JP3540443B2 - 燃焼装置における消音器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、給湯機や温水ボイラー等の燃焼装置に用いられる消音器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯機や温水ボイラー等の燃焼装置に用いられる消音器として、たとえば、図5に示す構造のものが知られている。
【0003】
この燃焼装置1は、バーナ2を有する熱交換器3と、この熱交換器3において生成された燃焼ガスを外部へ導くための排気通路を構成する複数の煙管4を備え、これらの各煙管4の下流側に連続するようにして消音器5が取り付けられている。
【0004】
そして、この消音器5は、図5および図6に示すように、前記熱交換器3に接続され、排気方向下流側の端部を閉塞する天板6aを備えた円筒状のケーシング6と、このケーシング6の内部に一体に取り付けられて、前記ケーシング6内を複数の空洞部7・8に区画する仕切り板9と、前記各空洞部7・8の周壁(すなわち、前記ケーシング6の内面を覆って設けられた円筒状の吸音材10と、前記天板6aの中央部に貫通状態で取り付けられた排気筒11と、前記仕切り板9の中央部に貫通状態で取り付けられた通気筒12と、前記仕切り板9に支持されて、前記排気筒11および通気筒12と間隔をおいて保持された第1の邪魔板13と、前記仕切り板9に支持されて、前記通気筒12と間隔をおいて保持された第2の邪魔板14とによって構成されている。
【0005】
このように構成された従来の消音器5は、前記複数の煙管4から排気される燃焼ガスが空洞部8へ入り込む際の膨張現象、ならびに、この空洞部8から他の空洞部7へ入り込む際の膨張現象、邪魔板13・14による流路変更、および、ケーシング6の内面に設置されている吸音材10との衝突により、前記燃焼ガスの圧力変動を抑さえることにより、排気音を小さくするようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の消音器5においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0007】
すなわち、前記ケーシング6が円筒状に形成されていることから、消音器5の設置スペースをその長さ方向から見た場合において、ケーシング6の外側にデッドスペースが形成されてしまい、設置スペースの利用効率が悪いといった問題点であり、また、消音器5内の空洞部7・8の必要容積を確保しようとすると、ケーシング6の外径が大きくなってしまうといった問題点である。
【0008】
また、内部に装着される吸音材10が円筒状に形成されていることから、部品として搬送する際に、吸音材10の内側に大きな空間が形成されてしまい、搬送効率が悪く、これに伴って、製造コストが高騰してしまうといった問題点も有している。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、燃焼装置の設置スペースの有効利用を図り、また、製造コストの低減を図ることのできる燃焼装置における消音器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の燃焼装置における消音器は、前述した目的を達成するために、バーナを備えた熱交換器の排気経路に設置されて、この排気経路を流れる排気ガスの騒音を抑制するようにした燃焼装置における消音器であって、排気方向と直交する断面形状が矩形状に形成されているケーシングを備え、このケーシングの内面には吸音材が装着されているとともに、この吸音材が、前記ケーシングへの非装着時において長尺状に形成され、かつ、その同一側面に、前記ケーシングの一辺と略等しい間隔で折曲用の切り欠きが複数形成されており、前記吸音材が前記ケーシングの長さ方向に沿って複数に分割されているとともに、これらの各吸音材の間には、前記ケーシング内をその長さ方向に沿って3以上の空洞部に区画する複数の仕切り板が挟持固定され、これらの仕切り板における通気部の形状をそれぞれ相違させて、前記ケーシングの上流側に形成された空洞部と、その下流側に形成された空洞部における消音機能を異ならせた構成としたものである。
【0013】
【作用】
本発明の請求項1に記載の燃焼装置における消音器によれば、ケーシングの排気方向と直交する断面形状が矩形状に形成されていることにより、その角部が、円筒状に形成されたケーシングにおいて発生するデッドスペース部分に位置させられることによって、設置スペースの有効利用が図られる。
【0014】
また、スペースの有効利用が図られることにより、同一容積の空洞部を確保するためのケーシング形状が小さく抑さえられることにより、装置のコスト低減が図られる。
【0015】
また、ケーシング内に装着される吸音材が、搬送時において直線状の姿勢に保持され、かつ、搬送に際して吸音材を積層した場合に、これらの間に形成される空間部が殆ど無くなり、その搬送効率の向上が図られる。
【0016】
また、吸音材をケーシングに装着する場合には、ケーシングの一辺と略等しい間隔で形成された切り欠き部分において折曲することにより、容易に前記ケーシングの内面形状と略等しい形状となされ、前記ケーシングへの装着が簡便に行なわれる。
この結果、燃焼装置の製造コストの低減が図られる。
【0017】
さらに、ケーシング内に吸音材と仕切り板とを交互に挿入することによって、ケーシング内面に吸音層が形成されるとともに、前記仕切り板によって挟持固定された仕切り板により、複数の空洞部がケーシング内に形成される。したがって、簡素な作業によって消音器の組み付けが行なわれ、この点からも製造コストの低減が図られる。
【0018】
しかも、消音器の上流側に形成された空洞部とその下流側に形成された空洞部の消音機能が異なるため、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせるとともに、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせれば、全周波数領域における消音効果が効率よく得られる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1ないし図3を参照して説明する。
図1において、燃焼装置20は、外装ケース20Aと、この外装ケース20A内に収容され、バーナ20Bにて加熱される熱交換器20Cと、この熱交換器20Cの上部に連設された消音器21とによって概略構成されている。
【0020】
ついで、これらの詳細について説明すれば、本実施例に示す消音器21は、排気方向と直交する断面形状が、図1に示すように矩形状に形成されたケーシング22と、図1および図2に示すように、このケーシング22の内壁面に沿って装着された吸音材23と、前記ケーシング22内をその長さ方向に沿って複数に(本実施例では5つに)区画された空洞部A〜Eを形成する複数の(本実施例では4枚の)仕切板24a〜24dとを備えている。
【0021】
前記吸音材23は、本実施例においては、図3に示すように、前記ケーシング22への非装着時において長尺な板状に形成され、かつ、その側面に、前記ケーシング22の一辺と略等しい間隔で折曲用の切り欠き23aが複数形成されており、これらの各切り欠き部分において90度に折曲されることにより、図4に示すように、前記ケーシング22の内面形状と略同一の矩形状となされるようになっている。
【0022】
そして、このようにして屈曲された吸音材23は、各端部を突き合わせて接着することにより、前述した矩形状に保持される。
【0023】
さらに、本実施例においては、前記吸音材23がケーシングの長さ方向に沿って複数に分割されているとともに、これらの各吸音材23の間に、前記仕切り板24a〜24dの周縁部が挟持されることにより固定されて、前述した各空洞部A〜Eが形成されている。
【0024】
前記ケーシング22の下流側の端部には、この端部開口を覆うようにして天板25が取り付けられており、この天板25の中央部には、ケーシング22内に流れ込んだ燃焼ガスを外部へ導く排気筒26が取り付けられ、また、前記仕切り板24a〜24dの内の上流側に位置する仕切り板24d以外の仕切り板24a〜24cの中央部には、前記排気筒26と同軸状に通気筒27がそれぞれ取り付けられ、前記排気筒26と通気筒27との間、および、各通気筒27間には邪魔板28がそれぞれ配設されている。
【0025】
そして、これらの各邪魔板28は、隣接する仕切り板24に突設されたステー29によって前記仕切り板24へ支持されている。
【0026】
また、前記仕切り板24の内、上流側の端部に配設された仕切り板24dは、図1に示すように、その周縁に沿って複数の連通孔30が形成されている。
【0027】
このような構成を有する本実施例の消音器21は、板状に搬入される吸音材23をその切り欠き部分23aにおいて90度に折り曲げ、その端部どうしを接着することによって、矩形状に形成した後に、天板25が取り付けられているケーシング22の上流側の端部開口から、吸音材23、仕切り板24a、吸音材23、仕切り板24b、吸音材23、仕切り板24c、吸音材23、仕切り板24d、および、吸音材23と順次挿入することによって組み上げられる。
【0028】
このような組み立て操作に際して、前記各仕切り板24は、先行して挿入されている吸音材23と後から挿入される吸音材23とによって、各吸音材23の厚み分の挟み代により挟持されて、前記ケーシング22内に固定される。
【0029】
したがって、消音器21が、各吸音材23の折り曲げ操作やその端部における接着操作、および、各構成部材の挿入操作という単純な作業によって組み上げられる。
【0030】
一方、ケーシングを円筒形状とした場合、その周壁と、この円筒に対する4つの法線で形成される四角形との間にデッドスペースが形成されることとなるが、本実施例のケーシング22が矩形状となされていることにより、このケーシング22の外形形状が、前記法線で形成される四角形とほぼ同等の形状となされ、これによって、前述したデッドスペースが大幅に削減されて、設置スペースの有効利用が図られ、あるいは、小さなスペースによって大きな空洞部A〜Eが得られる。
【0031】
また、前記ケーシング22内に装着される吸音材23は、ケーシング22内への装着前においては板状となされていることにより、これらを重ね合わせて搬送した場合においても、その間に形成される空間部が極めて少なく、この結果、搬送時の物品の収納密度が高められることにより、搬送コスト、ひいては、前述したスペースの効率的使用や、組み立て操作の簡素化と相俟って、消音器21の製造コストの低減が図られる。
【0032】
このようにして組み上げられた本実施例の消音器21は、前記熱交換器20Cに取り付けられて、この熱交換器20Cの煙管4から排出される燃焼ガスが流れ込む際に、前記各仕切り板24a〜24dに設けられている通気孔30や通気筒27を通過させられることによる膨張作用や、各空洞部A〜E内における吸音材23との衝突、さらには、前記各邪魔板28による流路変更作用等によって圧力変動が減衰されて、前記燃焼ガスに起因した騒音が抑制される。
【0033】
特に、燃焼ガスの膨張作用による消音効果は、空洞部A〜Eに流れ込む際の流路の断面積に比して、前記空洞部A〜Eの断面積が大きいほど効果があることが知られており、前述したように、同一スペースで空洞部A〜Eの断面積を大きく取ることのできる本実施例の消音器21は、消音効果を高める点において有効である。
【0034】
また、本実施例においては、消音器21の上流側に形成された空洞部D・Eとその下流側に形成された空洞部A〜Cにおける消音機能を異ならせてあることから、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせ、また、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせることにより、全周波数領域における消音効果が効率よく得られる。
【0035】
さらに、前記各空洞部A〜Eの軸方向の長さを異ならせることによっても、前述した減衰の目標周波数を異ならせることも可能である。
【0036】
なお、前記実施例において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係わる燃焼装置における消音器によれば、ケーシングの排気方向と直交する断面形状を矩形状とすることにより、その角部を、円筒状に形成されたケーシングにおいて発生するデッドスペース部分に位置させることによって、設置スペースの有効利用を図ることができ、あるいは、同一容積の空洞部を確保するためのケーシング形状を小さく抑さえることにより、装置のコスト低減を図ることができる。
【0038】
また、ケーシング内に装着される吸音材を、搬送時の姿勢を直線状の姿勢に保持することにより、搬送に際する物品の充填密度を高めて、これらの間に形成される空間部の殆どをなくし、これによって搬送効率を高めて、装置の製造コストの高騰を抑さえることができる。また、吸音材をケーシングに装着する場合には、ケーシングの一辺と略等しい間隔で形成された切り欠き部分において折曲することにより、容易に前記ケーシングの内面形状と略等しい形状として、前記ケーシングへの装着操作を簡素化することができ、この点からも、消音器の製造コストひいては燃焼装置の製造コストを低減することができる。
【0039】
さらに、ケーシング内に吸音材と仕切り板とを交互に挿入することによって、ケーシング内面に吸音層を形成するとともに、前記吸音材によって仕切り板を挟持固定することができるから、簡素な作業によって消音器の組み付けを行なうことができ、この点からも製造コストの低減を図ることができる。
【0040】
しかも、消音器の上流側に形成された空洞部とその下流側に形成された空洞部の消音機能が異なるため、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせるとともに、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせることにより、全周波数領域における消音効果を効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された燃焼装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられる吸音材の展開図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられる吸音材の、組み立てた状態を示す外観斜視図である。
【図5】消音器を備えた燃焼装置の一従来例を示す縦断面図である。
【図6】図5における消音器の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
20 燃焼装置
20B バーナ
20C 熱交換器
20 燃焼装置
21 消音器
22 ケーシング
23 吸音材
24a〜24d 仕切り板
A〜E 空洞部
【産業上の利用分野】
本発明は、給湯機や温水ボイラー等の燃焼装置に用いられる消音器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯機や温水ボイラー等の燃焼装置に用いられる消音器として、たとえば、図5に示す構造のものが知られている。
【0003】
この燃焼装置1は、バーナ2を有する熱交換器3と、この熱交換器3において生成された燃焼ガスを外部へ導くための排気通路を構成する複数の煙管4を備え、これらの各煙管4の下流側に連続するようにして消音器5が取り付けられている。
【0004】
そして、この消音器5は、図5および図6に示すように、前記熱交換器3に接続され、排気方向下流側の端部を閉塞する天板6aを備えた円筒状のケーシング6と、このケーシング6の内部に一体に取り付けられて、前記ケーシング6内を複数の空洞部7・8に区画する仕切り板9と、前記各空洞部7・8の周壁(すなわち、前記ケーシング6の内面を覆って設けられた円筒状の吸音材10と、前記天板6aの中央部に貫通状態で取り付けられた排気筒11と、前記仕切り板9の中央部に貫通状態で取り付けられた通気筒12と、前記仕切り板9に支持されて、前記排気筒11および通気筒12と間隔をおいて保持された第1の邪魔板13と、前記仕切り板9に支持されて、前記通気筒12と間隔をおいて保持された第2の邪魔板14とによって構成されている。
【0005】
このように構成された従来の消音器5は、前記複数の煙管4から排気される燃焼ガスが空洞部8へ入り込む際の膨張現象、ならびに、この空洞部8から他の空洞部7へ入り込む際の膨張現象、邪魔板13・14による流路変更、および、ケーシング6の内面に設置されている吸音材10との衝突により、前記燃焼ガスの圧力変動を抑さえることにより、排気音を小さくするようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の消音器5においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0007】
すなわち、前記ケーシング6が円筒状に形成されていることから、消音器5の設置スペースをその長さ方向から見た場合において、ケーシング6の外側にデッドスペースが形成されてしまい、設置スペースの利用効率が悪いといった問題点であり、また、消音器5内の空洞部7・8の必要容積を確保しようとすると、ケーシング6の外径が大きくなってしまうといった問題点である。
【0008】
また、内部に装着される吸音材10が円筒状に形成されていることから、部品として搬送する際に、吸音材10の内側に大きな空間が形成されてしまい、搬送効率が悪く、これに伴って、製造コストが高騰してしまうといった問題点も有している。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、燃焼装置の設置スペースの有効利用を図り、また、製造コストの低減を図ることのできる燃焼装置における消音器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の燃焼装置における消音器は、前述した目的を達成するために、バーナを備えた熱交換器の排気経路に設置されて、この排気経路を流れる排気ガスの騒音を抑制するようにした燃焼装置における消音器であって、排気方向と直交する断面形状が矩形状に形成されているケーシングを備え、このケーシングの内面には吸音材が装着されているとともに、この吸音材が、前記ケーシングへの非装着時において長尺状に形成され、かつ、その同一側面に、前記ケーシングの一辺と略等しい間隔で折曲用の切り欠きが複数形成されており、前記吸音材が前記ケーシングの長さ方向に沿って複数に分割されているとともに、これらの各吸音材の間には、前記ケーシング内をその長さ方向に沿って3以上の空洞部に区画する複数の仕切り板が挟持固定され、これらの仕切り板における通気部の形状をそれぞれ相違させて、前記ケーシングの上流側に形成された空洞部と、その下流側に形成された空洞部における消音機能を異ならせた構成としたものである。
【0013】
【作用】
本発明の請求項1に記載の燃焼装置における消音器によれば、ケーシングの排気方向と直交する断面形状が矩形状に形成されていることにより、その角部が、円筒状に形成されたケーシングにおいて発生するデッドスペース部分に位置させられることによって、設置スペースの有効利用が図られる。
【0014】
また、スペースの有効利用が図られることにより、同一容積の空洞部を確保するためのケーシング形状が小さく抑さえられることにより、装置のコスト低減が図られる。
【0015】
また、ケーシング内に装着される吸音材が、搬送時において直線状の姿勢に保持され、かつ、搬送に際して吸音材を積層した場合に、これらの間に形成される空間部が殆ど無くなり、その搬送効率の向上が図られる。
【0016】
また、吸音材をケーシングに装着する場合には、ケーシングの一辺と略等しい間隔で形成された切り欠き部分において折曲することにより、容易に前記ケーシングの内面形状と略等しい形状となされ、前記ケーシングへの装着が簡便に行なわれる。
この結果、燃焼装置の製造コストの低減が図られる。
【0017】
さらに、ケーシング内に吸音材と仕切り板とを交互に挿入することによって、ケーシング内面に吸音層が形成されるとともに、前記仕切り板によって挟持固定された仕切り板により、複数の空洞部がケーシング内に形成される。したがって、簡素な作業によって消音器の組み付けが行なわれ、この点からも製造コストの低減が図られる。
【0018】
しかも、消音器の上流側に形成された空洞部とその下流側に形成された空洞部の消音機能が異なるため、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせるとともに、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせれば、全周波数領域における消音効果が効率よく得られる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1ないし図3を参照して説明する。
図1において、燃焼装置20は、外装ケース20Aと、この外装ケース20A内に収容され、バーナ20Bにて加熱される熱交換器20Cと、この熱交換器20Cの上部に連設された消音器21とによって概略構成されている。
【0020】
ついで、これらの詳細について説明すれば、本実施例に示す消音器21は、排気方向と直交する断面形状が、図1に示すように矩形状に形成されたケーシング22と、図1および図2に示すように、このケーシング22の内壁面に沿って装着された吸音材23と、前記ケーシング22内をその長さ方向に沿って複数に(本実施例では5つに)区画された空洞部A〜Eを形成する複数の(本実施例では4枚の)仕切板24a〜24dとを備えている。
【0021】
前記吸音材23は、本実施例においては、図3に示すように、前記ケーシング22への非装着時において長尺な板状に形成され、かつ、その側面に、前記ケーシング22の一辺と略等しい間隔で折曲用の切り欠き23aが複数形成されており、これらの各切り欠き部分において90度に折曲されることにより、図4に示すように、前記ケーシング22の内面形状と略同一の矩形状となされるようになっている。
【0022】
そして、このようにして屈曲された吸音材23は、各端部を突き合わせて接着することにより、前述した矩形状に保持される。
【0023】
さらに、本実施例においては、前記吸音材23がケーシングの長さ方向に沿って複数に分割されているとともに、これらの各吸音材23の間に、前記仕切り板24a〜24dの周縁部が挟持されることにより固定されて、前述した各空洞部A〜Eが形成されている。
【0024】
前記ケーシング22の下流側の端部には、この端部開口を覆うようにして天板25が取り付けられており、この天板25の中央部には、ケーシング22内に流れ込んだ燃焼ガスを外部へ導く排気筒26が取り付けられ、また、前記仕切り板24a〜24dの内の上流側に位置する仕切り板24d以外の仕切り板24a〜24cの中央部には、前記排気筒26と同軸状に通気筒27がそれぞれ取り付けられ、前記排気筒26と通気筒27との間、および、各通気筒27間には邪魔板28がそれぞれ配設されている。
【0025】
そして、これらの各邪魔板28は、隣接する仕切り板24に突設されたステー29によって前記仕切り板24へ支持されている。
【0026】
また、前記仕切り板24の内、上流側の端部に配設された仕切り板24dは、図1に示すように、その周縁に沿って複数の連通孔30が形成されている。
【0027】
このような構成を有する本実施例の消音器21は、板状に搬入される吸音材23をその切り欠き部分23aにおいて90度に折り曲げ、その端部どうしを接着することによって、矩形状に形成した後に、天板25が取り付けられているケーシング22の上流側の端部開口から、吸音材23、仕切り板24a、吸音材23、仕切り板24b、吸音材23、仕切り板24c、吸音材23、仕切り板24d、および、吸音材23と順次挿入することによって組み上げられる。
【0028】
このような組み立て操作に際して、前記各仕切り板24は、先行して挿入されている吸音材23と後から挿入される吸音材23とによって、各吸音材23の厚み分の挟み代により挟持されて、前記ケーシング22内に固定される。
【0029】
したがって、消音器21が、各吸音材23の折り曲げ操作やその端部における接着操作、および、各構成部材の挿入操作という単純な作業によって組み上げられる。
【0030】
一方、ケーシングを円筒形状とした場合、その周壁と、この円筒に対する4つの法線で形成される四角形との間にデッドスペースが形成されることとなるが、本実施例のケーシング22が矩形状となされていることにより、このケーシング22の外形形状が、前記法線で形成される四角形とほぼ同等の形状となされ、これによって、前述したデッドスペースが大幅に削減されて、設置スペースの有効利用が図られ、あるいは、小さなスペースによって大きな空洞部A〜Eが得られる。
【0031】
また、前記ケーシング22内に装着される吸音材23は、ケーシング22内への装着前においては板状となされていることにより、これらを重ね合わせて搬送した場合においても、その間に形成される空間部が極めて少なく、この結果、搬送時の物品の収納密度が高められることにより、搬送コスト、ひいては、前述したスペースの効率的使用や、組み立て操作の簡素化と相俟って、消音器21の製造コストの低減が図られる。
【0032】
このようにして組み上げられた本実施例の消音器21は、前記熱交換器20Cに取り付けられて、この熱交換器20Cの煙管4から排出される燃焼ガスが流れ込む際に、前記各仕切り板24a〜24dに設けられている通気孔30や通気筒27を通過させられることによる膨張作用や、各空洞部A〜E内における吸音材23との衝突、さらには、前記各邪魔板28による流路変更作用等によって圧力変動が減衰されて、前記燃焼ガスに起因した騒音が抑制される。
【0033】
特に、燃焼ガスの膨張作用による消音効果は、空洞部A〜Eに流れ込む際の流路の断面積に比して、前記空洞部A〜Eの断面積が大きいほど効果があることが知られており、前述したように、同一スペースで空洞部A〜Eの断面積を大きく取ることのできる本実施例の消音器21は、消音効果を高める点において有効である。
【0034】
また、本実施例においては、消音器21の上流側に形成された空洞部D・Eとその下流側に形成された空洞部A〜Cにおける消音機能を異ならせてあることから、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせ、また、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせることにより、全周波数領域における消音効果が効率よく得られる。
【0035】
さらに、前記各空洞部A〜Eの軸方向の長さを異ならせることによっても、前述した減衰の目標周波数を異ならせることも可能である。
【0036】
なお、前記実施例において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係わる燃焼装置における消音器によれば、ケーシングの排気方向と直交する断面形状を矩形状とすることにより、その角部を、円筒状に形成されたケーシングにおいて発生するデッドスペース部分に位置させることによって、設置スペースの有効利用を図ることができ、あるいは、同一容積の空洞部を確保するためのケーシング形状を小さく抑さえることにより、装置のコスト低減を図ることができる。
【0038】
また、ケーシング内に装着される吸音材を、搬送時の姿勢を直線状の姿勢に保持することにより、搬送に際する物品の充填密度を高めて、これらの間に形成される空間部の殆どをなくし、これによって搬送効率を高めて、装置の製造コストの高騰を抑さえることができる。また、吸音材をケーシングに装着する場合には、ケーシングの一辺と略等しい間隔で形成された切り欠き部分において折曲することにより、容易に前記ケーシングの内面形状と略等しい形状として、前記ケーシングへの装着操作を簡素化することができ、この点からも、消音器の製造コストひいては燃焼装置の製造コストを低減することができる。
【0039】
さらに、ケーシング内に吸音材と仕切り板とを交互に挿入することによって、ケーシング内面に吸音層を形成するとともに、前記吸音材によって仕切り板を挟持固定することができるから、簡素な作業によって消音器の組み付けを行なうことができ、この点からも製造コストの低減を図ることができる。
【0040】
しかも、消音器の上流側に形成された空洞部とその下流側に形成された空洞部の消音機能が異なるため、何れか一方における消音機能を高周波成分の減衰機能にあわせるとともに、他方における消音機能を低周波成分の減衰機能にあわせることにより、全周波数領域における消音効果を効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された燃焼装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられる吸音材の展開図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられる吸音材の、組み立てた状態を示す外観斜視図である。
【図5】消音器を備えた燃焼装置の一従来例を示す縦断面図である。
【図6】図5における消音器の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
20 燃焼装置
20B バーナ
20C 熱交換器
20 燃焼装置
21 消音器
22 ケーシング
23 吸音材
24a〜24d 仕切り板
A〜E 空洞部
Claims (1)
- バーナを備えた熱交換器の排気経路に設置されて、この排気経路を流れる排気ガスの騒音を抑制するようにした燃焼装置における消音器であって、
排気方向と直交する断面形状が矩形状に形成されているケーシングを備え、このケーシングの内面には吸音材が装着されているとともに、この吸音材が、前記ケーシングへの非装着時において長尺状に形成され、かつ、その同一側面に、前記ケーシングの一辺と略等しい間隔で折曲用の切り欠きが複数形成されており、
前記吸音材が前記ケーシングの長さ方向に沿って複数に分割されているとともに、これらの各吸音材の間には、前記ケーシング内をその長さ方向に沿って3以上の空洞部に区画する複数の仕切り板が挟持固定され、
これらの仕切り板における通気部の形状をそれぞれ相違させて、前記ケーシングの上流側に形成された空洞部と、その下流側に形成された空洞部における消音機能を異ならせたことを特徴とする燃焼装置における消音器。
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