JP3537077B2 - ガスセンサ用マイクロヒータ - Google Patents

ガスセンサ用マイクロヒータ

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JP3537077B2
JP3537077B2 JP00876298A JP876298A JP3537077B2 JP 3537077 B2 JP3537077 B2 JP 3537077B2 JP 00876298 A JP00876298 A JP 00876298A JP 876298 A JP876298 A JP 876298A JP 3537077 B2 JP3537077 B2 JP 3537077B2
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micro
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micro heater
resistors
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスセンサ素子を
均等に加熱するための小型化接触燃焼式ガスセンサ用マ
イクロヒータ関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の接触燃焼式ガスセンサ
の検出回路を示す結線図である。R1及びR2は、それぞ
れ、固定抵抗101及び固定抵抗102の抵抗値であ
り、R3及びR4 は、それぞれ、補償素子104及びガ
ス検知素子103の抵抗値である。R1、R2、R3及び
R4は、ホィーストンブリッジを形成している。ガス検
知素子103は、例えば、白金コイルの周囲に貴金属の
担持されたアルミナ担体が固着されたものである。補償
素子104は、ガス検知素子と同一の構造のものである
が、ガス検知素子の貴金属に代えて酸化銅が担持された
ものである。
【0003】可燃性ガスが存在しないときは、ホィース
トンブリッジ回路は平衡して、R1×R4=R2×R3 と
なり、検出計に示される負荷の電圧は0Vとなる。一
方、雰囲気に可燃性ガスが含まれると、ガス検知素子1
03において、可燃性ガスが燃焼し、そのため、白金コ
イルの温度が上昇して、その抵抗値R4 が増大し、そし
て、補償素子104においては、可燃性ガスは、燃焼せ
ず、そのため、抵抗値R3 は変化しない。それらの結
果、ホィーストンブリッジ回路の平衡が破れて、検出計
15に負荷の電圧が表示される。
【0004】図13は、従来の小型化接触燃焼式ガスセ
ンサを示す平面図であり、そして、図14は、図13の
X−X線断面図である。
【0005】図13、図14に示されるように、絶縁体
層(断熱域)110がシリコン基体111の上に熱酸化
膜によるストッパー層112を介して橋絡部を形成す
る。橋絡部は、空洞部の上に橋渡しされる。この橋絡部
に金属薄膜抵抗体107A、107B、107C及び1
07Dが積層され、そして、シリコン基体111の上に
は、絶縁体層110を介して電極109A及び109B
が積層されている。電極109Aは、電源印加用端子で
あり、電極109Bは、出力端子である。金属薄膜抵抗
体107A、107B、107C及び107Dは、ジグ
ザグの形状を示し、ホィーストンブリッジ回路を形成し
ている。ホィーストンブリッジ回路の一つの枝片を形成
する金属薄膜抵抗体107A及び107Bは、保護層1
08により被覆されている。ホィーストンブリッジ回路
の他の枝片を形成する金属薄膜抵抗体107C及び10
7Dは、それぞれ、補償層106及びガス検知層105
により被覆されている。
【0006】前記金属薄膜抵抗体107A、107B、
107C及び107Dは、このような従来の小型化接触
燃焼式ガスセンサにおいて、可燃ガスが触媒の存在下に
燃焼するのに必要な温度を維持するために設けられ、加
熱体として機能し、また、マイクロヒータとしても機能
している。
【0007】図15は、かかる従来のマイクロヒータの
上面図である。図15に示すように、従来のマイクロヒ
ータ130は、均熱域122にマイクロヒータ121を
配し、これに電流を流すことで高温を得ている。マイク
ロヒータ121の両端には、それぞれ、電極124a及
び電極124bが設けられている。図13及び図15に
それぞれ示されている絶縁体層(断熱域)110及び断
熱域123は、マイクロヒータで発熱した熱が基体を伝
わって外部に逃げないように配置されている。
【0008】このようにガスセンサを小型化する場合、
シリコンのような基板上に薄膜ヒータ、ガス感知体膜、
絶縁体膜等を形成しなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図15に示すような従
来のマイクロヒータは、電池のような低消費電流による
発熱を利用するものであるところ、その断熱域123
は、支持部としての機能も有したものとなっていので、
充分な断熱が得られず、そのために、均熱域122の外
側の部分の温度が比較的低くなっていた。そして、従来
のマイクロヒータは、直列の電熱ヒータで配置している
ため、ヒータ抵抗のどの部分でも同じ電流i 0 が流れて
いるので、前記したような温度分布が発生すると、温度
の高い部分の抵抗rが高くなり、その分発熱量q(=r
0 2)も大きくなり、その結果、ヒータ内の温度差がさ
らに大きくなるものとなっていた。
【0010】そのために、従来のマイクロヒータを設け
た小型化接触燃焼式ガスセンサは、少ない消費電力で感
知精度を高くすることができない、という問題があっ
た。
【0011】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、少ない消費電力で感知
精度を高くした小型化接触燃焼式ガスセンサ用のマイク
ロヒータを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本第1発明は、上記目的
を達成するために、温度の高い部分の抵抗rh 温度の
低い部分抵抗rl との関係がrh>rlとなるガスセン
サ用マイクロヒータにおいて、断熱域によって囲まれた
略矩形の均熱域の全域にわたって薄膜状のヒータ抵抗を
格子状に設けたことを特徴とするガスセンサ用マイクロ
ヒータである。
【0013】本第2発明は、第1発明において、マイク
ロヒータの格子の対角線方向に位置する角部にそれぞれ
電極を設けたことを特徴としている。
【0014】本第3発明は、第1発明において、マイク
ロヒータの格子の向かい合う両最外端に配置された薄膜
状ヒータ抵抗の辺の中央部にそれぞれ電極を設けたこと
を特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施の形態を示す小型
化接触燃焼式ガスセンサ用マイクロヒータの上面図であ
る。
【0017】図1において、10は、格子状のマイクロ
ヒータである。格子状のマイクロヒータ10は、薄膜状
のヒータ抵抗1によって構成されている。格子状のマイ
クロヒータ10は、絶縁体層5の面に設けられた略矩形
の均熱域2の全域にわたって設けられ、その周囲には、
断熱域3が取り囲むように設けられている。ヒータ抵抗
10の格子の最外端に配置された薄膜状のヒータ抵抗1
a、1b、1c、1dによって形成される4角の対角線
方向に位置する一方の角部及び他方の角部には、電極4
a及び電極4bがそれぞれ配置されている。
【0018】図1のようなマイクロヒータの構造では、
縦方向の温度分布をみると、温度の高い部分の抵抗rh
及び温度の低い部分抵抗rlの関係は、rh>rlとな
り、電流はrl 側に多く流れる。そのために、各の発
熱量qh (=vih )、ql (=vil )はqh<q
l となり、温度の低い方の発熱が大きくなる。これによ
り、マイクロヒータ内の温度差は小さくなる。そして、
この均熱域の構造では、特に、コーナー部の温度が下が
りやすいので、図1に示されるマイクロヒータの構造で
は、そのコーナ部の発熱が大きくなり、そのために、温
度分布をより均一にすることができる。また、横方向の
温度調整はあまりきかないが、ヒータ抵抗の周囲に断熱
域を設けて断熱を良くすることにより十分に解決でき
る。さらに、温度分布を良くしたい場合には、各抵抗線
の大きさを調整することもできる。
【0019】図2は、本発明の他の一実施の形態を示す
小型化接触燃焼式ガスセンサ用マイクロヒータの底面図
であり、図3は、その部分拡大説明図である。
【0020】図2において、20は、格子状のマイクロ
ヒータである。格子状のマイクロヒータ20は、薄膜状
のヒータ抵抗11によって構成されている。格子状のマ
イクロヒータ20は、絶縁体層15の面に設けられた略
矩形の均熱域12の全域にわたって設けられ、その周囲
には、断熱域13が取り囲むように設けられている。マ
イクロヒータの格子の向かい合う両最外端に配置された
薄膜状のヒータ抵抗11a、11c又は1b、1dによ
る辺の中央部には、電極14a及び電極14bがそれぞ
れ配置されている。
【0021】図2のようなマイクロヒータの構造では、
縦方向の薄膜状のヒータには、電流調整分の電流しか流
れない。その理由は、次のとおりである。
【0022】即ち、図3において、電流は、AからBの
方向に流れる。A−C、A−D、C−B及びD−Bの4
個の抵抗に着目すると、これでホイーストンブリッジを
形成していることがわかる。4個の抵抗の温度が同じで
あれば、各抵抗は等しくなるので、抵抗C−D間には電
流が流れない。しかし、実際には、センサ内の温度分布
があるので、各抵抗部分の温度は同じではない。したが
って、抵抗体の抵抗温度特性により、4個の抵抗の抵抗
値が異なり、抵抗C−D間に調整分の電流が流れること
になる。この電流値は、明らかに他の4個の抵抗に流れ
る電流よりかなり少ない。図2の構成のマイクロヒータ
は、このホイーストンブリッジ抵抗が多数ある構造にな
っていることから、縦方向(CーD)の抵抗には、電流
調整分の電流しか流れないことがわかる。
【0023】そして、この均熱域の構造では、特に、コ
ーナー部の温度が下がりやすいので、図2に示されるマ
イクロヒータの構造は、そのコーナ部の発熱が大きくな
り、そのために、均熱域の温度分布をより均一にするこ
とができる。また、上記図1のマイクロヒータと同様
に、横方向の温度調整はあまりきかないが、ヒータ抵抗
の周囲に断熱域設けて断熱を良くすることにより十分に
解決でき、さらに、温度分布を良くしたい場合には、各
抵抗線の大きさを調整することもできる。
【0024】
【実施例】図4(a)〜(d)は、本発明の一実施例を
示す概略工程別断面説明図である。以下、工程順に説明
する。
【0025】(1) (a)に示すように、厚さ4000Å
の熱酸化膜をストッパー層22として有する厚さ400
μmのシリコンウエハよりなる基体21の表面及び裏面
にそれぞれスパッタリングにより厚さ1μmの窒化ケイ
素膜よりなる絶縁体層23及び絶縁体層24を形成し
た。基体21は、本実施例ではシリコンウエハを用いた
が、その他の半導体基板、アルミナ、ジルコニア、ムラ
イト等のセラミックス基板、或いは、サファイア、ガー
ネット等の酸化物単結晶基板を用いてもかまわない。 (2) (b)に示すように、絶縁体層23の上に電子ビー
ム蒸着法により厚さ0.5μmのPt金属膜を成膜し、
フォトリソグラフィによりマイクロヒータ25及び配線
26にパターニングした。前記金属膜としては、Al、
Au、Pd、Ni、Cu、ITO等の金属膜でも良い。 (3) (c)に示すように、前記マイクロヒータ25及び
配線26の上に触媒を担持した多孔質セラミックスを成
膜し、フォトリソグラフィによりガス検知部27をマイ
クロヒータ25の上にパターニングした。この際、補償
素子を形成する場合には、触媒を変えるか、又は、触媒
を担持しないセラミックスを成膜すればよい。 (4) 次に、(d)に示すように、前記窒化ケイ素膜より
なる絶縁体層24をマスクとして裏面よりシリコン基体
21をエッチングしてマイクロヒータを保持するための
橋絡部を形成した。
【0026】図5は、マイクロヒータの素子の中心部か
ら側面部までの温度分布のシュミレーション結果(以
下、「シュミレーション結果」という)を示すグラフで
あって、図15で示される従来のマイクロヒータのもの
である。図6は、図2で示される本発明のマイクロヒー
タのシュミレーション結果を示すグラフである。図7
は、図1で示される本発明のマイクロヒータのシュミレ
ーション結果を示すグラフである。図8〜10は、前記
図5〜7のシュミレーション結果を示すマイクロヒータ
に均熱体を設けた場合のシュミレーション結果を示すグ
ラフである。図11は、前記図5〜10のシュミレーシ
ョン結果を示すマイクロヒータの消費電力−ガス感度の
関係を示すグラフである。
【0027】図5及び図6において、点線は、可燃性ガ
スの引火温度であり、そして、斜線部は、不必要な熱量
を示している。図5で示される温度分布を有する従来の
マイクロヒータは、図6で示される温度分布を有する本
発明のマイクロヒータに比べて、明らかに同じ感度で不
要な熱量を消費していることがわかる。即ち、感度を同
じにした場合、本発明の図2で示されるマイクロヒータ
は、従来の図15で示される形状のマイクロヒータに対
して、消費電力が大幅に節約できることがわかる。図1
1によれば、前記図5〜10のシュミレーション結果を
示すマイクロヒータにおけるセンサの最大感度は、どれ
も同じであるが、それらのガス感度を発生させる消費電
力に大きな違いが生じる。即ち、温度分布の良いマイク
ロヒータによるガスセンサでは、少ない消費電力で高感
度のセンサ特性を得ることができる。
【0028】以上、本発明によれば、マイクロヒータの
均熱域の温度分布をより均一にしたので、これを用いた
小型化接触燃焼式ガスセンサの感知精度を高くすること
ができると共に消費電力が大幅に節約できる。また、そ
のガス検知部の一部の温度が必要以上に高くなることが
なくなり、その結果、これを用いた小型化接触燃焼式ガ
スセンサの耐久性が向上する。
【0029】
【発明の効果】少ない消費電力で感知精度を高くし且つ
耐久性を向上させた小型化接触燃焼式ガスセンサ用のマ
イクロヒータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す小型化接触燃焼式
ガスセンサ用マイクロヒータの底面図である。
【図2】本発明の他の一実施の形態を示す小型化接触燃
焼式ガスセンサ用マイクロヒータの底面図である。
【図3】図2の部分拡大説明図である。
【図4】本発明の一実施例を示す概略工程別断面説明図
である。
【図5】図15で示される従来のマイクロヒータのシュ
ミレーション結果を示すグラフである。
【図6】図2で示される本発明のマイクロヒータのシュ
ミレーション結果を示すグラフである。
【図7】図1で示される本発明のマイクロヒータのシュ
ミレーション結果を示すグラフである。
【図8】図5のシュミレーション結果を示すマイクロヒ
ータに均熱体を設けた場合のシュミレーション結果を示
すグラフである。
【図9】図6のシュミレーション結果を示すマイクロヒ
ータに均熱体を設けた場合のシュミレーション結果を示
すグラフである。
【図10】図7のシュミレーション結果を示すマイクロ
ヒータに均熱体を設けた場合のシュミレーション結果を
示すグラフである。
【図11】図5〜10のシュミレーション結果を示すマ
イクロヒータの消費電力−ガス感度特性を示すグラフで
ある。
【図12】従来の小型化接触燃焼式ガスセンサの検出回
路を示す結線図である。
【図13】従来の小型化接触燃焼式ガスセンサを示す平
面図である。
【図14】図13のX−X線断面図である。
【図15】従来のマイクロヒータの上面図である。
【符号の説明】
1、11 薄膜状のヒータ抵抗 1a、1b、1c、1d 最外端に配置された薄膜状の
ヒータ抵抗 11a、11b、11c、11d 最外端に配置された
薄膜状のヒータ抵抗 2、12 均熱域 3、13 断熱域 4a、4b 電極 5、15 絶縁体層 10、20 マイクロヒータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度の高い部分の抵抗rh 温度の低い
    部分抵抗rl との関係がrh>rlとなるガスセンサ用
    マイクロヒータにおいて、断熱域によって囲まれた略矩
    形の均熱域の全域にわたって薄膜状のヒータ抵抗を格子
    状に設けたことを特徴とするガスセンサ用マイクロヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 マイクロヒータの格子の対角線方向に位
    置する角部にそれぞれ電極を設けたことを特徴とする請
    求項1記載のガスセンサ用マイクロヒータ。
  3. 【請求項3】 マイクロヒータの格子の向かい合う両最
    外端に配置された薄膜状のヒータ抵抗の辺の中央部にそ
    れぞれ電極を設けたことを特徴とする請求項1記載のガ
    スセンサ用マイクロヒータ。
JP00876298A 1998-01-20 1998-01-20 ガスセンサ用マイクロヒータ Expired - Lifetime JP3537077B2 (ja)

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DE102004017750B4 (de) * 2004-04-06 2006-03-16 Flechsig, Gerd-Uwe, Dr. rer. nat. Analyse-Array mit heizbaren Elektroden
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