JP3539866B2 - 疲労性に優れた鋼線およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ばねやPC鋼線などに最適な疲労特性に優れた鋼線とその製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼線における重要特性は、▲1▼高い引張強さ、▲2▼高い靱性、▲3▼高い疲労強度などがあるが、伸線加工される鋼線では、高い引張強さと疲労強度は必ずしも両立しなかった、
【0003】
一般に伸線加工度が大きい程引張強度が高くなる。また、引張強度がある程度高くないと疲労強度が上がらない。しかし、加工度を大きくすることは塑性加工による材料のミクロ欠陥を増やすことになり、ミクロ欠陥が集まるとそれが起点で疲労破壊が早期に発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため疲労特性向上には適度な欠陥の導入による強度UPと適度な欠陥の集中回避が重要である。従来、伸線加工される鋼線は引張強度重視で、かつ靱性を高めるために熱処理を伸線後に施していた。最終製品としてはその時の強度を結果的に製品強度としていたが、疲労については特に向上させる試みはなされていなかった。
【0005】
本発明の主目的は、材料強度の向上と共に疲労破壊起点を最適に減少させることで高疲労特性を得られる鋼線とその製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明鋼線は上記の目的を達成するもので、その特徴は、パーライト組織を有し、化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%を含む鋼線であって、格子定数をaとしたとき、格子歪ΔaLSが下記の条件を満たすことにある。
0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×a
【0007】
ここで、鋼線の化学成分にはMnとCrの各々を1%以下含むことが望ましい。このような鋼線は、ばね加工やより加工を施して、疲労強度の求められる自動車部品用ばねとしたり、PC鋼より線,コントロールケーブル,スチールコード,パラレルワイヤなど補強用に用いられる鋼線として利用することが最適である。ばね加工した場合、その表面残留応力が引張応力で100MPa以下または圧縮応力であることが望ましい。なお、上記格子定数aは2.8665〜2.8695Åの範囲が適切である。
【0008】
また、本発明鋼線は、パーライト組織を有し、化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%を含む鋼線であって、格子定数をaとしたとき、格子歪ΔaLSが下記の条件を満たすことも特徴とする。
0.0025×a≦ΔaLS≦0.0035×a
この場合、格子定数aは2.8670〜2.8705Åであることが好ましい。
【0009】
さらに、上記の鋼線を製造するのに最適な本発明方法は、化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%、含むパーライト組織の鋼材を冷間加工し、冷間加工後の格子定数をa1 としたとき、同格子歪ΔaLS1 を下記の▲1▼の範囲内にする工程と、
▲1▼0.0025×a1 ≦ΔaLS1 ≦0.0035×a1
得られた鋼線に熱処理を施し、格子定数をa2 としたとき、格子歪ΔaLS2 を下記の▲2▼の範囲内にする工程とを具えること特徴とする。
▲2▼0.0005×a2 ≦ΔaLS2 ≦0.0015×a2
【0010】
ここで、鋼線の化学成分にはMnとCrの各々を1%以下含むことが望ましい。冷間加工には伸線、ローラダイス、スエージ、圧延、鍛造などが挙げられる。さらに、a1 の範囲としては2.8670〜2.8705Å、a2 の範囲としては2.8665〜2.8695Å程度が適切である。冷間加工により適度な歪導入を行って強度を適正化し、その後の熱処理によって適度に歪を除去し、ミクロ的な欠陥が集中することを回避して疲労破壊の起点をなくすことで疲労特性を向上させる。なお、従来の鋼線は、冷間加工後の格子定数a3 は2.8665〜2.8710Å、格子歪ΔaLS3 は0.001×a3 〜0.0045×a3 であった。また、熱処理後の格子定数a4 は2.8665〜2.8695Å、格子歪ΔaLS4 は0.0015×a4 以上であり、疲労強度は低かった。
【0011】
なお、パテンティング後の伸線(冷間加工)条件として、▲1▼ダイスアプローチ角が小さいほど、▲2▼加工度が小さいほど、▲3▼鋼線の引抜角度が小さいほど格子歪のばらつきが小さい。また、伸線加工後の熱処理条件として、熱処理温度が高いほど格子歪のばらつきを小さくできる。さらに、▲1▼Si量が多いほど格子定数は大きく、▲2▼冷間加工度が小さいほど格子定数のばらつきが大きくなり、▲3▼熱処理温度が高いほど格子定数のばらつきが大きくなる。
【0012】
後述する実験から明らかなように、上記のように格子定数と格子歪を規定することで疲労特性が飛躍的に向上することがわかった。つまり、今回初めて格子歪と疲労との相関を明らかにでき、格子歪を適正範囲に制御すれば疲労の起点になるような欠陥が除去できること、そして疲労特性を向上できることがわかった。
【0013】
格子定数そのものは従来材でも得られていた値である(ただし制御していたわけではない)。しかし、この格子定数に適した格子歪の範囲を規定することは今まで行われていなかった。すなわち、従来は単に引張強さが高ければ疲労強度も向上するだろうとの発想のもと、▲1▼パーライトの強度UP(パテンティング温度低下)、▲2▼伸線加工度UP、▲3▼素材の強度UP=高C化などが行なわれていたが疲労強度は向上しなかった。
【0014】
これに対して疲労強度が向上するための平均的な歪の量とその分布を制御すれば良いことを見い出した。平均的な歪の量は格子定数aが2.8665〜2.8695Åであれば望ましく、歪の分布は格子歪ΔaLSが0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×aであれば好ましいことがわかった。これらは従来のように、パテンティング条件,加工度,成分などだけでは疲労は上昇せず、最終製品の引張強度だけでは疲労強度は決まらないことを意味する。
【0015】
格子定数はX線回折法で求めることができる。また、格子歪もX線回折法で求められるが、一般的な回折ピークの半価幅などによる解析は定性的であり、半価幅を数値化しても、その持つ意味は材料的にはあいまいである。そこで、これらを精度良く評価できる手法を鋭意研究した結果、疲労特性を向上させられる材料範囲を明らかにすることができた。その方法は、従来の一般的なX線回析に対して、Wilson法と呼ばれる計算により格子歪を結晶子サイズと分離して求めるものである。
【0016】
まず、格子歪について説明する。これは結晶内部の単位格子の不均一な変形,回転,変位,加工などで生じ、ミクロ的には点欠陥や転位などが原因になっているものである。単位格子の大きさが歪のない理想的なサイズと比べて大きかったり、小さかったりして、応力的には引張力や圧縮力が残留する。このような材料についてX線回析で格子の大きさを測定すると、その回析ピークはシャープにならず幅が広がる。この幅の半価幅を評価する(ピーク高さの半分の高さ位置での幅を測定すること)ことで、歪の大小は大雑把に判断できる。
【0017】
しかし、この幅を広げるのは、単位格子の大小の他に、装置固有の広がり、結晶子サイズ(X線結晶粒径)がある。このため、正確に単位格子の大きさのばらつきを評価するためには、これらを分離する必要がある。これを正確に測定したのが格子歪である。
【0018】
格子歪の測定方法について説明する。この方法はセラミックスなどの評価にはよく用いられている方法である。数本の回析ピークの半価幅を求め、Wilson法と呼ばれる計算により格子歪と結晶子サイズとを分離して計算する。数本の回析ピークを測定し、半価幅(積分幅)を求める。今回は、110,200,211,220,311の5本を測定する。標準試料(今回は純鉄粉末)の同一回析ピークの半価幅を用いて装置定数を較正し、格子歪と結晶子サイズの影響のみによる半価幅を求める。横軸を[(Δ2θ) /(tanθ0sinθ0)]、縦軸を[(Δ2θ)2/tan2θ0]でプロットして切片を求める(結晶子サイズによる広がりをCauchy関数、格子歪による広がりをGauss 関数として近似)。求めた切片の平方根を4で割った値がここで求めた格子歪の値である。
【0019】
回析ピークは5本である必要はない。また、今回と同じ回析ピークを用いる必要もないが、回析ピークの本数は多いほど精度は高くなる。評価は歪の分布状態を示す値を用い、無名数(または%)で示す。なお、Δ2θ は半価幅(積分幅)で単位は「ラジアン」、θ0は回析角で単位は「度」である。このような評価により、所定のC量,Si量に対して格子歪を制御することで、従来の一般的なX線半価幅による評価では不可能であった高疲労特性化を達成できる。
【0020】
なお、本発明鋼線とその製造方法において、鋼線の化学成分,組織を限定したのは次の理由による。
C(0.7%以上、1.0%以下)は鋼線の強度を高めるには最も効果的な元素である。0.7%未満では十分な強度が得られず1.0%を越えると偏析の問題が発生して実用的でない。
Si(0.1%以上、0.5%以下)は、基本的には脱酸剤の効果を有し、非金属介在物の低減のために必要である。0.1%未満ではこの効果が小さく、0.5%を越えると鋳造などが困難となる。
MnはSiと同様脱酸剤の効果を有する。1%を越えると焼き入れ性が高くなりパーライト変態での時間が長くなり生産性が低くなる。
Crは強度UPには効果あるが、Mn同様焼き入れ性が高くなるので1%以下が適切である。
パーライト鋼としたのは、伸線加工する場合、強度と靱性のバランスが良好だからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、各実施例において、格子歪の求め方は前述した手法により行った。
(実施例1)
下記成分(単位は全て重量%)の供試材を溶解・鋳造後、熱間鋳造,熱間圧延し、その後下引伸線加工を施してパテンティング処理した。さらに冷間細径加工熱処理を行なって鋼線を製造した。得られた鋼線を疲労試験に供し、さらにX線回折で格子歪の測定を行なった。
【0022】
成分 C Si Mn Cr
従来材 0.82 0.21 0.51 0.05
開発材1 0.81 0.13 0.27 0.13
開発材2 0.80 0.42 0.25 0.12
比較材1 0.81 0.63 0.23 0.14
比較材2 0.80 0.05 0.32 0.12
【0023】
各工程でのサイズは、熱間圧延後が5.5mm、下引伸線後が3.6mmφである。また、パテンティングは570+(Si%×30)℃とした。さらに、冷間加工は穴ダイスによる引抜加工で行なった。開発材,比較材の伸線加工条件は、ダイスアプローチ角度は8°、1加工あたりの減面率は18〜15%とした。また、伸線速度は10m/分以下で単釜で伸線し、さらにダイス出口から釜へ接触するまでの引抜方向はダイス穴の中心軸から0.5°以内に制御した。この伸線加工により3.6mmφから1.6mmφまで加工した後、伸直加工して熱処理を行なった。この熱処理は350〜450℃×20分の範囲で実施した。開発材と比較材とは、化学成分を除き製造条件は同一である。
【0024】
一方、従来材における伸線加工は、アプローチ角11°、1加工当りの減面率20〜17%、伸線速度30〜500m/分の中から選択し、引抜方向は同角度を約1°とした(線くせをつけるため)。また、伸線後の熱処理条件は300〜350℃×20分である。
【0025】
上記方法によって得られた供試材でハンター式回転曲げ疲労試験を行い、疲労強度を求めると共にX線回折による格子定数,格子歪を求めた。伸線後と熱処理後の各々における格子定数と格子歪は次の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
この結果を疲労特性の結果と併せて図1のグラフに示す。このグラフから明らかなように、本発明鋼線である開発材1,2は格子定数をaとしたとき、0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×aの範囲において疲労限が高く、疲労特性に優れていることがわかる。これに対して、従来材,比較材1,2は疲労特性が劣る。これらのことから、▲1▼熱処理前、すなわち冷間加工後において、格子歪が0.0025a〜0.0035aの範囲に入ればよいこと、▲2▼熱処理後において、格子歪が0.0005a〜0.0015aの範囲に入ればよいことは明らかである。
【0028】
(実施例2)
開発材1を1.6mmφに伸線加工するところまで実施例1と同様に行った後、コイルばねに加工し、疲労試験を行なった。コイリング加工後の熱処理条件を300℃〜400℃まで変えたところ、残留応力は引張で250MPa〜圧縮で20MPaまでそれぞれ変化した。各熱処理条件で得られたばねを星型疲労試験機で疲労試験をした結果を図2のグラフに示す。その結果、格子定数をaとしたとき、0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×aの範囲において、引張で100MPa以下もしくは圧縮の残留応力のとき特に高い疲労限を示した。
【0029】
(実施例3)
開発材1の成分の鋼種を11.5mmφに圧延し、その直後沸騰水中で冷却してパーライト変態を行なった。この線材を4.22mmφと4.35mmφに伸線加工し、4.35mmφの鋼線を中心線、4.22mmφの鋼線を側線(6束)としてより線加工した。より線後、350〜450℃の範囲で熱処理し、降伏点を上昇させてPC鋼より線とした。なお、沸騰水冷却でなくても、鉛,ソルト,ミスト,強風などで冷却しても同様の効果が得られる可能性があることは容易に推測できる。
【0030】
伸線加工条件はサイズ以外は基本的には実施例1の条件と同じとした。この様にして得たPC鋼より線の引張疲労試験を行なった。疲労試験は86.4kg/mm2をmax荷重として破断までの全振幅荷重の大きさ(σA)を調べた。破断寿命は200万回とした。また、実施例1と同様に格子定数と格子歪も求めた。その結果を図3のグラフに示す。
【0031】
その結果、ここでも格子定数をaとしたとき、0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×aの範囲において全振幅荷重(σA )が大きく、疲労特性に優れていることがわかる。
【0032】
(実施例4)
開発材1の成分において3.65mmφでパテンティング後、伸線加工度および伸線後の熱処理条件を変化させてそれぞれの疲労強度を調べた。線径(加工度)以外は疲労試験条件,伸線加工条件および熱処理条件共に実施例1と同じである。伸線加工後と熱処理後の各格子定数をa1 ,a2 、格子歪をそれぞれΔaLS1 、ΔaLS2 として疲労特性との関係を図4に示す。
【0033】
このグラフから明らかなように、伸線加工後の格子定数をa1 としたとき、格子歪ΔaLS1 が0.0025×a1 ≦ΔaLS1 ≦0.0035×a1 の範囲で、熱処理後の鋼線の格子定数をa2 としたとき、格子歪ΔaLS2 が0.0005×a2 ≦ΔaLS2 ≦0.0015×a2 の範囲内のとき、高い疲労特性を具えていることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明鋼線によれば、格子定数と格子歪を特定することで、鋼線の疲労特性を飛躍的に向上することができる。従って、本発明鋼線をばねやPC鋼より線として有効に利用することができる。また、本発明製造方法は、本発明鋼線を製造するのに最適な方法であり、格子定数と格子歪を所定範囲に特定した鋼線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学成分,伸線条件および熱処理条件の異なる鋼線における格子歪/格子定数と疲労限との関係を示すグラフである。
【図2】コイルばねに加工した鋼線における格子歪/格子定数と疲労限との関係を示すグラフである。
【図3】PC鋼より線に加工した鋼線における格子歪/格子定数と疲労限までの全振幅応力との関係を示すグラフである。
【図4】伸線後の鋼線における格子歪/格子定数と疲労限との関係および熱処理後の鋼線における格子歪/格子定数と疲労限との関係を示すグラフである。
Claims (5)
- パーライト組織からなり、化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%、 Mn : 1 %以下(但し 0 を含まない)、 Cr : 1 %以下(但し 0 を含まない)を含み、残部が Fe と不可避的不純物からなる鋼線であって、格子定数aと格子歪ΔaLSが下記の条件を満たすことを特徴とする疲労性に優れた鋼線。
格子定数aが 2.8665 〜 2.8695 Å
0.0005×a≦ΔaLS≦0.0015×a - 請求項1記載の鋼線をばね加工し、その表面残留応力が引張応力で100MPa以下または圧縮応力であることを特徴とするばね。
- 請求項1の鋼線をより加工したことを特徴とするより鋼線。
- パーライト組織からなり、化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%、Mn : 1 %以下(但し 0 を含まない)、 Cr : 1 %以下(但し 0 を含まない)を含み、残部が Fe と不可避的不純物からなる鋼線であって、格子定数aと格子歪ΔaLSが下記の条件を満たすことを特徴とする疲労性に優れた鋼線。
格子定数aが 2.8670 〜 2.8705 Å
0.0025×a≦ΔaLS≦0.0035×a - 化学成分が重量%でC:0.7〜1.0%、Si:0.1〜0.5%、Mn : 1 %以下(但し 0 を含まない)、 Cr : 1 %以下(但し 0 を含まない)を含み、残部が Fe と不可避的不純物からなるパーライト組織の鋼材を一加工当たり 18 〜 15 %の減面率で冷間加工し、冷間加工後の格子定数a 1 と同格子歪ΔaLS1を下記の範囲内にする工程と、
格子定数a 1 が 2.8670 〜 2.8705 Å
0.0025×a1≦ΔaLS1≦0.0035×a1
前記冷間加工後、得られた鋼線に350 〜 450 ℃の熱処理を施し、格子定数a 2 と格子歪ΔaLS2を下記の範囲内にする工程とを具えること特徴とする疲労性に優れた鋼線の製造方法。
格子定数a 2 が 2.8665 〜 2.8695 Å
0.0005×a2≦ΔaLS2≦0.0015×a2
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