JPH05277572A - 缶胴の開口端部の成形方法 - Google Patents

缶胴の開口端部の成形方法

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JPH05277572A
JPH05277572A JP3181744A JP18174491A JPH05277572A JP H05277572 A JPH05277572 A JP H05277572A JP 3181744 A JP3181744 A JP 3181744A JP 18174491 A JP18174491 A JP 18174491A JP H05277572 A JPH05277572 A JP H05277572A
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forming
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work roll
cam
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    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D51/00Making hollow objects
    • B21D51/16Making hollow objects characterised by the use of the objects
    • B21D51/26Making hollow objects characterised by the use of the objects cans or tins; Closing same in a permanent manner
    • B21D51/2615Edge treatment of cans or tins
    • B21D51/2638Necking
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
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    • B21D51/2615Edge treatment of cans or tins

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速作業で、かつ板厚を薄くした場合等でも、
ネックイン部の外面塗膜に傷付きが生じたり、板厚の減
少等が起ることなく、スピニング法により缶胴にネック
イン部とフランジ部を形成する。 【構成】缶胴1を開口端部1aに嵌入された支持部2に
よって強制回転しながら、成形ロール4を缶胴1に向か
って移動させて、支持部2と、支持部2より小径で、缶
胴内面に接触するよう、偏芯的に支持部2に対して近接
して設けられたワークロール3の間の開口端部1aの部
分に押入させながら、缶胴1をワークロール3と共に支
持部2から離れる軸心方向に移動させて、開口端部1a
にネックイン部10およびフランジ部9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール缶、炭酸飲料
缶、コーヒ飲料缶等の缶詰等に用いられる缶胴の開口端
部に、ネックイン部およびフランジ部を形成する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】缶胴の開口端部にスピニング法によっ
て、ネックイン部とフランジ部を同時に形成する方法が
提案されている(例えば特開昭63−33125号公報
や特公平2−39333号公報)。これらの従来の方法
は、回転自在のスリーブに対しバネで押し付けられた強
制回転する支持具と、支持具より小径で、軸方向定位置
に支持具に対し偏芯的に設けられた上記スリーブを備え
る工具の支持具に開口端部を外挿し、缶胴を支持具と共
に回転しながら、スピニングロールを、支持具とスリー
ブの間に半径方向に押し込むと同時に支持具の方に移動
させて、開口端部を支持部およびスリーブに対して押圧
して成形を行なうものである。
【0003】この従来の方法は、特に高速作業で、かつ
材料費低減のため開口端部の板厚を薄くした場合等に、
開口端部に形成されたネックイン部の外面塗膜に傷付き
が生じたり、加工部分の板厚の減少が生じ、極端の場合
板切れが起るという問題が生じ易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速作業
で、かつ材料費低減のため開口端部の板厚を薄くした場
合等でも、ネックイン部の外面塗膜に傷付きが生じた
り、板厚の減少等が起り難い、缶胴の開口端部にスピニ
ング法により、ネックイン部とフランジ部を形成する方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の缶胴の開口端部
の成形方法は、缶胴の開口端部に嵌入された強制回転す
る支持部、支持部より小径で、缶胴内面に接触するよ
う、最初偏芯的に、支持部に対して近接して設けられた
ワークロール、および上記接触する側の缶胴の外側に設
けられ、缶胴に対し半径方向に、もしくはほぼ半径方向
に往復動可能の自由回転する成形ロールによって開口端
部を成形する方法であって、缶胴を支持部と共に回転し
ながら、成形ロールを、缶胴に向かって移動させて支持
部とワークロールの間の開口端部の部分に押入させなが
ら、缶胴をワークロールと共に支持部から離れる軸心方
向に移動させて、開口端部にネックイン部およびフラン
ジ部を形成することを特徴とする。
【0006】上記缶胴の開口端部の成形の場合、支持部
のワークロール側の面の周縁に第1の円錐台形面が形成
されており、成形ロールの支持部側の面の周縁に第2の
円錐台形面が形成されていて、成形ロールの押入と共
に、支持部を弾性圧に抗してワークロールと反対側の軸
心方向に僅かに移行させて、第1の円錐台形面と第2の
円錐台形面間のクリアランスを制御しながら成形を行な
うことが望ましい。
【0007】
【作用】請求項1に係る発明の場合、缶胴をワークロー
ルと共に支持部から離れる軸心方向に移動させながら、
成形ロールを、半径方向に移動させて支持部とワークロ
ールの間の開口端部の部分に押入するので、成形ロール
とワークロールの間に板厚以上の隙間を保ちながらネッ
クイン部を形成することができる。そのため高速作業の
場合でも、成形ロールの回転数の変動が少ないので、成
形ロールと缶胴の開口端部間のスリップは少なくなるた
め、スリップに基づく外面塗膜の傷付きが生じ難い。ま
た成形ロールによって開口端部がワークロールに対し強
く押し付けられて強い面圧を受けることもないので、ワ
ークロールと接触した部分の板厚が薄くなるおそれもな
い。
【0008】請求項2に係る発明の場合、成形ロールの
押入と共に、支持部を弾性圧に抗してワークロールと反
対側の軸心方向に僅かに移行させて、支持部の第1の円
錐台形面と成形ロールの第2の円錐台形面間のクリアラ
ンスを制御しながら成形を行なう。従ってこのクリアラ
ンスを、押入のほぼ中期までは開口端部の板厚より僅か
に大きく(例えば約0.1mm大きく)なるように制御
することによって、しわが発生し易い缶胴(例えば薄肉
で、硬い鋼板よりなる)の場合であっても、フランジ部
のしわ発生を防止し、かつ成形サイクルを減少すること
ができる。
【0009】またクリアランス(両円錐台形面間に材料
が入っていない場合の)を、凹入のほぼ中期以降は、開
口端部の板厚より若干小さく(例えば約0.1mm小さ
く)なるように制御することによって、フランジ部にし
わが発生するのを防止でき、さらに缶胴送り装置の故障
等によって、成形装置は正常に動いているのに、缶胴が
供給されなかった場合でも、支持部と成形ロールの接触
を防いで、この接触による工具の傷付きを防止できる。
【0010】
【実施例】図1、図2は、本発明の動作原理を示したも
のであって、1は缶胴、この場合は再絞り成形缶(絞り
缶または絞りーしごき成形缶等であってもよい)、2は
支持部、3はワークロール、4は成形ロールである。支
持部2は強制回転され、かつバネ6によってワークロー
ル3側にバイアスされて、常時は軸方向定位置にある
(図1の)。支持部2のワークロール3側の面の周縁
は、フランジ部を形成するため円錐台形面2bとなって
おり、ワークロール3の支持部2側の面の周縁は曲率部
3bとなっている(図2の)。
【0011】成形ロール4の周縁の支持部2側は、円錐
台形面2bと対応する傾き角を有する円錐台形面4aと
なっており、残りの部分は曲率部4bとなっている。成
形ロール4は保持具8に回転自在に軸着されており、か
つ支持部2とワークロール3との間を、缶胴1の半径方
向に、またはほぼ半径方向に往復動可能に、図の場合
は、上下動可能になっている。
【0012】図1のおよび図2のは、成形開始直前
の状態を示したものであって、底部1bをチャック7に
よって把持された缶胴1の開口端部1aは、支持部2の
外周面2aにぴったりと外挿されている。ワークロール
3は支持部2より若干小径であって、かつ周面3aの下
端が開口端部1aの内面に接触するように、支持部2に
対して偏芯して設けられている。2xおよび3xはそれ
ぞれ、支持部2およびワークロール3の軸心である。ワ
ークロール3の回転は自由回転でも、強制回転でもよ
い。このの状態は、缶胴1が支持部2とチャック7に
よって、軸心の周りに回転しているときに、成形ロール
4が上昇して開口端部1aの外面に接触した時点を示
す。
【0013】図1のおよび図2のは、成形ロール4
の上昇が僅かに進み、同時に缶胴1がワークロール3お
よびチャック7と共に支持部2から離れる軸心方向に僅
かに移動して、開口端部1aが僅かに押し込まれた状態
を示したものである。この状態では円錐台形面2bと円
錐台形面4aの間、および曲率部3bと曲率部4bの間に
は、板厚より大きい隙間がある。
【0014】図1のおよび図2のは、さらに成形ロ
ール4の上昇が進み、同時に缶胴1とワークロール3の
移動が進んで、円錐台形面2bと円錐台形面4a間の隙
間が板厚に等しくなった時点を示す。ワークロール3は
軸心方向に成形ロール4から離れるよう移動するため曲
率部3bと曲率部4b間の隙間はさらに拡る。
【0015】図1のおよび図2のは、成形ロール4
の上昇がさらに進んで成形が終了した状態を示す。と
の状態の間に、開口端部1aの円錐台形面2bおよび
周面2a上の部分1a’(図2の)は、成形ロール4
によってバネ6の押圧力に抗して適度の面圧を受けなが
ら成形されるので、しわのないフランジ部9およびネッ
クイン部10が形成される。開口端部1aの曲率部4b
と曲率部3bの間の部分は面圧を受けないので、板厚の
減少等を生ずるおそれがない。また全工程を通じて成形
ロール4と、支持部2およびワークロール3間の面圧は
小さいので、成形ロール4のスリップは殆ど起らず、従
って外面塗膜の剥離が起らない。
【0016】次に本発明の実施に用いられる装置の例に
ついて述べる。図3は、ワークロール3が自由回転ロー
ルである場合の成形工具100を、図8はチャック装置
101を示したものでる。成形工具装置100は、回転
主軸(図示されない)に固着された回転ホイール12の
周縁部に沿って複数個(例えば30個)が、等間隔に着
設されている(図4)。図3において、ワークロール3
は、回転主軸に平行な支持軸11の前端に支持部2に近
接して、軸心3xが支持軸11の軸心11xからずれ
て、すなわち偏芯して回転自在に軸着されている。支持
軸11は、固定スリーブ13内を偏芯して貫通する中央
孔13aを通って、軸方向に摺動可能にスリーブ13を
挿通している。
【0017】図3に示すように、ワークロール3が支持
部2に対して偏芯位置にあって、成形ロール4に対向す
る側において、ワークロール3と支持部2の周面が軸方
向に平行な共通の直線上にあるとき、軸心3x、軸心1
1xおよび支持部2の軸心2xは、上記直線を通る共通
の平面上にあり、かつ軸心11xが軸心3xと軸心2x
の中央に位置する。
【0018】スリーブ13の前方部13bは比較的小径
で、後方部13cは比較的大径となっている。大径部1
3cは回転筒状体14内を挿通している。回転筒状体1
4は、回転ホイール12に固着された保持筒15を介し
て回転ホイール12に軸着されている。先端が支持部2
となっている支持具16の大径部16aの外面には、前
面に2段の円錐台状カム面17a、17bを有するクリ
アランス制御カム17が軸着されている。大径部16a
の内側に固着されたフランジ部18a(図4)を有する
円筒部材18が、ストロークベアリング19を介してス
リーブ13の小径部13bに対し、回転自在に、かつ軸
方向に滑動可能に軸着されている。
【0019】回転筒状体14のフランジ部14aと円筒
部材18のフランジ部18aの間に複数のスプリング6
が設けられていて、円筒部材18、従って支持具16は
前方に、すなわち図の右方に向かってバイアスされてい
る。そして常時はフランジ部14aに固着された筒体2
0の突部20aとフランジ部18aが係合して(図
4)、支持具16は軸方向定位置に保持される。筒体2
0にはスロット21が形成されていている。シャフト2
2aが円筒部材18に螺着されたロール22が、スロッ
ト21に嵌入されており、、ロール22の直径はスロッ
ト21の幅と実質的に等しい。そのため円筒部材18、
従って支持具16は、ロール22を介して回転円筒体1
4によって回転するようになっている。
【0020】図4において、23は回転主軸に着設され
た太陽歯車であって、回転円筒体14のギヤ24と歯合
して回転円筒体14を回転する。25は固定フレーム、
26は円筒カム、26aはカム溝、27はカムロールで
あって、カムロール27は、球軸受28を介して支持軸
11の後端側に着設されている。カム溝26aのプロフ
ィルは、ホイール12の回転に伴って、支持軸11従っ
てワークロール3が所定のタイミングで往復動するよう
に構成されている。
【0021】支持軸11の後端には、カムロール30を
備えるボールねじ29が着設されており、カムロール3
0は、軸方向定位置のヘッド32の溝32aに一端を着
設された圧縮ばね31(図5)による筒部37を介する
押圧下に、円筒カム26の周カム面26bに係合してい
る。周カム面26bのプロフィルは、次のように形成さ
れている。すなわち支持軸11、従ってワークロール3
が最前進位置に達して停止した極く短時間の間に、カム
ロール30がカムロール27に接近して、ボールねじ2
9を前進させて、支持軸11を180度回転して、ワー
クロール3と支持具2を同心にし、かつ支持軸11が前
進を開始する直前にカムロール27から離隔してボール
ねじ29を後退させて支持軸11を180度回転して、
ワークロール3を元の偏芯位置に戻すように形成されて
いる。なお支持軸11には、全長を貫く導孔33が形成
されており、導孔33は導管34を介してエア源(図示
されない)に接続する。
【0022】成形ロール4は保持具8の前面に回転自在
に軸支されており、保持具8は、図3、図6に示すよう
に、回転ホイール12に軸支された軸40の前端に、成
形ロール4が支持部2とワークロール3の間に近接する
ように固着されている。軸40の後端にはアーム41が
固着されており、アーム先端に設けられたカムロール4
2は、カム43のカム面43a(図4)と係合してお
り、カム面43aは、回転ホイール12の回転に伴い、
図7に示すように、所定のタイミングでアーム41を揺
動して、成形ロール4を、支持部2の実質的に半径方向
に往復動するように構成されている。なお図7におい
て、右側は、成形ロール4が成形開始前の位置にあると
き、左側は、成形ロール4が成形終了直後の位置にある
ときの状態を示す。
【0023】保持具8の後面に軸着されたロール45
は、クリアランス制御カム17と協動して、成形ロール
4を押入するさいの、成形ロール4の円錐台形面4aと
支持部2の円錐台形面2b(図2)の間のクリアランス
k(図2参照)を制御するため設けられている。すな
わちクリアランス制御カム17の第1の円錐台状カム面
17aとロール45が係合して、成形ロール4が支持部
2に向かって移動している間は、クリアランス制御カム
17はばね6に抗して僅かに後退して、開口端部1aの
板厚より僅かに大きいクリアランスk(例えば開口端部
1aの板厚が0.2mmのとき、kは0.3mm)を形
成する。成形ロール4の押入がほぼ中期に達して、第2
の円錐台状カム面17bとロール45が係合すると、ク
リアランスk(両円錐台形面2b、4bの間に材料が入っ
ていない場合の)は、開口端部1aの板厚より若干小さ
くなる(例えばkが0.1mm)。ロール45は偏芯軸
(図示されない)を有し、これによりクリアランス量の
調整を行なう。
【0024】図8に示すチャック装置101は、成形工
具装置100に対向して配設されている。チャック装置
101は、支持部2に対向する側の端部にチャック7を
有し、支持部2と同心のチャック保持筒51に固着され
ている。チャック装置101は、さらにチャック保持筒
51の中心孔51aを摺動可能に挿通し、内部に真空孔
52aが形成された真空吸引軸52、および回転ホイー
ル53に固着されたスリーブ54内を摺動可能で、先端
に缶胴受け55を備える筒体56を備えている。筒体5
6の内部にチャック保持筒51が軸着されている。回転
ホイールは、前記の回転ホイール12と基部において固
着されていて、すなわち回転主軸に固着されていて、両
者は同時回転するように構成されている。
【0025】真空吸引軸52の先端には缶胴1の底部受
け57が設けられており、チャックの底部には底部受け
57と対応する形状の凹部7aが形成されており、チャ
ック7が軸方向定位置の状態で、真空吸引軸52が図の
右方に移動すると、底部受け57が凹部7aに入って、
缶胴1がチャック7に真空による吸引下に把持されるよ
うになっている。真空孔52aはロータリユニオン58
を通って真空源(図示されない)に接続する。
【0026】真空吸着軸52は、リング64に軸着され
ており、リング64にカムロール60が着設されてい
る。カムロール60は、固定フレーム36に固設された
円筒カム61のカム溝61aに係合しており、カム溝6
1aは、回転ホイール53の回転に伴い、所定のタイミ
ングで真空吸引軸52を、底部受け57が図の位置と凹
部7a間を軸方向に往復動するように形成されている。
【0027】筒体56にカムロール62が着設されてお
り、カムロール62は円筒カム61のカム溝61bに係
合している。カム溝61bは、回転ホイール53の回転
に伴い、筒体56、従ってチャック保持筒51が所定の
タイミングで、特に成形中はチャック保持筒51がワー
クロール3と同一速度で後退する(すなわち図の右方に
移行する)ように、軸方向に往復動するように形成され
ている。なお63はリング64の孔部64aを摺動可能
の、筒体56に固着された、リング64の回り止め用ピ
ンである。チャック保持筒51にはギヤ65が固着され
ている。ギヤ65は、太陽歯車66に歯合しており、チ
ャックされた缶胴の開口端部1a内面と支持具2が実質
的に同一の周速度またはほぼ同一の周速度で回転するよ
うに、すなわち缶胴1が捩れることなく回転するように
構成されている。
【0028】次に上記装置の動作について説明する。成
形工具装置100と、これに対向する、図8の状態にあ
るチャック装置101が共に公転している間、送り装置
(図示されない)から送入された缶胴1が缶胴受け55
に載ると、缶胴の底部1bが底部受け57に真空吸着さ
れ、カムロール60,62によって真空吸引軸52とチ
ャック保持筒51が前進して、チャック7と缶胴受け5
5が共に前進し、缶胴1が支持具2に外挿される。この
時点で真空吸引軸52は停止するが、チャック保持筒5
1はさらに前進を続け、底部受け57が凹部7aに入
り、缶胴1はチャック7により把持される。
【0029】この時点では、ワークロール3は図3に示
す位置にあって、偏芯しているので、開口端部1aの内
面はワークロール3と接触する。また成形ロール4は缶
胴1の外側に位置する。缶胴1の公転と共に、カムロー
ル42が着設されたアーム41が揺動して、成形ロール
4は実質的に支持部2の半径方向に移動して、支持部
2、すなわち開口端部1aに接近、接触して、図1、図
2の状態に示すように開口端部1aを押し込み始め
る。
【0030】この押し込みに伴って、ワークロール3お
よびチャック7がそれぞれ、カムロール27および62
によって同一速度で前進および後退して(つまり共に図
3、図8の右方に移動して)、缶胴1を移動させなが
ら、図1、図2の状態、に示すように、ネックイン
部10とフランジ部9を形成する。このさいカムロール
60により、缶底部受け57もチャック7と同一速度で
後退する。
【0031】押し込みのほぼ中期までは、ロール45が
クリアランス制御カム17の第1の円錐台状カム面17
aと係合しているので、支持部2は、ばね6に抗して僅
かに図の左方に移行して、円錐台形面2bと円錐台形面
4aの間に、開口端部1aの板厚より僅かに大きいクリ
アランスkが形成される。押し込みのほぼ中期以降は、
ロール45は第2の円錐台状カム面17bと係合して、
クリアランスkは、成形中のフランジ部9の厚さに等し
くなる。
【0032】ネックイン部10とフランジ部9の形成終
了と同時に、ワークロール3およびチャック7、缶底部
受け57は極く短時間停止し、この停止期間中に成形ロ
ール4は支持部2から離隔し、同時にボールねじ29の
作用によりワークロール3と支持部2は同心となる。そ
の後チャック7および缶底部受け57は急速に図8の位
置まで後退し、缶胴1はワークロール3から離される。
直ちに真空吸着軸52の真空が解除され、缶胴1はチャ
ック7から離れて次工程に送られる。
【0033】次にワークロール3が強制回転する場合
の、成形工具装置の例について述べる。図9に示す成形
工具装置200において、ワークロール3は支持軸11
1の先端に、軸心3xおよび支持軸111の軸心111
xを共有して固着されている。支持軸111は、スリー
ブ113内を偏芯して貫通する(スリーブ113の軸心
は113x)用孔113aを通って、軸方向に移行不能
にスリーブ113内に軸着されている。
【0034】114は、支持軸111と平行な回転主軸
(図示されない)に固着された回転ホイールであって、
その周縁部に沿い複数の透孔114aが形成されてい
る。各透孔114aを通ってスリーブ113が、ストロ
ークベアリング115を介して軸方向に滑動可能に、回
転ホイール114に軸着されている。
【0035】スリーブ113、従ってワークロール3の
軸方向の移動は、固定フレーム136に固着された円筒
カム116のカム溝116aに沿って、ホイール114
の回転に伴って軸方向に所定のタイミングで往復動する
カムロール117およびボール軸受118を介して行な
われる。ワークロール3従って支持軸111は、図示さ
れない駆動装置によって駆動される太陽歯車119によ
って、ピニオン120(図10)を介してギヤ121に
よって強制回転される。
【0036】支持部材122の先端の若干小径となって
いる部分が支持部2である。支持部材122の本体の部
分は、回転ホイール114の前方円筒状部114bにス
トロークベアリング123を介して、回転および軸方向
滑動可能に着設されている。ばね支持体105が、支持
部材122に近接して支持部2と反対側に前方円筒部1
14bの定位置に軸着されている。
【0037】支持部材122に固着された複数のピン1
24がばね支持体105を摺動可能に挿通している。支
持部材122は複数のばね6によってワークロール3側
に向かってバイアスされているので、ピン124に固着
されたリング125が、ばね支持体105の支持部2と
反対側の面に接触して、支持部2を常時は軸方向定位置
に保持する。ばね支持体105にはギヤ105aが設け
られていて、ばね支持体105は太陽歯車126によ
り、ギヤ機構(図示されない)を介して、支持部2の周
速がワークロール3の周速と等速又はほぼ等速となるよ
うに回転される。
【0038】成形ロール4の保持具108は、回転ホイ
ール114に支持部2に対し半径方向に往復動可能に、
摺動機構(図示されない)によって着設されている。保
持具108の成形ロール4と反対側の端部には、フレー
ムに設けられた円周カム(図示されない)のカム溝(図
示されない)と係合するカムロール(図示されない)が
着設されていて、成形ロール4はホイール114の回転
に伴って、所定のタイミングで半径方向に往復動するよ
うになっている。
【0039】127は、成形ロール4が支持部2に最接
近した際、円錐台形面4aと支持部2の円錐台形面2b
の間に最適のクリアランスを形成するための機構であ
る。クリアランス形成機構127は、回転ホイール11
4に固着され(楔形部128のみ保持具108に固着さ
れる)、図の斜め左下方に延びるテーパ面128aを有
する楔形部128、テーパ面128aと係合するロール
129、ロールシャフト130、保持体131、保持体
131に着設され、支持部材122のフランジ部の端面
122aと係合可能なローラ132、回転ホイール11
4に着設された支持板133に固着され、保持体131
を摺動可能に軸支するピン134および保持体131を
楔形部128側に押圧するスプリング135を備えてい
る。
【0040】成形ロール4が支持部2に向かって移動す
ると、すなわち図9の場合、上昇すると、テーパ面12
8aも上昇するので、ロール129は左方に移行し、同
時にロール132も左方に移行して、端面122aを押
圧して、支持部材122を左方に僅かに移動して、円錐
台形面2bと円錐台形面4aの間にクリアランスが形成
される。クリアランス量の設定は、テーパ面128aの
傾斜の変更によって行なわれる。
【0041】ワークロール3の支持部2に対する同心
は、次のようにして行なわれる。図10、図11におい
て、156は回転ホイール114の後方円筒状部114
c(軸心はスリーブ113の軸線113xと一致する)
に軸着された揺動リングであって、その突部156aに
は、フレームに設けられた周カム158と係合するカム
ロール157が軸着されている。揺動リング156の周
面に沿い部分的にギヤ159が設けられている。ギヤ1
59の回動は、ギヤ159と係合するギヤ160、ギヤ
161およびギヤ162を有するギヤ機構163(図
9)を介して、スリーブ113の外周ギヤ164に伝え
られる。
【0042】図11において、右側はカムロール157
が最低位置にある状態を示し、この状態では、支持部2
の軸心2x、スリーブ113の軸心113xおよび軸1
11の軸心111x(ワークロール3の軸心3xと一致
する)は同一平面上にあり、軸心111xが最も周カム
158寄りで、かつ軸心113xはこの平面の中央に位
置する。
【0043】図11の左側に示すように、成形工具装置
200の公転に伴い、カムロール157が最も高い位置
に達するまで揺動リング156が揺動すると、ギヤ15
9、ギヤ機構163および外周ギヤ164によってスリ
ーブ113が軸心113xの周りに180度回動して、
支持軸111の軸心111x、従ってワークロール3の
軸心3xが、支持部2の軸心2xと一致するように各ギ
ヤの歯数(ギヤ比)は形成されている。そのためネック
イン部10およびフランジ部9の形成中は、カムロール
157が右側の状態に示す最低位置にあり、成形が終了
した直後に左側の状態に示す最高位置にくるように周カ
ム157のプロフィルを定めることにより、成形終了後
の缶胴1の取出しを容易にすることができる。
【0044】成形工具装置200に対向するチャック装
置としては、成形工具装置100と同様に、図8に示す
チャック装置101が用いられる。成形工具装置200
による開口端部1aを成形の動作は、成形工具装置10
0の場合と、クリアランスkの変化の差を除いて、ほぼ
同様である。
【0045】図1に示すような、支持部2、ワークロー
ル3、成形ロール4およびばね6ならびにチャック7を
備える成形試験装置によって、成形ロール4の押し込み
深さと回転数の関係を試験した。成形前の支持部2とワ
ークロール3間の間隔は1mm、支持部2の外周面2aの
直径は65.8mm、ワークロール3の直径は57mm、成
形ロール4の直径は36mmで、缶胴1(錫めっき鋼板よ
りなる)の外径は66.2mm、高さは123mmで、缶胴
1の回転数は100rpm、ワークロール3は自由回転
で、ワークロール3およびチャック7の移動速度は35
mm/分、成形ロール4の前進速度は20m/分であっ
た。結果を図12に示す。曲線1が実測値で、直線2が
ネックイン部10の最も細い部分の周速から求めた理論
値である。両者はほぼ一致し、スリップが殆どないこと
を示している。なおこの試験では成形ロール4の回転数
の変化を測定し易くするため、通常生産の場合の約1/
20の回転数および移動速度に設定した。
【0046】比較のため、成形中ワークロール3を軸方
向定位置に保持し、一方従来のように、スプリングでチ
ャック側にバイアスされた成形ロールを用いた点以外は
同様にして試験を行なった結果を図13に示した。曲線
1が実測値で、直線2が理論値である。成形の特に後期
に両者の間に大きな開きが見られ、成形中のスリップが
大きいことを示している。
【0047】
【発明の効果】本発明の、缶胴の開口端部にスピニング
法により、ネックイン部とフランジ部を形成する方法
は、高速作業で、かつ材料費低減のため開口端部の板厚
を薄くした場合等でも、ネックイン部の外面塗膜に傷付
きが生じたり、板厚の減少等が起り難いという効果を奏
する。
【0048】請求項2に係る発明は、クリアランスの制
御を適切に行なうことにより、フランジ部のしわ発生を
防止し、成形サイクルを減少し、さらにたまたま缶胴が
供給されない場合でも、工具に傷付きが起るのを防止で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を示すための説明用縦断面図
である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】本発明を実施するための装置における、成形工
具装置の第1の例の横断面図である。
【図4】図3の支持軸の軸心と回転主軸の軸心を結ぶ平
面に沿う、要部縦断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿う横断面図である。
【図6】図3の成形ロールの軸心と回転主軸の軸心を結
ぶ平面に沿う、要部縦断面図である。
【図7】成形ロールの移動の状態を示すための、図6の
VII−VII線側からみた説明用側面図である。
【図8】本発明を実施するための装置における、チャッ
ク装置の例の縦断面図である。
【図9】本発明を実施するための装置における、成形工
具装置の第2の例の縦断面図である。
【図10】図9の成形工具装置の同心機構の要部を示
す、図11のX−X線に沿う要部縦断面図である。
【図11】図9の成形工具装置の、図10のXI−XI
線からみた、異なる2つの状態を示す説明用要部側面図
である。
【図12】本発明の方法の場合の、成形ロールの押し込
み深さと回転数の関係の例を示す線図である。
【図12】従来の方法の場合の、成形ロールの押し込み
深さと回転数の関係の例を示す線図である。
【符号の説明】
1 缶胴 1a 開口端部 2 支持部 2b 円錐台形面 3 ワークロール 4 成形ロール 4a 円錐台形面 9 フランジ部 10 ネックイン部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶胴の開口端部に嵌入された強制回転する
    支持部、支持部より小径で、缶胴内面に接触するよう、
    最初偏芯的に、支持部に対して近接して設けられたワー
    クロール、および上記接触する側の缶胴の外側に設けら
    れ、缶胴に対し半径方向に、もしくはほぼ半径方向に往
    復動可能の自由回転する成形ロールによって開口端部を
    成形する方法において、缶胴を支持部と共に回転しなが
    ら、成形ロールを、缶胴に向かって移動させて支持部と
    ワークロールの間の開口端部の部分に押入させながら、
    缶胴をワークロールと共に支持部から離れる軸心方向に
    移動させて、開口端部にネックイン部およびフランジ部
    を形成することを特徴とする缶胴の開口端部の成形方
    法。
  2. 【請求項2】支持部のワークロール側の面の周縁に第1
    の円錐台形面が形成されており、成形ロールの支持部側
    の面の周縁に第2の円錐台形面が形成されていて、成形
    ロールの押入と共に、支持部を弾性圧に抗してワークロ
    ールと反対側の軸心方向に僅かに移行させて、第1の円
    錐台形面と第2の円錐台形面間のクリアランスを制御し
    ながら成形を行なう請求項1記載の缶胴の開口端部の成
    形方法。
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