JP2012094562A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デバイス不良の発生を低減し、かつ半導体ウエハの欠けや割れを防ぐことができる半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体ウエハ1をエッチング液や洗浄液などの処理溶液に浸す処理を行うにあたって、まず、半導体ウエハ1を薄化する。ついで、薄化された半導体ウエハ1の外周端部2の全部または一部を樹脂膜3で被覆する。このとき、樹脂膜3の厚みを、局所的に厚くしてもよい。また、樹脂膜3の幅を、局所的に広くしてもよい。樹脂膜3は、処理溶液よりも大きい比重を有する。ついで、外周端部2が被覆された複数の半導体ウエハ1を、キャリアに垂直に配置する。ついで、半導体ウエハ1をキャリアごと処理溶液が満たされた薬液槽に沈めることで、複数の半導体ウエハ1を同時に処理溶液に浸す。
【選択図】図3
【解決手段】半導体ウエハ1をエッチング液や洗浄液などの処理溶液に浸す処理を行うにあたって、まず、半導体ウエハ1を薄化する。ついで、薄化された半導体ウエハ1の外周端部2の全部または一部を樹脂膜3で被覆する。このとき、樹脂膜3の厚みを、局所的に厚くしてもよい。また、樹脂膜3の幅を、局所的に広くしてもよい。樹脂膜3は、処理溶液よりも大きい比重を有する。ついで、外周端部2が被覆された複数の半導体ウエハ1を、キャリアに垂直に配置する。ついで、半導体ウエハ1をキャリアごと処理溶液が満たされた薬液槽に沈めることで、複数の半導体ウエハ1を同時に処理溶液に浸す。
【選択図】図3
Description
この発明は、半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハにエッチングや洗浄処理などを行う際に、複数枚のウエハをまとめて同時に処理するバッチ処理が公知である。図13は、従来のバッチ処理によるエッチングや洗浄処理について模式的に示す説明図である。図13に示すように、半導体ウエハ1を搬送するための搬送治具(キャリア)100のスロット内に半導体ウエハ1の外周端部を挿入し、一定の間隔をおいて、複数枚の半導体ウエハ1を垂直に配置する。そして、半導体ウエハ1を、キャリア100ごと薬液201で満たされた薬液槽200の中に浸す。これにより、複数の半導体ウエハ1に同時にウエットエッチングや洗浄処理(以下、バッチウエット処理とする)が行われる。
バッチウエット処理で用いられるエッチング液や洗浄液などの薬液201は、水(H2O)を溶媒とする溶液である場合が多い。このため、バッチウエット処理中に、薬液201中の水や、薬液201中に溶け込んでいる炭酸ガス(CO2)や酸素ガス(O2)、水素ガス(H2)などが気化することによって、またはエッチングや溶解などの化学反応によって、薬液201中に気泡が発生し、気泡が半導体ウエハ1に付着することがある。半導体ウエハ1に付着した気泡は、その体積に相当する薬液201の重量に等しい浮力を受ける。この浮力によって、キャリア100内に配置された半導体ウエハ1に、鉛直上方に押し上げられる方向に力が働く。
気泡の付着による半導体ウエハの浮き上がりを防止するために、半導体ウエハを押さえるための機構を備えた装置として、薬液槽を有し、被処理物を上記薬液槽中の薬液にキャリアを用いることなく浸漬することにより上記被処理物の薬液処理を行う薬液処理装置において、上記薬液に上記被処理物を浸漬する際に生じる上記被処理物の浮き上がりを抑制する手段を有し、上記浮き上がりを抑制する手段が、上記被処理物を上から押さえることができるように構成されている装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、別の装置として、基板の収容・搬出の際には耐蝕シリンダの作動片が移動部材を許容位置に揺動させ、基板を処理する際には耐蝕シリンダの作動片が移動部材を規制位置に揺動させ、耐蝕シリンダの作動片を進退させるだけで、処理槽内における基板の移動を規制する装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、支持基板を貼り合わせて補強された半導体ウエハにエッチングや洗浄処理を行う際に、半導体ウエハと支持ウエハの隙間への薬液の侵入や浸透を防ぐ方法として、半導体素子の製造開始時の厚さよりも薄くされた薄化ウエハ、または薄化ウエハが支持ウエハに貼り合わされた状態の貼り合わせ体の外周端部の一部を樹脂溶液の中に所定の深さだけ浸漬させ、その状態で薄化ウエハまたは貼り合わせ体を回転させて外周端部の全部に樹脂溶液を付着させながら、その付着した樹脂溶液を硬化させる方法が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
しかしながら、発明者が鋭意研究を重ねた結果、次のことが判明した。図14は、従来のバッチ処理によるエッチングや洗浄処理の過程について模式的に示す説明図である。気泡202の付着による半導体ウエハ1の浮き上がりは、半導体ウエハ1の厚さと、薬液201の種類や温度、浸漬時間などバッチウエット処理の処理条件に依存する。半導体ウエハ1の材料であるシリコン(Si)の比重は2.33であり、水を溶媒とする薬液201の比重(≒1.0)よりも大きい。このため、半導体ウエハ1が標準的な厚さである場合、キャリア100のスロットから半導体ウエハ1が抜けて浮き上がることはない。
また、半導体ウエハ1が標準的な厚さであれば、半導体ウエハ1に付着した気泡202は、例えば、キャリア100を揺り動かしたり、薬液槽200内の薬液201を強制的に流動させたりするなどによって、半導体ウエハ1に振動や衝撃を与えて取り除くことができる。ここで、半導体ウエハ1の標準的な厚さとは、直径6インチの半導体ウエハで500〜675μm、直径8インチの半導体ウエハで500〜800μmである。
しかし、縦型IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)や縦型MOSFET(絶縁ゲート型電解効果トランジスタ)などの縦型パワー半導体装置は、電気的な損失を低減するために、半導体ウエハ1の厚さを標準的な厚さよりも薄くしている。半導体ウエハ1の厚さが薄い場合、図14に示すように、半導体ウエハ1に付着する気泡202によって、半導体ウエハ1が浮き上がってしまうことがわかった。また、半導体ウエハ1に付着した気泡202を取り除くために、上述したように半導体ウエハ1に振動や衝撃を与えた場合、キャリア100等や治具等との接触や摩擦によって、半導体ウエハ1の外周端部が欠けたり、半導体ウエハ1が割れたりしてしまう虞が生じる。
例えば、半導体ウエハ1が浮き上がってしまう場合の、半導体ウエハ1の厚さと薬液201の条件等との関係の一例について説明する。半導体ウエハ1が200〜300μmの厚さに薄化されている場合、フッ化水素(HF)水溶液に室温で数分程度浸漬したとしても(酸化膜除去処理)、半導体ウエハ1に付着する気泡の数は少ないため、半導体ウエハ1が浮き上がることはない。
しかし、70℃以上の温度に保ったTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液に半導体ウエハ1を数時間浸す場合には(シリコンのアルカリエッチング)、シリコンのエッチング反応により水素ガスが発生し、半導体ウエハ1に付着する気泡の数が多くなるので、半導体ウエハ1の厚さが200〜300μm程度あってとしても、半導体ウエハ1が浮き上がってしまう。
また、耐圧600Vクラスのフィールドストップ構造を備えたIGBTでは、半導体ウエハの最終的な厚さは、60〜100μm程度となる。このように極端に薄化された半導体ウエハに対してバッチウエット処理を行う場合、上述した比較的気泡の付着が少ないフッ酸水溶液を用いた場合であっても、半導体ウエハ1は浮き上がってしまう。
半導体ウエハ1が浮き上がってしまった場合、図14に示すように、半導体ウエハ1の端部301が薬液201の液面から上側にはみ出し、エッチング不足や洗浄不足などが生じるため、半導体ウエハ1の浮き上がりは、デバイス不良を引き起こす原因となっている。
図15は、搬送治具から浮き上がった半導体ウエハを模式的に示す説明図である。図16は、従来の半導体ウエハを押さえる機構を備えた搬送治具について模式的に示す説明図である。図15,16では、半導体ウエハ1が浮き上がった様子を明確に示すために、薬液槽および薬液は図示省略する。図16に示すように、キャリア100内に並べた半導体ウエハ1の上に、全ての半導体ウエハ1を押さえるための棒状の部材(以下、ウエイト材とする)101を載せて、キャリア100から浮き上がる半導体ウエハ302を(図15)押さえる方法が提案されている。
しかしながら、半導体ウエハ1は、薄化されることによって、その端部が鋭く尖った状態になっている(以下、ナイフエッジ化とする、不図示)。このため、ウエイト材101が、半導体ウエハ1の端部に突き刺さってしまい、半導体ウエハ1から外れなくなるという問題が生じる。このため、このような方法によって、半導体ウエハ1の浮き上がりを防止することが困難となっている。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、デバイス不良の発生を低減することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。また、半導体ウエハの欠けや割れを防ぐことができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる半導体装置の製造方法は、半導体ウエハを所定の処理溶液に浸す処理を行う半導体装置の製造方法であって、前記半導体ウエハの外周端部を、前記処理溶液よりも比重の大きい部材で被覆する被覆工程と、外周端部が前記部材で被覆された前記半導体ウエハを前記処理溶液に浸す浸漬工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記被覆工程の前に、前記半導体ウエハを、半導体素子の製造開始時の厚さよりも薄くする薄化工程をさらに含むことを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1または2に記載の発明において、前記浸漬工程の後、前記半導体ウエハの外周端部に被覆された前記部材を除去する除去工程をさらに含むことを特徴する。
また、請求項4の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部の全部を前記部材で被覆することを特徴とする。
また、請求項5の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部の一部を前記部材で被覆することを特徴とする。
また、請求項6の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部を被覆する前記部材の一部の厚みを厚くすることを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部を被覆する前記部材の一部の幅を広くすることを特徴とする。
また、請求項8の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記部材の比重は、1.0よりも大きいことを特徴とする。
また、請求項9の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記部材は、前記処理溶液に対する耐性を有することを特徴とする。
また、請求項10の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記部材は、アルカリ性の前記処理溶液に対する耐性を有することを特徴とする。
また、請求項11の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部に樹脂溶液を付着させ、その付着した樹脂溶液を硬化させることによって、該外周端部に前記部材となる樹脂膜を形成することを特徴とする。
また、請求項12の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項11に記載の発明において、前記樹脂溶液は、前記処理溶液よりも比重の大きい微粒子を分散させた溶液であることを特徴とする。
また、請求項13の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項11に記載の発明において、前記樹脂溶液は、二酸化ケイ素からなる微粒子を分散させた溶液であることを特徴とする。
また、請求項14の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項11〜13のいずれか一つに記載の発明において、前記樹脂膜は、フォトレジストで形成されることを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項11〜14のいずれか一つに記載の発明において、前記除去工程では、フォトレジストを剥離するための薬液に前記半導体ウエハを浸して、該半導体ウエハの外周端部を被覆する前記樹脂膜を除去することを特徴とする。
また、請求項16の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記被覆工程では、前記部材で前記半導体ウエハの外周端部を挟み込んで、該外周端部を前記部材で被覆することを特徴とする。
また、請求項17の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項16に記載の発明において、前記部材は、絶縁物または絶縁物で被覆された金属からなることを特徴とする。
また、請求項18の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の発明において、前記浸漬工程では、前記半導体ウエハの表面が前記処理溶液の液面に対して垂直になる角度で、該半導体ウエハを該処理溶液に浸すことを特徴とする。
また、請求項19の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜18のいずれか一つに記載の発明において、前記浸漬工程では、複数の前記半導体ウエハを同時に前記処理溶液に浸すことを特徴とする。
また、請求項20の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜19のいずれか一つに記載の発明において、前記浸漬工程では、搬送治具に複数の前記半導体ウエハを並べて配置し、該半導体ウエハを該搬送治具ごと前記処理溶液に浸すことを特徴とする。
また、請求項21の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項1〜20のいずれか一つに記載の発明において、前記浸漬工程では、エッチング処理または洗浄処理が行われることを特徴とする。
上述した発明によれば、半導体ウエハの外周端部を、処理溶液よりも比重の大きい部材で被覆する。これにより、半導体ウエハを処理溶液に浸したときに、部材が半導体ウエハの重り(ウエイト)として作用する。このため、バッチウエット処理によって半導体ウエハに気泡が付着して鉛直上方に押し上げられる方向に力が働いたとしても、半導体ウエハが浮き上がることを抑制することができる。
また、半導体ウエハの外周端部が部材で被覆されているため、半導体ウエハの外周端部が補強される。このため、半導体ウエハに付着した気泡を取り除くために半導体ウエハに振動や衝撃を与えたとしても、キャリア等や治具等との接触や摩擦から半導体ウエハを保護することができる。
また、請求項12,13によれば、部材となる樹脂膜の比重を処理溶液の比重よりもさらに大きくすることができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、デバイス不良の発生を低減することができるという効果を奏する。また、半導体ウエハの欠けや割れを防ぐことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1〜4は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について順に示す説明図である。半導体ウエハを所定の処理溶液に浸し、ウエットエッチングや洗浄処理(バッチウエット処理)を行う過程について示している。所定の処理溶液とは、例えば、エッチング液や、半導体ウエハの表面に付着した付着物を除去するための洗浄液である。ここでは、半導体ウエハをエッチング液に接触させ、半導体ウエハに半導体素子の構造部を形成する場合について説明する。
図1〜4は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について順に示す説明図である。半導体ウエハを所定の処理溶液に浸し、ウエットエッチングや洗浄処理(バッチウエット処理)を行う過程について示している。所定の処理溶液とは、例えば、エッチング液や、半導体ウエハの表面に付着した付着物を除去するための洗浄液である。ここでは、半導体ウエハをエッチング液に接触させ、半導体ウエハに半導体素子の構造部を形成する場合について説明する。
まず、図2に示すように、半導体ウエハ1の表面全体を例えば研削またはエッチングし、半導体ウエハ1の厚さを、半導体素子の製造開始時の厚さ(図1)よりも薄くする(薄化工程)。このとき、半導体ウエハ1の端部は、例えば、鋭く尖った状態になる(ナイフエッジ化)。
ついで、図3に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2に、おもて面から裏面に跨って樹脂膜(部材)3を形成し、外周端部2を樹脂膜3で被覆する(被覆工程)。樹脂膜3は、後の浸漬工程において半導体ウエハ1が浸される処理溶液よりも大きい比重を有する。具体的には、樹脂膜3の比重は、1.0よりも大きい。つまり、樹脂膜3の比重は、水を溶媒とする処理溶液の比重(≒1.0)よりも大きいのが好ましい。
また、樹脂膜3は、処理溶液に対する耐性を有する。具体的には、樹脂膜3は、エッチング液として用いられるアルカリ性の処理溶液に対する耐性を有する。例えば、アルカリ溶液を用いて半導体ウエハ1にウエットエッチングを行う場合、樹脂膜3は、フォトレジストであってもよい。これにより、半導体ウエハ1を処理溶液に浸したときに、樹脂膜3が溶けてしまうことを防止することができる。
また、樹脂膜3は、後の除去工程において樹脂膜3を剥離するための薬液で容易に除去することができる材質であることが望ましい。例えば、樹脂膜3としてフォトレジスト膜を形成した場合、半導体ウエハ1の外周端部2に被覆されたフォトレジスト膜を、フォトレジストを剥離するための薬液(フォトレジスト剥離液)によって容易に除去することができる。
具体的には、被覆工程では、半導体ウエハ1の外周端部2に樹脂溶液を付着させ、その付着した樹脂溶液を硬化させる。これにより、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜3で被覆することができる。半導体ウエハ1の外周端部2に樹脂溶液を付着させる装置(図12参照)の一例については後述する。
樹脂溶液として、例えばネガ型フォトレジストを用いてもよい。また、樹脂溶液は、処理溶液よりも比重の大きい微粒子を分散させた溶液であってもよい。好適には、樹脂溶液は、より比重の大きい材料からなる微粒子を分散させた溶液であるのが望ましく、例えば二酸化ケイ素(SiO2:比重=2.5程度)からなる微粒子を分散させた溶液であってもよい。
また、樹脂溶液は、金属微粒子を分散させた溶液であってもよい。金属微粒子として、例えば、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)を用いてもよい。その理由は、デバイス特性を悪化させる原因となる金属汚染が比較的発生しにくい金属であるからである。また、半導体装置の製造過程において、アルミニウムやチタンを除去するためのエッチング液が一般的に広く用いられており、金属微粒子の残渣除去を容易に行うことができるからである。
より具体的には、被覆工程では、例えばアルカリ溶液を用いて半導体ウエハ1にエッチングを行う場合、半導体ウエハ1の外周端部2にフォトレジスト溶液を付着させ、この付着されたフォトレジスト溶液を硬化させる。フォトレジスト溶液として、例えば、東京応化工業株式会社(登録商標)製の半導体用ネガ型フォトレジストOMR(登録商標)−83を用いてもよい。この半導体用ネガ型フォトレジストは、東京応化工業株式会社製のフォトレジスト剥離液OMR−502もしくはOMR−502Aによって容易に除去することができる。
また、被覆工程では、半導体ウエハ1の外周端部2の全部を樹脂膜3で被覆してもよいし、半導体ウエハ1の外周端部2の一部を樹脂膜3で被覆してもよい。また、半導体ウエハ1の外周端部2の一部の樹脂膜3の厚みを厚くしてもよいし、半導体ウエハ1の外周端部2の一部の樹脂膜3の幅を広くしてもよい。ここで、樹脂膜3の幅とは、半導体ウエハ1の表面の樹脂膜3で被覆された部分の、外周端部2から中央部側の端部までの長さである。樹脂膜3を被覆する位置や、樹脂膜3の厚さおよび幅については、後述する。
ついで、フォトリソグラフィによって、半導体ウエハ1の表面に、例えば、半導体素子の構造部の回路パターンが開口したレジストマスク(不図示)を形成する。半導体ウエハ1の表面に、半導体素子の構造部の回路パターンが開口したレジストマスクを形成する処理は、後述する浸漬工程の前であればよく、例えば薄化工程の前に行ってもよい。
ついで、図4に示すように、半導体ウエハ1を搬送するための搬送治具(キャリア)10のスロット(不図示)内に半導体ウエハ1の外周端部を挿入し、一定の間隔をおいて、複数枚の半導体ウエハ1を配置する。キャリア10は、例えばポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)などの絶縁物からなる。
ついで、半導体ウエハ1の表面が薬液槽内のエッチング液の液面に対して垂直となる角度で、半導体ウエハ1をキャリア10ごとエッチング液で満たされた薬液槽(不図示)に沈める(浸漬工程:例えば、図13参照)。例えば、図4に示すように、作業台(不図示:紙面下側)に置かれたキャリア10内に、作業台の表面に対して半導体ウエハ1の表面が垂直になるように半導体ウエハ1を配置する。そして、例えば作業台に置かれた薬液槽内のエッチング液中に、作業台上に置かれた状態でキャリア10を沈める。これにより、複数の半導体ウエハ1が同時にエッチング液に浸される。
ここで、浸漬工程を行う前に、半導体ウエハ1の表面には、半導体素子の構造部の回路パターンが開口したレジストマスクが形成されている。このため、浸漬工程によって、複数の半導体ウエハ1に同時にエッチング処理が行われ、半導体ウエハ1の一方の主面または両方の主面に、半導体素子の構造部(不図示)が形成される。
これ以降の処理は、半導体ウエハ1の外周端部2に樹脂膜3を付着させた状態のまま行う。このため、半導体ウエハ1の外周端部2が欠けたり、半導体ウエハ1が割れたりするのを防ぐことができる。このようにして、半導体ウエハ1に例えば半導体素子が形成された半導体装置が完成する。
ついで、半導体ウエハ1の外周端部2に被覆された樹脂膜3を除去する(除去工程:不図示)。具体的には、除去工程では、例えば樹脂膜3としてフォトレジストを形成した場合、フォトレジスト剥離液に半導体ウエハ1を浸し、該半導体ウエハ1の外周端部2を被覆するフォトレジスト膜を溶して除去する。半導体素子の構造部が形成された直後に除去工程を行う場合には、半導体ウエハ1の表面に形成されたレジストマスクとともに樹脂膜3を除去してもよい。
また、除去工程では、樹脂膜3内に微粒子が含まれる場合、この微粒子ごと樹脂膜3を除去する。このため、除去工程後に、半導体ウエハ1の表面に微粒子が再付着して残ってしまった場合、さらに、半導体ウエハ1をフッ酸水溶液に浸漬させて微粒子の残渣を除去してもよい。また、半導体ウエハ1のダイシング工程などによって、半導体ウエハ1の外周端部2が切断される場合などには、除去工程を行わなくてもよい。
また、除去工程では、剥離液による樹脂膜3の除去に時間がかかってしまう場合には、半導体ウエハ1から機械的に剥離(ピール)してもよい。この場合、半導体ウエハ1から樹脂膜3を剥離しやすいように、半導体ウエハ1に対して、予め樹脂膜3の接着力を低下させるような表面処理を施しておくことが望ましい。
また、上述した浸漬工程としてエッチング処理を行っているが、これに限らず、浸漬工程として半導体ウエハ1の洗浄処理を行ってもよい。この場合、例えば、処理溶液として酸やアルカリ系の薬液を用い、酸やアルカリ系の薬液に対する耐性を有する樹脂溶液を用いてもよい。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、半導体ウエハ1の外周端部2を、処理溶液よりも比重の大きい樹脂膜3で被覆する。これにより、半導体ウエハ1を処理溶液に浸したときに、樹脂膜3が半導体ウエハ1の重り(ウエイト)として作用する。このため、バッチウエット処理によって半導体ウエハ1に気泡が付着して鉛直上方に押し上げられる方向に力が働いたとしても、半導体ウエハ1が浮き上がることを抑制することができる。したがって、半導体ウエハ1の浮き上がりを原因とするデバイス不良を低減することができる。
また、半導体ウエハ1の外周端部2が樹脂膜3で被覆されているため、半導体ウエハ1の外周端部2が補強される。このため、半導体ウエハ1に付着した気泡を取り除くために半導体ウエハ1に振動や衝撃を与えたとしても、キャリア10等や治具等との接触や摩擦から半導体ウエハ1を保護することができる。これにより、半導体ウエハ1の欠けや割れを防止することができる。
また、半導体ウエハ1の外周端部2が樹脂膜3で被覆されているため、半導体ウエハ1をエッチングしても、半導体ウエハ1の外周端部2のレジストマスクが形成されていない外周端部2の部分で、意図しないエッチングがなされることを防止することができる。これにより、半導体ウエハ1の外周端部2が部分的に薄くなることを防止することができる。したがって、半導体ウエハ1の強度を向上することができる。
また、半導体ウエハ1の外周端部2に、微粒子を分散させた樹脂溶液を付着させ、この付着させた樹脂溶液を硬化させることで、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜3で被覆する。これにより、さらに樹脂膜3の比重を処理溶液の比重よりも大きくすることができる。
外周端部2が樹脂膜3で被覆された複数枚の半導体ウエハ1のエッチングや洗浄処理を、バッチ処理によって一括して行う。このため、デバイス不良を低減し、かつ半導体ウエハ1の欠けや割れを防止するとともに、複数枚の半導体ウエハ1を効率的に処理することができる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法について示す説明図である。実施の形態1において、さらに、半導体ウエハ1を押さえるための機構を備えていてもよい。
図5は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法について示す説明図である。実施の形態1において、さらに、半導体ウエハ1を押さえるための機構を備えていてもよい。
実施の形態2では、図5に示すように、キャリア10内に複数の半導体ウエハ1を並べた後に、半導体ウエハ1の上に棒状の部材(ウエイト材)11を載せて、全ての半導体ウエハ1を上側から押さえる。ウエイト材11は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの絶縁物であってもよい。ついで、浸漬工程以降の処理を、実施の形態1と同様に行う。それ以外の構成および処理工程は、実施の形態1と同様である。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、半導体ウエハ1の外周端部2が樹脂膜3によって保護されているため、半導体ウエハ1の外周端部2がナイフエッジ化されていても、半導体ウエハ1がウエイト部材11に突き刺さって外れなくなるという不具合を低減することができる。これにより、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜3で被覆するとともに、ウエイト材11を併用して、半導体ウエハ1の浮き上がりを抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1,2に示す被覆工程において、半導体ウエハ1の外周端部2を被覆する部材を、樹脂膜に代えて、絶縁物や絶縁物で被覆された部材としてもよい。
実施の形態1,2に示す被覆工程において、半導体ウエハ1の外周端部2を被覆する部材を、樹脂膜に代えて、絶縁物や絶縁物で被覆された部材としてもよい。
実施の形態3では、被覆工程において、半導体ウエハ1の外周端部2を、絶縁物や絶縁物で被覆された部材(以下、取付部材とする)で挟み込んで、半導体ウエハ1の外周端部2に取付部材を取り付ける。つまり、取付部材は、半導体ウエハ1の外周端部2に接着せずに機械的に取り付けられる。
例えば、絶縁物からなる取付部材を用いる場合、絶縁物に設けられた溝に半導体ウエハ1が挿入されることにより、絶縁物の弾性力によって半導体ウエハ1の外周端部2が機械的に挟み込まれる。また、取付部材として絶縁物で被覆された金属を用いる場合、例えばクリップなどのように金属の弾性力によって、半導体ウエハ1の外周端部2を挟み込む。
ついで、取付部材が取り付けられた半導体ウエハ1を、実施の形態1と同様に処理溶液に浸す(浸漬工程)。これ以降の処理は、半導体ウエハ1の外周端部2に取付部材を取り付けた状態のまま行う。ここで、取付部材は半導体ウエハ1に接着されていない。このため、後の除去工程では、取付部材を半導体ウエハ1から機械的に取り外すことができる。それ以外の工程は、実施の形態1と同様である。
取付部材として、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの絶縁物や、ポリテトラフルオロエチレンなどで被覆された金属を用いるのがよい。その理由は、ポリテトラフルオロエチレンが、様々な薬液に対する耐性を有し、かつその比重が処理溶液に比べて大きいからである。また、ポリテトラフルオロエチレンなどで被覆された金属は、ポリテトラフルオロエチレンのみを用いる場合に比べて、より比重を大きくすることができ、かつ構造が簡易であり、加工が容易であるからである。
取付部材の条件は、実施の形態1における樹脂膜と同様である。取付部材が取り付けられた半導体ウエハ1の外観は、例えば、実施の形態1と同様である。また、半導体ウエハ1の外周端部2の全体を樹脂膜で被覆した後に、半導体ウエハ1の外周端部2の一部に取付部材を取り付けてもよい。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、取付部材は、半導体ウエハ1に接着されないため、剥離液によって溶解することなく、容易に取り外すことができる。これにより、取付部材を再利用することができる。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3における半導体ウエハ1の外周端部2を被覆する部材の膜厚と、半導体ウエハ1の表面の部材で被覆された部分の、外周端部2から中央部側の端部までの長さ(以下、部材の幅とする)について説明する。ここでは、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜で被覆した場合を例に説明する。
実施の形態1〜3における半導体ウエハ1の外周端部2を被覆する部材の膜厚と、半導体ウエハ1の表面の部材で被覆された部分の、外周端部2から中央部側の端部までの長さ(以下、部材の幅とする)について説明する。ここでは、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜で被覆した場合を例に説明する。
図6〜11は、半導体ウエハを被覆する範囲の一例について示す説明図である。ここでは、図6に示すように、オリエンテーションフラット部20が形成された半導体ウエハ21を用いて説明する。図7に示すように、厚さ等にむらのない樹脂膜22で半導体ウエハ21の外周端部2(オリエンテーションフラット部20を含む)の全体を被覆してもよい。
図8に示すように、オリエンテーションフラット部20を被覆する樹脂膜22の幅と円弧部分23を被覆する樹脂膜22の幅を変えてもよい。この場合、まず、厚さにムラのない樹脂膜22で半導体ウエハ21の外周端部2(オリエンテーションフラット部20を含む)の全体を被覆した後、再度、樹脂膜22の幅を広げて円弧部分23を被覆する。例えば、半導体ウエハ21の中心を基準としてオリエンテーションフラット部20の反対側の円弧部分23を被覆する樹脂膜22の幅を広くしてもよい。
図9に示すように、半導体ウエハ21の円弧部分23のみを樹脂膜22によって被覆してもよい。このとき、半導体ウエハ21の中心を基準としてオリエンテーションフラット部20の反対側の円弧部分23を被覆する樹脂膜22の幅を最も広くし、オリエンテーションフラット部20に近づくにつれて、樹脂膜22の幅を徐々に狭くしてもよい。
図10に示すように、半導体ウエハ21の中心を基準としてオリエンテーションフラット部20の反対側の円弧部分23のみを樹脂膜22で被覆してもよい。このとき、樹脂膜22の幅を例えば均一にしてもよい。図11に示すように、オリエンテーションフラット部20のみを樹脂膜22によって被覆してもよい。
また、図8〜11において、樹脂膜22の幅を広くするとともに、樹脂膜22の膜厚を厚くしてもよいし、樹脂膜22の幅を広くする代わりに、樹脂膜22の膜厚を厚くしてもよい。
樹脂膜22の膜厚は、例えばキャリアのスロットに半導体ウエハ21の外周端部2を挿入することができる程度の厚さや、樹脂膜22で被覆された半導体ウエハ21の外周端部が搬送中にキャリアのスロットに接触または衝突しない程度の厚さであるのが好ましい。これにより、半導体ウエハ21の外周端部2が欠けたり、半導体ウエハ21が割れたりするのを防ぐことができる。
具体的には、半導体ウエハ21の外周端部2のおもて面および裏面をそれぞれ被覆する樹脂膜22の膜厚と半導体ウエハ21の厚さとの合計が、直径6インチの半導体ウエハ21の場合に625μm以下、直径8インチの半導体ウエハ21の場合に725μm以下となるように、樹脂膜22の膜厚を設定するのが望ましい。
また、実施の形態1,2に示すようなオリエンテーションフラット部が形成されていない円形状の半導体ウエハ1においても、例えば、半導体ウエハ1の所定の位置を基準として、上述した図7〜11に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2を樹脂膜で被覆してもよい。所定の位置とは、例えば面方位に基づく位置などである。
また、実施の形態3に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2に取付部材を取り付ける場合においても、例えば、半導体ウエハ1の所定の位置を基準として、上述した図8に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2の一部に、半導体ウエハ1の外周端部2の全体を被覆する樹脂膜よりも幅の広い取付部材を取り付けてもよい。また、図9〜11に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2の一部に取付部材を取り付けてもよい。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、半導体ウエハ21の外周端部2の一部を樹脂膜22で被覆したり、局所的に樹脂膜22の膜厚や幅を変えたりすることで、半導体ウエハ21の重心を制御することができる。これにより、半導体ウエハ21がキャリア内で回転することを抑制することができる。例えば、バッチウエット処理中に常にオリエンテーションフラット部20を処理溶液の液面側に保ちたい場合には、図8〜10に示すように樹脂膜22を形成することで、オリエンテーションフラット部20の反対側の円弧部分23側に半導体ウエハ21の重心をおくことができる。これにより、オリエンテーションフラット部20が処理溶液の液面側から離れる方向に回転することを抑制することができる。
(実施の形態5)
図12は、樹脂溶液を塗布するための装置の一例を示す斜視図である。図12に示すように、半導体ウエハ1の中心に吸盤等31により回転軸体32を固定し、その回転軸体32をスタンド33により支持する。そして、半導体ウエハ1の外周端部2の一部を樹脂溶液35の中に浸漬させ、その状態で回転軸体32とともに半導体ウエハ1を一回転させ、半導体ウエハ1の外周端部2の全部に樹脂溶液35を付着させる。
図12は、樹脂溶液を塗布するための装置の一例を示す斜視図である。図12に示すように、半導体ウエハ1の中心に吸盤等31により回転軸体32を固定し、その回転軸体32をスタンド33により支持する。そして、半導体ウエハ1の外周端部2の一部を樹脂溶液35の中に浸漬させ、その状態で回転軸体32とともに半導体ウエハ1を一回転させ、半導体ウエハ1の外周端部2の全部に樹脂溶液35を付着させる。
その際、樹脂溶液35を貯留する容器34の底から樹脂溶液35の液面36までの高さ(樹脂溶液35の深さ)hを調節し、半導体ウエハ1の外周端部2を常に容器34の底に接触させながら半導体ウエハ1を回転させる。このようにすることによって、樹脂溶液35中に浸漬される半導体ウエハ1の外周端部2の深さを容易に制御することができる。つまり、外周端部2に付着する樹脂膜3の幅を容易に制御することができる。例えば、容器34の底から樹脂溶液35の液面36までの高さhを10mmにすれば、半導体ウエハ1の外周端部2に10mmの幅で樹脂膜3を付着させることができる。
半導体ウエハ1の外周端部2に付着した樹脂溶液35は、半導体ウエハ1の回転により容器34内の樹脂溶液35の液面36から離れて空気に触れると乾燥する。その後、加熱、紫外線照射等によって硬化させ樹脂膜3を形成する。それによって、図3に示すように、半導体ウエハ1の外周端部2およびその両側の面が例えば10mmの幅で樹脂膜3により被覆される。
半導体ウエハ1の外周端部2を被覆する樹脂膜3の膜厚および幅を局所的に変化させる場合、樹脂溶液35の液量を半導体ウエハ1の回転に合わせて変化させてもよいし、樹脂溶液35の液量を変えずに、半導体ウエハ1の鉛直方向の位置を半導体ウエハ1の回転に合わせて変化させてもよい。樹脂膜の厚さは、樹脂溶液の粘度を調整してもよいし、回転塗布と硬化処理とを繰り返すことによって調整しても良い。
以上、説明したように、実施の形態5によれば、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
以上において本発明では、半導体ウエハにエッチング処理および洗浄処理を行うことを例に説明しているが、上述した実施の形態に限らず、半導体ウエハを処理溶液に浸して行うさまざまな処理に適用することが可能である。また、半導体ウエハの外周端部を被覆す部材は、上述した樹脂膜、絶縁物および絶縁物が被覆された金属に限らず、処理溶液に対する耐性を有し、処理溶液よりも比重の大きい材料からなるものであれば種々変更可能である。また、平坦な半導体ウエハに限らず、表面に凹凸を有する半導体ウエハに適用することが可能である。
以上のように、本発明にかかる半導体装置の製造方法は、電力変換装置などに使用されるパワー半導体装置の製造過程で、薄化された半導体ウエハに対してエッチング処理および洗浄処理を行う場合に有用である。
1 半導体ウエハ
2 半導体ウエハの外周端部
3 樹脂膜
2 半導体ウエハの外周端部
3 樹脂膜
Claims (21)
- 半導体ウエハを所定の処理溶液に浸す処理を行う半導体装置の製造方法であって、
前記半導体ウエハの外周端部を、前記処理溶液よりも比重の大きい部材で被覆する被覆工程と、
外周端部が前記部材で被覆された前記半導体ウエハを前記処理溶液に浸す浸漬工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記被覆工程の前に、前記半導体ウエハを、半導体素子の製造開始時の厚さよりも薄くする薄化工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記浸漬工程の後、前記半導体ウエハの外周端部に被覆された前記部材を除去する除去工程をさらに含むことを特徴する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部の全部を前記部材で被覆することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部の一部を前記部材で被覆することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部を被覆する前記部材の一部の厚みを厚くすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部を被覆する前記部材の一部の幅を広くすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記部材の比重は、1.0よりも大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記部材は、前記処理溶液に対する耐性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記部材は、アルカリ性の前記処理溶液に対する耐性を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記半導体ウエハの外周端部に樹脂溶液を付着させ、その付着した樹脂溶液を硬化させることによって、該外周端部に前記部材となる樹脂膜を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記樹脂溶液は、前記処理溶液よりも比重の大きい微粒子を分散させた溶液であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記樹脂溶液は、二酸化ケイ素からなる微粒子を分散させた溶液であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記樹脂膜は、フォトレジストで形成されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記除去工程では、フォトレジストを剥離するための薬液に前記半導体ウエハを浸して、該半導体ウエハの外周端部を被覆する前記樹脂膜を除去することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被覆工程では、前記部材で前記半導体ウエハの外周端部を挟み込んで、該外周端部を前記部材で被覆することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記部材は、絶縁物または絶縁物で被覆された金属からなることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記浸漬工程では、前記半導体ウエハの表面が前記処理溶液の液面に対して垂直になる角度で、該半導体ウエハを該処理溶液に浸すことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記浸漬工程では、複数の前記半導体ウエハを同時に前記処理溶液に浸すことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記浸漬工程では、搬送治具に複数の前記半導体ウエハを並べて配置し、該半導体ウエハを該搬送治具ごと前記処理溶液に浸すことを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記浸漬工程では、エッチング処理または洗浄処理が行われることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
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-
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- 2010-10-22 JP JP2010237950A patent/JP2012094562A/ja active Pending
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