JP3537728B2 - 生化学反応検出チップ用基板およびその製造方法、生化学反応検出チップ、生化学反応を行うための装置および方法、ならびに記録媒体 - Google Patents

生化学反応検出チップ用基板およびその製造方法、生化学反応検出チップ、生化学反応を行うための装置および方法、ならびに記録媒体

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JP3537728B2 JP2000056775A JP2000056775A JP3537728B2 JP 3537728 B2 JP3537728 B2 JP 3537728B2 JP 2000056775 A JP2000056775 A JP 2000056775A JP 2000056775 A JP2000056775 A JP 2000056775A JP 3537728 B2 JP3537728 B2 JP 3537728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学反応検出チ
ップ用基板およびその製造方法、生化学反応検出チッ
プ、生化学反応を行うための装置および方法、ならびに
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸の塩基配列を測定する技術として、
予め設計した塩基配列の1本鎖オリゴヌクレオチドプロ
ーブを塩基配列の種類毎に領域を分けて固定したポリヌ
クレオチド検出チップを用いて、測定対象である1本鎖
ポリヌクレオチドと1本鎖オリゴヌクレオチドプローブ
との相補鎖結合(ハイブリダイゼーション)の有無を検
出する方法が知られている。ポリヌクレトチド検出チッ
プの例としては、関心のある特定の変異配列に相補的な
DNAを配置した診断用のポリヌクレオチド検出チップ
(Science Vol.270, 467-470 (1995))、測定対象に存
在し得る全ての塩基配列に相補鎖結合するオリゴヌクレ
オチドプローブを準備し、測定対象の塩基配列決定を行
うSBH(sequencing by hybridization)法が知られて
いる(J. DNA Sequencing and Mapping, Vol. 1, 375-3
88 (1991))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オリゴヌクレオチドプ
ローブと1本鎖ポリヌクレオチドの相補鎖結合の熱安定
性は配列毎に異なる。その理由は以下のように考えられ
る。アデニン(A)とチミン(T)の結合又はアデニン(A)
とウラシル(U)の結合は、1塩基あたり2カ所の水素結
合であるのに対して、グアニン(G)とシトシン(C)
の結合は1塩基あたり3カ所の水素結合である(図11)。
その結果、結合力に差異が生じる。G−C結合はA−T
結合又はA−U結合より結合力が強い(図12(a))ため
に、熱安定性が高い。従って、同じ塩基長で熱安定性を
比較する場合、A−T結合又はA−U結合のみが存在す
る2重結合の熱安定性は最も低く、G−C結合のみが存
在する2重結合の熱安定性は最も高い。相補鎖結合の熱
安定性は、一般的に、結合とその解離が50%ずつ生じ
る温度(融解温度)(Tm)で示される(図12(b))。
【0004】8量体のオリゴヌクレオチドDNAプロー
ブを例にとると、すべてがA−T結合からなる2本鎖D
NAのTmは15.2℃(%GC法(Breslauer K.J.,e
t.al.:"Predicting DNA duplexstability from the bas
e sequence", Proc.Natl.Acad,Sci.USA83,3746-3750)
による計算値)であるのに対して、すべてがG−C結合
からなる2本鎖DNAのTmは56.2℃であり、その
差は41.0℃である(図12(c))。
【0005】このように、オリゴヌクレオチドプローブ
の相補鎖結合のTm値が大きく変化する場合には、各プ
ローブの相補鎖結合のTm値の温度でハイブリダイゼー
ションを行う必要がある。Tmより高温の条件では、1
本鎖ポリヌクレオチドはプローブと結合しにくく、有効
な効果が得られない。一方、Tmより低温の条件では、
ミスマッチ結合によるバックグラウンドのノイズが増加
し、測定分解能の低下を招く。そのため、ポリヌクレオ
チド検出チップ上に複数種類のプローブを固定した場
合、ポリヌクレオチド検出チップ上の温度を一定にし
て、検査対象の1本鎖ポリヌクレオチド試料とのハイブ
リダイゼーションを行うと、プローブ毎に熱安定性が異
なるため、プローブの相補鎖結合の生成量の差異及びミ
スマッチ確率の差異が生じる問題がある。
【0006】従来の検出チップでは、検出チップ上の全
てのプローブについてハイブリダイゼーションを行う温
度は一定に設定し、溶媒の塩濃度の調整や検出チップに
固定するプローブ密度やプローブ塩基長を種類毎に変化
させる手法により、プローブ毎の熱安定性の差異による
プローブの相補鎖結合の生成量の差異及びミスマッチ確
率の差異を解消する試みがなされてきた。しかし、Tm
の差異による影響を十分解消するには至っていない。
【0007】この問題を解決する例として、特開平11
−127900号では、個々の分析電極のまわりに導電
性加熱トラックを設ける、又は、個々の分析電極をレー
ザで加熱する構成を開示する。しかし、特開平11−1
27900号は、分析電極を加熱することだけであり、
例えば、分析電極の温度を一定に保つ、というような制
御を行うことはできなかった。
【0008】従って、本発明は、オリゴヌクレオチドプ
ローブとポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション
をはじめとする生化学反応の温度を調節できる生化学反
応検出チップおよびその基板を提供することを目的とす
る。また、本発明は、複数の反応系において生化学反応
を反応系毎に温度調節して同時に行うための装置および
方法、ならびに記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱伝導体で構
成される複数のアイランドが薄膜上に形成されており、
前記アイランドは空間によって互いに分離され、かつ、
前記アイランドの各々は温度調節器を備えている生化学
反応検出チップ用基板を提供する。
【0010】薄膜は、絶縁性、断熱性および強度に優れ
た材料で形成するとよい。薄膜材料の電気伝導度は、10
8Ω・m以上であるとよく、好ましくは、1010Ω・m以
上である。薄膜材料の熱伝導度は、10w/mk以下であると
よく、好ましくは、1w/mk以下である。
【0011】薄膜を絶縁性および断熱性に優れた材料で
形成することにより、個々のアイランドの温度が調節し
やすくなる。薄膜の例としては、Si窒化膜、Si酸化
膜、Al酸化膜およびTa25からなる群より選択され
る少なくとも1種の材料で形成される薄膜、すなわち、
Si窒化膜、Si酸化膜、Al23、Ta25などの薄
膜およびそれらの複合膜を挙げることができる。これら
のうち、SiNとSiO2との複合膜が好ましい。Si
Nはアルカリ耐性があるので、アルカリ溶液中でシラン
カップリングによりSiN膜上にプローブを固定するこ
とができる。また、SiN膜はその下に形成される温度
調節のための電子回路をサンプル溶液などの溶液から保
護することができる。
【0012】薄膜の厚さは、1〜500μmであるとよ
く、好ましくは、5〜20μmである。薄膜上でプローブ
を固定するための領域には窪みが設けられているとよ
い。窪みが設けられていると、サンプル溶液をプローブ
と接触させて生化学反応を行うにあたって、サンプル溶
液をチップ上に保持できるので有利である。
【0013】また、薄膜上でアイランドが形成されてい
る表面の反対側の表面上にレジスト膜が形成されていて
もよい。レジスト膜としては、感光性ポリイミドなどを
挙げることができる。
【0014】薄膜の上には、熱伝導体で構成される複数
のアイランドが形成される。「複数のアイランド」と
は、少なくとも2個のアイランドをいい、アイランドの
数は特に限定されないが、好ましくは、10〜1000個であ
る。複数のアイランドは、直線状に配列されてもよい
し、第1方向(行)と第2方向(列)とに二次元に配列され
てもよい。
【0015】アイランドは、熱伝導体で構成される。熱
伝導体の例としては、結晶Si、Ag、Au、Cuなど
の金属、ポリシリコン、アモルファスシリコンなどを挙
げることができる。また、アイランドを構成する熱伝導
体は、温度調節器との間で電気的な絶縁が可能なもので
あるとよい。熱伝導性が良好であり、かつ、温度調節器
との間で電気的な絶縁が可能であることから、アイラン
ドを構成する熱伝導体としては、シリコンが好ましい。
シリコン中にpn接合を形成することにより熱伝導体と
温度調節器との間の絶縁を確保することができる。
【0016】アイランドは空間によって互いに分離され
ている。アイランド間の空間は断熱材の役割を果すの
で、個々のアイランドを独立に温度調節することが容易
になる。アイランドの大きさは、10〜1000μm2である
とよく、好ましくは、50〜500μm2である。アイランド
の間隔は、50〜1000μmであるとよく、好ましくは、10
0〜500μmである。
【0017】アイランドの形状は特に限定されない。例
えば、100面を表面にもつSi結晶の平板からKOHに
よるエッチングで不要な部分を除去してSi結晶のアイ
ランドを形成する場合には、その製造過程において、11
1面が露出し、アイランドの形状は四角錘の様になる。
【0018】複数のアイランドの各々は温度調節器を備
えている。具体的には、アイランドの各々に、加熱回路
および温度検出回路を形成するとよい。加熱回路および
温度検出回路は、アイランド毎に独立に動作するように
制御されてもよいし、グループ分けしたアイランドのグ
ループ毎に独立に動作するように制御されてもよい。
【0019】また、複数のアイランドが第1方向と第2
方向とに二次元に配列されている場合には、第1方向ま
たは第2方向のいずれかの方向に配置されたアイランド
毎に独立に動作するように制御されてもよい。生化学反
応検出チップ用基板の大きさは、25mm2〜100cm2
あるとよく、好ましくは、100mm2〜14cm2である。
【0020】本発明の生化学反応検出チップ用基板にプ
ローブを固定して作製した生化学反応検出チップを用い
れば、隣接するプローブ固定面(反応系)の温度の影響
を少なくして、個々のプローブ固定面(反応系)で適切
な温度で生化学反応を行うことができる。
【0021】本発明の生化学反応検出チップ用基板は、
アイランドからの熱を流出する熱流出器をアイランド間
に備えるとよい。熱流出器はアイランドと直接接するこ
とがないような構造(例えば、メッシュ構造)にすると
よい。熱流出器は第1方向または第2方向のいずれかの
1方向だけに設けてもよいし、第1方向および第2方向
の両方向に設けてもよい。生化学反応の適温が近似して
いるプローブをグループ分けして薄膜に固定した場合に
は、そのグループの領域毎に熱流出器を設けてもよい。
【0022】熱流出器は、熱伝導性の良好な材料、例え
ば、Si、Au、Ag、Cuなどの金属などで形成され
るとよい。アイランド間に熱流出器を形成することによ
り、熱が隣のアイランドから伝わる前に逃がすことがで
きるようになる。アイランドから熱流出器までの距離
は、10〜500μmであるとよく、好ましくは、10〜250μ
mである。
【0023】また、本発明は、生化学反応検出チップ用
基板を製造する方法であって、(a)熱伝導体の平板の一
方の表面上に薄膜を形成し、そして、(b)熱伝導体の平
板のもう一方の表面の側から不要な部分を除去して熱伝
導体のアイランドを形成する方法を提供する。上記の方
法において、熱伝導体の平板の一方の表面上に温度調節
器を形成し、その上に薄膜を形成してもよい。
【0024】生化学反応検出チップ用基板の製造方法の
一態様として、熱伝導体の平板の薄膜が形成された表面
の反対側の表面上に所望のパターンのマスクを設け、反
対側の面に形成された薄膜が露出するまでマスクを設け
た側の面をエッチングして、薄膜上にマスクのパターン
で熱伝導体のアイランドを形成してもよい。マスクは、
例えば、Si窒化膜の薄膜であるとよい。
【0025】さらに、本発明は、上記の生化学反応検出
チップ用基板にプローブを固定した生化学反応検出チッ
プを提供する。基板上でプローブを固定する面はSi窒
化膜薄膜の表面であるとよい。この場合、アミノ基を設
けたプローブをSi窒化膜薄膜のシラン化した表面にシ
ランカップリングにより固定することができる。
【0026】「プローブ」とは、特定の物質、部位、状
態などを特異的に検出できる物質をいい、その例とし
て、オリゴヌクレオチドDNA・RNAプローブ、抗体
等のタンパク質プローブなどを挙げることができる。オ
リゴヌクレオチドDNA・RNAプローブの場合、その
塩基数は、4〜500nt(ヌクレオチド)であるとよ
く、好ましくは、8〜200nt(ヌクレオチド)であ
る。オリゴヌクレオチドプローブは1本鎖でも2本鎖で
もよいが、プローブと測定対象との結合効率の点から、
1本鎖であることが好ましい。
【0027】プローブは、公知の方法により、生化学反
応検出チップ用基板の薄膜の上に固定することができ
る。例えば、薄膜のプローブ固定面をシラン化し、プロ
ーブにアミノ基を設けておけば、シランカップリングで
プローブを薄膜上に固定することができる。薄膜のプロ
ーブ固定面の下にアイランドが存在するようにする。
【0028】また、薄膜上のプローブ固定面以外の領域
はプローブ固定後に、ポリリジンでコートし、プローブ
と結合していないシランコート面の結合サイトをつぶし
た方がよい。これにより、使用時に、サンプルDNA、RNA
等がシランコート面に非特異的に結合するのをさけるこ
とができる。
【0029】プローブの種類は、特に限定されず、1種
類でもよいし、複数種でもよい。例えば、1枚のチップ
用基板に複数種のプローブを固定したチップを用いれ
ば、1つのサンプルにおける複数個の検出対象物を同時
に検出することができる。また、1枚のチップ用基板に
1種類のプローブを多数固定したチップを用いれば、複
数のサンプルにおける1個の検出対象物を同時に検出す
ることができる。
【0030】本発明の検出チップは、DNA、cDNA、RNAな
どの検出、抗原抗体反応の検出、タンパク質の検出など
の生化学反応の検出に用いることができる。本発明の生
化学反応検出チップを用いれば、隣接するプローブ固定
面(反応系)の温度の影響を少なくして、個々のプロー
ブ固定面(反応系)で適切な温度で生化学反応を行うこ
とができる。
【0031】さらに、本発明は、生化学反応検出チップ
上で複数の反応系により生化学反応を行う装置であっ
て、各生化学反応に適した温度よりも高い温度に生化学
反応検出チップ全体を加熱する加熱装置と、各生化学反
応に適した温度に各反応系の温度を調節する温度調節装
置とを備える生化学反応装置を提供する。前記温度調節
装置は、時分割で各反応系の温度を調節するとよい。
【0032】さらにまた、本発明は、コンピュータに、
生化学反応検出チップ上で複数の反応系により生化学反
応を行う装置であって、各生化学反応に適した温度より
も高い温度に生化学反応検出チップ全体を加熱する加熱
装置と、各生化学反応に適した温度に各反応系の温度を
調節する温度調節装置とを備える生化学反応装置、を機
能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体を提供する。
【0033】本発明は、また、複数の反応系で行われる
複数の生化学反応を反応系毎に温度調節して同時に行う
方法であって、(a)各反応系の生化学反応に適した温度
よりも高い温度になるまで、複数の反応系のすべてを加
熱し、そして、(b)各反応系について、その反応系の温
度を生化学反応に適した温度まで下げ、その温度を一定
時間維持する方法を提供する。
【0034】(a)の加熱操作は恒温槽で行われるとよ
い。(b)の各反応系について、その反応系の温度を生化
学反応に適した温度まで下げる操作は、(a)の加熱操作
を停止するだけでもよいし、冷却装置を用いて行っても
よい。
【0035】本発明の複数の生化学反応を同時に行う方
法の一態様において、生化学反応はポリヌクレオチドと
オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションであ
り、生化学反応に適した温度は前記オリゴヌクレオチド
とその相補鎖とが形成する2本鎖の融解温度である。ポ
リヌクレオチドはサンプル中のDNAであり、オリゴヌ
クレオチドは生化学反応検出チップのオリゴヌクレオチ
ドプローブであってもよい。
【0036】生化学反応に適した温度がオリゴヌクレオ
チドプローブとその相補鎖とが形成する2本鎖の融解温
度である場合、生化学反応に適した温度より高い温度と
は、好ましくは、2本鎖のヌクレオチドが完全に解離す
る温度であり、例えば、90℃〜99℃である。生化学
反応に適した温度は、融解温度前後の温度であればよ
く、例えば、融解温度±2℃の範囲にある温度である。
【0037】本発明の方法の一態様について説明する。
サンプルを生化学反応検出チップの上に分注し、チップ
に覆いをした後、チップを恒温槽に入れ、最高温度(例
えば、90℃)に加熱する。恒温槽は、通常、ヒーター
と冷却器を有し、内部が設定温度になる様に動作でき
る。その後、恒温槽の温度を最低温度(例えば、15
℃)に設定し、すべての反応系の温度を下げ、各反応系
(例えば、プローブ固定面)の温度が設定温度(例え
ば、各プローブとその相補鎖とが形成する2本鎖の融解
温度)以下になったところで電熱ヒーターを起動させ、
各反応系の設定温度を維持した状態で、生化学反応を進
行させる(例えば、12時間)。反応終了後、反応系
(例えば、プローブ固定面)を洗浄し、次いで、生化学
反応の検出を行い、その検出結果のデータ処理を行う。
【0038】検出は、あらかじめサンプルに蛍光標識し
ておき、プローブに結合した標識の蛍光量を共焦点顕微
鏡により測定し、その蛍光量から結合したサンプル量を
計算するのが一般的な方法である。
【0039】通常、生化学反応は、反応系を加熱して生
化学反応の適温になったところで反応を進行させるが、
このやり方だとプローブがその検出対象物以外の物質と
結合することがしばしば起こり、それが検出対象物の検
出におけるノイズとなる。しかし、反応系の温度を一度
生化学反応の適温より高い温度まで上げてから、生化学
反応の適温まで下げることにより、プローブがその検出
対象物以外の物質と結合する確率が減り、検出対象物の
検出におけるノイズが減る。例えばオリゴヌクレオチド
プローブとポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーショ
ンの場合、相補鎖結合の適温はプローブとその相補鎖が
形成する2本鎖の融解温度である。反応系を加熱して融
解温度になったところで反応を進行させると、オリゴヌ
クレオチドプローブがその相補鎖を有するヌクレオチド
(検出対象物)以外のヌクレオチドと結合する(いわゆ
る、ミスマッチ)ことがあり、それが検出対象物の検出
におけるノイズとなる。しかし、反応系の温度を一度融
解温度より高い温度まで上げてから、融解温度まで下げ
ることにより、プローブがその相補鎖を有するヌクレオ
チド以外のヌクレオチドと結合する確率が減り、検出対
象物の検出におけるノイズが減る。
【0040】本発明の方法においては、最初にすべての
反応系の温度を反応の適温より高い温度まで上げてか
ら、各反応系の温度を反応の適温まで下げて、その温度
を一定時間維持する(例えば、必要な熱をヒーターで一
定時間供給する)。
【0041】その結果、各反応系の温度を個別に反応の
適温まで上げ、その温度を維持して反応を進行させる場
合と比較して、反応系に供給する熱の総量が減るばかり
でなく、各反応系の温度調節も容易になる。この方法
は、大量の生化学反応を並列処理で行う場合に有利であ
る。また、上記の方法を同一の反応を行う複数の反応系
に適用し、反応系毎に異なる温度条件で生化学反応を行
えば、その反応に対する最適の温度を調べることができ
る。
【0042】本発明は、コンピュータに、複数の反応系
で行われる複数の生化学反応を反応系毎に温度調節して
同時に行う方法であって、(a)各反応系の生化学反応に
適した温度よりも高い温度になるまで、複数の反応系の
すべてを加熱し、そして、(b)各反応系について、その
反応系の温度を生化学反応に適した温度まで下げ、その
温度を一定時間維持する方法を実行させるためのプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も
提供する。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。 〔実施例1:DNAチップ用基板の構成〕図1は、オリ
ゴヌクレオチドDNAを固定するための生化学反応検出
チップ用基板(以下、「DNAチップ用基板」という。)
の概要を示す図である。なおDNAチップ用基板にプロ
ーブを固定したものをDNAチップと呼ぶ。
【0044】図1(a)は、横方向に10行、縦方向に10
列の合計100個のプローブ固定面2を有するDNAチッ
プ用基板1の上面図である。DNAチップ用基板1の縦
方向の長さhyおよび横方向の長さhxは、それぞれ、
10〜100mmであるとよい。左から右へ横方向に並んだ10
個のプローブ固定面の第1番目のプローブ固定面の左端
から第10番目のプローブ固定面の右端までの距離Lxお
よび上から下へ縦方向に並んだ10個のプローブ固定面の
第1番目のプローブ固定面の上端から第10番目のプロー
ブ固定面の下端までの距離Lyは、それぞれ、5〜100m
mであるとよい。
【0045】図1(b)は、図1(a)の枠で囲った領域の拡
大図である。DNAチップ基板1上で各プローブを固定す
るプローブ固定面の横幅Xおよび縦幅Yは、それぞれ、
10〜1000μmであるとよい。プローブ固定面の間隔Dは5
0〜1000μmであるとよい。
【0046】各プローブ固定面の下にはアイランドが形
成されている。図1(c)は、図1(b)に示すプローブ固定
面2の領域の部分拡大図である。また、各プローブ固定
面は、n型拡散層で形成されたヒーター回路5と、p型
拡散層とn型拡散層のpn接合により形成された温度検
出素子6が、形成されている。ヒーター回路5の両端に
は、ヒーター端子(+)1001とヒーター端子(−)1002
が形成される。両端子間に1001側を正極となるように電
圧を印加すると、n型拡散層で形成されたヒーター回路
5に電流が流れ、ジュール熱が発生する。ジュール熱の
発生量は、印加電圧を制御することにより、あるいは電
圧印加時間を制御することにより調節できる。また、温
度検出素子6には、p型拡散層に温度検出端子(+)10
03、n型拡散層に温度検出端子(−)1004が形成され
る。温度検出素子6のpn接合における電流−電圧特性
は、pn接合部の温度に大きく依存時する。そのため、
素子間の電流−電圧特性を検出すれば、pn接合部の温
度を決定できる。また、アイランド4は熱伝導体で構成
されるので、pn接合部の温度とアイランド4の温度は
ほぼ等しく、そのため、pn接合素子間の電流−電圧特
性を測定することにより、アイランド4の上にあるプロ
ーブ固定面2の温度が検出できる。pn接合間の電流−
電圧特性の温度依存性は、例えば1003を正側とする順バ
イアス方向で電圧固定の場合、流れる電流はpn接合部
の温度により指数関数的に変化する。また、同様な順バ
イアス方向で電流固定とすると、温度と電位差はほぼ1
次関数で近似できる。
【0047】図18は、プローブ固定面におけるヒータ
ー回路及び温度検出素子の他の形状例である。図18で
は、n型基板(n-sub)を用いており、プローブ固定面
のヒーター回路5及び温度検出素子6を別々のp-wellで
分けることにより、ヒーター回路側とpn接合素子を電
気的に独立させている。これは、n型拡散層で形成され
たヒーター回路5と温度検出素子6との電気的干渉を防
止するためである。図18に示す通り、プローブ固定面
は、ヒーター電源回路181及び温度検出回路182で構成さ
れるコントローラ105に接続する。コントローラ105は、
1つのプローブ固定面の温度を検出し、ヒーターによる
加熱を制御する回路の例である。ヒーター電源回路181
は、ヒーター電源Vpと、出力調整器111と、スイッチ1
09で構成され、プローブ固定面のヒーター端子1001、10
02に接続する。ヒーター電源Vpoと出力調整器111を制
御することにより、プローブ固定面のヒーター端子100
1、1002間の電圧及び電流を制御し、プローブ固定面の
ヒーター回路5で生じるジュール熱を制御できる。温度
検出回路182は、電源Vc、抵抗R、及び電圧計110で構
成される。温度検出端子1003をゼロ電位とし、1004をマ
イナス電位に接続する。この場合、順バイアスである。
回路抵抗Rをpn接合間抵抗rと比較して十分大きく設
定すると、温度検出回路182に流れる電流は、ほぼ電源
Vcと抵抗Rで決定され、電流I=Vc/Rの定電流条
件で近似できる。また、温度検出素子間の電位差vは、
電圧計110で測定できる。
【0048】温度検出の原理を説明する。図19は、図
18の温度検出回路における、プローブ固定面の温度
(t)と温度検出素子6間の電位差(v)との関係(表
1を参照)を示すグラフである。図19での条件は、R
=800(KΩ)、Vc=8(V)、I=10(μA)
とし、pn接合部の温度を20℃から60℃まで変化さ
せた。
【0049】
【表1】 温度検出素子の温度(℃) 温度検出素子の電圧差(mV) 20.0 537 25.0 524 30.0 512 35.0 500 40.0 489 45.0 477 50.0 465 55.0 453 60.0 442
【0050】この実験例より、電位差Vxと温度Txの
関係を、傾き約−2.37(mV/℃)の1次関数で近似する
ことができ、次の関係式を得る。 Tx=20+(537−Vx)/2.37 上式を用いれば、温度検出素子において、電圧差の測定
値より温度を求めることができる。
【0051】つぎに、作用電極に印加する電圧とヒータ
による加熱タイミングを、図20を用いて説明する。ア
イランド4の設定温度、すなわち、pn接合部の目標温
度をT0とすると、そのときのpn接合部の電位差v0
pn接合部分の目標電位差となる。初期条件として、十
分温度が高い場合とすると、アイランドを加熱するヒー
タはOFFとなっており、温度が下がると図19の特性に
従ってpn接合部の電位差は増加する。pn接合部の電
位差がv0を越えたタイミングt1でヒータがONとな
り、アイランドが加熱される。それにより、アイランド
の温度が上昇し、pn接合部の電位差が減少する。目標
電位差v0を下回ったタイミングt2でアイランドを加熱
するヒータがOFFとなり、アイランドの加熱は止まり、
アイランドの温度の下降に伴い、pn接合部の電位差が
再び増大する。このような制御を繰り返しつつ、アイラ
ンドのpn接合部の電位差v0、すなわち目標温度T0
保たれる。
【0052】以上に説明した構成により、プローブ固定
面2の温度を測定し、ジュール熱の発熱量を調節するこ
とにより、その温度を制御することができる。図2は、
薄膜上に形成されたアイランドの形状を説明する図であ
る。図2(a)は、DNAチップ用基板の裏面拡大図で
ある。Siアイランド21がSiN/SiO2薄膜22
の上に形成されている。Siアイランド21の横幅およ
び縦幅はどちらもほぼ500μmである。Siアイラン
ドの間隔はプローブ固定面の間隔とほぼ等しい。
【0053】図2(b)は、図1(b)の破線部A−
A’の縦断面図である。Siアイランド21の高さは2
50μmである。Siアイランド21の底面の幅は、ほ
ぼ150μmである。Siアイランド21の傾斜側面の
傾斜角はほぼ55°である。Siアイランド21にはn型拡散
層で形成されたヒーター回路5が組み込まれている。S
iアイランド間の距離Dは500〜700μmである。 SiN/S
iO2薄膜22の膜厚は、アイランドが形成される領域(すな
わち、プローブ固定面を有する領域)ではほぼ5μmで
ある。周辺部(薄膜の末端から3〜5mmまでの領域)で
は250μmのSi層がある。
【0054】下面にSiアイランド21が形成されているSi
N/SiO2薄膜22の上面の領域が温度設定領域24となる。
この領域にプローブ25が固定される。薄膜上のプローブ
固定面(Si窒化膜面)をシラン化し、プローブにはアミノ
基を設けることにより、シランカップリングでプローブ
を薄膜上に固定することができる。サンプル溶液26は、
溶液の層の厚さが10〜1000μmとなるような量で添加さ
れるとよい。サンプル溶液26を添加した後、その上にカ
バーガラス27をのせる。
【0055】図3は、DNAチップの温度設定の例を示
す図である。各アイランドの温度をそれぞれ15〜90℃に
設定する。図3にプローブ固定面の設定温度を示したよ
うに、プローブの配置の仕方としては、Tmが高いもの
をDNAチップの中心部に置き、Tmが低くなる順に周
辺部に置くようにするとよいし、Tmが高いプローブか
ら低いプローブを、プローブ固定面の一辺から対抗する
面に向かって配置してもよい。
【0056】このような配置により、熱の拡散と供給の
バランスが良くなり、温度調節が容易になる。図4は、
薄膜上に形成されたアイランドの形状およびメッシュ構
造を説明する図である。図4(a)は、DNAチップ用基
板の裏面拡大図である。Siアイランド21に加えアイ
ランド間にはSiメッシュ構造41がSiN/SiO2薄膜22の
上に形成されている。
【0057】図4(b)は、図4(a)の破線部B−B’の縦
断面図である。メッシュ構造を形成するSiの峰の高さは
ほぼ250μmであり、幅はほぼ350μmである。本実施例
において、メッシュ構造を形成するSiの峰の傾斜側面の
傾斜角はほぼ55°である。メッシュ構造を形成するSiの
峰とSiアイランド21との距離はほぼ75μmである。
【0058】このようにアイランド21の間に熱伝導体
の層(メッシュ構造)41を形成することにより、熱が隣
のアイランドからそのアイランドに伝わる前にメッシュ
を利用して熱を逃がすことができるようになる。すなわ
ち、メッシュ構造は熱のドレインの役目を果たす。
【0059】図5は、メッシュ構造の効果を説明するた
めの図である。条件は以下の通りである。Siアイランド
21の横幅および縦幅はどちらも500μmである。Siアイラ
ンド21の高さは250μmである。Siアイランド21の底面
の一辺は150μmである。また、メッシュ構造を形成す
るSiの高さはほぼ250μmであり、幅は350μmである。
メッシュ構造を形成するSiの峰とSiアイランド21との距
離はほぼ75μmである。SiN/SiO2薄膜22の膜厚は5μ
mである。水(サンプル溶液のモデル)の層51の厚さは20
μmである。アクリル板52の厚さは5μmである。
【0060】A点(Siアイランドの底面の中心点)からB
点(隣のSiアイランドの底面の中心点)への熱の伝わりや
すさと、A点からC点(A点とB点との中点Mから2m
mにある距離)への熱の伝わりやすさを比較する。A点
からM点までは熱の伝わりやすさは同等であるので省略
する。薄膜の熱伝達係数を10、Si層の熱伝達を150、
単位時間あたりにM点からB点に伝導する熱UMBとM点
からC点に伝導する熱UMCを比較すると、 UMB:UMC=10×(薄膜の断面積)/150:150×(メッシュの断面積)/2000 =10×(5×500)/150:150×(175×250)/2000 =1:20
【0061】この結果、M点からC点への熱伝導は、M
点からB点への熱伝導の約20倍であることがわかる。図
6は、メッシュの外周部に冷却機能を設ける態様を説明
する図である。例えば、DNAチップ用基板1を金属の
枠61に嵌め込んで、この金属枠61をペリチエ素子に
接続する。メッシュの外周部に冷却機能を設けることに
より、廃熱の効果が高くなる。
【0062】〔実施例2:チップ製作プロセス〕図7〜
9を用いて、SiO2とSiNの複合膜の上でメッシュ構造の
中にアイランドが形成されているDNAチップ用基板の
製造方法を説明する。図7は、DNAチップ用基板の製
造の第1のプロセスを説明する図である。基板として
は、(100)面を表面とする厚さ500μmのn型Si基板(N-su
b)71を用いる。表面にSiO2膜74でp-wellパターン形成
後、Bドープ及び拡散によりp-well(1018個/cm3)72,73
を、深さ3μmで形成する。これは後にn+拡散により作
製する温度検出素子6とヒーター回路5とを電気的に絶
縁するためである。素子分離および拡散マスクとしてSi
O2膜74を形成する。p-well拡散にはホウ酸などのドープ
を用いる。次に、SiO2酸化膜で回路パターン形成後、リ
ン(高濃度n型不純物)の拡散により高濃度n型拡散層75,
76,77(n+,1020個/cm3)及び、高濃度p型拡散層78,79
(p+,1020個/cm3)を、深さ100nmで形成した。n+(n型
拡散層)76は温度検出素子6を構成する。n+(n型拡散
層)77はヒーター回路5を構成する。n+(n型拡散層)75
はn型基板の基準電極端子75である。基板71の電位は、
基準電極端子75で設定でき、p-well72,p-well73の電位
はそれぞれ78,79で設定できる。p-wellの基準電位を与
えるための端子として、ホウ素(高濃度p型不純物)の拡
散によりp+(p型拡散層)78および79が形成されてい
る。
【0063】図8は、DNAチップ用基板の製造の第2
のプロセスを説明する図である。第1のプロセスの次
に、表面の回路を保護および絶縁する第1層間絶縁膜
(例えば、SiO2膜)81を形成する。CVD酸化膜(SiO2)400nm
を形成後、その上にBPSG膜500nmを積層したものであ
る。
【0064】その後、第1層間絶縁膜81に各端子の孔を
作成した後、第1層配線82(801,802,803,804)を以下の
通りにWで形成する。75,76を導通し、センサcommon配
線801とする。78は、PN接合温度センサの正極802に接続
する。基板の温度は、p-wellを介して802−801間に流れ
る電流量を検出することにより、評価できる。ヒータ回
路を構成するn型拡散層77は、2つの電極803,804につ
ながる。804は、p型拡散層79と導通する。804は、ヒー
ター回路のcommon配線を構成する。803−804間に803側
を正極とした電源に接続すると、ヒーター電流が77を通
り、ジュール熱が発生する。
【0065】次に、配線保護膜として第2層間絶縁膜
(例えば、SiN膜)83を形成する。83は、プラズマCVDのSi
O2膜600nmと、プラズマCVDのSiN膜1200nmの積層膜であ
る。その後、第2層間絶縁膜83に第1配線の接続孔を形
成した後、第2層配線(例えば、Au)84を形成する。84
は、801に接続するセンサcommon電極805、802に接続す
る温度センサ正極(図示せず)、803に接続するヒーター
正極(図示せず)、804に接続するヒーターcommon電極806
から構成される。このうち、805及び806は、複数のアイ
ランド間で共通にすることが可能である。
【0066】最後に、裏面のアイランドを形成する例を
説明する。図9は、DNAチップ用基板の製造の第3の
プロセスを説明する図である。まず、n型基板71の裏面
を機械研磨して、基板の厚さを500μmから250μmにす
る。これは、アイランドの厚さは250μm以下で十分であ
り、厚さの減少はエッチング行程の所要時間の短縮につ
ながるためである。研磨面を、ケミカルエッチングによ
り平滑化した後、プラズマCVDのSi窒化膜(Si3
4膜)91をエッチングマスクとして、120nm積層する。
【0067】両面アライナを用い、先に作製したヒータ
ー及び温度センサ回路等の表面のデバイスに対応する裏
面パターン(アイランドのパターン)を裏面にあわせ、Si
窒化膜91を部分的にドライエッチングする。
【0068】次に、残ったSi34膜91をマスクとし
て、水酸化カリウム水溶液がn型基板71を溶解してSiO2
膜74が露出するまで、すなわち、表面側のSi酸化膜74に
到達するまで、エッチングした。Si窒化膜91は水酸化カ
リウム水溶液に対し、極めて耐性が高く、250μmのSi基
板71をエッチングする際のSi窒化膜の削れ量は10nm以
下である。また、Si基板71の(111)面方向のエッチング
速度は、(100)面方向のエッチング速度と比較し約1/100
程度と遅い。その結果、チップは、Si窒化膜91の保護面
より(111)面に沿ってエッチングされ、(111)面をアイラ
ンドの側面901として露出した形で形成される。(111)面
は、(100)面に対し約55度となる。そのため、250μm厚
のSi基板のエッチングでは、そのスロープは横に約175
μm広がって得られる。
【0069】〔実施例3:プローブ固定プロセス〕作製
したチップにオリゴヌクレオチドプローブを固定する手
順を説明する。まず、チップ表面のSi窒化膜にOH基をた
てる。この目的には、H2SO4・H2O2混合液や、NaOH・H2O
2混合液などを用いた加水分解による方法が一般的であ
る。また、単に浸水状態で一定時間放置することによっ
ても可能である。
【0070】次に、エポキシ等のシランカップリング剤
をチップ表面に注入し、Si窒化膜をシラン化処理する。
この際、先のOH基とシランカップリング剤が結合する。
今回は、シランカップリング剤として、3-グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン(glycidoxypropiltrimeth
oxy silane)を用いた。また、反応条件として、常温反
応30分、120℃でのベーク1時間とした。
【0071】次に、予めアミノ基を末端に導入したオリ
ゴヌクレオチドプローブを、所定のプローブ固定面にス
ポットする。乾燥を防ぐため、高湿度条件下で50℃15分
反応させると、シランカップリングによりプローブがチ
ップ表面に固定される。次に、過剰のポリリジンをチッ
プに注入し、高湿度条件下で50℃10分反応させてプロー
ブと結合していない官能基にリジンを結合させる。この
処理は、実際に試料とハイブリダイゼーションを行う際
の非特異的吸着によるバックグラウンドの低減に有効で
ある。最後に、トリスEDTAを用い、DNAチップ表面を洗
浄して乾燥保存する。
【0072】〔実施例4:温度制御〕本発明のDNAチッ
プを制御する装置について説明する。図10は、生化学
反応検出装置の一例の構成を示す図である。DNAチップ1
01は、各プローブ固定面ごとにヒーター端子(+)100
1、ヒーター端子(−)1002、温度検出端子(+)100
3、温度検出端子(−)1004を有し、それらの各端子と
コントローラ105との配線は、図18と同じである。コ
ントローラ105は、電圧計110と電源Vc及び抵抗Rを有す
る温度検出回路182と、ヒーター電源Vpoと出力調節器11
1とスイッチ109を有するヒーター電源回路181を、独立
に温度設定したいプローブ固定面の数だけ有する。図1
8には、1組のみ図示してある。これらの端子への配線
は、プリント基板102を介してホルダー103に接続さ
れ、さらに、ホルダー103からは、ケーブル104を介し、
コントローラ105に接続される。なお、簡単のため、コ
ントローラ105側のアースに接続する端子の配線は、複
数の固定面において兼用することが可能である。
【0073】温度の制御方法は、各プローブ固定面ごと
に独立に図18を用いて上述した方法により行う。プロ
ーブ固定面の温度は、組み込まれている温度検出素子の
電位差を測定することにより決定できる。そして、温度
の測定値から、ヒーターへの電圧接続をスイッチ109
によりon/off制御する。スイッチ109及び出力調節器111
は、温度検出回路で得られた温度が、予め設定した値よ
り低い場合、ヒーター電源Vpoの出力を調節してヒータ
ー電流を流す。以上の制御を、各固定面ごと、独立に制
御する。
【0074】DNAチップ101、プリント基板102および
ホルダー103は、恒温槽106の中で使用され、必要に応じ
ファン107を用いてDNAチップ101の下部から送風して
冷却したり、ペリチエ素子108を用いて、DNAチップ
周辺部を冷却する。本実施例では、後述の実施例のとお
り、恒温層の温度をチップで必要とする各温度設定値の
最低値に調整し、チップの温度上昇や、近接している各
プローブ固定面の温度分布に応じて、ペリチエ素子108
及びファン107を利用する。
【0075】なおまた、上記したDNAチップの温度制
御を、コンピュータで制御させてもよい。この場合、コ
ンピュータは温度制御プログラムにより温度制御装置と
なり、このプログラムはコンピュータ読み取り可能な記
録媒体に格納される。この記録媒体は、例えば、RAM
メモリ、ROMメモリ、磁気ディスク、CD−ROM、
磁気テープ、ICカード等のいかなるタイプの記録媒体
であってもよい。
【0076】〔実施例5:測定〕本実施例では、17塩基
長のDNA断片を、4種類の8塩基長のプローブを用いて
測定する場合について説明する。配列番号1は、17塩基
長のDNA断片(以下、試料DNAとする)の例である。 TGACCGGCAGCAAAATG (配列番号1) この17塩基長の試料DNAを、以下の4種類の8塩基長プ
ローブにハイブリダイゼーションさせる。 CCGTCGTT (配列番号2) GCCGTCGT (配列番号3) GGCCGTCG (配列番号4) TGGCCGTC (配列番号5)
【0077】配列番号2のプローブ(以下、プローブ2
とする)は、試料DNAの6番目から13番目の塩基に相
補的な配列となっている。同様に、配列番号3(以下、
プローブ3とする)は5番目から12番目に、配列番号
4(以下、プローブ4とする)は4番目から11番目
に、配列番号5(以下、プローブ5とする)は3番目か
ら10番目に、それぞれ相補的な配列となっている。本
発明のDNAチップを用い、これらのプローブが試料DNAと
ハイブリダイゼーションする場合のTm温度を測定した。
【0078】まず、プローブ2〜5の4種類を、各種9
個の固定面に固定した、4×9=36個の固定面を有す
る本発明のDNAチップを作製する。図13は、チップを
上面より見た模式図である。このチップに、予め標識化
された試料を注入し、ハイブリダイゼーションさせる。
この際、図13のa列〜i列の各固定面におけるハイブ
リダイゼーション温度設定値を、列ごとにそれぞれ10〜
50℃まで、5℃間隔で設定する(a列=10,b列=15,
c列=20,・・,h列=45,i列=50℃)。
【0079】反応の手順は、以下の通りである。図14
は、例として、a列、c列、g列,i列に属する固定面
の温度遷移を模式的に示した図である。まず、恒温層の
温度を90℃に上昇させた。つぎに、恒温層の温度を10℃
に設定すると、各固定面の温度は下降しはじめる。固定
面の温度が50℃付近に達すると、まずi列のヒーターに
電源が入り、それ以下の温度にならないように温める。
同様に、各列のヒーターは、予め設定されたハイブリダ
イゼーション温度設定値の温度を検出すると、その温度
を維持するようにヒーターのON/OFF制御を行う。この
結果、各列のプローブ固定面は、設定した温度を維持
し、試料とプローブのハイブリダイゼーションを行う。
一定時間経過後、DNAチップを洗浄溶液で洗浄し、ハイ
ブリダイゼーションしていない試料等を排除する。ハイ
ブリダイゼーションの評価は、レーザー蛍光共焦点顕微
鏡を用いて、チップ面上を走査し、各固定面の蛍光発光
量を測定して行う。
【0080】図15は、試料DNAを用いた測定における
ハイブリダイゼーションの温度依存性である。各温度
は、各列の測定結果である。ハイブリダイゼーション温
度が10℃の場合の発光量を1として規格化した。温度の
上昇とともに、ハイブリダイゼーション量が減少してい
ることがわかる。縦軸値の0.5における温度がTm温度で
ある。この結果、プローブ2〜5と試料DNAのTm値は、
それぞれ25℃,34℃,42℃,31℃であることが得られ
る。この様に、本チップは、4種のプローブについて、
9種類の温度条件におけるハイブリダイゼーションを1
度に、同じ試料で競合して評価できる利点を有する。そ
のため、測定結果には、試料調製の誤差が入らず、測定
精度が格段に向上する。
【0081】この様に、1種類の試料DNAに対し8塩基
プローブで評価する場合のハイブリダイゼーション温度
の最適値は、各プローブごとに異なる。試料DNAを測定
する場合、プローブ2〜5のうち最適なものを選択する
必要がある。そのため、複数種類のプローブのハイブリ
ダイゼーション温度特性を1度に評価できる本DNAチッ
プは、プローブの検討において非常に有効である。
【0082】本チップでは、同様に1塩基ミスマッチの
条件におけるハイブリダイゼーションの温度依存性も評
価できる。以下の2種類のDNA断片を準備する。 TGACCGGTAGCAAAATG (配列番号6) TGACCGGAAGCAAAATG (配列番号7)
【0083】これらは、配列番号1と比べ、3末端より
8番目の塩基のみ異なる2種類の17塩基長1塩基多型DN
A断片の例である。これらの1塩基多型DNA断片に対し、
先のチップを用いて、同様に温度依存性を測定した。図
16及び図17は、それぞれ配列番号6及び配列番号7
の試料を用いた場合の、ハイブリダイゼーション評価結
果である。これらの測定は、1塩基ミスマッチの場合で
あり、理想的にはハイブリダイゼーションが行われない
ことが要求される。しかし、図の示す通り、ある程度の
ハイブリダイゼーションが生じている。一般に、DNAチ
ップを用いる測定では、この様な1塩基ミスマッチを精
度良く判断できる必要がある。そのため、図16や図1
7と同様の評価を行い、その特性から用いるプローブ
と、そのTm温度を決定する。本発明では、プローブごと
のハイブリダイゼーション温度依存性を、精度良く簡単
に測定することが可能となる。
【0084】
【発明の効果】本発明により、生化学反応の温度を反応
系毎に調節できる生化学反応検出チップおよびその基板
が提供された。また、本発明により、複数の反応系にお
いて生化学反応を反応系毎に温度調節して同時に行うた
めの装置および方法、並びに記録媒体が提供された。
【0085】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> HITACHI,LTD. <120> Polynucleotide Detection Chips and Polynuc
leotide Detection Apparatus <130> H000230 <160> 7 <210> 1 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> fluorescently labeled DNA fragment <400> 1 tgaccggcag caaaatg 17 <210> 2 <211> 8 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA probe hybridizing with DNA fragment <400> 2 ccgtcgtt 8 <210> 3 <211> 8 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA probe hybridizing with DNA fragment <400> 3 gccgtcgt 8 <210> 4 <211> 8 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA probe hybridizing with DNA fragment <400> 4 ggccgtcg 8 <210> 5 <211> 8 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA probe hybridizing with DNA fragment <400> 5 tggccgtc 8 <210> 6 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> fluorescently labeled DNA fragment <400> 6 tgaccggtag caaaatg 17 <210> 7 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> fluorescently labeled DNA fragment <400> 7 tgaccggaag caaaatg 17
【0086】
【配列表フリーテキスト】配列番号1、6および7は、
17塩基長の合成DNA断片のヌクレオチド配列である。配
列番号2〜5は、8塩基長のプローブのヌクレオチド配
列である。
【図面の簡単な説明】
【図1】オリゴヌクレオチドDNAを固定するための生
化学反応検出チップ用基板(以下、「DNAチップ用基
板」という。)の概要を示す図で、図1(a)は、横方向に
10行、縦方向に10列の合計100個のプローブ固定面
2を有するDNAチップ用基板1の上面図、図1(b)
は、図1(a)の枠で囲った領域の部分拡大図、図1(c)
は、図1(b)に示すプローブ固定面2の領域の部分拡大
図である。
【図2】薄膜上に形成されたアイランドの形状を説明す
る図で、図2(a)は、DNAチップ用基板の裏面拡大
図、図2(b)は、図1(b)の破線部A-A'の縦断面図であ
る。
【図3】DNAチップの温度設定の一例を示す図であ
る。
【図4】薄膜上に形成されたアイランドの形状およびメ
ッシュ構造を説明する図で、図4(a)は、DNAチッ
プ用基板の裏面拡大図、図4(b)は、図1(b)のD
NAチップ用基板1にメッシュ構造を形成した場合の破
線部A-A'の縦断面図である。
【図5】メッシュ構造の効果を説明するための図であ
る。
【図6】メッシュの外周部に冷却機能を設ける態様を説
明する図である。
【図7】DNAチップ用基板の製造の第1のプロセスを
説明する図である。
【図8】DNAチップ用基板の製造の第2のプロセスを
説明する図である。
【図9】DNAチップ用基板の製造の第3のプロセスを
説明する図である。
【図10】生化学反応検出装置の構成の一例を示す図で
ある。
【図11】アデニン(A)とチミン(T)の結合様式およびグ
アニン(G)とシトシン(C)の結合様式を示す図である。分
子構造中のOと分子構造中のHの間をつなぐ点線は水素
結合を表す。
【図12】プローブの種類により、相補鎖結合のTm値
が異なる現象を説明するための図で、図12(a)は、D
NAチップ基板上に固定されたプローブとサンプル溶液
中のポリヌクレオチドの結合力がプローブの配列により
異なることを示す図、図12(b)は、相補鎖結合の融解
曲線を示す図。縦軸はDNA2本鎖の解離度で、横軸は
温度である。図12(C)は、8塩基プローブのTmを%
GC法で計算した結果を示す図である。
【図13】DNAチップを上面より見た模式図である。
【図14】DNAチップのa列、c列、g列、i列に属す
る固定面の温度遷移を模式的に示した図である。
【図15】配列番号1の試料DNAを用いた測定における
ハイブリダイゼーションの温度依存性を示す図である。
【図16】配列番号6の試料DNAを用いた測定における
ハイブリダイゼーションの温度依存性を示す図である。
【図17】配列番号7の試料DNAを用いた測定における
ハイブリダイゼーションの温度依存性を示す図である。
【図18】プローブ固定面におけるヒーター回路および
温度検出素子の形状例を示す図である。
【図19】図18の温度検出回路における、プローブ固
定面の温度(t)と温度検出素子間の電位差(v)との
関係を示すグラフである。
【図20】作用電極に印加する電圧とヒータによる加熱
タイミングを示す図である。
【符号の説明】
1はDNAチップ用基板、2はプローブ固定面、4はア
イランド、5はヒーター回路、6はpn-接合温度検出素
子、1001はヒーター端子(+)、1002はヒーター端子
(−)、1003は温度検出端子(+)、1004は温度検出端子
(−)、21はSiアイランド、22はSiN/SiO2
薄膜、24は温度設定領域、25はプローブ、26はサ
ンプル溶液、27はカバーガラス、41はメッシュ構造
(熱流出器)、51は水の層、52はアクリル板、61
は金属の枠、71はn型基板、72はp−well、7
3はp−well、74はSiO2膜、75はn型拡散
層、76はn型拡散層、77はn型拡散層、78はp型
拡散層、79はp型拡散層、81は第1層間絶縁膜、8
2は第1層配線、83は第2層間絶縁膜、84は第2層
配線、91はSi34膜、101はDNAチップ、10
2はプリント基板、103はホルダー、104はケーブ
ル、105はコントローラ、106は恒温槽、107は
ファン、108はペリチェ素子、109はスイッチ、1
10は電圧計、111は出力調節器、Vpoはヒーター電
源、Vcは定電圧電源、181はヒーター電源回路、1
82は温度検出回路、801はセンサcommon配線、80
2はPN接合温度センサの正極、803は電極、804
は電極、805はセンサcommon電極、806はヒーター
common電極、901はアイランドの側面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村川 克二 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−147982(JP,A) 特開 平5−317030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 G01N 37/00 C12M 1/00 C12N 15/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性のある薄膜基板と、該薄膜基板の
    片面に設けられた複数のアイランドと、該薄膜基板をは
    さんで該アイランドの反対側の位置にそれぞれ設けられ
    生化学反応を検出するプローブを固定する複数のプロ
    ーブ固定面とを有し、各々のアイランドには、該アイラ
    ンドを加熱するヒーターと、該アイランドの温度を検出
    する温度検出部と、該温度検出部の検出結果を外部へ出
    力するための温度検出端子と、該ヒーターの加熱を制御
    するためのヒーター端子とが設けられた生化学反応検出
    チップであって、該アイランドは空間によって互いに分
    離され、該プローブの種類は該複数のプローブ固定面毎
    に異なり、該複数のプローブ固定面とそれに対向する面
    との間に1のサンプル溶液が保持されるものであり、
    温度検出端子の出力結果に応じて、外部より該ヒータ端
    子を通して該アイランドの加熱制御が行われることを特
    徴とする生化学反応検出チップ。
  2. 【請求項2】 上記薄膜基板は、Si窒化膜、Si酸化
    膜、Al酸化膜、Ta25からなる群より選択される少
    なくとも1種の材料で形成された膜か、もしくは、該群
    より選択される材料の複合膜であることを特徴とする請
    求項1の生化学反応検出チップ。
  3. 【請求項3】 上記薄膜基板上に設けられている複数の
    アイランドは、それぞれが独立に温度制御されることを
    特徴とする請求項1の生化学反応検出チップ。
  4. 【請求項4】 上記ヒーターは、n型拡散層により構成
    され、上記温度検出部は、p型拡散層とn型拡散層のp
    n接合により形成されていることを特徴とする請求項1
    の生化学反応検出チップ。
  5. 【請求項5】 上記プローブ固定面は、対応するアイラ
    ンドの方向に窪んでいることを特徴とする請求項1の生
    化学反応検出チップ。
  6. 【請求項6】 上記薄膜基板がn型基板の場合には、上
    記ヒーター及び上記温度検出部との間にp型拡散層を設
    けることを特徴とする請求項1の生化学反応検出チッ
    プ。
  7. 【請求項7】 上記プローブが、オリゴヌクレオチドD
    NAプローブ、オリゴヌクレオチドRNAプローブ、お
    よびタンパク質プローブからなる群より選択される請求
    項1〜の何れかに記載の生化学反応検出チップ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜のいずれかにおいて、隣接
    する上記アイランドの間には、熱伝導体が設けられてい
    ることを特徴とする生化学反応検出チップ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜の何れかにおいて、上記薄
    膜基板の外周は金属枠が設けられていることを特徴とす
    る生化学反応検出チップ。
  10. 【請求項10】 生化学反応検出チップ用基板を製造す
    る方法であって、 (a)熱伝導体の平板の一方の表面上に温度調節器を形成
    し、その上に薄膜を形成し、そして、 (b)熱伝導体の平板のもう一方の表面の側から不要な部
    分を除去して熱伝導体のアイランドを形成する方法。
  11. 【請求項11】 熱伝導体の平板の薄膜が形成された表
    面の反対側の表面上に所望のパターンのマスクを設け、
    反対側の面に形成された薄膜が露出するまでマスクを設
    けた側の面をエッチングして、薄膜上にマスクのパター
    ンで熱伝導体のアイランドを形成する請求項10記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 マスクがSi窒化膜の薄膜である請求
    11記載の方法。
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