JP3537567B2 - スピンフローネック成形装置 - Google Patents

スピンフローネック成形装置

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JP3537567B2
JP3537567B2 JP30061195A JP30061195A JP3537567B2 JP 3537567 B2 JP3537567 B2 JP 3537567B2 JP 30061195 A JP30061195 A JP 30061195A JP 30061195 A JP30061195 A JP 30061195A JP 3537567 B2 JP3537567 B2 JP 3537567B2
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neck portion
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勝美 吉儀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属缶の缶胴に
おける開口側端部の径を小さく絞るネッキング加工を行
う装置に関し、特に多段にネッキング加工したネック部
を滑らかに連続する形状にネッキング加工するための装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料缶詰などに使用されている金属缶
は、軽量化に伴う缶蓋の小径化などのために、缶蓋を取
り付ける缶胴の開口端を絞ってその径を小さくしてい
る。従来、この種のネッキング加工として2段あるいは
3段さらには数段にもおよぶ多段で開口端を絞って縮径
させるダイ方式によるネッキング加工などが行われてい
た。しかしながら最近では、嗜好の多様化や商品の差別
化などの要求から、スムースネック(あるいはフローネ
ック)と称される滑らかに連続した加工形状が求められ
るようになっている。
【0003】この種のネッキング加工を行う装置や方法
が種々提案されており、例えば特公平6−51211号
公報には、絞り・しごき加工によって得られた缶胴の開
口端部に、径を段階的に変化させたネッキング加工を施
し、ついでその段部のある小径部(縮径部)を、内外両
面側からロールによって挟み込み、これらのロールで押
圧して平坦な傾斜部とする方法が記載されている。また
特開平6−210379号公報には、テーパ面を有する
内ロールを缶胴の内側に配置するとともに、缶胴の開口
端を、軸線方向に移動可能なロールに嵌合させておき、
テーパ面を備えた外ロールを缶胴の外面側からその半径
方向で内側および軸線方向に送り、この外ロールと内ロ
ールとで缶胴の開口側の端部を挟み付けて縮径し、同時
に缶胴の開口端を嵌合させてある前記ロールを、外ロー
ルによって軸線方向に後退移動させて、缶胴の開口端部
を過剰に加圧することによるダメージを防止する方法が
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の公報に記載され
ているいずれの装置においても、開口端部の絞り形状を
規定する内ロールを、多段にネッキング加工したネック
部の内部に挿入し、また内ロールの外周に形成してある
テーパ面に対応するテーパ面を備えた外ロールをネック
部の外側から半径方向で内側に移動させ、多段にネッキ
ング加工したネック部をこれら内外のロールで挟み付
け、滑らかに連続したネック形状を得ている。したがっ
て開口端の内外両面は、各ロールのテーパ面に沿う所定
長さの範囲で各ロールに線接触する。また各ロールは缶
胴の中心軸線と平行な軸線を中心に回転するように保持
されている。そのため、前記各ロールとネック部の表面
との間には、ロールの外表面での周速の相違に起因して
滑りが発生する。
【0005】上述したネッキング加工のための荷重は、
缶胴に施されている塗装・印刷層あるいは樹脂フィルム
被覆層を介して、缶胴開口端の金属板に加えられるの
で、ネッキング加工量の少ない場合は、表面傷などの問
題は特には生じないが、最近のネッキング加工量が多
く、しかも軽量化により金属板の硬度も増加したことが
原因となって、塗装・印刷缶あるいは樹脂フィルム積層
缶における内外表面のシワや亀裂さらには剥離などを発
生させる不都合があった。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、塗装・印刷缶あるいは樹脂フィルム積層
缶などのスピンフローネック成形時にシワなどの表面欠
陥を生じさせることのない成形装置を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、缶胴開口端側の多段
に絞ったネック部の先端を円筒部材の先端部内周側に遊
嵌させるとともに、そのネック部に付与すべき形状に対
応したテーパ面を有する内ロールを、前記開口端の内面
に接近させて配置し、さらに缶胴開口端の外周側から、
前記缶胴の半径方向および缶胴の軸方向に前後動可能と
された外ロールを缶胴の半径方向で内側に向けかつ前記
テーパ面に沿って移動させて、前記多段に絞ったネック
部を滑らかに連続する傾斜面に形成するスピンフローネ
ック成形装置において、前記内ロールが、前記ネック部
の先端を前記円筒部材との間に緩く挟み込む膨大部と、
前記膨大部の下端側と前記テーパ面の最も径の小さい上
端側とを一体に接続する円柱部とを有し、かつ前記ネッ
ク部の外周面に接触する前記外ロールは、その外周端
が、軸線方向に沿う断面形状が凸円弧状となる形状に形
成されるとともに、前記外ロールの外周端の下側が、前
記内ロールにおけるテーパ面の傾斜角より大きいテーパ
面を成し、その外周端の曲率半径が、前記円柱部の軸線
方向における長さの半分以下に設定され、前記缶胴の半
径方向に前後動可能に弾性材を介して保持されているこ
とを特徴とするものである。
【0008】したがってこの発明の成形装置において
は、外ロールが、内ロールの円柱部の軸線方向における
長さの半分以下の曲率半径に設定された円弧状の外周端
を有し、また外ロールの下側が、前記内ロールにおける
テーパ面の傾斜角より大きいテーパ面を成しているの
で、ネック部の外周面に実質上点接触する。そのため、
ッキング加工のために缶胴を回転させ、これに伴って
外ロールが回転しても、両者の間に滑りが生じず、ま
た、外ロールによってネッキング加工を施した箇所に再
度、外ロールが接触することがないので、開口端に塗装
・印刷層あるいは樹脂フィルムが積層されていても、亀
裂が生じてそこが剥がれたり、シワが発生したりするこ
とがない。また特にこの発明の装置では、外ロールが少
なくとも缶胴の半径方向に弾性的に支持されているため
に、成形加工の途中で成形荷重が過大になることが有効
に防止され、この点においても、亀裂による剥離やシワ
などの表面欠陥を防止することができる。
【0009】また、外ロールの外周端の曲率半径を、内
ロールの円柱部の軸線方向における長さの半分以下に設
定することにより、エッジ部のフランジ加工をする際
に、フランジ部のシワや割れの発生等を未然に防止でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
具体的に説明する。この発明の成形装置は、ダイ方式な
どによって多段にネッキング加工した缶胴のネック部
を、滑らかに連続した傾斜面(テーパ面)に成形するた
めの装置であり、主として内外のロールによって成形加
工を行うよう構成されている。
【0011】すなわち対象とする缶胴1は、例えば絞り
・しごき加工によって有底円筒状に形成した後、そのネ
ック部2を多段に絞るネッキング加工を行ったものであ
り、図1に示すように、この缶胴1を載せて自転するよ
う駆動され、また所定の中心軸線を中心に公転する受け
台3が設けられている。この受け台3の上方には、缶胴
1のネック部2に付与するべきネック形状を規定する内
ロール4が配置されている。この内ロール4は、ネッキ
ング加工後のネック部2の開口径より小さい外径のロー
ルであって、図2に示すように、軸線方向での中間部分
にテーパ面5が形成されており、そのテーパ角が最終的
に得るべきネック部2の形状のテーパ角となっている。
またこのテーパ面5の上端側に続く部分は外径がほぼ一
定の円柱部6とされており、さらにこの円柱部6の上端
には、円柱部6より大径の膨大部7が一体に設けられて
いる。
【0012】上記の内ロール4は、缶胴1内に対して挿
脱するために軸線方向に沿って上下動するように保持さ
れており、また前記開口端部2の内面に対して接近・離
隔するように保持されている。すなわち受け台3の上方
には、受け台3の軸上に偏心した位置でかつ受け台3と
共に公転する保持軸8が配置されており、この保持軸8
の下端面のさらに偏心した位置に、内ロール4が回転自
在に取り付けられている。またこの保持軸8は昇降可能
なスリーブ9を貫通して回転自在に保持されている。
【0013】このスリーブ9は、前記受け台3と同期し
て回転するように駆動ギヤ10に噛合しており、また昇
降ブロック11を貫通して回転可能に保持されている。
この昇降ブロック11には、回転中心軸線を水平方向に
向けたローラからなるカムフォロアー12が一体に取り
付けられており、受け台3および保持軸8の公転中心軸
線を中心とした円板状のカム13にカムフォロアー12
が係合している。したがってそのカム13の形状に従っ
てカムフォロアー12が図1の上下方向に移動すること
により、昇降ブロック11およびスリーブ9ならびに保
持軸8およびこれに取り付けた内ロール4が上下動し、
その結果、内ロール4が缶胴1に対して挿脱されるよう
になっている。
【0014】また保持軸8の上端部には、ギヤ14が取
り付けられており、このギヤ14に扇形ギヤ15が噛合
している。これらのギヤ14,15は保持軸8を所定の
角度回動させるためのものであって、扇形ギヤ15の歯
部に対して回転中心を挟んだ反対側に、ロールからなる
カムフォロアー16が取り付けられている。このカムフ
ォロアー16は回転中心軸線を上下方向に向けたもので
あって、前記公転中心軸線を中心とした外周面をカム面
としたカム17に接触している。これらの機構を図1に
概略的に示してあり、カムフォロアー16がカム17の
形状に応じて公転中心軸線を中心とした半径方向に移動
することにより扇形ギヤ15が回動し、それに伴って保
持軸8が所定角度回動する。そして内ロール4は、保持
軸8の先端の偏心位置に取り付けられていることによ
り、保持軸8の回動によって缶胴1の半径方向に移動
し、ネック部2の内面に接近・離隔する。
【0015】また前記スリーブ9の下端部には、前記受
け台3に載せてある缶胴1のネック部2の先端を緩く嵌
合させる円筒部材18が一体に取り付けられている。こ
の円筒部材18の先端部(下端部)の内径は、缶胴1の
開口端の外径よりわずか大きく設定されており、またこ
の円筒部材18の先端部は前記内ロール4における膨大
部7と軸線方向での位置がほぼ一致している。したがっ
て内ロールをネック部2の内面に接近させた位置では受
け台3に載せた缶胴1の開口端を円筒部材18と内ロー
ル4の膨大部7との間に緩く挟み込み保持するようにな
っている。これは、ネッキング加工時の開口端の変形を
防止すると共にネッキング加工の推移に伴い開口端の抜
け出しを容易にするためである。
【0016】なお、缶胴1の開口端を円筒部材18と膨
大部7との間に緩く挟み込むとは、円筒部材18の先端
部内径が缶胴1の開口端外径よりも僅かに大きく、一方
の膨大部7の外径が缶胴1の開口端内径よりも僅かに小
さい状態を意味する。
【0017】なお、特には図示しないが、前記カム17
はいわゆる正面カムであるから、そのカム面にカムフォ
ロアー16を常時接触させておくためのスプリングなど
の弾性部材が、カム17と扇形ギヤ15との間に設けら
れている。
【0018】多段に絞り成形された前記ネック部2は、
その外面を半径方向で内側に押圧することにより成形さ
れる。そのための外ロール19が、前記保持軸8の軸心
を中心にして前記内ロール4の外周側に配置されてい
る。すなわち前記保持軸8と共に所定の公転中心軸線を
中心に公転する昇降軸20が保持軸8と平行に配置され
ており、この昇降軸20は軸受スリーブ21を貫通して
上下動可能に保持されている。その昇降軸20の下端部
には、半径方向で外側に突出したホルダ22が回転自在
に取り付けられており、そのホルダ22の先端部は、コ
字状断面に形成されており、そのコ字状断面の部分に上
下方向に向けて取り付けた軸23に外ロール19が回転
自在に取り付けられている。
【0019】この外ロール19は、前記ネック部2の外
表面に実質的に点接触もしくは点接触とほぼ同様な微小
面積で接触する形状に形成されている。より具体的に
は、図2に示すように、下側が小径となるテーパ状を成
すとともに、その最大径部が滑らかな曲面に形成されて
いる。そしてそのテーパ角は前述した内ロール4におけ
るテーパ角より大きい角度とされており、また最大径部
の曲率半径は、内ロール4における円柱部6の軸線方向
長さの半分以下に設定されている。
【0020】前記外ロール19は、缶胴1のネック部2
に対して半径方向で内側に向けかつ軸線方向に向けて移
動させられるよう構成されており、そのための機構につ
いて説明すると、前記昇降軸20の上端部にはブラケッ
ト24を介してロールからなるカムフォロアー25が取
り付けられている。このカムフォロアー25は、その回
転中心軸線を水平方向に向けたものであって、前記公転
中心軸線を中心とした円板状のカム26の上面に接触し
ている。なお、このカムフォロアー25とカム26との
接触状態を維持するために、ブラケット24と昇降軸2
0を保持しているアーム部27との間にスプリング28
が張設されている。したがってカム26の形状に応じて
カムフォロアー25が上下動することにより、昇降軸2
0がその軸線方向に沿って上下動するようになってい
る。
【0021】前記外ロール19を取り付けてある軸23
は上方に延びており、その上端部は前記軸受スリーブ2
1に回転自在に嵌合させた旋回アーム29に上下動可能
に嵌合保持されている。この旋回アーム29に隣接して
第2の旋回アーム30が軸受スリーブ21に回転自在に
嵌合させられている。図3に示すように、この第2の旋
回アーム30には、公転中心軸線に対して半径方向で外
側に延びた第1の突出部31と、公転中心軸線側に延び
た第2の突出部32とが一体に形成されており、第1の
突出部31には、前記旋回アーム29の外面に、その旋
回中心を中心とした円周方向で対向する突起部33が形
成されており、この突起部33と旋回アーム29との間
には、外ロール19を弾性的に押圧するための弾性部材
として圧縮スプリング34が配置されている。
【0022】また第2の突出部32には、カムフォロア
ー35としてのローラがその回転中心軸線を上下方向に
向けて回転自在に取り付けられている。そしてこのカム
フォロアー35は前記公転中心軸線を中心とした外周面
がカム面であるカム36に接触している。なお、このカ
ムフォロアー35とカム36との接触状態を維持するた
めに、前記旋回アーム29とアーム部27との間にスプ
リング34が張設されている。
【0023】なお、図4は、上述した各軸の相対位置を
示す平面視図である。
【0024】つぎに上述した装置の作用について説明す
る。上記の受け台3や内ロール4および外ロール19等
は相対位置を保った状態で所定の公転中心軸線を中心に
公転するよう駆動されており、その公転動作の途中で受
け台3上に缶胴1が供給されて受け台3上に載せられ
る。この缶胴1は、前述したようにそのネック部2に多
段の絞り加工を施したものであって、そのネック部2を
上向きにして受け台3に載せられる。この時点では、保
持軸8はカム13の作用によって上方に引き上げられて
おり、またその下端に取り付けた内ロール4は受け台3
の中心軸線上に位置している。また外ロール19はカム
36の作用によって各旋回アーム29,30が回転させ
られることにより、内ロール4から離れて位置させら
れ、またカム26の形状に従って下限位置に位置決めさ
れている。
【0025】公転動作に伴って前記カムフォロアー12
がカム13上を移動することにより、昇降ブロック11
が下降動作し、これと共に保持軸8が下降するから、そ
の先端に取り付けてある内ロール4が缶胴1の内部に挿
入される。またスリーブ9の下端に取り付けてある円筒
部材18が缶胴1の開口端の外側に緩く嵌合する。した
がって缶胴1は受け台3と円筒部材18との間に保持さ
れた状態になる。
【0026】これに続けて前記扇形ギヤ15がカム17
およびカムフォロアー16の作用により回転させられ
る。その結果、保持軸8がギヤ14と共に回転させられ
る。そのためその下端部に取り付けてある内ロール4が
保持軸8の中心軸線を中心に公転することにより、ネッ
ク部2の内面に接近させられる。その過程を図5の
(A)に示してある。また一方、図3に示す第2の旋回
アーム30がカム36およびカムフォロアー35の作用
により回転させられ、その動作が圧縮スプリング34を
介して旋回アーム29に伝達される。その結果、この旋
回アーム29に嵌合させてある軸23およびこれに取り
付けてある外ロール19が昇降軸20の中心軸線を中心
に旋回させられる。その旋回方向は、外ロール19が内
ロール4に接近する方向であり、その動作は図5の
(A)に併せて示してある。
【0027】上述のように内ロール4が缶胴1の半径方
向で外側に移動し、その限界位置では、図5の(B)示
すように、最も外径の大きい部分がネック部2の下端側
の内面に接触する。またその状態で膨大部7が前記円筒
部材18の下端内周面に接近しており、したがって缶胴
1の開口端は円筒部材18の内面と内ロール4の膨大部
7の外面との間に緩く挟まれた状態となる。これに対し
て外ロール19の上下方向での位置は、その最も外径の
大きい外周端がネック部2の下端部に対向する位置にあ
り、前述のように缶胴1の内部に挿入された内ロール4
に対して移動させられることにより、その外周端が缶胴
1のネック部2の外周面に接触し、ここを押圧すること
になる。その場合、缶胴1は受け台3と共に回転してい
るから、外ロール19によって押圧された部分は、内ロ
ール4のテーパ面5に沿う形状に絞り加工される。
【0028】装置全体の公転が更に進行すると、昇降軸
20がカム26およびカムフォロアー25の作用によっ
て次第に引き上げられ、また各旋回アーム30,29が
カム36およびカムフォロアー35の作用により旋回動
作させられるから、外ロール19は図5の(C)に示す
ように内ロール4のテーパ面5に沿って斜め上方に引き
上げられる。すなわち多段形状のネック部2が内ロール
4のテーパ面5に沿う形状に絞り加工を受け、滑らかな
傾斜面に成形される。
【0029】外ロール19は、図5の(D)に示すよう
に、その外周端が内ロール4の円柱部6に対応する位置
で前記円筒部材18の下端に接触するまで上昇させられ
る。この状態を図5の(D)に示してあり、缶胴1のネ
ック部2は階段状の形状から滑らかなテーパ形状に成形
されるとともに、内径が開口端側で次第に減少するよう
絞り成形されるから、開口端のエッジは次第に膨大部7
から円柱部6側に引き込まれる。そして最終的には、外
ロール19の外周端に沿って湾曲した形状となる。した
がって外ロール19を斜め上方に移動させることによ
り、缶胴1のネック部2がスムースネック形状に成形さ
れるとともに、その開口端のエッジ部にフランジ成形が
施される。
【0030】上述した成形加工では、外ロール19がネ
ック部2の外周面を滑って移動することになるが、前述
したように外ロール19の形状は、ネック部2に付与す
べきテーパ角より大きいテーパ角のテーパ面および円柱
部6の長さの半分以下の曲率半径の円弧状外周端とを備
えたものであるから、外ロール19はネック部2の外面
に実質上点接触することになり、缶胴1を回転させつつ
外ロール19を上述のように斜め上方に移動させた場合
に、ネック部2の外面と外ロール19との間に周速の相
違による滑りが生じることがなく、少なくとも一旦成形
加工した部分を再度、外ロール19が加圧しあるいは摺
接することはない。したがってフィルム貼着缶であって
も、フィルムのシワや亀裂などを生じさせることがな
い。また外ロール19は、前述した旋回アーム29と第
2の旋回アーム30との間の圧縮スプリング34を介し
た押圧力によってネック部の外面に押し付けられるか
ら、圧縮スプリング34によって設定した以上の成形荷
重がネック部2に作用することが防止される。そのため
にネック部2に対する成形荷重が成形加工の途中で過大
になることが抑制されて、塗装・印刷層の表面欠陥やフ
ィルムのシワや亀裂あるいはネック部2自体の破断等の
欠陥を未然に防止することができる。そしてまた成形過
程におけるネックのエッジ部は、円筒部材18および内
ロール4の膨大部7との間で保持されるから、その部分
の変形が防止されてこれに続くフランジ成形の際におい
てもフランジ部での破断等の異常を未然に防止すること
ができる。
【0031】外ロール19が上述のように上限位置まで
移動させられると、これに続く公転動作によってカムフ
ォロアー16がカム17に沿って移動することにより、
扇形ギヤ15が回転し、それに伴って保持軸8が前述し
た場合とは反対方向に回転させられるために、その下端
部に取り付けた内ロール4が成形加工の終了したネック
部2の内面から離隔するよう半径方向での内側に移動さ
せられる。またこれと相前後してカム13およびカムフ
ォロアー12の作用により、スリーブ9が引き上げら
れ、それに伴って円筒部材18および内ロール4が缶胴
1の上方に移動させられる。
【0032】また外ロール19は各旋回アーム29,3
0がカム36およびカムフォロアー35の作用により、
前述した場合とは反対方向に旋回することにより成形加
工の終了したネック部の外面から離れる方向に後退移動
させられ、その後にカム26およびカムフォロアー25
の作用により、昇降軸20と共に初期の下限位置に下降
させられる。これらの部材の移動方向を図5の(E)に
示してある。
【0033】上述のようにして内ロール4、外ロール1
9、円筒部材18が後退移動した後、受け台3上から缶
胴1が排出され、次の工程に送られる。なお、その場
合、受け台3は、回転していてもよく、あるいは回転を
止めてもよい。また受け台3は缶胴1の受け取り、受け
渡しを容易にするために、回転のみならず昇降するよう
構成することもできる。
【0034】なお、上述した例では、外ロール19を缶
胴1のネック部2に弾性的に押圧する弾性部材として各
旋回アーム29,30の間に配置した圧縮スプリング3
4を使用したが、この発明は上述の実施例に限定される
ものではないのであって、外ロール19は、要は、弾性
部材の弾性力によって缶胴1のネック部2を内ロール4
のテーパ面5に押し付けられるように構成されていれば
よく、したがって例えば前述した軸23を弾性材を介し
てホルダ22によって保持する構成としてもよく、ある
いはこのホルダ22と昇降軸20との間に弾性材を介在
させる構成としてもよい。また外ロール19は、半径方
向で内側への押圧力のみならず、上方向への押圧力を缶
胴1に対して作用させるので、上下方向においても弾性
部材を介して保持するように構成してもよい。
【0035】また上述した例では、内ロール4の昇降や
半径方向への移動あるいは外ロール19の昇降や半径方
向への移動をカム機構を使用して行うように構成した
が、これらの部材の昇降動作および半径方向への動作
は、カム機構以外に歯車や送りネジあるいはソレノイド
などのアクチュエータを用いて行うように構成してもよ
い。さらにこの発明の装置は、鋼板を使用した樹脂フィ
ルム積層缶のみならず、他の一般の金属缶におけるネッ
ク部の成形加工に使用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
缶胴のネック部に付与するべき形状を備えた内ロールに
対してネック部を押圧する外ロールがネック部の表面に
実質上点接触する形状を備え、かつ外ロールの外周端の
下側が、内ロールのテーパ面のテーパ角より大きいテー
パ角のテーパ面を成しており、その外ロールを内ロール
の形状に沿わせて移動させることにより、多段のネック
形状を滑らかに連続したネック形状に成形するよう構成
してあるから、塗装・印刷缶や樹脂フィルム積層缶のネ
ッキング加工を行う場合であっても、缶表面の塗装・印
刷面やフィルムのシワや亀裂などの表面欠陥を生じさせ
ることなく加工を行うことができる。またこの発明にお
ける外ロールは、弾性力を介してネック部の外面に押し
付けられるよう構成されているので、成形荷重が過大に
なることが有効に防止され、そのため塗装・印刷缶や樹
脂フィルム積層缶における表面層のシワや亀裂・剥離な
どの発生を未然に防止できることに加え、ネック部先端
のエッジ部をフランジ加工する際のフランジ部のシワや
割れの発生などを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る装置の内ロールと外ロールとを
並べて示す展開図である。
【図2】その内ロールと外ロールの形状を示す図であ
る。
【図3】外ロールを内ロールに向けて弾性的に押圧して
移動させるための機構を示す概略図である。
【図4】各軸の相対位置を示す平面視図である。
【図5】ネック部の成形過程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 缶胴 2 ネック部 5 テーパ面 7 膨大部 18 円筒部材 19 外ロール 34 圧縮スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 51/26 B21D 22/14 - 22/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶胴開口端側の多段に絞ったネック部の
    先端を円筒部材の先端部内周側に遊嵌させるとともに、
    そのネック部に付与すべき形状に対応したテーパ面を有
    する内ロールを、前記開口端の内面に接近させて配置
    し、さらに缶胴開口端の外周側から、前記缶胴の半径方
    向および缶胴の軸方向に前後動可能とされた外ロールを
    缶胴の半径方向で内側に向けかつ前記テーパ面に沿って
    移動させて、前記多段に絞ったネック部を滑らかに連続
    する傾斜面に形成するスピンフローネック成形装置にお
    いて、 前記内ロールが、前記ネック部の先端を前記円筒部材と
    の間に緩く挟み込む膨大部と、前記膨大部の下端側と前
    記テーパ面の最も径の小さい上端側とを一体に接続する
    円柱部とを有し、かつ前記ネック部の外周面に接触する
    前記外ロールは、その外周端が、軸線方向に沿う断面形
    状が凸円弧状となる形状に形成されるとともに、前記外
    ロールの外周端の下側が、前記内ロールにおけるテーパ
    面の傾斜角より大きいテーパ面を成し、その外周端の曲
    率半径が、前記円柱部の軸線方向における長さの半分以
    下に設定され、前記缶胴の半径方向に前後動可能に弾性
    材を介して保持されていることを特徴とするスピンフロ
    ーネック成形装置。
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