JP3541923B2 - アクティブフェーズドアレーアンテナ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、位相を設定して任意の方向にビームを形成し送受信する半導体アンプを用いたアクティブフェーズドアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来のアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、1はアクティブフェーズドアレーアンテナであり、2はアクティブフェーズドアレーアンテナ1に送信信号を入力するための送信機、3はアクティブフェーズドアレーアンテナ1で受信した電波を受信する受信機、4はアクティブフェーズドアレーアンテナ1の送信と受信の切換を制御する送受切換制御部、5はアクティブフェーズドアレーアンテナ1の位相を制御する位相制御部、6はアクティブフェーズドアレーアンテナ1を冷却するための冷却部である。
【0003】
アクティブフェーズドアレーアンテナ1の内部については、図において、11a〜11cは送受切換制御部4からの信号により送信と受信を切り換える送受切換器、12は送信時に送信信号を送受信モジュール13に分配し受信時に送受信モジュール13からの受信信号を合成する合成・分配器、13は送信時に送信信号を増幅し受信時に受信信号を増幅する送受信モジュール、14は送信信号及び受信信号の位相を制御する移相器、15は送信信号を増幅する増幅器A、16は受信信号を増幅する増幅器B、17は送信信号を空中へ送信し空中の信号を受信するアンテナ素子、18は増幅器A15及び増幅器B16を冷却するための冷却板である。
【0004】
次に動作について説明する。送信時、送信機2からアクティブフェーズドアレーアンテナ1に入力された信号は、送受切換器11aを介して合成・分配器12に入力される。合成・分配器12は、送信する信号を送受信モジュール13の数に分配する。分配された信号は、送受信モジュール13の中の移相器14に入力され、位相制御部5により位相を制御され、送受切換器11bを介して増幅器A15に入力される。増幅器A15で増幅された信号は送受切換器11cを介してアンテナ素子17に送られ空中へ送信される。アンテナ素子17から送信された送信波は、それぞれ空中で合成されて、位相制御部5により意図された方向に送信ビームを形成する。
【0005】
次に受信時は、アンテナ素子17で受信された信号が送受切換器11cを介して増幅器B16で増幅され、送受切換器11bを介して移相器14に入力される。移相器14では位相制御部5からの制御信号により受信信号の位相を変換して合成・分配器12で各アンテナ素子17からの受信信号を合成する。この時、位相制御の結果として、受信ビームが形成される。この合成された受信信号は送受切換器11aを介して受信機3へ出力される。
【0006】
増幅器A15及び増幅器B16は、動作時に発熱するため冷却する必要がある。このため、送受信モジュール13を冷却板18に取り付け冷却する。冷却板18は、冷却部6から送られる冷却液を循環させて冷却する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアクティブフェーズドアレーアンテナは、以上のように冷却液の温度変化に伴い送受信モジュールの出力振幅及び位相が変化することを想定していない。従って冷却液の温度が変化した場合、位相の変化によってサイドローブレベルが高くなったり、ビーム幅が広がったりすることになり、所要の性能を達成できなくなる等の問題があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、予め冷却液の温度変化に対する位相のズレを測定しておき、実際に冷却液の温度が変化した場合そのズレ量を補正することによって、常に安定した性能を確保できるアクティブフェーズドアレーアンテナを得ることを目的としている。
この発明に係るアクティブフェーズドアレーアンテナでは、冷却液の温度変化またはそれに伴う振幅の変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑み、この発明は、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、この冷却板に供給される冷却液の温度を測定する温度測定手段と、上記冷却液温度に従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0010】
またこの発明は、上記温度測定手段が上記冷却板から出てくる冷却液の温度を測定することを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0011】
またこの発明は、上記冷却板が上記各送受信モジュールごとの複数枚で構成され、上記温度測定手段が各冷却板から出てくる冷却液の温度をそれぞれ測定し、上記位相制御補正手段が測定されたそれぞれの温度に従って各送受信モジュールの位相補正量を決めることを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0012】
またこの発明は、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、送信時および受信時の少なくとも一方における上記送受信モジュールから出力される信号の振幅レベルに従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0013】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、分岐された全てのRF信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0014】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、この分岐されたRF信号の振幅レベルに従って全ての上記送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0015】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0016】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0017】
またこの発明は、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0018】
またこの発明は、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、1〜6、11〜18は従来装置と同一もしくは相当部分を示すものであり、説明を省略する。7は冷却部6から冷却板に送られる冷却液の温度を測定する温度センサ、8aは温度センサ7で感知した温度をもとに位相のズレを補正するためのデータを位相制御部5に出力する補正部Aである。
【0020】
補正データは、送信系の場合、図2に示すようにアンテナ素子17を外した計測系により事前に冷却板入口の冷却液温度を変化させて、図3に示すような冷却温度に対する位相の変化を測定しておく。図2において20aは位相差測定装置であり、アクティブフェーズドアレイアンテナ1の入力信号の位相を基準として送受信モジュール13の出力信号との位相差を測定する。21は温度測定部であり、温度センサ7で検出した温度を表示する。冷却部6により、冷却液が変化する温度範囲で冷却温度を変化させて、一定温度間隔で位相差を測定し、図3に示す冷却温度に対する位相変化を測定する。各送受信モジュール13の全てについて図3に示すデータを測定する。図3に示すデータをもとに、図1に示すシステムにおいて、補正部A8aが温度に対応して各送受信モジュール13の位相補正量を位相制御部5に出力し、位相制御部5はこれらの位相補正量を考慮して位相制御を行う。
【0021】
受信系の場合、図4に示すように信号発生装置22により、基準となる信号を受信入力端から送受信モジュール13に入力する。基準信号とアクティブフェーズドアレイアンテナ1の出力との位相差を位相差測定装置20aで測定して図3と同様な補正データを取得する。後の処理は、送信系と同様である。
【0022】
これにより、冷却液の温度変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0023】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。この実施の形態では、温度センサ7は、冷却板18の冷却液出口における冷却液温度を測定する。つまり、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それにより補正を実施するものである。
【0024】
これにより、冷却液の冷却板出口温度に対する位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができる。
【0025】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。この実施の形態では、冷却板18が例えば各送受信モジュール13毎に分割された複数枚の冷却板からなり、各冷却板18の出口の温度を測定する。各冷却板18の出口温度とその冷却板18に対応した送受信モジュール13の位相を測定し、実施の形態2と同様の処理によって補正を実施するものである。
【0026】
これにより、各送受信モジュール毎に、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができ、より細かい補正が行える。
【0027】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。図において、19aは入力RF信号の一部を分岐する分配器である。
【0028】
上記実施の形態1〜3では、位相の変化を冷却液の温度を測定することにより補正するものであるが、ここでは、送信時のRF出力レベルの変化に対する位相の変化により補正するものである。すなわち送受信モジュール13は、冷却液温度の変化に対して振幅と位相が変化するため、送信出力の振幅変化を測定することにより、図8に示す通り一義的に位相の変化量が定まる。
【0029】
補正データは、図9に示す構成により取得する。20bは、振幅・位相測定装置であり、送信機2からの基準信号と分配器19aから分岐されてくる送信信号との位相差を測定し、同時に分配器19aから分岐されてくる送信信号の振幅を測定する。冷却液の温度を変化させて、位相の変化を測定し、同時に振幅を測定することにより、図8に示す補正データが得られる。この補正データを各送受信モジュール出力に関して取得し、これに基づいて各送受信モジュール13の位相を補正する。上記の補正は、図7に示す補正部B8bにて行う。
【0030】
これにより、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0031】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態4では、全送受信モジュール13の出力の振幅を測定していたが、比較的冷却液温度が安定したシステムの場合は、測定するモジュール出力を減らすことが可能である。実施の形態5では、1つの送受信モジュール出力の振幅変化に対する各送受信モジュールの位相の変化を補正データとして取得することにより、位相補正を行う。
【0032】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0033】
実施の形態6.
図11はこの発明の実施の形態6によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態4、5では、送信時の位相補正について述べたが、実施の形態6は、受信時の位相補正に関するものである。信号発生装置22により基準信号を発生させ、切換器19bで受信信号と基準信号を切り換えて送受信モジュール13に入力し、基準信号に切り換えた時に各送受信モジュール13の出力信号の振幅を計測する。計測した振幅の値により、実施の形態4と同様に位相を補正する。
【0034】
これにより、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0035】
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態6では、全送受信モジュール出力の振幅を測定していたが、比較的冷却液温度が安定したシステムの場合は、測定するモジュール出力を減らすことが可能である。実施の形態7では、1つの送受信モジュール13の出力の振幅変化に対する各送受信モジュール13の位相の変化を補正データとして取得することにより、位相補正を行う。
【0036】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0037】
実施の形態8.
図13はこの発明の実施の形態8によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。図において、19cは送信時は分配器として働き受信時は切換器として働く分配・切換器である。実施の形態8は、実施の形態4と実施の形態6を組合せ、全送受信モジュール出力の振幅を測定して、送信時及び受信時にとも位相補正を行うものである。
【0038】
これにより、受信時および受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0039】
実施の形態9.
図14はこの発明の実施の形態9によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態9は、実施の形態5と実施の形態7を組合せ、送信時及び受信時にとも位相補正を行うものである。
【0040】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0041】
【発明の効果】
上記のようにこの発明では、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、この冷却板に供給される冷却液の温度を測定する温度測定手段と、上記冷却液温度に従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナとしたので、冷却液の温度変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0042】
またこの発明では、上記温度測定手段が上記冷却板から出てくる冷却液の温度を測定するようにしたので、冷却液の冷却板出口温度に対する位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができる。
【0043】
またこの発明では、上記冷却板が上記各送受信モジュールごとの複数枚で構成され、上記温度測定手段が各冷却板から出てくる冷却液の温度をそれぞれ測定し、上記位相制御補正手段が測定されたそれぞれの温度に従って各送受信モジュールの位相補正量を決めるようにしたので、各送受信モジュール毎に、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができ、より細かい補正が行える。
【0044】
またこの発明では、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、送信時および受信時の少なくとも一方における上記送受信モジュールから出力される信号の振幅レベルに従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナとしたので、送信時および受信時の少なくとも一方における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0045】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、分岐された全てのRF信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0046】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、この分岐されたRF信号の振幅レベルに従って全ての上記送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0047】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0048】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0049】
またこの発明では、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むようにしたので、送信時および受信時における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0050】
またこの発明では、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むようにしたので、送信時および受信時における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図2】実施の形態1において送信系における冷却液温度に対する送信時の位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1において冷却液温度に対する位相の変化の測定値の例を示す図である。
【図4】実施の形態1において受信系における冷却液温度に対する受信時の位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図8】実施の形態4において冷却液温度が変化した時の振幅と位相の変化の測定値の例を示す図である。
【図9】実施の形態4において冷却液温度に対する送信時の振幅と位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態5によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態6によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態7によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態8によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態9によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図15】従来のアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アクティブフェーズドアレーアンテナ、2 送信機、3 受信機、4 送受切換制御部、5 位相制御部、6 冷却部、7 温度センサ、8a 補正部A、8b 補正部B、11a〜11c 送受切換器、12 合成・分配器、13 送受信モジュール、14 移相器、15 増幅器A、16 増幅器B、17 アンテナ素子、18 冷却板、19a 分配器、19b 切換器、19c 分配・切換器、20a 位相差測定装置、20b 振幅・位相測定装置、21 温度測定部、22 信号発生装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、位相を設定して任意の方向にビームを形成し送受信する半導体アンプを用いたアクティブフェーズドアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来のアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、1はアクティブフェーズドアレーアンテナであり、2はアクティブフェーズドアレーアンテナ1に送信信号を入力するための送信機、3はアクティブフェーズドアレーアンテナ1で受信した電波を受信する受信機、4はアクティブフェーズドアレーアンテナ1の送信と受信の切換を制御する送受切換制御部、5はアクティブフェーズドアレーアンテナ1の位相を制御する位相制御部、6はアクティブフェーズドアレーアンテナ1を冷却するための冷却部である。
【0003】
アクティブフェーズドアレーアンテナ1の内部については、図において、11a〜11cは送受切換制御部4からの信号により送信と受信を切り換える送受切換器、12は送信時に送信信号を送受信モジュール13に分配し受信時に送受信モジュール13からの受信信号を合成する合成・分配器、13は送信時に送信信号を増幅し受信時に受信信号を増幅する送受信モジュール、14は送信信号及び受信信号の位相を制御する移相器、15は送信信号を増幅する増幅器A、16は受信信号を増幅する増幅器B、17は送信信号を空中へ送信し空中の信号を受信するアンテナ素子、18は増幅器A15及び増幅器B16を冷却するための冷却板である。
【0004】
次に動作について説明する。送信時、送信機2からアクティブフェーズドアレーアンテナ1に入力された信号は、送受切換器11aを介して合成・分配器12に入力される。合成・分配器12は、送信する信号を送受信モジュール13の数に分配する。分配された信号は、送受信モジュール13の中の移相器14に入力され、位相制御部5により位相を制御され、送受切換器11bを介して増幅器A15に入力される。増幅器A15で増幅された信号は送受切換器11cを介してアンテナ素子17に送られ空中へ送信される。アンテナ素子17から送信された送信波は、それぞれ空中で合成されて、位相制御部5により意図された方向に送信ビームを形成する。
【0005】
次に受信時は、アンテナ素子17で受信された信号が送受切換器11cを介して増幅器B16で増幅され、送受切換器11bを介して移相器14に入力される。移相器14では位相制御部5からの制御信号により受信信号の位相を変換して合成・分配器12で各アンテナ素子17からの受信信号を合成する。この時、位相制御の結果として、受信ビームが形成される。この合成された受信信号は送受切換器11aを介して受信機3へ出力される。
【0006】
増幅器A15及び増幅器B16は、動作時に発熱するため冷却する必要がある。このため、送受信モジュール13を冷却板18に取り付け冷却する。冷却板18は、冷却部6から送られる冷却液を循環させて冷却する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアクティブフェーズドアレーアンテナは、以上のように冷却液の温度変化に伴い送受信モジュールの出力振幅及び位相が変化することを想定していない。従って冷却液の温度が変化した場合、位相の変化によってサイドローブレベルが高くなったり、ビーム幅が広がったりすることになり、所要の性能を達成できなくなる等の問題があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、予め冷却液の温度変化に対する位相のズレを測定しておき、実際に冷却液の温度が変化した場合そのズレ量を補正することによって、常に安定した性能を確保できるアクティブフェーズドアレーアンテナを得ることを目的としている。
この発明に係るアクティブフェーズドアレーアンテナでは、冷却液の温度変化またはそれに伴う振幅の変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑み、この発明は、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、この冷却板に供給される冷却液の温度を測定する温度測定手段と、上記冷却液温度に従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0010】
またこの発明は、上記温度測定手段が上記冷却板から出てくる冷却液の温度を測定することを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0011】
またこの発明は、上記冷却板が上記各送受信モジュールごとの複数枚で構成され、上記温度測定手段が各冷却板から出てくる冷却液の温度をそれぞれ測定し、上記位相制御補正手段が測定されたそれぞれの温度に従って各送受信モジュールの位相補正量を決めることを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0012】
またこの発明は、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、送信時および受信時の少なくとも一方における上記送受信モジュールから出力される信号の振幅レベルに従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0013】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、分岐された全てのRF信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0014】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、この分岐されたRF信号の振幅レベルに従って全ての上記送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0015】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0016】
またこの発明は、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0017】
またこの発明は、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0018】
またこの発明は、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、1〜6、11〜18は従来装置と同一もしくは相当部分を示すものであり、説明を省略する。7は冷却部6から冷却板に送られる冷却液の温度を測定する温度センサ、8aは温度センサ7で感知した温度をもとに位相のズレを補正するためのデータを位相制御部5に出力する補正部Aである。
【0020】
補正データは、送信系の場合、図2に示すようにアンテナ素子17を外した計測系により事前に冷却板入口の冷却液温度を変化させて、図3に示すような冷却温度に対する位相の変化を測定しておく。図2において20aは位相差測定装置であり、アクティブフェーズドアレイアンテナ1の入力信号の位相を基準として送受信モジュール13の出力信号との位相差を測定する。21は温度測定部であり、温度センサ7で検出した温度を表示する。冷却部6により、冷却液が変化する温度範囲で冷却温度を変化させて、一定温度間隔で位相差を測定し、図3に示す冷却温度に対する位相変化を測定する。各送受信モジュール13の全てについて図3に示すデータを測定する。図3に示すデータをもとに、図1に示すシステムにおいて、補正部A8aが温度に対応して各送受信モジュール13の位相補正量を位相制御部5に出力し、位相制御部5はこれらの位相補正量を考慮して位相制御を行う。
【0021】
受信系の場合、図4に示すように信号発生装置22により、基準となる信号を受信入力端から送受信モジュール13に入力する。基準信号とアクティブフェーズドアレイアンテナ1の出力との位相差を位相差測定装置20aで測定して図3と同様な補正データを取得する。後の処理は、送信系と同様である。
【0022】
これにより、冷却液の温度変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0023】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。この実施の形態では、温度センサ7は、冷却板18の冷却液出口における冷却液温度を測定する。つまり、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それにより補正を実施するものである。
【0024】
これにより、冷却液の冷却板出口温度に対する位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができる。
【0025】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。この実施の形態では、冷却板18が例えば各送受信モジュール13毎に分割された複数枚の冷却板からなり、各冷却板18の出口の温度を測定する。各冷却板18の出口温度とその冷却板18に対応した送受信モジュール13の位相を測定し、実施の形態2と同様の処理によって補正を実施するものである。
【0026】
これにより、各送受信モジュール毎に、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができ、より細かい補正が行える。
【0027】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。図において、19aは入力RF信号の一部を分岐する分配器である。
【0028】
上記実施の形態1〜3では、位相の変化を冷却液の温度を測定することにより補正するものであるが、ここでは、送信時のRF出力レベルの変化に対する位相の変化により補正するものである。すなわち送受信モジュール13は、冷却液温度の変化に対して振幅と位相が変化するため、送信出力の振幅変化を測定することにより、図8に示す通り一義的に位相の変化量が定まる。
【0029】
補正データは、図9に示す構成により取得する。20bは、振幅・位相測定装置であり、送信機2からの基準信号と分配器19aから分岐されてくる送信信号との位相差を測定し、同時に分配器19aから分岐されてくる送信信号の振幅を測定する。冷却液の温度を変化させて、位相の変化を測定し、同時に振幅を測定することにより、図8に示す補正データが得られる。この補正データを各送受信モジュール出力に関して取得し、これに基づいて各送受信モジュール13の位相を補正する。上記の補正は、図7に示す補正部B8bにて行う。
【0030】
これにより、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0031】
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態4では、全送受信モジュール13の出力の振幅を測定していたが、比較的冷却液温度が安定したシステムの場合は、測定するモジュール出力を減らすことが可能である。実施の形態5では、1つの送受信モジュール出力の振幅変化に対する各送受信モジュールの位相の変化を補正データとして取得することにより、位相補正を行う。
【0032】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0033】
実施の形態6.
図11はこの発明の実施の形態6によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態4、5では、送信時の位相補正について述べたが、実施の形態6は、受信時の位相補正に関するものである。信号発生装置22により基準信号を発生させ、切換器19bで受信信号と基準信号を切り換えて送受信モジュール13に入力し、基準信号に切り換えた時に各送受信モジュール13の出力信号の振幅を計測する。計測した振幅の値により、実施の形態4と同様に位相を補正する。
【0034】
これにより、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0035】
実施の形態7.
図12はこの発明の実施の形態7によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態6では、全送受信モジュール出力の振幅を測定していたが、比較的冷却液温度が安定したシステムの場合は、測定するモジュール出力を減らすことが可能である。実施の形態7では、1つの送受信モジュール13の出力の振幅変化に対する各送受信モジュール13の位相の変化を補正データとして取得することにより、位相補正を行う。
【0036】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0037】
実施の形態8.
図13はこの発明の実施の形態8によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。図において、19cは送信時は分配器として働き受信時は切換器として働く分配・切換器である。実施の形態8は、実施の形態4と実施の形態6を組合せ、全送受信モジュール出力の振幅を測定して、送信時及び受信時にとも位相補正を行うものである。
【0038】
これにより、受信時および受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0039】
実施の形態9.
図14はこの発明の実施の形態9によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。図において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示す。実施の形態9は、実施の形態5と実施の形態7を組合せ、送信時及び受信時にとも位相補正を行うものである。
【0040】
これにより装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0041】
【発明の効果】
上記のようにこの発明では、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、この冷却板に供給される冷却液の温度を測定する温度測定手段と、上記冷却液温度に従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナとしたので、冷却液の温度変化を測定することによって、その温度変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0042】
またこの発明では、上記温度測定手段が上記冷却板から出てくる冷却液の温度を測定するようにしたので、冷却液の冷却板出口温度に対する位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができる。
【0043】
またこの発明では、上記冷却板が上記各送受信モジュールごとの複数枚で構成され、上記温度測定手段が各冷却板から出てくる冷却液の温度をそれぞれ測定し、上記位相制御補正手段が測定されたそれぞれの温度に従って各送受信モジュールの位相補正量を決めるようにしたので、各送受信モジュール毎に、冷却液の冷却板出口温度に対して位相の変化を計測し、それに基づいて補正を実施することができ、より細かい補正が行える。
【0044】
またこの発明では、送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、送信時および受信時の少なくとも一方における上記送受信モジュールから出力される信号の振幅レベルに従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナとしたので、送信時および受信時の少なくとも一方における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0045】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、分岐された全てのRF信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0046】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、この分岐されたRF信号の振幅レベルに従って全ての上記送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、送信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0047】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0048】
またこの発明では、上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むようにしたので、受信時の位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【0049】
またこの発明では、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むようにしたので、送信時および受信時における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができる。
【0050】
またこの発明では、上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むようにしたので、送信時および受信時における位相補正に関し、冷却液の温度変化に伴う位相の変化と振幅の変化の関係を補正データとして予め求め、温度の代わりに振幅変化を測定することによって、その振幅変化に伴う位相のズレを補正し、冷却状況に左右されない性能を確保することができ、かつ装置の簡略化、簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図2】実施の形態1において送信系における冷却液温度に対する送信時の位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1において冷却液温度に対する位相の変化の測定値の例を示す図である。
【図4】実施の形態1において受信系における冷却液温度に対する受信時の位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図8】実施の形態4において冷却液温度が変化した時の振幅と位相の変化の測定値の例を示す図である。
【図9】実施の形態4において冷却液温度に対する送信時の振幅と位相の変化を測定する時の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態5によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態6によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態7によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態8によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態9によるアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【図15】従来のアクティブフェーズドアレーアンテナを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アクティブフェーズドアレーアンテナ、2 送信機、3 受信機、4 送受切換制御部、5 位相制御部、6 冷却部、7 温度センサ、8a 補正部A、8b 補正部B、11a〜11c 送受切換器、12 合成・分配器、13 送受信モジュール、14 移相器、15 増幅器A、16 増幅器B、17 アンテナ素子、18 冷却板、19a 分配器、19b 切換器、19c 分配・切換器、20a 位相差測定装置、20b 振幅・位相測定装置、21 温度測定部、22 信号発生装置。
Claims (10)
- 送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、
送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、
これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、
上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、
上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、
この冷却板に供給される冷却液の温度を測定する温度測定手段と、
上記冷却液温度に従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、
を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナ。 - 上記温度測定手段が上記冷却板から出てくる冷却液の温度を測定することを特徴とする請求項1に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記冷却板が上記各送受信モジュールごとの複数枚で構成され、上記温度測定手段が各冷却板から出てくる冷却液の温度をそれぞれ測定し、上記位相制御補正手段が測定されたそれぞれの温度に従って各送受信モジュールの位相補正量を決めることを特徴とする請求項1に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 送信時に送信信号を複数の信号に分配し、受信時に複数の受信信号を合成する合成・分配器と、
送信時に分配された複数の送信信号をそれぞれに増幅し、受信時には合成される前の複数の受信信号を増幅する増幅器をそれぞれ有する複数の送受信モジュールと、
これらの送受信モジュールにそれぞれ接続された信号の送受信を行うアンテナ素子と、
上記各送受信モジュールにおいて、上記複数のアンテナ素子によって所望の方向に送信ビームを発生させるように、また上記複数のアンテナ素子によって得られた複数の受信信号を合成した時に受信ビームが形成されるように上記複数の送信信号および受信信号の位相制御を行う位相制御手段と、
上記各送受信モジュールの増幅器を冷却するための冷却液が流れる冷却板と、送信時および受信時の少なくとも一方における上記送受信モジュールから出力される信号の振幅レベルに従って上記位相制御手段での位相補正量を決める位相制御補正手段と、
を備えたことを特徴とするアクティブフェーズドアレーアンテナ。 - 上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、分岐された全てのRF信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記位相制御補正手段が送信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの送信出力端に接続された送信するRF信号の一部を分岐する分配器と、この分岐されたRF信号の振幅レベルに従って全ての上記送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記位相制御補正手段が受信時の位相補正を行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する補正部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、全ての上記送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、全ての上記送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
- 上記位相制御補正手段がさらに受信時の位相補正も行うものであって、1つの上記送受信モジュールの受信入力端に振幅の変化を測定するための基準信号を発生させる信号発生装置と、この送受信モジュールの受信入力端に接続し、受信信号と上記信号発生装置からの基準信号を切り換える切換器と、この送受信モジュールの出力信号の振幅レベルに従って全ての上記各送受信モジュールの位相の補正量を設定する第2補正部と、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のアクティブフェーズドアレーアンテナ。
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