JP3538959B2 - 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂 - Google Patents

抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂

Info

Publication number
JP3538959B2
JP3538959B2 JP11705995A JP11705995A JP3538959B2 JP 3538959 B2 JP3538959 B2 JP 3538959B2 JP 11705995 A JP11705995 A JP 11705995A JP 11705995 A JP11705995 A JP 11705995A JP 3538959 B2 JP3538959 B2 JP 3538959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
acid
tri
film
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11705995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08311185A (ja
Inventor
重次 小長谷
英人 大橋
政弘 世古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP11705995A priority Critical patent/JP3538959B2/ja
Publication of JPH08311185A publication Critical patent/JPH08311185A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538959B2 publication Critical patent/JP3538959B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌成分としてジカル
ボン酸の一部が置換基としてスルホン酸のホスホニウム
塩を有する共重合ポリエステル樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、工業用、農業用、食品関係等の様
々な分野で多くの抗菌剤が用いられており、例えばキチ
ン,キトサン等の天然材料;二酸化チタン超微粒子,銀
含有ゼオライト等の無機材料;種々の合成材料等が繁用
されている。このうち合成材料は、天然材料や無機材料
に比べて抗菌性能に優れているものの、表面処理加工法
によって抗菌成分を付与しているために抗菌成分が揮発
したり分離したりする恐れがあり、更に概して毒性が高
いという不具合も伴っている。合成材料がこの様に高い
毒性を有するのは、水や有機溶媒等に対する溶解性が高
いためである。従って、最近では不溶性で毒性の低い固
定化抗菌剤の開発が進められている。
【0003】この固定化抗菌剤は、ポリエステル、ポリ
ビニル等のポリマー鎖に、抗菌成分が固定されたポリマ
ー型抗菌剤である。抗菌成分としては、第四級アンモニ
ウム塩(特開昭54−86548号、特開昭61−24
5378号)等の含窒素化合物が著名であるが、その他
に、細菌類、真菌類、藻類等に対して広い抗菌スペクト
ルを有する化合物としてホスホニウム塩化合物が知られ
ている(特開昭57−204286号、特開昭63−6
0903号、特開昭62−114903号、特開平1−
93596号、特開平2−240090号)。
【0004】特開平5−310820号には、上記ホス
ホニウム塩化合物を含有する固定化抗菌剤が開示されて
いる。詳細には、酸性基(例えばスルホン酸基を有する
モノマー)にホスホニウム塩をイオン結合させた抗菌成
分を高分子物質に固定化させた抗菌性材料であり、該抗
菌材料をゴム、プラスチック、繊維、フィルム、塗料等
に成形加工し、優れた抗菌性を付与することを期待する
ものである。同公報の実施例には、スルホイソフタル酸
のホスホニウム塩に、トリ−n−ブチルドデシルホスホ
ニウムクロライドを反応させることによって得られた抗
菌成分を含有するポリエステル共重合体が挙げられてい
る。この実施例に基づいて本発明者らが実際に繊維やフ
ィルム等の成形品を作製したところ、ホスホニウム塩の
含有量が高いためか分子量の増加が見られず、所定の強
度を得ることが困難であった。その理由は、後述する様
に、成形加工に当たりホスホニウム塩の含有量は十分な
粘度を付与するために重要な因子であるにも拘らず、上
記公報では、その様な量的制御に全く注意が払われてい
ないことに基づくものと考えられる。更にポリマーの着
色も目立ち、反応条件によってはポリマーがゲル状にな
り使用に耐え難くなることも分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、抗菌性が良好
であることは勿論のこと、ポリマーの着色の度合を低減
し、ゲル発生の程度を抑えて耐熱性を高めることによっ
て、抗菌性繊維や抗菌性フィルム等の成形材料に好適に
用いることのできる共重合ポリエステル樹脂を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の共重合ポリエステル樹脂とは、ジカル
ボン酸成分の一部が置換基としてスルホン酸のホスホニ
ウム塩を有する共重合ポリエステルであって、且つM
g、CaおよびMnよりなる群から選択される少なくと
も1種の金属が含まれる共重合ポリエステル樹脂におい
て、リン酸及び/またはその誘導体を、P量に換算して
合計で20〜200ppm含有すると共に、前記金属の
総モル数に対するPの総モル数の比が0.4〜1.0の
範囲であることに要旨を有するものである。
【0007】
【作用】本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成
分及びグリコール成分を主成分とし、該ジカルボン酸成
分の一部が置換基としてスルホン酸のホスホニウム塩を
有すると共に、Mg、CaおよびMnよりなる群から選
択される少なくとも1種の金属が含まれる樹脂であるこ
とを前提条件としている。そして、この樹脂に、リン酸
及び/またはその誘導体を特定量含有させ且つ上記金属
とリンのモル比を特定範囲内で含有させることによっ
て、抗菌活性を高めると共に、着色の生成を抑え、耐熱
性や強度等の成形加工性を高めることにより成形材料用
樹脂としての特性を改善した点に特徴を有するものであ
る。
【0008】まず、本発明樹脂の基本骨格について説明
する。本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分
およびグリコール成分を反応させることによって得られ
る。
【0009】上記ジカルボン酸成分としては、芳香族ジ
カルボン酸、脂環式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン
酸、複素環式ジカルボン酸などが挙げられる。このうち
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4−ジカルボキシルフェニル、4,4−ジカルボキ
シルベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニ
ル)エタン及びそれらの誘導体などが挙げられ、脂環式
ジカルボン酸としてはシクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸及びその誘導体などが挙げられ、脂肪族ジカルボ
ン酸としてはアジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、エイコ酸、ダイマー酸及びそれらの誘導体等が挙げ
られ、複素環式ジカルボン酸としてはピリジンカルボン
酸及びその誘導体等が挙げられる。この様なジカルボン
酸成分以外に、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボ
ン酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びその誘導
体等の多官能酸を含むことも可能である。
【0010】上記グリコール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。このほか少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテ
ル結合、カーボネート結合等を含有する化合物を含有し
ても良い。
【0011】そして本発明のポリエステル樹脂には、抗
菌成分として上記ジカルボン酸成分の一部に置換基とし
てスルホン酸のホスホニウム塩が共重合されている。こ
の様なスルホン酸のホスホニウム塩としては、例えば芳
香族ジカルボン酸の一部に、置換基としてスルホン酸の
ホスホニウム塩を含有する化合物が挙げられ、具体的に
は、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルデシルホスホ
ニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタ
デシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル
酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スル
ホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム
塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルデシルホスホ
ニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルオクタ
デシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−
ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル
酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スル
ホテレフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム
塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ
−n−ブチルデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルオクタデ
シルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−
ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウ
ム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸ト
リ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、4−スル
ホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチル
ドデシルホスホニウム塩などが挙げられる。
【0012】上記ホスホニウム塩において、抗菌活性の
程度はリンに結合しているアルキル基(同一または異な
っていても良い)の長さに強く影響を受け、例えば炭素
数10〜20のアルキル基を少なくとも1個有する化合
物は抗菌活性が著しく高く、従来使用されている4級ア
ンモニウム塩に比べても顕著な抗菌作用を発揮する。こ
の様な観点から特に好ましいのは、スルホイソフタル酸
トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホ
イソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウ
ム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホ
スホニウム塩等である。
【0013】上記スルホン酸のホスホニウム塩は、例え
ば芳香族ジカルボン酸のスルホン酸塩(例えば5−スル
ホイソフタル酸ジメチルナトリウム、スルホテレフタル
酸ナトリウム等)にホスホニウム塩(例えばトリ−n−
ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n
−ブチルテトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−
n−ブチルドデシルホスホニウムブロマイド等)を反応
させることによって得られる。この反応に用いられる反
応溶媒は特に限定されないが、最も好ましいのは水であ
る。
【0014】本発明では、共重合体ポリエステル樹脂中
に上記スルホン酸のホスホニウム塩を1〜20mol%
の範囲で含有させることが必要である。これは、抗菌作
用を有効に発揮させると共に、所定の粘度を付与して成
形性を高めるのに必要な量である。
【0015】この様な共重合ポリエステル樹脂には、更
にMg、CaおよびMnよりなる群から選択される少な
くとも1種の金属が含まれている。これらの金属は、塩
化マグネシウムや酢酸マグネシウム、塩化カルシウムや
酢酸カルシウム、塩化マンガンや酢酸マンガン等の様な
塩の形で重合反応系に供給される。これらの金属は樹脂
の着色度及びゲル発生度の改善に有用であり、この様な
作用を有効に発揮させるには、金属総量で20〜300
ppmの範囲で含有させることが必要である。この様な
含有量の範囲内であれば、上記金属をそれぞれ単独で含
有しても良く、あるいは2種以上併用することも可能で
ある。ここで、金属含有量が300ppmを超えるとポ
リマーの着色が顕著になり、一方20ppm未満では耐
熱性及び抗菌性の向上が得られない。
【0016】以上が、本発明の骨格を成すポリエステル
樹脂についての説明であるが、本発明では、この様なポ
リエステル樹脂に、更に(a)リン酸及び/またはその
誘導体を、P量に換算して合計で20〜200ppm含
有すると共に、(b)上記金属の総モル数に対するPの
総モル数の比を0.4〜1.0の範囲とする点に特徴を
有する。
【0017】このうちリン酸及び/またはその誘導体
は、Mg等の金属と同様、本発明の共重合ポリエステル
の着色度及びゲル発生度の改善を目的として添加される
ものである。上記リン酸の誘導体としては、リン酸トリ
メチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸ト
リプロピルエステル、リン酸トリブチルエステル等が挙
げられる。このうちポリマーの耐熱性及び抗菌性を向上
させるという観点からすれば、リン酸及びリン酸トリメ
チルエステルの使用が好ましい。
【0018】尚、これら金属およびリン誘導体による作
用を一層有効に発揮させるためには、上記金属の総モル
数に対するPの総モル数の比を0.4〜1.0とするこ
とが必要である。
【0019】上記モル比が0.4未満または1.0を超
える場合には、ポリマーの着色が目立ち、粗大粒子の生
成が顕著となり、繊維、フィルム、プラスチックなどの
成形体への加工が困難となる。好ましい下限値は0.4
5、より好ましいのは0.50であり、一方、好ましい
上限値は0.95、より好ましいのは0.90である。
【0020】上記の如く本発明の共重合ポリエステル樹
脂について詳述したが、更に下記の添加剤を含有しても
良い。例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、フッ化カルシウム、タルク、カオリン、酸化珪
素、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、アルミナ/
シリカ複合酸化物などの無機粒子;架橋ポリスチレン、
架橋ポリメタクリル酸エステル、架橋ポリアクリル酸エ
ステルなどの有機粒子等が挙げられる。
【0021】このうち、幾つかの代表的な添加剤につい
て説明する。上記炭酸カルシウム粒子は、その結晶構造
により三方晶系または六方晶系に分類されるカルサイ
ト;斜方晶系に分類されるアラゴナイト;および六方晶
系または擬六方晶系に分類されるバテライトの3つの結
晶型に分類される。本発明では、このうち如何なる結晶
型を用いることも可能であり、その形状についても連球
状、立方体状、紡錘状、柱状、針状、球形、卵形などを
任意に選択することができる。
【0022】また、上記カオリン粒子は、天然カオリン
や合成カオリン、焼性・未焼性を問わず如何なるタイプ
を用いることも可能であり、その形状も板状、柱状、球
形、紡錘状、卵形などを任意に選択することができる。
【0023】上記アルミナとしては、ジブサイト、バイ
ヤライト、ノルトストランダイト、ベーマイト、ダイア
スボア、トーダイトなどの結晶性アルミナ水和物;無定
型ゲル、ベーマイトゲル、バイヤライトなどの非晶性ア
ルミナ水和物;ρ,η,γ,χ,κ,δ,θ型などの中
間活性アルミナまたはα型アルミナが挙げられる。
【0024】これらの添加剤の平均粒径は特に限定され
ないが、平均一次粒子系は0.01μ以上5μ以下が好
ましく、その添加量は合計で0.01〜5重量%である
ことが好ましい。粒子の含有量が5重量%を超えると、
共重合ポリエステル樹脂中に粗大粒子が顕著に生成し、
フィルム、繊維などに成形した場合、その成形体表面に
粗大突起が目立ち、成形体の品質、耐摩耗性等が低下す
るという問題が生じる。
【0025】本発明のポリエステル樹脂を製造するには
特に制限されず、任意の方法が採用され。例えば、芳香
族ジカルボン酸とグリコールを反応させる際には、これ
らを直接反応させる直接重合法の他、芳香族ジカルボン
酸のジメチルエステルとグリコールとをエステル交換反
応させるエステル交換法などが適用される。この様にし
て得られポリエステル樹脂に、更に上記金属、並びにリ
ン酸及びその誘導体を添加する際には、金属を原料仕込
み時に、リン酸類を重合反応前に添加することが推奨さ
れる。
【0026】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、包装
用フィルム、磁気テープ用フィルム、工業用フィルム、
プラスチック、繊維、バインダー等の原料とし有用であ
り、種々の成形体に適用される。尚、フィルムとしては
未延伸フィルム、一軸配向フィルム、二軸配向フィルム
等のいずれでも構わないが、フィルム強度の観点から特
に二軸配向フィルムが推奨される。
【0027】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0028】
【実施例】以下に、実施例および比較例で得られた共重
合ポリエステル樹脂の物性の測定方法を示す。 ポリマーの着色度の評価 重合反応によって得られたポリマーの溶融体を液体窒素
中に投入し、固化させた。このポリマーの色を目視観察
し、以下の基準で評価した。 ○:着色がなく透明である。 △:透明であるが、やや薄黄色に着色している。 ×:透明であるが、濃い黄色に着色している。
【0029】ゲル化物量の評価 重縮合の終了後、生成したポリマーを適当なダイスより
押出し、厚さ150μmのフィルムを得た。このフィル
ムをオーバーヘッドプロジェクター上に置いて約10倍
に拡大投影した。このときサイズ測定用のスケールも同
様に投影した。目視によりフィルムのサイズを0.8m
m以上、0.5mm以上0.8mm未満、0.2mm以
上0.5mm未満、0.2mm以下の4段階に分けて個
数を数えた。この様にして測定した個数をフィルム1g
当たりに換算した(単位:個数/g)。次に、以下の基
準に従って、段階別に個数の重み付け補正を行った。 0.8mm以上 … ×100 0.5mm以上0.8mm未満 … ×50 0.2mm以上0.5mm未満 … ×5 0.2mm以下 … ×0
【0030】上記補正を施した後平均値を算出し、以下
のランク分けに従ってゲル化物の評価を行なった。 ○:10ポイント未満 △:10ポイント以上50ポイント未満 ×:50ポイント以上
【0031】抗菌性テスト 予め高圧蒸気殺菌しておいたフィルム(5cm×6c
m)上に、1/50ブロースで希釈したS. aureus (黄
色ブドウ球菌)の菌液(107個/ml)0.1mlを
滴下した後、そのフィルム上に、高圧蒸気滅菌したサラ
ンラップフィルムを密着させた。この試験片を滅菌シャ
ーレに移し換え、37℃で24時間培養した。次に、フ
ィルム上の菌をSCDLP培地(Soybean-Casein Diges
t Broth with Lecithin & Polysorbate 80)10mlで
洗浄した後、10倍に希釈してから普通寒天平板上にま
き、24時間後に菌数を計測した。
【0032】実施例1 テレフタル酸(TPA)149g、5−スルホイソフタ
ル酸ジメチルエステルのトリ−n−ブチルヘキサデシル
ホスホニウム塩(PC16)66g、エチレングリコー
ル(EG)124g、共重合ポリエステル理論量に対し
て三酸化アンチモン(重縮合触媒として添加)をSb量
として250ppm、酢酸マグネシウムをMg量として
100ppm、リン酸トリメチルエステルを加え、25
0℃、2.5kg/cm2の圧力下でエステル化反応を
行なった。
【0033】エステル化反応終了後、得られた反応物に
トリメチルホスフェートをP量として70ppm加えた
後、常圧下、260℃で10分間攪拌した。その後真空
下で30分間重縮合反応を行ない、極限粘度η=0.6
0の共重合ポリエステル樹脂を得た。この様にして得ら
れたポリエステル樹脂の物性を後記する表1に示した。
【0034】上記樹脂90重量部に対し、平均粒径0.
5μmの炭酸カルシウム微粒子が20000ppmの濃
度で分散されたポリエチレンテレフタレート10重量部
を混合した後、290℃で溶融押出しし、30℃の冷却
ロールで冷却することにより厚さ約180μmの未延伸
フィルムを得た。この未延伸フィルムを、85℃に加熱
された周速の異なる一対のロール間で縦方向に3.5倍
延伸した後、次いでテンターにより130℃で横方向に
3.5倍延伸し、更に200〜210℃で熱固定するこ
とにより厚さ14.5μmの2軸延伸共重合ポリエステ
ルフィルムを得た。得られたフィルムの抗菌性評価結果
を後記する表1に併記した。
【0035】実施例2〜8 ポリエステル樹脂中に含有されるグリコール化合物、ス
ルホイソフタル酸のホスホニウム塩の種類及び量、並び
に金属化合物の種類及びリン化合物の量を表1および表
2に示す如く変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、実施例2〜8の共重合ポリエステル樹脂を得た。こ
の様にして得られた各樹脂の物性評価を実施例1と同様
にして行なった。尚、表中NPGとはネオペンチルグリ
コールを、PC12とは、5−スルホイソフタル酸ジメ
チルエステルのトリ−n−ブチルドデシルホスホニウム
塩、PC14とは5−スルホイソフタル酸ジメチルエス
テルのトリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩を
夫々表す。
【0036】比較例1〜9 ポリエステル樹脂中に含有されるグリコール化合物、ス
ルホイソフタル酸のホスホニウム塩の種類及び量、並び
に金属化合物の種類及びリン化合物の量を表1および表
2に示す如く変更したこと以外は実施例1と同様にして
ポリエステル樹脂を作製し、これらの物性評価を同様に
行なった。 上記実施例および比較例における測定結果を表1および
表2にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】これらの結果から明らかな様に、本発明の
ポリエステル樹脂は、抗菌性に優れると共に、着色及び
ゲル化が起こりにくく熱的安定性に優れているので、抗
菌性繊維やフィルム等の成形材料として非常に有用であ
ることが分かった。これに対して、本発明の要件を満足
しない比較例の樹脂は、上記の特性のいずれかに劣るも
のであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルは上記の様
に構成されているので、抗菌性が良好で、且つ着色及び
ゲル化が起こりにくく熱的安定性にも優れているため、
抗菌性繊維やフィルム等の成形材料として好適に用いる
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 世古 政弘 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内フィルム研 究所内 (56)参考文献 特開 平7−102052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分の一部が置換基として
    スルホン酸のホスホニウム塩を有する共重合ポリエステ
    ルであって、且つMg、CaおよびMnよりなる群から
    選択される少なくとも1種の金属が含まれる共重合ポリ
    エステル樹脂において、 リン酸及び/またはその誘導体を、P量に換算して合計
    で20〜200ppm含有すると共に、前記金属の総モ
    ル数に対するPの総モル数の比が0.4〜1.0の範囲
    であることを特徴とする抗菌性に優れた共重合ポリエス
    テル樹脂。
JP11705995A 1995-05-16 1995-05-16 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂 Expired - Fee Related JP3538959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11705995A JP3538959B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11705995A JP3538959B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08311185A JPH08311185A (ja) 1996-11-26
JP3538959B2 true JP3538959B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=14702416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11705995A Expired - Fee Related JP3538959B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538959B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08311185A (ja) 1996-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4022927B2 (ja) 抗菌性組成物及び抗菌性積層体
JP5588348B2 (ja) 抗菌性塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルム
US6171685B1 (en) Water-dispersible films and fibers based on sulfopolyesters
US9109094B2 (en) Highly adhesive polyester film and packaging material using the same
US20030068511A1 (en) Transparent, multilayer, biaxially oriented polyester film, and process for its production
EP1388562B1 (en) Biodegradable polyester resin composition and films, sheets and other molded articles thereof
US6872446B2 (en) White, biaxially oriented film made from a crystallizable thermoplastic with high whiteness and with additional functionality
WO2006009762A1 (en) Electrically conductive polyetherester composition comprising carbon black and product made therefrom
JP2009119866A (ja) ポリエステルフィルム及びその製造方法
JPH1135718A (ja) 抗菌性白色ポリエステル系フィルム及び抗菌性積層白色ポリエステル系フィルム
JP3538959B2 (ja) 抗菌性に優れた共重合ポリエステル樹脂
JPH11166108A (ja) 抗菌性樹脂組成物及びその用途
JP4062751B2 (ja) 抗菌性熱収縮ポリエステルフィルム、熱収縮包装材および結束材
JPH11138702A (ja) 抗菌性積層体およびそれを用いた包装材
JPH10251495A (ja) 抗菌性材料およびその積層体
JPH1017663A (ja) 抗菌性フィルム
JP4992171B2 (ja) ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム
JPH03277626A (ja) ポリエステルの製造方法
JP3882959B2 (ja) 抗菌性積層包装材料及び包装体
JPS61254637A (ja) 易滑透明性フイルム及びその製造法
KR100280382B1 (ko) 유연성이우수한무연신폴리에스테르필름
JPH1110766A (ja) 抗菌性金属板
JP2000256482A (ja) 抗菌性フィルム
JPH10168141A (ja) 抗菌性材料
JPS61295037A (ja) 熱可塑性樹脂フイルム積層物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040315

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080402

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees