JP3540463B2 - 流水検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次側の減圧によって作動する弁体と弁体の作動によって作動信号を出力するスイッチを有する作動弁型の流水検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の作動弁型の流水検知装置としては、例えば図9に示すようなものがある。
図9において、1は弁本体であり、弁本体1内には弁ディスク2が開閉自在に設けられ、また、この弁ディスク2を受ける弁シート3が設けられている。弁本体1内には弁ディスク2が閉弁としている状態においては、弁ディスク2により一次側と二次側に仕切られ、一次側と二次側の圧力バランスが保持されている。
【0003】
弁本体1の一次側には図示しない制御弁が接続され、弁本体1の二次側にはスプリンクラーヘッド4に加圧水を給水する給水配管5が接続されている。また、弁体2の二次側には接続口6を介して排水弁7が接続されている。また、二次側の弁体1には先端にスイッチ片8を設けた端子部9が挿入され、端子部9から引き出されたケーブル10はリミットスイッチ11に接続されている。
【0004】
弁ディスク2が押し上げられてスイッチ片8が押圧されると、端子部9の接点が閉じ、リミットスイッチ11がオンになる。制御弁側の一次側の圧力とスプリンクラーヘッド4側の二次側の圧力が等しい状態にあっては、消火ポンプは停止状態にあり、弁ディスク2は、図9に示すように、弁シート3を閉じた状態にある。この状態においては、弁ディスク2はスイッチ片8を押圧しないので、リミットスイッチ11はオフ状態にあり、流水は検知されない。
【0005】
次に、スプリンクラーヘッド4が火災により作動した場合、あるいは点検のため末端試験装置の試験弁を開いた場合には、二次側の圧力の低下に伴って、図10に示すように弁ディスク2が押し上げられる。弁ディスク2が押し上げられて、スイッチ片8を押圧すると、端子部9の接点が閉じてリミットスイッチ11がオンになる。リミットスイッチ11のオンにより流水が検知される。
【0006】
その後リミットスイッチ11の出力を停止する復旧作業は、弁ディスク2の一次側に設けられている制御弁を手動で閉弁することで行われ、このことにより流水が止まり、弁ディスク2が弁シート3を閉じる。弁ディスク2がスイッチ片8から離れると、端子部9の接点は開放され、リミットスイッチ11がオフになる。こうして、リミットスイッチ11は復旧する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の作動弁型の流水検知装置にあっては、弁ディスクの弁開度が小さい場合には弁ディスクがスイッチを押圧しないため、リミットスイッチがオン状態にならなかった。すなわち、弁開度が一定値以上にならないと弁ディスクはスイッチ片を押圧することができず、リミットスイッチはオンしない。逆に弁開度が小さくてもリミットスイッチがオンするようにすると、弁開度が制限されるため、圧力損失が生じるという問題があった。
【0008】
また、この流水検知装置が取り付けられている現場においては、末端試験装置の試験弁を開いて流水させることで弁ディスクを作動させて、リミットスイッチをオンさせる作動試験を行うが、流水させない限り、作動試験を行うことができないという問題もあった。
さらに、このような作動弁型の流水検知装置においては、弁ディスクが作動してからリミットスイッチがオンして作動信号を出力するまでの間に遅延時間を必要としないポンプ起動用の信号と遅延時間を必要とする表示用の信号を発することが必要であるが、この従来例においては、弁ディスクが押し上げられると、リミットスイッチは遅延時間なしにオンになり、遅延時間を必要としない信号は得られるが、遅延時間を必要とする信号は得られなかった。すなわち、一種類の作動信号しか得られず、遅延時間のある作動信号と遅延時間のない作動信号を得ることができなかった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、弁開度が小さい場合でもスイッチがオンし、また圧力損失が少なく、現場で簡単に弁体の作動試験を行うことができ、さらに複数の作動信号を得ることができる流水検知装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は次のように構成する。
本発明は、とを備えたことを特徴とする。
また本発明においては、作動弁本体内に設けられた第1の作動軸と、第1の作動軸を支点として回動し流路を開閉する弁体と、第1の作動軸の近傍であって作動弁本体から外部に軸端が突出するように設けられた第2の作動軸と、第2の作動軸の作動弁本体内の軸部に軸支され弁体の端部に当接して弁体の回動によって第2の作動軸を回動させると共に第2の作動軸側から回動された場合に弁体を開閉させる連動部材と、第2の作動軸の外部に突出された軸端に固定され弁体の開閉に応じて回動される作動レバーと、作動レバーの回動により弁開を示す作動信号または弁閉を示す非作動信号を出力するスイッチとを備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明においては、作動レバーに上下方向に移動自在に作動流量を調整する調整部材を固定している。
更に、本発明においては、作動レバーを第2の作動軸の両側に設けると共に各レバー毎にスイッチを設ける。更に2組のスイッチのうちの一方または両方に遅延装置を設ける。
【0012】
このような本発明の流水検知装置によれば、弁体が開弁したときは外部に突出した作動軸のカム部材を介して第2の作動軸の作動レバーを回転してスイッチをオンするので、弁体の弁開度が小さい場合でもスイッチはオンし、弁体が開弁したことを示す作動信号を確実に出力することができる。また、弁体の弁開度が制限されないので、作動流量が制限されることがなく、圧力損失が小さい。
【0013】
また、作動レバーに上下方向に移動自在に作動流量を調整する調整部材を固定したので、この調整部材の固定位置により作動と判断する弁体の弁開度を変更することができる。
さらに、第2の作動軸に対し2組の作動レバーとスイッチを設けたことで、弁体の開弁による作動信号を2つのスイッチから出力することができる。また、2組のスイッチのうちの一方または両方に遅延装置を設けることで、例えば遅延を必要としないポンプ起動用の信号と遅延を必要とする表示用の信号を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の流水検知装置の断面図であり、図2に弁体部分を水平面で切った断面図を示す。
図1,2において、21は流水検知装置22の作動弁本体であり、作動弁本体21内には弁座23が一体に形成されている。また、作動弁本体21内には第1の作動軸24が設けられている。25は弁体であり第1の作動軸24を支点として一体に回動するように設けられ、弁体25の一次側と二次側の圧力がバランスしているときは自重により弁座23に着座して閉弁し、二次側が減圧すると、流水により開弁する。弁座23上にはパッキン90が設けられている。
【0015】
弁体25の二次側は接続口26を介して加圧水を供給する給水配管27が接続され、給水配管27には監視区域に散水を行うスプリンクラーヘッド28が接続されている。弁体25の一次側の作動弁本体21にはボルト29により制御弁30の制御弁本体30Aが接続され、制御弁本体30A内には流路31を開閉するボール弁32が収納されている。
【0016】
ボール弁32による流路31の開閉は、後述するレバーにより行われ、レバーを水平方向から垂直方向に90度反時計回り方向に操作すると、ボール弁32が回転して、流路31を開く。ボール弁32と作動弁本体21の内壁およびボール弁32と制御弁本体30Aの内壁の間にはOリング33,34がそれぞれ介装され、また、制御弁本体30Aと作動弁本体21の接続部にはシール部材35が介装されている。
【0017】
制御弁本体30Aの接続口30Bには図示しない給水本管が接続され、給水本管は図示しない消火ポンプに接続されている。また、弁体25の二次側の作動弁本体21の接続口36には排水弁37が接続され、ハンドル37Aの操作により排水を行うことができるようになっている。
38は第2の作動軸であり、第1の作動軸24の水平方向であってかつその近傍に設けられている。第2の作動軸38は、図2のように、作動弁本体21に回動自在に設けられ、その両端部は、作動弁本体21から外部に突出している。即ち、、第2の作動軸38の一方の軸端部はスイッチボックス39内に突出し、他方の軸端部はキャップ64が装着されている。第2の作動軸38と作動弁本体21の間にはパッキン80が介装され、軸部をシールしている。
【0018】
第2の作動軸38の中央部には突起部40Aを備えた連動部材40が固定され、弁体25の端部25Aに当接する。第2の作動軸38のスイッチボックス39内に突出している軸端部には作動レバー41の一端部が固定され、作動レバー41の他端部側には重り42が設けられている。作動レバー41は第2の作動軸38と一体で回動する。
【0019】
弁体25が閉じている状態では図示の位置にあり、作動レバー41は重り42により下がろうとする力に抗して位置Aにある。弁体25が開くと端部25Aは第1の作動軸24を支点として時計回り方向に回転するため、重り42の作用で連動部材40は端部25Aに突起部40Aが当接しながら時計回り方向に回転し、第2の作動軸38も一体で時計回り方向に回転する。
【0020】
こうして、作動レバー41はAで示す位置からBで示す位置に回転する。作動レバー41はBで示す位置にくると図示しないストッパ部材により停止するようになっている。この作動レバー41の回動により後述するリミットスイッチ(スイッチ)がオンになり、弁体25が開動作したことを示す作動信号が出力される。
【0021】
また、弁体25が第1の作動軸24を支点として反時計回り方向に回転して自重で閉弁するときは、弁体25の端部25Aも反時計回り方向に回転して連動部材40の突起部40Aを反時計回り方向に押圧する。このため、連動部材40は第2の作動軸38と一体となって反時計回り方向に回転し、作動レバー41はAで示す位置に戻る。
【0022】
弁体25の弁開度をθとし、作動レバー41の回動角をθ1とすると、θとθ1の関係はθ1<θのようになっており、弁体25の弁開度θに比べて作動レバー41の回動角θ1は小さくなる。このため、弁体25の弁開度が小さくても、作動レバー41の作動により図3に示すリミットスイッチ59がオンできるようになっている。
【0023】
また、作動レバー41は、作動弁本体21の外側に設けられており、組立が容易である。また、この作動レバー41を操作することで現場で容易に弁体25の作動を含めた作動試験を行うことができる。すなわち、作動レバー41の重り42の部分をAで示す位置からBで示す位置に押し下げると、第2の作動軸38は作動レバー41と一体で時計回り方向に回転し、これにより連動部材40も時計回り方向に回転するので、連動部材40の突起部40Aに当接している弁体25の端部25Aも突起部40Aにより時計回り方向に押圧されて回転し、弁体25は第1の作動軸24を支点として時計回り方向に回転し、開弁する。また、作動レバー41をBの位置に押し下げることで、リミットスイッチがオンになり作動信号が出力される。このように、弁体25の作動を含めた作動試験を作動レバー41の重り42の部分を押圧するだけで現場で簡単に行うことができるようにしている。
【0024】
作動レバー41の略中央部の上部側には調整部材43が上下動自在に設けられている。調整部材43には一対の長孔44が形成され、長孔44にビス45がねじ止めされ、ビス45による調整で調整部材43は上下動自在に作動レバー41に固定される。調整部材43をビス45により下側に下げて作動レバー41に固定すると、流量の少ない状態、即ち弁体25の弁開度が小さい状態で作動信号を出力するスイッチがオンするようになっている。したがって、調整部材43の固定位置により、作動させたい流量を調整することができる。
【0025】
46は制御弁30の開閉を検出するスイッチであり、スイッチ46はスイッチボックス39内の下側に配置された支持台47上に設けられている。スイッチ46はスイッチ軸48とスイッチ軸48をスイッチボックス39から外側に突出するように付勢するリターンスプリング49とスイッチ軸48とリターンスプリング49を収納する収納部50とスイッチ軸48が押し込まれたことを検出して制御弁30が開いたことを示す作動信号を出力するスイッチ本体51を有する。
【0026】
52は後述するレバーに設けられた押圧部であり、レバーを水平方向から反時計回り方向に90度垂直に回転すると、制御弁30が開弁し、同時に押圧部52がスイッチ軸48を押し込んでスイッチ46をオンさせる。
53はスイッチボックス39内部の上側に設けられた遅延装置の一部であるエアーダンパであり、エアーダンパ53は、作動レバー41が作動したとき所定の遅延時間後にリミットスイッチ59をオンさせ、弁体25が作動したことを示す作動信号が出力するための遅延時間を設定する。なお、54は作動弁本体21にスイッチボックス39を固定する固定ボルトである。
【0027】
エアーダンパ53のピストン軸55の頭部56とナット57との間には、図3に示すようにスイッチレバー58の一端が固定され、スイッチレバー58の他端は取付部60を介してリミットスイッチ59に軸支されている。作動レバー41がAで示す位置にあるときは、調整部材43はスイッチレバー58の下面に当接し、スイッチレバー58をA1で示す位置まで上側に押し上げている。
【0028】
作動レバー41がAに示す位置からBで示す位置まで回転して下がると、調整部材43aのスイッチレバー58の下面への当接が解除され、このことでスイッチレバー58はリミットスイッチ59の下部に備えてあるスプリング91の力とエアーダンパ53内のピストン62の自重によりA1で示す位置からB1で示す位置に反時計回り方向に回転して下がり、このスイッチレバー58の下方への移動によりスイッチノブ61が押し出され、リミットスイッチ59内の接点が閉じオンになる。
【0029】
この場合、スイッチレバー58の一端は、エアーダンパ53のピストン軸55に固定されているので、エアーダンパ53の作用により、作動レバー41の作動後、リミットスイッチ59は所定の遅延時間だけ遅れてオンになる。
すなわち、スイッチレバー58は、ピストン軸55を介してエアーダンパ53内に収納されたピストン62に接続されているので、スイッチレバー58の下方への移動は、エアーダンパ53内のピストン62が下方に移動するとき、エアーダンパ53内に外部の空気を空気通路を経て吸入することにより、ゆっくりと徐々になされる。この場合、エアーダンパ53内に入る空気の量を調整することにより遅延時間を調整することができる。
【0030】
このため、エアーダンパ53の上部には遅延調整ねじ63が設けられ、遅延時間の調整が必要なときは、この遅延調整ねじ63により調整する。具体的には、遅延調整ねじ63をマイナスドライバーを用いて、エアーダンパ53に入る空気量、即ち空気通路の開度を変え、遅延時間の調整を行う。例えば、遅延調整ねじ63を左に回すと空気の入る量が増え、遅延時間が短くなり、右に回すと空気の入る量が減り、遅延時間が長くなる。
【0031】
遅延装置92は、エアーダンパ53、ピストン軸55、頭部56、ナット57、ピストン62、遅延調整ねじ63から構成される。
なお、スイッチボックス39内の下側には制御弁30の開閉を検出するスイッチ46が設けられている。
図4〜図7は流水検知装置22の外観図である。
【0032】
図4は流水検知装置22の平面図、図5は流水検知装置22の正面図、図6は図5の左側面図、図7は図5の右側面図である。
図4〜図7において、21は流水検知装置22の作動弁本体であり、作動弁本体22の下側には制御弁本体30Aが固定されている。作動弁本体21の上側は給水配管27が接続される接続口26が開口し、作動弁本体21の一方の側面には排水弁27が接続される接続口36が開口し、さらに作動弁本体21の他方の側面にはスイッチボックス39が固定されている。
【0033】
また、作動弁本体21からは第2の作動軸38の両端部が突出しているので、使用していない軸端にはキャップ64を設けている。65は制御弁30を開閉するレバーであり、レバー65は支点66を中心として90度回動するように制御弁本体30Aに取り付けられている。
レバー65には2つの位置決め片67,68が設けられ、一方の位置決め片67が制御弁本体30Aに固定した位置決め部69に当接するようにレバー65を時計回り方向に90度回転して水平にすると、回転軸70が回転してボール弁32が流路31を閉じ、他方の位置決め片68を制御弁本体30Aの位置決め部69に当接するようにレバー55を前記水平位置から反時計回り方向に90度回転して垂直にすると、回転軸70も反時計回り方向に回転してボール弁32が流路31を開く。このとき、レバー本体71に固定した押圧部52がスイッチボックス39に設けたスイッチ46のスイッチ軸48を押し込む。これにより、スイッチ46がオンになり、制御弁30が開弁したことを示す作動信号が出力される。
【0034】
次に、図1乃至図3の作用を説明する。
通常の監視時においては、図1に示すように制御弁30のボール弁32が流路31を開いており、弁体25の一次側と二次側の圧力はバランスがとれているので、弁体25は自重で弁座23に着座し閉弁している。弁体25が閉弁している状態においては、弁体25の端部25Aは連動部材40の突起部40Aを反時計回り方向に押圧しているので、連動部材40が固定された第2の作動軸38の端部に固定された作動レバー41はAに示す位置にある。
【0035】
このため、図3に示すように、作動レバー41はスイッチレバー58の一端側をA2で示す位置まで上側に押圧しているので、スイッチノブ61は押し込まれ、リミットスイッチ59はオフの状態にある。
この通常の監視状態において、監視区域内で火災が発生すると、スプリンクラーヘッド28が作動し、散水が行われる。給水配管27内の消火水はスプリンクラーヘッド28に供給されるので、弁体25の一次側より二次側の圧力が低下し、流水が生じて、弁体25が開弁する。弁体25は第1の作動軸24を支点として時計回り方向に回転し、弁体25の端部25Aも同様に時計回り方向に回転する。
【0036】
部材25Aに当接する突起部40Aを一体に形成した連動部材40も弁体25の端部25Aの回転に追従し連動して回転するので、作動レバー41も第2の作動軸38と一体となって重り42と作動レバー41の重力によってAで示す位置からBで示す位置に回転する。このため、図2に示すように、スイッチレバー58の他端側を上側に押し上げる力がなくなることで、スイッチレバー58はリミットスイッチ59の下部に備えてあるスプリング91の力とエアーダンパ53内のピストン62の自重によりA1で示す位置からB1で示す位置にθ2で示す角度だけ下方へ移動する。
【0037】
この場合、スイッチレバー58の他端側は、遅延装置92であるエアーダンパ53のピストン軸55に連結されているので、エアーダンパ53の作用によりスイッチレバー58はゆっくり下降し、所定の遅延時間をもってリミットスイッチ59がオンする。弁体25の作動による、作動レバー41の作動後のリミットスイッチ59のオンまでの時間である遅延時間を調整するためには、エアーダンパ53の遅延調整ねじ63を回すことでエアーダンパ53への空気通路の開度を調整してエアーダンパ53に入る空気の入る量を調整すれば良い。
【0038】
このように、弁体27が作動し開弁すると、弁体25に追従して作動レバー41が作動し、スイッチレバー58を介してリミットスイッチ59がオンするようになっているため、弁体25の開度が小さい場合でもリミットスイッチ58をオンし、弁体25が作動したことを示す作動信号が出力することができる。
また、作動レバー41に長孔44を介してビス45により固定される調整部材43を下側に下げて固定すると、スイッチレバー58がリミットスイッチ59をオフさせる角度θ2が小さくなるので、弁体25の開度が小さい状態、即ち流れる流量が少ない状態で、リミットスイッチ59がオンし作動信号を出力することになる。このように、調整部材43の位置調整により作動させたい流量を流せる弁体25の弁開度を変えることができ、その結果、作動流量が決定される。
【0039】
スプリンクラーヘッド28からの散水により消火が終了し、消火ポンプの起動を停止すると、流水がなくなるので、弁体25は自重により弁座23に着座して閉弁する。弁体25の端部25Aは、第1の作動軸24を支点として反時計回り方向に回転するので、突起部40Aにより当接する連動部材40も端部25Aの回転に連動して反時計回り方向に回転し、作動レバー41はBで示す位置からAで示す位置に戻る。
【0040】
このため、図3に示すように、スイッチレバー58は作動レバー41により押し上げられ、スイッチノブ61を押し込むことで、リミットスイッチ59はオフになる。
ここで、弁体25の作動を含めた全体の作動試験を行うときは、作動弁本体21の外側であって第2の作動軸38の端部に固定されている作動レバー41の重り42の部分をAで示す位置からBで示す位置まで押し下げる。作動レバー41の回転により、第2の作動軸38に固定されている連動部材40は、時計回り方向に回転し、突起部40Aが弁体25の端部25Aを時計回り方向に押圧するので、弁体25は第1の作動軸24を支点として回動し、開弁する。また、作動レバー41の重り42の部分をBで示す位置まで押し下げることで、エアーダンパ53に設定した遅延時間後にリミットスイッチがオンし作動信号が出力される。
【0041】
作動レバー41の長手方向の寸法を長くしており、また、重り42の重さにより小さい力で弁体25を開弁させることができる。このように、従来のように流水しなくても弁体25の作動を含めた流水検知装置22全体の作動試験を現場で簡単に行うことができる。
図8は本発明の他の実施形態であり、作動信号を出力するリミットスイッチを含むスイッチ機構等を2つ設けたことを特徴とする。
【0042】
38は第2の作動軸であり、第2の作動軸38の一端は作動弁本体21から第1のスイッチボックス39A内部に突出しており、第2の作動軸38の他端は作動弁本体21から第2のスイッチボックス39B内部に突出している。第1のスイッチボックス39Aと第2のスイッチボックス39Bはボルト72により互いに固定されている。
【0043】
第2の作動軸38の一端には第1の作動レバー41Aが固定され、第1の作動レバー41Aの内側には重り42Aが固定され、第1の作動レバー41Aの外側には調整部材43Aが上下動自在に固定されている。弁体25が閉弁している状態にあっては、第1の作動レバー41AはAで示す位置にあり、第1の作動レバー41Aの調整部材43Aが第1のスプリング91Aに抗して第1のスイッチレバー58Aの一端側を押し上げている。
【0044】
第1のスイッチレバー58Aの一端側はエアーダンパ53のピストン軸55に連結され、他端側は取付部60Aを介して第1のリミットスイッチ59Aに取り付けられている。第1のリミットスイッチ59Aおよび制御弁30の作動を検出するスイッチ46からそれぞれ引き出された各信号線73,74は端子台75にそれぞれ接続されている。
【0045】
弁体25が開弁すると、第1の作動レバー41AはAで示す位置からBで示す位置に回動し、このことで第1のスイッチレバー58Aを押し上げる押圧力がなくなるので、第2のスイッチレバー58Aが下方に下がる。このとき、第1のスイッチレバー58Aの一端はエアーダンパ53に連結されているので、エアーダンパ58の作用により設定された遅延時間をかけてゆっくり下側に下がり、第1のスイッチレバー58Aの他端が第1のリミットスイッチ59Aに接続されるので、スイッチレバー58Aが下方に下がることでスイッチノブ61Aが突出し、第1のリミットスイッチ59Aはオンとなる。この動作は図3を使って説明したものと同様である。
【0046】
一方、第2の作動軸38の他端には第2の作動レバー41Bが固定され、第2の作動レバー41Bの外側には重り42Bが固定され、第2の作動レバー41Bの内側には調整部材43Bが上下動自在に固定されている。弁体25が閉弁している状態にあっては、第2の作動レバー41BはAで示す位置になり、第2の作動レバー41Bの調整部材43Bが第2のスプリング91Bに抗して第2のスイッチレバー58Bの一端側を押し上げている。第2のスイッチレバー58Bの他端側は取付部60Bを介して第2のリミットスイッチ59Bに取り付けられている。第2のリミットスイッチ59Bから引き出された信号線76は端子台77に接続されている。
【0047】
弁体25が開弁すると、第2の作動レバー41BはAで示す位置からBで示す位置に回動し、このことで第2のスイッチレバー58Bを押し上げる押圧力がなくなるので、第2のスイッチレバー58Bは下方に下がる。このとき、第2のスイッチレバー58Bにはエアーダンパが設けられていないので、第2のスイッチレバー58Bの一端が直ちに下方に下がり、このことでスイッチノスブ61Bが突出し、第2のリミットスイッチ59Bは遅延時間なしで直ちにオンになる。
【0048】
このように、作動レバーとスイッチ機構を2組設けたことで、2つの作動信号を出力でき、更に2組のスイッチ機構の一方または両方に遅延装置を設けることで例えば遅延時間のある作動信号と遅延時間のない作動信号をそれぞれ出力することができる。したがって、遅延を必要としないポンプ起動用の信号と遅延を必要とする表示用の信号を得ることができる。
【0049】
更に、どちらの作動レバーにもエアーダンパを接続して、それぞれ遅延時間のある作動信号を出力しても良いし、また、どちらにもエアーダンパを設けずそれぞれ遅延時間のない作動信号を出力しても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、弁体の開度が小さい場合、弁体が作動したことを示す作動信号を出力することができる。弁体の弁開度が制限されることがないので、圧力損失を小さくすることができる。また、弁体を含む全体の作動試験を行うとき、流水しなくても現場で簡単に弁体の作動試験を行うことができる。
【0051】
2組のスイッチにより2つの作動信号を出力することができる。また、遅延装置を設けることで遅延時間のある作動信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流水検知装置の断面図
【図2】図1の弁体部分を水平面で切って示した断面図
【図3】スイッチボックスの内部構成図
【図4】流水検知装置の平面図
【図5】流水検知装置の正面図
【図6】図5の左側面図
【図7】図5の右側面図
【図8】2つのスイッチボックスの内部構成図
【図9】従来の流水検知装置の説明図
【図10】図9の従来装置の作動状態の説明図
【符号の説明】
21:作動弁本体
22:流水検知装置
23:弁座
24:第1の作動軸
25:弁体
25A:端部
40:連動部材
41,41A,41B:作動レバー
43,43A,43B:調整部材
58,58A,58B:スイッチレバー
59:リミットスイッチ(スイッチ)
92:遅延装置
Claims (4)
- 作動弁本体内に設けられた第1の作動軸と、
該第1の作動軸を支点として回動し流路を開閉する弁体と、
前記第1の作動軸の近傍であって前記作動弁本体から外部に軸端が突出するように設けられた第2の作動軸と、
該第2の作動軸の作動弁本体内の軸部に軸支され、前記弁体の端部に当接して弁体の回動によって前記第2の作動軸を回動させると共に、前記第2の作動軸側から回動された場合に前記弁体を開閉させる連動部材と、
前記第2の作動軸の外部に突出された軸端に固定され、前記弁体の開閉に応じて回動される作動レバーと、
該作動レバーの回動により弁開を示す作動信号または弁閉を示す非作動信号を出力するスイッチと、
を備えたことを特徴とする流水検知装置。 - 請求項1記載の流水検知装置において、
前記作動レバーに上下方向に移動自在に作動流量を調整する調整部材を固定したことを特徴とする流水検知装置。 - 請求項1,2記載の流水検知装置において、前記作動レバーを前記第2の作動軸の両側に設けると共に各レバー毎に前記スイッチを設けたことを特徴とする流水検知装置。
- 請求項3記載の流水検知装置において、前記各スイッチの一方または両方に遅延装置を設けたことを特徴とする流水検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25963195A JP3540463B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 流水検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25963195A JP3540463B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 流水検知装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0999114A JPH0999114A (ja) | 1997-04-15 |
JP3540463B2 true JP3540463B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=17336762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25963195A Expired - Lifetime JP3540463B2 (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 流水検知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3540463B2 (ja) |
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WO2010146679A1 (ja) * | 2009-06-17 | 2010-12-23 | 千住スプリンクラー株式会社 | 流水検知装置 |
-
1995
- 1995-10-06 JP JP25963195A patent/JP3540463B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0999114A (ja) | 1997-04-15 |
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