JP3540019B2 - 変流器固定具 - Google Patents
変流器固定具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3540019B2 JP3540019B2 JP18836994A JP18836994A JP3540019B2 JP 3540019 B2 JP3540019 B2 JP 3540019B2 JP 18836994 A JP18836994 A JP 18836994A JP 18836994 A JP18836994 A JP 18836994A JP 3540019 B2 JP3540019 B2 JP 3540019B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cable
- current transformer
- holding
- pair
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Transformers For Measuring Instruments (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、変流器(CT)をケーブルに取り付ける際に用いる変流器固定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力設備においては、電力ケーブルに変流器を取り付けて電流の検出を行う場合がある。例えば、配電系統に設けられる地上設置形の開閉器においては、子局に線路電流情報を与えるため、地下溝から立ち上げられて開閉器に接続された3相の電源側ケーブルのそれぞれに変流器を取り付けている。ケーブルに変流器を取り付けるに当っては、変流器が落下したり位置ずれを生じたりすることがないように配慮する必要があり、また変流器の取付け部には、振動や衝撃に耐え、防水性を有することが要求される。更に変流器の取付け作業は現地での作業になるため、取付け作業性が良いことが必要とされる。
【0003】
図12は従来の固定具を用いて変流器CTをケーブルに取り付けた状態を示し、図13(A)及び(B)はそれぞれ固定具の上面図及び半部縦断面図を示している。
【0004】
図12において1は地上設置形開閉器などの電力機器の箱体で、箱体1の底板に取り付けられたケーブルコネクタ2に、地下溝から立ち上げられたケーブル3の端末部3aに設けられたコネクタ4が接続されている。変流器CTは、環状の鉄心に2次コイルを巻回して構成した環状の変流器本体に絶縁外装を施した公知のもので、この変流器はケーブル3を同心的に囲むように配置されて、固定具4によりケーブル3に固定されている。
【0005】
固定具4は、図13(A),(B)に示したように、第1及び第2の固定具半部4A及び4Bに2つ割に構成されている。各固定具半部は合成ゴムの成形品からなっていて、ケーブル3を嵌合させるための断面円弧状の溝部401aを有する固定部401と、固定部401の一端側にあって変流器CTの内周に嵌合する内フランジ部402と、変流器CTの軸線方向の一端の端面に当接して該変流器を保持する外フランジ部403とを一体に有し、内フランジ部402及び外フランジ部403を対称位置で軸線方向に貫通させた状態で1対の結束バンド挿通孔404が設けられている。
【0006】
第1及び第2の固定具半部4A及び4Bは、それぞれの固定部401,401の溝部401a,401aにケーブル3を嵌合させるとともに、内フランジ部402,402を変流器CTの内周に嵌合させ、外フランジ部403,403を変流器CTの軸線方向の一端の端面に当接させた状態で配置されている。種々の径のケーブルに適応し得るようにするため、固定部401の溝部401aの内径は大きめに形成され、該溝部401aとケーブル3との間にゴム製のケーブルアダプタ5を介在させることにより、固定部401をケーブル3に適合させるようにしている。両固定具半部4A,4Bの固定部401,401の外周にホースバンド6が嵌合されて該バンド6の両端がネジで締め付けられ、これにより固定部401,401がケーブル3に対して固定されている。また結束バンド挿通孔404に結束バンド7が挿入され、該結束バンド7により、変流器CTと固定具4とが結束されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来用いられていた固定具4は、変流器CTの外径と同程度の外径寸法を有していて大形である上に、締め付け箇所が多いため、変流器を取付ける際の作業性が悪いという問題があった。
【0008】
また従来の固定具は、変流器CTをケーブル3と同心的に配置した状態で取付ける構造であったため、3相のケーブルに変流器を取付ける場合のように、隣接配置された複数のケーブルにそれぞれ変流器を取付ける場合に、隣接するケーブル相互間に大きな間隔を確保しておく必要があり、このことが電力機器の小形化を妨げるという問題があった。
【0009】
更に従来の固定具により変流器をケーブルに取付ける際には、各部の締め付けを作業者の経験と勘とに頼って行っていたため、変流器の固定の確実性に欠けるきらいがあり、経時変化により変流器の位置ずれが生じたり、変流器が落下したりするおそれがあった。
【0010】
また従来の固定具では、変流器と固定具とを結束バンドにより結束するようにしていたが、この場合、変流器を結束バンドにより過度に締め付けると変流器の表面が損傷して正常な計測を行うことができなくなることがあった。
【0011】
更に従来の固定具では、固定具をケーブルに固定するに際してケーブルの外径寸法に見合ったアダプタ5を探す必要があったため面倒であった。
【0012】
本発明の目的は、従来よりも小形に構成してしかも締め付け箇所を少なくして取扱いを容易にした変流器固定具を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、隣接するケーブル相互間に特に広い間隔をとらなくても、それぞれのケーブルに変流器を取付けることができるようにした変流器固定具を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、作業者の経験と勘に頼ることなく、変流器をケーブルに確実に取付けることができるようにした変流器固定具を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、アダプタを用いないで、複数種類の径のケーブルに適応し得るようにした変流器固定具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、環状を呈するように構成されてケーブルを囲むように配置された変流器を該ケーブルに対して固定する変流器固定具に係わるものである。
【0017】
本発明に係わる変流器固定具は、基端部がヒンジ結合されて開閉自在に構成され、閉じた状態で先端部がボルト及び蝶ナットからなる締結手段により締結されるように構成された1対の把持具からなっている。
【0018】
1対の把持具はそれぞれの先端部側から変流器の一部を嵌合させ得るように設けられた変流器保持溝と、両把持具が閉じた状態にあるときに変流器保持溝内に嵌合された変流器の一部の内周部にケーブルを添わせた状態で該ケーブルを把持するケーブル把持部とを備えている。また1対の把持具のケーブル把持部には、両把持具が閉じた際にケーブルを収容する孔部を構成する1対のケーブル収容溝が設けられていて、弾力性を有する材料からなるケーブル押え片が各ケーブル収容溝内に固着されている。
【0019】
ケーブル押え片には1対の把持具を閉じた際にケーブルを嵌合させるケーブル嵌合溝が設けられ、変流器の一部を1対の把持具の変流器保持溝内に嵌合させた状態で両把持具を閉じてケーブルを両把持具のケーブル押え片のケーブル嵌合溝内に嵌合させた際にケーブルがケーブル押え片により変流器保持溝内に嵌合された変流器の一部の内周部に押し付けられるように、ケーブル押え片のケーブル嵌合溝の中心がケーブル収容溝の中心に対して偏心した位置に設定されている。
【0020】
上記締結手段を構成するボルトは一方の把持具の先端部に固定しておくのが好ましい。この場合、他方の把持具の先端部には1対の把持具を閉じた際にボルトを嵌合させるボルト嵌合用の溝部を該他方の把持具の先端に開口した状態で設けておく。
【0021】
【作用】
上記のように、基端部がヒンジ結合され先端部がボルトと蝶ナットとからなる締結手段により締結されるように構成された開閉自在な1対の把持具に変流器保持溝と、ケーブルを変流器の内周部に添わせた状態で把持するケーブル把持部とを設けておくと、ケーブルを貫通させた変流器の一部を変流器保持溝内に嵌合させた後、1対の把持具を閉じてケーブル把持部によりケーブルを把持した状態で両把持具の先端部を締結手段により締結するだけで変流器をケーブルに取り付けることができる。この場合、1対の把持具は、その基端部がヒンジ結合されていて、変流器を取り付ける際に両把持具を片手で容易に支えることができるためその取扱いが容易であり、2つ割に構成された従来の固定具を用いる場合に比べてはるかに簡単に変流器の取付け作業を行うことができる。
【0022】
また上記のように、1対の把持具が変流器の一部のみを保持してケーブルに対して固定するように構成すると、固定具の小形化を図ることができるため、狭いスペースでの変流器の取付け作業を容易に行うことができる。
【0023】
更に上記のように構成すると、変流器を取り付ける際の締付箇所が把持具の先端部のみとなるため、変流器の取付け作業を簡単にすることができる。
【0024】
また上記のように構成すると、変流器は変流器保持溝内に嵌合された状態で(溝の内面に面接触した状態で)弾力性を有するケーブル押え片によりケーブルを介して締め付けられるため、変流器に無理な力が加わることがない。しかも蝶ナットの締付は1対の把持具が完全に閉じた状態になるまで行えば良いため、締付力を常にほぼ一定にすることができ、経験や勘に頼ることなく常に適正な締付力を得ることができる。従って、変流器の性能を長期間維持することができ、また変流器の位置がずれたり、落下したりするのを防ぐことができる。
【0025】
上記のように、ケーブル把持部に設けたケーブル収容溝内に、弾力性を有する材料からなっていて該ケーブル収容溝の中心に対して偏心したケーブル嵌合溝を有するケーブル押え片を固着して、該ケーブル押え片を介してケーブルを把持するようにすると、ケーブル押え片が種々の径のケーブルに適応し得るため同じ固定具を用いて変流器を種々の異なる径のケーブルに取り付けることができる。
【0026】
また上記のように構成すると、変流器がケーブルに対して偏心した状態で取り付けられるため、変流器をケーブルに対して同心的に配置する場合に比べて隣接ケーブル間のスペースを狭くすることができ、機器のコンパクト化を図ることができる。
【0027】
【実施例】
図1ないし図10は本発明の一実施例を示したもので、図1は本発明に係わる固定具により変流器をケーブルに取り付けた状態を示した斜視図、図2ないし図7はそれぞれ本実施例の固定具の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図である。また図8は本実施例の固定具の把持具を開いた状態を示した平面図、図9は本実施例の固定具により変流器をケーブルに取付けた状態を示す縦断面図、図10及び図11はそれぞれ本実施例の固定具により変流器を異なる径を有するケーブルに取付けた状態を、ケーブルを断面して示した上面図である。
【0028】
図2ないし図7に示したように、本実施例の固定具10は、樹脂の成形品からなる1対の把持具11及び11´からなっている。これらの把持具11,11´はそれぞれの基端部11a,11a´がヒンジ結合部12により結合されて開閉自在に構成されている。ヒンジ結合部12は、一方の把持具11の基端部11aの端面に突設された軸結合部12aと、他方の把持具11´の基端部11a´の端面に突設されて軸結合部12aに結合された軸部12bとからなっている。一方の把持具11に設けられた軸結合部12aはほぼL形の断面形状を有していて、該軸結合部12aの内側に把持具11´と反対側に開口した凹部12a1(図3参照)が形成され、該凹部12a1の内側に軸部12bが弾撥的に嵌合されて保持されている。なお図3において12cは軸部12bの抜け止めを図るために軸保持部12aの内側の凹部12a1の開口部に突設された爪であり、図2において12dは軸保持部12aの開口部と反対側の壁部に形成された肉抜きのための窓部である。把持具11と11´とは、軸部12bを軸結合部12aから外すことにより分離し得るようになっている。
【0029】
図3に示したように、把持具11はその基端部11aから軸線方向に間隔を開けて2つの腕部11b及び11cを突出させた形状を有し、腕部11b及び11cの間に変流器を嵌合させて保持する断面コの字形の変流器保持溝15が形成されている。同様に把持具11´は、図2に示したようにその基端部11a´から軸線方向に間隔をあけて2つの腕部11b´及び11c´を突出させた形状を有していて、腕部11b´及び11c´の間に断面コの字形の変流器保持溝15´が形成されている。変流器保持溝15及び15´は、把持具11及び11´の先端側と、両把持具の長手方向に対して直角な方向とにそれぞれ開口するように設けられていて、変流器保持溝15及び15´の底部15a及び15a´は変流器CTの外周面に沿うように円筒面状に形成され、底部15a,15a´と直交する方向に延びる内面15b,15b´は変流器CTの軸線方向の端面に面接触するように平坦に形成されている。
【0030】
一方の把持具11の一方の腕部11bは、他方の把持具11b´の一方の腕部11b´よりも短く形成されていて、腕部11bの先端部11b1にはボルトを嵌合させるための溝部16が該腕部11bの先端側に開口した状態で形成されている。他方の把持具11´の腕部11b´の先端部11b1´の把持具11と反対側の面には、ボルトの頭部を嵌合させるための溝部17が形成され、溝部17の底部を貫通させて、ボルトを嵌合させるための長孔18が形成されている。溝部16及び溝部17はそれぞれ把持具11及び11´の長手方向に延びるように設けられていて、把持具11´の先端に設けられた長孔18は、把持具11,11´を閉じた状態でその一部が把持具11の先端に設けられた溝部16に整合するように設けられている。また長孔18は、把持具11の先端位置を越えて更に前方の位置まで延びるように設けられ、該長孔18を貫通させて設けられたボルト19の六角形の頭部19aが溝部17に嵌合され、頭部19aと溝部17との嵌合によりボルト19の回り止めが図られている。
【0031】
この例では、把持具11,11´を閉じた状態にしたときに、ボルト19を溝部17に嵌合させ得るようになっており、溝部17に嵌合させたボルト19に蝶ナット20を螺合させて該蝶ナットを締め付けることにより、把持具11,11´を閉じた状態に保持するようになっている。図6及び図7に見られるように、把持具11,11´は、互いに面接触する合わせ面11A,11A´を有しており、両把持具11,11´を閉じた際に合わせ面11A,11A´が均一に面接触するように、即ち把持具の基端部11a,11a´側で合わせ面11A,11A´の間に隙間が生じることがないように、ヒンジ結合部12が構成されている。
【0032】
本実施例では、ボルト19と蝶ナット20とにより、把持具11,11´の先端部を締結する締結手段が構成されており、ボルト19は合わせ面11A,11A´と直交した状態で配置されている。
【0033】
把持具11,11´の腕部11b,11b´及び11c,11c´の基端部11a,11a´に隣接する位置にはそれぞれ、ケーブル把持部21,21´及び22,22´が形成されている。これらのケーブル把持部には、把持具11及び11´が閉じた際にケーブルを収容するための孔部Hを構成する1対のケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´が設けられていて、これらのケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´内には、ゴム等の弾力性を有する材料からなるケーブル押え片23,23´及び24,24´が接着により固着されている。ケーブル押え片23,23´及び24,24´は、把持具11及び11´を構成する樹脂よりも軟質の弾性材料により構成されている。
【0034】
ケーブル押え片23,23´及び24,24´にはそれぞれ1対の把持具11,11´を閉じた際にケーブルを嵌合させるための孔部hを構成するケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´が設けられている。ケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´は、それぞれの中心O2 がケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´の中心O1 に対して偏心した位置に設定されていて、図1,図9及び図10に示したように、変流器CTの一部を1対の把持具の変流器保持溝15,15´内に嵌合させた状態で把持具11,11´を閉じてケーブル3を両把持具のケーブル押え片のケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´内に嵌合させた際に、ケーブルがケーブル押え片23,23´及び24,24´により変流器保持溝内に嵌合された変流器CTの一部の内周部に押し付けられるように、ケーブル収容溝21a,21a´,22a,22a´及びケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´の位置が設定されている。
【0035】
なお本実施例では、ケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´が半円状に形成され、これらのケーブル収容溝の中心位置O1 は該ケーブル収容溝により構成される孔部Hの中心に一致している。またケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´も半円状に形成され、これらのケーブル嵌合溝の中心O2 は、両ケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´により構成される孔部hの中心に一致している。
【0036】
各図において、把持具11,11´の外面に形成された多数の細長い溝Gは、肉抜きのための溝である。
【0037】
次に上記の固定具10を用いて変流器CTをケーブル3に取り付ける手順を説明する。図1,図9及び図10において、変流器CTは、環状の鉄心に2次コイルをトロイダル状に巻回して構成した変流器本体30に樹脂モールド等の絶縁外装31を施した周知のもので、全体が環状を呈するように構成されている。絶縁外装31の一部に突設されたリード線導出部31aからブッシング32を介して2次リード線33が導出されている。変流器CTは、ケーブル3を貫通させた状態で配置されている。
【0038】
上記変流器CTをケーブル3に取り付ける際には、固定具10の蝶ネジ20を緩めておき、ボルト19を長孔18の先端側に移動させておく。そして、把持具11,11´を開いた状態で、両把持具の変流器保持溝15,15´内に変流器CTの一部を嵌合させる。
【0039】
次いで把持具11,11´を閉じて、ケーブル嵌合溝23a,23a´内及び24a,24a´内にケーブル3を嵌合させ、把持具11,11´の先端部を合わせた後、ボルト19を長孔18に沿って移動させて把持具11の腕部11bの先端の溝部16内に嵌合させ、蝶ナット20を締め付けることにより把持具11,11´の先端を締結する。ケーブル嵌合溝23a,23a´及び24a,24a´がケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´に対して偏心した状態で設けられているため、把持具11,11´の先端を締結すると、ケーブル押え片23,23´及び24,24´の弾性によりケーブル3が変流器CTの内周面31c側に付勢され、ケーブル3は変流器CTの内周部に添った状態でケーブル把持部21,21´及び22,22´により把持される。変流器CTは、その内周面の一部がケーブル3に押し付けられた状態で、ケーブル3に対して固定される。
【0040】
本実施例では、変流器保持溝15,15´の底部15a,15a´が変流器CTの外周面31aに沿うように円筒面状に形成され、底部15a,15a´と直交する方向に延びる内面15b,15b´は変流器CTの軸線方向端面31b,31bに面接触するように平坦に形成されているため、変流器CTは変流器保持溝15,15´内に安定に保持される。
【0041】
本発明に係わる固定具10においては、ケーブル押え片23,23´及び24,24´が弾力性を有していて、ケーブルの外径に応じて変形するため、同じ固定具を用いて変流器を種々の径のケーブル3に取り付けることができる。図11は、図10に示した例よりも径が大きなケーブルに変流器CTを取り付けた状態を示している。
【0042】
上記実施例のように、基端部11a,11a´がヒンジ結合され先端部11b1,11b1´がボルト19と蝶ナット20とからなる締結手段により締結されるように構成された開閉自在な1対の把持具11,11´に変流器保持溝15,15´と、ケーブルを変流器の内周部に添わせた状態で把持するケーブル把持部21,21´及び22,22´とを設けておくと、ケーブル3を貫通させた変流器CTの一部を変流器保持溝15,15´内に嵌合させた後、把持具11,11´を閉じてケーブル把持部によりケーブル3を把持した状態で両把持具の先端部を締結手段により締結するだけで変流器CTをケーブル3に取り付けることができる。この場合、1対の把持具11,11´は、その基端部がヒンジ結合されていて、変流器を取り付ける際に両把持具を片手で容易に支えることができるためその取扱いを容易にすることができ、2つ割に構成された従来の固定具を用いる場合に比べてはるかに簡単に変流器の取付け作業を行うことができる。
【0043】
また上記実施例では、1対の把持具11,11´が変流器CTの一部のみを保持してケーブル3に対して固定するので、固定具10の小形化を図ることができ、狭いスペースでの変流器CTの取付け作業を容易に行うことができる。
【0044】
更に上記実施例によれば、変流器CTをケーブル3に取り付ける際の締付箇所が把持具11,11´の先端部のみとなるため、変流器の取付け作業を簡単にすることができる。
【0045】
また変流器は変流器保持溝の内面に面接触した状態で弾力性を有するケーブル押え片によりケーブルを介して締め付けられるため、変流器CTに無理な力が加わることがない。しかも蝶ナット20の締付は1対の把持具11,11´が完全に閉じた状態になるまで行えば良いため、締付力を常にほぼ一定にすることができ、経験や勘に頼ることなく常に適正な締付力を得ることができる。従って、変流器の性能を長期間維持することができ、また変流器の位置がずれたり、落下したりするのを防ぐことができる。
【0046】
上記実施例のように、ケーブル把持部に設けたケーブル収容溝21a,21a´及び22a,22a´内に、該ケーブル収容溝の中心に対して偏心したケーブル嵌合溝を有するケーブル押え片23a,23a´及び24a,24a´を固着して、該ケーブル押え片を介してケーブルを把持するようにすると、種々の径のケーブルに対して適応できるため、同じ固定具を用いて変流器を種々の異なる径のケーブルに取り付けることができる。
【0047】
また上記実施例のように、変流器CTをケーブル3に対して偏心させた状態で取り付けると、変流器をケーブルに対して同心的に配置する場合に比べて隣接ケーブル間のスペースを狭くすることができるため、機器のコンパクト化を図ることができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に示すような効果を得ることができる。
【0049】
(a)ケーブルを貫通させた変流器の一部を1対の把持具の変流器保持溝内に嵌合させた後、1対の把持具を閉じてケーブル把持部によりケーブルを把持した状態で両把持具の先端部を締結手段により締結するだけで変流器をケーブルに取り付けることができる。しかも1対の把持具はその基端部がヒンジ結合されていて、変流器を取り付ける際に両把持具を片手で容易に支えることができるためその取扱いを容易にすることができ、変流器の取付け作業を容易にすることができる。
【0050】
(b)1対の把持具が変流器の一部のみを保持してケーブルに対して固定するように構成されているので、固定具の小形化を図ることができ、狭いスペースでの変流器の取付け作業を容易に行うことができる。
【0051】
(c)変流器を取り付ける際の締付箇所が把持具の先端部のみであるため、変流器の取付け作業を簡単にすることができる。
【0052】
(d)変流器は変流器保持溝内に嵌合された状態でケーブル押え片によりケーブルを介して締め付けられるため、変流器に無理な力が加わるのを防ぐことができる。しかも把持具の先端の締め付けは1対の把持具が完全に閉じた状態になるまで行えば良いため、締付力を常にほぼ一定にすることができ、経験や勘に頼ることなく常に適正な締付力を得ることができる。従って、変流器の性能を長期間維持することができ、また変流器の位置がずれたり、落下したりするのを防ぐことができる。
【0053】
(e)ケーブル把持部に設けたケーブル収容溝内に、弾力性を有する材料からなっていて該ケーブル収容溝の中心に対して偏心したケーブル嵌合溝を有するケーブル押え片を固着して、該ケーブル押え片を介してケーブルを把持するようにしたので、ケーブル押え片を種々の径のケーブルに適応させることができ、従来の固定具のようにアダプタを用いることなく、同じ固定具を用いて変流器を種々の異なる径のケーブルに取り付けることができる利点がある。
【0054】
(f)変流器をケーブルに対して偏心させた状態で取り付けるので、変流器をケーブルに対して同心的に配置する場合に比べて隣接ケーブル間のスペースを狭くすることができ、機器のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の固定具を用いて変流器をケーブルに取り付けた状態を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施例の固定具の正面図である。
【図3】本発明の実施例の固定具の背面図である。
【図4】同固定具の左側面図である。
【図5】同固定具の右側面図である。
【図6】同固定具の平面図である。
【図7】同固定具の底面図である。
【図8】同固定具の把持具を開いた状態の平面図である。
【図9】同固定具を用いて変流器をケーブルに取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図10】同固定具を用いて変流器をケーブルに取り付けた状態をケーブルを断面して示した平面図である。
【図11】図10の例とは異なる径のケーブルに変流器を取り付けた状態をケーブルを断面して示した平面図である。
【図12】従来の固定具を用いて変流器をケーブルに取り付けた状態を一部断面して示した正面図である。
【図13】(A)及び(B)はそれぞれ従来の固定具の平面図及び半部縦断面図である。
【符号の説明】
CT 変流器
3 ケーブル
10 固定具
11,11´ 把持具
11a,11a´ 把持具の基端部
11b,11b´ 把持具の腕部
11c,11c´ 把持具の腕部
15,15´ 変流器保持溝
16 ボルト嵌合用の溝部
18 長孔
19 ボルト
20 蝶ナット
21,21´,22,22´ ケーブル把持部
21a,21a´,22a,22a´ ケーブル収容溝
23,23´,24,24´ ケーブル押え片
23a,23a´,24a,24a´ ケーブル嵌合溝
Claims (2)
- 環状を呈するように構成されてケーブルを囲むように配置された変流器を該ケーブルに対して固定する変流器固定具において、
基端部がヒンジ結合されて開閉自在に構成され、閉じた状態で先端部がボルト及び蝶ナットからなる締結手段により締結されるように構成された1対の把持具からなり、
前記1対の把持具はそれぞれの先端部側から前記変流器の一部を嵌合させ得るように設けられた変流器保持溝と、両把持具が閉じた状態にあるときに前記変流器保持溝内に嵌合された変流器の一部の内周部に前記ケーブルを添わせた状態で該ケーブルを把持するケーブル把持部とを備え、
前記1対の把持具のケーブル把持部にはそれぞれ両把持具が閉じた際に前記ケーブルを収容する孔部を構成する1対のケーブル収容溝が設けられていて、弾力性を有する材料からなるケーブル押え片が各ケーブル収容溝内に固着され、
前記ケーブル押え片には前記1対の把持具を閉じた際に前記ケーブルを嵌合させるケーブル嵌合溝が設けられ、
前記変流器の一部を前記1対の把持具の変流器保持溝内に嵌合させた状態で両把持具を閉じて前記ケーブルを両把持具のケーブル押え片のケーブル嵌合溝内に嵌合させた際に、前記ケーブルが前記ケーブル押え片により前記変流器保持溝内に嵌合された変流器の一部の内周部に押し付けられるように、前記ケーブル押え片のケーブル嵌合溝の中心がケーブル収容溝の中心に対して偏心した位置に設定されていることを特徴とする変流器固定具。 - 前記締結手段を構成するボルトは、一方の把持具の先端部に固定され、他方の把持具の先端部には1対の把持具を閉じた際に前記ボルトを嵌合させるボルト嵌合用の溝部が該他方の把持具の先端に開口した状態で設けられている請求項1に記載の変流器固定具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18836994A JP3540019B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 変流器固定具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18836994A JP3540019B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 変流器固定具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0855745A JPH0855745A (ja) | 1996-02-27 |
JP3540019B2 true JP3540019B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=16222414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18836994A Expired - Fee Related JP3540019B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | 変流器固定具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3540019B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102636668A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-08-15 | 山东电力集团公司济南供电公司 | 一种卡接式传感器 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009059012B4 (de) * | 2009-12-17 | 2012-08-16 | Phoenix Contact Gmbh & Co. Kg | Vorrichtung zur lösbaren Befestigung eines Stromleiters an einem Stromwandlergehäuse |
DE102009059008B4 (de) * | 2009-12-17 | 2015-04-16 | Phoenix Contact Gmbh & Co. Kg | Vorrichtung zur lösbaren Befestigung eines Stromleiters an einem Stromwandlergehäuse |
EP2586045A1 (de) * | 2010-06-23 | 2013-05-01 | ABB Technology AG | Stromwandlervorrichtung |
KR101323607B1 (ko) * | 2013-05-10 | 2013-11-01 | (주)테라에너지시스템 | 변류기 |
EP2806277B1 (en) * | 2013-05-24 | 2016-03-30 | 3M Innovative Properties Company | Closure |
CN111029093B (zh) * | 2019-11-28 | 2021-12-03 | 贵州乌江水电开发有限责任公司构皮滩发电厂 | 小电流系统接地故障定位装置中零序电流互感器固定装置 |
-
1994
- 1994-08-10 JP JP18836994A patent/JP3540019B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102636668A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-08-15 | 山东电力集团公司济南供电公司 | 一种卡接式传感器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0855745A (ja) | 1996-02-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101876480B1 (ko) | 가공배전선 고정을 위한 클램핑기구 | |
US5683273A (en) | Mechanical splice connector for cable | |
MX2008014090A (es) | Conexion de enchufe de acoplamiento. | |
EP1284031B1 (en) | Cable lug | |
JP3540019B2 (ja) | 変流器固定具 | |
US9601841B2 (en) | Wire terminal assembly and adapter kit | |
US5925850A (en) | Electrical outlet, switch and junction boxs | |
AU2001256501A1 (en) | Cable lug | |
US5936200A (en) | Easy junction box | |
WO2001095437A1 (en) | Electric wire splice connector | |
JP2016101063A (ja) | 架空配電線用絶縁カバー、及びアダプター | |
US20060003640A1 (en) | Universal binding post | |
WO2010131793A1 (ko) | 용접봉 홀더 | |
US6922888B2 (en) | Loadbreak elbow pulling tool apparatus | |
JP5296563B2 (ja) | コネクタ保持工具およびコネクタ保持方法 | |
ATE533204T1 (de) | Stecker für einen elektrischen leiter | |
JP2008145346A (ja) | 測定用端子、抵抗測定装置および抵抗測定方法 | |
KR200338683Y1 (ko) | 지상개폐기용 스터드 볼트 | |
JP5960205B2 (ja) | 間接活線工事用端末キャップ | |
US20230061690A1 (en) | Connector with tethered caps | |
US20230253728A1 (en) | Power cable connectors and assemblies | |
JP2576263Y2 (ja) | 電気コネクタ | |
SU1520616A1 (ru) | Ответвительна кабельна коробка | |
US20140360776A1 (en) | Conduit connectors and methods for making and using the same | |
JPH11144839A (ja) | プラグキャップ着脱用ホルダ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040324 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |