JP3539274B2 - アンテナ装置の冷却構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、限られた空間に搭載するアンテナ装置の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却構造を説明する。
図12は、排熱先より温度が低い冷却液を得るため、VCS(Vapor Cycle System:蒸気サイクルシステム)20を用いた冷却系構成ブロックを示す。1は冷却が必要なモジュール4を実装したアンテナ装置、16はアンテナ装置に冷却液を循環するためのポンプ、21はアンテナ装置で発生した熱を冷却液からフロンに熱移動させるためのエバポレータ、22はフロンを圧縮するためのコンプレッサ、23はアンテナ装置で発生した熱をフロンから燃料に熱移動させるためのコンデンサ、24はフロンを減圧させるためのバルブ、25はアンテナ装置で発生した熱を蓄える燃料タンクである。
26は冷却液系ライン、27はフロン系ライン、28は燃料系ライン、29はラインの流れ方向を示す。
【0003】
図13は排熱先より温度が低い冷却液を用いたアンテナ装置の冷却構造で、4は信号を増幅するために熱を発生し冷却が必要なモジュール、5はモジュールで増幅した信号を空間に放射するためのアンテナ素子、30はモジュールを冷却するための冷却液を循環させしかもモジュールを実装している冷却板である。
【0004】
次に動作について説明する。
アンテナ装置に実装されているモジュール4に電力を供給することにより、モジュール4内で信号が増幅され、増幅された信号はアンテナ素子5を介して、空間に放射される。
モジュール4において安定的に信号を増幅させるには、モジュール4を一定温度以下に冷却することが必要である。
アンテナ装置で発生した熱は、ポンプ16により循環している冷却液でエバポレータ21に輸送される。エバポレータ21では低温のフロンが気化することにより、アンテナ装置で発生した熱がフロンに熱移動し、アンテナ装置に供給される冷却液が冷却される。気化したフロンはコンプレッサ22により圧縮され高温高圧のフロンとなりコンデンサ23に流れる。コンデンサ23では循環している燃料により高温高圧のフロンが液化することでアンテナ装置で発生した熱がフロンから燃料に熱移動する。液化したフロンはバルブ24により減圧されエバポレータ21に流れて上記のサイクルを繰り返す。コンデンサ23によりアンテナ装置で発生した熱を奪った燃料は燃料タンク25に蓄積される。
【0005】
上記VCSの動作すなわちフロンの相変化によりアンテナ装置を冷却するための冷却液は、排熱先である燃料の温度よりも低い温度に冷却できる。
一方アンテナ装置においては、エバポレータ21で冷やされた冷却液がアンテナ装置に実装されている冷却板30に供給される。冷却板30には一定の温度以下に冷却が必要なモジュール4が実装されており、モジュール4から冷却板30までは熱伝導、冷却板30では冷却液による熱伝達によりモジュールが冷却される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置の冷却構造は、以上のように排熱先より温度が低い冷却液を得るためにVCSを用いた冷却系で構成されているので、冷却液系ライン、フロン系ラインおよび燃料系ラインが必要であり、これを搭載する航空機等の装置の改修規模が膨大であった。また、上記のラインを引き回せない狭い空間にアンテナ装置を搭載することができず、搭載場所に制限が生じていた。
【0007】
また、冷却液、フロン、燃料の漏れ対策も必要で構成が複雑であるとともに、冷却に係わる保守、点検、整備も困難であった。
更に、所要の冷却液温度を得るためには、コンプレッサ、バルブ、燃料流量およびフロン流量等の制御が必要となり、VCS等の冷却に必要な構造が複雑であり、構造の規模が膨大であった。
併せてアンテナ装置においても冷却液を循環させる必要があり、構造が複雑で構造の規模が大きくなった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、排熱先の温度より低い冷却が必要なアンテナ装置において、VCSを用いない冷却系で構成する。つまり冷却液系ライン、フロン系ラインおよび燃料系ラインを不要として狭い空間にも搭載できることを目的としている。
さらにアンテナ装置の放熱面である外壁をアンテナを搭載した航空機等の装置の外壁と兼用し、小型軽量なアンテナ装置にするとともに、搭載場所の自由度を上げることを目的とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造の外形図、図2および図3は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造図で、図2は図1のレドーム3を外した状態を、図3は図2のアンテナ素子5を外した状態を示す。図4は、この実施の形態によるアンテナ装置の断面図、図5は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造を航空機に搭載した図である。
【0010】
図1〜図4において、1はアンテナ装置、2は航空機の外壁に相当ししかもアンテナ装置1の放熱板でアンテナ装置の外壁となるスキン、3はアンテナ装置で増幅された信号を透過ししかもアンテナの前面となるレドームで、スキン2に取り付けてアンテナ装置の外形を構成する。4は信号を増幅するために熱を発生ししかも一定温度以下に冷却が必要なモジュール、5はモジュール4で増幅した信号を空間に放射するためのアンテナ素子でモジュールに接続されている。6は熱電性能の大きい半導体で構成され電力を供給することで冷却効果を得るペルチェプレートでアンテナ装置の両端に設け、両ペルチェプレートとも発熱(加熱)側6bはアンテナ装置の外壁となるスキン2に固定されている。7は2個のモジュールを上下に実装しているベースプレートで両端がペルチェプレートの吸熱(冷却)側6aに固定されている。ペルチェ効果は、2種類の半導体の両端を接続して電流を流すと一方の接点では発熱が起り、他の接点では吸熱が起る現象である。ペルチェプレート6はこの現象を利用した冷却器である。
【0011】
図4において、8a〜8dはモジュール4で発生した熱がスキン2から放熱されるまでの移動方向を示し、9はモジュール4底面とベースプレート7表面の間を示し、接触熱抵抗により温度上昇が発生する所である。
図5において、10a〜10cは航空機におけるアンテナ装置の搭載場所を示す。
【0012】
次に動作について説明する。
アンテナ装置に実装されているモジュール4に電力を供給することにより、モジュール4内で信号が増幅され、増幅された信号はアンテナ素子5およびレドーム3を介して、空間に放射される。
モジュール4において安定的に信号を増幅させるには、モジュール4を一定温度以下に冷却することが必要である。
【0013】
モジュール4はベースプレート7の上下に実装されているため、モジュール4から発生した熱はモジュール4とベースプレート7間の接触熱抵抗9を介してベースプレート7に熱伝導(8a)し、ペースプレート自身を伝導(8b)して、ペルチェプレートの吸熱(冷却)側6aに移動する。さらにペルチェプレートの発熱(加熱)側6bはスキン2に固定されているため、熱はスキン2に熱伝導8cされる。一方放熱板であるスキン2は航空機の外壁を兼用しているため、航空機が飛行時発生するラムエアーの熱伝達によりスキン表面から外気へ放熱(8d)される。つまりモジュール4で発生した熱はアンテナ装置のスキン2すなわち航空機の外壁から外気へ放熱される。
【0014】
またペルチェプレート7には電力が供給されており、ペルチェプレート7の冷却効果にともない吸熱(冷却)側6aは発熱(加熱)側6bより低い温度に冷却される。つまりペルチェプレートの吸熱(冷却)側6aが排熱先である外気よりも低い温度に冷却されることにより、モジュール4を一定温度以下に冷却することが可能となる。
また、モジュール4の両側にペルチェプレート6、スキン2を設け、アンテナ装置の両外壁であるスキン2を航空機の外壁と兼用しているため、アンテナ装置は航空機の主に尾翼10a等へ容易に搭載できる。
【0015】
以上のように、この実施の形態によれば、排熱先の温度より低い冷却が必要なアンテナ装置において、VCSを用いない冷却系で構成し、つまり冷却液系ライン、フロン系ラインおよび燃料系ラインが不要であり、さらにアンテナ装置の放熱面として航空機の外壁を活用するため、アンテナ装置を航空機に搭載するときの航空機の改修規模が縮小できるとともに上記のラインを引き回せない尾翼等にもアンテナ装置を搭載することができ、航空機の搭載場所の自由度を上げることができる効果がある。
【0016】
また、冷却液、フロン、燃料およびVCSが不要な冷却系であり、冷却の構成が単純で小型軽量になるとともに、冷却に関わる保守、点検、整備も容易となる効果もある。
さらに、アンテナ装置においても冷却液の循環が不要となり、小型軽量なアンテナ装置にできる効果もある。
一方、電力を供給するだけで排熱先の温度より低い温度を得ることができ、回転機能を有するポンプおよびコンプレッサが不要で、航空機の耐加速度等にともなう飛行制限が発生しない効果もある。
【0017】
実施の形態2.
この実施の形態は、実施の形態1に加えて、航空機の外壁と兼用しているスキンにフィンを設けることを特徴とし、放熱面積が大幅に増加し、実施の形態1よりスキンの温度が下がりモジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる。
【0018】
図6は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造で、レドームとアンテナ素子を取り外した状態を示す。図6において、4,6,7は図1〜図4と同じである。11はフィン付きスキンで航空機の外壁に相当ししかもアンテナ装置の放熱面でアンテナ装置の外壁となる。
【0019】
次に動作について説明する。モジュール4で発生した熱の移動およびモジュールの冷却に係わる動作は実施の形態1の動作と同じである。この実施の形態では、実施の形態1の動作に加えて、放熱面であるスキン2にフィン11を設けることにより、スキン2から外気への放熱量が放熱面積に比例するため放熱量が大幅に増加し、実施の形態1よりモジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレート7に供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0020】
実施の形態3.
この実施の形態は、実施の形態1に加えて、航空機の外壁寸法はアンテナ本体より大きいことを活用し、アンテナ装置の外壁でしかも航空機の外壁であるスキンをアンテナ本体より大きくしたことを特徴とし、放熱面積が増加し、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる。
【0021】
図7は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造図で、レドームとアンテナ素子を取り外した状態を示す。図7において、4,6,7は図1〜図4と同じである。12はモジュール4を積み重ねたアンテナ装置本体の寸法より大きい拡大スキンで航空機の外壁に相当ししかもアンテナ装置の放熱面でアンテナ装置の外壁となる。
【0022】
次に動作について説明する。モジュール4で発生した熱の移動およびモジュールの冷却に係わる動作は実施の形態1の動作と同じである。この実施の形態3では実施の形態1の動作に加えて、放熱面であるスキン2をアンテナ本体より大きくすることにより、スキン2からの放熱量が放熱面積に比例するため放熱量が大幅に増加し、モジュール4の温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレート7に供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0023】
実施の形態4.
この実施の形態は、実施の形態1に対して、航空機の外壁となるスキンおよびペルチェプレートをアンテナ装置の片側に備えたことを特徴とし、アンテナ装置の片側のスキンのみを航空機の外壁と兼用することにより、航空機で比較的厚みのあるの主翼や胴体等にもアンテナ装置を搭載できる。つまり、航空機の搭載場所の自由度を上げることができる効果がある。
【0024】
図8は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造図で、レドームとアンテナ素子を取り外した状態を示す。図8において、4,6,7は図1〜図4と同じである。13は航空機の外壁と兼用しているスキンをアンテナ装置の片側のみに実装した片側スキンである。
【0025】
次に動作について説明する。モジュール4で発生した熱の移動およびモジュールの冷却に係わる動作は実施の形態1の動作と同じである。この実施の形態では発明の実施の形態1の動作に対して、放熱面であるスキンをアンテナ装置の片側のみに実装しているため、モジュールで発生した熱はアンテナ装置の片側のみから航空機の外気へ放熱される。片面スキンで構成することで図5に示す通り、航空機の比較的厚みのある主翼10bや胴体10c等にもアンテナ装置を搭載できる。つまり航空機の搭載場所の自由度を上げることができる効果がある。
【0026】
実施の形態5.
この実施の形態は、実施の形態1に加えて、上下のモジュール2個とベースプレートを一体構造にしたことを特徴とし、モジュールとベースプレート間の接触熱抵抗により生じる温度上昇を無くし、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0027】
図9は、この実施の形態によるモジュールのケースの構造図である。14は2個のモジュールをひとつのモジュールとしてパッケージ化するためのケースで、実施の形態1における2個のモジュール4とベースプレート7を一体化した構造を有し、ケースの上下にモジュールの構成部品を実装できる。
【0028】
次に動作について説明する。モジュールで発生した熱の移動およびモジュールの冷却に係わる動作は発明の実施の形態1の動作と同じである。この実施の形態では、実施の形態1の動作に加えて、モジュールとモジュールを取り付けるベースプレートを一体構造とすることにより、モジュールとベースプレート間で発生する接触熱抵抗(図4の9)による温度上昇を無くし、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレート6に供給する電力を縮小することが可能である。
モジュールのケース14は、他の実施の形態においても用いることが出来、同様の効果を奏する。
【0029】
実施の形態6.
この実施の形態は、実施の形態3に加えて、アンテナ装置の外壁であるスキンに循環液パイプを内蔵したことを特徴し、循環液により熱を効率よくスキン全面に輸送できるため、スキン内の熱伝導で生じる温度上昇を抑えスキン内の温度を均一にでき、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0030】
図10は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造図で、レドームとアンテナ素子とを取り外した状態である。図10において、4,6,7は図1〜図4と同じである。15aは循環液が流れるパイプを内蔵している前方スキン、15bは循環液が流れるパイプを内蔵している後方スキン、15cはスキンに内蔵されている循環液パイプ、16は循環液を流すためのポンプ、17a〜17cは循環液の流れる方向である。
【0031】
次に動作について説明する。モジュール4で発生した熱のペルチェプレート6までの移動は実施の形態1の動作と同じである。実施の形態1の動作に加えて、この実施の形態では、アンテナ装置を運用させるとき、循環ポンプを動作させスキン15に循環液を流す。循環液は先ずアンテナ装置の前方となるモジュール側すなわち前方スキンを上から下に流れる(17a)。ペルチェプレートの発熱(加熱)側6bがスキンに固定されているため、循環液は上から下に流れながらモジュールの熱の一部を熱伝達し、分配された後アンテナ装置の後方すなわち後方スキンに流れる(17b)。アンテナ装置の後方スキンは前方スキンと同様に航空機の外壁と兼用しているため、ラムエアーにより循環液の熱は後方スキン表面から外気へ放熱される。さらに循環液は集合され、後方スキンの下から上に流れ(17c)、循環ポンプに戻り、上記サイクルを繰り返す。
なお前方スキン表面からは、モジュールの熱の一部が循環液を介さないで外気へ放熱される。
【0032】
つまり循環液を用いて熱を効率よく後方スキンに輸送できるため、スキン内の熱伝導で生じる温度上昇を抑えスキン内の温度を均一にでき、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能である。
【0033】
実施の形態7.
この実施の形態は、実施の形態3に加えて、アンテナ装置の外壁であるスキンにヒートパイプを内蔵したことを特徴とし、ポンプ等の駆動系がなくてもヒートパイプにより熱を効率よく輸送できるため、スキン内の熱伝導で生じる温度上昇を抑えスキン内の温度を均一にでき、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0034】
図11は、この実施の形態によるアンテナ装置の冷却構造図で、レドームとアンテナ素子を取り外した状態である。図11において、4,6,7は図1〜図4と同じである。18aはヒートパイプを内蔵している前方スキン、18bはヒートパイプを内蔵している後方スキン、18cはスキンに内蔵されてヒートパイプ、19はヒートパイプ内の冷媒の流れる方向である。
【0035】
次に動作について説明する。モジュール4で発生した熱のペルチェプレート7までの移動は実施の形態1の動作と同じである。発明の実施の形態1の動作に加えて、この実施の形態では、ペルチェプレートの発熱(加熱)側6bがスキン18に固定されているため、アンテナ装置の前方となるモジュール側すなわち前方スキン18aにおいて、モジュールで発生した熱の一部がヒートパイプに伝導され、ヒートパイプ内の冷媒が気化する。気化した冷媒はアンテナ装置の後方すなわち後方スキン18b側に流れる(19a)。アンテナ装置の後方スキン18bは前方スキン18aと同様に航空機の外壁と兼用しているため、ラムエアーにより冷媒の熱は後方スキン表面から外気へ放熱され、冷媒は液化する。液化した冷媒はアンテナ装置の前方すなわち前方スキン側に流れ(19b)、上記サイクルを繰り返す。
なお前方スキン表面からは、モジュールの熱の一部がヒートパイプを介さないで外気へ放熱される。
【0036】
つまりヒートパイプ内の冷媒の気液相変化により、ポンプ等の駆動系がなくても熱を効率よく輸送できるため、スキン内の熱伝導で生じる温度上昇を抑えスキン内の温度を均一にでき、モジュールの温度をさらに下げることができるとともにペルチェプレートに供給する電力を縮小することが可能となる効果がある。
【0037】
なお、上記の実施の形態では、アンテナ装置を搭載する装置として、航空機の場合を示したが、航空機に牽架できるポッド等に搭載した場合であっても、同様の効果を奏する。この発明に係るアンテナ装置の冷却構造は、従来はアンテナ装置を搭載することが困難だった限られた狭い空間にもアンテナ装置を容易に搭載可能とするものである。
【0038】
【発明の効果】
この発明に係るアンテナ装置の冷却構造は、一端においてアンテナモジュールからの熱を吸熱し、他端において放熱板に放熱するペルチェプレートをアンテナ装置の冷却器として用い、且つ、放熱板がアンテナ装置を搭載する装置の外壁を兼用するようにしたので、アンテナ装置の冷却構造が小型軽量化でき、限られた狭い空間にアンテナ装置を簡単に搭載できる効果を奏する。
【0039】
また、この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、放熱板にフィンを設ければ、放熱面積が増加することによりモジュールの温度を更に下げることができる。
【0040】
また、この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、放熱板の面積をアンテナ本体の面積より大とすれば、放熱面積が増加し、モジュールの温度を更に下げることができる。
【0041】
また、この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、ペルチェプレートおよび放熱板をモジュールの両側に設けるようにすれば、両側が装置の外壁であるような薄い空間にアンテナ装置を設置する場合に適した冷却構造とできる。
【0042】
また、この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、ペルチェプレートおよび放熱板をモジュールの片側に設けるようにすれば、比較的厚みのある空間にアンテナ装置を設置する場合に適した冷却構造とできる。
【0043】
また、この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、モジュールのケースとモジュールをペルチェプレートに固定するベースプレートを一体構造とすれば、モジュールのケースとベースプレート間の接触熱抵抗が無くなるので、モジュールの温度を更に下げることができる。
【0044】
この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、放熱板に液体が循環するパイプを内蔵するようにすれば、循環する液体により熱を効率良く放熱板全体に輸送でき、放熱板の温度を一定にでき、モジュールの温度を更に下げることができる。
【0045】
この発明に係るアンテナ装置の冷却構造において、放熱板にヒートパイプを内蔵すれば、ポンプ等の駆動系がなくとも放熱板内で熱を効率的に輸送でき、放熱板の温度を一定にでき、モジュールの温度を更に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の一実施の形態の外形を示す図である。
【図2】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の一実施の形態を示す図である。
【図3】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の一実施の形態を示す図である。
【図4】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の一実施の形態における熱の伝搬を示す図である。
【図5】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造を航空機に搭載する場所を示す図である。
【図6】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の他の実施の形態を示す図である。
【図7】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の他の実施の形態を示す図である。
【図8】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の他の実施の形態を示す図である。
【図9】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造で使用するモジュールのケースの構造を示す図である。
【図10】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の他の実施の形態を示す図である。
【図11】この発明に係るアンテナ装置の冷却構造の他の実施の形態を示す図である。
【図12】従来のアンテナ装置の冷却に係わる構成ブロックを示す図である。
【図13】従来のアンテナ装置の冷却構造を示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ装置、2 スキン(放熱板)、3 レドーム、
4 モジュール、5 アンテナ素子、6 ペルチェプレート、
6a ペルチェプレート吸熱(冷却)側、6b ペルチェプレート発熱(加熱)側、7 ベースプレート、
8 熱移動方向、9 接触熱抵抗、10 アンテナ装置の搭載場所、
11 フィン付きスキン、12 拡大スキン、13 片面スキン、
14 モジュールケース、15 循環液パイプ内蔵スキン、15a 循環液パイプ内蔵前方スキン、
15b 循環液パイプ内蔵後方スキン、15c 循環液パイプ、16 循環液ポンプ、
17 循環液の流れ方向、18 ヒートパイプ内臓スキン、18a ヒートパイプ内臓前方スキン、
18b ヒートパイプ内臓後方スキン、18c ヒートパイプ、19 ヒートパイプ内冷媒の流れ方向

Claims (8)

  1. アンテナ素子に信号を供給するモジュールと、このモジュールからの熱を外気に放出する放熱板と、一端において上記モジュールからの熱を吸熱し、他端において前記放熱板に放熱するペルチェプレートとを備え、前記放熱板がアンテナ装置を搭載する装置の外壁を兼用していることを特徴とするアンテナ装置の冷却構造。
  2. 放熱板にフィンを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  3. 放熱板の面積がアンテナ本体の面積より大であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  4. ペルチェプレートおよび放熱板をモジュールの両側に設けたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  5. ペルチェプレートおよび放熱板をモジュールの片側に設けたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  6. モジュールのケースとモジュールをペルチェプレートに固定するベースプレートとが一体構造であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  7. 液体が循環するパイプが放熱板に内蔵されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
  8. ヒートパイプを放熱板に内蔵したことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の冷却構造。
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