JP3542615B2 - 複数ロボットの制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、1つのコントローラで複数のロボットを制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気的に駆動されるサーボモータにより、回転関節軸や並進軸等のロボット軸を移動させ、治具等を所定位置に移動させるようにした産業用ロボットは知られている。この種のロボットとしては、例えば回転関節軸を介して複数のアームが連結されたスカラーロボットや、複数のロボット軸が直交する直交型ロボット、単軸ロボット等がある。そして、一般に上記スカラーロボット等は最大6軸のロボット軸を有しており、4軸ロボット、2軸ロボット等も広く用いられている。
【0003】
また、この種のロボットにおいて各ロボット軸の駆動を制御するコントローラは、ロボット軸と同数もしくはそれ以上の数のドライバーを有し、各ロボット軸のモータをドライバーで駆動するようになっている。さらにコントローラは、移動位置の指定等を含む移動命令を入力する入力部、上記移動命令に応じてドライバーを制御する制御部等を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種のロボット制御装置においては、1つのロボットに対して1つのコントローラが設けられているが、コントローラのドライバーが1つのロボットに対して余分にある場合に、このコントローラで別のロボットも制御し、つまり1つのコントローラで複数のロボットを制御すれば、制御系統の合理化等の面で好ましい。しかし、このようにしようとする場合に、各ロボットの制御、入力処理等の点で次のような課題が残されていた。
【0005】
コントローラで1つのロボットを制御する場合であれば、例えば移動命令でPTP(ポイントツーポイント)による移動位置が指定されると、その移動位置(例えばP1)に応じてコントローラ内でP1=(P1a,P1b,P1c,P1d,P1e,P1f)というように6軸分の移動量が求められ、それに応じた各ドライバーの制御が一括的に行われる。ところが、制御対象を変更して例えば4軸のメインロボットと付加軸やサブロボットをこのようなコントローラで制御しようとすると、メインロボットの制御動作に付随して不必要に付加軸やサブロボットが動いてしまうことがある。このような事態を避けるには、移動命令入力の際に、メインロボットの各軸毎に個別に移動を指定すればよいが、これでは入力処理が面倒になるとともに、誤入力を生じ易くなる。
【0006】
また、コントローラの各ドライバーと複数のロボットの各ロボット軸との対応関係を固定的に設定しておくだけでは汎用性に乏しく、制御する複数のロボットの軸数、組合せ等が種々変わった場合にも汎用することができるようにすることが望ましいが、ドライバーと各ロボット軸との対応関係の調整、処理内容の調整等が難しい。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、1つのコントローラで複数のロボット軸の制御を適切に行うことができ、かつ、ロボットの軸数、組合せ等が種々変わった場合の汎用性に富む複数ロボットの制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のロボットを、これらロボットの駆動軸の総数以上の数のドライバーを有するコントローラにより制御する装置であって、上記各ドライバーと上記複数のロボットの各駆動軸との対応関係を変更可能に設定する設定手段と、上記対応関係の設定に基づいて各ドライバーに対応する駆動軸の属性を示すデータを書き換え可能に記憶する各軸属性記憶部と、
上記各ドライバーと上記各駆動軸との対応関係に応じてドライバーの処理条件を決定する処理条件決定手段と、駆動すべきロボットおよび駆動軸を特定する駆動対象指定と移動位置を特定する移動位置指定とを含む移動命令を示すデータを入力する移動命令入力手段と、上記移動命令入力手段により入力されたデータと上記各属性記憶手段から読み出したデータとの照合に基づき、上記移動命令を判別して駆動対象に対応するドライバーを選定する移動命令判別手段と、上記移動命令判別手段により選定されたドライバーにつき、上記処理条件決定手段により決定される処理条件と上記移動命令で指定される移動位置とに基づいて処理内容を求め、この処理内容に従ってドライバーを制御する制御手段とを備えたものである。
【0009】
なお、本発明において、上記複数のロボットのうちの少なくとも1つのロボットの駆動軸に、当該ロボットに付属する付加軸が含まれている場合、上記各軸属性記憶部に記憶されるデータおよび上記移動命令入力手段によって入力されるデータにはには付加軸を示すデータも含まれていることが好ましい。
【0010】
【作用】
上記構成によると、準備段階で上記各ドライバーと上記各駆動軸との対応関係が設定され、コントローラに接続される複数のロボットの軸数、組合せ等に変更があった場合は、この設定において対応関係が調整される。そして、上記移動命令が入力されると、駆動対象として指定されたロボットの駆動軸に対応するドライバーとその処理内容が上記対応関係から求められ、移動命令に適合した制御が行われる。
【0011】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施例によるロボットおよびコントローラの概略を示している。この図に示す例では、メインロボット1、サブロボット2の2つのロボットがコントローラ3で制御され、かつ、上記メインロボット1は4つの駆動軸を有する4軸スカラロボット1aに1つの駆動軸からなる付加軸1bが付属した構成となっており、また、サブロボット2は直交する2つの駆動軸を有する直交型2軸ロボットで構成されている。
【0013】
すなわち、メインロボット1におけるスカラロボット1aは、本体10に対して第1軸Aを中心に回転可能に連結された第1アーム11と、この第1アームに対して第2軸Bを中心に回転可能に連結された第2アーム12と、この第2アーム12に対して上下動および回転可能に連結されたロッド13とを備え、ロッド13の下端にワーク保持用のチャック14が設けられている。上記第1アーム11および第2アーム12はそれぞれ第1軸モータ15および第2軸モータ16で駆動され、まだ上記ロッド13は、第3軸モータ17で上下方向Cに駆動されるとともに、第4軸モータ18で回転方向Dに駆動されるようになっている。また、上記付加軸1bは、上記スカラロボット1aとは別個に、ワークの搬送等のため、付加軸モータ19により駆動されて可動部が一定方向に移動するようになっている。
【0014】
一方、サブロボット2は、一定の方向(X方向)に延びる第1軸部材21と、これと直交する方向(Y方向)に延び、かつX方向に移動可能な状態に第1軸部材21に連結された第2軸部材22と、Y方向に移動可能な状態に第2軸部材22に取り付けられたスライダー23とを備えている。そして、第1軸モータ24により、ボールスクリュー等を介して第1軸部材21に対する第2軸部材22の移動が行われるとともに、第2軸モータ25により、ボールスクリュー等を介して第2軸部材22に対するスライダー23の移動が行われるようになっている。
【0015】
上記ロボット1,2の各モータ15〜19,24,25が、ケーブルを介してコントローラ3に接続されている。
【0016】
図2は上記コントローラ3の構成を示している。この図において、コントローラ3は、ロボット軸(ロボットの駆動軸)の総数以上の数のドライバーを有し、図示の例では第1乃至第8のドライバー31〜38を有している。そして、第1乃至第4のドライバー31〜34がメインロボット1の第1軸乃至第4軸の各モーター15〜18をそれぞれ駆動し、第5ドライバー35がメインロボット1の付加軸モーター19を駆動し、第7,第8のドライバー37,38がサブロボット2の第1軸,第2軸のモーター24,25をそれぞれ駆動するように、これらのドライバーとモーターとが接続されており、第6のドライバー36は不使用とされている。
【0017】
また、上記コントローラ3には、ドライバーとロボット軸との対応関係の設定手段である分配設定手段41と、上記対応関係に応じた処理条件を決定する処理条件決定手段42と、移動命令入力手段43と、移動命令判別手段44と、制御手段45とを含んでいる。さらにコントローラ3は、上記分配設定手段41による設定および移動命令判別手段44による判別に関係する情報として各ドライバーに対応するロボット軸の属性を記憶する各軸属性記憶部46と、処理条件決定手段42の処理に関係する情報として各種の場合のドライバーの処理条件を記憶する処理条件記憶部47と、処理条件記憶部47から処理条件を選び出すために用いる移動処理飛先テーブル(EXテーブル)を記憶するEXテーブル記憶部48とを有している。
【0018】
上記各軸属性記憶部46には、各ドライバーに対応するロボット軸の属性が図3に示すような軸定義フラッグADFとして記憶されており、これによって前記分配設定手段41の機能が果たされるようになっている。
【0019】
この軸定義フラッグADFは各ドライバー毎に作成され、つまり第1乃至第8のドライバーに対応して8種類の軸定義フラッグ(D1−ADF,D2−ADF,……D8−ADF)があり、これらはそれぞれ16ビットからなっている。この16ビットのうちの下位8ビットは各ドライバー自身を区別するために用いられ、自身を表す位置のビットが「1」とされる。また上位4ビットは、駆動対象となるロボット軸の所属を示すもので、例えば、メインロボット1に属するロボット軸を駆動対象とするドライバーの軸定義フラッグ(D1−ADF〜D5−ADF)では2番目のビットが「1」とされ、このうちで付加軸1bを駆動対象とするドライバーの軸定義フラッグ(D5−ADF)では4番目のビットも「1」とされ、サブロボット2に属するロボット軸を駆動対象とするドライバーの軸定義フラッグ(D7−ADF,D8−ADF)では3番目のビットが「1」とされ、駆動対象がないドライバーの軸定義フラッグ(D6−ADF)では1番目のビットが「1」とされる。このほかに、ドライバーとロボット軸との対応関係に応じた処理を行うために必要な分配記号が、上記軸定義フラッグADFの中の2ビットで表されている。
【0020】
このような軸定義フラッグADFは、準備段階で予め設定され、ドライバーとロボット軸との対応関係が変更された場合は、それに応じて書き換えられる。
【0021】
また、前記移動命令入力手段43は、使用者による入力操作に応じ、駆動すべきロボットおよび駆動軸を特定する駆動対象指定と移動位置を特定する移動位置指定とを含む移動命令を入力する。その移動命令は、例えば図4中に示すような形式で入力される。
【0022】
すなわち、図4は移動命令の代表的な3つの例を示している。その第1例におけるMOVE1は、メインロボット1におけるスカラロボット1aの全ロボット軸を駆動対象としてこれらを同時駆動することを意味し、P,P1はPTP(ポイントツーポイント)による所定移動位置(P1)の指定を意味している。また、第2例におけるDRIVEは1つのロボット軸を駆動対象とする個別駆動を意味し、DRIVE1(5,P1)は第5ドライバー35でこれに対応するメインロボット1の付加軸1bを駆動させてP1へ移動させるべきことを意味する。また、第3例におけるMOVE2は、サブロボット2の全ロボット軸を駆動対象としてこれらを同時駆動することを意味する。
【0023】
上記移動命令に応じて、その駆動対象の内容を示すための軸選択フラッグASFが発行される。この軸選択フラッグASFは、図4中に示すように、16ビットからなり、その上位4ビットがメインロボット1とサブロボット2の識別に関する情報を示し、下位8ビットがドライバーに関する情報を示している。具体的には、駆動対象がメインロボット1かサブロボット2かに応じて上位4ビットのうちの2番目または3番目が「1」とされるとともに、上記第1例や第3例のような同時駆動の場合は下位8ビットがすべて「0」とされ、上記第2例のような個別駆動の場合は下位8ビットのうちの該当するものが「1」とされる。
【0024】
そして、前記移動命令判別手段44により、上記軸選択フラッグASFと軸定義フラッグADFとの照合等に基づいて移動命令が判別されるようになっている。
【0025】
ドライバーとロボット軸との対応関係の設定は種々変更可能であり、その対応関係に応じて、上記軸定義フラッグADFの中に含まれる分配記号が定められる。図5(a)〜(d)は、ロボット軸の数などが異なる各種場合につき、各ドライバー(DR1,DR2,……)とメインロボット軸(M1,M2,……)、サブロボット軸(S1,S2,……)との対応関係、ならびに分配記号を例示している。
【0026】
この例によると、メイン6軸、サブ2軸の場合(図5(a))はDR1〜DR6とM1〜M6、DR7,DR8とS1,S2がそれぞれ対応し、メイン4軸、サブ4軸の場合(図5(b))はDR1〜DR4とM1〜M4、DR5〜DR8とS1〜S4がそれぞれ対応し、メイン3軸、サブ3軸の場合(図5(c))はDR1〜DR3とM1〜M3、DR4〜DR6とS1〜S3がそれぞれ対応し、メイン2軸、サブ2軸の場合(図5(d))はDR1,DR2とM1,M2、DR3,DR4とS1,S2がそれぞれ対応する。
【0027】
そして、図5(a)の場合は分配記号が全て「0,0」とされ、図5(b)の場合はサブロボット軸(S1〜S4)に対応する第5〜第8ドライバー(DR5〜DR8)の分配記号が「0,1」とされ、図5(c)の場合はサブロボット軸(S1〜S3)に対応する第4〜第6ドライバー(DR4〜DR6)の分配記号が「1,0」とされ、図5(d)の場合はサブロボット軸(S1,S2)に対応する第3,第4ドライバー(DR3,DR4)の分配記号が「0,1」とされる。いずれの場合もメインロボット軸に対応するドライバーの分配記号は「0,0」である。なお、前記の図1乃至図3に示すものは、図5(a)の場合と同様に分配記号が設定される。
【0028】
また、前記処理条件記憶部47には、駆動制御の処理条件となるデータが各ドライバー毎に各種場合について記憶されている。つまり、一般にドライバーによるロボット軸の駆動は、制御パターンに従って、先ず適度の加速度で最高速度まで加速してから、最高速度で定速移動した後、減速して移動先の位置で停止するように制御されるが、その制御パターンを定める条件式等が、上記処理条件記憶部47に記憶されるデータとなる。そして、図6に示すように、例えば第1ドライバー(DR1)がメインロボット第1軸(M1)の駆動を行う場合のデータDATADR1M1がEXDR1M1番地に記憶され、第2ドライバー(DR2)がメインロボット第2軸(M2)の駆動を行う場合のデータDATADR2M2がEXDR2M2番地に記憶されるというように、各ドライバーによる各ロボット軸の駆動のためのデータがそれぞれ記憶される。さらに、前記の図5に示すようにドライバーとロボット軸との対応関係が変更される可能性があるとすると、例えば第3ドライバー(DR3)はメインロボット第3軸(M3)の駆動を行う場合とサブロボット第1軸(S1)の駆動を行う場合とがあるので、各場合のデータDATADR3M3,DATADR3S1がEXDR3M3番地およびEXDR3S1番地に記憶され、第4〜第8ドライバーについても、駆動するロボット軸が相違する複数種の場合の各データがそれぞれ別個の番地に記憶されている。
【0029】
また、前記EXテーブル記憶部48には、図7に示すようなEXテーブルが記憶されている。このEXテーブルは呼出し符号(CALL)と図6中の番地とを対応づけたもので、上記呼出し符号は、ドライバーの区別と分配記号とに基づいて後述のフローチャート中に示す演算により求められるようになっている。
【0030】
そして、前記処理条件決定手段42は、分配記号等に基づき上記EXテーブルを用いて処理条件記憶部47から処理条件を選定し、前記制御手段45は、移動命令の判別および処理条件の決定に基づいて処理内容を求め、それに従ってドライバーを制御するようになっている。
【0031】
上記装置による制御方法を、図8および図9のフローチャートによって説明する。
【0032】
図8のフローチャートにおいては、スタートすると、先ずステップS1で移動命令が入力され、ステップS2で移動命令に応じた軸選択フラッグASFが発行される。続いて、ステップSA1で移動命令判別により第1ドライバーによる駆動を行うか否かを判定し、その判定がYESであればステップSB1で第1ドライバーについての移動処理を行う。さらに、第2〜第8ドライバーのそれぞれについても、駆動を行うか否かを判定し(ステップSA2……ステップSA8)、その判定がYESであれば移動処理を行う(ステップSB2……ステップSB8)というルーチンを、順次実行する。
【0033】
上記ステップSA1……ステップSA8のいずれかにおける判定、およびステップSB1……ステップSB8のいずれかにおける移動処理は、具体的には図9のようになっている。
【0034】
すなわち、各ドライバーについて駆動を行うか否かの判定としては、ステップS11で、上記軸選択フラッグASFと該当するドライバーの軸定義フラッグDn・ADF(n=1,2,……,8)とが照合されて、両者の下位8ビットが合致するか否かが判定され、その判定がNOの場合は、ステップS12で軸選択フラッグASFの下位8ビットが「0」か否かが判定され、その判定がYESの場合は、ステップS13で上記軸選択フラッグASFと上記軸定義フラッグDn・ADFの上位4ビットが合致するか否かが判定される。
【0035】
上記ステップS11の判定がYESの場合は、移動命令がロボット軸の個別移動(DRIVE)を指令するもので、かつ当該ドライバーが指定のものと合致することを意味する。また、ステップS12,S13がYESの場合は、移動命令がメインロボットの複数軸またはサブロボットの複数軸の同時駆動を指令するもので、かつ当該ドライバーが指定されたロボットに属するロボット軸に対応するものであることを意味する。従ってこれらの場合は当該ロボット軸を駆動すべく移動処理(ステップSB1……ステップSB8)に移り、これらの場合以外は移動処理を飛ばす。
【0036】
上記移動処理(ステップSB1……ステップSB8)としては、先ずステップS14で分配記号等に基づいて呼出し符号(CALL)が設定される。図示の例によると、呼び出し符号の基本値が第1〜第8ドライバー(DR1〜DR8)のそれぞれに応じて「+0」,「+2」,「+4」,「+8」,「+14」,「+20」,「+26」,「+30」とされ、さらに、DR3〜DR8については駆動すべきロボット軸が相違する複数種の場合に応じて分配記号が変わることから、上記基本値に(分配記号)×2が加算された値が呼出し符号とされる。次にステップS15で、EXテーブルから上記呼出し符号に応じた番地が選定され、ステップS16で、処理条件記憶部47から上記の選定された番地にある処理用データが読み出される。そして、ステップS17で、上記処理用データと移動命令に含まれる移動位置指定とに基づき、どのような制御パターンでどれだけ移動させるかというような処理内容が決定され、その処理内容でドライバーが制御される。
【0037】
以上の方法によると、例えば図4中の第1例のような移動命令があった場合、移動命令に応じた軸選択フラッグASFと予め設定されている軸定義フラッグADFとの照合(ステップS13〜S15)に基づき、メインロボット1のスカラーロボット1aの各ロボット軸に対応するドライバー31〜34が制御されることにより、これらのロボット軸が同時駆動されて指定された位置(P1)への移動が行われる。
【0038】
この場合、図3のような軸定義フラッグADFの設定により、メインロボット1の各軸に対応するドライバーとサブロボット2の各軸に対応するドライバーとが区別され、さらにメインロボット1の各軸に対応するドライバーのうちでもスカラーロボット1aの各軸に対応するものと付加軸1bに対応するものとが区別される。従って、上記移動命令で複数軸同時駆動とされる場合でも、不必要に付加軸1bがスカラーロボット1aに付随して動いたり、サブロボット2が動いたりすることがなく、スカラーロボット1aを独立的に駆動させることができる。しかも、スカラーロボット1aの各軸の駆動を個別に指令する必要がなく、移動命令入力処理が複雑になることがない。
【0039】
また、図4中の第2例のような移動命令があった場合には、メインロボット1の付加軸1bに対応するドライバーが制御されて付加軸1bが独立的に駆動され、図4中の第3例のような移動命令があった場合には、サブロボット2の各軸に対応するドライバーが制御されてサブロボット2が駆動される。こうして、メインロボット1およびサブロボット2が1つのコントローラ3で移動命令に応じて適切に制御される。
【0040】
さらに、図5に例示するようにドライバーとメインロボット1、サブロボット2の各ロボット軸との対応関係が種々変更される場合でも、それに応じて軸定義フラッグADFの分配記号が設定されることにより、移動命令に応じた制御が適切に行われる。
【0041】
つまり、例えば第4ドライバー(DR4)についてみると、図1乃至図3に示す場合や図5(a)の場合のようにメインロボット第4軸(M4)に対応する場合は、予め分配記号が「0,0」とされ、制御時にステップS14で呼び出し符号が「+8」とされることにより、EXテーブルが参照されて、処理条件記憶部47のEXDR4M4番地から、メインロボット第4軸駆動のためのデータDATADR4M4が得られる。一方、図5(c)のように第4ドライバー(DR4)がサブロボット第1軸に対応するように対応関係が変更された場合は、それに応じて分配記号が「1,0」とされ、制御時にステップS14で演算される呼び出し符号が「+12」となることにより、EXテーブルが参照されて、処理条件記憶部のEXDR4S1番地から、サブロボット第1軸駆動のためのデータDATADR4S1が得られる。また、図5(d)のように第4ドライバーがサブロボット第2軸に対応するように対応関係が変更された場合は、それに応じて分配記号が「0,1」とされ、制御時にステップS14で演算される呼び出し符号が「+10」となることにより、EXテーブルが参照されて、処理条件記憶部47のEXDR4S2番地から、メインロボット第4軸駆動のためのデータDATADR4S2が得られる。
【0042】
こうして、ドライバーとロボット軸との対応関係の変更に応じ、ドライバー制御時の処理用のデータも、対応関係に適合するように変更される。とくに、対応関係設定の段階で、上記軸定義フラッグADFの分配記号等を設定しておきさえすれば、ステップS14〜S16により自動的に適切なデータが得られる。
【0043】
なお、上記実施例ではメインロボットとサブロボットとを制御するようにしているが、制御すべきロボット軸の総数がコントローラのドライバーの数を超えなければ、3つ以上のロボットを1つのコントローラで制御するようにしてもよい。
【0044】
また、対応関係設定のための軸定義フラッグADFとその中の分配記号、移動命令に応じて発行する軸選択フラッグASF、EXテーブル等の具体的数値は上記実施例に限定されず、適宜設計変更可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明の制御装置は、各ドライバーと複数のロボットの各駆動軸との対応関係を変更可能に設定する設定手段と、上記対応関係の設定に基づいて各ドライバーに対応する駆動軸の属性を示すデータを書き換え可能に記憶する各軸属性記憶部と、上記対応関係に応じてドライバーの処理条件を決定する処理条件決定手段と、移動命令入力手段と、移動命令入力手段により入力されたデータと各軸属性記憶部から読み出したデータとの照合に基づき、移動命令を判別してドライバーを選定する移動命令判別手段と、選定されたドライバーにつき、処理内容を求めてそれに従った制御を行なう制御手段とを備えているため、1つのコントローラで複数のロボットを任意に制御することができる。とくに、移動命令に応じて駆動すべきロボット軸に対応するドライバーの選定、制御を正しく行うことができ、また、コントローラに接続される複数のロボットの軸数、組合せ等が変わった場合にも、それに応じた調整が上記対応関係の設定によって行われることにより、適切な制御を行うことができる。また、とくに、移動命令入力等の操作を簡単にしつつ、複数のロボットの制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるロボットおよびコントローラの概略図である。
【図2】本発明の一実施例による制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】軸定義フラッグを示す説明図である。
【図4】移動命令および軸選択フラッグを示す説明図である。
【図5】(a)〜(d)はロボット軸の数等が異なる各種場合におけるドライバーとロボット軸との対応関係ならびに分配記号を示す説明図である。
【図6】処理条件記憶部の内容を示す説明図である。
【図7】EXテーブルを示す説明図である。
【図8】制御の方法を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャート中の一部分の具体的処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メインロボット
2 サブロボット
3 コントローラ
15,16,17,18,,19,23,24 モータ
31,32,33,34,35,36,37,38 ドライバー
41 分配設定手段
42 処理条件決定手段
43 移動命令入力手段
44 移動命令判別手段
45 制御手段
Claims (2)
- 複数のロボットを、これらロボットの駆動軸の総数以上の数のドライバーを有するコントローラにより制御する装置であって、
上記各ドライバーと上記複数のロボットの各駆動軸との対応関係を変更可能に設定する設定手段と、
上記対応関係の設定に基づいて各ドライバーに対応する駆動軸の属性を示すデータを書き換え可能に記憶する各軸属性記憶部と、
上記各ドライバーと上記各駆動軸との対応関係に応じてドライバーの処理条件を決定する処理条件決定手段と、
駆動すべきロボットおよび駆動軸を特定する駆動対象指定と移動位置を特定する移動位置指定とを含む移動命令を示すデータを入力する移動命令入力手段と、上記移動命令入力手段により入力されたデータと上記各属性記憶手段から読み出したデータとの照合に基づき、上記移動命令を判別して駆動対象に対応するドライバーを選定する移動命令判別手段と、
上記移動命令判別手段により選定されたドライバーにつき、上記処理条件決定手段により決定される処理条件と上記移動命令で指定される移動位置とに基づいて処理内容を求め、この処理内容に従ってドライバーを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする複数ロボットの制御装置。 - 上記複数のロボットのうちの少なくとも1つのロボットの駆動軸には、当該ロボットに付属する付加軸が含まれており、上記各軸属性記憶部に記憶されるデータおよび上記移動命令入力手段によって入力されるデータには付加軸を示すデータも含まれていることを特徴とする請求項1記載の複数ロボットの制御装置。
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JPH06246664A (ja) | 1994-09-06 |
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