JP3539477B2 - 車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、ドアを外した状態のトラックのキャブを示し、キャブ1の出入口2の開口周縁部にはドアオープニングインナウェザストリップ(以下単に「ウェザストリップ」という)3が嵌着されている。図5に示すようにルーフパネル4のサイドルーフレール5の前部側のヘッダサイドレール6は、ルーフレールインナ7とルーフレールアウタ8から成り、後部側のバックサイドレール9は、バックインナ10とバックアウタ11から成る。ヘッダサイドレール6の前端部はフロントピラー12に連結され、後端部がバックサイドレール9の前端部に連結されている。
【0003】
また、ヘッダサイドレール6のルーフレールインナ7とルーフレールアウタ8との間、及びバックサイドレール9のバックインナ10とバックアウタ11との間には夫々部分的にルーフパネル4の上部にルーフデッキ等の架装部材の脚部を取り付けるための補強板13(図6)が設けられており、バックアウタ11の上部裏側所定位置には、ラダーを取り付けるための補強板14(図7)が設けられている。
【0004】
図6に示すようにルーフパネル4の両側の側縁部には下方へ折曲する折曲縁4aが設けられ、ルーフレールアウタ8及びバックアウタ11の上端部にも下方へ折曲する折曲縁8a、11aが設けられており、折曲縁4aと8aと11aとがスポット溶接されており、ルーフパネル4の両側に凹溝15が形成されている。この凹溝15の底部即ち、折曲縁4a、8a、11aとのスポット溶接を液密にシールためにボディシーラ16が塗布されている。
【0005】
ルーフパネル4の上部にルーフデッキを取り付けるためにルーフレールアウタ8及びバックアウタ11に複数の取付孔18が穿設され、この取付孔18に対応してウェルドナット20が補強板13に固定されている。ルーフパネル4の上部にルーフデッキ(図示せず)を取り付ける場合には、パッキン21を介してルーフデッキの脚部22を取り付け、ワッシャ、スプリングワッシャを介してボルト23を締結し、ボディシーラ24を全周塗布してシールする。また、ルーフデッキを取り付けない場合には、取付孔18を液密に閉塞するために樹脂ワッシャを介して取付孔18にボルト23を挿通しウェルドナット20に螺合している。
【0006】
図5に示すようにバックアウタ11の側部にラダーを取り付けるために当該バックアウタ11の上部にラダーを取り付けるための取付孔19が穿設され、図7に示すように取付孔19に対応してウェルドナット26が補強板14に固定されている。ラダー27の上部27aはパッキン28を介して取り付けられ、ワッシャ、スプリングワッシャを介してボルト29により固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ルーフパネル4にルーフデッキ等を架装した場合、脚部22を固定するボルト23の締め付け後ボディシーラ24を全周塗布してシールしているが、塗布不良によるシラー切れや紫外線等による劣化でシラー割れが発生した場合に、ボルト23の締付部から雨漏りして室内に浸入する場合がある。即ち、ボルト23の取付部から浸入した雨水は、ルーフレールインナ7、バックインナ10上に滴下し、これらのルーフレールインナ7、バックインナ10を伝わってルーフレールアウタ8との接合面からウェザストリップ3内に浸入し、当該ウェザストリップ3内を図4に矢印で示すように流れてサイドフロアから室内に浸入する。ラダー取付部から浸入した雨水は、補強板14の縁部に形成された溝14a(図7)を流れて前部に至り前記同様にウェザストリップ3内に浸入して室内に浸入する。
【0008】
このため、本発明では、複数のパネルを重合した車体の開口縁のフランジとこのフランジに嵌着されたウェザストリップとの隙間に浸入した雨水が車室内へ浸入することを防止し、車外に排水させるようにした車体構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1では、複数のパネルを重合した車体の開口縁に設けられたフランジとこのフランジに嵌着されたウェザストリップとの隙間に浸入した雨水の一部は、前記開口縁の縦辺部から底辺部に亘りフランジと協働して形成された断面がU状で底部が傾斜する溝に流入し、この溝の低位置に設けられている貫通孔から車外に排水される。これにより、前記雨水の車室内への浸入が防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明に係わる車体構造を適用したキャブの出入口の要部斜視図を示し、図2は、図1の側面図である。
図1は、トラックのキャブの出入口2のフロントピラー31の縦辺部から底辺部に亘る部位とサイドシルフロント32とサイドフロア33との接合部をキャブの外側斜め後方位置から見た図である。図1及び図2に示すようにフロントピラー31のフランジ31aの底辺部とサイドシルフロント32のフランジ32aの前端部とが重ね合わされてスポット溶着されている。
【0011】
サイドフロア33は、前部が上方に向かって湾曲して形成され(図2)、フランジ33aにはフロントピラー31の縦辺部から底辺部の終端に至る隅部に上方及び側方に開口する断面略L型をなす幅狭の凹部33bが内方(車室側)に窪んで形成されている。そして、凹部33bは、図2に示すように底面33cが前端から後端に向かって斜め下方に傾斜した傾斜面とされている。このサイドフロア33のフランジ33aは、フロントピラー31、サイドシルフロント32の各フランジ31a、32aと重ね合わされてスポット溶着されている。これにより、図3に示すようにフロントピラー31のフランジ31aと、サイドシルフロント32のフランジ32aと、サイドフロア33のL形の凹部33bとによりU字状の溝34が形成され、且つ底面33cが前端から後端に向かって斜め下方に傾斜する傾斜面とされている。
【0012】
図3に示すように溝34の底面33cの隅部とフランジ31a、32aとの接合部にシール部材35が塗布されて漏水が防止されている。サイドシルフロント32のフランジ32aには溝34の後端の低位置に側方に開口する排水孔32bが設けられており、更に当該排水孔32bの下方に凹部32cが下方に向かって設けられている。この凹部32cは、ドア40のドアインナ41に設けられているウェザストリップ42との間に溝を形成して排水孔32bから排出された水を下方に滴下させるためのものである。
【0013】
そして、当該キャブの出入口2の開口縁としてのフロントピラー31のフランジ31aには、図4と同様にウェザストリップ36が嵌着されており、その前側の端末36aが溝34の前部近傍に位置している。尚、当該キャブのルーフデッキ取付部、ラダー取付部等の構造は、図6、図7に示す従来構造と同様とされている。
【0014】
以下に作用説明する。
前述したようにルーフデッキの脚部を固定するボルトの取付部、或いはラダーの取付部等から浸入した雨水は、ルーフレールインナ上に滴下し、当該ルーフレールインナを伝わってルーフレールアウタとの接合面を通してウェザストリップ36内に浸入する。ウェザストリップ36内に浸入した雨水は、当該ウェザストリップ36に沿って前方に流れ(図4参照)、更に、フロントピラー31のフランジ31aとの間の隙間を下降する。
【0015】
そして、図1のようにウェザストリップ36の端末から流出された雨水の一部は、溝34に流入し、残部は、フランジ31a、32aの外側即ち、溝34の外側に流出する。溝34に流入した雨水は、当該溝34内を後方に向かって移動し、図3の矢印のように排水孔32bから排水され、更に凹部32cを通して下方に排水される。車両が走行しているときには、走行風により凹部32cの開口部が負圧となり、排水孔32bから凹部32cに流出した雨水は良好に車外に排水される。また、ウェザストリップ36からフランジ31a、32aの外側(溝34の外側)に流出した雨水は、ドア側のウエザストリップ42に沿って後方に流れ凹部32cから排水される。これにより、ウェザストリップ36の端末36aから流出した雨水が車室内に流れ込むことが防止される。
【0016】
尚、サイドシルフロント32のフランジ32aの排水孔32bの下方に排水用の凹部32cを設けて溝34内の雨水を車外下方に排水するようにしたが、ドア40側のウェザストリップ42に排水孔32bと対応する位置に切欠、或いは凹みを設けて排水するようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のパネルを重合した車体の開口縁に設けられたフランジとこのフランジに嵌着されたウェザストリップとの隙間に浸入した雨水の一部を、前記開口縁の縦辺部から底辺部に亘りフランジと協働して形成された断面がU状で底部が傾斜する溝に流入させ貫通孔から車外に排水させることで、簡単な構造で、ウェザストリップ内を流れて来る雨水等の車室内への浸入を防止し、且つ車外に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車体構造を適用したキャブの出入口の要部斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の矢線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】トラックのキャブの側面図である。
【図5】図4のキャブの要部組立斜視図である。
【図6】図4のキャブにルーフデッキを取り付けた場合の取付部の断面図である。
【図7】図4のキャブにラダーを取り付けた場合の取付部の断面図である。
【符号の説明】
1 キャブ
2 出入口(開口)
4 ルーフパネル
5 ルーフレール
31 フロントピラー
32 サイドシルフロント
33 サイドフロア
31a、32a、33a フランジ
34 U溝
35 シーラ
36 ウェザストリップ(ドアオープニングウェザストリップ)
Claims (1)
- 複数のパネル(31、32、33)を重合した車体の開口縁に設けられたフランジ(31a、32a、33a)と、前記フランジ(31a)にウェザストリップ(36)が嵌着された車体構造において、前記開口縁の縦辺部から底辺部に亘り前記フランジ(31a、32a、33a)と協働した断面がU状で底部(33c)が傾斜する溝(34)を形成し、前記溝(34)の低位置に当該溝(34)と車室外とを連通する貫通孔(32b)を設け、前記ウェザストリップ(36)と前記フランジ(31a)との隙間に浸入した水を前記溝(34)から前記貫通孔(32b)を通して車外に排水することを特徴とする車体構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28445798A JP3539477B2 (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | 車体構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP28445798A JP3539477B2 (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | 車体構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000108934A JP2000108934A (ja) | 2000-04-18 |
JP3539477B2 true JP3539477B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=17678792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28445798A Expired - Fee Related JP3539477B2 (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | 車体構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3539477B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-06 JP JP28445798A patent/JP3539477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000108934A (ja) | 2000-04-18 |
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