JP3539896B2 - 半導体超格子を有する半導体装置 - Google Patents
半導体超格子を有する半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3539896B2 JP3539896B2 JP21219599A JP21219599A JP3539896B2 JP 3539896 B2 JP3539896 B2 JP 3539896B2 JP 21219599 A JP21219599 A JP 21219599A JP 21219599 A JP21219599 A JP 21219599A JP 3539896 B2 JP3539896 B2 JP 3539896B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductor
- layer
- superlattice
- value
- constituting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図12を伴って次に述べる半導体レ―ザが半導体超格子を有する半導体装置として提案されている。
【0003】
すなわち、サファイヤでなる単結晶の半導体基板1上に、単結晶のAlGaN系でなるバッファ層2を介して、単結晶のGaNでなり且つn型を有する半導体層3と、n型を有する半導体超格子4Gでなる光閉じ込め層4と、単結晶のIny Ga(1-y) N(ただし、yは1以下の数)でなる発光層5と、p型を有する半導体超格子6Gでなる光閉じ込め層6とが、それらの順に積層されている積層体7が形成されている。
【0004】
この場合、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gが、単結晶のAlB4Ga(1-B4)N(ただし、B4は、一般に1以下の数)でなり且つn型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDB4の厚さを有する半導体層41でなる障壁層4Bと、単結晶のAlW4Ga(1-W4)N(ただし、W4は、一般に1以下の数)でなり且つn型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDW4の厚さを有する半導体層42でなる井戸層4Wとが交互順次に積層されている構成を有し、その障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42が、それらをそれぞれ構成しているAlB4Ga(1-B4)N及びAlW4Ga(1-W4)NにおけるそれぞれのB4及びW4について、0.15≧B4>W4≧0で表される範囲内の値を有し、また、それらの厚さDB4及びDW4について、25A≧(DB4、DW4)>0Aで表される範囲内の値を有しているのを普通とし、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gが、単結晶のAlB6Ga(1-B6)N(ただし、B6は、一般に1以下の数)でなり且つp型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDB6の厚さを有する半導体層61でなる障壁層6Bと、単結晶のAlW6Ga(1-W6)N(ただし、W6は、一般に1以下の数)でなり且つp型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDW6の厚さを有する半導体層62でなる井戸層6Wとが交互順次に積層されている構成を有し、その障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62が、それらをそれぞれ構成しているAlB6Ga(1-B6)N及びAlW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのB6及びW6について、0.15≧B6>W6≧0で表される範囲内の値を有し、且つそれらの厚さDB6及びDW6について、25A≧(DB6、DW6)>0Aで表される範囲内の値を有しているのを普通とする。
【0005】
また、発光層5を構成しているIny Ga1-y Nにおけるyについて、発光層5が光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおける井戸層4Wを構成している半導体層42及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおける井戸層6Wを構成している半導体層62よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0006】
さらに、積層体7に、その光閉じ込め層6側から、半導体層3内に達する深さに、半導体層3を外部に臨ませる溝乃至切欠8が形成され、そして、半導体層3に、溝乃至切欠8に臨む領域において、バッファ層2側とは反対側から、電極9が付され、また、積層体7の光閉じ込め層6に、発光層5側とは反対側の面上において、電極10が付されている。
【0007】
以上が、従来提案されている、半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザである。
【0008】
このような半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザによれば、発光層5が、電極9が付されている半導体層3に連接しているn型を有する光閉じ込め層4と電極10が付されているp型を有する光閉じ込め層6との間に、それらと連接して配され、且つ光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおける井戸層4Wを構成している半導体層42及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおける井戸層6Wを構成している半導体層62に比し狭いエネルギバンドギャップを有するので、電極9及び10間に、動作用バイアス電源を、その正極を電極10側にして接続すれば、発光層5においてキャリアの再結合による発光が得られ、その光が、発光層5を光閉じ込め層4及び6によって閉じ込められてその両端面(図においては、紙面と平行な面)間に繰り返し伝播して増幅され、その光が、発光層5の一方の端面から、レーザ光として、外部に出射する、という半導体レ―ザとしての機能が得られる。
【0009】
また、半導体層3、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおける障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42、発光層5、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおける障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62が、ともにN(窒素)を含むAlGaN系で構成されているので、N(窒素)に代え例えばAs(砒素)を含むAlGaAs系で構成されている場合に比し、エネルギバンドギャップが広いことによるレーザ光短波長化、耐熱性、耐宇宙線性、耐振動性などの点で優れている。
【0010】
さらに、光閉じ込め層4が半導体超格子4Gでなるので、光閉じ込め層4と半導体層3及び発光層5との間の格子不整合状態が、光閉じ込め層4が障壁層4Bを構成している半導体層41と同じAlB4Ga(1-B4)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されているおり、また、光閉じ込め層6も半導体超格子6Gでなるので、光閉じ込め層6と発光層5との間の格子不整合状態が、光閉じ込め層6が障壁層6Bを構成している半導体層61と同じAlB6Ga(1-B6)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されているので、上述した半導体レ―ザとしての機能を、光閉じ込め層4及び6がそれぞれ障壁層4Bを構成している半導体層41及び障壁層6Bを構成している半導体層61と同じAlB4Ga(1-B4)N及びAlB6Ga(1-B6)Nでそれぞれなる単層でなるとした場合に比し、良好に得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42が、それらをそれぞれ構成しているAlB4Ga(1-B4)N及びAlW4Ga(1-W4)NにおけるそれぞれのB4及びW4について、0.15≧B4>W4≧0で表される範囲内の値を有し、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62が、それらをそれぞれ構成しているAlB6Ga(1-B6)N及びAlW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのB6及びW6について、0.15≧B6>W6≧0で表される範囲内の値を有する。
【0012】
なお、そのように、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42がそれらをそれぞれ構成しているAlB4Ga(1-B4)N及びAlW4Ga(1-W4)NにおけるそれぞれのB4及びW4について上述した範囲内の値を有するのは、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41が、それを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4について0.15以下という小さな値しか有していず、また、当然ながら、井戸層4Wを構成している半導体層42が、それを構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4についても、0.15以下という小さな値しか有さず、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61が、それを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6について、0.15以下という小さな値しか有していず、また、当然ながら、井戸層6Wを構成している半導体層62が、それを構成しているAlW6Ga(1-W6)NにおけるW6についても、0.15よりも小さな値しか有していないことから、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42に結晶性の劣化が認められず、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62に結晶性の劣化が認められず、よって、上述した半導体レ―ザとしての機能が良好に得られなくなることがないと考えられていたことによるものと思われる。
【0013】
しかしながら、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述したように、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bの半導体層41を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4及び井戸層4Wの半導体層42を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4が0.15≧B4>W4≧0で表される範囲内の値を有するので、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの障壁層4Bにおける半導体層41を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4と井戸層4Wにおける半導体層42を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4との間の値の差が、0.15以下という小さな値しか有していない。このため、障壁層4Bと井戸層4Wとの間の界面に、格子歪によって生成されるピエゾ電荷による電界が存在しているというピエゾ電界効果が、半導体超格子4Gの障壁層4Bを構成している半導体層41の厚さDB4及び井戸層4Wを構成している半導体層42の厚さDW4が25A以下であるという小さな値しか有しないことと相俟って、実質的に発生している状態までに到っていない。
【0014】
このようなことから、半導体超格子4Gにおいて、エネルギーポテンシャルの溝が、浅くしか形成されていず、このため、半導体超格子4Gにおける障壁層4Bから半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かうエレクトロンが、少ない量しか吐き出されないとともに、井戸層4Wから半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かうエレクトロンが、ほとんど吐き出されない。
【0015】
よって、半導体超格子4G、従って光閉じ込め層4が、低いキャリア(エレクトロン)濃度しか有さず、このため、厚さ方向にみて高い抵抗を有する。
【0016】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gについて述べた理由に準じた理由で、半導体超格子6Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かう障壁層6B及び井戸層6Wからのホールの吐き出し量が小さく、よって半導体超格子6G、従って光閉じ込め層6が、低いキャリア(ホール)濃度しか有さず、このため、厚さ方向にみて高い抵抗を有する。
【0017】
このため、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、電極9及び10間に上述した半導体レ―ザとしての機能を得るために接続する動作用バイアス電源に高い電圧を必要とし、また上述した半導体レ―ザとしての機能を得ているときに、高い発熱を伴う、という欠点を有していた。
【0018】
また、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述したように、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41のAl B4 Ga (1-B4) NにおけるB4が0.15以下であるので、その障壁層4Bが低い障壁高さしか有さず、このため、光閉じ込め層4が、発光層5に伝播する光に対する低い光閉じ込め効果しか有しない。
【0019】
さらに、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61のAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6が0.15以下という小さな値であるので、その障壁層6Bが低い障壁高さしか有さず、このため、光閉じ込め層6が、発光層5に伝播する光に対する低い光閉じ込め効果しか有さない。
【0020】
以上のことから、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述した半導体レ―ザとしての機能を効果的に得ることができない、という欠点を有していた。
【0021】
よって、本発明は、半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザでみて上述した欠点を伴うことのない、新規な半導体超格子を有する半導体装置を提案せんとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、(1)上記半導体超格子の障壁層が、InBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDBの厚さを有する第1の半導体層でなり、(2)上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物をドープしているとともにDWの厚さを有する第2の半導体層でなり、(3)上記半導体超格子の井戸層を構成している第2の半導体層が、それを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、0.9≧W≧0.2で表される範囲内の値を有し、厚さDWについて、150A≧DW≧25Aで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、(4)上記半導体超格子の障壁層を構成している第1の半導体層が、それを構成しているInBGa(1-B)NにおけるBについて、W−0.2≧B≧0で表される範囲内の値を有し、厚さDBについて、DB>DW、200A−DB≧DWで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有している。
【0023】
本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、(1)上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDBの厚さを有する第1の半導体層でなり、(2)上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物をドープしているとともにDWの厚さを有する第2の半導体層でなり、(3)上記半導体超格子の障壁層を構成している第1の半導体層が、それを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、厚さDBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、(4)上記半導体超格子の井戸層を構成している第2の半導体層が、それを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、1>W≧0で表される範囲内の値を有し、厚さDWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有している。
【0024】
本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、(1)上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じAlBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(2)上記半導体超格子の井戸層が、AlWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じAlWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(3)上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、(4)上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているAlWGa(1-W)NにおけるWについて、B−0.2≧W≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有する。
【0025】
本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、(1)上記半導体超格子の障壁層が、InBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じInBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(2)上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じInWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(3)上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、0.9≧W≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、150A≧DW≧25Aで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、(4)上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているInBGa(1-B)NにおけるBについて、W−0.2≧B≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、DB>DW、200A−DB≧DWで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有する。
【0026】
本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置は、障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、(1)上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じAlBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(2)上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じInWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、(3)上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、(4)上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、1>W≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有する。
【0027】
【発明の実施の形態1】
次に、図1を伴って本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を述べよう。
【0028】
図1において、図12との対応部分には同一符号を付して示す。
図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザは、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、サファイヤでなる単結晶の半導体基板1上に、単結晶のAlGaN系でなるバッファ層2を介して、単結晶のGaNでなり且つn型を有する半導体層3と、n型を有する半導体超格子4Gでなる光閉じ込め層4と、単結晶のIny Ga(1-y) N(ただし、yは1以下の数)でなる発光層5と、p型を有する半導体超格子6Gでなる光閉じ込め層6とが、それらの順に積層されている積層体7が形成されている。
【0029】
しかしながら、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gが、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合とは異なり、単結晶のIn B4Ga(1-B4)N(ただし、B4は、一般に1以下の数)でなり且つn型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDB4の厚さを有する半導体層41でなる障壁層4Bと、単結晶のIn W4Ga(1-W4)N(ただし、W4は、一般に1以下の数)でなり且つn型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDW4の厚さを有する半導体層42でなる井戸層4Wとが交互順次に積層されている構成を有する。
【0030】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gも、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合とは異なり、In B6Ga(1-B6)N(ただし、B6は、一般に1以下の数)でなり且つp型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDB6の厚さを有する単結晶の半導体層61でなる障壁層6Bと、In W6Ga(1-W6)N(ただし、W6は、一般に1以下の数)でなり且つp型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDW6の厚さを有する単結晶の半導体層62でなる井戸層6Wとが交互順次に積層されている構成を有する。
【0031】
さらに、積層体7に、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層6側から、半導体層3内に達する深さに、半導体層3を外部に臨ませる溝乃至切欠8が形成され、そして、半導体層3に、溝乃至切欠8に臨む領域において、バッファ層2側とは反対側から、電極9が付され、また、積層体7の光閉じ込め層6に、発光層5側とは反対側の面上において、電極10が付されている。
【0032】
また、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザは、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層42が、それを構成しているIn W4 Ga (1-W4) NにおけるW4について、
0.9≧W4≧0.2 ………(21)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDW4について、
150A≧DW4≧25A ………(22)
で表される範囲内の値を有し、また、障壁層4Bを構成している半導体層41が、それを構成しているIn B4 Ga (1-B4) NにおけるB4について、
W4−0.2≧B4≧0 ………(23)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、厚さDB4について、
DB4>DW4 ………(24)
200A−DB4≧DW4 ………(25)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層4Bを構成している半導体層41の厚さDB4は、障壁層4Bの半導体層41を構成しているIn B4Ga(1-B4)NにおけるB4の値に応じた、横軸に半導体超格子4Gの障壁層4Bを構成している半導体層41の厚さDB4及び井戸層4Wを構成している半導体層42の厚さDW4と後述する光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの障壁層6Bを構成している半導体層61の厚さDB6及び井戸層6Wを構成している半導体層62の厚さDW6とをとり、縦軸に半導体超格子4Gの障壁層4Bの半導体層41を構成しているIn B4Ga(1-B4)NにおけるB4及び井戸層4Wの半導体層42を構成しているIn W4Ga(1-W4)NにおけるW4と半導体超格子6Gの障壁層6Bの半導体層61を構成しているIn B6Ga(1-B6)NにおけるB6及び井戸層6Wの半導体層62を構成しているIn W6Ga(1-W6)NにおけるW6とをとって、厚さDB4、DW4、DB6及びDW6、及びB4、W4、B6及びW6のとり得る値の範囲を表している図2に示す条件範囲内の値をとるように、B4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば80Aの値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層42の厚さDW4も、その半導体層42を構成しているIn W4Ga(1-W4)NにおけるW4の値に応じた、図2の条件範囲内の値をとるように、W4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0033】
さらに、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その井戸層6Wを構成している半導体層62が、それを構成しているIn W6 Ga (1-W6) NにおけるW6について、
0.9≧W6≧0.2 ………(26)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDW6について、
150A≧DW6≧25A ………(27)
で表される範囲内の値を有し、また、障壁層6Bを構成している半導体層61が、それを構成しているIn B6 Ga (1-B6) NにおけるB6について、
W6−0.2≧B6≧0 ………(28)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、厚さDB6について、
DB6>DW6 ………(29)
200A−DB6≧DW6 ………(30)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層6Bを構成している半導体層61の厚さDB6は、その半導体層61を構成しているIn B6Ga(1-B6)NにおけるB6の値に応じた、上述した図2の条件範囲内の値をとるように、B6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば80Aの値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層62の厚さDW6も、その半導体層62を構成しているIn W6Ga(1-W6)NにおけるW6の値に応じた、図2の条件範囲内の値をとるように、W6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0034】
さらに、発光層5を構成しているInyGa(1-y)Nにおけるyについて、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じ、発光層5が光閉じ込め層4の半導体超格子4Gの井戸層4Wを構成している半導体層42及び光閉じ込め層6の半導体超格子6Gの井戸層6Wを構成している半導体層62よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0035】
以上が、本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの第1の実施の形態の構成である。
【0036】
このような構成を有する本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザによれば、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4B及び井戸層4Wをそれぞれ構成している半導体層41及び42が、Al B4 Ga (1-B4) N及びAl W4 Ga (1-W4) Nでなるに代え、In B4 Ga (1-B4) N及びIn W4 Ga (1-W4) Nでなり、そして、それらIn B4 Ga (1-B4) N及びIn W4 Ga (1-W4) NにおけるそれぞれのB4及びW4が、それぞれ(23)式及び(21)式で表される範囲内の値を有し、それぞれの厚さDB4及びDW4が、(22)式及び(24)及び(25)式で表される範囲内の値を有し、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6B及び井戸層6Wをそれぞれ構成している半導体層61及び62が、Al B6 Ga (1-B6) N及びAl W6 Ga (1-W6) Nでなるに代え、In B6 Ga (1-B6) N及びIn W6 Ga (1-W6) Nでなり、そして、それらIn B6Ga(1-B6)N及びIn W6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのB6及びW6が、それぞれ(26)式、及び(27)式で表される範囲内の値を有し、それぞれの厚さDB6及びDW6が、(27)式、及び(29)及び(30)式で表される範囲内の値を有することを除いて、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レーザの場合と同様に構成を有するので、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様の理由で、同様に、電極9及び10間に、動作用バイアス電源を、その正極を電極10側にして接続すれば、発光層5においてキャリアの再結合による発光が得られ、その光が、発光層5を光閉じ込め層4及び6によって閉じ込められてその両端面(図においては、紙面と平行な面)間に繰り返し伝播して増幅され、その光が、発光層5の一方の端面から、レーザ光として、外部に出射する、という半導体レ―ザとしての機能が得られる。
【0037】
また、半導体層3、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの障壁層4B及び井戸層4Wをそれぞれ構成している半導体層41及び42、発光層5、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの障壁層6B及び井戸層6Wをそれぞれ構成している半導体層61及び62が、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、ともにN(窒素)を含むInGaN系で構成されているので、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、N(窒素)に代え、例えばAs(砒素)を含むInGaAs系で構成されている場合に比し、レーザ光の短波長化、耐熱性、耐宇宙線、耐振動性などの点で優れている。
【0038】
さらに、光閉じ込め層4が、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、半導体超格子4Gでなるので、光閉じ込め層4と半導体層3及び発光層5との間の格子不整合状態が、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層4が障壁層4Bを構成している半導体層41と同じIn B4Ga(1-B4)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されており、また、光閉じ込め層6も、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、半導体超格子6Gでなるので、光閉じ込め層6と発光層5との間の格子不整合状態が、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層6が障壁層6Bを構成している半導体層61と同じIn B6Ga(1-B6)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されているので、上述した半導体レ―ザとしての機能を、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層4及び6がそれぞれ障壁層4Bを構成している半導体層41及び障壁層6Bを構成している半導体層61と同じIn B4Ga(1-B4)N及びIn B6Ga(1-B6)Nでそれぞれなる単層でなるとした場合に比し、良好に得ることができる。
【0039】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層42が、それを構成しているIn W4 Ga (1-W4) NにおけるW4について、上述した(21)式で表される範囲内の値を有し、一方、障壁層4Bを構成している半導体層41が、それを構成しているIn B4 Ga (1-B4) NにおけるB4について、上述した(23)式で表される範囲内の値を有するので、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおける障壁層4Bの半導体層41を構成しているIn B4Ga(1-B4)NにおけるB4と、井戸層4Wの半導体層42を構成しているIn W4Ga(1-W4)NにおけるW4との間の値の差が、0.2以上という大きな値を有している。
【0040】
このため、障壁層4Bと井戸層4Wとの間の界面に格子歪によって生成されるピエゾ電荷による電界が存在しているというピエゾ電界効果が、顕著に発生している状態に到っている。
【0041】
このようなことから、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、エネルギーポテンシャルの溝が、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおけるエレクトロンエネルギー及びエレクトロン分布、及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおけるホールエネルギー及びホール分布を表している図3に示されているように、深く形成されており、このため、半導体超格子4Gにおける障壁層4Bを構成している半導体層41から、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、エレクトロンが、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し格段的に多くの量で吐き出されるとともに、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝への井戸層4Wを構成している半導体層42からのエレクトロンの吐き出しも実質的に存在する。
【0042】
よって、半導体超格子4G、従って光閉じ込め層4が、図3中に示すようなエレクトロン分布を伴うことによって、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し格段的に高いキャリア(エレクトロン)濃度を有し、このため、厚さ方向にみて、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザに比し格段的に低い抵抗しか有しない。
【0043】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、詳細説明は省略するが、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gについて述べた理由に準じた理由で、半導体超格子6Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、障壁層6B及び井戸層6Wから、ホールが、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し格段的に多い量で、吐き出され、よって、半導体超格子6G、従って光閉じ込め層6が、図3中に示すようなホール分布を伴うことによって、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し格段的に高いキャリア(ホール)濃度を有し、このため、厚さ方向にみて、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し格段的に低い抵抗しか有しない。
【0044】
なお、本発明者等は、半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42が、それらをそれぞれ構成しているIn B4Ga(1-B4)N及びIn W4Ga(1-W4)NのそれぞれにおけるB4及びW4について、それぞれ上述した(23)及び(21)式で表される範囲内の値を有し且つそれぞれの厚さDB4及びDW4について、(24)及び(25)式及び(22)式で表される範囲内の図2の条件範囲内の値をとる値を有する、ということでない場合、上述した格段的に高いキャリア(エレクトロン)濃度が得られないことから、上述した格段的に低い抵抗が得られないこと、また、半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62が、それらをそれぞれ構成しているIn B6Ga(1-B6)N及びIn W6Ga(1-W6)NのそれぞれにおけるB6及びW6について、それぞれ上述した(28)及び(26)式で表される範囲内の値を有し且つそれぞれの厚さDB6及びDW6について、(29)及び(30)式及び(27)式で表される範囲内の図2の条件範囲内の値をとる値を有する、ということでない場合、上述した格段的に高いキャリア(ホール)濃度が得られないことから、上述した格段的に低い抵抗が得られないことを、種々の実験の結果確認した。
【0045】
以上のことから、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、電極9及び10間に上述した半導体レ―ザとしての機能を得るために接続する動作用バイアス電源に、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で必要としていたうな高い電圧を必要とせず、また上述した半導体レ―ザとしての機能を得ているときに、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に伴うような高い発熱を伴わない。
【0046】
また、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述したように、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層42について、それを構成しているIn W4 Ga (1-W4) NにおけるW4が、0.2以上という大きな値を有するので、光閉じ込め層4が、発光層5に伝播する光に対する高い光閉じ込め効果を有する。
【0047】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、その井戸層6Wを構成している半導体層62について、それを構成しているIn W6 Ga (1-W6) NにおけるW6が0.2以上という大きな値を有するので、光閉じ込め層6が、発光層5に伝播する光に対する高い光閉じ込め効果を有する。
【0048】
このようなことから、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述した半導体レ―ザとしての機能を、図12に示す従来の半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し効果的に得ることができる。
【0049】
【発明の実施の形態2】
次に、本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を述べよう。
【0050】
本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態は、見掛け上、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有するので、図示詳細説明は省略するが、次の事項を除いて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有する。
【0051】
すなわち、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層42については、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様にIn W4 Ga (1-W4) Nでなるが、障壁層4Bを構成している半導体層41については、In B4 Ga (1-B4) Nでなる図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に代え、AlB4Ga(1-B4)Nでなり、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その井戸層6Wを構成している半導体層62については、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、In W6 Ga (1-W6) Nでなるが、障壁層6Bを構成している半導体層61については、In B6 Ga (1-B6) Nでなる図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に代え、Al B6 Ga (1-B6) Nでなる。
【0052】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層41が、それを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4について、
0.9≧B4≧0.2 ………(31)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDB4について、
400A≧DB4≧25A ………(32)
で表される範囲内の値を有し、井戸層4Wを構成している半導体層42が、それを構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4について、
1>W4≧0 ………(33)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDW4について、
DB4>DW4 ………(34)
600A−DB4≧DW4 ………(35)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層4Bを構成している半導体層41の厚さDB4は、障壁層4Bを構成している半導体層41を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4の値に応じた、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レーザの説明に用いた厚さDB4及びB4のとり得る値の範囲を表している図4の条件範囲内の値をとるように、B4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層42の厚さDW4は、井戸層4Wを構成している半導体層42について、それを構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4の値に応じた、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レーザの説明に用いた図2の場合と同様に厚さDW4及びW4のとり得る値の範囲を表している図5の条件範囲内の値をとるように、W4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0053】
さらに、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6Bを構成している半導体層61が、それを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6について、
0.9≧B6≧0.2 ………(36)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDB6について、
400A≧DB6≧25A ………(37)
で表される範囲内の値を有し、井戸層6Wを構成している半導体層62が、それを構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6について、
1>W6≧0 ………(38)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、厚さDW6について、
DB6>DW6 ………(39)
600A−DB6≧DW6 ………(40)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層6Bを構成している半導体層61の厚さDB6は、障壁層6Bを構成している半導体層61について、それを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6の値に応じた、上述した図4の条件範囲内の値をとるように、B6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層62の厚さDW6は、井戸層6Wを構成している半導体層62について、それを構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6の値に応じた、上述した図5の条件範囲内の値をとるように、W6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0054】
また、発光層5を構成しているInyGa(1-y)Nにおけるyについて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じ、発光層5が光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの井戸層4Wを構成している半導体層42及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの井戸層6Wを構成している半導体層62よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0055】
以上が、本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の構成である。
【0056】
このような構成を有する本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置しての半導体レ―ザによれば、上述した事項を除いて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有し、そして、半導体超格子4G及び6Gにおいて、それれらのそれぞれの障壁層4B及び6Bをそれぞれ構成している半導体層41及び61が、In B4 Ga (1-B4) N及びIn B6 Ga (1-B6) Nでそれぞれ構成されている[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合とは異なり、Al B4 Ga (1-B4) N及びAl B6 Ga (1-B6) Nでそれぞれ構成され、また、井戸層4W及び6Wをそれぞれ構成している半導体層42及び62が、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体レーザの場合と同様に、InW4Ga(1-W4)N及びInW6Ga(1-W6)Nでそれぞれ構成され、ただし、それらにおけるそれぞれのW4及びW6のとり得る値の上限が[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し高い値を有する、という点で、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザとの場合との間の相違を有するが、一般に、AlxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じて、そのバンドギャップが広くなるのに対し、InxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じ、そのバンドギャップが狭くなり、そして、そのようなAl xGa(1-x)Nで障壁層4B及び6Bをそれぞれ構成している半導体層41及び61を構成している、ということ、及び障壁層4B及び6Bをそれぞれ構成している半導体層41及び61がそのようにAl xGa(1-x)Nで構成されているのに対し、井戸層4W及び6Wをそれぞれ構成している半導体層42及び62が、一般にAl xGa(1-x)Nとの間で顕著なヘテロ界面を形成するIn xGa(1-x)Nで構成されている、ということから、詳細説明は省略するが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合との間で上述した相違を有していても、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザで述べたのに準じた理由で、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様の優れた特徴を得ることができることは明らかである。
【0057】
【発明の実施の形態3】
次に、図6を伴って本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を述べよう。
【0058】
図6において、図1との対応部分には同一符号を付して示す。
図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザは、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じて、サファイヤでなる単結晶の半導体基板1上に、単結晶のAlGaN系でなるバッファ層2を介して、単結晶のGaNでなり且つn型を有する半導体層3と、半導体超格子4Gでなる光閉じ込め層4と、単結晶のIny Ga(1-y) N(ただし、yは1以下の数)でなる発光層5と、半導体超格子6Gでなる光閉じ込め層6とが、それらの順に積層されている積層体7が形成されている。
【0059】
この場合、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、障壁層4Bと井戸層4Wとが交互順次に積層されている構成を有し、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、障壁層6Bと井戸層6Wとが交互順次に積層されている構成を有する。
【0060】
さらに、積層体7に、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層6側から、半導体層3内に達する深さに、半導体層3を外部に臨ませる溝乃至切欠8が形成され、そして、半導体層3に、溝乃至切欠8に臨む領域において、バッファ層2側とは反対側から、電極9が付され、また、積層体7の光閉じ込め層6に、発光層5側とは反対側の面上において、電極10が付されている。
【0061】
しかしながら、図6に示す本発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザは、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bが、AlB4Ga(1-B4)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つn型を与える不純物例えばSiを意図的にドープしている半導体層51と、その半導体層51と同じAlB4Ga(1-B4)Nでなり且つ半導体層51がドープしている不純物と同じn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52とが半導体層51上に半導体層52が配されている態様で積層されている構成を有し、また、井戸層4Wが、AlW4Ga(1-W4)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ障壁層4Bを構成している半導体層51がドープしている不純物と同じn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層53と、その半導体層53と同じAlW4Ga(1-W4)Nでなり且つ障壁層4Bを構成している半導体層51がドープしている不純物と同じn型を与える不純物例えばSiを意図的にドープしている半導体層54とが半導体層53上に半導体層54が配されている態様で積層されている構成を有する。
【0062】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層51及び52が、それらを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4について、
0.9≧B4≧0.2 ………(41)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB4について、
400A≧DB4≧25A ………(42)
で表される範囲内の値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54が、それらを構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4について、
B4−0.2≧W4≧0 ………(43)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW4について、
DB4>DW4 ………(44)
600A−DB4≧DW4 ………(45)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれらのそれぞれの厚さの和DB4は、障壁層4Bの半導体層51及び52を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4の値に応じた、横軸に半導体超格子4Gの障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4と後述する光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6とをとり、縦軸に半導体超格子4Gの障壁層4Bの半導体層51及び52を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4及び井戸層4Wの半導体層53及び54を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4と半導体超格子6Gの障壁層6Bの半導体層71及び72を構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6及び井戸層6Wの半導体層73及び74を構成しているAlW6Ga(1-W6)NにおけるW6とをとって、厚さの和DB4、DW4、DB6及びDW6、及びB4、W4、B6及びW6のとり得る値の範囲を表している、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた図2に準じた図7に示す条件範囲内の値をとるように、B4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4も、それら半導体層53及び54を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4の値に応じた、図7の条件範囲内の値をとるように、W4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば120Aの値を有する。
【0063】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6Bを構成している半導体層71及び72が、それらを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6について、
0.9≧B6≧0.2 ………(46)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB6について、
400A≧DB6≧25A ………(47)
で表される範囲内の値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74が、それらを構成しているAlW6Ga(1-W6)NにおけるW6について、
B6−0.2≧W6≧0 ………(48)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW6について、
DB6>DW6 ………(49)
600A−DB6≧DW6 ………(50)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6は、障壁層6Bの半導体層71及び72を構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6の値に応じた、上述した図7に示す条件範囲内の値をとるように、B6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6も、それら半導体層72及び73を構成しているAlW6Ga(1-W6)NにおけるW6の値に応じた、図7に示す条件範囲内の値をとるように、W6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば120Aの値を有する。
【0064】
さらに、発光層5を構成しているInyGa(1-y)Nにおけるyについて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じ、発光層5が光閉じ込め層4の半導体超格子4Gの井戸層4Wを構成している半導体層53及び54及び光閉じ込め層6の半導体超格子6Gの井戸層6Wを構成している半導体層73及び74よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0065】
以上が、本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の構成である。
【0066】
このような構成を有する本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態は、(a)光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gについて、その障壁層4Bが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合のIn B4Ga(1-B4)Nでなる半導体層41の単層でなるのに代え、AlB4Ga(1-B4)Nでなるがn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51とn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52とでなり、井戸層4Wが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合のIn W4Ga(1-W4)Nでなる半導体層42の単層でなるのに代え、AlW4Ga(1-W4)Nでなるがn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層53とn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54とでなり、また、(b)光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gについて、その障壁層6Bが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合のIn B6Ga(1-B6)Nでなる半導体層61の単層でなるのに代え、AlB6Ga(1-B6)Nでなるがp型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層71とp型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層72とでなり、井戸層6Wが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合のIn W6Ga(1-W6)Nでなる半導体層62の単層でなるのに代え、AlW6Ga(1-W6)Nでなるがp型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層73とp型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層74とでなる構成を有し、そして、(c)後述するところから明らかなように、半導体超格子4Gについてみれば、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51及び54とn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52及び53とで構成されているとしても、n型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52及び53にn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51及び54から吐き出されたエレクトロンが蓄積していることによって、その半導体超格子4Gがn型であるとして機能し、また、半導体超格子6Gについてみれば、p型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層71及び74とp型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層72及び73とで構成されているとしても、p型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層72及び73に、p型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層71及び74から吐き出されたホールが蓄積していることによって、その半導体超格子6Gがp型であるとして機能する。
【0067】
このため、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じた理由で、電極9及び10間に、動作用バイアス電源を、その正極を電極10側にして接続すれば、発光層5においてキャリアの再結合による発光が得られ、その光が、発光層5を光閉じ込め層4及び6によって閉じ込められてその両端面(図においては、紙面と平行な面)間に繰り返し伝播して増幅され、その光が、発光層5の一方の端面から、レーザ光として、外部に出射する、という半導体レ―ザとしての機能が得られる。
【0068】
また、半導体層3、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの障壁層4Bを構成している半導体層51及び52及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54、発光層5、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの障壁層6Bを構成している半導体層71及び72及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74が、ともにN(窒素)を含むAlGaN系で構成されているので、N(窒素)に代え、例えばAs(砒素)を含むAlGaAs系で構成されている場合に比し、レーザ光の短波長化、耐熱性、耐宇宙線、耐振動性などの点で優れている。
【0069】
さらに、光閉じ込め層4が、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、半導体超格子4Gでなるので、光閉じ込め層4と半導体層3及び発光層5との間の格子不整合状態が、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層4が障壁層4Bを構成している半導体層51と同じAlB4Ga(1-B4)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されており、また、光閉じ込め層6も、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、半導体超格子6Gでなるので、光閉じ込め層6と発光層5との間の格子不整合状態が、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層6が障壁層6Bを構成している半導体層71と同じAlB6Ga(1-B6)Nでなる単層でなるとした場合に比し、緩和されているので、上述した半導体レ―ザとしての機能を、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、光閉じ込め層4及び6がそれぞれ障壁層4B及び6Bと同じAlB4Ga(1-B4)N及びAlB6Ga(1-B6)Nでそれぞれなる単層でなるとした場合に比し、良好に得ることができる。
【0070】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bが、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51とn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52とでなるがそれら半導体層51及び52が、それらを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4について、(41)式で表される範囲内の値を有し、一方、井戸層4Wが、n型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層53とn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54とでなるがそれら半導体層53及び54が、それらを構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4について、(43)式で表される範囲内の値を有するので、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおける障壁層4Bの半導体層51及び52を構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4と、井戸層4Wの半導体層53及び54を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4との間の値の差が、0.2以上という大きな値を有している。
【0071】
このため、障壁層4Bと井戸層4Wとの間の界面に格子歪によって生成されるピエゾ電荷による電界が存在しているというピエゾ電界効果が、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、顕著に発生している状態に到っている。
【0072】
このようなことから、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、エネルギーポテンシャルの溝が、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた図2と同様の、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおけるエレクトロンエネルギー及びエレクトロン分布、及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおけるホールエネルギー及びホール分布を表している図8に示されているように、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、深く形成されており、このため、半導体超格子4Gにおける障壁層4Bを構成している、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51から、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、エレクトロンが、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、多くの量で、吐き出されるとともに、半導体超格子4Gにおける障壁層4Bを構成している、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54からも、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、エレクトロンが、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝への井戸層4Wを構成している半導体層51からのエレクトロンの吐き出しと同様に、多くの量で、吐き出され、障壁層4Bをn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51とともに構成しているn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52及び井戸層4Wをn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54とともに構成しているn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層53に蓄積される。
【0073】
よって、半導体超格子4G、従って光閉じ込め層4が、図8中に示すようなエレクトロン分布を伴うことによって、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合以上に高いキャリア(エレクトロン)濃度を有し、このため、及び障壁層4Bを構成している半導体層の一部としての半導体層52及び井戸層4Wを構成している半導体層の一部としての半導体層53に、n型を与える不純物を含め不純物がドープされていないので、厚さ方向にみて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザ以上に低い抵抗しか有しないとともに、光閉じ込め層4の面に沿う方向にみて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し低い抵抗しか有しない。
【0074】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、詳細説明は省略するが、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gについて述べた理由に準じた理由で、半導体超格子6Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、障壁層6Bを構成している、p型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層71、及び井戸層6Wを構成している、p型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層74から、ホールが、半導体超格子4Gにおけるエネルギーポテンシャルの溝に向かって、障壁層4Bを構成している、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51、及び井戸層4Wを構成している、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54から、エレクトロンが、吐き出される場合と同様に、多くの量で吐き出され、よって、半導体超格子6G、従って光閉じ込め層6が、図8中に示すようなホール分布を伴うことによって、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合以上に高いキャリア(ホール)濃度を有し、このため、及び障壁層6Bを構成している半導体層の一部としての半導体層72及び井戸層6Wを構成している半導体層の一部としての半導体層73に、p型を与える不純物を含め不純物がドープされていないので、厚さ方向にみて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザ以上に低い抵抗しか有しないとともに、光閉じ込め層6の面に沿う方向にみて、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し低い抵抗しか有しない。
【0075】
なお、本発明者等は、半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層51及び52及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54が、それらをそれぞれ構成しているAlB4Ga(1-B4)N及びAlW4Ga(1-W4)NのそれぞれにおけるB4及びW4について、それぞれ上述した(41)式及び(43)式で表される範囲内の値を有し且つそれらのそれぞれの厚さの和DB4及びDW4について、(42)式及び(44)及び(45)式で表される範囲内の図7に示す条件範囲内の値をとる値を有する、ということでない場合、上述した格段的に高いキャリア(エレクトロン)濃度が得られないことから、上述した格段的に低い抵抗が得られないこと、また、半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62が、それらをそれぞれ構成しているAlB6Ga(1-B6)N及びAlW6Ga(1-W6)NのそれぞれにおけるB6及びW6について、それぞれ上述した(46)式及び(48)式で表される範囲内の値を有し且つそれらのそれぞれの厚さの和DB6及びDW6について、(47)式及び(49)及び(50)式で表される範囲内の図7に示す条件範囲内の値をとる値を有する、ということでない場合、上述した格段的に高いキャリア(ホール)濃度が得られないことから、上述した格段的に低い抵抗が得られないことを、種々の実験の結果確認した。
【0076】
以上のことから、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、電極9及び10間に上述した半導体レ―ザとしての機能を得るために接続する動作用バイアス電源に、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合以上に高い電圧を必要とせず、また上述した半導体レ―ザとしての機能を得ているときに、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合以上に高い発熱を伴わない。
【0077】
また、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述したように、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層51及び52について、それを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4が、0.2以上という大きな値を有するので、光閉じ込め層4が、発光層5に伝播する光に対する高い光閉じ込め効果を有する。
【0078】
また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいても、その障壁層6Bを構成している半導体層61について、それを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6が、0.2以上という大きな値を有するので、光閉じ込め層6が、発光層5に伝播する光に対する高い光閉じ込め効果を有する。
【0079】
このようなことから、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合、上述した半導体レ―ザとしての機能を、図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に効果的に得ることができる。
【0080】
【発明の実施の形態4】
次に、本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を述べよう。
【0081】
本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態は、見掛け上、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態と同様の構成を有するので、図示詳細説明は省略するが、次の事項を除いて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態と同様の構成を有する。
【0082】
すなわち、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している、n型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層51及びn型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層52が、AlB4Ga(1-B4)Nでなる図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の場合に代え、InB4Ga(1-B4)N(B4は、一般に、1以下の数)でなり、また、井戸層4Wを構成している、n型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない半導体層53及びn型を与える不純物を意図的にドープしている半導体層54が、AlW4Ga(1-W4)Nでなる図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの第1の実施の形態の場合に代え、InW4Ga(1-W4)N(ただし、W4は、一般に、1以下の数)でなる。
【0083】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層53及び54が、それらを構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(21)式と同じ、
0.9≧W4≧0.2 ………(51)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW4について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(22)式と同じ、
150A≧DW4≧25A ………(52)
で表される範囲内の値を有し、また、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52が、それらを構成しているInB4Ga(1-B4)NにおけるB4について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(23)式と同じ、
W4−0.2≧B4≧0 ………(53)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB4について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(24)及び(25)式と同じ、
DB4>DW4 ………(54)
200A−DB4≧DW4 ………(55)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4は、それら半導体層51及び52を構成しているInB4Ga(1-B4)NにおけるB4の値に応じた、[発明の実施の形態1]の項に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた図3の場合と同様の、厚さの和DB4、DW4、DB6及びDW6、及びB4、W4、B6及びW6のとり得る値の範囲を表している図9に示す条件範囲内の値をとるように、B4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば80Aの値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4も、それら半導体層53及び54を構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4の値に応じた、図9に示す条件範囲内の値をとるように、W4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0084】
さらに、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その井戸層6Wを構成している半導体層73及び74が、それらを構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(26)式と同じ、
0.9≧W6≧0.2 ………(56)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW6について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(27)式と同じ、
150A≧DW6≧25A ………(57)
で表される範囲内の値を有し、また、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72が、それらを構成しているInB6Ga(1-B6)NにおけるB6について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(28)式と同じ、
W6−0.2≧B6≧0 ………(58)
で表される範囲内の例えば0.10の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB6について、[発明の実施の形態1]に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた(29)及び(30)式と同じ、
DB6>DW6 ………(59)
200A−DB6≧DW6 ………(60)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6は、それらの半導体層71及び72を構成しているInB6Ga(1-B6)NにおけるB6の値に応じた、上述した図9に示す条件範囲内の値をとるように、B6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば80Aの値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6も、それら半導体層73及び74を構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6の値に応じた、図9に示す条件範囲内の値をとるように、W6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0085】
さらに、発光層5を構成しているInyGa(1-y)Nにおけるyについて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じ、発光層5が光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの井戸層4Wを構成している半導体層53及び54、及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの井戸層6Wを構成している半導体層73及び74よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0086】
以上が、本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の構成である。
【0087】
このような構成を有する本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置しての半導体レ―ザによれば、上述した事項を除いて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有し、そして、半導体超格子4Gにおいて、その井戸層4Wを構成している半導体層53及び54を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるW4が、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合とは逆に、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52を構成しているInB4Ga(1-B4)NにおけるB4よりも大きな値を有し、また、半導体超格子6Gにおいても、その井戸層6Wを構成している半導体層73及び74、及び障壁層6Bを構成している半導体層71及び72をそれぞれ構成しているInW6Ga(1-W6)N、及びInB6Ga(1-B6)NにおけるそれぞれのW6、及びB6に関し、詳細説明は省略するが、半導体超格子4Gの場合と同様である、という点で、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザとの場合との間の相違を有するが、一般に、AlxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じて、そのバンドギャップが広くなるのに対し、InxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じ、そのバンドギャップが狭くなる、ということから、詳細説明は省略するが、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合との間で上述した相違を有していても、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザで述べたのに準じた理由で、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様の優れた特徴を得ることができることは明らかである。
【0088】
【発明の実施の形態5】
次に、本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を述べよう。
【0089】
本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態も、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、見掛け上、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有するので、図示詳細説明は省略するが、次の事項を除いて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有する。
【0090】
すなわち、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層51及び52については、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様にAlB4Ga(1-B4)Nでなるが、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54については、AlW4Ga(1-W4)Nでなる図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に代え、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、InW4Ga(1-W4)Nでなり、また、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6Bを構成している半導体層71及び72については、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、AlB6Ga(1-B6)Nでなるが、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74については、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、AlW6Ga(1-W6)Nでなる図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に代え、InW6Ga(1-W6)Nでなる。
【0091】
また、光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gにおいて、その障壁層4Bを構成している半導体層51及び52については、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、それらを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4について、
0.9≧B4≧0.2 ………(61)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB4について、
400A≧DB4≧25A ………(62)
で表される範囲内の値を有するが、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54については、[発明の実施の形態2]に示す本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、それらを構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4について、
1>W4≧0 ………(63)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW4について、
DB4>DW4 ………(64)
600A−DB4≧DW4 ………(65)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4は、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52について、それを構成しているAlB4Ga(1-B4)NにおけるB4の値に応じた、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた図7の場合と同様の、厚さの和DB4及びDW4、及びB4及びW4のとり得る値の範囲を表している図10に示す条件範囲内の値をとるように、B4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4は、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じて、井戸層4Wを構成している半導体層53及び54について、それらを構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるW4の値に応じた、[発明の実施の形態2]に示す本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べた図5の場合と同様の、厚さの和DB4及びDW4、及びB4及びW4のとり得る値の範囲を表している図11に示す条件範囲内の値をとるように、W4の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0092】
さらに、光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gにおいて、その障壁層6Bを構成している半導体層71及び72については、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、それを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6について、
0.9≧B6≧0.2 ………(66)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DB6について、
400A≧DB6≧25A ………(67)
で表される範囲内の値を有するが、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74については、[発明の実施の形態2]に示す本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、それらを構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6について、
1>W6≧0 ………(68)
で表される範囲内の例えば0.31の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DW6について、
DB6>DW6 ………(69)
600A−DB6≧DW6 ………(70)
で表される範囲内の値を有する。
ただし、この場合、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6は、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様に、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72について、それらを構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるB6の値に応じた、上述した図10に示す条件範囲内の値をとるように、B6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば240Aの値を有し、また、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6は、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じて、井戸層6Wを構成している半導体層73及び74について、それらを構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるW6の値に応じた、上述した図11に示す条件範囲内の値をとるように、W6の値が大きくなるのに応じて小さくなる、例えば40Aの値を有する。
【0093】
また、発光層5を構成しているInyGa(1-y)Nにおけるyについて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じ、発光層5が光閉じ込め層4を構成している半導体超格子4Gの井戸層4Wを構成している半導体層53及び54及び光閉じ込め層6を構成している半導体超格子6Gの井戸層6Wを構成している半導体層73及び74よりも狭いエネルギバンドギャップを有するように選定されている値を有する。
【0094】
以上が、本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の構成である。
【0095】
このような構成を有する本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置しての半導体レ―ザによれば、上述した事項を除いて、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザと同様の構成を有し、そして、半導体超格子4G及び6Gにおいて、それれらのそれぞれの井戸層4Wを構成している半導体層53及び54及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74が、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に準じて、InW4Ga(1-W4)N及びInW6Ga(1-W6)Nでそれぞれ構成され、ただし、それらにおけるそれぞれのW4及びW6のとり得る値の上限が[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合に比し高い値を有する、という点で、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザとの場合との間の相違を有するが、[発明の実施の形態4]に示す本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合で述べたように、一般に、AlxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じて、そのバンドギャップが広くなるのに比し、InxGa(1-x)Nの場合、そこにおけるxの値が大きくなるのに応じ、そのバンドギャップが狭くなり、そして、そのようなInxGa(1-x)Nで井戸層4Wを構成している半導体層53及び54及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74を構成している、ということ、及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74がそのようにInxGa(1-x)Nで構成されているのに対し、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52及び障壁層6Bを構成している半導体層71及び72が、一般にInxGa(1-x)Nとの間で顕著なヘテロ界面を形成するAlxGa(1-x)Nで構成されている、ということから、詳細説明は省略するが、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合との間で上述した相違を有していても、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザで述べたのに準じた理由で、図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの場合と同様の優れた特徴を得ることができることは明らかである。
【0096】
なお、上述においては、本願第1、第2、第3、第4及び第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置のそれぞれを、見掛け上の一例構成を有する半導体レ―ザに適用した場合で説明したが、本願第1、第2、第3、第4及び第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置のそれぞれは、そのような半導体レ―ザに適用する場合ばかりでなく、それ以外の見掛け上の構成を有する、1つまたは複数の半導体超格子を有する半導体レ―ザはもちろん、1つまたは複数の半導体超格子を有する半導体発光装置、ヘテロバイポ―ラトランジスタなどの種々の半導体装置に適用し得ることは明らかであろう。
【0097】
【発明の効果】
本願第1、第2、第3、第4及び第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置のそれぞれによれば、半導体超格子に、その障壁層と井戸層との間の界面に格子歪によって生成されるピエゾ電荷による電荷が存在しているというピエゾ電界効果が発生している状態に到っていることから、半導体超格子において、エネルギーポテンシャルの溝が顕著に形成されており、このため、そのエネルギーポテンシャルの溝に向かって、障壁層を構成している半導体層から、キャリアが多く吐き出されることによって、半導体超格子が高いキャリア濃度を有し、従って、半導体超格子が厚さ方向にみて格段的に低い抵抗しか有さず、よって、半導体超格子を通じて電流を供給して動作させる場合、その電流電源に高い電圧を必要とせず、また半導体超格子に高い発熱を伴わず、さらに、半導体超格子を光閉じ込め層とする場合、その半導体超格子が高い光閉じ込め効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を示す略線的断面図である。
【図2】図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおける、障壁層4Bを構成している半導体層41及び井戸層4Wを構成している半導体層42のそれぞれの厚さDB4及びDW4、及び半導体層41及び42をそれぞれ構成しているIn B4 Ga (1-B4) N及びIn W4 Ga (1-W4) NにおけるそれぞれのB4及びW4、及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける、障壁層6Bを構成している半導体層61及び井戸層6Wを構成している半導体層62のそれぞれの厚さDB6及びDW6、及び半導体層61及び62をそれぞれ構成しているIn B6 Ga (1-B6) N及びIn W6 Ga (1-W6) NにおけるそれぞれのB6及びW6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図3】図1に示す本願第1番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおけるエレクトロンエネルギー及びエレクトロン分布、及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおけるホールエネルギー及びホール分布を示す図である。
【図4】本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4G及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける、それぞれの障壁層4Bを構成している半導体層41及び障壁層6Bを構成している半導体層61のそれぞれの厚さDB4及びDB6、及びそれぞれの半導体層41及び61をそれぞれ構成しているAlB4Ga(1-B4)N及びAlB6Ga(1-B6)NにおけるそれぞれのB4及びB6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図5】本願第2番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4G及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける、それぞれの井戸層4Wを構成している半導体層42及び井戸層6Wを構成している半導体層62のそれぞれの厚さDW4及びDW6、及びそれぞれの半導体層42及び62をそれぞれ構成しているInW4Ga(1-W4)N及びInW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのW4及びW6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図6】本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態を示す略線的断面図である。
【図7】図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおける、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4、及び半導体層51及び52を構成しているAlB4Ga(1-B4)N及び半導体層53及び54を構成しているAlW4Ga(1-W4)NにおけるそれぞれのB4及びW4、及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6、及び半導体層71及び72を構成しているAlB6Ga(1-B6)N及び半導体層73及び74を構成しているAlW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのB6及びW6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図8】図6に示す本願第3番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおけるエレクトロンエネルギー及びエレクトロン分布、及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおけるホールエネルギー及びホール分布を示す図である。
【図9】本願第4番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおける、障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4及び井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4、及び半導体層51及び52を構成しているInB4Ga(1-B4)N及び半導体層53及び54を構成しているInW4Ga(1-W4)NにおけるそれぞれのB4及びW4、及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける、障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6及び井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6、及び半導体層71及び72を構成しているInB6Ga(1-B6)N及び半導体層73及び74を構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのB6及びW6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図10】本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおける障壁層4Bを構成している半導体層51及び52のそれぞれの厚さの和DB4及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける障壁層6Bを構成している半導体層71及び72のそれぞれの厚さの和DB6、及び半導体層51及び52を構成しているAlB4Ga(1-B4)N及び半導体層71及び72を構成しているAlB6Ga(1-B6)NにおけるそれぞれのB4及びB6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図11】本願第5番目の発明による半導体超格子を有する半導体装置としての半導体レ―ザの実施の形態の説明に供する、光閉じ込め層4としての半導体超格子4Gにおける井戸層4Wを構成している半導体層53及び54のそれぞれの厚さの和DW4及び光閉じ込め層6としての半導体超格子6Gにおける井戸層6Wを構成している半導体層73及び74のそれぞれの厚さの和DW6、及び半導体層53及び54を構成しているInW4Ga(1-W4)N及び半導体層73及び74を構成しているInW6Ga(1-W6)NにおけるそれぞれのW4及びW6のとり得る値の範囲としての条件範囲を示す図である。
【図12】従来の半導体超格子を有する半導体装置を示す略線的断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 バッファ層
3 半導体層
4 光閉じ込め層
4B 障壁層
4G 半導体超格子
4W 井戸層
5 発光層
6 光閉じ込め層
6B 障壁層
6G 半導体超格子
6W 井戸層
7 積層体
8 溝乃至切欠
9、10 電極
41 障壁層4Bを構成している半導体層
42 井戸層4Wを構成している半導体層
51、52 障壁層4Bを構成している半導体層
53、54 井戸層4Wを構成している半導体層
61 障壁層6Bを構成している半導体層
62 井戸層6Wを構成している半導体層
71、72 障壁層6Bを構成している半導体層
73、74 井戸層6Wを構成している半導体層
Claims (5)
- 障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、
上記半導体超格子の障壁層が、InBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDBの厚さを有する第1の半導体層でなり、
上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物をドープしているとともにDWの厚さを有する第2の半導体層でなり、
上記半導体超格子の井戸層を構成している第2の半導体層が、それを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、0.9≧W≧0.2で表される範囲内の値を有し、厚さDWについて、150A≧DW≧25Aで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、
上記半導体超格子の障壁層を構成している第1の半導体層が、それを構成しているInBGa(1-B)NにおけるBについて、W−0.2≧B≧0で表される範囲内の値を有し、厚さDBについて、DB>DW、200A−DB≧DWで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有することを特徴とする半導体超格子を有する半導体装置。 - 障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、
上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしているとともにDBの厚さを有する第1の半導体層でなり、
上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物をドープしているとともにDWの厚さを有する第2の半導体層でなり、
上記半導体超格子の障壁層を構成している第1の半導体層が、それを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、厚さDBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、
上記半導体超格子の井戸層を構成している第2の半導体層が、それを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、1>W≧0で表される範囲内の値を有し、厚さDWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有することを特徴とする半導体超格子を有する半導体装置。 - 障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、
上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じAlBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の井戸層が、AlWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じAlWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、
上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているAlWGa(1-W)NにおけるWについて、B−0.2≧W≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有することを特徴とする半導体超格子を有する半導体装置。 - 障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、
上記半導体超格子の障壁層が、InBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じInBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じInWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、0.9≧W≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、150A≧DW≧25Aで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、
上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているInBGa(1-B)NにおけるBについて、W−0.2≧B≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、DB>DW、200A−DB≧DWで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有することを特徴とする半導体超格子を有する半導体装置。 - 障壁層と井戸層とが交互順次に積層されている構成を有する半導体超格子を有する半導体装置において、
上記半導体超格子の障壁層が、AlBGa(1-B)N(ただし、Bは、一般に1以下の数)でなり且つ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第1の半導体層と、それと同じAlBGa(1-B)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第2の半導体層とが上記第1の半導体層上に上記第2の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の井戸層が、InWGa(1-W)N(ただし、Wは、一般に1以下の数)でなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を含め不純物を意図的にドープしていない第3の半導体層と、上記第3の半導体層と同じInWGa(1-W)Nでなり且つ上記第1の半導体層がドープしている不純物と同じ導電型を与える不純物を意図的にドープしている第4の半導体層とが上記第3の半導体層上に上記第4の半導体層が配されている態様で積層されている構成を有し、
上記半導体超格子の障壁層を構成している第1及び第2の半導体層が、それらを構成しているAlBGa(1-B)NにおけるBについて、0.9≧B≧0.2で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DBについて、400A≧DB≧25Aで表される範囲内の上記Bの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有し、
上記半導体超格子の井戸層を構成している第3及び第4の半導体層が、それらを構成しているInWGa(1-W)NにおけるWについて、1>W≧0で表される範囲内の値を有し、それらのそれぞれの厚さの和DWについて、DB>DW、600A−DB≧DWで表される範囲内の上記Wの値が大きくなるのに応じて小さくなる値を有することを特徴とする半導体超格子を有する半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21219599A JP3539896B2 (ja) | 1999-06-10 | 1999-07-27 | 半導体超格子を有する半導体装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16447799 | 1999-06-10 | ||
JP11-164477 | 1999-06-10 | ||
JP21219599A JP3539896B2 (ja) | 1999-06-10 | 1999-07-27 | 半導体超格子を有する半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001057464A JP2001057464A (ja) | 2001-02-27 |
JP3539896B2 true JP3539896B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=26489555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21219599A Expired - Fee Related JP3539896B2 (ja) | 1999-06-10 | 1999-07-27 | 半導体超格子を有する半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3539896B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9401452B2 (en) * | 2012-09-14 | 2016-07-26 | Palo Alto Research Center Incorporated | P-side layers for short wavelength light emitters |
JP6159796B2 (ja) | 2013-04-08 | 2017-07-05 | 学校法人 名城大学 | 窒化物半導体多層膜反射鏡とそれを用いた発光素子 |
-
1999
- 1999-07-27 JP JP21219599A patent/JP3539896B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001057464A (ja) | 2001-02-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7606278B2 (en) | Semiconductor laser, method of manufacturing semiconductor device, optical pickup, and optical disk apparatus | |
WO2014203856A1 (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
US20050040384A1 (en) | Semiconductor light-emitting element and method of manufacturing the same | |
JP2010532926A (ja) | 放射線放出半導体ボディ | |
JP2007019277A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP3014339B2 (ja) | 量子波干渉層を有した半導体素子 | |
US6580736B1 (en) | Semiconductor light emitting device | |
US6584130B2 (en) | Multiple semiconductor laser structure with narrow wavelength distribution | |
TWI742714B (zh) | 半導體雷射二極體 | |
JP5705222B2 (ja) | 電気的にポンピングされるオプトエレクトロニクス半導体チップ | |
JP3539896B2 (ja) | 半導体超格子を有する半導体装置 | |
US6956881B2 (en) | Stacked semiconductor laser diode | |
KR20060104510A (ko) | 3족 질화물 발광 소자 | |
JP2009158831A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP5388469B2 (ja) | 発光素子 | |
EP1207598A2 (en) | Surface emitting semiconductor laser | |
US5452316A (en) | Semiconductor laser having stacked active layers with reduced drive voltage | |
US20220271192A1 (en) | Optoelectronic semiconductor chip | |
US20100108983A1 (en) | Photocathode semiconductor device | |
JP5740865B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
TW202139552A (zh) | 具有載子再利用機制的垂直共振腔表面放射雷射二極體 | |
US6768755B2 (en) | Semiconductor laser device | |
JPH07288338A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP4296435B2 (ja) | 半導体レーザ | |
JPH0371797B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040323 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |