JP3540078B2 - シートベルトプリテンショナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する弾性部材とを備えたシートベルト巻取り装置のプリテンショナーに関し、特に、緊急時にガス発生器から発生するガス圧によりロータ部材を回転させて、巻取軸をウエビング巻取方向に回転させるように構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乗員拘束用ウエビングを巻取る為のシートベルト巻取り装置においては、車両衝突等の緊急時に、乗員をウエビングで拘束するように、巻取軸をロックするロック機構を設けてあるが、最近では、さらに乗員をウエビングで拘束する機能を高める為に、緊急時に、巻取軸にウエビングを所定長さ巻取って、ウエビングを引締めるプリテンショナーを設けたシートベルト巻取り装置が実用に供されている。
【0003】
一般に、プリテンショナーには、ロータ部材等のアクチュエータと、アクチュエータの駆動源となるガス圧を発生させるガス発生器とが設けられ、緊急時にガス発生器から発生するガス圧でアクチュエータを駆動し、アクチュエータの駆動力で巻取軸を回転させるように構成してある。
ところで、シートベルト巻取り装置においては、通常時に巻取軸からのウエビングの引出し・巻取りを自在に行うことができることが必要であるので、緊急時にのみ、アクチュエータと巻取軸とを機械的に連結して、アクチュエータの駆動力を巻取軸に伝達するように構成する必要がある。
【0004】
例えば、特開平5−69793号公報に記載のプリテンショナーにおいては、リング部と受圧突部を有するロータ部材の内側に、巻取軸に連結されたピニオンギアをロータ部材と同心状に配設し、ロータ部材のリング部に形成された孔に、ピニオンギアに係合可能な係合部材を移動自在に嵌合させ、緊急時にガス発生器から発生するガス圧で係合部材をピニオンギアに係合させ、ロータ部材とピニオンギアとが連結して一体回転するように構成してある。しかし、係合部材をシェアピン等で仮止めしてロータ部材に位置決めする関係上、緊急時に係合部材のピニオンギアへの円滑な係合作動が得られず、ロータ部材の回転力によりバレットとピニオンギアとの係合が解除される等の虞がある。
【0005】
特開平6−24294号公報に記載のプリテンショナーにおいては、巻取軸に固着されたドラムとロータ部材との間に、クラッチ機構が介装されており、通常時にはドラムとロータ部材は連結されていないが、緊急時にガス圧が発生してロータ部材が回転すると、クラッチ機構によりロータ部材とドラムが連結して一体回転するように構成してある。しかし、複雑な構造のクラッチ機構を設ける関係上、製作コストが高価になる。
【0006】
特開平7−137602号公報に記載のプリテンショナーにおいては、ロータ部材の内周部に形成された内歯ギアと、この内歯ギアに噛合された遊星ギアと、遊星ギアと噛合され巻取軸に連結されたピニオンギアと、ピニオンギアと巻取軸に介装されたクラッチ機構とが設けられ、ガスが発生してロータ部材が回転すると、クラッチ機構によりピニオンギアと巻取軸が連結して、巻取軸が回転するように構成してある。前記公報と比べると、遊星ギアを含むギア機構により、ロータ部材に対する巻取軸の回転数が多くなり、ウエビングの巻取り長さが長くなるという利点があるものの、クラッチ機構に加え、遊星ギアを含む複雑な構造のギア機構を設ける関係上、製作コストが非常に高価になる。
【0007】
一方、特開平4−43552号公報に記載のプリテンショナーにおいては、巻取軸に連結されたピニオンギアと、ピニオンギアの軸心に対して偏心した軸心回りに回転する回転ドラムと、車両衝突時にガス圧を発生させるガス発生器と、そのガス圧で駆動されるシリンダ等が設けられ、シリンダのピストンと回転ドラムをワイヤで連結し、ガス圧によりピストンが駆動されると、ワイヤが引張られて回転ドラムが回転するように構成してある。
【0008】
回転ドラムの内周部には、ピニオンギアと噛合可能な内歯ギアが形成され、この内歯ギアはピニオンギアと噛合しない内歯欠落部を有し、ガス発生器からガス圧が発生しない通常状態では、この内歯ギアの内歯欠落部がピニオンギアに臨む初期位置に保持されるが、回転ドラムが回転すると、内歯ギアがピニオンギアに噛合して、回転ドラムと巻取軸が回転するように構成してある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平4−43552号公報のプリテンショナーにおいては、ピニオンギアと内歯ギアとは偏心しており、しかも、ピニオンギアのギア歯の位置が不定であるため、ピニオンギアのギア歯と第1内歯とが衝突する位置では、第1内歯の回転接線方向とピニオンギアのギア歯の回転接線方向の角度差が大きく、ピニオンギアの中心方向に作用する衝撃荷重が非常に大きくなり、ピニオンギアと内歯ギアとが損傷しやすい。
しかも、回転ドラムが回転してピニオンギアと内歯ギアとが噛合する際、ピニオンギアのギア歯と、内歯ギアの複数の内歯のうち最初にピニオンギアに噛合する第1内歯とがつっかえて衝突し、内歯ギアとピニオンギアがロックする虞がある。
【0010】
また、回転ドラムに連結されたワイヤは、回転ドラムの接線方向へ延ばしてシリンダのピストンに連結されるが、ワイヤを接線方向に引張るように、シリンダを回転ドラムの接線方向向きに配設する関係上、シリンダが大きく突出し、プリテンショナーが大型化するという問題がある。
本発明の目的は、内歯ギアとピニオンギアがロックするのを確実に防止すること、ピニオンギアに作用する衝撃荷重を低減させること、プリテンショナーを小型化すること、等である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1のシートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用ウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する弾性部材とを備えたシートベルト巻取り装置のプリテンショナーにおいて、前記巻取軸と一体回転するように巻取軸に連結されたピニオンギアと、前記ピニオンギアの軸心に対して偏心した軸心回りに回転自在で外周部に突出した受圧突部を有するロータ部材と、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器と、前記ガス発生器から発生したガス圧を受圧突部に受圧してロータ部材が回転するときに受圧突部が移動する回転通路にガス圧を案内するケーシングと、前記ピニオンギアと噛合可能にロータ部材の内周部に形成された内歯ギアであって、ピニオンギアと噛合しない内歯欠落部を有する内歯ギアと、前記ガス発生器からガス圧が発生しない通常状態では、内歯ギアの内歯欠落部がピニオンギアに臨む初期位置にロータ部材を保持する保持手段とを備え、前記内歯ギアの複数の内歯のうち、ガス圧によりロータ部材が回転開始したときに最初にピニオンギアに噛合する第1内歯が、その一部を切欠いてその他の内歯よりも低く形成されたものである。
【0012】
即ち、ガス発生器からガスが発生しない通常状態では、保持手段でロータ部材が初期位置に保持され、内歯ギアがピニオンギアと噛合しないので、ウエビングの引出し・巻取りを自在に行うことができる。
一方、車両衝突時には、ガス発生器から発生するガス圧を受圧突部に受圧してロータ部材が回転するので、ロータ部材の内周部の内歯ギアがピニオンギアと噛合し、ピニオンギアとともに巻取軸が回転することにより、巻取軸から延びるウエビングが所定長さ巻取られて引締められる。
ここで、ピニオンギアのギア歯と第1内歯との衝突位置では、第1内歯の回転接線方向とピニオンギアのギア歯の回転接線方向の角度が小さくなり、ピニオンギアに作用する衝突荷重が低減されて、ピニオンギアと内歯ギアとが損傷するのを確実に防止することができる。
【0013】
請求項2のシートベルトプリテンショナーは、請求項1の発明において、前記第1内歯の歯先は、尖った歯先形状に形成されたものである。即ち、第1内歯の歯先を尖った歯先形状に形成することで、第1内歯がピニオンギアとつっかえて衝突するのを防止し、内歯ギアとピニオンギアがロックするのを防止することができる。
【0014】
請求項3のシートベルトプリテンショナーは、請求項2の発明において、前記第1内歯は、その他の内歯の高さの40〜70%の高さに形成されたものである。つまり、第1内歯の高さを他の内歯の高さの40%以下にすれば、第1内歯の強度を確保できなくなり、第1内歯の高さを他の内歯の高さの70%以上にすれば、衝突荷重を十分に低減できない。第1内歯をその他の内歯の高さの40〜70%の高さに形成することで、その機能を確保できるとともにピニオンギアに作用する衝突荷重を十分に低減できる。
【0015】
請求項4のシートベルトプリテンショナーは、請求項3の発明において、前記第1内歯とロータ回転方向と反対側に隣接する内歯との歯間ピッチは、それ以外の内歯の歯間ピッチよりも大きく形成されたものである。即ち、第1内歯とピニオンギアの歯とが噛合すると、内歯ギアの内歯とピニオンギアのギア歯とが順次確実に噛合することができるので、内歯ギアとピニオンギアがスムースに噛合し、ロックするのを確実に防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、乗員拘束用ウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する弾性部材と、車両衝突時に巻取軸をロックするロック機構とを備えたシートベルト巻取り装置に、本発明を適用した場合の一例である。
図1、図3、図4に示すように、シートベルト巻取り装置1は、乗員拘束用ウエビング6を巻取る為の巻取軸12が装着されたフレーム2と、フレーム2の右側に設けられたロック機構3と、フレーム2の左側に設けられたプリテンショナー4と、プリテンショナー4の左側に設けられたバネ機構5とで構成される。
【0017】
図1、図3、図4に示すように、フレーム2の左右1対の側板10は、巻取軸12を回転自在に支持するとともに、1対の側板10の前端部には連結バー13が架着されている。巻取軸12上のウエビング6は、フレーム2に固定されたガイド部材14にガイドされて、フレーム2の後部上端から上方へ延びている。フレーム2の下端部には、シートベルト巻取り装置1を車体等に取付ける為の取付け部材15が固定されている。
【0018】
ロック機構3について説明すると、ロック機構3は、車両衝突時に巻取軸12をロックして、ウエビング6が巻取軸12から引出されないようにする為のものであり、ウエビング6の引出し加速度と、車両に作用する加速度との一方又は両方を検知して、巻取軸12をロックするように構成してある。尚、フレーム2の右側に設けられたロック機構3は、右側板10に固着されたカバー部材20でカバーされている。
【0019】
次に、プリテンショナー4について説明する。
プリテンショナー4は、車両衝突時に、ウエビング6を巻取軸12に所定長さ巻取ってウエビング6を引締めて、乗員をウエビング6で拘束する機能を高める為のものであり、図2〜図5に示すように、プリテンショナー4には、巻取軸12と一体回転するように巻取軸12に連結されたピニオンギア30と、ピニオンギア30の軸心に対して偏心した軸心回りに回転自在で外周部に突出した受圧突部33を有するロータ部材32と、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器34と、ガス発生器34から発生したガス圧を受圧突部33に受圧してロータ部材32が回転するときに受圧突部33が移動する回転通路47にガス圧を案内する為のケーシング40とが設けられている。
【0020】
ピニオンギア30には、左側板10の孔部10aに支持された円板状の支持板31を介して、巻取軸12の角状に形成された左端部が内嵌固着され、ピニオンギア30は巻取軸12とともに、フレーム2の左側板10に回転自在に支持されている。ピニオンギア30の角状に形成された左端部は、バネ機構5の回転軸61に内嵌固着されている。
ケーシング40は、ケーシング本体41と板状の蓋部材42からなり、ケーシング40の上端部にガス発生器34が図3において左右方向向きに取付けられている。ガス発生器34には火薬34aがセットされており、緊急時にこの火薬34aをヒータ等の加熱手段で発火させて、ガス圧を発生させるように構成してある。
【0021】
ケーシング40の内部には、ロータ部材32の収容部45と、ガス発生器34からのガス圧を回転通路47へ案内するガス通路46が設けられている。
収容部45に収容されたロータ部材32は、ケーシング40に回転自在に支持されており、図4に示すように、収容部45のうちロータ部材32の外周側に、受圧突部33が移動する回転通路47に形成される。また、ケーシング40には、ガス通路46と回転通路47のロータ回転方向終端部とを仕切る仕切り部44が設けられ、回転通路47のロータ回転方向終端付近には、排気ポート48が形成されている。
【0022】
ロータ部材32には、ガス圧をシールする為に、図3に示すように、その両側壁部にOリング37,38が夫々装着され、受圧突部33の先端部にシール部材39が装着されている。また、仕切り部44には、シールの為の板バネ49が、その先端部をロータ部材32に圧接させて装着されている。尚、前記Oリング37,38及びシール部材39が保持手段に相当し、Oリング37,38及びシール部材39の摩擦抵抗により、ガス発生器34からガス圧が発生しない通常状態では、ロータ部材32が図4の初期位置に保持される。
【0023】
図4〜図6に示すように、ロータ部材32の内周部には、ピニオンギア30と噛合可能な内歯ギア50と、ピニオンギア30と噛合しない内歯欠落部51とが形成されている。ガス発生器34からガス圧が発生しない通常状態では、ロータ部材32が初期位置に保持されるので、図4に示すように、内歯ギア50の内歯欠落部51がピニオンギア30に臨んでいる。
【0024】
内歯ギア50の複数の内歯52のうち、ガス圧によりロータ部材32が回転開始したときに最初にピニオンギア30に噛合する第1内歯53は、その一部を切欠いて、その他の内歯52の高さの約45%の高さにして尖った歯先形状に形成され、且つ、図7に示すように、第1内歯53とロータ回転方向と反対側に隣接する内歯52との歯間ピッチP1が、それ以外の内歯52の歯間ピッチP2よりも大きくなるように形成されている。
【0025】
次に、バネ機構5について説明すると、バネ機構5は、巻取軸12を巻取り方向へ弾性付勢する為のもので、図3に示すように、カバー60と、ピニオンギア30の角状先端部に連結された回転軸61と、一端がカバー60に他端が回転軸61に取付けられ回転軸61をウエビング6の巻取方向へ弾性付勢する弾性部材としてのコイル状の板バネ62が設けられている。即ち、このバネ機構5により、回転軸61を介して巻取軸12がウエビング6の巻取方向へ弾性付勢されて、通常時でも、巻取軸12から延びるウエビング6がある程度引締められるようにしてある。
【0026】
次に、プリテンショナー4の作用について説明する。
車両が衝突等すると、ガス発生器34から発生したガス圧がガス通路46を通過して受圧突部33に作用し、図4の状態から、ロータ部材32が回転を開始する。ロータ部材32が僅かに回転したところで、内歯ギア50の第1内歯53が、最初にピニオンギア30に噛合し、その後、図5に示すように、受圧突部33が仕切り部44に当接するまで、ロータ部材32とともにピニオンギア30が回転して、ウエビング6が巻取軸12に所定長さ巻取られて引締められる。
【0027】
内歯ギア50とピニオンギア30が噛合する際、図7に示すように、先ず、第1内歯53がピニオンギア30のギア歯30aに当接した後、内歯ギア50とともにピニオンギア30が回転していく。この時、図8に示すように、ギア歯30aの次のギア歯30bと、第1内歯53の次の内歯52とが相互干渉することもなく、また、図6に示すように、ピニオンギア30のギア歯30aと第1内歯53との衝突位置では、第1内歯53の回転接線方向とピニオンギア30のギア歯30aの回転接線方向の角度θが小さくなるので、ピニオンギア30に作用する衝突荷重Fが低減されて、内歯ギア50とピニオンギア30とが噛合していく。尚、図9に示すように、ロータ部材32が回転して、第1内歯53がピニオンギア30のギア歯30aに衝突しない場合、ギア歯30aと第1内歯53の次の内歯52とが確実に噛合することになる。
【0028】
このプリテンショナー4によれば、第1内歯53はその一部を切欠いてその他の内歯52より低く形成されているので、ピニオンギア30のギア歯30aと第1内歯53との衝突する位置では、第1内歯53の回転接線方向とピニオンギア30のギア歯30aの回転接線方向の角度θが小さくなり、ピニオンギア30に作用する衝突荷重Fが低減し、ピニオンギア30と内歯ギア50とが損傷するのを防止できる。
そして、第1内歯53の歯先は尖った歯先形状に形成されているので、ピニオンギア30のギア歯30aと第1内歯53とがつっかえて衝突し、ピニオンギア30と内歯ギア50がロックするのを防止できる。
【0029】
また、第1内歯53の高さを他の内歯52の高さの40%以下にすれば、第1内歯53の強度を確保し難く、第1内歯53の高さを他の内歯52の高さの70%以上にすれば、衝突荷重を十分に低減できない。本実施形態では、第1内歯53をその他の内歯52の高さの45%の高さに形成することで、その機能を確保できるとともに、ピニオンギア30に作用する衝突荷重を十分に低減できる。
【0030】
更に、第1内歯53とロータ回転方向と反対側に隣接する内歯52との歯間ピッチP1は、それ以外の内歯52の歯間ピッチP2よりも大きく形成されているので、第1内歯53とピニオンギア30のギア歯30aが噛合すると、第1内歯53の次の内歯52と、ギア歯30aの次のギア歯30bが確実に噛合する。
また、ガス発生器34から発生するガス圧を直接ロータ部材32の受圧突部33に作用させ、ロータ部材32を回転させる非常に簡単な構造であるので、プリテンショナー4が大型化せず、しかも、非常に安価に製作することができる。
【0031】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更態様について説明する。
1〕ロータ部材32を図4の初期位置に保持する保持手段として、受圧突部33の下側にシェアピンを設けてもよい。
2〕前記Oリング37,38及びシール部材39を一体形成してもよい。この場合、シール部材の組付け作業が簡単化するとともに、シール性能が向上する。
【0032】
3〕ピニオンギア30と内歯ギア50の歯数比を調節することで、プリテンショナー4が作動した際のロータ部材32に対する巻取軸12の回転数即ちウエビング引締め量を適正値に設定できる。
4〕ガス発生器34の火薬34aを発火させる方法においては、先端部が尖ったピンを衝突させて、ピン先端部の摩擦熱を利用して火薬34aを発火させるように構成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
請求項1のシートベルトプリテンショナーによれば、ロータ部材の内周部に形成された内歯ギアの複数の内歯のうち、ガス圧によりロータ部材が回転開始したときに最初にピニオンギアに噛合する第1内歯が、その一部を切欠いてその他の内歯よりも低く形成されているので、ピニオンギアのギア歯と第1内歯との衝突位置では、第1内歯の回転接線方向とピニオンギアのギア歯の回転接線方向の角度が小さくなり、ピニオンギアに作用する衝突荷重を低減することができる。
しかも、ガス発生器から発生するガス圧を直接ロータ部材の受圧突部に作用させて、ロータ部材を回転させる非常に簡単な構造であるので、プリテンショナーが大型化せず、しかも、非常に安価に製作できる。
【0034】
請求項2のシートベルトプリテンショナーによれば、前記第1内歯の歯先は、尖った歯先形状に形成されているので、ピニオンギアのギア歯と第1内歯とがつっかえて衝突するのを防止でき、内歯ギアとピニオンギアがロックするのを防止することができる。
【0035】
請求項3のシートベルトプリテンショナーによれば、前記第1内歯は、その他の内歯の高さの40〜70%の高さに形成されたものであるので、第1内歯の強度を確実に確保できるとともに、ピニオンギアに作用する衝突荷重を十分に低減できる。
【0036】
請求項4のシートベルトプリテンショナーによれば、前記第1内歯とロータ回転方向と反対側に隣接する内歯との歯間ピッチは、それ以外の内歯の歯間ピッチよりも大きく形成されているので、第1内歯とピニオンギアの歯とが噛合すると、内歯ギアとピニオンギアとが確実に噛合していき、内歯ギアとピニオンギアがロックするのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシートベルト巻取り装置の斜視図である。
【図2】プリテンショナーの分解斜視図である。
【図3】プリテンショナーの縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図(ロータ部材が初期位置に位置する状態)である。
【図5】図4に相当するプリテンショナーの断面図(ロータ部材が回転した状態)である。
【図6】プリテンショナーの要部拡大図である。
【図7】内歯ギアとピニオンギアの要部拡大図である。
【図8】内歯ギアとピニオンギアの要部拡大図である。
【図9】内歯ギアとピニオンギアの要部拡大図である。
【符号の説明】
1 シートベルト巻取り装置
4 プリテンショナー
6 ウエビング
12 巻取軸
30 ピニオンギア
32 ロータ部材
33 受圧突部
34 ガス発生器
40 ケーシング
50 内歯ギア
51 内歯欠落部
53 第1内歯
62 板バネ
Claims (4)
- 乗員拘束用ウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する弾性部材とを備えたシートベルト巻取り装置のプリテンショナーにおいて、
前記巻取軸と一体回転するように巻取軸に連結されたピニオンギアと、
前記ピニオンギアの軸心に対して偏心した軸心回りに回転自在で外周部に突出した受圧突部を有するロータ部材と、
車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器と、
前記ガス発生器から発生したガス圧を受圧突部に受圧してロータ部材が回転するときに受圧突部が移動する回転通路にガス圧を案内するケーシングと、
前記ピニオンギアと噛合可能にロータ部材の内周部に形成された内歯ギアであって、ピニオンギアと噛合しない内歯欠落部を有する内歯ギアと、
前記ガス発生器からガス圧が発生しない通常状態では、内歯ギアの内歯欠落部がピニオンギアに臨む初期位置にロータ部材を保持する保持手段と、
を備え、
前記内歯ギアの複数の内歯のうち、ガス圧によりロータ部材が回転開始したときに最初にピニオンギアに噛合する第1内歯が、その一部を切欠いてその他の内歯よりも低く形成されたことを特徴とするシートベルトプリテンショナー。 - 前記第1内歯の歯先は、尖った歯先形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトプリテンショナー。
- 前記第1内歯は、その他の内歯の高さの40〜70%の高さに形成されたことを特徴とする請求項2に記載のシートベルトプリテンショナー。
- 前記第1内歯とロータ回転方向と反対側に隣接する内歯との歯間ピッチは、それ以外の内歯の歯間ピッチよりも大きく形成されたことを特徴とする請求項3に記載のシートベルトプリテンショナー。
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