JP3541355B2 - 化学物質種を検出及びモニターするための物質、方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の分野】
本発明は、標的環境中のある化学物質種の検出又は定量に関する。そして本発明は、ある化学物質種と相互作用性の、ある種の粒が、その物質種の存在の指標又はその物質種の存在量の指標として有利にモニターできるという発見に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
標的環境に、ある化学物質種と相互作用可能な物質を暴露することによって、その標的環境中の化学物質種の存在又は量を測定し、そしてその化学物質種が存在するかどうか又はどんな量で存在するかの指標として、そのような相互作用に基づく物質の性質の変化をモニターすることによって、標的環境中の化学物質種の存在又は量を測定する幾つかの知られた方法が存在する。
【0003】
一つの方法は圧電物質に適用されたある物質種と相互作用する物質の環境への暴露であった。この物質はもし化学物質種の任意のものが存在するならばあらかじめ選択されたその物質の性質が変化されるように影響される。表面音波は圧電物質中に誘発される。この物質の性質の任意の変化は表面音波の減衰を生じ、これはその物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかの指標としてモニターすることが出来る。例えば米国特許第4312228及び4759210を参照。
【0004】
別の方法は流体媒体中の被分析物の存在の検出又は濃度の測定の為の容量性の装置(デバイス)の提供であった。金属の導体から形成された複数の相互に櫛形のフィンガーが絶縁基体上に置かれる。その基体はガラス等の絶縁物質で形成されることが出来、そしてフィンガーは銅及び金で出来ているものであり得る。それらのフィンガーは絶縁性のパシベーションレイヤーで覆われる。この方法は生化学的な結合系と被分析物の間の生物特異的な結合を伴ってセンサーの誘電性を変更させる。米国特許第4822566を参照。
【0005】
更に別の方法は、化学抵抗(chemiresistor)装置(デバイス)に適用されたジチオレン遷移金属複合体の薄いフィルムからなる化学センサーを提供することであった。このフィルムは基体上の相互に櫛形になった電極上に付着される。このフィルムは問題の被分析物の化学ガス又は蒸気に暴露された時に導電性を変える。相互に櫛形になった電極は金でありえ、そして基体は水晶等の絶縁物質である。電源及び電流測定装置が含まれる。米国特許第4992244を参照。
【0006】
更に別の方法は試料の1又はそれ以上の電気的に測定可能な特性を測定する電極構造を含んでいる試料測定装置の性質のバイオセンサーを提供することであった。試験セルの一つの壁上の二つの電極の間の区域が金のゾル粒子等の導電性の粒を結合出来る結合剤で被覆されることができる。米国特許5141868を参照。
【0007】
示唆がなされている異なる種類のバイオセンサーは、薄い結晶性のドライブ表面活性剤重合体導電層を有しており、これに特異的な結合対のメンバーが結合され得る。結合対メンバー層に対する被分析物又は試薬の結合は被分析物の測定の為に層の電気的性質を変化させ得る。米国特許5156810を参照。
【0008】
しかしながら、この技術分野にとって、既に準備が万全で且つ多才であるような実装可能性を与え得る、そして信頼性とミニチュア化適合可能性と低コストを犠牲にすることなく、非常に低水準で電力を消費することが出来るようにする、別の検出技術を有することが更に望ましい。
【0009】
【発明の目的】
本発明は化学物質種の検出とモニターの為の感度のよい、信頼性のある技術を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、標的環境中のあらかじめ選択した化学物質種の、感度がよく信頼性のある検出又は定量に適した物質、方法及び装置(デバイス)を提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、コンパクトな寸法、低コスト及び低い電力消費を必要とする用途の為に十分適した前記の物質、方法及び装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、前記の装置を製造する方法を提供することである。
【0013】
【本発明のまとめ】
一面に於て、本発明は標的環境中にある化学物質種が存在するかどうか又はいかなる量で存在するかを測定するのに使用するのに適した製造物品であり、この製造物品は、密充填配列された多数の粒からなり、その粒は、最大寸法が0.8〜40.0nmの導電性の金属又は導電性の合金のコア(芯)、及びそのコア上の厚みが0.4〜4.0nmのリガンドシェル(配位子の殻)を有しており、上記リガンドシェルは多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である。
【0014】
更に別の面に於て、本発明は化学物質種が存在するかどうか又どのような量で存在するかを測定するために標的環境を調べる為の方法であり、この方法は、(a)上記環境に密充填配置された多数の粒からなる製造物品を暴露し、但し上記粒は導電性の金属又は導電性の合金のコアと、そのコア上のリガンドとを有しており、該リガンド(配位子)は多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能該であり、(b)上記多数の粒を上記性質が示されるのに十分な条件に置き、そして(c)上記物質種が存在するかどうか又どのような量で存在するかの指標として任意の変化が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定する為に上記性質をモニターすることからなる。
【0015】
別の面に於て、本発明はある化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために標的環境を調べるのに適した装置であって、この装置は(a)上記環境と接する為に複数の粒を上に支持して提示するように適当に形作られた基体、(b)上記基体によって支持され、導電性の金属又は導電性の合金のコアとそのコア上のリガンドとを有している密充填配列の多数の粒、但し、リガンドは多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である、及び(c)上記多数の粒の上記性質をモニターするためのセンサーからなっている。
【0016】
本発明の更に別の面は、ある化学物質種が存在し得るかどうか又はどのような量で存在し得るかを測定するために標的環境の調査をするのに適した装置を製造する方法にあり、この方法は基体上に(i)各々が櫛形の形状を有している相互に櫛の歯が互い違いになった一対の電極を付着させ、そして(ii)その付着を、上記電極が多数の粒の薄いフィルムと電気的に接続される方法で行うことからなり、但し、多数の粒は導電性の金属又は導電性の合金のコア及び上記コア上に付着されたリガンドシェルを有するものであって、ここで、上記粒の各々に於て、コアは最大寸法が0.8〜40.0nmであり上記リガンドシェルの厚みは0.4〜4.0nmであって、上記リガンドは上記多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である。
【0017】
本発明の更に別の面は、ある化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために、標的環境を調べるのに適した装置にあり、この装置は(a)密充填配列の多数の粒、但しその粒は導電性の金属又は導電性の金属合金のコアとそのコア上に付着されているリガンドとを有しており、そのリガンドは、多数の粒の性質が変えられるように上記化学物質種と相互作用可能であり、(b)上記環境に上記多数の粒を暴露させるための手段、(c)上記多数の粒を上記性質が示されるに十分な条件に置く為の手段及び(b)上記物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかの指標としてそのような性質の任意の変化が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するための上記性質をモニターするための手段からなっている。
【0018】
「密充填配列」という用語は本明細書では、リガンドシェルがそれらの最も近い隣と接触し、そして複数分子程度の寸法の(例えば0.1〜1.0nm)、粒間空間が相互に連絡している、ナノ寸法金属粒の固体状態配列を意味している。粒は典型的には粒の金属のコアが効果的にリガンドシェルによって包まれているという点に於て安定化されている。
【0019】
本発明の実施は実質的な利点を生じる。多数の粒は極めて少量で効果を有し、従って、そのような多数の粒を使用する方法や装置の具体例は商業的に小さなスケールで実装できる。更に、これらの多数の粒は検出用途には極めて感度が高い。更に、リガンド成分、金属コアの寸法又は種類、及びリンガンドシェルの寸法又は種類を変更することによって、多数の粒は広範囲な化学物質種との相互作用に対し高感度にすることが出来、従ってそれらを検出することが出来るようにできる。その結果それらの多数の粒を伴う方法及び装置の具体例も高感度で高度に適合性がある。その上、本発明に従うセンサー装置又はセンサーシステムの製造及び使用は比較的単純であり、比較的費用がかからない。例えば、センサー装置は安い電子的な読取り装置でインターフェースを容易に行うことができ、そしてその操作は極めて少しの電力しか必要としない。又設計の単純さの為、センサー装置及びセンサーシステムはぶこつでも頼りになるものである。他の設計に基づく利点は、迅速な線形且つ可逆的な応答が達成できること、及び多才であること、例えば、発明で検出されるべき調査環境や化学物質種が、固体(例えば多孔性の固体)、液体又はガスであるなどである。そしてセンサー成分と対照成分の両方を組込んだ具体例を使用するときは、本発明は更に温度補整され、そして生産でのばらつきに耐えるものである。
【0020】
【ある種の好ましい具体例の記載】
本発明のある特徴は前記のように密充填配列での多数の粒にある。粒の各々は、比較的非導電性物質の薄い「リガンドシェル」(配位子の殻)が化学的(例えば共有結合的)にコア(芯)に結合されていることによって、そのリガンドシェルに取り囲まれている金属の「コア」を形成している導電性の金属原子の非常に小さなクラスターである。
【0021】
金属原子のこのクラスターは、単一の導電性金属から構成されることができ、又は2以上の導電性金属の原子から構成されることが出来る。適当な導電性金属はナノスケールで加工可能な金属であって、そして薄い絶縁リガンドシェルに結合可能であって、安定した金属粒を形成できる金属であり、その粒の多数が周囲の環境に関し安定であり、安定で測定できる導電性を示すものである。それらの例は、貴金属又は他の導電性金属、例えば銅、ニッケル、及びスズである。金属コアの元素の例を述べると、貴金属、好ましくは銀、金、白金、又はパラジウムである。合金のコアは、例を挙げると、2以上の貴金属の組合わせ、例えば銀、金、白金及びパラジウムの2以上の組合わせである。コアの形状に似た粒の形状からあきらかな通り、コア本体は球形又は回転楕円体であるのが有利であるが、それらは他の規則正しい形状又は不規則な形状でもありえる。又、典型的には金属クラスターのコアは最大寸法が0.8〜40nm(好ましくは2〜20nm)の範囲であり、コアは球形であることが有利であり、その場合は典型的な寸法は0.4〜20nm好ましくは1〜10nmの範囲の半径の寸法である。
【0022】
包んでいるリガンドシェルは、有機、無機又は有機と無機とを組合わせた物質であるのが好ましい。その物質は、多数の粒の性質に感知可能な影響を与えるようリガンドシェルが変化し、その結果、存在するなら問題の化学物質種が検出されるように化学物質種と相互作用することができる能力があるものにつき予め選択された物質である。リガンド分子は典型的には頭−尾型の構造を有する。頭はコア表面中の金属原子と結合作用を有する官能基である。そして尾は、非可逆的な凝集に対抗し金属クラスター(即ちコア本体)の追加的な安定性を提供し、且つ溶媒中の溶解性を誘導し且つ、問題の化学物質種との相互作用を促進するように設計された構造及び組成を有している。リガンドシェルは単一分子又は多分子層であり得る。リガンドシェルの物質は、チオール又はアミン等の官能基の付けられた有機化合物であることが有利である。これらのチオール類は第一級脂肪族チオール類(好ましくは直鎖又は分子鎖)、第二級の脂肪族チオール類、第三級の脂肪族チオール類、ヘテロ官能基(例えばOH、COOH、NH2、Cl等、好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)で置換されている脂肪族チオール類、芳香族チオール類、芳香族チオール類であって、ヘテロ官能基で置換されているもの(例えばOH、COOH、NH2、Cl等好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)、及び芳香脂肪族(araliphatic)チオール類であって、ヘテロ官能基で置換されているもの(例えばOH、COOH、NH2、Cl等、好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)である。好ましいアミンは第一級脂肪族アミン類である。そのようなチオール類及びアミン類の脂肪族部分は3〜20個の炭素原子特に4〜16の炭素原子のものであり得る。
【0023】
このシェルは多数の粒が導電性に於て金属的な効果を有する程薄いものではなく、又多数の粒が完全に電気的に絶縁性である程厚いものでもない。好ましくはそのような厚みは0.4〜4nm特に0.4〜2.5nmの範囲である。有機リガンドシェルは金属のクラスターを非可逆的な凝固に対抗して安定化させ、そして又有機溶媒中でのクラスター複合体の高い溶解度を付与する。このことは後で議論するように薄いフィルムとしてこれらの物質を加工可能とすることを可能にする。
【0024】
本明細書の記載を手に入れた当業者は、この粒を次のようにして、即ち、導電性の金属の塩又は合金の場合は導電性の金属類の塩であって、コアを構成すべきもの及び所望のリガンドに対応する有機物質を共通の溶媒中に溶解し、その後迅速撹拌条件下で還元剤を加えることによって、製造することが出来る。(M. Brust等, J. Chem. Soc., Chem. Comm. 1994, 801; D.V. Leff等, Langmuir 1996,12, 4723を参照)。これらの塩の金属イオンは中性原子に還元され、そしてその後核形成し多原子のコア体を形成する。これらのコア体は追加的な金属原子の吸収によって成長する。競争的に有機リガンド分子は成長する金属コア体表面上に吸収され、金属コア体を包み込み、そしてその成長を終らせる。金属塩及び有機リガンド分子の相対的濃度は、金属コア体成長の相対速度及び有機リガンドの包み込みの相対速度を決定し、従って安定化された粒の金属コアの寸法を決定する。リガンドシェルの厚みはリガンド分子の大きさによって決まる。リガンド分子と中性金属の間に強い化学相互作用が存在することが重要であり、さもなくば金属コア体は凝集し再分散しない。適したリガンド分子の選択は一旦この明細書に述べられた記載を実務家が所持したならば当業者の成し得る範囲内のことである。例として、硫黄化合物が金、銀、白金及び銅金属の錯化に特に効果的である。アミン類はより弱いが、十分金との相互作用する。原則的には、還元可能な金属イオン及び有機リガンドに、リガンド化学相互作用に対して十分な中性金属を組み合わせたものが、被覆された金属クラスター、即ち本発明で有用な粒を形成できる。本発明の他の具体例に於て、これに代わる合成法が使用できる。例えば金属イオン還元は最初に実施でき、そしてリガンドシェルの付着を後に実施することができる。これは真空中で又は液体懸濁液中で金属粒を発生させ、その後リガンドシェルの分子の添加によってリガンドシェルを形成することを含み得る。
【0025】
化学センサー装置は、前に述べた密充填配列のこれらの粒の巨大なアンサンブル(即ち多数)が、センサー成分を備えた表面、例えば一対の電気的な接点上に付着させられるとできるものである。生じる「デバイス」は一連の金属−絶縁体−金属(MIM)結合体として記載することができ、ここでは金属はコアであり絶縁体がリガンドシェルである。本明細書で時には本発明は「金属−絶縁体−金属アンサンブル」(「MIME」)デバイスとして呼ばれる。密充填配列の多数の粒が図1に示される。各粒は導電性の金属のコア12及びリガンドシェル14を有し、粒の間に散在する空所16を有している。コア寸法及びリガンドシェル厚みの変化は化学物質種に対する感度に於けるかなりの変化を生じる。
【0026】
調べられる標的環境及び存在するならば問題の化学物質種の両方が、気相、液相、液体又は固相であり得る。これに関連し、環境が純物質(例えばもし環境が完全に化学物質種で構成されているか又は化学物質種が存在しないものであるとき)又は物質の組み合せ(例えば、多成分の気体系、液体系又は固体系又は2以上の異なる相中で物質を含有している不均質系)でありうることも注目されるべきである。多数の粒がそのような環境と接触されると、リガンド物質はもし存在するならばその物質種と相互作用、例えば収着を行う。これによってリガンド物質の変化が生じ、そして多数の粒の1又はそれ以上の性質の変化が生じる。リガンドシェルの化学組成の変化は化学的選択性に於ける有為の変化を生じる。多数の粒の種々の性質のどれか一つをモニターすることができ、ただ一つの要件はリガンド物質と(存在するならば)化学物質種の相互作用の関数としてその性質が変化することである。本発明の幾つかの良好な具体例に於ては、電気的な性質、例えば導電性がモニターされる。他の良好な具体例では、光学的な性質がモニターされる(反射性の金属中心の規則正しい間隔のため、化学物質種との相互作用の結果として粒が膨潤することから光学的な性質の変化が生じる)。モニターされるべき性質がなにであるかを決めることは本明細書の記載をこの分野の人がいったん手に入れれば当業者が成し得る範囲のことである。
【0027】
薄いフィルムとしての多数の粒の形成は、デリケートな操作である。我々の経験では、ゆっくりとした蒸発を伴って溶液をキャスト(注型)させることによっては、再現性をもって又は許容できる均一性をもって薄いフィルムを作ることができない。我々はこの問題に取り組んだ種々の方法を発明した。例えば第一の技術は、好ましくは溶媒の沸点より上の温度に加熱されている、実質的な表面上に、エアブラシから細かい霧として溶液をスプレーすることである。溶媒は飛散して逃げて非常に細かい均一に分散した特徴のフィルムを残す。加熱なしでは、フィルムの特徴は非常に粗く不均一である。別の技術は、化学的な自己形成に基づいている。センサー表面と基体は、プラズマ処理又は化学的処理によって浄化され、結合剤が適用される。結合剤は官能基を分離している不活性な介在構造を有する2官能性の分子である(例えば、a-ωシリルアルカンチオール、例えば(CH3O)3Si(CH2)3SH又はジチオールHS(CH2)6SH)である)。一つの官能基(例えば−Si(OCH3)3又は−SH官能基)はセンサー/基体表面に結合し、そして他方(例えば第2の−SH官能基)は多数の粒と後で結合するためにその表面の反対側を向いている。金属粒のリガンドシェルは、同じ様にして官能基が付けられた分子により個々の分子が置き換えられている動的な系である。従って、吸収された結合剤の固定されたチオール基は粒に結合でき、そしてそれを前記の表面に固定することができる。このやりかたで粒の単一層が表面上に化学収着される。その後、固定された粒の単一層はジチオール結合剤の溶液に暴露される。このジチオールは固定された粒のリガンドシェル中の一官能性のチオールリガンド分子の幾つかと交換し、そして第2のチオール基を固定された粒のリガンドシェルの外側表面上に位置付ける。安定化された多数の粒を形成するための溶液への暴露は第1のものの上に第2の粒の層が化学収着されることを生じる。この方法で粒の多くの層が多層フィルムへと形成されていく。これによって金属コア及びリンガドシェル分子の性質に於ける変化がクラスターの多層中の任意の望まれる深さで成され得る非常に高度に制御された均一且つ再現性のある脱着を提供する。追加的な利点としてこのフィルムは第1の技術とは違って溶媒又は温和な摩耗によって除去可能ではない。
【0028】
本発明の一つの基本的な好ましい具体例に於ては、本発明はMIME物質の薄いフィルムによって接続されている一対の電極からなる、前記の薄いフィルムを用いた装置を提供する。そのような配列は図2に示されている。MIMEの薄いフィルム20は、基体22上に形成されている二つの電極24、26を接続するように基体22上に形成される。蓄電池30を及び電流計32を含んでいる回路28がMIME装置の導電性を測定するために使用される。導電性はAC又はDC条件下で測定できる。
【0029】
より更に好ましい具体例は平版印刷法によって(リソグラフ的に)パターン付けされた一対の装置(例えばフォトリソグラフィー又はシルクスクリーニング等によるもの)である。このパターンは、大きな電極周囲対電極間隔比を有する、平面状の互い違いに櫛形が向合った「櫛」電極を生じる。この大きな長さ対断面積比は装置の電気抵抗を減少するのに役立ち、それによって、低ノイズ及び高精度で、どんな導電性の変化でも容易に測定できるようにする。更に好ましい具体例では、同じ基体上に同時に製作されているこれらの相互に向い合って歯が互い違いになった櫛形の装置のマッチした対がある。図3に示されるようにセンサー装置40及び対照装置42が基体44上に形成される。各々のそのような装置は一対の互い違いに向合った櫛形の電極の対からなっている。本発明に従う多数の粒が、各電極対の間にそして各電極対と接触して配置される。この装置は、電圧源50及び抵抗52、54を含有している回路48中に接続され、そしてこの装置からの出力信号が比較器56に入力される。センサー装置40は測定されるべき化学物質を含有している環境に暴露され(例えば、気体、液体又は固体)、そして対照装置42が、不動態化層即ちパシベーション層(passivating layer)(例えばプラスチック、ガラス、パラフィン蝋等)で覆われるか、又はなんらかの他の方法で問題となる化学物質種をおそらく含有している環境から隔離される。対照装置は薄いフィルムの適用に於てMIMEによって示される温度と共に抵抗が通常変化することを補償するための手段を提供する。センサーと対照装置を同時に製造することによって正確なマッチングと、ロット毎の製造工程が実質的に異なる場合さえも高度に再現性のある装置性能とが確保される。
【0030】
典型的なMIME装置に於てはフィルム厚みは5〜10000nmである。MIMEの薄いフィルムの組成及びそのフィルムが付着されている電極の幾何学的構造は、単純な電子回路で導電性の変化の高度に正確な測定を可能とするために魅力的なベースライン抵抗(例えば10000オーム)を提供するように選択される。化学物質蒸気の低い濃度(例えば100容量ppm)にフィルムを暴露することは数パーセント導電性を変化し得る。本発明で議論されるような対照装置を使用することにより温度の影響が無視できるならば、これは非常に大きな変化である。実際このセンサー/対照装置の組合わせによって105分の1部(即ち、±0.001%)の抵抗変化を測定することは全くたやすい。従って多種類の蒸気の痕跡水準(例えばppm以下)の濃度をモニターすることは容易に達成できる。
【0031】
MIMEセンサーの線形性と感度は図5〜8に説明されている。
【0032】
図4は本発明に従ってMIMEセンサー64を実装している試験装置60を説明している。装置60は方形波発生装置62、MIMEセンサー64、電流電圧変換器66、電圧整流器68、フィルター70及び電圧周波数変換器72を含んでいる。
【0033】方形波発生装置62は好ましくは周波数100Hzそして振幅0.5v未満を有している方形波形の信号を生じるための慣用の波発生装置である。電流電圧変換器66は供給電流を好ましくは−5vと+5vの間の範囲を有する電圧に変換するための慣用の装置である。好ましくは変換器66の出力は入力電流の変化の各ナノアンペアに応答し、1mvだけ変化する。電圧整流器68は好ましくは半波形整流に適合された慣用の整流装置である。フィルター70は信号からの過渡現象をフィルターするための装置であり、好ましくはローパスフィルターからなっている。圧力周波数変換装置72は慣用の圧力周波数変換装置であって、好ましくは入力電圧に於ける各ミリボルトの変化に応答して出力周波数350Hzの変化を生じるものである。変換器72の出力信号は出力ノード74で検出される。
【0034】
MIMEセンサー64は、アルカン鎖中に8個の炭素原子を有するアルカンチオールリガンドシェルと組み合わされた1ナノメーターの公称半径を有している金のコアの粒からなっている。およそ厚みが0.4マイクロメーターのこのコア・リガンド物質のフィルムは、次(隣)の要素と15μm間隔でセンサー64を形成する、15μmの幅の50個の金の「フィンガー対」からなっている小さな相互に互い違いに向いた櫛形の電極成分にスプレーされる。このフィンガーの間隙は4800μmであった。金のミクロ電極成分は水晶の絶縁基体上で平版印刷法により(リソグラフ的に)製造された。
【0035】
操作にあたって、MIMEセンサー64は発生器64で作られた0.5v未満の振幅を有し、100Hzの周波数を有するAC方形波で励起された。センサー64を通って流れる電流は電流電圧変換器66によって電圧に変換された。生じるAC電圧は整流器68で整流され、フィルター70で濾過され、そして次に電圧周波数変換器72に送られた。変換器72は出力信号を生じ、これはノード74で検出できた。従ってMIMEセンサー64中のACコンダクタンス変化は、周波数変化に変換され、これは実験室データー獲得システムを用いて容易に記録できた。本発明を実施するためにこの方法は必要ではないが、我々の特定の実験室セットアップの為には都合が良かった。
【0036】
トルエン蒸気に暴露したときのこの装置の相対的抵抗の変化が、図5に示される。この応答は迅速で可逆的である。図6は広い範囲の濃度に渡ってこの装置が非常に線形の挙動を示すことを示している。図7は痕跡量のトルエン蒸気(例えば容量ppm未満の濃度まで)を検出するためのMIMEセンサーの能力を示している。図8は種々の他の蒸気に対するこの装置の感度を比較している。大変意味のあることは、痕跡水準の有機物蒸気が検出されなければならず湿潤な周囲の空気中でモニターされなければならない実際的な用途に対しては、水蒸気に対する応答が低いことが必須だが、この応答が驚くほど低いことである。
【0037】
MIMEデバイスの感度は、包み込まれた金属コアのナノメーター寸法に関係しており、その全体の寸法は最大寸法で48nmよりも大きいものであるべきではない。金属コアの寸法とリガンドシェルの厚みは、一緒に達成可能な感度を決定するものである。例として図9A及び9Bは、通常のアルカンチオール安定化金コアシステム(Au:SCn(X:Y)と略するが、ここでnはノルマルアルカンチオールリガンド分子中の炭素原子数をさし(X:Y)はこの合成で用いた金:アルカンチオール化学量論を指している)についてそれぞれ二つのパラメーターに対するトルエン蒸気感度に関する二つのプロットを示している。上のプロットは一定の金属コアの半径((X:Y)によって決定されるが、ここで(1:1)、(3:1)及び(5:1)はそれぞれ1.11nm、1.57nm及び2.97nmに相当する)及び異なるリガンドシェル厚みを有している三つの同族的な一連のクラスターで作られたデバイスのトルエン蒸気応答(蒸気濃度はP/Po=0.1に相当する)を提示している。このプロットの極大は最も高い感度について各々の金属コア寸法が一つの最適リガンドシェルの厚みを有していることを示している。この最大感度は同族列のより大きな半径に進むに従って徐々に消失する。図9の下のプロットは一定のリガンドシェル厚み(Cnによって決定されるが、C6、C8、C12及びC16はそれぞれ0.71nm、0.86nm、1.16nm及び1.58nmにそれぞれ対応している)及び変化するコア半径を有している一連の同族クラスターで造られたデバイスのトルエン蒸気応答を提示している。このプロットも最大感度が最適コア寸法及びリガンドシェルの組合わせと相関し、そして全体の感度はコア寸法が20nmに進むに従って消失することを示している。典型的には安定化された金属クラスターに対する有効寸法の範囲はコア寸法については0.4〜20nmリガンドシェル厚みについては0.4〜4nmである。
【0038】
感度は又フィルムの付着直前に、リガンドシェルにヘテロ官能性を導入するか又はヘテロ官能性を有するバインダーを添加することによって化学的に変えることができる。ヘテロ官能基とは、アミン、ヒドロキシル、ハロゲン、ホスホリル、カルボキシ、エーテル等のヘテロ原子官能基である。前者の場合はリガンド分子は二官能性であって一つの官能基は金属コア表面と結合するためそして他のものは標的物質種の収着のための引き付け相互作用を与える為である。後者の場合には重合体等のバインダーが粒成分の前駆体と共に溶解され同時にセンサーと基体上に付着させられる。バインダーのヘテロ官能基はそこでは前のケースのように標的蒸気の収着の為の引き付け相互作用を提供する。
【0039】
次の試験手順及びパラメーターは本発明の実施に有用である。
金属重量分率
コア/シェル複合体中の金属重量分率の熱重量分析法での(TGA, thermogravimetric analysis)測定を、10〜20mg試料で、窒素雰囲気中25℃から600℃での20℃/分の加熱速度の条件で、標準の熱分析装置を使用して実施した。この測定は600℃に於ける気化されていない質量の分率に基づく。ここで分析される試料中に於て、有機物のマスフラクションは400℃又はそれ以下に於て完全に気化され、残りの質量(金属成分)は400〜600℃で一定である。
【0040】
クラスターコア半径
これは金属コア寸法を記載する顕微鏡的なパラメータである。例えば金の複合体の場合には、コア寸法対アルカンチオール単一層被覆に関する球モデルからこれは計算される(R.H.テリル等、J.Amer.Chem.Soc.117,12537(1995)を参照)。このモデルは、三つの金の表面原子の二つがリガンドシェルの個々の有機リガンドに化学結合された、表面金原子の六角形の密充填配列を仮定している。他の導電性金属に対する適合性は熟練した研究者が本明細書の記載を得たならばこの分野当業者が実施し得る範囲内のことである。
【0041】
プラスモン吸収性
これは溶液中の粒の金属コア寸法を特徴付ける光学的なパラメーターである。希釈クロロホルム溶液(0.4mg/gクロロホルム)中の金に基づく粒について言えば、粒中の金のグラム原子に対し正規化された507nm吸光係数である。
【0042】
センサー装置の抵抗
このパラメーターはベースラインであって、そのベースラインから蒸気への暴露によって生じる変化がどのこらい起きるかをみるものである。これは粒の薄いフィルムの抵抗率及び電極の幾何学的構造の両方によって決定される。センサー装置は粒の薄いフィルムを相互に櫛形にされたミクロ電極上に付着させることによってつくられる。ミクロ電極は7x12.5x1mmの水晶の基体上に作られた金の電極配列からなりそして次の寸法を有している50のフィンガーの対から成っている。間隔15ミクロン、フィンガー幅15ミクロン、オーバーラップ長さ4800ミクロン、電極厚み1500オングストローム。この装置は120℃に加熱された真鍮プレート上にマウントされ、そして0.2〜0.4ミクロンの厚みのAu:C8(1:1)フィルムで被覆される。フィルムの付着はエアブラシ技術を用いて達成される。この場合、1秒長さの16パスとしてセットされたファインノズルを用いて、10mg/mlのクロロホルム溶液がスプレーされる。これによって厚み0.2ミクロンを有するフィルムが作られる。電極上に付着されたフィルムとして種々の粒を使用する装置の抵抗は表1に記入されている。上記のフィルム厚み及び電極の幾何学的な形に基づいて、フィルム抵抗(オーム)に0.63の係数を掛けることによって、ばら材料の抵抗率(オームcm)に変換できる。もし自己形成(self-assembly)フィルム付着技術が用いられるならばこの変換係数はフィルム厚みパラメーターを取り込んでいるので適用できない。
【0043】
蒸気に対するセンサー応答
この試験は、センサー装置を蒸気に暴露することによって生じるベースライン抵抗からの変化の大きさを指している。センサー中の抵抗率(導電率)の変化はAC技術を使用して測定される。5ボルト及び周波数100Hzの方形波電位がミクロ電極を励起するのに使用された。ミクロ電極中の生じる電流は電流電圧変換器回路及び続いて精密整流器及びローパスフィルターを用いて処理された。従って、その大きさの100HzのACミクロ電極電流は、比例するDC電圧に変換された。この電圧を、(コンピューター化した周波数カウンターを用いて広い動的範囲にわたりデーター獲得を可能にする為にV/F変換器を使用して)周波数に変換した。この測定計画はミクロ電極電流が測定され、表示され、1秒の時間解像度で保存され、そして相対電流解像度0.001%で保存されることを可能にする。このセンサーは金メッキされたアルミニウムセル中にマウントされる。そのセルは、電極のすぐ上に取り込み及び排出口が位置し、電極の接触パットに対するホッッピング型のピン(ポゴピン)接点によって回路に接続されていて、低デッドボリューム(即ち<0.5cc)で設計されている。トルエン、テトラクロロエチレン、1−プロパノール及び水の蒸気が15℃でバブラーから発生させられ、所望濃度まで乾燥空気で希釈され、コンピューター制御蒸気発生器によって、交互の暴露-排気スケジュールに従い、セルに運ばれる。11000及び2.7ppmvに於けるトルエン蒸気に対する典型的なセンサーの応答の例は、図5及び7に説明され、そして濃度依存性が図6に示される。濃度範囲の低い端に於てこの依存性はほとんど線形となる。個々の蒸気に対する異なる金属クラスターフィルムの応答を特徴付けしランク付けするための単一のパラメーターとして、図6に於けるP/Po値0.10に於けるプロットの勾配は非常に有用である。このパラメーターは感度並びに粒の特定のフィルムの選択性を特徴付ける。種々の粒を用いるセンサーでの場合の上に引用した蒸気について、このパラメーターを表にしたものが表2として示される。
【0044】
特許請求された発明の具体例及び利点に関する更なる情報が次の実施例と比較表1及び2に述べられている。これらの表中に報告されている特徴的な性質及び試験結果は試験手順及びパラメーターの前の議論と全体的に適合するものである。
【0045】
実施例1(Au:SC8(1:1))
167mlのトルエン中の4.56gのテトラオクチルアンモニウムブロマイド((C8H17)4NBr);62.5mlの蒸留水中の0.8025g(2.04mmol)のハイドロゲンテトラクロロオウレート(III)トリハイドレート(HAuCl4・3H2O);2mlのトルエン中の0.297g(2.03mmol)1−オクタンチオール(C8H17SH);及び52.5mlの蒸留水中の0.7870gの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液が作られる。迅速に撹拌しながらAuCl4/水溶液がゆっくりと(C8H17)4NBr/トルエン溶液に加えられる。2分後(C8H17SH)/トルエン溶液が加えられ、続いて非常に迅速撹拌しながらNaBH4/水溶液をゆっくりと加える。激しい撹拌を3時間続ける。トルエン相を次に分離し、減圧下で10ml容量に濃縮する。生成物を800mlの迅速に撹拌したエタノール中に滴下させることによって生成物は沈殿する。10℃で数時間静置した後、上澄みを傾斜で除き、生成物を遠心分離によって集め、続いて新しいエタノールで洗浄し乾燥させる。この粗生成物を4mlのトルエン中に再溶解しそして200mlの迅速に撹拌したエタノール中に滴下することによって再沈殿させる。10℃で12時間撹拌後、生成物を遠心分離で集め新たなエタノールで洗浄し、真空乾燥させる。収量は0.39gである。金の質量分率及びコア半径及び507nmの光学的吸収特性が表1に示される。このAu:C8(1:1)微粒の薄いフィルムの相互に櫛形にされたミクロ電極上へのエアブラシ付着により作られたセンサーは1.3MΩのベースラインデバイス抵抗及びそれぞれトルエン、テトラクロロエチレン、1−プロパノール及び水蒸気に対する0.1P/Po正規化抵抗応答、それぞれ1.82、1.45、−0.0514及び−0.0036を示した(表2参照)。
【0046】
実施例2(Au:SC8(1:3))
Au:SC8(1:3)粒が作られ、センサーに造り込まれ、そしてHAuCl4:C8H17SHの1:3モル比を用いたことを除いて実施例1のように試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0047】
実施例3(Au:SC8(3:1))
Au:SC8(3:1)粒がHAuCl4:C8H17SHの3:1モル比を用いたことを除いて実施例1のように作られ、センサー中に組込まれそして試験された。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0048】
実施例4(Au:SC8(5:1))
Au:SC8(5:1)粒がHAuCl4:C8H17SHの5:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように作られ、センサー中に組込まれ試験された。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0049】
実施例5(Au:SC6(1:3)
Au:SC6(1:3)粒がC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの1:3モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0050】
実施例6(Au:SC6(1:1))
Au:SC6(1:1)粒はC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0051】
実施例7(Au:SC6(3:1))
Au:SC6(3:1)粒がC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの3:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴及びセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0052】
実施例8(Au:SC6(5:1))
Au:SC6(5:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの5:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0053】
実施例9(Au:SC4(1:1))
Au:SC4(1:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ブタンチオール(C4H9SH)を用いHAuCl4:C4H9SHの1:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0054】
実施例10(Au:SC12(1:1))
Au:SC12(1:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造し、センサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0055】
実施例11(Au:SC12(3:1))
Au:SC12(3:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いHAuCl4:C12H25SHの3:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0056】
実施例12(Au:SC12(5:1))
Au:SC12(5:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いHAuCl4:C6H13SHの5:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0057】
実施例13(Au:SC12(8:1))
Au:SC12(8:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの8:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0058】
実施例14(Au:SC16(5:1))
Au:SC16(5:1)粒をC8H17SHの代わりにヘキサデカンチオール(C16H33SH)を用いそしてHAuCl4:C16H33SHの5:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0059】
実施例15(Au:St−C12(1:3))
Au:St−C12(1:3)粒をC8H17SHの代わりに第3級及び第1級デカンチオール(C16H33SH)の混合物を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの1:3モル比を使用する以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0060】
実施例16(Au:St−C12(1:1))
Au:St−C12(1:1)粒をC8H17SHの代わりに第3級及び第1級デカンチオール(C16H33SH)の混合物を用いHAuCl4:C12H25SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0061】
実施例17(Au:SCPh(1:1))
Au:SCPh(1:1)粒をC8H17SHの代わりにベンジルメルカプタン(C6H5CH2SH)を用いHAuCl4:C6H5CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0062】
実施例18(Au:SC2Ph(1:1))
Au:SCPh2(1:1)粒をC8H17SHの代わりにフェネチルメルカプタン(C6H5CH2CH2SH)を用いそしてHAuCl4:C6H5CH2CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0063】
実施例19(Au:SCPhOCH3(1:1))
Au:SCPhOCH3(1:1)粒をC8H17SHの代わりに4−メトキシベンジルメルカプタン(CH3OC6H4CH2SH)を用いそしてHAuCl4:CH3OC6H4CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0064】
実施例20(Au:SPh(2:5))
Au:SPh(2:5)粒をC8H17SHの代わりにチオフェノール(C6H5SH)を用いHAuCl4:C6H5SHの2:5モル比を用いること以外は実施例1のように製造した。第1の沈殿の後、この生成物は最も有機的な溶媒(クロロフォルム、アセトン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン)中の低溶解度によって特徴づけられ、そして第2の再沈殿は実施されなかった。クロロフォルム中では中程度の溶解度が見られ、これはセンサー電極上の付着手順に十分であった。導電性及び蒸気感度試験結果が表2に示される。
【0065】
実施例21(Au:SCPhOH(2:5)
150mlのメタノール中の0.2983g(0.757mmol)のHAuCl4・3H2O、0.2285g(1.812mmol)の4−ヒドロキシチオフェノール(HOC6H4SH)及び3mlの酢酸;及び30mlの蒸留水中の0.4510g(11.9mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液を作った。NaBH4/水の溶液を5分間かけて迅速撹拌しながらHAuCl4/HOC6H4SH/メタノール溶液に滴下した。撹拌を45分続けた。反応混合物を次に減圧下(20mm/35℃)で2〜3ml容量まで濃縮し、そして150mlの蒸留水中に沈殿させた。粗生成物を次に50ml部の水で3回洗浄した。粗生成物を3mlのアセトン中に溶解し、そして150mlのエチルエーテル中に沈殿させた。この生成物を遠心分離で集めて乾燥させた。収量は63.5mgである。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0066】
実施例22(Au:NC12(1:11))
50mlの蒸留水中の0.2347g(0.596mmol)のHAuCl4・3H2O;50mlのトルエン中の1.1930g(6.44mmol)の1−ドデシルアミン(C12H25NH2);及び50mlの蒸留水中の0.3592g(9.50mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液を作った。C12H25NH2/トルエン溶液を迅速撹拌させながらHAuCl4/水の溶液に加えた。5分後、濃厚懸濁液が形成されNaBH4/水の溶液を10分間かけて滴下した。迅速撹拌を12時間続けた。トルエン相を次に分離し、減圧化(20mm/35℃)で3ml容量まで濃縮した。生成物を225mlの迅速撹拌されたメタノール中に滴下することによって沈殿させ、3時間放置後遠心分離し集め、真空乾燥させた。収量は4.7mgである。これらの粒の多数をクロロフォルム溶液を用いるエアブラシ技術によってセンサー電極上に薄いフィルムとして付着させた。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0067】
実施例23(Au:NC16(1:11))
C12H25NH2の代わりに当量の1−ヘキサデシルアミン(C16H33NH2)を用いて実施例22のように製造しそしてセンサー中に組込んだ。改良された粒収量54.2mgが得られた。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0068】
実施例24(Au:NC18(1:11))
Au:NC18(1:11)粒がC12H25NH2の代わりに当量の1−オクタデシルアミン(C18H37NH2)を用いて実施例22のように製造されセンサー中に組込まれた。更に改良された収量133.2mgが得られた。導電性と蒸気感度試験は表2に示される。
【0069】
実施例25(Au:SC6(3:1)/フルオロポリオールの共付着)
17.9mgのAu:C6(3:1)粒物質(実施例7)及び2.6mgのFPOL(フルオロアルコールポリマーであってジメチルメチルホスホネート(DMMP)収着について調べられたもの:スノー,A.W.等、J.Appl.Poly.Sci.,43,1659(1991)を参照)の溶液が2.40gのクロロホルム中で共溶解される。このポリマークラスター複合体の薄いフィルムを、相互に櫛形になったミクロ電極上にエアブラシ付着させることによって作ったセンサー(@120°)は、ベースライン抵抗0.018メグオーム及びそれぞれトルエン、1−プロパノール及び水蒸気に対する0.1P/Po正規化抵抗応答1.17、0.258及び0.0265を示した(表2を参照)。0.0041P/Poに於けるDMMPに対する感度はフルオロポリオールなしのAu:C6(3:1)よりも57倍大きかった。
【0070】
実施例26(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
電極と水晶の基体が、クロロフォルム浸漬浄化、5%水酸化ナトリウム溶液に10分間浸漬すること、蒸留水で十分にすすぐこと、及び120℃で2時間乾燥させることによって表面活性化させられた。1.00gのクロロフォルム中の5.0mgのAuSC4(1:1)前駆体物質(実施例9);1.02gのクロロフォルム中の13.6mgの1,8−オクタンヂチオール;及び0.5gのヘキサン中の6.0mgの3−(ジメトキシメチシリル)−1−プロパンチオール(チオール−シランカップリング剤溶液)の溶液を作った。120℃で2時間乾燥後、電極を即座に1時間チオール−シランカップリング剤溶液中に浸漬させた。電極を取り除きヘキサンですすいだ後にこれを5分間オクタンジチオール溶液中に浸漬させた。活性化されたデバイス表面(電極と基体)を次にクロロフォルムですすぎ、そしてAu:SC4(1:1)前駆体物質中及びオクタンジチオール溶液中に合計で21サイクル交互に浸漬させた。各サイクルはおよそ400nAの電流増加に対応する導電性増加量を生じた。付着されたフィルムは非常に均一であり、種々の有機溶媒中に浸漬することによっては除去されず又、綿の布で穏やかにこすることによっても除去されなかった。導電性及び蒸気感度試験は表2に示される。
【0071】
実施例27(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
電極と水晶の基体は、クロロフォルム浸漬浄化に続いて標準の実験室プラズマクリーナーを用いる減圧酸素プラズマ表面処理を行うことによって表面活性化される。この処理は、1分間の間隔で、小容量の空気の5秒間の漏れを3回、プラズマ放電電界下で、センサー電極を含有している脱気チェンバー中に送ることからなっている。次にAu:SC4(1:1)粒の付着は実施例26に記載されるようにチオール−シランカップリング剤溶液中に浸漬することに続いてジチオールとAu:SC4(1:1)前駆体物質溶液中に浸漬させることを交互に実施することによって進行させられる。
【0072】
実施例28(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
実施例27の手順の自己形成付着手順を、3−(ジメトキシメチルシリル)−1−プロパンチオールカップリング剤の代わりに3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンチオールカップリング剤を用いることによって変更した。このセンサーの導電性と蒸気感度試験を表2に示す。
【0073】
実施例29(Au:SC6(1:1)自己形成付着)
このセンサーはAu:SC4(1:1)粒の代わりにAu:SC6(1:1)粒を用いそして付着サイクルの数が22であること以外は実施例26の手順に従って自己形成Au:SC6(1:1)付着で作られた。このセンサーの導電性と蒸気感度は表2に示される。
【0074】
実施例30(Au:SC8(1:1)自己形成付着)
このセンサーはAu:SC4(1:1)粒の代わりにAu:SC8(1:1)粒を用い、そして付着サイクルが28であること以外は実施例26の手順に従って、Au:SC8(1:1)自己形成付着でつくられた。このセンサーの導電性と蒸気感度は表2に示される。
【0075】
実施例31(Au:凝縮相)
Au:SC8(1:1)センサーを実施例1に記載のように製作し、そして蒸留水中に溶解されたトルエンを検出するのに使用した。このセンサーは蒸留水中に浸漬され、そして次に0.052及び0.0052重量%のトルエン/水の溶液中に浸漬された。センサーの応答は0.105Vの一定バイヤスポテンシャルを有するDC条件下で測定した。蒸留水中の浸漬はベースライン電流を40〜180nAに増加させた。その後の0.052重量%のトルエン/水の溶液中への浸漬はベースライン電流の50nAへの減少を生じた(電流の72%減少)。蒸留水中の再浸漬はベースライン電流180nAへの復帰を生じた。これらの交互の浸漬の4回の繰り返しは同じ結果を生じた。0.0052重量%トルエン/水の溶液で行われた同じ実験はセンサー電流の12%減少を生じた。
【0076】
実施例32(凝縮相)
Au:SC4(1:1)センサーを実施例28に記載されるように製作しそして蒸留水中に溶解されたトルエンを検出するのに使用した。センサーを蒸留水中に浸漬し、そして次に0.052重量%の濃度のトルエン/水溶液中に浸漬させた。センサーの応答を0.05Vの一定のバイヤスポテンシャルでDC条件下で測定した。蒸留水中での浸漬はベースライン電流の6600〜4400nAへの減少を生じた。0.052重量%のトルエン/水の溶液中での浸漬はベースライン電流の更なる4200nAへの減少を生じた(電流の4.5%減少)。蒸留水中での再浸漬はベースライン電流を4400nAに戻した。これらの交互の浸漬を3回繰り返すと同じ結果を生じた。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
本明細書に記載した本発明は多くの変更及び修正を請求の範囲内で受け得るものであり、特に前記の記載及び添付の図面及びそれらの均等物の特異なそしていくつかの特徴の任意の1以上を使用することに広げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に従う密充填配列の粒の略図である。
【図2】図2は本発明に従う基本的なセンサーシステムの略図である。
【図3】図3はセンサー成分と対照成分の両方を含む本発明に従う別のセンサーシステムを描いた略図である。
【図4】図4は本発明に従うセンサー装置を描く略図である。
【図5】図5は図4に描かれた装置の為のトルエン蒸気に暴露された時の抵抗率の変化を示している信号対時間応答のプロットを示すグラフである。
【図6】図6は図4に描かれる装置の為のトルエン含量に於ける変化から生じる抵抗率の変化を示しているトルエン含量対抵抗率のプロットのグラフである。
【図7】図7は図4に描かれた装置の為のトルエンの存在の関数としての信号対時間応答のプロットのグラフである。
【図8】図8は図4に描かれた装置の為の幾つかの異なる物質の含有量の変化から生じる抵抗率の変化を示している化学物質種対抵抗率のプロットのグラフである。
【図9】図9A及び9Bはそれぞれ種々の粒のリガンドシェル厚み対トルエン含量の変化に応答するそのような多数の粒の応答をプロットしたもの及び種々の粒のコア半径対トルエン含量の変化に対しそのような多数の粒が応答した応答をプロットしたもののグラフである。
【発明の分野】
本発明は、標的環境中のある化学物質種の検出又は定量に関する。そして本発明は、ある化学物質種と相互作用性の、ある種の粒が、その物質種の存在の指標又はその物質種の存在量の指標として有利にモニターできるという発見に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
標的環境に、ある化学物質種と相互作用可能な物質を暴露することによって、その標的環境中の化学物質種の存在又は量を測定し、そしてその化学物質種が存在するかどうか又はどんな量で存在するかの指標として、そのような相互作用に基づく物質の性質の変化をモニターすることによって、標的環境中の化学物質種の存在又は量を測定する幾つかの知られた方法が存在する。
【0003】
一つの方法は圧電物質に適用されたある物質種と相互作用する物質の環境への暴露であった。この物質はもし化学物質種の任意のものが存在するならばあらかじめ選択されたその物質の性質が変化されるように影響される。表面音波は圧電物質中に誘発される。この物質の性質の任意の変化は表面音波の減衰を生じ、これはその物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかの指標としてモニターすることが出来る。例えば米国特許第4312228及び4759210を参照。
【0004】
別の方法は流体媒体中の被分析物の存在の検出又は濃度の測定の為の容量性の装置(デバイス)の提供であった。金属の導体から形成された複数の相互に櫛形のフィンガーが絶縁基体上に置かれる。その基体はガラス等の絶縁物質で形成されることが出来、そしてフィンガーは銅及び金で出来ているものであり得る。それらのフィンガーは絶縁性のパシベーションレイヤーで覆われる。この方法は生化学的な結合系と被分析物の間の生物特異的な結合を伴ってセンサーの誘電性を変更させる。米国特許第4822566を参照。
【0005】
更に別の方法は、化学抵抗(chemiresistor)装置(デバイス)に適用されたジチオレン遷移金属複合体の薄いフィルムからなる化学センサーを提供することであった。このフィルムは基体上の相互に櫛形になった電極上に付着される。このフィルムは問題の被分析物の化学ガス又は蒸気に暴露された時に導電性を変える。相互に櫛形になった電極は金でありえ、そして基体は水晶等の絶縁物質である。電源及び電流測定装置が含まれる。米国特許第4992244を参照。
【0006】
更に別の方法は試料の1又はそれ以上の電気的に測定可能な特性を測定する電極構造を含んでいる試料測定装置の性質のバイオセンサーを提供することであった。試験セルの一つの壁上の二つの電極の間の区域が金のゾル粒子等の導電性の粒を結合出来る結合剤で被覆されることができる。米国特許5141868を参照。
【0007】
示唆がなされている異なる種類のバイオセンサーは、薄い結晶性のドライブ表面活性剤重合体導電層を有しており、これに特異的な結合対のメンバーが結合され得る。結合対メンバー層に対する被分析物又は試薬の結合は被分析物の測定の為に層の電気的性質を変化させ得る。米国特許5156810を参照。
【0008】
しかしながら、この技術分野にとって、既に準備が万全で且つ多才であるような実装可能性を与え得る、そして信頼性とミニチュア化適合可能性と低コストを犠牲にすることなく、非常に低水準で電力を消費することが出来るようにする、別の検出技術を有することが更に望ましい。
【0009】
【発明の目的】
本発明は化学物質種の検出とモニターの為の感度のよい、信頼性のある技術を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、標的環境中のあらかじめ選択した化学物質種の、感度がよく信頼性のある検出又は定量に適した物質、方法及び装置(デバイス)を提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、コンパクトな寸法、低コスト及び低い電力消費を必要とする用途の為に十分適した前記の物質、方法及び装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、前記の装置を製造する方法を提供することである。
【0013】
【本発明のまとめ】
一面に於て、本発明は標的環境中にある化学物質種が存在するかどうか又はいかなる量で存在するかを測定するのに使用するのに適した製造物品であり、この製造物品は、密充填配列された多数の粒からなり、その粒は、最大寸法が0.8〜40.0nmの導電性の金属又は導電性の合金のコア(芯)、及びそのコア上の厚みが0.4〜4.0nmのリガンドシェル(配位子の殻)を有しており、上記リガンドシェルは多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である。
【0014】
更に別の面に於て、本発明は化学物質種が存在するかどうか又どのような量で存在するかを測定するために標的環境を調べる為の方法であり、この方法は、(a)上記環境に密充填配置された多数の粒からなる製造物品を暴露し、但し上記粒は導電性の金属又は導電性の合金のコアと、そのコア上のリガンドとを有しており、該リガンド(配位子)は多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能該であり、(b)上記多数の粒を上記性質が示されるのに十分な条件に置き、そして(c)上記物質種が存在するかどうか又どのような量で存在するかの指標として任意の変化が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定する為に上記性質をモニターすることからなる。
【0015】
別の面に於て、本発明はある化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために標的環境を調べるのに適した装置であって、この装置は(a)上記環境と接する為に複数の粒を上に支持して提示するように適当に形作られた基体、(b)上記基体によって支持され、導電性の金属又は導電性の合金のコアとそのコア上のリガンドとを有している密充填配列の多数の粒、但し、リガンドは多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である、及び(c)上記多数の粒の上記性質をモニターするためのセンサーからなっている。
【0016】
本発明の更に別の面は、ある化学物質種が存在し得るかどうか又はどのような量で存在し得るかを測定するために標的環境の調査をするのに適した装置を製造する方法にあり、この方法は基体上に(i)各々が櫛形の形状を有している相互に櫛の歯が互い違いになった一対の電極を付着させ、そして(ii)その付着を、上記電極が多数の粒の薄いフィルムと電気的に接続される方法で行うことからなり、但し、多数の粒は導電性の金属又は導電性の合金のコア及び上記コア上に付着されたリガンドシェルを有するものであって、ここで、上記粒の各々に於て、コアは最大寸法が0.8〜40.0nmであり上記リガンドシェルの厚みは0.4〜4.0nmであって、上記リガンドは上記多数の粒の性質が変更されるように上記物質種と相互作用可能である。
【0017】
本発明の更に別の面は、ある化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために、標的環境を調べるのに適した装置にあり、この装置は(a)密充填配列の多数の粒、但しその粒は導電性の金属又は導電性の金属合金のコアとそのコア上に付着されているリガンドとを有しており、そのリガンドは、多数の粒の性質が変えられるように上記化学物質種と相互作用可能であり、(b)上記環境に上記多数の粒を暴露させるための手段、(c)上記多数の粒を上記性質が示されるに十分な条件に置く為の手段及び(b)上記物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかの指標としてそのような性質の任意の変化が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するための上記性質をモニターするための手段からなっている。
【0018】
「密充填配列」という用語は本明細書では、リガンドシェルがそれらの最も近い隣と接触し、そして複数分子程度の寸法の(例えば0.1〜1.0nm)、粒間空間が相互に連絡している、ナノ寸法金属粒の固体状態配列を意味している。粒は典型的には粒の金属のコアが効果的にリガンドシェルによって包まれているという点に於て安定化されている。
【0019】
本発明の実施は実質的な利点を生じる。多数の粒は極めて少量で効果を有し、従って、そのような多数の粒を使用する方法や装置の具体例は商業的に小さなスケールで実装できる。更に、これらの多数の粒は検出用途には極めて感度が高い。更に、リガンド成分、金属コアの寸法又は種類、及びリンガンドシェルの寸法又は種類を変更することによって、多数の粒は広範囲な化学物質種との相互作用に対し高感度にすることが出来、従ってそれらを検出することが出来るようにできる。その結果それらの多数の粒を伴う方法及び装置の具体例も高感度で高度に適合性がある。その上、本発明に従うセンサー装置又はセンサーシステムの製造及び使用は比較的単純であり、比較的費用がかからない。例えば、センサー装置は安い電子的な読取り装置でインターフェースを容易に行うことができ、そしてその操作は極めて少しの電力しか必要としない。又設計の単純さの為、センサー装置及びセンサーシステムはぶこつでも頼りになるものである。他の設計に基づく利点は、迅速な線形且つ可逆的な応答が達成できること、及び多才であること、例えば、発明で検出されるべき調査環境や化学物質種が、固体(例えば多孔性の固体)、液体又はガスであるなどである。そしてセンサー成分と対照成分の両方を組込んだ具体例を使用するときは、本発明は更に温度補整され、そして生産でのばらつきに耐えるものである。
【0020】
【ある種の好ましい具体例の記載】
本発明のある特徴は前記のように密充填配列での多数の粒にある。粒の各々は、比較的非導電性物質の薄い「リガンドシェル」(配位子の殻)が化学的(例えば共有結合的)にコア(芯)に結合されていることによって、そのリガンドシェルに取り囲まれている金属の「コア」を形成している導電性の金属原子の非常に小さなクラスターである。
【0021】
金属原子のこのクラスターは、単一の導電性金属から構成されることができ、又は2以上の導電性金属の原子から構成されることが出来る。適当な導電性金属はナノスケールで加工可能な金属であって、そして薄い絶縁リガンドシェルに結合可能であって、安定した金属粒を形成できる金属であり、その粒の多数が周囲の環境に関し安定であり、安定で測定できる導電性を示すものである。それらの例は、貴金属又は他の導電性金属、例えば銅、ニッケル、及びスズである。金属コアの元素の例を述べると、貴金属、好ましくは銀、金、白金、又はパラジウムである。合金のコアは、例を挙げると、2以上の貴金属の組合わせ、例えば銀、金、白金及びパラジウムの2以上の組合わせである。コアの形状に似た粒の形状からあきらかな通り、コア本体は球形又は回転楕円体であるのが有利であるが、それらは他の規則正しい形状又は不規則な形状でもありえる。又、典型的には金属クラスターのコアは最大寸法が0.8〜40nm(好ましくは2〜20nm)の範囲であり、コアは球形であることが有利であり、その場合は典型的な寸法は0.4〜20nm好ましくは1〜10nmの範囲の半径の寸法である。
【0022】
包んでいるリガンドシェルは、有機、無機又は有機と無機とを組合わせた物質であるのが好ましい。その物質は、多数の粒の性質に感知可能な影響を与えるようリガンドシェルが変化し、その結果、存在するなら問題の化学物質種が検出されるように化学物質種と相互作用することができる能力があるものにつき予め選択された物質である。リガンド分子は典型的には頭−尾型の構造を有する。頭はコア表面中の金属原子と結合作用を有する官能基である。そして尾は、非可逆的な凝集に対抗し金属クラスター(即ちコア本体)の追加的な安定性を提供し、且つ溶媒中の溶解性を誘導し且つ、問題の化学物質種との相互作用を促進するように設計された構造及び組成を有している。リガンドシェルは単一分子又は多分子層であり得る。リガンドシェルの物質は、チオール又はアミン等の官能基の付けられた有機化合物であることが有利である。これらのチオール類は第一級脂肪族チオール類(好ましくは直鎖又は分子鎖)、第二級の脂肪族チオール類、第三級の脂肪族チオール類、ヘテロ官能基(例えばOH、COOH、NH2、Cl等、好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)で置換されている脂肪族チオール類、芳香族チオール類、芳香族チオール類であって、ヘテロ官能基で置換されているもの(例えばOH、COOH、NH2、Cl等好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)、及び芳香脂肪族(araliphatic)チオール類であって、ヘテロ官能基で置換されているもの(例えばOH、COOH、NH2、Cl等、好ましくはHS(CH2)6OH又はヘキサフルオロアセトンアダクト)である。好ましいアミンは第一級脂肪族アミン類である。そのようなチオール類及びアミン類の脂肪族部分は3〜20個の炭素原子特に4〜16の炭素原子のものであり得る。
【0023】
このシェルは多数の粒が導電性に於て金属的な効果を有する程薄いものではなく、又多数の粒が完全に電気的に絶縁性である程厚いものでもない。好ましくはそのような厚みは0.4〜4nm特に0.4〜2.5nmの範囲である。有機リガンドシェルは金属のクラスターを非可逆的な凝固に対抗して安定化させ、そして又有機溶媒中でのクラスター複合体の高い溶解度を付与する。このことは後で議論するように薄いフィルムとしてこれらの物質を加工可能とすることを可能にする。
【0024】
本明細書の記載を手に入れた当業者は、この粒を次のようにして、即ち、導電性の金属の塩又は合金の場合は導電性の金属類の塩であって、コアを構成すべきもの及び所望のリガンドに対応する有機物質を共通の溶媒中に溶解し、その後迅速撹拌条件下で還元剤を加えることによって、製造することが出来る。(M. Brust等, J. Chem. Soc., Chem. Comm. 1994, 801; D.V. Leff等, Langmuir 1996,12, 4723を参照)。これらの塩の金属イオンは中性原子に還元され、そしてその後核形成し多原子のコア体を形成する。これらのコア体は追加的な金属原子の吸収によって成長する。競争的に有機リガンド分子は成長する金属コア体表面上に吸収され、金属コア体を包み込み、そしてその成長を終らせる。金属塩及び有機リガンド分子の相対的濃度は、金属コア体成長の相対速度及び有機リガンドの包み込みの相対速度を決定し、従って安定化された粒の金属コアの寸法を決定する。リガンドシェルの厚みはリガンド分子の大きさによって決まる。リガンド分子と中性金属の間に強い化学相互作用が存在することが重要であり、さもなくば金属コア体は凝集し再分散しない。適したリガンド分子の選択は一旦この明細書に述べられた記載を実務家が所持したならば当業者の成し得る範囲内のことである。例として、硫黄化合物が金、銀、白金及び銅金属の錯化に特に効果的である。アミン類はより弱いが、十分金との相互作用する。原則的には、還元可能な金属イオン及び有機リガンドに、リガンド化学相互作用に対して十分な中性金属を組み合わせたものが、被覆された金属クラスター、即ち本発明で有用な粒を形成できる。本発明の他の具体例に於て、これに代わる合成法が使用できる。例えば金属イオン還元は最初に実施でき、そしてリガンドシェルの付着を後に実施することができる。これは真空中で又は液体懸濁液中で金属粒を発生させ、その後リガンドシェルの分子の添加によってリガンドシェルを形成することを含み得る。
【0025】
化学センサー装置は、前に述べた密充填配列のこれらの粒の巨大なアンサンブル(即ち多数)が、センサー成分を備えた表面、例えば一対の電気的な接点上に付着させられるとできるものである。生じる「デバイス」は一連の金属−絶縁体−金属(MIM)結合体として記載することができ、ここでは金属はコアであり絶縁体がリガンドシェルである。本明細書で時には本発明は「金属−絶縁体−金属アンサンブル」(「MIME」)デバイスとして呼ばれる。密充填配列の多数の粒が図1に示される。各粒は導電性の金属のコア12及びリガンドシェル14を有し、粒の間に散在する空所16を有している。コア寸法及びリガンドシェル厚みの変化は化学物質種に対する感度に於けるかなりの変化を生じる。
【0026】
調べられる標的環境及び存在するならば問題の化学物質種の両方が、気相、液相、液体又は固相であり得る。これに関連し、環境が純物質(例えばもし環境が完全に化学物質種で構成されているか又は化学物質種が存在しないものであるとき)又は物質の組み合せ(例えば、多成分の気体系、液体系又は固体系又は2以上の異なる相中で物質を含有している不均質系)でありうることも注目されるべきである。多数の粒がそのような環境と接触されると、リガンド物質はもし存在するならばその物質種と相互作用、例えば収着を行う。これによってリガンド物質の変化が生じ、そして多数の粒の1又はそれ以上の性質の変化が生じる。リガンドシェルの化学組成の変化は化学的選択性に於ける有為の変化を生じる。多数の粒の種々の性質のどれか一つをモニターすることができ、ただ一つの要件はリガンド物質と(存在するならば)化学物質種の相互作用の関数としてその性質が変化することである。本発明の幾つかの良好な具体例に於ては、電気的な性質、例えば導電性がモニターされる。他の良好な具体例では、光学的な性質がモニターされる(反射性の金属中心の規則正しい間隔のため、化学物質種との相互作用の結果として粒が膨潤することから光学的な性質の変化が生じる)。モニターされるべき性質がなにであるかを決めることは本明細書の記載をこの分野の人がいったん手に入れれば当業者が成し得る範囲のことである。
【0027】
薄いフィルムとしての多数の粒の形成は、デリケートな操作である。我々の経験では、ゆっくりとした蒸発を伴って溶液をキャスト(注型)させることによっては、再現性をもって又は許容できる均一性をもって薄いフィルムを作ることができない。我々はこの問題に取り組んだ種々の方法を発明した。例えば第一の技術は、好ましくは溶媒の沸点より上の温度に加熱されている、実質的な表面上に、エアブラシから細かい霧として溶液をスプレーすることである。溶媒は飛散して逃げて非常に細かい均一に分散した特徴のフィルムを残す。加熱なしでは、フィルムの特徴は非常に粗く不均一である。別の技術は、化学的な自己形成に基づいている。センサー表面と基体は、プラズマ処理又は化学的処理によって浄化され、結合剤が適用される。結合剤は官能基を分離している不活性な介在構造を有する2官能性の分子である(例えば、a-ωシリルアルカンチオール、例えば(CH3O)3Si(CH2)3SH又はジチオールHS(CH2)6SH)である)。一つの官能基(例えば−Si(OCH3)3又は−SH官能基)はセンサー/基体表面に結合し、そして他方(例えば第2の−SH官能基)は多数の粒と後で結合するためにその表面の反対側を向いている。金属粒のリガンドシェルは、同じ様にして官能基が付けられた分子により個々の分子が置き換えられている動的な系である。従って、吸収された結合剤の固定されたチオール基は粒に結合でき、そしてそれを前記の表面に固定することができる。このやりかたで粒の単一層が表面上に化学収着される。その後、固定された粒の単一層はジチオール結合剤の溶液に暴露される。このジチオールは固定された粒のリガンドシェル中の一官能性のチオールリガンド分子の幾つかと交換し、そして第2のチオール基を固定された粒のリガンドシェルの外側表面上に位置付ける。安定化された多数の粒を形成するための溶液への暴露は第1のものの上に第2の粒の層が化学収着されることを生じる。この方法で粒の多くの層が多層フィルムへと形成されていく。これによって金属コア及びリンガドシェル分子の性質に於ける変化がクラスターの多層中の任意の望まれる深さで成され得る非常に高度に制御された均一且つ再現性のある脱着を提供する。追加的な利点としてこのフィルムは第1の技術とは違って溶媒又は温和な摩耗によって除去可能ではない。
【0028】
本発明の一つの基本的な好ましい具体例に於ては、本発明はMIME物質の薄いフィルムによって接続されている一対の電極からなる、前記の薄いフィルムを用いた装置を提供する。そのような配列は図2に示されている。MIMEの薄いフィルム20は、基体22上に形成されている二つの電極24、26を接続するように基体22上に形成される。蓄電池30を及び電流計32を含んでいる回路28がMIME装置の導電性を測定するために使用される。導電性はAC又はDC条件下で測定できる。
【0029】
より更に好ましい具体例は平版印刷法によって(リソグラフ的に)パターン付けされた一対の装置(例えばフォトリソグラフィー又はシルクスクリーニング等によるもの)である。このパターンは、大きな電極周囲対電極間隔比を有する、平面状の互い違いに櫛形が向合った「櫛」電極を生じる。この大きな長さ対断面積比は装置の電気抵抗を減少するのに役立ち、それによって、低ノイズ及び高精度で、どんな導電性の変化でも容易に測定できるようにする。更に好ましい具体例では、同じ基体上に同時に製作されているこれらの相互に向い合って歯が互い違いになった櫛形の装置のマッチした対がある。図3に示されるようにセンサー装置40及び対照装置42が基体44上に形成される。各々のそのような装置は一対の互い違いに向合った櫛形の電極の対からなっている。本発明に従う多数の粒が、各電極対の間にそして各電極対と接触して配置される。この装置は、電圧源50及び抵抗52、54を含有している回路48中に接続され、そしてこの装置からの出力信号が比較器56に入力される。センサー装置40は測定されるべき化学物質を含有している環境に暴露され(例えば、気体、液体又は固体)、そして対照装置42が、不動態化層即ちパシベーション層(passivating layer)(例えばプラスチック、ガラス、パラフィン蝋等)で覆われるか、又はなんらかの他の方法で問題となる化学物質種をおそらく含有している環境から隔離される。対照装置は薄いフィルムの適用に於てMIMEによって示される温度と共に抵抗が通常変化することを補償するための手段を提供する。センサーと対照装置を同時に製造することによって正確なマッチングと、ロット毎の製造工程が実質的に異なる場合さえも高度に再現性のある装置性能とが確保される。
【0030】
典型的なMIME装置に於てはフィルム厚みは5〜10000nmである。MIMEの薄いフィルムの組成及びそのフィルムが付着されている電極の幾何学的構造は、単純な電子回路で導電性の変化の高度に正確な測定を可能とするために魅力的なベースライン抵抗(例えば10000オーム)を提供するように選択される。化学物質蒸気の低い濃度(例えば100容量ppm)にフィルムを暴露することは数パーセント導電性を変化し得る。本発明で議論されるような対照装置を使用することにより温度の影響が無視できるならば、これは非常に大きな変化である。実際このセンサー/対照装置の組合わせによって105分の1部(即ち、±0.001%)の抵抗変化を測定することは全くたやすい。従って多種類の蒸気の痕跡水準(例えばppm以下)の濃度をモニターすることは容易に達成できる。
【0031】
MIMEセンサーの線形性と感度は図5〜8に説明されている。
【0032】
図4は本発明に従ってMIMEセンサー64を実装している試験装置60を説明している。装置60は方形波発生装置62、MIMEセンサー64、電流電圧変換器66、電圧整流器68、フィルター70及び電圧周波数変換器72を含んでいる。
【0033】方形波発生装置62は好ましくは周波数100Hzそして振幅0.5v未満を有している方形波形の信号を生じるための慣用の波発生装置である。電流電圧変換器66は供給電流を好ましくは−5vと+5vの間の範囲を有する電圧に変換するための慣用の装置である。好ましくは変換器66の出力は入力電流の変化の各ナノアンペアに応答し、1mvだけ変化する。電圧整流器68は好ましくは半波形整流に適合された慣用の整流装置である。フィルター70は信号からの過渡現象をフィルターするための装置であり、好ましくはローパスフィルターからなっている。圧力周波数変換装置72は慣用の圧力周波数変換装置であって、好ましくは入力電圧に於ける各ミリボルトの変化に応答して出力周波数350Hzの変化を生じるものである。変換器72の出力信号は出力ノード74で検出される。
【0034】
MIMEセンサー64は、アルカン鎖中に8個の炭素原子を有するアルカンチオールリガンドシェルと組み合わされた1ナノメーターの公称半径を有している金のコアの粒からなっている。およそ厚みが0.4マイクロメーターのこのコア・リガンド物質のフィルムは、次(隣)の要素と15μm間隔でセンサー64を形成する、15μmの幅の50個の金の「フィンガー対」からなっている小さな相互に互い違いに向いた櫛形の電極成分にスプレーされる。このフィンガーの間隙は4800μmであった。金のミクロ電極成分は水晶の絶縁基体上で平版印刷法により(リソグラフ的に)製造された。
【0035】
操作にあたって、MIMEセンサー64は発生器64で作られた0.5v未満の振幅を有し、100Hzの周波数を有するAC方形波で励起された。センサー64を通って流れる電流は電流電圧変換器66によって電圧に変換された。生じるAC電圧は整流器68で整流され、フィルター70で濾過され、そして次に電圧周波数変換器72に送られた。変換器72は出力信号を生じ、これはノード74で検出できた。従ってMIMEセンサー64中のACコンダクタンス変化は、周波数変化に変換され、これは実験室データー獲得システムを用いて容易に記録できた。本発明を実施するためにこの方法は必要ではないが、我々の特定の実験室セットアップの為には都合が良かった。
【0036】
トルエン蒸気に暴露したときのこの装置の相対的抵抗の変化が、図5に示される。この応答は迅速で可逆的である。図6は広い範囲の濃度に渡ってこの装置が非常に線形の挙動を示すことを示している。図7は痕跡量のトルエン蒸気(例えば容量ppm未満の濃度まで)を検出するためのMIMEセンサーの能力を示している。図8は種々の他の蒸気に対するこの装置の感度を比較している。大変意味のあることは、痕跡水準の有機物蒸気が検出されなければならず湿潤な周囲の空気中でモニターされなければならない実際的な用途に対しては、水蒸気に対する応答が低いことが必須だが、この応答が驚くほど低いことである。
【0037】
MIMEデバイスの感度は、包み込まれた金属コアのナノメーター寸法に関係しており、その全体の寸法は最大寸法で48nmよりも大きいものであるべきではない。金属コアの寸法とリガンドシェルの厚みは、一緒に達成可能な感度を決定するものである。例として図9A及び9Bは、通常のアルカンチオール安定化金コアシステム(Au:SCn(X:Y)と略するが、ここでnはノルマルアルカンチオールリガンド分子中の炭素原子数をさし(X:Y)はこの合成で用いた金:アルカンチオール化学量論を指している)についてそれぞれ二つのパラメーターに対するトルエン蒸気感度に関する二つのプロットを示している。上のプロットは一定の金属コアの半径((X:Y)によって決定されるが、ここで(1:1)、(3:1)及び(5:1)はそれぞれ1.11nm、1.57nm及び2.97nmに相当する)及び異なるリガンドシェル厚みを有している三つの同族的な一連のクラスターで作られたデバイスのトルエン蒸気応答(蒸気濃度はP/Po=0.1に相当する)を提示している。このプロットの極大は最も高い感度について各々の金属コア寸法が一つの最適リガンドシェルの厚みを有していることを示している。この最大感度は同族列のより大きな半径に進むに従って徐々に消失する。図9の下のプロットは一定のリガンドシェル厚み(Cnによって決定されるが、C6、C8、C12及びC16はそれぞれ0.71nm、0.86nm、1.16nm及び1.58nmにそれぞれ対応している)及び変化するコア半径を有している一連の同族クラスターで造られたデバイスのトルエン蒸気応答を提示している。このプロットも最大感度が最適コア寸法及びリガンドシェルの組合わせと相関し、そして全体の感度はコア寸法が20nmに進むに従って消失することを示している。典型的には安定化された金属クラスターに対する有効寸法の範囲はコア寸法については0.4〜20nmリガンドシェル厚みについては0.4〜4nmである。
【0038】
感度は又フィルムの付着直前に、リガンドシェルにヘテロ官能性を導入するか又はヘテロ官能性を有するバインダーを添加することによって化学的に変えることができる。ヘテロ官能基とは、アミン、ヒドロキシル、ハロゲン、ホスホリル、カルボキシ、エーテル等のヘテロ原子官能基である。前者の場合はリガンド分子は二官能性であって一つの官能基は金属コア表面と結合するためそして他のものは標的物質種の収着のための引き付け相互作用を与える為である。後者の場合には重合体等のバインダーが粒成分の前駆体と共に溶解され同時にセンサーと基体上に付着させられる。バインダーのヘテロ官能基はそこでは前のケースのように標的蒸気の収着の為の引き付け相互作用を提供する。
【0039】
次の試験手順及びパラメーターは本発明の実施に有用である。
金属重量分率
コア/シェル複合体中の金属重量分率の熱重量分析法での(TGA, thermogravimetric analysis)測定を、10〜20mg試料で、窒素雰囲気中25℃から600℃での20℃/分の加熱速度の条件で、標準の熱分析装置を使用して実施した。この測定は600℃に於ける気化されていない質量の分率に基づく。ここで分析される試料中に於て、有機物のマスフラクションは400℃又はそれ以下に於て完全に気化され、残りの質量(金属成分)は400〜600℃で一定である。
【0040】
クラスターコア半径
これは金属コア寸法を記載する顕微鏡的なパラメータである。例えば金の複合体の場合には、コア寸法対アルカンチオール単一層被覆に関する球モデルからこれは計算される(R.H.テリル等、J.Amer.Chem.Soc.117,12537(1995)を参照)。このモデルは、三つの金の表面原子の二つがリガンドシェルの個々の有機リガンドに化学結合された、表面金原子の六角形の密充填配列を仮定している。他の導電性金属に対する適合性は熟練した研究者が本明細書の記載を得たならばこの分野当業者が実施し得る範囲内のことである。
【0041】
プラスモン吸収性
これは溶液中の粒の金属コア寸法を特徴付ける光学的なパラメーターである。希釈クロロホルム溶液(0.4mg/gクロロホルム)中の金に基づく粒について言えば、粒中の金のグラム原子に対し正規化された507nm吸光係数である。
【0042】
センサー装置の抵抗
このパラメーターはベースラインであって、そのベースラインから蒸気への暴露によって生じる変化がどのこらい起きるかをみるものである。これは粒の薄いフィルムの抵抗率及び電極の幾何学的構造の両方によって決定される。センサー装置は粒の薄いフィルムを相互に櫛形にされたミクロ電極上に付着させることによってつくられる。ミクロ電極は7x12.5x1mmの水晶の基体上に作られた金の電極配列からなりそして次の寸法を有している50のフィンガーの対から成っている。間隔15ミクロン、フィンガー幅15ミクロン、オーバーラップ長さ4800ミクロン、電極厚み1500オングストローム。この装置は120℃に加熱された真鍮プレート上にマウントされ、そして0.2〜0.4ミクロンの厚みのAu:C8(1:1)フィルムで被覆される。フィルムの付着はエアブラシ技術を用いて達成される。この場合、1秒長さの16パスとしてセットされたファインノズルを用いて、10mg/mlのクロロホルム溶液がスプレーされる。これによって厚み0.2ミクロンを有するフィルムが作られる。電極上に付着されたフィルムとして種々の粒を使用する装置の抵抗は表1に記入されている。上記のフィルム厚み及び電極の幾何学的な形に基づいて、フィルム抵抗(オーム)に0.63の係数を掛けることによって、ばら材料の抵抗率(オームcm)に変換できる。もし自己形成(self-assembly)フィルム付着技術が用いられるならばこの変換係数はフィルム厚みパラメーターを取り込んでいるので適用できない。
【0043】
蒸気に対するセンサー応答
この試験は、センサー装置を蒸気に暴露することによって生じるベースライン抵抗からの変化の大きさを指している。センサー中の抵抗率(導電率)の変化はAC技術を使用して測定される。5ボルト及び周波数100Hzの方形波電位がミクロ電極を励起するのに使用された。ミクロ電極中の生じる電流は電流電圧変換器回路及び続いて精密整流器及びローパスフィルターを用いて処理された。従って、その大きさの100HzのACミクロ電極電流は、比例するDC電圧に変換された。この電圧を、(コンピューター化した周波数カウンターを用いて広い動的範囲にわたりデーター獲得を可能にする為にV/F変換器を使用して)周波数に変換した。この測定計画はミクロ電極電流が測定され、表示され、1秒の時間解像度で保存され、そして相対電流解像度0.001%で保存されることを可能にする。このセンサーは金メッキされたアルミニウムセル中にマウントされる。そのセルは、電極のすぐ上に取り込み及び排出口が位置し、電極の接触パットに対するホッッピング型のピン(ポゴピン)接点によって回路に接続されていて、低デッドボリューム(即ち<0.5cc)で設計されている。トルエン、テトラクロロエチレン、1−プロパノール及び水の蒸気が15℃でバブラーから発生させられ、所望濃度まで乾燥空気で希釈され、コンピューター制御蒸気発生器によって、交互の暴露-排気スケジュールに従い、セルに運ばれる。11000及び2.7ppmvに於けるトルエン蒸気に対する典型的なセンサーの応答の例は、図5及び7に説明され、そして濃度依存性が図6に示される。濃度範囲の低い端に於てこの依存性はほとんど線形となる。個々の蒸気に対する異なる金属クラスターフィルムの応答を特徴付けしランク付けするための単一のパラメーターとして、図6に於けるP/Po値0.10に於けるプロットの勾配は非常に有用である。このパラメーターは感度並びに粒の特定のフィルムの選択性を特徴付ける。種々の粒を用いるセンサーでの場合の上に引用した蒸気について、このパラメーターを表にしたものが表2として示される。
【0044】
特許請求された発明の具体例及び利点に関する更なる情報が次の実施例と比較表1及び2に述べられている。これらの表中に報告されている特徴的な性質及び試験結果は試験手順及びパラメーターの前の議論と全体的に適合するものである。
【0045】
実施例1(Au:SC8(1:1))
167mlのトルエン中の4.56gのテトラオクチルアンモニウムブロマイド((C8H17)4NBr);62.5mlの蒸留水中の0.8025g(2.04mmol)のハイドロゲンテトラクロロオウレート(III)トリハイドレート(HAuCl4・3H2O);2mlのトルエン中の0.297g(2.03mmol)1−オクタンチオール(C8H17SH);及び52.5mlの蒸留水中の0.7870gの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液が作られる。迅速に撹拌しながらAuCl4/水溶液がゆっくりと(C8H17)4NBr/トルエン溶液に加えられる。2分後(C8H17SH)/トルエン溶液が加えられ、続いて非常に迅速撹拌しながらNaBH4/水溶液をゆっくりと加える。激しい撹拌を3時間続ける。トルエン相を次に分離し、減圧下で10ml容量に濃縮する。生成物を800mlの迅速に撹拌したエタノール中に滴下させることによって生成物は沈殿する。10℃で数時間静置した後、上澄みを傾斜で除き、生成物を遠心分離によって集め、続いて新しいエタノールで洗浄し乾燥させる。この粗生成物を4mlのトルエン中に再溶解しそして200mlの迅速に撹拌したエタノール中に滴下することによって再沈殿させる。10℃で12時間撹拌後、生成物を遠心分離で集め新たなエタノールで洗浄し、真空乾燥させる。収量は0.39gである。金の質量分率及びコア半径及び507nmの光学的吸収特性が表1に示される。このAu:C8(1:1)微粒の薄いフィルムの相互に櫛形にされたミクロ電極上へのエアブラシ付着により作られたセンサーは1.3MΩのベースラインデバイス抵抗及びそれぞれトルエン、テトラクロロエチレン、1−プロパノール及び水蒸気に対する0.1P/Po正規化抵抗応答、それぞれ1.82、1.45、−0.0514及び−0.0036を示した(表2参照)。
【0046】
実施例2(Au:SC8(1:3))
Au:SC8(1:3)粒が作られ、センサーに造り込まれ、そしてHAuCl4:C8H17SHの1:3モル比を用いたことを除いて実施例1のように試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0047】
実施例3(Au:SC8(3:1))
Au:SC8(3:1)粒がHAuCl4:C8H17SHの3:1モル比を用いたことを除いて実施例1のように作られ、センサー中に組込まれそして試験された。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0048】
実施例4(Au:SC8(5:1))
Au:SC8(5:1)粒がHAuCl4:C8H17SHの5:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように作られ、センサー中に組込まれ試験された。特徴とセンサー試験結果は表1及び2に示される。
【0049】
実施例5(Au:SC6(1:3)
Au:SC6(1:3)粒がC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの1:3モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0050】
実施例6(Au:SC6(1:1))
Au:SC6(1:1)粒はC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0051】
実施例7(Au:SC6(3:1))
Au:SC6(3:1)粒がC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの3:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴及びセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0052】
実施例8(Au:SC6(5:1))
Au:SC6(5:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ヘキサンチオール(C6H13SH)を用いそしてHAuCl4:C6H13SHの5:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0053】
実施例9(Au:SC4(1:1))
Au:SC4(1:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ブタンチオール(C4H9SH)を用いHAuCl4:C4H9SHの1:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0054】
実施例10(Au:SC12(1:1))
Au:SC12(1:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造し、センサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0055】
実施例11(Au:SC12(3:1))
Au:SC12(3:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いHAuCl4:C12H25SHの3:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0056】
実施例12(Au:SC12(5:1))
Au:SC12(5:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いHAuCl4:C6H13SHの5:1モル比を用いたこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0057】
実施例13(Au:SC12(8:1))
Au:SC12(8:1)粒をC8H17SHの代わりに1−ドデカンチオール(C12H25SH)を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの8:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0058】
実施例14(Au:SC16(5:1))
Au:SC16(5:1)粒をC8H17SHの代わりにヘキサデカンチオール(C16H33SH)を用いそしてHAuCl4:C16H33SHの5:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0059】
実施例15(Au:St−C12(1:3))
Au:St−C12(1:3)粒をC8H17SHの代わりに第3級及び第1級デカンチオール(C16H33SH)の混合物を用いそしてHAuCl4:C12H25SHの1:3モル比を使用する以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0060】
実施例16(Au:St−C12(1:1))
Au:St−C12(1:1)粒をC8H17SHの代わりに第3級及び第1級デカンチオール(C16H33SH)の混合物を用いHAuCl4:C12H25SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0061】
実施例17(Au:SCPh(1:1))
Au:SCPh(1:1)粒をC8H17SHの代わりにベンジルメルカプタン(C6H5CH2SH)を用いHAuCl4:C6H5CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0062】
実施例18(Au:SC2Ph(1:1))
Au:SCPh2(1:1)粒をC8H17SHの代わりにフェネチルメルカプタン(C6H5CH2CH2SH)を用いそしてHAuCl4:C6H5CH2CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0063】
実施例19(Au:SCPhOCH3(1:1))
Au:SCPhOCH3(1:1)粒をC8H17SHの代わりに4−メトキシベンジルメルカプタン(CH3OC6H4CH2SH)を用いそしてHAuCl4:CH3OC6H4CH2SHの1:1モル比を使用したこと以外は実施例1のように製造しセンサー中に組み込み試験した。特徴とセンサー試験結果は表1及び表2に示される。
【0064】
実施例20(Au:SPh(2:5))
Au:SPh(2:5)粒をC8H17SHの代わりにチオフェノール(C6H5SH)を用いHAuCl4:C6H5SHの2:5モル比を用いること以外は実施例1のように製造した。第1の沈殿の後、この生成物は最も有機的な溶媒(クロロフォルム、アセトン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン)中の低溶解度によって特徴づけられ、そして第2の再沈殿は実施されなかった。クロロフォルム中では中程度の溶解度が見られ、これはセンサー電極上の付着手順に十分であった。導電性及び蒸気感度試験結果が表2に示される。
【0065】
実施例21(Au:SCPhOH(2:5)
150mlのメタノール中の0.2983g(0.757mmol)のHAuCl4・3H2O、0.2285g(1.812mmol)の4−ヒドロキシチオフェノール(HOC6H4SH)及び3mlの酢酸;及び30mlの蒸留水中の0.4510g(11.9mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液を作った。NaBH4/水の溶液を5分間かけて迅速撹拌しながらHAuCl4/HOC6H4SH/メタノール溶液に滴下した。撹拌を45分続けた。反応混合物を次に減圧下(20mm/35℃)で2〜3ml容量まで濃縮し、そして150mlの蒸留水中に沈殿させた。粗生成物を次に50ml部の水で3回洗浄した。粗生成物を3mlのアセトン中に溶解し、そして150mlのエチルエーテル中に沈殿させた。この生成物を遠心分離で集めて乾燥させた。収量は63.5mgである。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0066】
実施例22(Au:NC12(1:11))
50mlの蒸留水中の0.2347g(0.596mmol)のHAuCl4・3H2O;50mlのトルエン中の1.1930g(6.44mmol)の1−ドデシルアミン(C12H25NH2);及び50mlの蒸留水中の0.3592g(9.50mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の溶液を作った。C12H25NH2/トルエン溶液を迅速撹拌させながらHAuCl4/水の溶液に加えた。5分後、濃厚懸濁液が形成されNaBH4/水の溶液を10分間かけて滴下した。迅速撹拌を12時間続けた。トルエン相を次に分離し、減圧化(20mm/35℃)で3ml容量まで濃縮した。生成物を225mlの迅速撹拌されたメタノール中に滴下することによって沈殿させ、3時間放置後遠心分離し集め、真空乾燥させた。収量は4.7mgである。これらの粒の多数をクロロフォルム溶液を用いるエアブラシ技術によってセンサー電極上に薄いフィルムとして付着させた。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0067】
実施例23(Au:NC16(1:11))
C12H25NH2の代わりに当量の1−ヘキサデシルアミン(C16H33NH2)を用いて実施例22のように製造しそしてセンサー中に組込んだ。改良された粒収量54.2mgが得られた。導電性及び蒸気感度試験が表2に示される。
【0068】
実施例24(Au:NC18(1:11))
Au:NC18(1:11)粒がC12H25NH2の代わりに当量の1−オクタデシルアミン(C18H37NH2)を用いて実施例22のように製造されセンサー中に組込まれた。更に改良された収量133.2mgが得られた。導電性と蒸気感度試験は表2に示される。
【0069】
実施例25(Au:SC6(3:1)/フルオロポリオールの共付着)
17.9mgのAu:C6(3:1)粒物質(実施例7)及び2.6mgのFPOL(フルオロアルコールポリマーであってジメチルメチルホスホネート(DMMP)収着について調べられたもの:スノー,A.W.等、J.Appl.Poly.Sci.,43,1659(1991)を参照)の溶液が2.40gのクロロホルム中で共溶解される。このポリマークラスター複合体の薄いフィルムを、相互に櫛形になったミクロ電極上にエアブラシ付着させることによって作ったセンサー(@120°)は、ベースライン抵抗0.018メグオーム及びそれぞれトルエン、1−プロパノール及び水蒸気に対する0.1P/Po正規化抵抗応答1.17、0.258及び0.0265を示した(表2を参照)。0.0041P/Poに於けるDMMPに対する感度はフルオロポリオールなしのAu:C6(3:1)よりも57倍大きかった。
【0070】
実施例26(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
電極と水晶の基体が、クロロフォルム浸漬浄化、5%水酸化ナトリウム溶液に10分間浸漬すること、蒸留水で十分にすすぐこと、及び120℃で2時間乾燥させることによって表面活性化させられた。1.00gのクロロフォルム中の5.0mgのAuSC4(1:1)前駆体物質(実施例9);1.02gのクロロフォルム中の13.6mgの1,8−オクタンヂチオール;及び0.5gのヘキサン中の6.0mgの3−(ジメトキシメチシリル)−1−プロパンチオール(チオール−シランカップリング剤溶液)の溶液を作った。120℃で2時間乾燥後、電極を即座に1時間チオール−シランカップリング剤溶液中に浸漬させた。電極を取り除きヘキサンですすいだ後にこれを5分間オクタンジチオール溶液中に浸漬させた。活性化されたデバイス表面(電極と基体)を次にクロロフォルムですすぎ、そしてAu:SC4(1:1)前駆体物質中及びオクタンジチオール溶液中に合計で21サイクル交互に浸漬させた。各サイクルはおよそ400nAの電流増加に対応する導電性増加量を生じた。付着されたフィルムは非常に均一であり、種々の有機溶媒中に浸漬することによっては除去されず又、綿の布で穏やかにこすることによっても除去されなかった。導電性及び蒸気感度試験は表2に示される。
【0071】
実施例27(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
電極と水晶の基体は、クロロフォルム浸漬浄化に続いて標準の実験室プラズマクリーナーを用いる減圧酸素プラズマ表面処理を行うことによって表面活性化される。この処理は、1分間の間隔で、小容量の空気の5秒間の漏れを3回、プラズマ放電電界下で、センサー電極を含有している脱気チェンバー中に送ることからなっている。次にAu:SC4(1:1)粒の付着は実施例26に記載されるようにチオール−シランカップリング剤溶液中に浸漬することに続いてジチオールとAu:SC4(1:1)前駆体物質溶液中に浸漬させることを交互に実施することによって進行させられる。
【0072】
実施例28(Au:SC4(1:1)自己形成付着)
実施例27の手順の自己形成付着手順を、3−(ジメトキシメチルシリル)−1−プロパンチオールカップリング剤の代わりに3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンチオールカップリング剤を用いることによって変更した。このセンサーの導電性と蒸気感度試験を表2に示す。
【0073】
実施例29(Au:SC6(1:1)自己形成付着)
このセンサーはAu:SC4(1:1)粒の代わりにAu:SC6(1:1)粒を用いそして付着サイクルの数が22であること以外は実施例26の手順に従って自己形成Au:SC6(1:1)付着で作られた。このセンサーの導電性と蒸気感度は表2に示される。
【0074】
実施例30(Au:SC8(1:1)自己形成付着)
このセンサーはAu:SC4(1:1)粒の代わりにAu:SC8(1:1)粒を用い、そして付着サイクルが28であること以外は実施例26の手順に従って、Au:SC8(1:1)自己形成付着でつくられた。このセンサーの導電性と蒸気感度は表2に示される。
【0075】
実施例31(Au:凝縮相)
Au:SC8(1:1)センサーを実施例1に記載のように製作し、そして蒸留水中に溶解されたトルエンを検出するのに使用した。このセンサーは蒸留水中に浸漬され、そして次に0.052及び0.0052重量%のトルエン/水の溶液中に浸漬された。センサーの応答は0.105Vの一定バイヤスポテンシャルを有するDC条件下で測定した。蒸留水中の浸漬はベースライン電流を40〜180nAに増加させた。その後の0.052重量%のトルエン/水の溶液中への浸漬はベースライン電流の50nAへの減少を生じた(電流の72%減少)。蒸留水中の再浸漬はベースライン電流180nAへの復帰を生じた。これらの交互の浸漬の4回の繰り返しは同じ結果を生じた。0.0052重量%トルエン/水の溶液で行われた同じ実験はセンサー電流の12%減少を生じた。
【0076】
実施例32(凝縮相)
Au:SC4(1:1)センサーを実施例28に記載されるように製作しそして蒸留水中に溶解されたトルエンを検出するのに使用した。センサーを蒸留水中に浸漬し、そして次に0.052重量%の濃度のトルエン/水溶液中に浸漬させた。センサーの応答を0.05Vの一定のバイヤスポテンシャルでDC条件下で測定した。蒸留水中での浸漬はベースライン電流の6600〜4400nAへの減少を生じた。0.052重量%のトルエン/水の溶液中での浸漬はベースライン電流の更なる4200nAへの減少を生じた(電流の4.5%減少)。蒸留水中での再浸漬はベースライン電流を4400nAに戻した。これらの交互の浸漬を3回繰り返すと同じ結果を生じた。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
本明細書に記載した本発明は多くの変更及び修正を請求の範囲内で受け得るものであり、特に前記の記載及び添付の図面及びそれらの均等物の特異なそしていくつかの特徴の任意の1以上を使用することに広げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に従う密充填配列の粒の略図である。
【図2】図2は本発明に従う基本的なセンサーシステムの略図である。
【図3】図3はセンサー成分と対照成分の両方を含む本発明に従う別のセンサーシステムを描いた略図である。
【図4】図4は本発明に従うセンサー装置を描く略図である。
【図5】図5は図4に描かれた装置の為のトルエン蒸気に暴露された時の抵抗率の変化を示している信号対時間応答のプロットを示すグラフである。
【図6】図6は図4に描かれる装置の為のトルエン含量に於ける変化から生じる抵抗率の変化を示しているトルエン含量対抵抗率のプロットのグラフである。
【図7】図7は図4に描かれた装置の為のトルエンの存在の関数としての信号対時間応答のプロットのグラフである。
【図8】図8は図4に描かれた装置の為の幾つかの異なる物質の含有量の変化から生じる抵抗率の変化を示している化学物質種対抵抗率のプロットのグラフである。
【図9】図9A及び9Bはそれぞれ種々の粒のリガンドシェル厚み対トルエン含量の変化に応答するそのような多数の粒の応答をプロットしたもの及び種々の粒のコア半径対トルエン含量の変化に対しそのような多数の粒が応答した応答をプロットしたもののグラフである。
Claims (36)
- 標的環境中に問題とする化学物質種が存在するかどうか、又はどのような量で存在するかを測定するための測定用物質であって、該測定用物質は密充填配列の多数の粒を含んでおり、該粒は導電性の金属又は導電性の合金のコア、及び該コア上のリガンドシェルを有しており、該粒の各々に於て該コアは最大寸法0.8〜40.0nmであり、該リガンドシェルは0.4〜4.0nmの厚みを有し、該リガンドシェルは該多数の粒の性質が変更されるように該問題とする化学物質種と相互作用可能であることを特徴とする測定用物質。
- 該コアが銀、金、白金、パラジウム又はこれらの金属の2以上の合金からなる請求項1に定義された測定用物質。
- 該リガンドシェルが、該化学物質種と相互作用可能な物質からなり、その相互作用が該多数の粒の導電性が変更される相互作用である請求項1に定義される測定用物質。
- 該リガンドシェルがチオール又はアミンからなる請求項1に定義される測定用物質。
- 該リガンドシェルが第一級脂肪族チオール類、第二級脂肪族チオール類、第三級脂肪族チオール類、ヘテロ官能基で置換された脂肪族チオール類、芳香族チオール類、ヘテロ官能基で置換された芳香族チオール類及びヘテロ官能基で置換された芳香脂肪族(araliphatic)チオール類からなる群から選択されるチオールからなっている請求項4に定義される測定用物質。
- 該リガンドシェルが第一級脂肪族アミンからなる群から選択されるアミンからなっている請求項4に定義される測定用物質。
- 該粒子の各々の中に於て該コアが最大寸法2〜20nmの寸法であり、該リガンドシェルの厚みが0.4〜2.5nmである請求項1に定義される測定用物質。
- 該粒子が実質的に球形である請求項1に定義される測定用物質。
- 該リガンドシェルが該コア及び該問題の分析される物質種の両方と結合可能なヘテロ官能基を含有している請求項1に定義される測定用物質。
- 標的環境中にある化学物質種が存在し得るかどうか又はどんな量で存在するかを測定する為に標的環境を調べる方法であって、
(a)密充填配列の多数の粒からなる測定用物質を該環境に暴露させること、但し、該粒は導電性金属又は導電性合金のコア及びそのコア上に付着されたリガンドシェルを有しているものであり、ここで該リガンドシェルは該多数の粒の性質が変更されるように該化学物質種と相互作用可能であり、
(b)該多数の粒を該多数の粒の該性質が表われるに十分な条件におくこと、そして
(c)該物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを示す指標として、任意の変化があるかどうか又は任意の変化のどんな量が存在するかを測定するために該多数の粒の該性質をモニターすること、
からなる方法。 - 該コアが銀、金、白金、又はパラジウム又はこれらの金属の2以上の合金からなる請求項10に定義される方法。
- 該リガンドシェルは、該物質種と相互作用可能な物質からなっているが、その相互作用が該多数の粒の導電性が変更される相互作用である請求項10に定義される方法。
- 該リガンドシェルがチオール又はアミンからなる請求項10に定義される方法。
- 該粒の各々に於て、該コアが最大寸法0.8〜40nmであり、そしてリガンドシェルの厚みが0.4〜4.0nmである請求項10に定義される方法。
- 該粒が実質的に球形である請求項10に定義される方法。
- 存在する場合には該物質種を100ppm以下の量で検出可能な請求項10に定義される方法。
- ある化学物質種が存在するかどうか又はどんな量で存在するかを
測定するために標的環境を調べる方法であって、
(a)該環境に、導電性の金属又は導電性の合金のコアを有し該コア上に付着されているリガンドシェルを有している多数の粒を暴露させること、但し、各粒に於ける該コアは最大寸法が0.8〜40.0nmであり、該リガンドシェルは厚みが0.4〜4.0nmであり、該リガンドシェルは該多数の粒の導電性が変化するように該物質種と相互作用可能であるものであり、
(b)該環境に暴露されなかったそのような粒子の導電性と比較した場合に、導電性の任意の変化があったかどうか又どのような量であったかを測定するために該多数の粒の導電性を測定すること、
からなる方法。 - 該物質種が存在するときにリガンドシェルが該物質種を吸収し膨潤し、その結果、多数の粒の導電性が変更するように、該環境に対し、該多数の粒を暴露させることからなる請求項17に定義される方法。
- 該環境に多数の粒を暴露させることが、該物質種が存在するときに、該リガンドシェルの電荷分布が変更され、その結果多数の粒の導電性が変化するようになされる、請求項17に定義される方法。
- 更に、(a)該環境に暴露された該多数の粒の導電性を測定すること、及び(b)該環境に暴露されなかった同様な多数の粒の導電性を同時期に測定すること、を含んでいる請求項17に定義される方法。
- ある化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために、標的環境を調べるための装置であって、
(a)多数の粒を、該環境と接触させるために支持して保つよう構成した基体、
(b)導電性の金属又は導電性の合金のコアと、該コア上に付着されたリガンドシェルとを有しており、該基体に支持され密充填で配列されている、該多数の粒、但し、該リガンドシェルは、該多数の粒の性質が変更されるように該化学物質種と相互作用可能であるものである、及び
(c)該多数の粒の性質をモニターするためのセンサー、
を含んでいる標的環境を調べるための装置。 - 該コアが銀、金、白金又はパラジウム又はこれらの金属の2以上の合金からなる請求項21に定義された装置。
- 該リガンドシェルが、該多数の粒の導電性が変更されるように該物質種と相互作用可能な物質を含んでいる請求項21に定義される装置。
- 該多数の粒がフィルムをなし、該フィルムが5〜10000nmの厚みのものである請求項21に定義される装置。
- ある化学物質種が存在するかどうか又どのような存在するかを測定するために標的環境を調べるための装置であって、
(a)該物質種と接触させるために、多数の粒を支持して保つのに適合させた構成の基体、
(b)該基体に支持されており、導電性の金属又は導電性の合金のコアと、該コア上に付着されたリガンドシェルとを各々が有している多数の粒、但し該リガンドシェルは該多数の粒の導電性が変更されるように該物質種と相互作用可能である、
(c)各々が該多数の粒と電気的接触状態である一対の電極、及び
(d)該物質種が存在するかどうか又どんな量で存在するかを示す指標として、該導電性の任意の変化が存在するかどうか又はどんな量で存在するかを測定するための、該多数の粒の導電性をモニターするセンサー、
を含んでいる標的環境を調べるための装置。 - 該コアが金からなり、該リガンドシェルが第一級脂肪族チオール類、第二級脂肪族チオール類、第三級脂肪族チオール類、ヘテロ官能基置換された脂肪族チオール類、芳香族チオール類、ヘテロ官能基で置換された芳香族チオール類、及びヘテロ官能基で置換された芳香脂肪族チオール類からなる群から選択される請求項25に定義される装置。
- ある化学物質種が存在し得るかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために、標的環境を調べる為の装置の製造方法であって、
(a)基体上に、(i)櫛形形状を各々有している互いに櫛と櫛とが互い違いになったように配置されている電極の対を、(ii) 該電極が、電気的に導電性の金属又は導電性の金属合金のコア及び該コアに付着されたリガンドシェルを有する多数の粒の薄いフィルムと、電気的に接続されるように、付着させること、但し、各々の粒中の該コアは最大寸法が0.8〜40.0nmであり、そして該リガンドシェルの厚みは0.4〜4.0nmであって、該リガンドシェルは、該多数の粒の性質が変化するように該物質種と相互作用可能であり、そして
(b)該一対の電極を、多数の粒の性質の変化を測定出来るセンサーと、接続させること、
からなる方法。 - 多数の粒の薄いフィルムを該付着させることが、該電極及び該基体に、該コア中に取り込まれるべき各導電性の金属の塩、該物質種と相互作用可能な官能基を有している有機物質、及び、各々の該金属の塩と該有機物質とに対する溶媒、からなる溶液をスプレーすることからなり、該電極は、該溶媒がフラッシュ除去される温度にあることを特徴とする請求項27に定義された製造方法。
- 多数の粒の薄いフィルムを付着させることが
(a)該物質が該電極及び該基体と結合するように、該電極及び基体を、(i)該電極及び該基体、及び(ii)該多数の粒、と結合可能な二官能性の物質で処理し、 (b)該電極及び基体を、各粒中で、最大寸法0.8〜40.0nmの導電性の金属又は導電性の金属合金のコア、及び該多数の粒の性質が変更されるように該物質種と相互作用可能である厚み0.4〜4.0nmの該コア上に付着されたリガンドシェルを有する多数の粒と接触させ、但し、該多数の粒が該物質と結合し、電極及び基体上の該粒の層からなる複合体を形成するようにその接触を行う、
ことからなる請求項27に記載の方法。 - 多数の粒が該基体と電極上にモノレイヤー(単分子膜)を形成する請求項29に定義される製造方法。
- 更に
(a)該複合体の該粒の外に向いている表面を、更なる多数のそのような粒を結合させ付着させることができる結合剤に暴露させること、但しそのような更なる多数の粒は最大寸法0.8〜40.0nmの導電性の金属又は導電性の合金のコア及び該多数の粒の性質が変更されるように該物質種と相互作用可能である厚み0.4〜4.0nmのリガンドシェルを有するものであり、そして
(b)そのように暴露された粒の表面を、該更なる多数の粒と、該更なる多数の粒が該複合体の粒表面と結合するように、そして該更なる多数の粒がそれらの表面上に固定されるように接触させること
を含んでいるサイクル段階を含んでいる請求項27に定義される製造方法。 - 該サイクルが複数回実施される請求項31に定義される製造方法。
- 化学物質種が存在するかどうかそしてどのような量で存在するかを測定する為に標的環境を調べるための装置であって、
(a)導電性の金属又は導電性の金属合金のコア及び該コア上に付着されたリガンドシェルとを有している密充填配列の多数の粒、但し、該リガンドシェルは多数の粒の性質が変更されるように該化学物質種と相互作用可能である、
(b)該多数の粒を該環境に暴露させる為の手段
(c)該多数の粒を該性質が示されるに十分な条件に置くための手段及び
(d)該化学物質種が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを示す指標としてそのような性質の任意の変化があるかどうか又どのような量であるかを測定する為の該性質をモニターする手段を含んでいる標的環境を調べるための装置。 - 化学物質種が存在し得るかどうか又はどのような量で存在し得るかを測定するために標的環境を調べる為の装置であって、
(a)導電性の金属又は導電性の合金のコア及び該コア上に付着されているリガンドシェルを有している、密充填配列の多数の粒、但し、該リガンドシェルは該多数の粒の電気抵抗が変えられるように該化学物質種と相互作用可能である、
(b)該多数の粒を該環境に暴露するための手段
(c)電流を該多数の粒に通す為の手段
(d)該化学物質が存在するかどうか又はどのような量で存在するかの指標として該電気抵抗率の任意の変化が存在するかどうか又はどのような量で存在するかを測定するために該多数の粒の電気抵抗率をモニターする手段を含んでいる装置。 - 該多数の粒の電気抵抗率をモニターするための該手段が電流電圧変換器回路及びそれに続く精密整流器及びロウパスフィルターを含んでいる請求項34に定義される装置。
- 該手段が電圧周波数変換器を更に含んでいる請求項35に定義される装置。
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