JP3540777B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速読出しが可能な不揮発性半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的書替えを可能とした不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)の中で高集積化可能なものとして、NANDセル型EEPROMが知られている。一つのメモリセルは基板上に絶縁膜を介して浮遊ゲートと制御ゲートが積層されたFETMOS構造を有し、複数個のメモリセルが隣接するもの同士でそのソース、ドレインを共用する形で直列接続されてNANDセルを構成する。
【0003】
NANDセルの一端側ドレインは選択ゲートを介してビット線に接続され、他端側ソースはやはり選択ゲートを介して共通ソース線に接続される。この様なメモリセルが複数個マトリクス配列されてEEPROMが構成される。メモリセルアレイは通常、n型半導体基板に形成されたp型ウェル内に形成される。
【0004】
このNANDセル型EEPROMの動作は次の通りである。データ書込みは、ビット線から遠い方のメモリセルから順に行う。nチャネルの場合を説明すると、選択されたメモリセルの制御ゲートには昇圧された書込み電位Vpp(=20V程度)を印加し、これよりビット線側にある非選択メモリセルの制御ゲートおよび選択ゲートには中間電位VH (=10V程度)を印加し、ビット線にはデータに応じて0V(例えば“1”)または中間電位(例えば“0”)を印加する。このときビット線の電位は非選択メモリセルを転送されて選択メモリセルのドレインまで伝わる。データ“1”のときは、選択メモリセルの浮遊ゲートとドレイン間に高電界がかかり、ドレインから浮遊ゲートに電子がトンネル注入されてしきい値が正方向に移動する。データ“0”のときはしきい値変化はない。
【0005】
データ消去は、NANDセル内の全てのメモリセルに対して同時に行われる。すなわち全ての制御ゲート、選択ゲートを0Vとし、p型ウェルおよびn型基板に昇圧された消去電位VppE (=20V)を印加する。これにより全てのメモリセルにおいて浮遊ゲートの電子がウェルに放出され、しきい値が負方向に移動する。
【0006】
データ読出しは、選択されたメモリセルの制御ゲートを0Vとし、それ以外のメモリセルの制御ゲートおよび選択ゲートを電源電位Vcc(=5V)として、選択メモリセルで電流が流れるか否かを検出することにより行われる。
【0007】
この様な従来のNANDセル型EEPROMでは、複数のメモリセルが縦列接続されているため、読出し時のセル電流が小さく、ランダム読出しに時間がかかる問題があった。
【0008】
例えば、8ビット縦列接続でNANDセルを構成した場合、読出し時のセル電流は最悪1μA となる。読出し時の最悪条件は、NANDセル8ビット中の7ビットが論理“0”のメモリセル(しきい値電圧が0.5V以上3.5V以下)で、読出す1ビットが論理“1”のメモリセル(しきい値電圧が−0.5V以下)の場合である。
【0009】
4Mビットレベルでは、ビット線1本当たりの容量は約0.5pFであるため、ビット線を5Vのプリチャージ電位から0Vまで放電するのに要する時間は、
5V×0.5[pF]/1[μA ]=2.5[μsec ]
となる。
【0010】
また、ワード線に多結晶シリコン膜を用いると、ワード線の選択に長い時間が必要となる。
【0011】
例えば、多結晶シリコン膜のシート抵抗を50Ω/□とすると、ワード線の幅は0.7μm 、長さは3.5mmであるため、1本のワード線の抵抗は250 kΩとなる。また1本のワード線の容量は、4pFであるためワード線の時定数は集中定数で1μsec となる。
【0012】
従って、従来のNANDセル型EEPROMでは、ランダム読出しに最低3.5μsec かかっていた。
【0013】
ワード線にシリサイドを用いて、ワード線の選択時間を現在の1μsecから100nsecと短くしても、依然として小さなセル電流による読出し時間は変化せず、最低2.5μsecはかかる見積もりになる。
【0014】
一方、従来のNANDセル型EEPROMでは、各ビット線には、ラッチ回路を兼ねたセンスアンプ回路がある。このセンスアンプ兼ラッチ回路にデータが取込まれると、カラムアドレスの切換えにより、連続的なカラム読出しが可能となっている。このカラム読出しに要する時間は100nsecと短い。
【0015】
従って、従来のNANDセル型EEPROMでは、ランダム読出しがカラム読出しの35倍も時間がかかるという問題があった。
【0016】
また最近、EEPROMの用途として、例えばフレキシブルディスクとの置換えや、固体電子カメラのフィルム用の記憶媒体としての用途が広がりつつある。このような用途では、その読出しにおいて、1ビット単位のランダムな読出しは行なわれず、1ブロック、1セクター単位の連続読出しが行なわれる。
【0017】
例えば、ワード線1本当たり、4kbit のメモリセルが選択され、1ブロックがワード線8本、すなわち32kbit のメモリセルで構成されている場合、従来のNAND型EEPROMでは、ワード線が切換わるたびに、3.5μsec の無駄時間がはいるため、円滑な連続読出しが妨げられるという問題があった。
【0018】
同様のことは、NANDセル型EEPROMに限らず、高集積化によってワード線抵抗の増大およびビット線容量の増大が進み、セル電流が小さくなると、他のEEPROM等において問題になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来のEEPROMでは、ワード線の切替え時に無駄な時間が入り、とくにランダム読出しやブロック読出しの高速性が損なわれるという問題があった。
【0020】
本発明は、この様な点に鑑みなされたもので、ワード線の切換え時に発生する無駄時間を無視できる程小さくして、円滑な高速読出しを可能とした不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置では、各ビット線に設けられたラッチ機能を有するセンスアンプ回路に記憶されているあるワード線で選択されたメモリセルのデータに関してカラム読出しを行なっている間に、ビット線とセンスアンプ回路の間をビット線トランスファゲートにより遮断し、次のワード線で選択されるメモリセルのデータのビット線への読出しを同時に行なうタイミング制御手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、ワード線の切替え時に生じるワード線選択とメモリセルデータのビット線への読出しに要する時間が、カラム読出し時間内に取り込まれるために、外部的には無駄時間とならず、結果的に円滑な高速読出しが可能になる。
【0023】
例えば、ワード線1本当たり4kbit のメモリセルが接続され、1ブロックがワード線8本、すなわち32kbit のメモリセルで構成されている場合、従来のNAND型EEPROMでは、ワード線が切換わるたびに、3.5μsec の無駄時間が入るので、1ブロック分の読み出し時間が、
(3.5[ μsec]+100[nsec]×4095)×8=3304[μsec]
となる。
【0024】
これに対して本発明では、ワード線の切換え時に発生する無駄時間が必要なくなり、これに代って例えば、カラム読出し時間100[nsec]のダミーサイクを挿入すればよく、1ブロックの読出し時間は、
3.5[μsec]+100[nsec]×4095
+(100[nsec]+100[nsec]×4095)×7
=3280.9[μsec]
となる。
【0025】
したがって本発明によれば、高速の連続読出しが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を用いて、以下に具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態の不揮発性半導体記憶装置のブロック構成であり、図2はそのメモリセルアレイ構成を示し、図3は同じくセンスアンプ回路部の構成を示している。
【0028】
図1において、1は不揮発性メモリセルを配列したメモリセルアレイ、2はワード線選択を行うロウデコーダ、3はデータラッチ機能を有するセンスアンプ回路、4はビット線選択を行うカラムデコーダ、5,6はそれぞれ外部アドレスを取り込むロウアドレス・バッファ,カラムアドレス・バッファ、7はデータ入出力線IO,/IOを介してセンスアンプ回路3と接続されるI/Oセンスアンプ回路、8はデータ出力バッファ、9はデータ入力バッファ、10はチップ・イネーブル/CE,アウトプット・イネーブル/OE,ライト・イネーブル/WE等の外部制御信号により内部回路のタイミング制御クロックを発生する論理制御回路である。
【0029】
メモリセルアレイ1は、図2に示すように、複数本のワード線WLi (i=0 ,,1,…,m)とこれと交差する複数本のビット線BLj (j=0,1,…,n)が配設され、これらの各交差部に、ワード線WLi によって選択されてビット線BLj との間でデータの授受が行われる不揮発性メモリセルMCijが配置されて構成されている。メモリセルMCijは例えば、FETMOS構造を有するEEPROMセルである。各ビット線BLj には、読出し時にこれを読出し電位VR にプリチャージするためのPMOSトランジスタQj1が設けられている。
【0030】
ビット線BLj は、図3に示すように、それぞれNMOSトランジスタからなるビット線トランスファゲートQj2を介してビット線センスアンプSAj に接続されている。センスアンプSAj は、カラムデコーダ4により選択されるカラム選択線CSLj によって制御されるNMOSトランジスタかならるカラム選択ゲートQj3,Qj4を介してデータ入出力線IO,/IOに接続されている。
【0031】
図4ないし図6は、この実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の読出し動作を示すタイミング図である。
【0032】
チップイネーブル/CEが“H”レベルから“L”レベルになり、チップ外部入力のロウアドレス、カラムアドレスがチップ内部に取り込まれると、読出し動作が始まる(時刻t0 )。
【0033】
まず、ビット線BLj をプリチャージする制御信号PREBがVccからVssになり(時刻t1 )、これによりPMOSトランジスタQj1がオンになって、ビット線BLj がVR までプリチャージされる。プリチャージ後、制御信号PREBは再び、VssからVccになり、PMOSトランジスタQj1がオフになって、ビット線BLj はVR 電位でフローティング状態になる。
【0034】
次に、ロウアドレスによって選択されたワード線WL0 がVssから"H"レベル電位VH になり(時刻t2 )、このワード線WL0 により選ばれたメモリセルメモリセルMC0jのデータがそれぞれビット線BLj に読み出される。この場合、メモリセルのトランジスタのしきい値電圧を論理“0”で5V以上(例えば6V)、論理“1”で5V未満(例えば4V)と設定しておけば、論理“0”のメモリセルデータが読み出されているビット線は、VR 電位を保ち、一方、論理“1”のメモリセルデータが読出されているビット線はVR 電位から放電される。
【0035】
論理“1”のメモリセルデータが読出されているビット線の電位が、センスアンプSAj の回路しきい値よりも低くなった時点(時刻t3 )で、ビット線トランスファゲートの制御信号TGがVssからVccになり、ビット線データがセンスアンプSAj に伝達される。
【0036】
その後、ワード線WL0 、ビット線トランスファゲート制御信号TGはVccからVssに戻る(時刻t5 )。このタイミングt5 は、ビット線の情報が伝達されたセンスアンプSAj がセンス動作中でも良いし、センス動作が終了した後でも良い。また、ワード線WL0 とビット線トランスファゲート制御信号TGのうちどちらかを先行させて、VccからVssに戻しても良い。
【0037】
カラムアドレスによって選択されたカラム選択線CSL0 がVssからVccになると(時刻t4 )、センスアンプSA0 に読出されてラッチされているデータが入出力線I0,/I0に伝達され、入出線センスアンプ回路7,データ出力バッファ8を介して出力される。カラムアドレスが変化すると、カラムアドレス遷移検知回路がそれを検知し、次のカラム選択線CSL1 選択され(時刻t7 )、センスアンプSA1 に読出されているデータが出力される。
【0038】
こうして、順次センスアンプSA0 からSAn に記憶されているデータが読出されていくが、このカラム読出し動作が続いている間に、ロウアドレスが変化すると、それをロウアドレス遷移検知回路が検知してビット線プリチャージ信号PREBがVccからVssになり、ビット線BLj が再びVR まで充電される(時刻t6 )。ビット線充電後、制御信号PREBは再びVccからVssになり、ビット線BLj はVR 電位でフローティング状態になって、ロウアドレスによって選択された次のワード線WL1 がVssからVH になり(時刻t8 )、メモリセルMC1jのデータがビット線BLj に読出される。
【0039】
このワード線の切替えによるメモリセルデータのビット線への読出しは、ビット線トランスファゲートQj2がすでに時刻t5 でオフになっているため、センスアンプSAj から入出力線IO,/IOへのデータ転送と同時進行の形で支障なく行われる。
【0040】
n番目のカラムアドレスにより、カラム選択線CSLn が選択され(時刻t9 )、センスアンプSAn の記憶データが出力された後、センスアンプ・リセット信号RESETBがVccからVssになる(時刻t10)。これにより、ワード線WL0 で選択されたメモリセルMC0jのデータが記憶されているセンスアンプSAj がすべてリセットされる。
【0041】
次にセンスアンプ・リセット信号RESETBがVssからVccに戻り、ビット線トランスファゲート制御信号TGがVssからVssになると(時刻t11)、ワード線WL1 で選択されたメモリセルMC1jのデータが読出されているビット線BLj がセンスアンプSAj に接続され、ビット線データがセンスアンプSAj に伝達される。
【0042】
その後、先のカラム読出しと同様に、カラム選択線CSLj が順次選択され(時刻t12,t14,…)、センスアンプSAj の記憶データが順次読出される。その間、ワード線WL1 およびビット線トランスファゲート制御信号TGがVssに戻り(時刻t13)、さらにロウアドレスが変化すると、次のワード線WL2 が選択される(時刻t15)という過程が繰り返えし行なわれる。
【0043】
なお、センスアンプSAj の記憶データが順次読出されている間に、次のロウアドレスが取り込まれるタイミングは、ロウアドレスの変化を検知し、ビット線がプリチャージされ、ワード線が選択され、メモリセルのデータがビット線に読出され、論理“1”のビット線の電位がセンスアンプの回路しきい値よりも低下するまでの過程が、カラム選択線CSLn が選択されるまでに終了するようなタイミングで行なわれる。
【0044】
最後のロウアドレスが取り込まれ、ワード線WLm によって選択されるメモリセルMCmjのデータが読出され、チップイネーブルCEが“L”レベルから“H”レベルに戻ると(時刻t16)、読出し動作が終了する。
【0045】
図7は、より具体的に本発明をNANDセル型EEPROMに適用した実施の形態のメモリセルアレイの構成であり、図8は同じくセンスアンプ回路部の構成である。
【0046】
メモリセルアレイは、図7に示すように、7個のメモリセルが隣接するもの同士でソース、ドレインを共用する形で直列接続されてNANDセルを構成している。NANDセルの一端部のドレインは選択ゲートを介してビット線BLに接続され、他端部のソースはやはり選択ゲートを介して共通ソース線に接続されている。
【0047】
ビット線センスアンプ回路SAj は、図8に示すように、クロック同期型の2個のCMOSインバータINV1 ,INV2 を用いて構成されている。
【0048】
なおビット線センスアンプ回路は、1ビット線に1個ではなく、例えば図9に示すように、複数のビット線に1個設けられる所謂共有センスアンプ方式とすることもできる。
【0049】
図10ないし図12は、この実施の形態のNANDセル型EEPROMの読出し動作を示すタイミング図である。
【0050】
チップイネーブル/CEが“H”レベルから“L”レベルになり、チップ外部入力のロウアドレス、カラムアドレスがチップ内部に取り込まれると、読出し動作が始まる。ビット線をプリチャージする制御信号PREBがVccからVssになり、PMOSトランジスタQj1がオンになって、ビット線BLj がプリチャージされる。ビット線プリチャージ後、制御信号PREBは再びVccからVssになり、ビット線BLj は電位VR のフローティング状態となる。そしてロウアドレスによって選択されたワード線WL00がVssを保ち、同じNANDセル内の他のワード線WL01〜WL07、およびドレイン側,ソース側の選択ゲート線SGD0 ,SGS0 がVssからVccになって、選択ワード線WL00に沿うメモリセルMC000 〜MCn00 のデータがビット線BLj に読出される。
【0051】
メモリセルのしきい値電圧を例えば、論理“0”で0.5V〜3.5V、論理"1"で−0.5V以下に設定しておけば、論理“0”のメモリセルデータが読出されているビット線は、VR を保ち、論理“1”のメモリセルデータが読出されてるビット線は放電される。論理“1”のメモリセルデータが読出されているビット線の電位がセンスアンプSAj の回路しきい値よりも低くなった時点で、ビット線トランスファゲートの制御信号TGがVssからVccになり、ビット線データがセンスアンプSAj に伝達される。
【0052】
その後、ワード線WL01〜WL07および選択ゲート線SGD0 ,SGS0 、ビット線トランスファゲート制御信号TGがVccからVssに戻るが、そのタイミングは、ビット線の情報が伝達されたセンスアンプSAj がセンス動作中でも良いし、センス動作が終了した後でも良い。また、ワード線および選択ゲート線とビット線トランスファゲート制御信号TGのうち、どちらかを先行させてVccからVssに戻しても良い。
【0053】
次に、カラムアドレスによって選択されたカラム選択線CSL0 がVssからVccになり、センスアンプSA0 に読出されているデータが入出力線I0,/I0線に伝達され、入出線センスアンプ回路,データ出力バッファを介して出力される。
【0054】
カラムアドレスが変化すると、カラムアドレス遷移検知回路がそれを検知して次のカラム選択線CSL1 が選択され、センスアンプSA1 にラッチされているデータが出力される。
【0055】
こうして、順次センスアンプ回路SA0 からSAn に記憶されているデータが、読出されていくが、それと同時に、ロウアドレスが変化すると、それをロウアドレス遷移検知回路が検知し、ビット線プリチャージ信号PREBがVccからVssになり、ビット線BLj を再びVR まで充電する。充電後、制御信号PREBは再びVccからVssになり、ビット線BLj がプリチャージされる。そしてロウアドレスによって選択された次のワード線WL01がVssを保ち、同じNANDセル内の残りのワード線および選択ゲート線がVssからVccになりワード線WL01に沿うメモリセルのデータがビット線BLj に読出される。
【0056】
n番目のカラムアドレスにより、カラム選択線CSLn が選択され、センスアンプSAn の記憶データが出力された後に、センスアンプ・リセット信号RESETBがVccからVssになり、メモリセル・データが記憶されているセンスアンプSAj がリセットされる。センスアンプ・リセット信号RESETBがVssからVccに戻り、ビット線トランスファゲート制御信号TGがVssからVccになると、選択ワード線WL01に沿うメモリセルのデータが読出されているビット線BLj がセンスアンプSAj に接続され、ビット線に読出されているデータがセンスアンプに伝達される。
【0057】
その後、カラム選択線CSLj が順次選択され、センスアンプSAj の記憶データが順次読出される。このカラム読出しが行われている間に、ロウアドレスが変化し、同様の過程が繰り返えし行なわれる。
【0058】
最後のロウアドレスが取り込まれ、ワード線WL07によって選択されるメモリセルのデータが読出され、チップイネーブル/CEが“L”レベルから“H”レベルに戻ると、読出し動作が終了する。
【0059】
以上のようにして本発明によれば、ビット線センスアンプ回路にラッチされているデータが入出力線に読み出されている間、ビット線とセンスアンプ回路の間はビット線トランスファゲートにより切り離されて、次に選択されたワード線によりメモリセル・データがビット線に読み出されるという動作が繰り返される。
【0060】
なお、本発明においては、以上に説明した連続読出し以外に通常のランダム読出しや、ページ・モード、スタティックカラムモードなど、ページ(ワード線方向)に関してランダムな読出しも可能である。したがって、連続読出しモードと通常読出しモードとの切換えに、チップ外部から入力される制御信号/SCANを用いても良い。
【0061】
この外部制御信号/SCANは、図1に示すように論理制御回路10に入り、これにより、連続読出しモードと通常読出しモードが切り替えられる。
【0062】
図13は、この様な切り替え制御信号/SCANを用いた実施の形態の読出し動作を示すタイミング図である。制御信号/SCANが“H”レベルから“L”レベルになり、チップ・イネーブル/CEが“H”レベルから“L”レベルになると連続読出しモードになり、ランダムなロウアドレスj7,k5,…,s3が取込まれ、各ロウアドレスに対してカラムアドレスに0からnまで連続的に取込まれる。
【0063】
図13(a) のようにランダムにロウアドレスが入力されると、メモリセルの読出される順番は図13(b) のようになる。
【0064】
また、カラムアドレスの入力の際に、図13(c) に示すように、第n番目と第0番目の間にダミーサイクルを1パルス入力しても良い。このダミーサイクル中に、前のデータが記憶されているセンスアンプ回路がリセットされ、ビット線に読出されている次のメモリセルのデータがセンスアンプに転送される過程が行なわれる。
【0065】
図14は、カラムアドレスカウンタ11を設けて、これに切り替え制御信号/SCANを入力するようにした実施の形態である。
【0066】
連続読出しモードの時は、外部入力のカラムアドレスではなく、制御信号/SCANを図15(a) に示すようにトグルさせることにより、カラムアドレス・カウンタ11により内部カラムアドレスを順次発生させる。この場合も、図15(b) に示すように、カラムアドレスのn番目と0番目の間に/SCANを1パルスダミーサイクルとして入力するシステムにしてもよい。
【0067】
図16は、更に複数組のロウアドレスを記憶しておくロウアドレス・ラッチ回路12を設けた実施の形態である。ロウアドレス・ラッチ回路12は、カラムアドレス・カウンタ11の出力により制御されて、ある特定のカラムアドレスでラッチされているロウアドレスが取り込まれる。
【0068】
すなわち図19(a) に示すように、特定の内部カラムアドレス、図の場合l番目のカラムアドレスが出力されると、ロウアドレスラッチ回路12に記憶されているロウアドレスが出力される。
【0069】
図17は、ある特定のカラムアドレスを外部入力とした場合で、この場合も本発明は有効である。
【0070】
さらに第18図に示すように、NAND列で縦列接続されたメモリセル数と同ビット数のシフトレジスタ回路13を設けても良い。この場合、例えば、ワード線WL00〜WL07のNANDセル列が選択されると、図19(b) に示すように、1ブロック分(n+1)×8ビットのデータが連続的に読出される。
【0071】
また、シフトレジスタを用いているため、入力ロウアドレスで指定された先頭ワード線がWL01の場合でも、ワード線WL07の選択後、ワード線WL00に戻り、指定されたNAND列の全ワード線に関してのデータを連続的に読出すことが可能である。
【0072】
また、図20に示したように、ロウアドレスカウンタ14もチップ内部に設け、ロウアドレスカウンタ14の最大ビット数に相当するワード線、若しくは、全ワード線に関するメモリセルのデータを連続的に読出すようにした場合でも本発明は有効である。
【0073】
また、連続読出しモードの切換えは、連続読出し用の制御信号/SCANを用いずに、図21に示したようにライトイネーブル/WEとデータ入力Dinより入力されるデータをコマンドとして制御するように構成することもできる。このようなコマンド方式は少なくとも2ビット以上の多ビット構成の場合、特に有効となる。
【0074】
なお以上では、連続読出しのためのタイミング制御回路の具体構成を示さなかったが、これを示せば、図22のようになる。チップイネーブル/CEが“L”レベル状態でチップ外部のロウアドレスRow Add. が変化すると、これがロウアドレスバッファによりチップ内部に取り込まれ、ロウドレス遷移検知回路21よってロウアドレス検知パルスが発生される。このパルスを受けて、ビット線プリチャージ回路22が作動してビット線BLがプリチャージされる。充電後、ビット線BLはフローティング状態になり、ロウデコーダ/ワード線ドライバ23によりワード線WLが選択される。
【0075】
メモリセル・データがビット線BLを介してビット線センスアンプBL・S/Aに伝達されると、ワード線WLがリセットされ、ビット線トランスファゲートTGがトランスファゲートドライバ24の出力により非導通状態になる。
【0076】
次に、カラム選択線CSL0 が選択され、ビット線センスアンプBL・S/A0 に読み出されているデータが入出力線I/O,I/OBに伝達され、入出力線センスアンプI/O・S/A、データ出力バッファを介して出力される。
【0077】
次に、カラムアドレスCol. Add. が変化すると、カラムアドレス遷移検知回路25がこれを検知してパルスを発生し、これによって制御されるカラムデコーダ/カラム選択線ドライバ26によって次のカラム選択線CSL1 が選択され、ビット線センスアンプBL・S/A1 に読み出されているデータが出力される。
【0078】
こうして順次ビット線センスアンプBL・S/A0 からBL・S/An に記憶されているデータが読み出されるが、それと同時に次のロウアドレスRow Add. が変化すると、これをロウアドレス遷移検知回路21が検知してパルスを発生する。このパルスを受けて、ビット線プリチャージ回路22が作動してビット線BLが再度プリチャージされる。充電後、ビット線BLはフローティング状態になり、ロウデコーダ/ワード線ドライバ23によりワード線WLが選択される。
【0079】
その後、n番目のカラムアドレスによりカラム選択線CSLn が選択され、ビット線センスアンプBL・S/An のデータが読み出された後、リセット信号ドライバ27から得られるビット線センスアンプリセット信号RESETB によりビット線センスアンプBL・S/A0 〜S/An がリセットされる。
【0080】
ビット線センスアンプリセット信号RESETB が元に戻り、下記ドライバ24によりビット線トランスファゲートが導通状態になると、メモリセルデータを読出しているビット線BLがビット線センスアンプに接続される。
【0081】
その後、カラム選択線CSL0 〜CSLn が順次選択され、ビット線センスアンプBL・S/A0 〜S/An のデータが順次読み出される。このカラム読出しの間にさらに次のロウアドレスRow Add. が変化して、上記と同様の過程が繰り返される。
【0082】
【発明の効果】
以上述べてきたように本発明による不揮発性半導体記憶装置では、連続読出し動作において、ワード線切替え時に要した無駄時間がなくなり、アドレスで指定されたNAND列1ブロック分や全ワード線に関してのメモリセルのデータが円滑に連続読出し可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の半導体記憶装置の構成を示す図。
【図2】同実施形態のメモリセルアレイの構成を示す図。
【図3】同実施形態のセンスアンプ部の構成を示す図。
【図4】同実施形態の連続読出し動作を示すタイミング図。
【図5】同実施形態の連続読出し動作を示すタイミング図。
【図6】同実施形態の連続読出し動作を示すタイミング図。
【図7】NANDセル型EEPROMに適用した実施の形態のメモリセルアレイ構成を示す図。
【図8】同実施形態のセンスアンプの具体的構成例を示す図。
【図9】共有センスアンプ方式を示す図。
【図10】同実施形態の連続読出し動作を説明するためのタイミング図。
【図11】同実施形態の連続読出し動作を説明するためのタイミング図。
【図12】同実施形態の連続読出し動作を説明するためのタイミング図。
【図13】連続読出し制御信号/SCANを用いた実施の形態の入力タイミング図。
【図14】カラムアドレスカウンタを内蔵した実施の形態の構成を示す図。
【図15】同実施形態の動作を説明するためのタイミング図。
【図16】ロウアドレスラッチ回路を内蔵した実施の形態の構成を示す図。
【図17】図16でカラムアドレスを外部入力とした実施の形態の構成を示す図。
【図18】ロウアドレスシフトレジスタを内蔵した実施の形態の構成を示す図。
【図19】図16および図18の実施の形態の連続読出し動作を説明するための図。
【図20】ロウアドレスカウンタを内蔵した実施の形態の構成を示す図。
【図21】読出しモード切替えの別の方法を説明するための図。
【図22】本発明でのタイミング制御回路の構成例を示す図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ、
2…ロウデコーダ、
3…センスアンプ/データラッチ、
4…カラムデコーダ、
5…ロウアドレスバッファ、
6…カラムアドレスバッファ、
7…I/Oセンスアンプ、
8…データ出力バッファ、
9…データ入力バッファ、
10…論理制御回路、
11…カラムアドレスカウンタ、
12…ロウアドレスラッチ、
13…シフトレジスタ。

Claims (4)

  1. 互いに交差する複数本ずつのワード線とビット線が配設され、これらワード線とビット線の各交差部に書替え可能な不揮発性メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのワード線選択を行う手段と、
    前記メモリセルアレイのビット線にビット線トランスファゲートを介して接続されたラッチ機能を持つセンスアンプ回路と、
    前記センスアンプ回路とデータ入出力線との間に接続され、センスアンプ回路の出力を選択する選択ゲートと、
    前記選択ゲートを制御して、前記メモリセルアレイのビット線選択を行う手段と、
    前記データ入出力線に接続されたデータ入出力バッファと、
    複数組のロウアドレスを記憶しておくロウアドレス・ラッチ回路とを備え、
    前記ロウアドレス・ラッチ回路にラッチされているロウアドレスが順次取り込まれて前記ワード線選択を行う手段に供給され
    かつ、あるロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記センスアンプ回路にラッチされ、そのデータが前記データ入出力線に読み出されている間に、前記ビット線トランスファゲートはオフにされ、次のロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記ビット線に読み出されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. ある特定のカラムアドレスで前記ロウアドレス・ラッチ回路にラッチされているロウアドレスが取り込まれて前記ワード線選択を行う手段に供給されることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 互いに交差する複数本ずつのワード線とビット線が配設され、これらワード線とビット線の各交差部に書替え可能な不揮発性メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのワード線選択を行う手段と、
    前記メモリセルアレイのビット線にビット線トランスファゲートを介して接続されたラッチ機能を持つセンスアンプ回路と、
    前記センスアンプ回路とデータ入出力線との間に接続され、センスアンプ回路の出力を選択する選択ゲートと、
    前記選択ゲートを制御して、前記メモリセルアレイのビット線選択を行う手段と、
    前記データ入出力線に接続されたデータ入出力バッファと、
    外部ロウアドレスが入力され、前記複数本のワード線を順次選択するための内部ロウアドレスを出力し、前記ワード線選択を行う手段に供給するロウアドレス用シフトレジスタ回路とを備え、
    ある内部ロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記センスアンプ回路にラッチされ、そのデータが前記データ入出力線に読み出されている間に、前記ビット線トランスファゲートはオフにされ、次の内部ロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記ビット線に読み出されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  4. 互いに交差する複数本ずつのワード線とビット線が配設され、これらワード線とビット線の各交差部に書替え可能な不揮発性メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのワード線選択を行う手段と、
    前記メモリセルアレイのビット線にビット線トランスファゲートを介して接続されたラッチ機能を持つセンスアンプ回路と、
    前記センスアンプ回路とデータ入出力線との間に接続され、センスアンプ回路の出力を選択する選択ゲートと、
    前記選択ゲートを制御して、前記メモリセルアレイのビット線選択を行う手段と、
    前記データ入出力線に接続されたデータ入出力バッファと、
    外部ロウアドレスが入力され、前記複数本のワード線を順次選択するための内部ロウアドレスを出力し、前記ワード線選択を行う手段に供給するロウアドレスカウンタとを備え、
    ある内部ロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記センスアンプ回路にラッチされ、そのデータが前記データ入出力 線に読み出されている間に、前記ビット線トランスファゲートはオフにされ、次の内部ロウアドレスにより選択されたワード線により選択されたメモリセルのデータが前記ビット線に読み出されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
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