JP3539192B2 - 圧電発電機、電子機器及び携帯機器 - Google Patents

圧電発電機、電子機器及び携帯機器 Download PDF

Info

Publication number
JP3539192B2
JP3539192B2 JP06745098A JP6745098A JP3539192B2 JP 3539192 B2 JP3539192 B2 JP 3539192B2 JP 06745098 A JP06745098 A JP 06745098A JP 6745098 A JP6745098 A JP 6745098A JP 3539192 B2 JP3539192 B2 JP 3539192B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
piezoelectric body
mechanical strain
bimorph
generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06745098A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11266588A (ja
Inventor
泰治 橋本
司 舩坂
誠 古畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP06745098A priority Critical patent/JP3539192B2/ja
Publication of JPH11266588A publication Critical patent/JPH11266588A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3539192B2 publication Critical patent/JP3539192B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電効果を生じさせる圧電体を用いた圧電発電機及びこの圧電発電機を有する電子機器及び携帯機器等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の圧電発電機10及び電力系統20を示すものである。
【0003】
図13において、圧電発電機10は、圧電体2及び電力回収手段8を備えている。圧電体2は、バイモルフ型圧電体であって、第1の圧電層2a及び第2の圧電層2bにより構成されている。これら第1の圧電層2a及び第2の圧電層2bは、圧電効果を生じる圧電セラミック等により構成されている。
【0004】
また、この圧電体2は、図示しないハンマー等の加振手段によって、図13のA及びB方向に振動することになる。そして、このように圧電体2が振動すると、圧電効果により電力が発生することになる。
【0005】
具体的には、圧電体2が加振手段により振動させられ、例えば図13に示すAの方向に振れた場合、圧電層2aは圧縮させられ、これとは逆に圧電層2bは、引っ張られることになる。このとき、各圧電層2a,2b内の圧電性結晶に外部応力が負荷され、その応力に対応して電界が生じ、その分極方向に応じた電圧が生じることとなる。
【0006】
一方、例えば図13に示すように、圧電体2がB方向に振れた場合、圧電層2aは引っ張られ、これとは逆に圧電層2bは、圧縮されることになる。このときも各圧電層2a,2bには、その分極方向に応じた電圧が生じる。
【0007】
このように生じた電圧を電極等から電力として回収する手段が、電力回収手段8である。
【0008】
電力回収手段8は、圧電層2a,2bと接続されており、圧電層2a,2bに発生した電力を外部に供給するようになっている。すなわち、圧電発電機10は、出力端を開閉するスイッチ21を介して電力系統20に接続されている。
【0009】
電力系統20は、例えばダイオード22を用いた整流回路23やコンデンサ24等を用いて整流された電力を蓄える蓄電装置25を有している。なお、圧電発電機10を直に電子機器、時計等の携帯機器等の電力を消費する処理装置と接続することも可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして、圧電発電機10は、圧電体2を用いて発電するが、圧電体2の振動によって機械エネルギーを電気エネルギーに変換する、圧電体2の電気機械結合係数は、極めて低く、与えられた機械エネルギーのうち、一回の圧電体2の変位で電気エネルギーに変換される割合は、極めて小さいものとなる。
【0011】
このような、圧電発電機10を使用して十分な電力を電子機器等に供給するには、圧電体2の変位回数を増加させるため加振ハンマーを大型化したり、1変位での発電量を増すために圧電体2そのものを大型化する等が必要となる。また、圧電体2の振動減衰の大きな要因である、圧電体2の固定部からの損失を抑えるためには、この固定部の質量は振動部分の質量に比べ、大きいことが必要である。この場合、どうしても圧電発電機10が大型になってしまうという問題があった。
【0012】
一方、圧電発電機10を搭載しようとする電子機器等は、近年ますます小型化する傾向にあるため、十分な電力を供給できる圧電発電機10は、このような小型化する電子機器等に搭載できないという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上記課題を解消して、小型で且つ発電効率のよい圧電体を用いた圧電発電機及びこの圧電発電機を有する電子機器及び携帯機器を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明では、圧電体と、前記圧電体に変位を与える変位手段と、前記圧電体で発生した電力を供給する手段とを有し、前記変位手段によって前記圧電体のうち一の圧電体に機械的歪が与えられ、前記機械的歪によって生じた反力によって他の圧電体に機械的歪を生じさせる圧電発電機において、前記変位手段は、回動体と、前記回動体に偏心して取り付けられた偏心部と、を有するとともに、前記圧電体には、前記偏心部と係合するスライダ部が備えられていることを特徴とする。
本発明では、変位手段によって圧電体のうち一の圧電体に与えられた機械的歪が、この圧電体の機械的歪の反力によって他の圧電体に機械的歪を生じさせる構成となっている。したがって、一の圧電体の機械的歪の反力によって他の圧電体に機械的歪が生じさせることができる。このため、他の圧電体を機械的に歪ませるための応力をさらに変位手段から供給する必要がほとんどない。そして、本発明では、前記変位手段が回動体と、この回動体に偏心して取り付けられた偏心部とを有し、この偏心部が圧電体に備えられているスライダ部と係合しているため、この回動体の回動により、前記偏心部は、その位置が円弧状に移動する。この際、応力は、偏心部と係合している前記スライダを介し、前記圧電体に伝わることになる。
【0017】
また、本発明において、前記一の圧電体は、機械的歪が与えられた状態で配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明では、前記一の圧電体に予め機械的歪が与えられている。このため、前記一の圧電体に機械的歪を与えことなく、また、この一の圧電体の機械的歪の反力によって前記他の圧電体に機械的歪を生じさせることとなる。したがって、この一の圧電体及びこの他の圧電体を機械的に歪ませるための応力を変位手段から供給する必要がほとんどない。
【0021】
また、本発明では、前記一の圧電体及び他の圧電体は、機械的歪が与えられた状態で配置されていると共に、前記一の圧電体と前記他の圧電体が互に直交して配置され、前記一の圧電体及び他の圧電体に機械的歪が与えられない状態での交点が前記回動体の回転中心にほぼ一致することを特徴とする。
このため前記一及び他の圧電体の機械的歪エネルギーが、相互間で移動し外部に出てゆかないので、前記回動体からの機械的歪を生じさせるためのエネルギーを供給する必要がない。
【0022】
そして、本発明では、圧電体と、前記圧電体に変位を与える変位手段と、前記圧電体で発生した電力を供給する手段とを有し、前記変位手段によって前記圧電体のうち一の圧電体に機械的歪が与えられ、前記機械的歪によって生じた反力によって他の圧電体に機械的歪を生じさせる圧電発電機において、前記変位手段前記圧電体の表面を転動する転動運動体と、前記転動運動体を前記圧電体に押しつける加圧部とを備えることを特徴とする。
前記変位手段が、転動運動体と、この転動運動体を前記圧電体に押しつける加圧部とを備えるため、この加圧部によって押しつけられたこの転動運動体が前記圧電体の一の圧電体に機械的歪を与えることとなる。そして、この一の圧電体の機械的歪の反力がこの転動運動体に作用する。ここで、転動運動体は、前記圧電体の表面を転動しているため、この一の圧電体の機械的歪の反力を他の圧電体に伝え、この他の圧電体に機械的歪を生じさせることになる。このため、この他の圧電体を機械的に歪ませるための応力を加圧部から供給する必要がほとんどない。
【0023】
また、本発明では、前記圧電体に与えられる機械的歪が圧縮歪であることを特徴とする。
【0024】
本発明では、前記圧電体に与えられる機械的歪が圧縮歪であるので、投入可能な機械的歪エネルギーが引っ張り変形時に比べ極めて大きくでき、発電装置を小型化することが可能となる。
【0025】
また、本発明では、前記圧電体に与えられる機械的歪が厚みすべり変形であることを特徴とする。
【0026】
本発明では、前記圧電体に与えられる機械的歪が電気機械結合係数が高い厚みすべり変形であるため、より効率良く歪エネルギーを発電エネルギーに変換することが可能となる。
【0027】
また、本発明は、請求項1乃至に記載の圧電発電機を有する電子機器である。
【0028】
本発明では、前記圧電発電機により発生した電力を処理装置である電子機器に供給することとなる。
【0029】
そして、本発明では、前記圧電発電機を携帯機器に使用することが好ましい。
【0030】
本発明では、圧電発電機により発生した電力を処理装置である携帯機器に供給することとなる。
【0031】
また、本発明は、前記圧電発電機を、時計に使用することが好ましい。
【0032】
本発明では、前記圧電発電機により発生した電力を処理装置である時計に供給することになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
「第一の実施の形態について」
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電発電機を用いた例えば時計の一部を示す平面図及び断面図である。
【0035】
図1及び図2において、圧電発電機を用いた時計1000は、圧電発電機100とこの圧電発電機に生じた電力を回収する電力系統200とを有している。
【0036】
この圧電発電機100は、外部操作手段であるリュウズ120と、このリュウズ120に加えられたエネルギーを伝える輪列A130及び輪列B140とを有している。したがって、リュウズ120のつまみ122を回すことにより、リュウズ120の歯車121が回動することになる。この歯車121の回動は、輪列A130へ伝えられることになる。
【0037】
ここで、輪列A130は、輪列A130の回動中心である固定ピン131を中心に回動するようになっており、この固定ピンは、地板110上に固定されている。また、輪列A130は、リュウズ120の歯車121と歯合しているため、リュウズ120の歯車121の回動によってこの輪列A130も回動することになる。
【0038】
また、輪列B140は、輪列A130と歯合する部分を有する径の小さいかな142と回動体であるロータ160と歯合する部分を有する径の大きな歯車143とを有している。そして、この輪列B140は、地板110に設けられた軸受け111と輪列受け150との間に挟まれるようにして支持されており、回動軸141を中心に回動するようになっている。したがって、輪列A130の回動は、輪列B140へ伝えられることになる。
【0039】
以上のように、この圧電発電機100は、リュウズ120と、輪列A130及び輪列B140とを有しているが、そのほかに、輪列B140の回動が伝えられると共に偏心部である偏心ピン161を備えるロータ160やこの偏心ピン161と係合するスライダ171,181を備える圧電体であるバイモルフ型圧電体170,180等を有している。
【0040】
ここで、ロータ160は、図2に示すように、比較的径の小さい回動軸162と比較的径の大きい歯合部163とを有している。この回動軸162は、地板110に設けられたロータ軸受112によって回動可能に支持されている。ロータ軸受112はロータ160の倒れによる回転負荷の増加を防ぐため2段構成となっている。また、歯合部163は、上述のように、輪列B140の歯車143と歯合しているため、円盤部140の回動によって、ロータ160も回動することになる。
【0041】
このロータ160の歯合部163の上には、回動中心から偏心した位置に偏心ピン161が設けられている。この偏心ピン161は、偏心した位置に設けられているため、ロータ160の回動により、歯合部163の上を円を描くように移動することになる。また、この偏心ピン161とロータ160を一体に形成した場合は、この偏心ピン161とロータ160を安価に形成することができる。
【0042】
この偏心ピン161には、スライダ171,181が係合されている。スライダ171,181は、図1に示すように、平面図では、全体がコの字状となっており、このコの字の内側部分に偏心ピン161が当接するように配置されている。また、この偏心ピン161とスライダ171,181との摩擦を低下するために、偏心ピン161とスライダ171,181の間はルビーで構成されている。そのため、ロータ160の回動により、歯合部163の上を円を描くように偏心ピン161が移動すると、それと係合されているスライダ171,181も歯合部163の上を揺動することになる。
【0043】
このスライダ171,181の一端には、圧電体である例えばバイモルフ型圧電体170,180がそれぞれ取り付けられている。バイモルフ型圧電体170,180は、第1の圧電体170a,180aと第2の圧電体170b,180bをそれぞれ貼り合わせて形成されている。
【0044】
これら第1の圧電体170a,180aと第2の圧電体170b,180bの材質は、単結晶物質で構成される場合は、例えば水晶(SiO2 )、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )等により形成されている。また、セラミック物質で構成される場合は、例えば亜鉛ニオブ酸鉛(Pb(Znl/3−Nb2/3)O3
1−x−Pb Ti O3 x)xは組成により異なる。例えばx=0.09程度である。)、スカンジウムニオブ酸鉛(Pb{(Sc1/2Nb1/2)1−x Tix)}O3 xは組成により異なる。例えばx=0.425程度である。)等により形成されている。さらに、高分子素材で構成される場合はPVDF(CH2CF2)nやシアノビリデンと酢酸ビニルの交互共重合体(P(VDCN−VAc))等により形成されている。
【0045】
これらの物質は、その中に含まれている圧電性結晶に外部応力が負荷されるとその応力に対応して電界が生じ、その分極方向に応じた電圧が生じるという圧電効果を生じるようになっている。
【0046】
このような物質のうち、例えばセラミック物質の薄板で形成されている第1の圧電体170a,180aと第2の圧電体170b,180bを貼り合わせて構成されているのが、バイモルフ型圧電体170,180である。このようなバイモルフ型圧電体170,180を、図1における矢印Cの方向へ機械的歪を与えると、一方の圧電体、例えば第1の圧電体170aが伸び、他方の圧電体、例えば第2の圧電体170bが縮む。これによって、第1の圧電体170a及び第2の圧電体170bに圧電効果が生じ、電荷が発生することになる。
【0047】
ところで、バイモルフ型圧電体170,180のスライダ171,181が設けられていない他端は、バイモルフ固定板190にバイモルフ固定ネジによって固定されている。これにより、バイモルフ型圧電体170,180は、自由端であるスライダ171,181が設けられている端部が偏心ピン161によって揺動させられ機械的歪が発生することになる。
【0048】
なお、バイモルフ型圧電体170,180は、図1に示すように、相互に直交する方向、例えば略90度の角度をもって配置されている。さらに図1のようにバイモルフ型圧電体170及び180は、偏心ピン161との係合を取り外し歪が加わらない自然状態にしたときの交点がロータ160の回転中心とほぼ一致するように配置されている。
【0049】
このため図6に示すように、バイモルフ型圧電体170及び180をたわませて偏心ピン161と係合させると、バイモルフ型圧電体170の機械的歪が0のとき、バイモルフ型圧電体180の機械的歪は最大となる。
【0050】
この状態よりロータ160が90度回転すると、バイモルフ型圧電体180の機械的歪は0となり、バイモルフ型圧電体170の機械的歪は最大となる。
【0051】
本実施の形態に係る圧電発電機100は、以上のように構成されているが、この圧電発電機100の作用を以下に説明する。
【0052】
先ず、使用者等が手でリュウズ120のつまみ122を回動させると、リュウズ120の歯車121も回動する。この歯車121は、輪列A130に歯合しているため、この歯車121が回動すると、この輪列A130も固定ピン131を回動中心として、回動することになる。
【0053】
また、この輪列A130は、輪列B140のかな142と歯合しているため、この輪列A130が回動すると、輪列B140も回動することになる。また、この輪列B140の回動は、ロータ160の歯合部163を介し、ロータ160へ伝えられることになる。
【0054】
このようにして、リュウズ120に入力された運動エネルギーは、輪列A130及び輪列B140を経てロータ160の回動エネルギーとして伝わることになる。そして、ロータ160が回動軸162を中心に回動すると、ロータ160の歯合部163上に設けられている偏心ピン161が、歯合部163の上を円を描くように移動し、この偏心ピン161と係合しているスライダ171,181が図1における矢印Cの方向に揺動することとなる。
【0055】
このスライダ171,181の揺動によって、このスライダ171,181に取り付けられているバイモルフ型圧電体170,180も、それぞれ、その他端部がバイモルフ固定板190,190に固定されているため、揺動することとなる。
【0056】
このとき、バイモルフ型圧電体170,180は、図1に示すように、相互に直交する方向、例えば略90度の角度をもって配置されており、その自然状態の交点がロータ160の回転中心とほぼ一致しているので、このバイモルフ型圧電体180に生じた機械的歪の反力は、バイモルフ型圧電体180のスライダ181、偏心ピン161を介して、スライダ171とバイモルフ型圧電体170へと伝えられる。そして、この機械的歪の反力は、バイモルフ型圧電体170の機械的歪エネルギーとなる。
【0057】
また、バイモルフ型圧電体170に与えられた機械的歪は、機械的歪の反力を生じさせ、この機械的歪の反力は、スライダ171、偏心ピン161を介してスライダ181とバイモルフ型圧電体180に伝えられる。
【0058】
このように、一度、例えばバイモルフ型圧電体180に与えられた機械的歪エネルギーは、このバイモルフ型圧電体180と直交する方向、例えば略90度の角度をもって配置されているバイモルフ型圧電体170との相互間で移動することになる。
【0059】
したがって、偏心ピン161にバイモルフ型圧電体170及び180を係合させて組み立てる際に加えられた機械的歪はバイモルフ型圧電体170及び180の相互間で移動し、外部に出て行かないので、ロータ160の回動エネルギーから機械的歪を生じさせるためのエネルギーを供給する必要がない。
【0060】
ゆえに、ロータ160の回動エネルギーから、バイモルフ型圧電体170,180にその都度、機械的歪エネルギーを供給する必要がないため、この回動エネルギーのうち摩擦損失等を除いた部分は、すべて発電エネルギーに変換することができる。このため、極めて発電効率が高い圧電発電機100を提供することができる。また、バイモルフ型圧電体170,180へ運動エネルギーを供給するのが、大型のハンマー等の加振手段でなく、小型のロータ160及び偏心ピン161であるため、圧電発電機100を薄型化及び小型化が可能になる。また、偏心ピン161とスライダ171,181をルビーで構成しているため、摩擦力が低減され発電効率が向上することになる。
【0061】
なお、他にも偏心ピン161とスライダ171、181の間にベアリングを設け、ころがり接触にする場合、スライダ171、181をオイルメタルや樹脂で形成する場合、又はスライダ171、181と偏心ピン161の表面にDCL(Diamond like Carbon)や窒化ーチタン等の硬質膜を付加する等の摩擦力を低減する他の構成によっても発電効率の向上は可能である。
【0062】
また、以下に、上述のようにバイモルフ型圧電体170とバイモルフ型圧電体180とが直交するする方向、例えば略90度の角度をもって配置されている場合に、一度、例えばバイモルフ型圧電体180に与えられた機械的歪エネルギーが、バイモルフ型圧電体170との相互間で移動する状態を詳細に説明する。
【0063】
図3は、バイモルフ型圧電体180とバイモルフ型圧電体170が略90度の角度をもって配置されており、偏心ピン161はバイモルフ型圧電体180とバイモルフ型圧電体170とに係合するように配置されている。
【0064】
ここで、バイモルフ型圧電体170及び180は、スライダ171、181の取り付けられていない他の端を、バイモルフ固定板(図示せず)にバイモルフ固定ネジ191で固定されている。
【0065】
また、バイモルフ型圧電体170の中立位置は図中のx軸、バイモルフ型圧電体180の中立位置は、図中のy軸、偏心ピン161の回転中心は、図中の原点であるものとする。
【0066】
バイモルフ型圧電体170のたわみ角は非常に小さいので、これを無視すると、バイモルフ型圧電体170の機械的歪による反力FAはy軸方向に働き、その大きさはy軸方向の変位をΔyとするとフックの法則により、
FA=kB×Δy1・・・・・(1)
ただし、kAはバイモルフ型圧電体170のバネ定数とする。
【0067】
同様にバイモルフ型圧電体180の機械的歪による反力FBはx軸方向に働き、その大きさはx軸方向の変位をΔx1とするフックの法則により、
FB=kB×Δx1・・・・・(2)
ただし、kBはバイモルフ型圧電体180のバネ定数とする。
【0068】
図中に示すように偏心ピン161の回転中心からの偏心量をrとし、回転角θをx軸から反時計回りに取るものとすると、偏心ピン161のx軸方向及びy軸方向の変位x1、y1はそれぞれ、
x1=r×cos(θ)・・・・・(3)
y1=r×sin(θ)・・・・・(4)
となる、偏心ピン161とスライダ171、181のガタを無視すると、Δx1とx1及びΔy1とy1は、それぞれ等しくなるので、式(1)及び式(2)は、
FA=kA×r×sin(θ)・・・・・(5)
FB=kB×r×cos(θ)・・・・・(6)
と変形できる。
【0069】
ここで、図4に示すように、偏心ピン161に対するバイモルフ型圧電体170の機械的歪による反力FAを、偏心ピンの描く軌跡の半径方向(r)の成分のFArと、接線方向の成分FAsに分解すると、
Figure 0003539192
となる。
【0070】
ただし、FArは、中心軸向きの力を正とし、FAsは偏心ピン161の描く軌跡に対して反時計回りに働く力を正とする。
【0071】
同様に図5に示すように、偏心ピン161に対するバイモルフ型圧電体180の機械的歪による反力FBを、偏心ピンの描く軌跡の半径方向(r)の成分FBrと、接線方向の成分FBsに分解すると、
Figure 0003539192
となる。
【0072】
ただし、FBrは、中心軸向きの力を正とし、FBsは偏心ピン161の描く軌跡に対して反時計回りに働く力を正とする。
【0073】
式(8)及び式(10)においてkA=kBとすると、任意のθにおいて、
FAs+FBs=0・・・・・(11)
が成立する。
【0074】
このため、偏心ピン161には半径方向(r)の力FAr及びFBrのみが働き、ロータ160を回転させるために必要な力は、偏心ピン161とスライダ171、181との間に働く摩擦力と、バイモルフ型圧電体170及び180の発電の反作用による力とをあわせたものとなる。
【0075】
すなわち、バイモルフ型圧電体170と180は、偏心ピン161を介して、機械的歪エネギーを互いに移し替えているため、偏心ピン161を回転させるために、外部より機械的歪エネルギーを供給する必要がない。
【0076】
そして、バイモルフ型圧電体170及び180を単独でみれば、偏心ピン161が1回転する間に機械的歪エネルギーが0から最大まで変化するため、上記機械的歪エネルギーとバイモルフ型圧電体170または180の電気機械結合係数の積に応じた電気エネルギーを電力系統200に出力することが可能となる。
【0077】
また、バイモルフ型圧電体170及び180の持っている機械的歪エネルギーは、バイモルフ型圧電体170および180を偏心ピン161に係合させるとき供給されたものであるため、1度組立を行ってしまえば機械的歪エネルギーを新たに加える必要はない。
【0078】
このように、圧電発電機100によって発電を行うためには、リュウズ120より発電機の出力する電気エネルギーと、機械的な摩擦によって損失されるエネルギーを供給すればよいことになり、高い発電効率が実現される。
【0079】
したがって、従来の圧電発電機10のように、発電する度に外部より圧電体に大きな機械的歪エネルギーを入力する必要がないので、複雑な加振機構が不要となり、圧電発電機の小型化を安価に実現できることになる。
【0080】
以上のように本実施の形態に係る圧電発電機100は作用する。そこで、この圧電発電機100に生じた電力を回収する上述の電力系統200について以下、説明する。
【0081】
この電力系統200は、バイモルフ型発電体170,180に発生した電力を圧電体170a,180a,170b,180bから回収する手段である電力回収部210a,210b,210c,210dを有している。この電力回収部210a,210b,210c,210dで回収された電力は、複数のダイオードを用いた整流部220a,220bによって整流された後、蓄電手段である例えば、コンデンサ230に蓄えられることになる。
【0082】
このように蓄えられた電力を処理装置である、例えば時計ムーブメント240に供給することで、時計が動作することとなる。
【0083】
なお、本実施の形態では、蓄電手段としてコンデンサ230を用いているが、リチウムイオン2次電池やNi−cdなど、蓄電能力があるものを用いても良い。また、コンデンサ230等の蓄電手段を用いずに直接、処理装置である例えば時計ムーブメント240へ電力を供給しても良い。
【0084】
さらに、整流部の回路構成も本実施の形態で述べた全波整流方式に限定されず、半波整流やインバータ等を用いた整流回路であっても良いことはもちろんである。
【0085】
以上のように、本実施の形態に係る圧電発電機を用いた時計によれば、小型で発電効率が高い時計を提供することができる。
【0086】
「第2の実施の形態について」
図7及び図8は、本発明の第2の実施の形態に係る圧電発電機を用いた時計を表す図である。本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施の形態において説明を省略した他の構成も第1の実施の形態と同様である。以下、本実施の形態を、上述の第1の実施との差異を中心に説明する。
【0087】
本実施の形態においては、先ず、図7において示されているように、圧電体であるバイモルフ型圧電体370,380,375,385が4つ配置されている。このバイモルフ型圧電体370,380,375,385のうち、バイモルフ型圧電体380及び370には、それぞれスライダ480、470が設けられている。また、このバイモルフ型圧電体380及び370は、相互に直交方向、例えば90度の角度が生じるように配置されている。
【0088】
このスライダ480、470は、変位手段であるロータ260の図8において上部に設けられている偏心部である偏心ピン261と、例えばベアリング等を介して係合している。このロータ260は、リュウズ120、輪列A130及び輪列B140によって伝えられた運動エネルギーがロータ歯車266を介して回動するようになっている。
【0089】
そして、バイモルフ型圧電体385及び375には、図8に示すように、それぞれスライダ485、475が設けられている。このバイモルフ型圧電体385及び375も、相互に直交方向、例えば90度の角度が生じるようにに配置されている。
【0090】
このスライダ485、475は、ロータ260の図8において下部に設けられている偏心ピン262と、例えばベアリング等を介して係合している。
【0091】
このようにバイモルフ型圧電体370,380,375,385が係合している偏心ピン261、262を有するロータ260は、図8に示すようになっている。
【0092】
すなわち、ロータ260は、一方のロータ軸261aが、輪列受510の軸受511によって支持されていると共に、他方のロータ軸262aが、地板410に設けられている軸受411によって支持されている。そして、この軸を回動中心として回動するようになっている。具体的には、上述のように、リュウズ120、輪列A130及び輪列B140によって伝えられた運動エネルギーがロータ260のロータ歯車266に伝わり、ロータ260が回動するようになっている。
【0093】
このロータ260の上端部と下端部に配置されているロータ軸261a及びロータ軸262aの、それぞれ内側には偏心ピン261及び偏心ピン262が設けられている。これら偏心ピン261、262は、それぞれロータ軸261a、262aによって決められているロータ260の回動中心より偏心した位置に設けられているため、ロータ260がロータ軸261a,262aを中心に回動すると、円を描くように移動することとなる。
【0094】
このように移動する偏心ピン261及び262は、これらと係合しているスライダ470、480、475、485を揺動させることになる。これは、第1の実施の形態と同様に、予めバイモルフ型圧電体370および380を偏心ピン261に係合させるときに、与えられた機械的歪エネルギーが、このバイモルフ型圧電体380及びこれと略90度の角度をもって配置されているバイモルフ型圧電体370の間で移動することとなる。
【0095】
また、同様に、偏心ピン262を介してバイモルフ型圧電体375に与えられた機械的歪は、このバイモルフ型圧電体375及びこれと略90度の角度をもって配置されているバイモルフ型圧電体385の間で移動することとなり、その後、ロータ260から機械的歪エネルギーをバイモルフ型圧電体375、385に供給する必要がほとんどなくなることになる。
【0096】
このように、機械的歪エネルギーをさらにロータ260から供給する必要がほとんどない点は、第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、略90度の角度を有して配置されているバイモルフ型圧電体が二組設けられている。したがって、発電量は、第1の実施の形態に比べ格段に増加することになる。
【0097】
また、バイモルフ型発電体へのエネルギーの供給は、クランク状に偏心ピン261、262が設けられている一つのロータ260で行うため、部品を安価に製造できるだけでなく、偏心ピン161、262の偏心量の制御が容易となる。
【0098】
さらに、ロータ260を中心に放射線状に4つのバイモルフ型圧電体385、375、370、380が配置されているため、バイモルフ型圧電体385、375、370、380からの力をほぼつりあわせることができる。このため、第1の実施の形態と異なり、ロータ軸261a,262aへ加わる力を極めて小さくすることができ、軸損失を減らすことができる。
【0099】
したがって、本実施の形態では、小型で発電量が大きく、かつ、より発電効率が高い圧電発電機及びこれを用いた時計等を提供することができる。
【0100】
「第3の実施の形態について」
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る圧電発電機の要部を表した図である。
【0101】
図9において圧電体は分極処理された例えば圧電セラミック570、580とこの圧電セラミック570、580へ応力を加える転動運動体であるボール590と、このボール590を圧電セラミック570、580へ押しつけるための加圧部560が示されている。また、この圧電セラミック570、580の機械的歪によって生じる電力を回収するための電力回収部700,700と整流部710、710、及びコンデンサ720等が示されている。
【0102】
本実施の形態においては、図示しない外部操作部であるりゅうずや輪列等により外部から与えられた運動エネルギーが加圧部560を経てボール590へ伝えられることになる。
【0103】
このとき、ボール590は、圧電セラミック570、580の表面を転がるように配置されている。また、この圧電セラミック570、580は、図においてその上面と下面に電極が設けられている。そして、この圧電セラミック570、580は、応力によって機械的歪が生じると、その分極方向に電圧が生じるようになっている。
【0104】
ここで、加圧部560により押しつけられたボール590は、図示するように、例えば圧電セラミック580と570を押しつけることになる。このように押しつけられた圧電セラミック580及び570には、機械的歪が生じ、この機械的歪の反力、すなわち復元力が生じることになる。この状態を示したのが、図9(2)である。
【0105】
図(2)において、ボール590は、図において左から右へと転動している。このため圧電セラミック570及び580のボール590による変形量は、ボール590の中心よりも、転動して行く移動方向側の領域Dで増加し、反対側の領域Cで減少する。
【0106】
このとき、詳細な計算は省略するが、転動中にボール590に加わる加圧力(図示せず)が一定であるとすると、領域Cの変形の復元によるボール590の転動トルクと、領域Dの変形の増加に必要なボール590の転動トルクは、大きさが等しく、方向が反対である。
【0107】
このためボール590には、図中の上下方向の力のみが働き、ボール590を転動させるために必要なトルクは、ボール590と圧電セラミック570、580、加圧部560の間に働く摩擦力と、圧電セラミック570と580の発電の反作用による力をあわせたものとなる。
【0108】
すなわち、第1及び第2の実施の形態と同様に、圧電セラミック570と580は、ボール590を介して機械的歪エネルギーを互いに移し替えあっているため、ボール590を回転させるために外部より新たな機械的歪エネルギーを供給する必要がない。
【0109】
そして、圧電セラミック570及び580を単独でみれば、ボール590が1往復する間に機械的歪エネルギーが、0から最大まで変化するため、上記機械的歪エネルギーと圧電セラミック570または580の電気機械結合係数の積に応じた電気エネルギーを電力系統700に出力することが可能となる。
【0110】
この圧電セラミック570および580の持っている機械的歪エネルギーは、圧電セラミック570および580上にボール590を乗せ、加圧部560を配置して組立を行ったときに、供給されたものであるため、1度組立を行ってしまえば機械的歪エネルギーを新たに加える必要はない。
【0111】
このような本実施の形態に係る圧電発電機によって発電を行うためには、発電機が出力する電気エネルギーと機械的な摩擦によって損失されるエネルギーとを外部操作部より供給すればよいことになり、高い発電効率が実現されることになる。
【0112】
本実施の形態においては、第1にボール590による転動を利用するため、摩擦等の損失を極めて小さくできる。また、第2に圧電セラミック570及び580の電気機械結合係数を、第1及び第2の実施の形態で用いた変形形態と比べ高くすることができる。さらに、第3には、圧電セラミックは、一般に圧縮変形時に投入可能な機械的歪エネルギーが、引っ張り変形時に比べて極めて大きいことから、発電効率と1回の機械的歪の移動で得られる電気エネルギーの量は、第1及び第2の実施の形態に比べ飛躍的に大きくすることが可能である。
【0113】
したがって、より小型で発電効率の高い圧電発電機を得ることができる。
【0114】
さらに、圧電セラミック570及び580は、一体の圧電セラミックとして構成し、電極572及び582を分割した構成としてもよい。これにより、より低コストの圧電発電機を得ることができる。
【0115】
図10は、図9に示した本実施の形態に係る圧電発電機の要部を適用した圧電発電機を示す図である。
【0116】
図において、圧電セラミック580、570等は、図10(3)に示すように、円周方向に複数配置されている。また、ボール590も、図(1)に示すように、複数配置されている。さらに、加圧部560は、その中心軸を回動中心として回動可能に配置されている。
【0117】
したがって、加圧部560の回動によって、複数のボール590が圧電セラミック570、580の上面を転動するため、このそれぞれのボール590と圧電セラミック570、580等との間で、上述の機械的歪エネルギーの伝達が生じることになる。したがって、加圧部560等によりボール590に与えられたエネルギーは、より効率よく発電エネルギーへ変換することができる。また、ボール590が複数配置されているとともに、圧電セラミック580、570等も円周方向に複数配置されているので、発電量を大きくすることが可能となる。
【0118】
また、本実施の形態においては、圧電体として単板のみではなく、積層圧電素子や薄膜圧電素子等を適用することもできる。
【0119】
図11は、図10の実施の形態の第1の変形例を示す図である。本変形例においては、図11(1)及び(2)に示すように、中心に軸が設けられており、この軸の回りには複数のボール590が配置されている。また、複数のボール590の外側には、周方向に圧電セラミック570、580等が配置されている。
【0120】
したがって、別途加圧機構を設ける必要がないので、簡易な構成で圧電発電機の小型化、低コスト、高信頼性を実現することができる。
【0121】
本実施の形態では、転動運動体としてボール590を適用したが、これに限らずころ状のものであってもよい。この場合、ころ状の転動運動体はボール590より、圧電セラミック570、580に対する接触面積が大きくなり、より小さな応力で大きな機械的歪エネルギーを与え得るので、発電量を大きく、かつ圧電発電機の信頼性をさらに高めることができる。
【0122】
図12は、本実施の形態の第2の変形例を示した図である。本変形例の圧電セラミック670は、図(1)にしめす中空の円筒形で形成されており、内周から外周方向に分極されている。このように配置された圧電セラミック670の中空部にクランク軸870を挿入し回動させると、圧電セラミック670の上面670aと下面670bは、図(3)のように変形する。これにより、圧電セラミク670には、厚みすべり変形が生じ、これが機械的歪となることになる。
【0123】
このような厚みすべり変形は、通常、同一の圧電素子を使用するうえで、電気機械結合係数が最も高いため、1回の機械的歪の移動で得られる電気エネルギーの量を飛躍的に大きくすることが可能である。したがって、より小型な圧電発電機を得ることができる。
【0124】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形を行うことができる。
【0125】
本発明における時計の概念としては、腕時計、置き時計、掛け時計等を含むものである。また、本発明における電子機器の概念としては、時計に限らず、電子卓上計算機、電子手帳、携帯型コンピューター、ページャー、ポケットベル等を含むものである。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、小型で且つ発電効率のよい圧電体を用いた圧電発電機及びこの圧電発電機を有する電子機器及び携帯機器を提供することができる。
そして、本発明の請求項1によれば、一の圧電体の機械的歪の反力によって他の圧電体に機械的歪が生じさせることができるため、この他の圧電体を機械的に歪ませるための応力をさらに変位手段から供給する必要がほとんどない。したがって、他の圧電体を機械的に歪ませるための応力をさらに変位手段から供給する必要がほとんどないため、変位手段により他の圧電体に与えられた歪エネルギーは、摩擦損失等を除き、その他のほとんどが発電エネルギーとなり、発電効率がよくなる。
また、本発明の請求項4によれば、他の圧電体を機械的に歪ませるための応力を加圧部から供給する必要がほとんどない。また、転動運動体の転動を利用しているため、摩擦損失が小さくなる。このため、加圧部により転動運動体を介して与えられた応力を極めて効率良く発電エネルギーに変換することが可能となり、発電効率が極めて良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧電発電機を用いた例えば時計の一部を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧電発電機を用いた例えば時計の一部を示す断面図である。
【図3】バイモルフ型圧電体に与えられた機械的歪エネルギーが、他のバイモルフ型圧電体との相互間で移動する状態を説明する図である。
【図4】バイモルフ型圧電体のスライダに加わる力FAを半径方向(r)の成分FArと接線方向の成分FAsに分解した図である。
【図5】他のバイモルフ型圧電体のスライダに加わる力FBを半径方向(r)の成分FBrと接線方向の成分FBsに分解した図である。
【図6】図1に示す実施の形態に係る圧電発電機の機構を説明する説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る圧電発電機を用いた時計を表す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る圧電発電機を用いた時計を表す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る圧電発電機の要部を表した図である。
【図10】図9に示した本実施の形態に係る圧電発電機の要部を適用した圧電発電機を示す図である。
【図11】図10の実施の形態の第1の変形例を示す図である。
【図12】図10の実施の形態の第2の変形例を示した図である。
【図13】従来の圧電発電機及び電力系統を示すものである。
【符号の説明】
1000・・・圧電発電機を用いた時計
100・・・圧電発電機
110、410・・・地板
111・・・軸受
112・・・ロータ軸受
120・・・リュウズ
121・・・歯車
122・・・つまみ
130・・・輪列A
131・・・固定ピン
140・・・輪列B
141・・・回動軸
143・・・歯車
142・・・かな
150・・・輪列受
160・・・ロータ
161・・・偏心ピン
162・・・回動軸
163・・・歯合部
171・・・スライダ
181・・・スライダ
170・・・バイモルフ型圧電体
180・・・バイモルフ型圧電体
170a・・・第1の圧電体
180a・・・第1の圧電体
170b・・・第2の圧電体
180b・・・第2の圧電体
190・・・バイモルフ回転板
191・・・バイモルフ固定ネジ
200・・・電力系統
210・・・電力回収部
220・・・整流部
230・・・コンデンサ

Claims (9)

  1. 圧電体と、
    前記圧電体に変位を与える変位手段と、
    前記圧電体で発生した電力を供給する手段とを有し、
    前記変位手段によって前記圧電体のうち一の圧電体に機械的歪が与えられ、
    前記機械的歪によって生じた反力によって他の圧電体に機械的歪を生じさせる
    圧電発電機において、
    前記変位手段は、回動体と、前記回動体に偏心して取り付けられた偏心部と、を有するとともに、
    前記圧電体には、前記偏心部と係合するスライダ部が備えられている
    ことを特徴とする圧電発電機。
  2. 請求項1において、前記一の圧電体は、機械的歪が与えられた状態で配置されていることを特徴とする圧電発電機。
  3. 請求項1または2において、前記一の圧電体及び他の圧電体は、機械的歪が与えられた状態で配置されていると共に、前記一の圧電体と前記他の圧電体が互に直交して配置され、前記一の圧電体及び他の圧電体に機械的歪が与えられない状態での交点が前記回動体の回転中心にほぼ一致することを特徴とする圧電発電機。
  4. 圧電体と、
    前記圧電体に変位を与える変位手段と、
    前記圧電体で発生した電力を供給する手段とを有し、
    前記変位手段によって前記圧電体のうち一の圧電体に機械的歪が与えられ、
    前記機械的歪によって生じた反力によって他の圧電体に機械的歪を生じさせる
    圧電発電機において、
    前記変位手段前記圧電体の表面を転動する転動運動体と、前記転動運動体を前記圧電体に押しつける加圧部とを備えることを特徴とする圧電発電機。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記圧電体に与えられる機械的歪が圧縮歪であることを特徴とする圧電発電機。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記圧電体に与えられる機械的歪が厚みすべり変形であることを特徴とする記載の圧電発電機。
  7. 請求項1乃至に記載の圧電発電機を有する電子機器。
  8. 請求項1乃至に記載の圧電発電機を有する携帯機器。
  9. 前記携帯機器が時計であることを特徴とする請求項に記載の携帯機器。
JP06745098A 1998-03-17 1998-03-17 圧電発電機、電子機器及び携帯機器 Expired - Fee Related JP3539192B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06745098A JP3539192B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 圧電発電機、電子機器及び携帯機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06745098A JP3539192B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 圧電発電機、電子機器及び携帯機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11266588A JPH11266588A (ja) 1999-09-28
JP3539192B2 true JP3539192B2 (ja) 2004-07-07

Family

ID=13345285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06745098A Expired - Fee Related JP3539192B2 (ja) 1998-03-17 1998-03-17 圧電発電機、電子機器及び携帯機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3539192B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030032354A (ko) * 2001-10-17 2003-04-26 임기조 압전세라믹 및 이를 이용한 발전장치
KR20030032353A (ko) * 2001-10-17 2003-04-26 임기조 압전세라믹을 이용한 자력충전지
KR100520280B1 (ko) * 2003-04-23 2005-10-11 한정선 휴대용 발전 및 충전 장치
JP2008067451A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Taiheiyo Cement Corp エネルギー変換装置
JP4849151B2 (ja) * 2009-04-15 2012-01-11 セイコーエプソン株式会社 圧電型発電機
WO2010150866A1 (ja) * 2009-06-26 2010-12-29 株式会社村田製作所 圧電発電装置及び無線センサネットワーク装置
KR101527355B1 (ko) * 2014-02-05 2015-06-09 (주)아이블포토닉스 압전소자를 이용한 시계

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11266588A (ja) 1999-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6909224B2 (en) Piezoelectric generator
US5835996A (en) Power generation method and power generator using a piezoelectric element, and electronic device using the power
US5751091A (en) Piezoelectric power generator for a portable power supply unit and portable electronic device equipped with same
JP3768520B1 (ja) 発電装置
EP2102921B1 (en) Piezoelectric generator of mechanical vibrations, and piezoelectric motor based thereon
JP3539192B2 (ja) 圧電発電機、電子機器及び携帯機器
US20100019621A1 (en) Ultrasonic motor and ultrasonic motor apparatus retaining the same
US9893653B2 (en) Power generation device
JPH11146663A (ja) 圧電式発電装置
JP3823340B2 (ja) 振動モータ
KR20110009705A (ko) 진동 액추에이터
JP5211463B2 (ja) 振動アクチュエータ
JP2007166881A (ja) 発電装置
JPH09182465A (ja) 圧電体発電装置及びこれを備えた電力供給装置及び電気機器
JP2012210053A (ja) 圧電アクチュエーター、ロボット及びロボットハンド
Miyazawa et al. Investigation of ultrasonic motors using thin piezo-ceramics and a metal composite-plate for watches
JP3613969B2 (ja) 圧電発電装置及びこの圧電発電装置を備えた携帯型機器
US20040233793A1 (en) Analog electronic timepiece
JP2000188883A (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動方法、携帯機器および時計
JP3539184B2 (ja) 発電装置及び電子機器
JPH09271180A (ja) 加振装置、発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器
JP3539043B2 (ja) 発電装置およびこれを備えた携帯型電子機器
JP2004166442A (ja) 発電装置および発電システム
JP2002357760A (ja) カメラ用レンズ駆動装置
JPH09205782A (ja) 振動アクチュエータ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080402

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees