JP3540148B2 - 養毛剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は養毛剤に関する。さらに詳しくは、優れた脱毛防止、発毛促進等の養毛効果を有する養毛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、禿や脱毛の原因としては、毛根、皮脂腺等の器官における男性ホルモンの活性化、毛包への血流量の低下、皮脂の分泌過剰、過酸化物の生成等による頭皮の異常等が考えられている。
【0003】
このため、従来の養毛剤には、上記の原因を取り除いたり又は軽減する作用を持つ化合物が一般に配合されている。
【0004】
例えば、ビタミンB、ビタミンE等のビタミン類、セリン、メチオニン等のアミノ酸類、センブリエキス、アセチルコリン誘導体などの血管拡張剤、紫根エキス、ヒノキチオール等の抗炎症剤、エストラジオールなどの女性ホルモン剤、セフアランチンなどの皮膚機能亢進剤などが配合され、脱毛症の予防および治療に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにさまざまな化合物が配合され、種々の試みがなされているにもかかわらず、従来の養毛剤では、その脱毛防止、発毛効果等の養毛効果は必ずしも充分なものではなかった。
【0006】
これは、脱毛の原因がさまざまであり、また、発毛の機構も非常に複雑であるためと考えられている。このような脱毛の原因の多様性を考慮して、さらなる新規な養毛剤及び毛髪成長期延長剤の開発が望まれていた。
【0007】
本発明者等は、上述の観点に鑑み、脱毛防止、発毛促進等の養毛効果を有する有効物質の探索について鋭意研究を行ってきた結果、驚くべきことに、1-O- ヘキサデシル -2-O- メチルグリセロール、 1-O- オクタデシル -2-O- メチルグリセロール、 1-O- オレイル -2-O- メチルグリセロールに、優れた養毛効果があることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は脱毛防止及び発毛促進等の養毛効果を有する新規な養毛剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、1−O−ヘキサデシル−2−O−メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、1−O−オクタデシル−2−O−メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、1−O−オレイル−2−O−メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記養毛剤が毛髪成長期延長剤であることを特徴とする前記の養毛剤を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0015】
本発明に使用する1−O−ヘキサデシル−2−O−メチルグリセロール、1−O−オクタデシル−2−O−メチルグリセロール、1−O−オレイル−2−O−メチルグリセロール、ビタミンEコハク酸エステルは公知化合物であるが、その養毛効果、毛髪成長期延長効果についてはこれまで確認されたことはなく、本発明者等によって初めて見出された新たな効果である。
【0016】
本発明に使用する1−O−ヘキサデシル−2−O−メチルグリセロール、1−O−オクタデシル−2−O−メチルグリセロール、1−O−オレイル−2−O−メチルグリセロールは、1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−rac−グリセロール、1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロール 、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−rac−グリセロール、1−O−オクタデシル−2−O−メチル−sn−グリセロール、1−O−オレイルー2−O−メチル−rac−グリセロール、1−O−オレイルー2−O−メチル−sn−グリセロールである。
【0017】
本発明において、上記の各化合物は市販品を利用することができるが、これらは化学合成で製造されたものでもよいし、微生物及び動植物細胞で生産されたものを抽出したものでもよい。
【0018】
上記化合物の養毛剤への配合量は、養毛剤全量中、0.0005〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。0.0005重量%未満であると、本発明でいう効果が十分に発揮されず、20重量%を超えると製剤上好ましくない場合がある。
【0019】
本発明の養毛剤は少なくとも上記必須成分の1種を配合したものであるが、任意の2種以上を組み合わせて使用しても好ましい。
【0020】
本発明の養毛剤には、上記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合して、目的とする剤形に応じ常法により製造することができる。以下に配合可能成分を具体的に列挙するが、これらの成分の一種または二種以上を上記必須成分に配合して目的とする製品を常法により製造できる。
【0021】
粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。但し、一般の化粧品に適用できる粉末であれば良く、上記の成分に限定されるものではない。
【0022】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0023】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0024】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、 POEラノリンアルコールエーテル、 POEラノリンアルコールアセテート、 POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0025】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0026】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12− ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0027】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。
【0028】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0029】
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコン樹脂、シリコンゴム等が挙げられる。
【0030】
アニオン界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸K 等の高級アルキル硫酸エステル塩、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N− メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2 ナトリウム塩等の、イミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0033】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α, α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0034】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、 POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等の POEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等の POEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル類、POE−モノオレエート、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE−脂肪酸エステル類、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等のPOE−アルキルエーテル類、POE−オクチルフェニルエーテル、POE−ノニルフェニルエーテル、POE−ジノニルフェニルエーテル等のPOE アルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等の POE・POP−アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE−ソルビットミツロウ等のPOE−ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE−ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0035】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl− ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0036】
天然の水溶性高分子としては、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
【0037】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。
【0038】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000 等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0039】
無機の水溶性高分子としては、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg( ビーガム) 、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0040】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABA と略す) 、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等が挙げられる。
【0043】
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0044】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングルコール、1,3−ブチレングルコール、テトラメチレングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2−ブテン−1,4− ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、 POEテトラハイドロフルフリルアルコール、POPーブチルエーテル、POP・POEーブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPーグリセリンエーテル、POPーグリセリンエーテルリン酸、POP・POEーペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
【0045】
単糖としては、例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等の三炭糖、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等の四炭糖、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等の五炭糖、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等の六炭糖、アルドヘプトース、ヘプッロース等の七炭糖、オクツロース等の八炭糖、2−デオキシ−D− リボース、6−デオキシ−L− ガラクトース、6−デオキシ−L− マンノース等のデオキシ糖、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等のアミノ糖、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等のウロン酸等が挙げられる。
【0046】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α, α− トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0047】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0048】
アミノ酸として、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン等の酸性アミノ酸、およびアルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えばアシルサルコシンナトリウム( ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ− アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0049】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2− メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0050】
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0051】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0052】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0053】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0054】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0055】
本発明の養毛剤の剤形は、例えば、トニックなどの可溶化系、乳液、クリームなどの乳化系、軟膏、分散液などの任意の剤型をとることができ、また、その形態も、脱毛防止、発毛及び育毛効果を目的とするヘアーケア用の医薬品、医薬部外品又は化粧料品して、例えば、発毛促進剤、育毛料、頭皮トリートメント剤、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアパックなどの任意の形態を採ることが出来る。
【0056】
本発明の養毛剤は皮膚に直接に塗布または散布する経皮投与による投与方法をとる。また、本発明の養毛剤の最適投与量は、年齢、個人差、病状等により変化するので明確には特定できないが、一般的には、ヒトに投与する場合の投与量は体重1kgおよび1日当り0.01〜100mg、好ましくは0.1〜10mgであり、この量を1日1回または2〜4回に分けて投与することができる。
【0057】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明の養毛剤をさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、配合量及び濃度は重量%を意味する。
【0058】
「発毛効果試験」
対照試料として70%エタノールを用い、比較例として類似の化合物や発毛化合物を用いて、本発明で用いられる必須成分の発毛効果を下記の発毛試験にて行った。
【0059】
実験動物として毛周期の休止期にあるC3H/Heマウスを用い、小川らの方法(ノーマル アンド アブノーマル エピダーマル デイフアレンシエーシヨン[Normal and Abnormal Epidermal Differentiation]、M. SeijiおよびI. A. Bernstein 編集、第159〜170ページ、1982年、東大出版)により行った。
【0060】
すなわち、マウスを1群6匹とし、それぞれ、被験試料と対照試料用の群に分け、バリカンでマウスの背部を剃毛し、それぞれの試料を1日1回、0.1mlずつ塗布した。25日後に毛の再生面積を測定した結果を下記「表1」に示す(数値は平均値である)。
【0061】
実施例及び比較例の被検試料は70%エタノール水溶液に溶解し、塗布に供した。
【0062】
【表1】
Figure 0003540148
【0063】
「表1」より明らかなように、本発明の必須成分を用いた実施例のエタノール水溶液は、マウスの発毛試験において有意な効果を有する。
【0064】
「毛髪成長期延長効果試験」
特願平9ー91532号公報記載の「育毛薬剤検定方法」に記載の方法に従って、毛髪成長期延長効果を評価し、ラット体毛の毛包上皮系細胞の増殖促進効果を見た。
【0065】
<育毛薬剤検定方法>
1−O−ヘキサテ゛シル−2−O−メチル−rac−ク゛リセロール(実施例6)、モノヘキサテ゛シルク゛リセリンエステル(比較例4)をジメチルスルフォキシドに溶解し被験試料とした。特願平9ー91532号公報記載の「育毛薬剤検定方法」に従って、KGM培地(クローネティックス社製)で培養した毛包上皮系細胞の培地を、濃度1.0×10−7Mの被験試料を含むKBM培地(クローネティックス社製)に交換し、37℃、5%COで2日間培養した。なお、KBM培地でのみ培養したものをネガティブコントロール、KGM培地で培養したものをポジティブコントロールとした。その後、アラマーブルー(アラマーバイオサイエンス社製)を培地量の1/10添加後、37℃、5%COで6時間インキュベートし、595nm及び59nmの吸光度を測定し細胞増殖度を算出した。
【0066】
このとき、KBM培地の細胞増殖促進指標は0、KBM培地(さらに、ウシ脳下垂体エキス(0.4%),インシュリン(0.5μg/ml),ハイドロコーチゾン(0.5μg/ml),h−EGF(0.1 ng/ml)を添加した培地)での細胞増殖促進指標は1として、増殖促進指標とした。
【0067】
結果を「表2」に示す。
【0068】
【表2】
Figure 0003540148
【0069】
「表2」の結果より、1−O−ヘキサテ゛シル−2−O−メチルク゛リセロールに毛包上皮系培養細胞の増殖活性が確かに認められた。すなわち、上記1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−グリセロールを含有する養毛剤には毛包上皮系細胞の分裂増殖活性の維持による、毛髪における成長期の維持、延長作用が認められることが明らかになった。
【0070】
「養毛効果試験」
本発明の養毛剤の脱毛防止、発毛効果等の養毛作用を調べるために、ヒトに対して、以下の方法でトリコグラム試験を実施した。被験試料及び対照試料は、上記発毛試験に用いた実施例1及び5並びに対照としての70%エタノールの比較例4である。
【0071】
養毛剤の使用前と使用後の抜去毛髪の毛根を顕微鏡下で観察し、毛根の形態から休止期毛根数を計数し、その割合の増減によつて本発明の養毛剤の養毛効果を判定した。休止期毛根とは成長の止まった毛の毛根であり、脱毛を訴える人は正常な人よりもこの休止期毛根の割合が多いことが認められている。
【0072】
被験試料及び対照試料として上記「表1」の実施例1、2及び比較例3を、それぞれ男性被験者10名の頭皮に1日2回、1回2mlずつ6ケ月間連続して塗布し、塗布直前および6ケ月間塗布終了直後に被験者1名につき100本ずつ毛髪を抜去し、それぞれの毛根を調べ、実使用テストを行った。結果を「表3」に示す。
【0073】
【表3】
Figure 0003540148
【0074】
「表3」より明らかなように、本発明の養毛剤はヒトのトリコグラム試験において、有意な養毛効果を有する。
【0075】
以下に、本発明の別の態様の養毛剤を列記するが、いずれの実施例も、上記の発毛効果試験、毛髪成長期延長効果試験及び養毛効果試験において有意な効果が得られた。
【0076】
「実施例7」
(A相)
ポリオキシエチレン(60モル)付加硬化ヒマシ油 2.0重量%
グリセリン 10.0
1−O−ヘキサテ゛シル−2−O−メチル−ク゛リセロール 1.0
ジプロピレングリコール 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール1500 5.0
(B相)
セチルイソオクタネート 10.0
スクワラン 5.0
ワセリン 2.0
プロピルパラベン 2.0
(C相)
カルボキシビニルポリマー1%水溶液 30.0
ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03
イオン交換水 8.35
(D相)
カセイカリ 0.12
イオン交換水 残 余
(製造法)A相、B相をそれぞれ60℃で加熱溶解し、混合してホモミキサー処理しゲルを作る。次に、これに溶解したC相を加え、最後に溶解したD相を添加しホモミキサーで乳化してO/W乳液型の養毛剤を得た。
【0077】
「実施例8」
(A相)
流動パラフイン 5.0重量%
セトステアリルアルコール 5.5
グリセリルモノステアレート 3.0
EO(20モル)−2−オクチルドデシルエーテル 3.0
プロピルパラベン 0.3
香料 0.1
(B相)
ビタミンEコハク酸エステル 5.0
グリセリン 8.0
ジプロピレングリコール 20.0
ポリエチレングリコール4000 5.0
ドデシル硫酸ナトリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005
イオン交換水 45.095
(製造法)A相、B相をそれぞれ加熱溶解して混合し、ホモミキサーで乳化してクリーム状養毛剤を得た。
【0078】
「実施例9」
1−O−オクタテ゛シル−2−O−メチルク゛リセロール 0.2重量%
ステアリルジメチルアミンオキシド 0.5
硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1.0
95%エタノール 54.0
イオン交換水 残部
(製造法)95%エタノールにイオン交換水を加え、これに硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物およびステアリルジメチルアミンオキシドを加えた後、1−O−オクタテ゛シル−2−O−メチルク゛リセロールを加え、攪拌溶解する。
【0079】
「実施例10」
N−ヤシラウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダ 0.2
1−O−オレイルー2−O−メチルク゛リセロール 0.1
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5
硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1.0
95%エタノール 54.0
イオン交換水 残部
(製造法)95%エタノールにイオン交換水を加え、これに硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびN−ヤシラウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダを加えた後、1−O−オレイルー2−O−メチルク゛リセロールを加え、攪拌溶解する。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒトを始めとする哺乳動物において優れた脱毛防止及び発毛促進等の養毛効果を有する養毛剤を提供することが出来る。

Claims (4)

1-O-ヘキサデシル-2-O-メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤。
1-O-オクタデシル-2-O-メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤。
1-O-オレイル-2-O-メチルグリセロールを含有することを特徴とする養毛剤。
前記養毛剤が毛髪成長期延長剤であることを特徴とする請求項1、2または3記載の養毛剤。
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