JP3539015B2 - 電解エッチング方法 - Google Patents

電解エッチング方法

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JP3539015B2
JP3539015B2 JP31202595A JP31202595A JP3539015B2 JP 3539015 B2 JP3539015 B2 JP 3539015B2 JP 31202595 A JP31202595 A JP 31202595A JP 31202595 A JP31202595 A JP 31202595A JP 3539015 B2 JP3539015 B2 JP 3539015B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体の板状体
の材料を電解エッチング処理する方法、主として半導体
基板の電解エッチング方法の改良に関するものである。
半導体基板に施す電解エッチング処理とは、半導体基板
そのものの電解エッチング処理は勿論、半導体基板上に
堆積した膜材料に対する電解エッチング処理を包含す
る。電解エッチング処理は半導体マイクロセンサ、例え
ば圧力センサ、加速度センサ等のキー構造であるダイア
フラム等の厚みを精密に形成するための技術である。ま
た、電解エッチング処理は発光体としてのポーラス構造
のシリコン薄膜領域を形成するための技術としても用い
られている。
【0002】
【従来の技術】従来の電解エッチング方法としては、例
えば図17に示すようなものがある。なお、上記の方法
は、例えば、以下の文献に記載されている。 “Jouranal of Electrochemical Society vol.117 p.95
9(1970)”,“Jouranal of Electrochemical Society v
ol.118 p.1240(1971)”,“Jouranal of Electrochemic
al Society vol.134 p.2037(1987)”,“IEEE ELECTRON
DEVICE LETTERS vol.11 p.588(1990)”,“Jouranal o
f Micro electro mechanical Systems vol.1 p.187(199
2)”。
【0003】図17において、電解槽4、比較電極槽1
9にはエッチング溶液17が満たされており、電解槽4
中には半導体基板7と対電極6が、また比較電極槽19
中には比較電極14が設置されている。電解槽4と比較
電極槽19は塩橋15とルギン管16により結合されて
おり、両槽間のイオン伝導を可能にしている。また、半
導体基板7と対電極6および比較電極14には外部リー
ド線90および9が接続されており、外部リード線9の
他端は槽外に設けられたポテンショスタット8に接続さ
れている。
【0004】なお、半導体基板7には、その裏面に蒸着
等により形成された金属電極13を介して外部リード線
90が半田などによって接続されている。この半導体基
板7は外部リード線90によって釣るされて液中に懸垂
されるか、クリップで保持されて液中に懸垂されてい
る。また、電解槽4中のエッチング溶液17は必要に応
じてプレート型ヒータ27により加熱され、更にマグネ
ットスターラ26により機械的に撹拌されている。半導
体基板7の被エッチング領域以外の部分、電気接続部お
よびリード線90は耐エッチング液性の高い材質、例え
ば堆積ガラス膜やシリコーン樹脂膜で覆うか、或いはフ
ッ素樹脂のカバーケースに入れることにより、エッチン
グ液のチャージを防いでいる。
【0005】上記図17に示したような従来形式の電解
エッチング方法にあっては、半導体基板7をエッチング
装置の一定位置に再現性良く設置することが困難であ
る、という問題点があった。すなわち、通常の電解エッ
チング装置においては、一つの半導体基板のエッチング
が終了すると次の半導体基板に装着替えすることになる
が、半導体基板を装着替えすることによってその三次元
的な位置が変わることは半導体基板に対する実効印加電
位を変化させたり、液の流動状態を変化させるため、電
解エッチングを再現性良く行なうことが困難になる。電
解エッチングにおいては半導体電極と対向電極との距離
は最も大切な物理量であるが、この値は、系や液流動、
温度等によって影響を受けるものの、通常は数センチメ
ータ以下であり、必要に応じては数ミリメータ以下の場
合もある。例えば、電極のエッジ効果(例えば、電気化
学測定法(上)藤嶋等 技報堂出版株式会社 第38頁
1984年)を防止するには、上記の距離は短いほう
がよい場合がある。
【0006】上記のような狭い隙間を形成しつつ、平行
平面の一定位置に再現性良く半導体基板を設置すること
は非常に困難であり、しかも、後述するような理由によ
って、半導体基板の被エッチング領域以外の領域(半導
体基板、電気接続部、リード線等で液浸漬する部分)を
エッチング液から効率良く、容易に、確実に、低コスト
で保護しながら、上記のごとき設置条件を満足すること
は極めて困難であった。
【0007】また、半導体基板7を懸垂する外部リード
線90が切断したり、外部リード線90と金属電極13
との接合部が破断して半導体基板7が落下したり、クリ
ップがエッチング液により腐食されて半導体基板7が落
下したりするという問題点もあった。このような場合
に、エッチング操作以前に明確に断線していることが判
明すれば、試料を損なわずにやり直しも可能であるが、
リード線の被覆内部でメタル線が中途半端に断線してい
ると、操作途中で断線が完全になり、その試料は失敗と
なってやり直しが不可能となる。また、エッチング液中
に落下したものが金属破断面をむき出しにしているよう
な場合には、エッチング液を駄目にしてしまうこともあ
る。
【0008】また、金属部分が液中に曝されることは、
電解エッチング操作を二重の意味で阻害するものであ
る。まず、作用電極としての半導体基板が金属を合わせ
たものとなり、電気化学ポテンシャルが半導体のみの時
に比較して変化するので適性バイアスが変化し、甚だし
い場合には電解エッチング操作が不可能になる。また、
変化した適性バイアスが判ったとしても、そのような値
に設定すれば、半導体がエッチングされずに金属の方の
エッチングが促進される場合がありうる。例えば、半導
体よりも貴な金属を用いれば大きな問題とならない可能
性もあるが、卑の金属を用いた場合には半導体がエッチ
ングされにくくなり、金属のエッチングが促進されるこ
とになる。
【0009】つぎに、金属膜がエッチング液中に溶出す
ることによってエッチング液のエッチング性が変化する
という点である。例えば、半田中に含まれる鉛イオンは
アルカリ性エッチング液のエッチング性を大きく変化さ
せることが知られている。例えば、鉛イオンを含んだヒ
ドラジン水和物でのシリコン半導体(100)に〈11
0〉方向の辺で囲まれた台形を形成する場合、通常の異
方性面が出ずに不定形の曲面に囲繞されたものとなる。
【0010】さらに、図17に示したようにな従来方法
は量産に使用するに当たり様々な問題点を有している。
以下、列挙する。まず、前記のように、電解エッチング
操作の再現性を確保することが困難で、操作の確実性も
確保できないばかりか、操作効率も決して高くない。つ
まり、半導体基板7には、その裏面に蒸着等により形成
される金属電極13を介して外部リード線90を半田な
どによって接続する工程や、半導体基板7の被エッチン
グ領域以外の部分、電気接続部およびリード線90を耐
エッチング液性の高い材質の堆積ガラス膜やシリコーン
樹脂膜で覆う工程を行なう必要があるが、それらの工程
は手作業で、しかも時間がかかり、作業バラツキの多い
ものである。甚だしい場合は金属部分が液中にむき出し
になって上記のごとき問題を惹起することにもなる。
【0011】また、手作業のため被処理基板を汚染する
危険性もはらんでいる。さらに、エッチング終了後シリ
コーン樹脂を除去しなければならない。硬化したシリコ
ーン樹脂を除去するには高価で、操作危険性の高く、水
分の混入でアルミ配線などを腐食する危険性の有る有機
系の専用剥離溶剤(例えば、関東化学株式会社製のシリ
コーン樹脂溶解材KSR−1、KSR−2等)を用いた
ウエット処理やその後の有機洗浄、水洗浄が必要であ
り、しかも、剥離を完璧にするためにはRIE等の高価
な装置を用いるドライエッチング処理(酸素プラズマ処
理等)とガラス系の溶解洗浄処理を組み合わせた処理と
の併用も必要となる。そして、剥離確認の検査も必要
で、しばしば樹脂残りトラブルが発生する。このような
状況は甚だしいコストアップの要因となる。
【0012】また、フッ素樹脂のカバーケースに入れる
ことによってエッチング液のチャージを防ぐ方法は、フ
ッ素樹脂を構造材として用いるため厚みが必要であり、
フッ素樹脂の比重が約1.7と大きいため、カバーケー
スそのものの重量が嵩み、半導体基板7を懸垂する外部
リード線90を切断したり、外部リード線90と金属電
極13との接合部を破断し易いという問題がある。
【0013】しかも、後述するように、装置形式によっ
ては電解エッチング処理前後の不安定期間を出来るだけ
短くするをする必要がある。つまり、半導体基板7を電
位を印加したままで、エッチング液に速やかに挿入した
り、速やかに取り出すことが必要である。その際、操作
の安定性を出来るだけ確保するだけでなく、作業者の安
全確保と負担の軽減も必要であり、そのことがコストの
安い製品製造につながることは言うまでもない。そし
て、半導体基板7をエッチング液に速やかに挿入した
り、速やかに取り出す為には、図17に示したような従
来方法が適さないことは言うまでもない。例えば、速や
かに取り出す途中でエッチング液中に落下した半導体基
板7がエッチング液のハネを跳ばすことなどは安全確保
上回避する必要がある。
【0014】また、電子式センサを生産する半導体基板
が直径2インチから3、4インチそして5、6インチへ
と大型化するに従って処理装置の大型化が図られねばな
らず、以上述べた問題点は益々重いものとなる。
【0015】また、電解エッチングを始めるに当たって
の不安定な操作期間は出来るだけ短くする必要がある。
これは半導体基板の上下方向のエッチングムラを防止す
ることがその主なる目的である。すなわち、液中に入れ
る際の速度をなるべく早くすることはもとより、液浸と
同時にエッチング用電界を印加することも大切で、その
際の温度の変動を出来るかぎり抑え込む必要がある。経
験的には被処理半導体基板を数秒でエッチング定位置に
確実に設置する必要がある。
【0016】また、エッチング終了後には、処理面に残
留しているエッチング液を払拭し素早くエッチング反応
を終らせることが重要である。例えば、シリコン半導体
の電解エッチングに於ては、電位を印加することによっ
てシリコン半導体のP型領域、N型領域のジャンクショ
ンに酸化シリコン系の不動態膜を形成することでエッチ
ングを停止させ、薄いダイアフラム膜を形成する用途で
用いられることが多いが、エッチング終了後、停止面に
付着残留しているエッチング液を素早く洗浄することが
不可欠である。電位を印加しない状態で、付着残存して
いるエッチング液に長く曝すことは、停止面の不動態膜
を消失させて更にエッチングが進行し、ダイアフラム膜
が消失したり、膜厚が所望より薄くなったり、膜厚分布
が大きくなる等の原因となる。特に、最も広く用いられ
ている水酸化カリュウム水溶液等のように、電圧印加に
よってエッチングを停止させる原因となる酸化シリコン
系の不動態膜に比較的早いエッチング性を有する場合は
この問題が深刻である。例えば、80℃、20wt%の
水酸化カリュウム水溶液は酸化シリコン系の不動態膜に
対して約3nm/minのエッチング速度を持ってい
る。そのため、不動態膜が理想的に形成されたとして
も、電位印加によって不動態膜が形成されエッチングが
停止した後、電位を印加せずにエッチング液中に置ける
時間は一分が限度であり、実際上は不動態膜の均質性に
問題があるため、数十秒が限度の場合が多い。実用的に
は基板面内のエッチングムラを少なくする意味から言っ
ても十秒以内が目安となる。
【0017】また、エッチング液は水酸化カリュウム水
溶液、ヒドラジン等の強塩基、フッ酸等の強酸を使うこ
とが多く、基板面はもとより作業者が触れる治具等も出
来るだけ素早く純水等で洗浄することが安全上重要であ
る。
【0018】以上、従来の電解エッチング操作に関する
問題点を述べたが、次に、装置的観点から電解エッチン
グ操作の問題点について整理する。エッチングの装置と
しては大きく分けて二種類の装置が考えられる。第1の
装置は、半導体基板をセットしておいてから溶液を供給
してエッチング処理を行い、エッチングのメイン処理終
了後に溶液を排出する方式の装置である。以下、このよ
うな装置を「エッチング液供給型装置方式」と仮称す
る。第2の装置は、反応槽内にエッチング液を溜めたま
まで半導体基板を着脱して処理する装置である。以下、
このような装置を「エッチング液溜置型装置方式」と仮
称する。
【0019】以下、両者の長所および短所をそれぞれの
方式ごとに説明する。エッチング液供給型装置方式には
以下の長所がある。つまり、半導体基板の装着を徒に素
早くやる必要がなく、エッチング終了後、素早く洗浄出
来るため、その後に槽内から処理した基板を十分に時間
を掛けて取り出すことができる。また、一度の処理に十
分な量のエッチング液をストックして用いるため、一処
理中でのエッチング液の疲弊が少なく、安定したエッチ
ング処理が可能となる。さらに、その溶液供給系にフィ
ルタ処理を容易に加えやすいので、一度供給したエッチ
ング液を廃棄する方法を用いた場合でもクリーンなエッ
チング処理が可能となる。
【0020】一方、安定した処理を可能なものとするた
めの方法が逆に欠点にもなる。すなわち、一度の処理に
十分な量のエッチング液をストックして用いるか、或る
程度安定したエッチング効果の続く限りエッチング液を
循環して繰り返しエッチング処理に使う方式にするか、
一度供給したエッチング液は廃棄する方法か、のいずれ
かを選択することになるが、いずれにしても装置を大掛
かりにし、複雑にする結果、メンテナンスも大変で、装
置そのものが高価で、運転維持費も嵩むという欠点にな
る。
【0021】しかも、それに加えて、エッチング速度を
速めるために、例えば水酸化カリウム水溶液、ヒドラジ
ン等の温度を貯槽で最高100℃迄にも上昇させる事が
必要であることが多い。そのためには、エッチングを始
める時に予め均一に適温に加熱保存しておき、予め半導
体基板を装着した槽に素早く供給し、エッチング終了
後、素早く回収する為のエッチング装置の容量以上のエ
ッチング溶液を溜めておく貯槽や、それを素早く反応槽
に供給したり貯槽に回収したりする大容量のポンプおよ
び配管が必要である。特に、エッチング液は高温の水酸
化カリウム水溶液、ヒドラジン等の強塩基、フッ酸等の
強酸であるため、これらの大容量のポンプ、配管の接液
部は全てフッ素樹脂で形成する必要があり、非常に高価
である。
【0022】さらに、ポンプ等による溶液抽送は、液漏
洩、噴出等のリスクが付き纏い安全の確保が大変であ
る。すなわち、100℃もの液を抽送したことによって
高温度になった後、温度が降下するとフッ素樹脂管が縮
むため、フッ素樹脂管がジョイントから外れ、溶液漏
洩、噴出の事故となり易いという問題がある。さらに、
それを少しでも防ぐために、フッ素樹脂管外側に断熱材
を巻くなどして断熱処理を施したりすることも必要であ
り、更に高価なものとなる。
【0023】また、当然ながら、貯槽で既に最高100
℃迄にも上昇させるためのヒータ、温度コントローラ等
の装置も必要である。ヒータはその接液部を前記のごと
くフッ素樹脂で形成する必要があるため非常に高価であ
る。また、この様な苛酷な状態で使われるフッ素樹脂製
ポンプの材料的疲労には著しいものがあり、安全性確保
の観点から頻繁に高価なポンプを更新することが必要で
ある。また、一旦液漏洩があった場合は当然ながら大容
量の装置ほど被害をより大きくするというリスクを持っ
ていることは言うまでもない。
【0024】また、前記のヒドラジンやフッ酸等は毒性
が強く、安全上(例えばヒドラジンはTLVは0.1p
pm以下)からも電解エッチング反応槽はもとより貯
槽、液抽送装置も陰圧にした密閉空間内に設置し、手に
よる作業はドラフトチャンバ内で行なわなければならな
いが、装置が複雑かつ大掛かりになるためその全体を覆
うドラフトチャンバは大容積になって高価になるばかり
か、半導体のクリーンルーム等を代表とする非常に高価
なクリーンな製造用空間をも大きく占有しなければなら
ない。
【0025】さらに、このような装置にあっては、次の
エッチング操作時に槽壁や槽内で用いている構造体、治
具、器具やそれらの間隙などの反応槽内に、洗浄した純
水等が残留し、エッチングの再現性を損なうばかりか、
操作を不可能にするリスクがある。特に、電解装置を有
する電解エッチング装置は、少なくとも対電極と作用電
極を設置する必要があり、無電解のエッチング装置に比
べて内部機構が複雑であるため残留液の問題が深刻であ
る。そのためには、用いる全エッチング液量を残留純水
が影響しないほど大きくするか、一度適量のエッチング
液で残留純水を置換するか、若しくは残留純水を乾燥さ
せる必要がある。そのためには、更に装置を大規模でか
つ複雑にしなければならない。
【0026】さらに、エッチング液供給型装置方式は安
全性の観点からも、よりリスクが多く、エッチング液の
無駄もより多く、洗浄用の純水もより多く必要となるの
で、操作コストがより高くなってしまうという短所があ
る。
【0027】上記のように、エッチング液供給型装置方
式は、エッチング液溜置型装置方式に比較して、半導体
基板の装着を徒に素早くやる必要がなく、エッチング終
了後、素早く洗浄出来るため、その後に槽内から処理し
た基板を十分に時間を掛けて取り出すことができる。ま
た、一度の処理に十分な量のエッチング液をストックし
て用いるため、一処理中でのエッチング液の疲弊が少な
く、安定したエッチング処理が可能となる。さらに、そ
の溶液供給系にフィルタ処理を容易に加えやすいので、
一度供給したエッチング液は廃棄する方法を用いた場合
でもクリーンなエッチング処理が可能となる。しかし、
その一方で、装置のハード、ソフト双方が複雑であり、
しかもその規模を大きくせざるを得ない。そのため装置
本体が高価となるだけでなく、メンテナンスが大変で、
設置面積、空間も大きくなるので、エッチングに要する
全体の費用が高価となってしまい、安全性にもリスクの
多いという欠点があった。
【0028】それに対して、エッチング液溜置型装置方
式にあっては、前記のエッチング液供給型装置方式に比
べて、シンプルで安全性も高く、しかもコンパクトで安
価な装置とすることが可能である。しかし、エッチング
処理後可及的速やかに半導体基板を洗浄するためには、
槽内から半導体基板を素早くしかも確実、安全に持ち出
す手段が不可欠である。
【0029】電界を印加しないエッチングでは、エッチ
ング液溜置型装置方式の例として図18に示すものがあ
る。これは単枚から数枚をカセットに搭載してエッチン
グする方法である。図18において、上フレーム20
0、外板201、側板202、底板203、仕切板20
4および把手106で組み立てられた基板キャリアに、
複数枚の半導体基板7を装填し、把手106を持ってエ
ッチング液17に浸漬し、エッチング処理を行うもので
ある。
【0030】半導体基板7は数ミリメートルの幅の外板
201と仕切板204で形成されるスリットに比較的自
由度をもって装填されている。この方法では多数枚の大
型基板を比較的効率良く無バイアスのエッチング処理は
できるが、基板を装置内の一定の場所に再現性良く設定
して電界を印加する電解エッチングの操作は不可能であ
る。前記のように、安定した再現性の良いエッチング処
理を実現する為には、基板を装置内の一定の場所に再現
性良く設定し、電位を印加しなければならない。しか
も、エッチング液は水酸化カリウム水溶液、ヒドラジン
等の強塩基、フッ酸等の強酸を使うことが多く、これら
の液に接触させずに半導体基板7から電解エッチングが
可能となるようにオーミックな電気的接続をとり、電位
を印加できなければならない。また、電解エッチングに
おいては、処理基板をエッチング液に浸漬すると同時に
出来るだけ速やかに電界を印加することも重要である。
【0031】また、両方式に共通する問題点としては、
半導体基板の被エッチング領域以外の部分をエッチング
液から効率良く、容易に、確実で、低コストに保護しな
がら、対向電極から数センチメートル以下の平行な平面
の一定位置に再現性良く隙間を形成して、半導体基板を
装着することが出来ないという問題点があった。
【0032】そして、電子式センサを生産する半導体基
板が直径2インチから3、4インチそして5インチへと
大型化するに従って処理装置の大型化が図られねばなら
ず、以上述べた問題点は益々由々しいものとなる。
【0033】また、半導体圧力センサや半導体加速度セ
ンサのように、シリコン基板の厚さと同程度の深いエッ
チングを行う、所謂バルクマイクロマシーニングにあっ
ては、エッチング処理により、被処理基板の機械的強度
が低下し、外部応力や歪みを受けると、割れてしまい、
ウエハ歩留まりを低下させるという問題があった。特に
半導体加速度センサのように、被処理基板を貫通するエ
ッチングを行う場合、さらには集積化により、ウエハ当
りのチップ数が増加した場合には、上記の被処理基板の
機械的強度が極端に低下するため、ウエハ歩留まりの低
下は由々しき問題であった。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、これまで
説明したごとき従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであり、エッチング液供給型装置またはエッチ
ング液溜置型装置を用いての半導体の電解(エレクトロ
ケミカル)エッチング操作において、上記2方式の装置
の短所である点を克服し、対象とする系の特質を考慮し
つつ、両方式を自由に選択出来るようにし、どちらの系
を対象としても被処理基板の設置位置の再現性が良好
で、処理の再現性を向上させ、かつ、処理基板を駄目に
するだけでなくエッチング液を使用不可能にしてしまう
という失敗を防止し、さらには、品質の低下を招いた
り、作業バラツキを惹起したり、効率が低かったり、安
全性を損なうといった諸点が解決可能であり、かつ、量
産操作に適応可能な電解エッチング方法を提供すること
を目的とするものである。
【0035】具体的に解決すべき課題を纏めると以下に
示すようになる。エッチング液溜置型装置方式により電
解エッチングを行うに当たって解決すべき課題として
は、 (1)電界エッチングを始めるに当たり、被処理基板を
装置内エッチング液中の一定の位置に、安定した電界電
位の印加を可能としつつ再現性良好に装着出来るように
すること。 (2)上記(1)に加えて、装着が素早く、失敗無く出
来るようにすること。目安としては数秒以内。 (3)電界エッチング処理後、被処理基板を装置内から
素早く取り出し洗浄できるようにすること。目安として
は十秒以内。 (4)上記(1)に加えて、脱着が素早く、失敗無く出
来るようにすること。 (5)上記(1)、(2)の電界エッチング処理および
上記(3)、(4)の操作を通して、半導体基板の被エ
ッチング領域以外の部分(半導体基板、電気接続部、リ
ード線等で液浸漬する部分)をエッチング液から保護す
る方法を効率良く、容易に、確実で、低コストのものに
すること。 (6)上記(1)、(2)の電界エッチング処理および
上記(3)、(4)の操作、そして上記(5)におい
て、量産性向きで、繰り返し使用に耐える方法、材料、
構造であること。 (7)上記(1)、(2)の電界エッチング処理および
上記(3)、(4)の操作、そして上記(5)におい
て、量産性向きで、効率良く、処理基板の多数枚化、大
口径化が可能であること。
【0036】一方、エッチング液供給型装置方式により
電解エッチングを行うに当たり解決すべき課題として
は、 (1)電界エッチングを始めるに当たり、被処理基板を
装置内エッチング液中の一定の位置に、安定した電界電
位の印加を可能としつつ、再現性良好に装着出来るよう
にすること。 (2)上記(1)を含む一連のエッチング処理を通し
て、半導体基板の被エッチング領域以外の部分(半導体
基板、電気接続部、リード線等で液浸漬する部分)をエ
ッチング液から保護する方法を効率良く、容易に、確実
で、低コストのものにすること。 (3)上記(1)、(2)を含む一連のエッチング処理
が量産性向きで、繰り返し使用に耐える方法、材料、構
造であること。 (4)上記(1)、(2)を含む一連のエッチング処理
が量産性向きで、効率良く、処理基板の多数枚化、大口
径化が可能であること。
【0037】また、シリコン基板の厚さ程度の深いエッ
チングを行う、所謂バルクマイクロマシーニングを行う
に当り、エッチング装置が解決すべき課題としては、 (1)エッチング処理により、機械的強度が低下し、外
部応力や歪みにより割れやすくなる被処理基板に対し、
外部応力や歪みを加えない方法、材料、構造であるこ
と。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体の被処
理基板に電圧を印加して行なう電解エッチング操作にお
いて、エッチングを施す半導体等の基板を装着した治具
(ホルダ)を、エッチング装置に設けた嵌め合い構造部
(請求項2)、若しくはそれに代わる手段(請求項3)
を用いて、操作性良く、素早く、かつ作業者が安全に、
しかも一定の位置に確実に装填し、かつそれを速やかに
取り出せるようにしたものである。なお、治具に装着さ
れた半導体等の基板には半導体基板を電極とするために
印加電位をかける電気的結線を施しておき、さらに、そ
れら基板や電気的結線部がエッチング液に直接曝されな
いようにエッチングを施す領域以外を耐エッチング製を
有する成型材料で気密に覆っておく。
【0039】以下、各請求項の作用を説明する。請求項
1に記載の発明においては、構造材としての治具に被処
理基板を装着し、電解エッチング槽に予め備えられた上
記治具が設置される位置に、上記治具を設置することに
より、対向電極と対向する所定の位置に被処理基板が設
置されるようにしたものであり、被処理基板を再現性良
好に、かつ素早く、電解エッチングするための定位置に
装着できるという改善がなされる。特に、リング状の保
持具(例えば、後記図3に示す半導体基板固定用上リン
グ80と半導体基板固定用下リング81に相当する)を
用いて治具の主面に対して被処理基板を簡単に着脱でき
るようにしたことにより、被処理基板用の上記治具への
被処理基板の着脱を、より簡便で、安定性、再現性が高
く、確実なものにすることができるという改善がなされ
る。
【0040】請求項2に記載の発明においては、電解エ
ッチング装置内部の対向電極と対向する所定の部分に嵌
め合い構造を設け、上記治具を上記嵌め合い構造に嵌め
込むことにより、前記被処理基板を前記対向電極と平行
な所定の定位置に装着するものである。この構成では、
対向電極とほぼ平行にスライドするかたちで挿入できる
ため、作用電極であり被処理基板でもある半導体被処理
基板と対向電極の間隔が狭隘であっても、被処理基板を
再現性良好に、かつ素早く、電解エッチングするための
定位置に装着できるという改善がなされる。
【0041】請求項3に記載の発明においては、搬送ロ
ボット等の搬送手段を用いて治具を操作することによ
り、より効率的かつ確実に電解エッチング処理ができる
という改善がなされる。なお、この場合には、搬送手段
に上記治具を固定することにより、電解エッチング装置
内の所定の位置に安定して上記治具(したがって被処理
基板)を定置することが出来るので、請求項2のごとき
嵌め合い構造は必要としない。
【0042】請求項4に記載の発明においては、被処理
基板を装着した構造材としての上記治具に耐エッチング
液性のあるパッケージ性能を持たせることにより、従来
行なわれていた被処理基板の被エッチング領域以外の部
分や電気接続部等を耐エッチング液性の高い材質(例え
ば堆積ガラス膜やシリコーン樹脂膜)で覆うという、低
効率で作業バラツキの多い作業をなくすことができる、
という改善がなされる。
【0043】請求項5に記載の発明は、エッチング液の
流動に影響を受ける系において効果的な改善であり、電
解エッチング装置において、上記治具を電解チャネルの
一主壁面をなすように、対向電極をその一部として構成
される壁と平行に装着したものである。その電解チャネ
ルに上方流れの流動を惹起する可変攪拌器を設置するこ
とにより、上記請求項1〜請求項4の作用効果に加え
て、流動制御性を向上させ、電解エッチングがより効率
的かつ確実にできるという改善がなされる。
【0044】請求項6に記載の発明においては、被処理
基板を装着した構造材としての上記治具に耐エッチング
液性のあるパッケージ性能を持たせることにより、被処
理基板への電位印加用に導線の破損を防止し、電解エッ
チングがより効率的かつ確実にできるという改善がなさ
れる。
【0045】請求項7に記載の発明においては、上記被
処理基板用の治具に、対向電極若しくは対向電極を装着
する治具を組み合わせて用いるように構成したものであ
り、対向電極のメンテナンス性の向上が図れるという改
善がなされる。
【0046】請求項8に記載の発明においては、被処理
基板用の上記治具、対向電極若しくは対向電極を装着す
る治具、若しくは被処理基板を同時に複数個処理するこ
とにより、生産効率を向上することができるという改善
がなされる。
【0047】請求項9に記載の発明においては、被処理
基板用の上記治具、対向電極若しくは対向電極を装着す
る治具、若しくは被処理基板を複数個平行に設置するこ
とにより、被処理基板の枚数当たりの装置容積を小さく
出来、より生産効率を向上することができるという改善
がなされる。
【0048】請求項10に記載の発明は、生産効率を向
上の改善のなかでも、その安定した操作が可能であるよ
うにしたものである。すなわち、被処理基板用の上記治
具、対向電極若しくは対向電極を装着する治具、若しく
は被処理基板を同心円状に複数個配置することにより、
電解チャネル内の流動制御性を増すことができるという
改善がなされる。
【0049】請求項11に記載の発明においては、上記
請求項8〜請求項10の作用効果に加えて、複数の治具
を一括して扱えるようにしたものであり、操作性を向上
させるという改善がなされる。
【0050】請求項12に記載の発明においては、上記
請求項1〜請求項10の作用効果に加えて、エッチング
されている被処理基板からの発泡を被処理基板より容易
に離脱させ、均一性の高いエッチングができるという改
善がなされる。
【0051】
【0052】請求項13に記載の発明においては、上記
請求項の作用効果に加えて、上記治具と上記保持具と
を金属製若しくは金属の構造材の表面に樹脂膜で覆われ
た材料とすることにより、繰り返し使用可能な量産向き
にするように改善がなされる。
【0053】請求項14に記載の発明においては、上記
請求項の作用効果に加えて、上記治具を樹脂製とし、
上記保持具を、金属製若しくは金属の構造材の表面が樹
脂膜で覆われた材料とすることにより、上記治具を軽量
化すると共に、加工精度を向上させるという改善がなさ
れる。
【0054】請求項15に記載の発明においては、上記
請求項14の作用効果に加えて、金属製若しくは金属の
構造材の表面が樹脂膜で覆われた材料で構成した上記保
持具を、樹脂製の上記治具に安定して堅固に装着させる
ようにすることにより、繰り返し使用可能な量産向きに
するように改善がなされる。
【0055】請求項16に記載の発明においては、上記
請求項の作用効果に加えて、上記保持具を金属の構造
材の表面が樹脂膜で覆われた材料で形成することによ
り、金属同士の接触面で生ずる食い付き効果を防止し、
操作性良好で繰り返し使用することが可能となり、量産
性を向上させるように改善がなされる。
【0056】請求項17に記載の発明においては、上記
請求項4、請求項6の作用効果に加えて、被処理基板の
裏面に設けた金属電極への導線の電気的接続を、半田な
どを用いずに、ワンタッチで接続出来ようにし、かつエ
ッチング液から遮蔽された接触電極を用いることによ
り、低効率で作業バラツキの多い作業をなくすことがで
き、効率の良い処理となるという改善がなされる。
【0057】請求項18に記載の発明においては、上記
請求項10〜請求項12の作用効果が相乗的に図れるよ
うにしたものであり、電解チャネル内の流動制御性を損
なわずに複数の治具を一括して扱えるようにし、しか
も、エッチングされている被処理基板からの発泡を被処
理基板より容易に離脱させる操作を可能とする工夫であ
る。すなわち、同心円状に配置された一括型治具が狭隘
な電解チャネルから容易に引き抜けるように、上記一括
型治具を同心円の中心から発する延伸性のあるサポート
アームで連結し、各治具が水平方向に移動出来るように
したことにより、鉛直から傾斜して同心円状に設置され
た複数の治具を上方に引き抜けるようにしたものであ
る。
【0058】請求項19に記載の発明においては、被処
理基板を上記治具に装着する作業と、導線を装着して被
処理基板と電気的接続を取る作業との両方が、被処理基
板を治具に装着する作業のみで自動的に行われるため、
エッチング処理を行うにあたり行わねばならない準備作
業を、さらに効率的に行なえるという改善がなされる。
【0059】請求項20に記載の発明においては、治具
に被処理基板を装着する作業と、電極をエッチング液よ
り遮蔽する作業との両方が、被処理基板を治具に装着す
る作業のみで自動的に行われるため、エッチング処理を
行うにあたり行わねばならない準備作業を、さらに効率
的に行なえるという改善がなされる。
【0060】請求項21に記載の発明においては、被処
理基板への外部応力や歪みを緩和する機構を備えたの
で、エッチング処理によって機械的強度の低下した被処
理基板の割れを防止することが出来る、という改善がな
される。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて説明する。なお、被処理半導体基板として円形基板
を用いた例で説明するが、本発明は円形基板に限る訳で
はないことは言うまでもない。
【0062】まず、本発明の第1の実施の形態の概要を
図1、図2を用いて説明する。図1は本発明の方法に用
いる電解エッチング装置の第1の実施の形態を示す断面
図である。また、図2は図1のa−a’断面図であり、
周辺機器は省略して装置主要部のみを示したものであ
る。本実施の形態では、被処理半導体基板として円形基
板を利用した場合について説明する。
【0063】先ず構成を説明すると、電解槽4中に、撹
拌翼5を挿入された撹拌流動部23に対して隔壁1を境
として電解モニタチャネル2が構成されており、電解モ
ニタチャネル2の外壁面をなすように1枚の被処理半導
体基板7を装着したホルダ(治具)100が整流壁18
に嵌め合って設置され、容易に着脱可能となっている。
また、隔壁1で囲まれた撹拌流動部23は円筒状になっ
ており、隔壁1には対向電極6が隔壁1の壁面と同一の
傾きで、被処理半導体基板7と互いに平行になるように
設置されている。当然のことながら、被処理半導体基板
7の被電解エッチング面は流路側に向けられている。ホ
ルダ100は耐エッチング液性の高い材質、例えばフッ
素樹脂で形成され、被処理半導体基板7の被エッチング
領域以外はエッチング液に曝されない構造となってい
る。また、101はホルダ100を着脱する際に用いる
ホルダ引き出し用窪みである。
【0064】撹拌流動部23とモニタチャネル2におけ
るエッチング液の撹拌流動は、可変モータ11によって
その撹拌速度をコントロールされる撹拌翼5により惹起
される。エッチング溶液17は隔壁1、整流壁18およ
び整流底12により構成される流路を図中Ψで示した一
方向に流動する。従って、撹拌翼5は、例えばプロペラ
状のもので所望の回転方向に可変モータ11で回転させ
ることにより、下方から上方に流動を起こすことにな
り、エッチング溶液17は被処理半導体基板7と対向電
極6との間隙を上方流れで通過する。そして整流壁18
が傾斜していることにより、流動が円滑に行なわれるよ
うにしている。また、19は比較電極槽であり、比較電
極14が設けられ、電解槽4と同じエッチング液17が
満たされており、ルギン管16と塩橋15によって電解
槽4と接続されている。また、同一ホルダに複数の被処
理半導体基板7と対向電極6との対を縦方向に設けるこ
とは装置をより、コンパクト化することが出来る。
【0065】電解チャネル3(図1においては電解モニ
タチャネル2と同じ部分)に於ける電気化学的コントロ
ールは、ルギン管16によってモニタされる被処理半導
体基板7の被電解エッチング面の電位と比較電極14と
の間の電位が所望になるように、ポテンショスタット8
を用いて、被処理半導体基板7の被電解エッチング面と
対向電極6との間の電位をコントロールして電解エッチ
ングを行なう。
【0066】電解槽4および比較電極層19内のエッチ
ング溶液17は、必要に応じて温度コントローラ10、
温度センサ21およびヒータ20により、それぞれ所望
の温度に保たれている。
【0067】平行に対向した被処理半導体基板7と対向
電極6との対は、上方が、外側に開くように鉛直より若
干傾斜させて設置した方が、電解エッチングに於て発生
する気泡の処理基板表面よりの離脱を速やかにすること
に効果のある場合が多いことが確かめられている。抱水
ヒドラジンの系では、例えば約10°鉛直より傾斜させ
ただけで離泡状態が鉛直に設置したときよりも大幅に改
善される。そのため、本例においては、傾斜した整流壁
18に沿ってホルダ100を設置するように構成してい
る。
【0068】また、本構成装置は、本例で示した作用電
極、比較電極そして対向電極で構成される、所謂3極法
ばかりでなく、比較電極を用いない2極法や4極法にも
適応可能である。なお、4極法とは半導体の作用電極の
一伝導型領域(例えばn型)を残し、例えばp型のみを
選択的にエッチングする場合に、両伝導型それぞれにバ
イアス制御を行なう方法である。
【0069】また、本例では、傾斜した整流壁18と撹
拌翼5とを用いて、エッチング液の流動を制御可能にし
た装置を示したが、流動項が電解エッチング性に余り効
かない系では、例えば前記図17に示したごとき垂直な
壁面にホルダが嵌め合う部分を形成しても良い。その際
のホルダ形状は嵌め合いの中で動かなければよい。
【0070】次に、本発明の作業方法の一例を説明す
る。エッチング処理開始にあたっては、先ず、エッチン
グ液を設定温度へ安定させること、および周辺機器を確
実にセットすることが前提となる。次に、ホルダ100
に被処理半導体基板7をセットし、さらに、ホルダ10
0に付属のリード線90を接続し、作業者がホルダ10
0の窪み101に指を掛けつつホルダ100を保持し、
整流壁18の嵌め合い部に素早く設置してエッチング液
に浸漬する。次に、電圧を印加して電解エッチングを行
ない、エッチングを終了したところで、作業者がホルダ
100の窪み101に指を掛けつつホルダを保持し、整
流壁18の嵌め合い部より素早く取り出し、予め用意し
てある洗浄液に浸す。次に、リード線90を外し、処理
した基板をホルダから外すことによって一連の処理操作
が終了する。上記のような一連の処理操作を繰り返して
量産処理が行われることとなる。なお、ホルダ100に
被処理半導体基板7をセットする方法の例は後述する。
【0071】ホルダ100は耐エッチング液性の高い材
質の例えばフッ素樹脂で形成され、被処理半導体基板7
の被エッチング領域以外の部分、電気接続部およびリー
ド線90は耐エッチング液性の高い材質、例えばフッ素
樹脂のカバーケースに入れることにより、エッチング液
のチャージを防いでいる。
【0072】図3はホルダ100の一実施の形態を示し
た図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b’断面図である。図3において、被処理半導体基板7
はホルダ主面110に設置され、半導体基板固定用上リ
ング80と半導体基板固定用下リング81とで固定され
る。半導体基板固定用上リング80はネジまたはボルト
50でホルダ主面110にタイトに固定されている。半
導体基板固定用下リング81は半導体基板固定用上リン
グ80で押さえ込まれている。つまり、半導体基板固定
用上リング80に一体として形成されているL型の鉤型
突起である半導体基板固定用押さえツメ801が半導体
基板固定用下リング81に一体として形成されている半
導体基板固定用受けツメ811を押さえ込むことによっ
て、半導体基板固定用下リング81と被処理半導体基板
7をホルダ主面110に固定することになる。したがっ
て装着時には、所定の位置に被処理半導体基板7を置
き、その上に半導体基板固定用下リング81を被せて回
転させ、その半導体基板固定用受けツメ811を半導体
基板固定用上リング80の半導体基板固定用押さえツメ
801に嵌め込むことにより、被処理半導体基板7をホ
ルダに装着する。
【0073】また、半導体基板固定用下リング81と被
処理半導体基板7の表面、若しくはホルダ主面110と
被処理半導体基板7の表面の間、若しくはその両方に、
Oリング等の気密シールを挿入設置することにより、図
3で見えている被処理半導体基板7の被処理領域(半導
体基板固定用下リング81の内側の円形領域)のみが表
面に出てエッチング液に曝されることになる。
【0074】また、被処理半導体基板7の裏面(実際に
は裏面に設けた金属電極:図示省略)には接触電極13
0が接触しておりリード線90によってポテンショスタ
ット8に接続され、電解用のバイアスを印加する構造と
なっている。電位印加用のリード線90はホルダ100
を構成する樹脂中に、エッチング液中に開孔しないよう
に穴を穿って通しても良く、一体に成型してもよい。
【0075】本例においては、被処理半導体基板7を装
着することにより、(A)被処理半導体基板7の裏面の
気密シール、(B)リード線90や接触電極130等電
気系統の気密シール、(C)被処理半導体基板7と接触
電極130との電気的接続、とが実現され、極めて効率
的にエッチングのための準備作業を行える。もちろんこ
れら(A)〜(C)を、別の作業で行っても良い。
【0076】また、リード線90は、ホルダ100の内
部を通してあるが、ホルダ100の外部を通しても良
い。この場合、リード線90をエッチング液よりシール
するための部材、例えばテフロンチューブを用いても良
い。
【0077】また、基板の裏面を気密シールし、基板の
表面のみがエッチング液に曝される構造となっている
が、接触電極130を囲繞する領域と、被処理半導体基
板7の対応する部位において、Oリング等の気密シール
を挿入設置することにより、基板の両面をエッチング液
に曝す構造としてもよい。なお、この構造については、
電極構造の実施の形態として後述する。このように被処
理半導体基板の両面をエッチング液に曝すことによっ
て、基板の両面から電解エッチング処理するプロセスを
実現することができる。また、被処理半導体基板7の両
面をエッチング液に曝すことによって、エッチング主面
でのエッチング液による水圧と、その反対側の面の水圧
とがバランスされるために、極めて薄く大面積のダイア
フラムであっても、水圧による割れは起こらず、形成が
可能となる。この場合、基板の両面をエッチング液に曝
す他、基板の裏面をエッチング液から気密シールし、基
板の表面を、同等の水圧を印加するための純水等の液体
に曝しても良い。
【0078】また図3では、接触電極130が被処理半
導体基板7の中心に1個のみ配置されているが、被処理
半導体基板7の周辺部に配置してもよいし、複数個配置
してもよい。製品を製造しないウエハ周辺部やTEG
(テストエレメントグループ)領域に配置した場合に
は、ウエハ当りのチップ数を充分に確保することができ
る。また、複数個配置した場合には、被処理半導体基板
7の面内に、i−Rドロップにより発生する電位分布を
小さく抑さえることができ、歩留まりを向上させること
ができる。
【0079】次に、図4は、上記図3における接触電極
130の周辺部分の詳細な実施の形態を示す断面図であ
る。この実施例の形態に示す接触電極130は、基板の
装着により、同時に基板との電気的接続を実現する接触
電極である。図4において、501はホルダ100の接
触電極130が設置されている部位であり、505は被
処理半導体基板7の装着される側の面、506はホルダ
100の内部における面505に対応する面である。ま
た、500は電極ピンであり、ラグ板504によりリー
ド線90に電気的に接続されている。また、電極ピン5
00は、圧縮コイルバネ503によって被処理半導体基
板7が装着される面505の方向に押しつけられてい
る。被処理半導体基板7が面505に装着されると、圧
縮コイルバネ503によって電極ピン500が被処理半
導体基板7に押しつけられ、被処理半導体基板7と電極
ピン500との間で、電気的な接続が達成される。
【0080】また、502は圧縮コイルバネ503の図
中右側の固定端を定める部材であり、図ではねじ込み式
になっており、その位置によって、被処理半導体基板7
が装着された時の電極ピン500が被処理半導体基板7
を押しつける力を調整できるようになっている。この力
が強すぎると、電極ピン500によって被処理半導体基
板7に印加される外部応力が強まり、場合によっては被
処理半導体基板7を割ってしまうので注意が必要であ
る。また、この力が弱すぎると、被処理半導体基板7と
電極ピン500との間に大きな接触抵抗が発生したり、
場合によっては電気的な接続が達成されなかったりし
て、電解エッチング処理そのものができない。
【0081】なお、本例では圧縮コイルバネを用いてい
るがこれに限られる訳ではなく、引っ張りコイルバネや
板ばね等の各種バネのみならず、ゴム等の弾性体を用い
てもよい。場合によっては、油圧や空圧、あるいは磁力
でも良い。
【0082】また部材502は固定式であっても良い
し、ホルダ100と一体であってもよい。また、電極ピ
ン500の先端に多数の微小な突起(マイクロコンタク
ト)を形成し、より小さな接触圧力にて電気的接触が達
成されるようにしてもよい。
【0083】次に、図5は、被処理半導体基板7の両面
をエッチング液に曝すことのできる電極構造の実施の形
態を示す断面図である。図5において、507はOリン
グであり、電極ピン500を囲繞する領域と被処理半導
体基板7の対応する部位との気密シールを行なうもので
ある。他の構成部分は図4と同様である。また、Oリン
グ507はこれに限らず、エッチング液が電極ピン50
0の側に侵入することを防止できる材料・機構であれば
何でもよい。
【0084】次に、図6は、装着された基板の応力や歪
みを低減する実施の形態を示す断面図である。本図は、
図3の被処理半導体基板7の周辺部の詳細な実施の形態
である。図6において、80は半導体基板固定用上リン
グ、81は半導体基板固定用下リング、7は被エッチン
グ処理される半導体基板、110はホルダ、508はエ
ッチング液から裏面を気密シールするためのOリング、
そして509はバックアップリングである。このバック
アップリング509の厚さによって、被処理半導体基板
7の装着される隙間が調整され、従って被処理半導体基
板7を装着する力を調整することができる。そのため、
装着によって被処理半導体基板7に発生する外部応力や
歪みを調整でき、これらを減ずることができ、従ってエ
ッチングによって機械的強度の減少する基板の割れを防
ぎ、ウエハ歩留まりを向上することができる。また、厚
さの仕様が異なる被処理半導体基板7であっても装着す
ることができる。
【0085】被処理半導体基板7を装着する力の管理
は、半導体基板固定用下リング81を回転させ、ツメ8
11(図3参照)を嵌め込むときのトルクによって行な
うことができる。また、被処理半導体基板7の装着され
る隙間(クリアランス)によって管理することもでき
る。
【0086】バックアップリング509としては、本例
では半導体基板固定用下リング81を回転させるため、
摩擦係数が小さく、耐薬品性に優れたフッ素樹脂が適し
ている。なお、ステンレス等の金属、あるいはそれをフ
ッ素樹脂で被覆したものでも良い。場合によっては、ゴ
ム等の弾性体を用いても良い。
【0087】また、ホルダ100はエッチング液に耐性
があり構造材として使えるものであれば、どんな材料で
あっても基本的にはかまはない。例えば、塩基系のエッ
チング液を使用するのであればフッ素樹脂、塩化ビニー
ル樹脂や場合によってはSUS製が適しており、フッ酸
系のエッチング液を使用するのであればフッ素樹脂が適
している。SUS製を構造材として表面をフッ素樹脂で
被覆したものであればほとんどの用途に耐える。
【0088】ただし、一般に半導体基板固定用上リング
80および半導体基板固定用下リング81は、半導体基
板7の表面でエッチング液の流動を乱さないためには出
来るだけ薄いことが望ましく、それらに形成してある8
01、811のツメも余り厚くは出来ない。このツメを
含めた両リングとしてはSUS製等の金属か若しくはそ
れを構造材として表面をフッ素樹脂で被覆したものが適
している。しかし、前者は半導体基板固定用上リング8
0および半導体基板固定用下リング81やツメ801、
811の表面を平坦にすると吸い付き効果のために使用
できない場合もある。
【0089】一般に、ホルダ本体は大きいため、全部を
金属製とするには処理基板の大きさによっては重量が重
すぎて、後述する機械的手段(ロボット)を用いないか
ぎり手作業に供することは実際的ではないこともありえ
る。軽量化方策として、例えば、SUSの板材を用いる
と折曲げや熔接加工を用いざるを得ず精度の点で問題が
出ることもある。したがって一般的には、ホルダ本体を
フッ素樹脂製とし、リング等の治具類をSUSを構造材
として表面をフッ素樹脂で被覆したものを用いると好適
である。その場合には高温の溶融塩以外では殆どの液に
耐性があり、前記した吸い付き効果もなく、加工精度も
低くない。
【0090】しかし、この組み合わせで問題となる点が
ある。それは、フッ素樹脂に限らず樹脂に形成した雌ね
じは耐久性が低いことである。図3を例に説明すると、
ネジまたはボルト50が緩んでエッチング液が処理中の
半導体基板の裏面に回り込み、処理が失敗に帰すという
問題が起きるおそれがある。これを防止する工夫が埋め
込みめねじ52を使ってネジまたはボルト50を緩ませ
ない方法である。さらに、これに埋め込みめねじ52と
埋め込みめねじ51を、ざぐり穴108にセットしたサ
ポートリング53に締め込んで両側からかしめればより
良くなる。なお、ホルダ100の形状は勿論これに限る
ものではないことは上記した通りである。
【0091】次に、図7、図8は、ホルダ100を機械
的手段により搬送する実施の形態を示す断面図であり、
図7は電解層4にホルダ100が設置された状態、図8
は電解層4から引き上げられて洗浄層40へ挿入する前
の状態を示す。この例は、電解エッチング位置への基板
の設定→電解エッチング処理→洗浄槽への一連操作にお
いて、搬送を搬送ロボットで行う例である。つまり、被
処理半導体基板7をセットされたホルダ100は搬送ロ
ボット1000のアーム1001で支持され、エッチン
グ開始に当たって電解槽4のエッチング液17中の所定
の位置にセットされる。そしてエッチング終了後は電解
槽4から出され、洗浄槽40中の洗浄液41に、図中一
点鎖線の矢印A、B、Cで示した経路、方向で搬送され
るものである。この場合は、電解層4の壁にホルダ10
0を嵌め合う構造が必ずしも必要でない。すなわち、ホ
ルダ100が搬送ロボットのアーム1001による搬送
中に揺動せず、挿入中若しくはエッチング中にエッチン
グ液の流動等で揺動しないように、例えば、ホルダ10
0が搬送ロボットのアーム1001にボルト、ナット等
で安定した状態で固定されており、搬送ロボットのアー
ム1001の動きに再現性があり、常に電解エッチング
槽中の一定位置に安定してホルダ100を設定できれば
よい。
【0092】なお、ホルダ100の形式は図示したもの
に限るわけでなく、例えば、後述する図10、図11ま
たは図14に示す装置で、それぞれ図13または図1
5、図16に示すホルダでも適応可能である。また、図
10、図11の装置で電解チャネルが傾斜していないも
のであれば、図12示すホルダにも適応可能である。
【0093】このように搬送ロボットを用いる装置は、
ホルダ100が大きくなればなるほど効果がある。すな
わち、このような方法にあっては、人手で行う場合に比
べて、ホルダの重量、大きさに対する制限がゆるくなる
可能性がある。その制限は搬送ロボットの性能で決定さ
れることになり、大きなホルダ、すなわち図12、図1
3または図15、図16のホルダの素早い移送が可能と
なる。
【0094】次に、図9は、ホルダを手作業で取り出す
場合に治具を用いて取り出す実施の形態を示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は側面図である。なお、図
9においては、周辺機器は省略してあり、ホルダ主要部
のみを図示してある。この実施の形態は、材質や形状、
そして寸法によってはホルダが扱いにくくなる場合の工
夫である。すなわち、図中に示したホルダ引き出し用治
具1002をホルダ引出用窪101に引っ掛けて、エッ
チング終了後速やかに被処理半導体基板7をエッチング
液中から引き出すものである。なお、ホルダをエッチン
グ液中に速やかに挿入することに関しては、ホルダ重量
が重ければ重いほど速やかに自重で嵌め会い構造に滑り
落ち込んで行くことになる。また、この工夫により、危
険で有害な系での操作においては、無人化作業が可能に
なることは言うまでもない。
【0095】次に、具体的な実施例を示す。前記図1、
図2に示した装置を、液高約25Cm、エッチング液実
容積約7リットル、電極間間隔4cm、ホルダ100は
鉛直から10度傾斜して対向電極と平行に対向する槽壁
主面を成すように挿入、エッチング液溜置式、エッチン
グ液はヒドラジン一水和物系、エッチング操作温度80
℃とし、直径5インチ半導体基板をエッチングするもの
とし、接触電極はフッ素樹脂製ケースにより被覆したバ
ネ押し式とし、白金電極を用い、リード線はホルダ本体
内を貫通し上部端より取り出し、とした場合における実
績として以下の結果を得ている。
【0096】すなわち、300枚以上の基板を処理した
結果、電解エッチング処理中に被処理半導体基板7の被
エッチング領域以外の部分および電気接続部がエッチン
グ液によって腐食、若しくは電蝕されて失敗する事例は
全く生じなかった。そして厚9.4±1μmのスペック
のダイアフラムを一基板に約400個形成した場合に歩
留り90%以上を得ている。前記図17に示した従来装
置では、20〜30%の成功率であり、辛うじてエッチ
ング処理を行ったものについてもトータルの精彩な数字
はないが歩留り約50%以下であった。したがって作業
の成功率と歩留まりが大幅に向上したことが判る。
【0097】また、操作性に関しては、エッチング処理
開始にあたって、電気的接続が完了した後、作業者がホ
ルダ100の窪み101に指を掛けつつホルダを保持
し、整流壁18の嵌め合い部に設置浸漬するまでの時間
は平均約3秒であった。また、エッチング終了したとこ
ろで、作業者がホルダ100の窪み101に指を掛けつ
つホルダを保持し、整流壁18の嵌め合い部より素早く
取り出し、予め用意してある洗浄液に浸す時間は平均約
9秒であった。したがって作業の操作性も大幅に改善さ
れていることが判る。
【0098】次に、図10は、本発明の方法に用いる電
解エッチング装置の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。また、図11は、図10のA−A’断面図であり、
周辺機器は省略してあり、装置主要部のみを示したもの
である。
【0099】先ず構成を説明すると、電解槽4中に、円
筒形の隔壁1が構成されており、ルギン管16を設けた
1つの電解モニタチャネル2および七個の電解チャネル
3が同心円上に等間隔に設けられている。この装置は半
導体基板を八枚処理する例である。各チャネルは同一寸
法、同一位置に構成されており、チャネル外周壁面に被
処理半導体基板7、内周壁面に対向電極6が壁面と同一
の傾きにて互いに平行に設置されている。電解モニタチ
ャネル2の外壁面をなすように1枚の被処理半導体基板
7を装着したホルダ100が傾斜した整流壁18に嵌め
合って設置され、容易に着脱可能となっている。円筒隔
壁1に対向電極6が壁面と同一の傾きにて互いに平行に
構成されている。当然のことながら、被処理半導体基板
7の被電解エッチング面は流路側に向けられている。ホ
ルダ100は耐エッチング液性の高い材質、例えばフッ
素樹脂で形成され、被処理半導体基板7の被エッチング
領域以外の部分はエッチング液に曝されない構造となっ
ている。当然のことながら、被処理半導体基板7の被電
解エッチング面は流路側に向けられている。なお、電解
チャネル数はほぼ対称に構成されていれば2個以上任意
に設定できる。また、各ホルダ100の詳細は前述の実
施の形態で説明したものと同様なものを用いればよい。
【0100】撹拌流動は可変モータ11によりその撹拌
速度をコントロールされる撹拌翼5により惹起される。
エッチング溶液17は傾斜した整流壁18および整流底
12により構成される流路を図中Ψで示した一方向に流
動する。従って、撹拌翼5は、例えばプロペラ状のもの
で所望の回転方向に可変モータ11で回転させることに
より下方から上方に流動を起こすことになり、エッチン
グ溶液17は被処理半導体基板7と対向電極6との間隙
を上方流れで通過する。なお、上方への流動は層流域内
で行なうことが望ましく、チャネル内の水平の合計断面
積とこれを除いた電解槽の水平の断面積とがほぼ等しい
ことが流動制御上有利である。また、バッフル(整流
板)は流動を上下方向に整流するに有効であり、流路に
適宜設けることは均一な上方流れの実現に寄与すること
になる。例えば、円筒隔壁1の内部にバッフルを構成し
ても良い。
【0101】また、同一チャネルに複数の被処理半導体
基板7と対向電極6との対を縦方向に設けることによ
り、装置をよりコンパクト化出来る。また、整流底1
2、整流壁18によって各電解チャネル3は相互に隔絶
されているが、隔壁を設けずに隔壁1の外壁面、電解槽
4の内壁面の形成する間隙部にそれぞれ被処理半導体基
板7と対向電極6の対を設置してもよい。その場合、各
対の間の中間に法線方向に整流板を設けると安定した上
昇流れを形成させ易い。
【0102】また、電解モニタチャネル2に於ける電気
化学的コントロールは、図1の場合とほぼ同様である。
つまり、ルギン管16によりモニタされる被処理半導体
基板7の被電解エッチング面の電位と比較電極14との
間の電位が所望の値になるように、ポテンショスタット
8を用いて、被処理半導体基板7の被電解エッチング面
と対向電極6の間の電位をコントロールして電解エッチ
ングを行なう。そして電解モニタチャネル2においてな
される半導体基板の被電解エッチング面と対向電極の間
の電位のコントロールが、ポテンショスタット8によっ
て残りの全チャネルに対してもなされつつエッチングが
行なわれることになる。つまり、同一構造、同一寸法の
基板に対して行なう同一の溶液を用いたエッチング操作
に於いては、電位制御と流動制御とによりそのエッチン
グが決定される。本例によれば各チャネルに於ける流動
が同一となっているため、電解モニタチャネル2におい
てなされる電位コントロールと同一の電位のコントロー
ルを他の基板にも施せば、電解モニタチャネル2に於け
るエッチングと同様のエッチングが全ての基板に於て行
なわれることとなる。
【0103】また、電解槽4、比較電極槽19内のエッ
チング溶液17は必要に応じて温度コントローラ10、
温度センサ21およびヒータ20により、それぞれ所望
の温度に保たれている。
【0104】なお、本例では、傾斜した整流壁18と撹
拌翼5とを用いて、エッチング液の流動を制御可能にし
た装置を示したが、流動項が電解エッチング性に余り効
かない系では、例えば前記図17に示したごとき垂直な
壁面にホルダが嵌め合う部分を形成しても良い。その際
のホルダ形状は嵌め合いの中で動かなければよい。
【0105】次に、本発明の作業方法の一例を説明す
る。なお、ホルダ100の構造や材質、およびそれを扱
う方法は原則的には図1〜図9で説明したことと同一で
あり、本例の装置に適応できる。ただし、複数のホルダ
を同時に着脱出来ない場合は、電解モニタチャネル2の
基板を、エッチング開始に当たっては最初に液中に設置
し、それから順次なるべく一定間隔で他の電解チャネル
3に基板を設置する方が良い。エッチング終了後、基板
を引き上げる場合は、逆に、順次なるべく一定間隔で、
電解モニタチャネル2でない電解チャネル3に設置して
あった基板を引き上げ、最後に電解モニタチャネル2の
基板を引き上げるほうがよい。つまり、電解モニタチャ
ネル2における電位モニタを行なっていることが、他の
基板への電解エッチングを施す前提となるからである。
【0106】次に、図12は、ホルダの他の実施の形態
を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。本例は一体型のホルダの構造を示す。ただし、この
ホルダは電解槽の壁が鉛直である形式の装置に適応する
ものである。図12においては、半導体基板7を装着し
たホルダ100が8個同心円状に配列され、それらがサ
ポートアーム103、104とホルダ連結アーム102
によって一体になっている。移動は把手106によって
行う。
【0107】また、電位印加用リード線90は各ホルダ
100を構成する樹脂中を通過することで、エッチング
液から保護されている。図12中ではホルダ100の上
部途中から取り出しているが、ホルダ100を貫通して
サポートアーム103の部分から取り出してもよいし、
さらに、サポートアーム103をも貫通させて把手10
6の部分から取り出してもよい。さらに、図7、図8で
示したように、1001の搬送ロボットアームに通して
も良い。
【0108】上記のような図12に示す一体型のホルダ
を用いる場合は、図7、図8に示したロボットによる搬
送移動が有利である。すなわち、このような方法にあっ
ては、人手で行う場合に比べて、ホルダの重量、大きさ
が増すからである。
【0109】次に、図13は、ホルダの他の実施の形態
を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。この例は、電解槽の壁が鉛直より傾いた装置、例え
ば図10、図11の様な装置に適応可能なように改良し
たものである。図13においては、同心円状に配置した
8個のホルダ100を、延伸サポートアーム用支持中央
板1042により固定支持された延伸サポートアーム1
041、サポートアーム103で連結支持する構成とな
っている。延伸サポートアーム1041は外側へ延びる
ことが出来るようになっている。
【0110】このようにホルダ100が傾斜した構造の
場合には、把手106により一括して引き上げた場合、
電解チャネルの間隙が狭隘であると、ホルダ100の傾
斜角度によっては、ホルダ下部が邪魔になり引き上げら
れなくなってしまう可能性がある。そのため、延伸性を
付与した延伸サポートアーム1041により、上昇する
に従い、円形一括型ホルダの直径が大きくなる、つま
り、各ホルダが外側に移動していくことにより、ホルダ
を上方に引き抜けるようにしたものである。このような
工夫により、傾斜型複数型ホルダが容易に使えることと
なる。このような一体型ホルダを用いれば複数枚の基板
処理が一括して行えるので、極めて効率的である。
【0111】次に、図14は、本発明の方法に用いる電
解エッチング装置の第3の実施の形態を示す平面図であ
り、周辺機器は省略してホルダ部の位置関係を明らかに
する装置主要部のみを示したものである。本例は、前記
図1、図2に示した装置の一チャネルに多数枚のホルダ
を平行に装着したものに相当する。この構造は処理効率
の向上を図ったものである。図14においては、被処理
半導体基板7を気密に装着したホルダ100を5個用
い、それぞれ5個の対向電極6とセットになるように装
着されている。エッチング液の流動は攪拌翼5により惹
起されており、温度コントロール、電気化学的コントロ
ールの詳細は省略するが、図10、図11に示した装置
とほぼ同様にして行われる。
【0112】この例の装置は、図10、図11の装置に
比べて比較的装置がコンパクトに設計でき、作業者が装
置の一面のみで操作できる利点がある。ただし、図1
0、図11の装置は各基板に対するエッチング液流動が
本例よりも均質にできるという利点を有している。
【0113】また、本例でのホルダ100はそれぞれ別
々に構成されているが、図15に示す一体型のホルダを
用いることも出来る。図15において、(a)は平面
図、(b)側面図である。本例では、半導体基板7を装
着した4個のホルダ100がサポートアーム104とホ
ルダ連結アーム102によって一体になっている。ま
た、移動は把手105によって行う。このような一体型
ホルダを用いれば複数枚の基板処理が一括して行え極め
て効率的である。
【0114】また、図15に示す一体型のホルダを用い
る場合は、前記図7、図8に示した、ロボットによる搬
送移動が有利である。すなわち、このような方法にあっ
ては、人手で行う場合に比べて、ホルダの重量、大きさ
が増すからである。
【0115】次に、図16は、一体型ホルダの他の実施
の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面
図を示す。この例は、対向電極を組み込んだ一体型のホ
ルダの例である。図16において、被処理半導体基板7
を設置したホルダ部は図15とほぼ同一であるが、例え
ば、図14にて示した装置などに適応可能である。対向
電極6は対向電極装着板301に設置される。そして、
5枚の対向電極装着板301が対向電極装着板連結アー
ム302で連結され一体化されている。それが、被処理
半導体基板7を設置したホルダ部と一体にされ複数の電
解チャネルを成すように形成している。
【0116】上記のように対向電極も一体化して取り出
し可能にした構成は、電解操作によりその表面にデポ物
が析出するような系で、対向電極をしばしば洗浄したほ
うがよい場合や、対向電極の消耗が激しい系でエッチン
グ処理後にしばしば点検を要する場合などに有効であ
る。
【0117】また、半導体基板のホルダ100を着脱移
動させるに当たっては、一体化して同時に対向電極のホ
ルダ301を移動させても良いし、或いは、対向電極の
ホルダを洗浄しないでよい場合等では、対向電極のホル
ダだけを槽中に残存させ、基板ホルダのみを着脱させる
等、それぞれを別々に扱ってもよい。
【0118】また、図16に示す一体型のホルダを用い
る場合は、図7、図8に示したロボットによる搬送移動
が有利である。すなわち、このような方法にあっては、
人手で行う場合に比べて、ホルダの重量、大きさが増す
からである。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エッチング液供給型装置またはエッチング液溜置型装置
を用いての半導体の被処理基板に電圧を印加して行なう
電解(エレクトロケミカル)エッチング操作において、
処理の再現性を向上させ、処理基板を駄目にするだけで
なくエッチング液を使用不可能にしてしまうと言う失敗
を防止する効果が得られる。さらには、品質の低下を招
いたり、作業バラツキを惹起したり、効率が低かった
り、安全性を損なうと言った諸点を解決することにより
量産操作に適応可能な操作とすることが出来るという効
果が得られる。
【0120】以下、請求項別に得られる効果を述べる。
請求項1に記載の発明においては、被処理基板である半
導体基板を再現性良好にかつ素早く、電解エッチングす
るための定位置に装着でき、かつ、治具への被処理基板
の着脱を、より簡便で、安定性、再現性が高く、確実な
ものにすることができるという効果がある。請求項2に
記載の発明においては、作用電極であり被処理基板でも
ある半導体基板と対向電極の間隔が狭くても、被処理基
板である半導体基板を再現性良好にかつ素早く、電解エ
ッチングするための定位置に装着できるという効果があ
る。
【0121】請求項3に記載の発明においては、より効
率的かつ確実に電解エッチング処理ができるという効果
がある。請求項4に記載の発明においては、電解エッチ
ング処理中に被処理基板の被エッチング領域以外の部分
と電気接続部を耐エッチング液性の高い材質で被覆する
操作を、効率良く、しかも安定にすることができるとい
う効果がある。
【0122】請求項5に記載の発明においては、上記請
求項1〜請求項4の効果に加えて、流動制御性の良好な
電解エッチングがより効率的かつ確実にできるという効
果がある。請求項6に記載の発明においては、被処理基
板への電位印加用導線の破損を防止し、電解エッチング
がより効率的かつ確実にできるという効果がある。
【0123】請求項7に記載の発明においては、被処理
基板用の治具に、対向電極若しくは対向電極を装着する
治具を組み合わせて用いることにより、対向電極のメン
テナンス性の向上が図れるという効果がある。請求項8
に記載の発明においては、複数個の被処理基板を同時に
処理することが出来るので、生産効率を向上することが
できるという効果がある。
【0124】請求項9に記載の発明においては、被処理
基板を平行に複数個設置して同じに処理することによ
り、処理基板枚数当たりの装置容積を小さく出来、より
生産効率を向上することができるという効果がある。請
求項10に記載の発明においては、被処理基板を同心円
状に複数個設置し、同じに処理することにより、電解エ
ッチングチャンバ内の流動制御性を増すことができると
いう効果がある。
【0125】請求項11に記載の発明においては、上記
請求項8〜請求項10の効果に加えて、複数の治具を一
括して扱えるようにしたことにより、操作性を向上させ
るという効果がある。請求項12に記載の発明において
は、上記請求項1〜請求項11の効果に加えて、エッチ
ングされている被処理基板からの発泡を容易に離脱さ
せ、均一性の高いエッチングができるという効果があ
る。
【0126】求項13に記載の発明においては、上記
請求項の効果に加えて、繰り返し使用可能な量産向き
にする効果がある。
【0127】請求項14に記載の発明においては、上記
請求項の効果に加えて、治具を軽量化すると共に、加
工精度を向上させる効果がある。請求項15に記載の発
明においては、上記請求項14の効果に加えて、治具を
繰り返し使用可能な量産向きにする効果がある。
【0128】請求項16に記載の発明においては、上記
請求項の効果に加えて、治具に被処理基板をワンタッ
チで装着するための保持具に対して、金属同士の接触面
で生ずる食い付き効果を防止し操作性良好で繰り返し使
用可能な量産性を向上させる効果がある。請求項17
記載の発明においては、上記請求項4、6の効果に加え
て、被処理基板への導線の電気的接続をとる作業におい
て、より高効率、安定性、再現性の高いものとできる効
果がある。
【0129】請求項18に記載の発明においては、上記
請求項10〜請求項12の効果が相乗的に図れるように
したもので、電解エッチングチャンバ内の流動制御性を
損なわずに複数の治具を一括して扱えるようにし、しか
も、、エッチングされている被処理基板からの発泡を基
板から容易に離脱させる操作を可能とするという効果が
ある。請求項19に記載の発明においては、請求項6に
記載の効果に加え、被処理基板を治具に装着する作業
と、導線を装着して被処理基板と電気的接続を取る作業
との両方が、被処理基板を治具に装着する作業のみで自
動的に行われるため、エッチング処理を行うに当って行
わねばならない前作業を、さらに効率的に行なえるとい
う効果がある。
【0130】請求項20に記載の発明においては、請求
17に記載の効果に加え、治具に被処理基板を装着す
る作業と、接触電極をエッチング液から遮蔽する作業と
が、被処理基板を治具に装着する作業のみで自動的に行
われるため、エッチング処理を行うに当って行わねばな
らない前作業を、さらに効率的に行なえるという効果が
ある。請求項21に記載の発明においては、請求項1〜
請求項20記載の効果に加え、基板への外部応力や歪み
を緩和する機構を備えたので、エッチング処理によって
機械的強度の低下した基板の割れを防止することが出来
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いる電解エッチング装置の第
1の実施の形態を示す断面図。
【図2】図1のa−a’断面図。
【図3】ホルダ100の一実施の形態を示した図であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b’断面
図。
【図4】接触電極130の周辺部分の詳細な実施の形態
を示す断面図。
【図5】被処理半導体基板7の両面をエッチング液に曝
すことのできる電極構造の実施の形態を示す断面図。
【図6】装着された基板の応力や歪みを低減する実施の
形態を示す断面図。
【図7】ホルダ100を機械的手段により搬送する実施
の形態を示す断面図であり、電解層4にホルダ100が
設置された状態を示す図。
【図8】ホルダ100を機械的手段により搬送する実施
の形態を示す断面図であり、電解層4から引き上げられ
て洗浄層40へ挿入する前の状態を示す図。
【図9】ホルダを手作業で取り出す場合に治具を用いて
取り出す実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図。
【図10】本発明の方法に用いる電解エッチング装置の
第2の実施の形態を示す断面図。
【図11】図10のA−A’断面図。
【図12】ホルダの他の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面図、(b)は側面図。
【図13】ホルダの他の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面図、(b)は側面図。
【図14】本発明の方法に用いる電解エッチング装置の
第3の実施の形態を示す平面図。
【図15】一体型ホルダの実施の形態を示す図であり、
(a)は平面図、(b)側面図。
【図16】対向電極を組み込んだ一体型ホルダの実施の
形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面
図。
【図17】従来の電解エッチング装置の一例の断面図。
【図18】従来の電界を印加しないエッチング方式にお
けるエッチング液溜置型装置の一例の断面図。
【符号の説明】
1…隔壁 2…電解モニタ
チャネル 3…電解チャネル 4…電解槽(管
部) 5…攪拌翼 6…対向電極 7…半導体基板 8…ポテンショ
スタット 9…外部リード線 10…温度コント
ローラ 11…可変モータ 12…整流底 13…金属電極 14…比較電極 15…塩橋 16…ルギン管 17…エッチング溶液 18…整流壁 19…比較電極槽 20…ヒータ 21…温度センサ 23…撹拌流動
部 25…隔壁 26…マグネッ
トスターラ 27…プレート型ヒータ 40…洗浄槽 41…洗浄液 50…ネジまた
はボルト 51、52…埋め込みめねじ 53…サポート
リング 80…半導体基板固定用上リング(保持具) 81…半導体基板固定用下リング(保持具) 90…エッチング電位印加用外部リード線 100…ホルダ(治具) 101…ホルダ
引出用窪 102…ホルダ連結アーム 103、104
…サポートアーム 105、106…把手 108…ざぐり
穴 110…ホルダ主面 130…接触電
極 200…上フレーム 201…外板 202…側板 203…底板 204…仕切板 301…対向電
極装着板 302…対向電極装着板連結アーム 500…電極ピ
ン 501…ホルダ100の接触電極130が設置されてい
る部位 502…圧縮コイルバネ503の図中右側の固定端を定
める部材 503…圧縮コイルバネ 505…基板7
の装着される側の面 506…ホルダ100の内部の面505に対応する面 507、508…Oリング 509…バック
アップリング 801…半導体基板固定用押さえツメ 811…半導体
基板固定用受けツメ 1000…搬送ロボット 1001…搬送
ロボットのアーム 1002…ホルダ引き出し用治具 1041…延伸
サポートアーム 1042…延伸サポートアーム用支持板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−310488(JP,A) 特開 平8−37173(JP,A) 特開 昭51−44568(JP,A) 実開 平1−147268(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306 H01L 21/3063 H01L 21/308

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体の被処理基板に電圧を印加して行な
    う電解エッチング方法において、 治具に前記被処理基板を装着し、該被処理基板を装着し
    た該治具をエッチング装置に設けた対向電極と平行な所
    定の定位置に装着して電解エッチングを行なう電解エッ
    チング方法であって、 前記治具は、前記治具の主面若しくは前記治具の主面上
    に所定の間隙を有して固定された該主面と平行の主面を
    持つ第1の保持具を有し、 前記第1の保持具はリング状であり、かつ該リングの内
    周部に二つ以上の鉤型の突起を有し、 さらに、前記第1の保持具のリングの内径よりも小さな
    外径を有するリング状であり、かつ該リングの外周部に
    前記第1の保持具の鉤型の突起と嵌め合わされる突起を
    有する第2の保持具を有し、 前記第1の保持具のリング内に前記被処理基板を設置
    し、その上から前記第2の保持具を装着し、前記第1の
    保持具の突起と前記第2の保持具の突起とを嵌め合わせ
    ることにより、前記治具の主面上の前記間隙部分に前記
    治具の主面と平行に前記被処理基板を気密に装着するこ
    とを特徴とする電解エッチング方法。
  2. 【請求項2】電解エッチング装置内部の前記対向電極と
    対向する所定の部分に嵌め合い構造を設け、上記治具を
    上記嵌め合い構造に嵌め込むことにより、前記被処理基
    板を前記対向電極と平行な所定の定位置に装着すること
    を特徴とする請求項1に記載の電解エッチング方法。
  3. 【請求項3】前記治具を搬送する搬送手段を設け、該搬
    送手段により前記治具を該エッチング液に浸漬したり、
    該エッチング液より取り出すことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の電解エッチング方法。
  4. 【請求項4】前記被処理基板における被エッチング面以
    外の部分をエッチング液に触れさせないように前記被処
    理基板を前記治具に装着することを特徴とする請求項1
    乃至請求項3の何れかに記載の電解エッチング方法。
  5. 【請求項5】前記被処理基板の被エッチング面をその一
    部として構成される壁と、該被処理基板の被エッチング
    面に対向して設けられた対向電極をその一部として構成
    される壁と、で構成される電解チャネルを有する電解エ
    ッチング装置において、前記治具の主面が前記被処理基
    板の被エッチング面をその一部として構成される壁を形
    成するように前記治具を設置することを特徴とする請求
    項1乃至請求項4の何れかに記載の電解エッチング方
    法。
  6. 【請求項6】前記治具に、前記被処理基板に電圧を印加
    若しくは電流を通電する導線を装着する機構を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    電解エッチング方法。
  7. 【請求項7】前記被処理基板に電圧を印加若しくは電流
    を通電するための対向電極、または該対向電極を装着し
    た第2の治具を、前記被処理基板用の治具に組み合わせ
    て用いることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れ
    かに記載の電解エッチング方法。
  8. 【請求項8】前記被処理基板用の治具、前記対向電極用
    の第2の治具若しくは前記被処理基板の少なくとも一つ
    を同時に複数個用いてエッチングすることを特徴とする
    請求項1乃至請求項7の何れかに記載の電解エッチング
    方法。
  9. 【請求項9】前記複数の治具が一定間隔をもって平行に
    装着されたことを特徴とする請求項8に記載の電解エッ
    チング方法。
  10. 【請求項10】前記複数の治具が一定間隔をもって円周
    状に装着されたことを特徴とする請求項8に記載のエッ
    チング方法。
  11. 【請求項11】前記複数の治具が複数個一括して着脱可
    能に構成されたことを特徴とする請求項8乃至請求項1
    0の何れかに記載の電解エッチング方法。
  12. 【請求項12】前記複数の治具が鉛直方向から傾いて装
    着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11
    の何れかに記載の電解エッチング方法。
  13. 【請求項13】前記第1の保持具および前記第2の保持
    具が、前記突起を含めて、同一の樹脂若しくは金属若し
    くは金属の構造材の表面が樹脂膜で覆われた材料の何れ
    かで作られたものである、ことを特徴とする請求項1に
    記載の電解エッチング方法。
  14. 【請求項14】前記治具が樹脂製であり、前記第1の保
    持具および前記第2の保持具が、前記突起を含めて、金
    属製若しくは金属の構造材の表面が樹脂膜で覆われた材
    料で作られたものである、ことを特徴とする請求項1に
    記載の電解エッチング方法。
  15. 【請求項15】前記治具が樹脂製であり、前記第1の保
    持具が金属製若しくは金属の構造材の表面が樹脂膜で覆
    われた材料で作られ、 かつ、前記樹脂製の治具に埋め込まれた金属製若しくは
    金属の構造材の表面が樹脂膜で覆われた材料で作られた
    嵌め合い雌ねじとねじとにより、前記第1の保持具が前
    記治具に固定されていることを特徴とする請求項14に
    記載の電解エッチング方法。
  16. 【請求項16】前記第1の保持具および前記第2の保持
    具が、前記突起を含めて、金属の構造材の表面が樹脂膜
    で覆われた材料で作られたものである、ことを特徴とす
    る請求項1に記載の電解エッチング方法。
  17. 【請求項17】前記被処理基板の裏面に電位印加用の接
    触電極をエッチング液から遮蔽して装着することを特徴
    とする請求項1乃至請求項16の何れかに記載の電解エ
    ッチング方法。
  18. 【請求項18】一定間隔で円周状に鉛直方向から傾斜し
    て装着された複数の被処理基板を装着した治具を、一括
    して電解槽に出し入れするためのサポートアームが、略
    水平方向に延伸出来るように構成したことを特徴とする
    請求項10または請求項11に記載の電解エッチング方
    法。
  19. 【請求項19】前記治具に前記被処理基板を装着するこ
    とにより、電圧を印加若しくは電流を通電する前記導線
    と前記被処理基板とが電気的に接続されるように構成し
    たことを特徴とする請求項6に記載の電解エッチング方
    法。
  20. 【請求項20】前記治具に前記被処理基板を装着するこ
    とにより、前記電極がエッチング液から遮蔽されるよう
    に構成したことを特徴とする請求項17に記載の電解エ
    ッチング方法。
  21. 【請求項21】前記治具に装着された前記被処理基板に
    かかる応力を制御する機構を備えたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項20の何れかに記載の電解エッチング
    方法。
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