋部を備えていることを特徴とする請求項14記載の照明装置
  16. 紙面や反射型液晶表示装置に代表される周囲光の反射を利用して表示を行う表示体を内包するように形成される装置本体と、
    上記表示体の外側になる位置に配置され、且つ、該表示体の表示面側から光を照射する光源と、
    上記表示体の前面に設けられている、屈折率が1より大きい透光性基板からなる屈折率体と、
    上記光源とは表示体を挟んで対向する位置に配置され、上記屈折率体の一辺と装置本体の端部とを可動できるように接続する接続手段と、
    上記光源からの光を、反射によって表示体および屈折率体側へ照射する反射手段と、
    上記屈折率体を表示体の表示面に対して傾斜した状態で支持する支持手段とを備えていることを特徴とする照明装置
  17. 上記屈折率体が、表示体の前面に位置し、屈折率が1より大きい透光性基板からなっている第1屈折率部と、上記光源近傍に位置する第2屈折率部と、これら各屈折率部の辺同士を互いに可動できるように接続している接続部とからなっているとともに、
    上記第2屈折率部が、光源からの光を反射して、第1屈折率部および表示体側へ照射する反射手段であり、かつ、該第2屈折率部が傾斜することにより、第1屈折率部を傾斜した状態で支持する支持手段であることを特徴とする請求項16記載の照明装置
  18. 上記第2屈折率部を所定の傾斜状態に固定する固定手段を備えていることを特徴とする請求項17記載の照明装置
  19. 上記請求項1から18の何れか1項に記載の照明装置と、反射型液晶表示素子とを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
  20. 上記反射型液晶表示素子が、上記空間部に接する側の表面上に偏光板を1枚のみ備えていることを特徴とする請求項19記載の液晶表示装置。
JP24435197A 1997-09-09 1997-09-09 照明装置およびこれを備えた反射型液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3571190B2 (ja)

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