JP3537047B2 - コンクリート吹付機 - Google Patents

コンクリート吹付機

Info

Publication number
JP3537047B2
JP3537047B2 JP2001280918A JP2001280918A JP3537047B2 JP 3537047 B2 JP3537047 B2 JP 3537047B2 JP 2001280918 A JP2001280918 A JP 2001280918A JP 2001280918 A JP2001280918 A JP 2001280918A JP 3537047 B2 JP3537047 B2 JP 3537047B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impeller
concrete
spraying machine
casing
concrete spraying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001280918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003090198A (ja
Inventor
幹市郎 山野
宏 鈴木
Original Assignee
石川島播磨重工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 石川島播磨重工業株式会社 filed Critical 石川島播磨重工業株式会社
Priority to JP2001280918A priority Critical patent/JP3537047B2/ja
Publication of JP2003090198A publication Critical patent/JP2003090198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3537047B2 publication Critical patent/JP3537047B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル内面等に
コンクリート等をライニングするためのコンクリート吹
付機に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル、坑道、ケーブルダクト等の内
壁をコンクリートやモルタルでライニングする手段とし
て、従前は図4に模式的に示すエアー吹付機が用いられ
てきた。しかしかかるエアー吹付機は、空圧源の動力が
大きくなるばかりでなく、微細なコンクリートや急結剤
を含む粉塵が大量の圧縮空気により周囲を汚染するとい
った問題点があった。
【0003】そこで、本願発明者らは図5に模式的に示
す圧縮空気を用いずにライニングを行う「コンクリート
吹付機」を創案し出願した(特開平11−71997
号)。また、本願発明者はこのコンクリート吹付機を改
良し、投射口から投射されずにケーシング内部を周回す
る周回コンクリートの発生を抑制する図6に示す「コン
クリート吹付機用ヘッド部構造」を創案し出願している
(特願2001−28707号)。
【0004】かかる「コンクリート吹付機のヘッド部構
造」は、回転軸(50)を中心に高速回転するインペラ
(52)と、該インペラを取り囲みその内周面を円形と
するケーシング(53)と、前記インペラに向けてコン
クリートを供給するためにケーシング内部に連通するコ
ンクリート供給管(51)と、該コンクリート供給管に
隣接するように該ケーシングに設けられたコンクリート
吐出管(54)と、を備え、前記インペラには、コンク
リート供給管から供給されるコンクリートをコンクリー
ト吐出管から投射するため回転軸を中心とする少なくと
も2枚のインペラブレード(55)が設けられ、該イン
ペラブレードにはインペラの半径方向に延びる打撃部
(57)と該打撃部の軸心方向に位置する一端からイン
ペラの回転方向に延びる受け顎部(56)とから形成さ
れるL字形状のコンクリート接触部(58)が設けられ
ていることを特徴とする。
【0005】かかるコンクリート吹付機のヘッド部構造
によれば、打撃により拡散しようとするコンクリートの
ペースト成分を打撃部(57)外周側および受け顎部
(56)、すなわちコンクリート接触部(58)に捕捉
させることで投射タイミングの遅れを最小限に抑え、ペ
ースト成分のほとんどをコンクリート吐出管(54)方
向(Z方向)に投射することが可能となる。これにより
周回コンクリートの発生も減少し、インペラ(52)の
回転もスムーズとなりコンクリートの吹き付けを効率的
に行うことができるとともに、周回コンクリートとの摩
擦によるインペラ等の摩耗を抑え製品の寿命を延ばすこ
とができる。
【0006】ここで図7に示すようにコンクリートが供
給される方向からみたインペラブレードの打撃部(5
7)には、該打撃部の幅方向両側に位置し、インペラ側
板(59)に平行に突出する相互に対向する二つの堰止
壁(61)によってコの字型部(62)が形成されてお
り、該コの字型部はインペラ(52)の回転に伴ってケ
ーシング(53)内でのコンクリート供給口(51a)
に対応した位置にくるように、対向する堰止壁の間をコ
ンクリート供給管(51)の内径(D)と同じか又は若
干大きくしたものとすることも好ましいとされている。
【0007】これは、堰止壁(61)によってコンクリ
ート供給管(51)からケーシング(53)内に投入さ
れるコンクリートの打撃におけるインペラ側板方向への
ペースト成分の拡散を抑えて投射流を一様化し、スポッ
ト投射性を改善するためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した図6および図
7に示す「コンクリート吹付機のヘッド部構造」を用い
たコンクリート吹付機では、従前のコンクリート吹付機
に比して周回コンクリートの発生も減少し、インペラの
回転もスムーズとなりコンクリートの吹き付けを効率的
に行うことができるようになった。また、インペラ等の
摩耗が抑えられ製品の寿命が延びるとともに、スポット
投射性も向上した。
【0009】しかしながら、かかる「コンクリート吹付
機のヘッド部構造」によっても、周回コンクリートの発
生を完全になくすことはできないため、一旦周回コンク
リートが発生するとこれが高速に回転するインペラから
突起する堰止壁に回転方向から衝突し、ときとして堰止
壁が破損することがあった。
【0010】堰止壁が破損してケーシング内に飛散する
と、その超硬部材の破片によって他の堰止壁を一気に破
壊する恐れがあった。
【0011】また、このインペラブレードの堰止壁は打
撃部の幅方向両側にインペラ側板に平行に突出してい
る。そのため超硬材を削り出すことによってインペラブ
レードを作成する場合には、その多くを切削する必要が
あり、材料費や加工コストが上昇するといった問題もあ
った。インペラブレードは消耗品であり、できる限り安
価であることが望まれるが、かかる意味で堰止壁付きの
インペラブレードはその実用性に乏しいものであった。
【0012】さらに堰止壁は、インペラの回転方向に一
定の長さでインペラ側板に平行に突出しインペラブレー
ドで打撃されたコンクリートをコンクリート供給管の径
の幅でコンクリート吐出管へとガイドする役割を有する
が、堰止壁の周方向の長さが短いために打撃されたコン
クリートの一部を幅方向に捉えきれない場合があり、ま
たケーシング内を周回または飛散しているコンクリート
を堰止壁の幅でガイドし吐出できないこともあった。そ
のため投射コンクリートの幅方向の飛散が起こりコンク
リートと吐出管内壁との摩擦が生じ、未だに投射流に若
干の乱れを生じていた。
【0013】本発明は、上述した問題点を解決するため
に創案されたものである。すなわち本発明は、(1)コ
ンクリート供給管から供給されたコンクリートを供給管
幅内に収容した上でインペラブレードにより打撃するこ
とによって投射コンクリートの幅方向の飛散による投射
流の乱れを抑制して、周回コンクリートの発生を低減
し、(2)周回コンクリートが発生した場合でもインペ
ラブレードの破損をなくすとともに、好ましくは(3)
消耗品であるインペラブレードの材料費や加工コストの
低減を図ることによってその実用性を高め、さらに、
(4)投射コンクリートの投射流の飛散を抑えてスポッ
ト投射性をより高めることができるコンクリート吹付機
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転軸
(12)を中心に高速回転するインペラ(14)と、該
インペラを取り囲みその内周面を円形とするケーシング
(16)と、前記インペラに向けてコンクリート(1
7)を供給するためにケーシング内部に連通するコンク
リート供給管(18)と、該コンクリート供給管に隣接
するように該ケーシングに設けられたコンクリート吐出
管(22)と、を備え、前記インペラは、対向する2枚
の円盤状のインペラ側板(24)と、該インペラ側板間
に挟み込まれ前記回転軸を中心として周方向に等間隔で
取り付けられた複数のインペラブレード(26)と、か
らなり、対向する前記インペラ側板の外周端内面の間隔
は、前記コンクリート供給管とケーシングとの接合部分
に位置するコンクリート供給口(28)の内径(D)と
同一若しくは僅かに広く、前記インペラブレード(2
6)には、インペラ(14)の半径方向に延びる打撃部
(32)と該打撃部の半径方向内端に位置する一端から
インペラの回転方向に延びる受け顎部(34)が形成さ
れている、ことを特徴とするコンクリート吹付機が提供
される。
【0015】上記本発明の構成によれば、コンクリート
供給管(18)からケーシング(16)内部に投入され
たコンクリート(17)は、ケーシング内部で高速に回
転するインペラ(14)のインペラブレード(26)で
打撃されコンクリート吐出管(22)へと投射される。
この際、対向するインペラ側板の外周端内面の間隔が、
コンクリート供給口の内径(D)とほぼ同じであるた
め、投入されたコンクリートは対向するインペラ側板間
でそのインペラ幅方向への拡散が抑制され直ちに投射さ
れる。そのため投射流が一様化され、結果としてスポッ
ト投射性の改善が図られる。
【0016】なお、対向するインペラ側板(24)の外
周端内面の間隔をコンクリート供給口(18)の内径
(D)より僅かに広くできることとしたのは、投入され
たコンクリートの全てを確実に捕捉するためである。こ
こで、対向するインペラ側板外周端内面の間隔をコンク
リート供給口の内径(D)より大幅に広くすることは適
当ではない。インペラ側板の間隔がコンクリート供給口
の内径よりも大幅に広いと、投入されたコンクリートは
インペラブレードで打撃された瞬間にインペラブレード
上の広範囲に拡散しその後に投射されるため、投射まで
に一定の時間を要し、投射タイミングに遅れが生じる結
果、投射流が不均一となって周回コンクリートの発生を
招来するとともに、打撃幅が広くなるため投射流の幅方
向の拡散が大きくなり投射流のスポット性を悪くするか
らである。
【0017】また本発明では、2枚の円盤状のインペラ
側板(24)によってインペラ幅方向への拡散を堰き止
められたコンクリートは、インペラ側板にガイドされて
コンクリート供給口(28)から投入されたそのままの
幅でコンクリート吐出管(22)へと向かう。そのた
め、コンクリートの投射の際の損失を少なくすることが
できる。また、インペラ側板(24)とコンクリート供
給管(28)の下端部との隙間を小さくしているので、
打撃後のコンクリートがインペラ側板からケーシング内
面へ流出しにくくなり、そのほとんど全てはコンクリー
ト吐出管へ向かうことができる。これによって周回コン
クリートの発生を効果的に低減することができる。
【0018】さらに本発明のコンクリート吹付機のイン
ペラブレード(26)は、インペラ(14)の幅方向に
直線形状をなしているためその加工も容易であり、堰止
壁(61)が突出した従来のインペラブレード(55)
と比して材料費や加工コストの低減を図ることができ
る。加えて本発明のインペラブレードは、従来のインペ
ラブレードのように突起した部分がないため当然にこれ
が破損することもない。
【0019】また本発明によれば、前記インペラブレー
ド(26)には、インペラ(14)の半径方向に延びる
打撃部(32)と該打撃部の半径方向内端に位置する一
端からインペラの回転方向に延びる受け顎部(34)が
形成されている。
【0020】この構成により、インペラブレード(2
6)の打撃の瞬間に拡散しようとするコンクリートのペ
ースト成分は、インペラブレード外周側の打撃部(3
2)および受け顎部(34)に捕捉され、回転軸(1
2)の近くにまで拡散することがなく、遠心力の作用に
よって直ちに放射方向に投射される。すなわち、打撃に
より拡散したペースト成分をインペラブレード外周側お
よび受け顎部に捕捉させることで投射タイミングの遅れ
を最小限に抑え、前述のインペラ側板(24)によるガ
イドとの相乗効果によってペースト成分のほとんどをコ
ンクリート吐出管方向に投射することを可能とし、周回
コンクリートの発生を激減させることができる。
【0021】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
打撃部(32)には、耐摩耗性材料からなるインペラブ
レード超硬部材(36)が固定されている、ことが好ま
しい。
【0022】投入されたコンクリートの打撃を行うこと
により最も摩耗する部分に耐摩耗性材料からなるインペ
ラブレード超硬部材(36)を設けることによって、イ
ンペラブレードの耐久性を向上させることができる。な
お、このインペラブレード超硬部材をインペラブレード
に着脱自在に交換可能とすることでコンクリート吹付機
の運転コストを低減することができる。
【0023】また、 前記インペラブレード超硬部材
(36)の前記受け顎部(34)との接合部分は、イン
ペラブレード超硬部材の断面が回転方向になだらかに突
出する受形状の曲面(a)に形成されている、ことも好
ましい。
【0024】コンクリート供給管から投入されたコンク
リートのペースト成分は、ケーシング内で高速に回転す
るインペラのブレードによる打撃によって打撃面上の全
方向に拡散しようとする。ここで前記打撃部と前記受け
顎部とが例えば直角をなして接合していると、打撃面上
で軸心方向に拡散するペースト成分が受け顎部にせき止
められ、結果として打撃部と受け顎部との接合部分にペ
ースト成分溜まりが発生する。一様な投射流を得るため
には打撃面上に均一にペースト成分が拡散していること
が理想的とされるため、かかるペースト成分溜まりの発
生は望ましいものではない。そこで、前記インペラブレ
ード超硬部材(36)の前記受け顎部(34)との接合
部分を、インペラブレード超硬部材の断面が回転方向に
なだらかに突出する受形状の曲面(a)に形成すること
によって、打撃面上で軸心方向に拡散するペースト成分
をスムーズに受け顎部上に流し込み、打撃面上にペース
ト成分をほぼ均一に拡散することができる。これによっ
て、打撃直後のコンクリートが飛び出しやすくなり、投
射の出遅れによる周回コンクリートの量を低減でき、投
射性能も向上させることができる。
【0025】また本発明の好ましい実施形態によれば、
前記インペラ側板(24)は、外部からの動力によって
高速に回転する回転軸(12)に固定された円盤状のイ
ンペラベース(38)と、該インペラベースの外周側の
対向するインペラベースの内面両側に取り付けられた耐
摩耗性材料からなる内側超硬部材(42)と、からな
り、該内側超硬部材は、少なくとも前記打撃部およびそ
の回転方向前後を挟み込む前記インペラベースの一部に
取り付けられ、かつ、対向するインペラベースの内面お
よび対向する内側超硬部材の内面はほぼ面一に形成され
ている。回転軸(12)に結合されたインペラベース
(38)の外周側の対向する内面両側に耐摩耗性材料か
らなる内側超硬部材(42)を備え付けてインペラ側板
(24)を構成し、投入されたコンクリートをコンクリ
ート吐出管へとガイドすることによってインペラ側板の
耐久性を高め、コンクリート吹付機の運転コストを低減
することができる。ここで耐摩耗性材料の内側超硬
高価であるため、コンクリートと頻繁に接触し摩耗が激
しい部分、すなわち打撃部およびその回転方向前後を挟
み込むインペラベース(38)の一部にこれを取り付け
ることが望ましい。その際、対向するインペラベースの
内面および対向する内側超硬部材(42)の内面はほぼ
面一に形成する。高速に回転しながらコンクリートと接
触するインペラ側板の内面の凹凸をなくすことで、イン
ペラの回転を円滑に行わせることができるとともに、コ
ンクリートの供給および投射をスムーズに行うことがで
きる。さらに前記内側超硬部材(42)は、対向する内
側超硬部材の間に形成される空間をインペラ(14)の
外周側に向かい狭める勾配(θ)を有している、ことが
好ましい。この構成によってコンクリートのペースト成
分は、インペラ側板の内側超硬部材にガイドされて放射
方向内側に勾配(θ)でコンクリート吐出管の中心寄り
に投射されるため、内壁にほとんど当たらず減勢しな
い。従って、投射コンクリートとコンクリート吐出管と
の接触を低減し、投射速度の低下を抑制して投射効率を
高めることができるとともに周回コンクリートの発生も
抑制することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明のコンクリート吹付機の使用状態を
示す図である。この図において、4は主機であり、走行
部4aを有し、後側にはコンクリートポンプ4bが設け
られている。主機4の前側にはロボットアーム機構5が
設けられている。ロボットアーム機構5は、この例で
は、主ビーム5a、主ビーム5aの伸縮ロッド5bに設
けられた横振りシリンダ5c、直動シリンダ5d、直動
シリンダ5eのロッド先端に設けられたベース5e等か
らなり、ヘッド部10を任意の位置及び向きに移動でき
るようになっている。図2は、本発明のコンクリート吹
付機の側面図である。なおこの図は、内部構造の明瞭化
等のために、手前側のケーシングと手前側のインペラ側
板を表わさず、また、一部を省略して表している。本図
に示すとおり、本発明にかかるコンクリート吹付機のヘ
ッド部20は、コンクリート供給管18と連通してお
り、そのヘッド部は、回転軸を中心に回転するインペラ
14と、インペラ14を取り囲みその内周面を円形とす
るケーシング16と、コンクリート供給管に隣接してケ
ーシングに設けられたコンクリート吐出管22とから構
成される。図3は、図2のA−A線における部分断面図
である。この図に示すように、 ケーシング16は、イ
ンペラ14を間隔を隔てて囲んでいる。更に、コンクリ
ート供給管18は、ケーシングの上部に一体に設けら
れ、コンクリート用パイプ6(図1参照)を介してコン
クリートポンプ4bに連結され、コンクリートをインペ
ラの回転中心に向けて供給(圧送)するようになってい
る。図3に示すようにインペラ14は、回転軸12の軸
線方向に間隔を隔てた2枚のインペラ側板24と、その
間に回転軸を中心として周方向に等間隔で挟み込まれた
複数(図2では4枚)のインペラブレードブレード26
とからなる。インペラは図示しない駆動装置(例えば油
圧モータ)により回転軸12を中心に高速回転する。な
お、2枚のインペラ側板は、4枚のインペラブレードを
柱としてこれを挟み込んで螺合され、互いに分離可能な
構造をなしている。ここで対向するインペラ側板24の
外周端内面の間隔は、コンクリート供給管18とケーシ
ング16との接合部分に位置するコンクリート供給口2
8の内径(D)と同一に形成されている。対向するイン
ペラ側板24の外周端内面の間隔とコンクリート供給口
28の内径(D)とを同じにすることで、投入されたコ
ンクリート17は対向するインペラ側板間でそのインペ
ラ幅方向への拡散が抑制され直ちに投射される。そのた
め投射流に乱れが生じにくく、結果としてスポット投射
性が改善される。またインペラブレード26には、イン
ペラ14の半径方向に延びる打撃部32と打撃部の半径
方向内端に位置する一端からインペラの回転方向に延び
る受け顎部34とが形成されている。コンクリートポン
プにより圧送されたコンクリート17は、コンクリート
供給管18を通りヘッド部20に送られその内部に投入
される。ヘッド部の内部には高速回転するインペラ14
があり、投入されたコンクリート中の固体成分はインペ
ラブレードの打撃部32により打撃され、その衝突によ
って与えられる付勢力によりコンクリート吐出管22へ
と向かい所望の壁面等に投射される。一方、投入された
コンクリートのうちのペースト成分は、インペラブレー
ドによる打撃の瞬間、インペラ半径方向に広く拡散しよ
うとする。しかしインペラの回転軸方向には受け顎部3
4が設けられているため、供給されたコンクリートはこ
こで受け止められ遠心力の作用によって直ちにコンクリ
ート吐出管22に向けて投射される。そのため、ペース
ト成分の拡散による投射タイミングの遅れが少なくなり
スポット投射性が改善され、周回コンクリートの発生も
抑制される。ここでコンクリート吐出管22は、コンク
リート供給管18に隣接してケーシング16に一体に設
けられている。このコンクリート吐出管は、ケーシング
から断面変化のないストレート管であり、好ましくは、
断面が矩形の短管である。この構成により、コンクリー
トの投射方向にコンクリート吐出管の軸線を一致させる
ことができ、吐出抵抗を大幅に低減できる。また、断面
を矩形の短管とすることにより、ケーシングの通常の形
状に一致させることができ、インペラで投射されたコン
クリートの速度を落とすことなく、コンクリートのスポ
ット性を保持することができる。さらに図2に示すよう
に、打撃部32には、耐摩耗性材料からなるインペラブ
レード超硬部材36が図示しない固定手段によって固定
されている。投入されたコンクリートの打撃を行い最も
摩耗するインペラブレード26のうちインペラの半径方
向の面に耐摩耗性材料(JIS E4など)からなるイ
ンペラブレード超硬部材36を取り付けることによっ
て、インペラブレードの寿命を延ばすことができる。な
お、このインペラブレード超硬部材は固定手段によって
インペラブレードに着脱自在であり、インペラブレード
超硬部材の摩耗が進んだ場合には、かかる部品のみを交
換することができる。なお、図2中、44はインペラブ
レードをインペラ側板に固定するための台座である。な
おこのインペラブレード超硬部材は幅方向に突起のない
直線形状であり、従来の堰止壁付きのものと比してその
材料費や加工コストの低減を図ることできる。また、イ
ンペラブレード超硬部材には突起などがないため突起部
が破損するといった問題もない。ここでインペラ側板2
4は図3に示すように、外部からの動力によって高速に
回転する回転軸12に固定された円盤状のインペラベー
ス38と、インペラベース38の外周側の対向するイン
ペラベースの内面両側に取り付けられた耐摩耗性材料か
らなる内側超硬部材42から構成されている。この内側
超硬部材42は、打撃部およびその回転方向前後を挟み
込むインペラベース38の一部に取り付けられ、かつ、
対向するインペラベースの内面および対向する内側超硬
部材42の内面はほぼ面一に形成されている。インペラ
側板24の本体をなす円盤状のインペラベース38のう
ち、コンクリートと頻繁に接触しその摩耗が激しい部
分、すなわち、打撃部およびその回転方向前後を挟み込
む部分に耐摩耗性材料からなる内側超硬部材42を取り
付けてやることでインペラ側板24の耐久性を高めるこ
とができる。なお、対向するインペラベース38の内面
および対向する内側超硬部材42の内面はほぼ面一に形
成することとしたのは、インペラブレード26を挟み込
むインペラ側板24の内面に段差をなくし、コンクリー
ト供給口28の内径(D)と、2枚のインペラ側板24
の間隔を常にほぼ同一とすることによって、スムーズに
コンクリートの供給を行うためである。また、コンクリ
ート吐出管22へコンクリートを投射する際のガイドと
なるインペラ側板24の内面を面一に形成することで、
コンクリートを常に一定の投射幅で投射するためであ
る。また、インペラ側板24とコンクリート供給管28
の下端部との隙間を小さくしているので、インペラ側板
24にガイドされたコンクリートのほとんど全てがコン
クリート吐出管へ向かうことができる。これによって周
回コンクリートの発生が抑制される。図3に示すように
インペラベースの外周端側の外面両側には耐摩耗性材料
からなる外側超硬フィン46が取り付けられている。こ
れは周回コンクリートが発生し、インペラ側板外周から
ケーシング内面へ流出しようとする場合に、この外側超
硬フィンによる打撃により、コンクリートをインペラ側
板内側へ押し戻す役割がある。さらに内側超硬部材42
は、対向する内側超硬部材の間に形成される空間をイン
ペラ14の外周側に向かい狭める勾配θを有している。
かかる構成によってコンクリートは、インペラ側板24
の内側超硬部材42にガイドされて放射方向内側に勾配
θでコンクリート吐出管22の中心寄りに投射される。
これにより投射されるコンクリートが若干飛散する場合
であっても、コンクリートはコンクリート吐出管の内壁
にほとんど当たらず減勢しない。これによりケーシング
やコンクリート吐出管の内周面へのペースト成分の付着
を少なくすることができ、周回コンクリートの発生やコ
ンクリート吐出管の先端からのペースト成分の垂れ落ち
(口垂れ)の発生を抑え、投射効率を向上させることが
できる。この勾配θは、投射効率を最大にするように最
適化するのがよく、好ましくは約3°前後に設定する。
なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論であ
る。
【0027】
【発明の効果】上述したように、本発明のコンクリート
吹付機は、周回コンクリートの発生を低減し、また、周
回コンクリートが発生した場合でもインペラブレードの
破損なくすとともに、消耗品であるインペラブレードの
材料費や加工コストの低減を図ることによってその実用
性を高め、さらに、投射コンクリートの投射流の飛散を
抑えてスポット投射性をより高めることができる、等の
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンクリート吹付機の使用状態を示
す図である。
【図2】 本発明のコンクリート吹付機のヘッド部の側
面図である。
【図3】 図2のA−A線における断面図である。
【図4】 従来のエアー吹付機の模式図である。
【図5】 先行出願のヘッド部の模式図である。
【図6】 先行出願のヘッド部の模式図である。
【図7】 図6のヘッド部のインペラブレードの構成図
である。
【符号の説明】
4 主機 4a 走行部 4b コンクリートポンプ 5 ロボットアーム機構 5a ビーム 5b 伸縮ロッド 5c 横振りシリンダ 5d 直動シリンダ 5e ベース 6 コンクリート用パイプ 10 ヘッド部 12、50 回転軸 14、52 インペラ 16、53 ケーシング 17 コンクリート 18、51 コンクリート供給管 20 ヘッド部 22、54 コンクリート吐出管 24、59 インペラ側板 26、55 インペラブレード 28,51a コンクリート供給口 32、57 打撃部 34、56 受け顎部 36 インペラブレード超硬部材 38 インペラベース 42 内側超硬部材 44 台座 46 外側超硬フィン 58 コンクリート接触部 61 堰止壁 62 コの字型部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−71997(JP,A) 特開 平11−350891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸(12)を中心に高速回転するイ
    ンペラ(14)と、 該インペラを取り囲みその内周面を円形とするケーシン
    グ(16)と、 前記インペラに向けてコンクリート(17)を供給する
    ためにケーシング内部に連通するコンクリート供給管
    (18)と、 該コンクリート供給管に隣接するように該ケーシングに
    設けられたコンクリート吐出管(22)と、を備え、 前記インペラは、対向する2枚の円盤状のインペラ側板
    (24)と、 該インペラ側板間に挟み込まれ前記回転軸を中心として
    周方向に等間隔で取り付けられた複数のインペラブレー
    ド(26)と、からなり、 対向する前記インペラ側板の外周端内面の間隔は、前記
    コンクリート供給管とケーシングとの接合部分に位置す
    るコンクリート供給口(28)の内径(D)と同一若し
    くは僅かに広く、 前記インペラブレード(26)には、インペラ(14)
    の半径方向に延びる打撃部(32)と該打撃部の半径方
    向内端に位置する一端からインペラの回転方向に延びる
    受け顎部(34)が形成されている 、ことを特徴とする
    コンクリート吹付機。
  2. 【請求項2】 前記打撃部(32)には、耐摩耗性材料
    からなるインペラブレード超硬部材(36)が固定され
    ている、ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリー
    ト吹付機。
  3. 【請求項3】 前記インペラブレード超硬部材(36)
    の前記受け顎部(34)との接合部分は、インペラブレ
    ード超硬部材の断面が回転方向になだらかに突出する受
    形状の曲面(a)に形成されている、ことを特徴とする
    請求項に記載のコンクリート吹付機用ヘッド構造。
  4. 【請求項4】 前記インペラ側板(24)は、外部から
    の動力によって高速に回転する回転軸(12)に固定さ
    れた円盤状のインペラベース(38)と、 該インペラベースの外周側の対向するインペラベースの
    内面両側に取り付けられた耐摩耗性材料からなる内側超
    部材(42)と、からなり、 該内側超硬部材は、少なくとも前記打撃部およびその回
    転方向前後を挟み込む前記インペラベースの一部に取り
    付けられ、かつ、対向するインペラベースの内面および
    対向する内側超硬部材の内面はほぼ面一に形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項1乃至に記載のコンクリ
    ート吹付機。
  5. 【請求項5】 前記内側超硬部材(42)は、対向する
    内側超硬部材の間に形成される空間をインペラ(14)
    の外周側に向かい狭める勾配(θ)を有している、こと
    を特徴とする請求項に記載のコンクリート吹付機。
JP2001280918A 2001-09-17 2001-09-17 コンクリート吹付機 Expired - Lifetime JP3537047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001280918A JP3537047B2 (ja) 2001-09-17 2001-09-17 コンクリート吹付機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001280918A JP3537047B2 (ja) 2001-09-17 2001-09-17 コンクリート吹付機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003090198A JP2003090198A (ja) 2003-03-28
JP3537047B2 true JP3537047B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=19104833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001280918A Expired - Lifetime JP3537047B2 (ja) 2001-09-17 2001-09-17 コンクリート吹付機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3537047B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4763842B1 (ja) * 2010-07-12 2011-08-31 リブコンエンジニアリング株式会社 コンクリート吹付機
JP2012021268A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Livecon Engineering Co Ltd コンクリート吹付機
CN102937026A (zh) * 2012-11-19 2013-02-20 淮南联合大学 一种旋槽式湿式喷浆机

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5091014B2 (ja) * 2008-06-06 2012-12-05 株式会社フジタ 吹付け装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4763842B1 (ja) * 2010-07-12 2011-08-31 リブコンエンジニアリング株式会社 コンクリート吹付機
JP2012021268A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Livecon Engineering Co Ltd コンクリート吹付機
CN102937026A (zh) * 2012-11-19 2013-02-20 淮南联合大学 一种旋槽式湿式喷浆机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003090198A (ja) 2003-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6120291A (en) Turbine handpiece
JP3537047B2 (ja) コンクリート吹付機
EP2322291A1 (en) Cleaning device adapted to eject high-pressure cleaning liquid
JP2003056719A (ja) 動圧シール装置及びこれを用いたロータリジョイント装置
JP6850577B2 (ja) エアタービンハンドピースとそのヘッド部におけるタービンロータの回転方法
CN102371394B (zh) 便携式切割机
US20170050338A1 (en) Power Saw Blade Cooling Arrangement
JPH11230077A (ja) 電動燃料ポンプ
CN102423816A (zh) 便携式切割机的锯片以及使用所述锯片的便携式切割机
JP3405459B2 (ja) コンクリート吹付機用ヘッド構造
CN102950332B (zh) 便携式切割机
CN102950333B (zh) 便携式切割机
JP2008144662A (ja) ベーンポンプ
JP2009006430A (ja) 研掃材遠心投射装置用のブレード
JPS6052913B2 (ja) 砥石車用注液装置
JP3428438B2 (ja) コンクリート吹付機
CN209491990U (zh) 一种水冷却金刚石锯片
JP2001295595A (ja) コンクリート吹付機
JP2003336212A (ja) 路面切断用ブレードの冷却装置
JPH1171997A (ja) コンクリート吹付機
EP1592860B1 (en) Tunnel boring apparatus
JP2004330384A (ja) 回転主軸装置および加工装置
CN118242083A (zh) 一种齿形辊以及包括该齿形辊的挖矿机
JP4669987B2 (ja) スピードスプレーヤ
CN206567611U (zh) 一种低噪圆锯片

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040311

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3537047

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140326

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term